平成27年8月28日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。  まず、第4回新国立競技場の関係閣僚会議について御報告を申し上げます。本日の関係閣僚会議では、新国立競技場の新しい整備計画を決定いたしました。新整備計画においては、コスト抑制の観点から、従前案に比べて性能、スペックですが、大幅に見直しました。スペックの見直しのポイントは3点です。  一つは、原則として競技機能に限定として、スポーツ博物館などのスポーツ振興施設は取りやめました。  二つ目は、屋根は観客席上部のみといたしました。  三つ目に、施設の水準は、オリ・パラのメインスタジアムとして適切に設定して、観客席数は7万2,000人であったものを6万8,000人に縮小いたしました。  今回の見直し案では、三つのアプローチにより検討されております。このパネルを御覧をいただきます。  まず一つは、従前案に含まれていた全てのスペックについて見直す方法。そして二つ目ですが、新整備計画の内容に即したモデルを設定してコストを積み上げる方法。そして三つ目ですが、国内外のスタジアムについて、同様のスペックで建築した場合にコストが幾らになっていたのかを推計する方法。この三つのアプローチをとっています。こうした方法については、専門家から成るJSCの技術審査委員会でも、妥当な方法と認めていただいております。新整備計画では、「コストを積み上げる方法で見た1,550億円を上限額としている」が、妥当な、皆さんに御理解いただける数字だと考えております。  次、もう一つパネルを御参照いただきます。  従前案が2,651億円、これは2,520億円プラス、別途必要不可欠な工事費、そして組織委員会から新たに要望いただきました50億円を入れまして2,651億円であったのに対して、新整備計画で決めた工事費の上限額は1,550億円です。約1,100億円、およそ42%の削減を行うことができました。また、工事費などについては、あらゆる費用を見える化しております。今後も閣僚会議においてJSCの整備プロセスを点検し、その進捗状況を報告してもらうこととしております。  なお、公募型プロポーザル方式により発注を行いますが、9月1日から新国立競技場整備事業の公募手続を開始することにいたしております。  なお、大会後の利活用については、民間事業への移行を図るとの基本的な考えのもと、今後、政府においてビジネスプランの公募に向けた検討を早急に開始をしてまいります。  今後、東京都が計画をしておりますスポーツクラスターの中で、例えば水素社会のモデル拠点など日本の先端技術を発信するといった、こうした先駆けとしてこの国立競技場の整備を考えてまいりますし、民間の皆さんの知恵と力を生かして、進化したスタジアムとして整備を目指してまいります。  この後、事務方の記者会見がありますので、その際に資料について詳細に説明をさせていただきます。何よりも、これまでと同様に透明性をしっかり図って、情報については公開をして進めてまいりますので、皆様方から是非御理解をいただきたいと思います。  最後になりますが、大変皆さんに御心配をおかけいたしました。今回、職員の皆さんはお盆もなしに、そして土日、夜中まで作業をしていただいて、こうした積み重ねをしていただきました。私も、40名近い団体や有識者の皆さん、アスリート、そして建築家、ジャーナリスト、多くの皆さんから話を聞いて、また20数万人のアンケートをいただいて、それをもとにして今回の決定をいたしました。なかなか全てを満足というわけにいきませんが、少なくとも今回の皆さんの御意見を踏まえて、そして国民の皆さんに御理解いただける、そういう自信を持ってこの計画を決定いたしました。是非皆さん方から御協議いただいて、何よりも皆さんに喜んでいただける、そして皆さんが自分たちの誇りとできるような国立競技場として、そして東京オリンピック・パラリンピック開催の拠点として整備してまいりますので、一層の御協力をお願い申し上げます。  以上です。

2.質疑応答
(記者)
まず、1か月強の作業で大変御苦労なさったと思いますけれども、最終的に総工費の上限が1,550億円となりました。1,000億円以上の削減というお話ですけれども、先程大臣は、国民に理解いただけると信じているというお話がありましたが、もろもろの条件をそろえてほかと比較したりしても、単純に1,550億という数字が、やはりなかなか大きい数字ではないかなと。国民にとってそれがどう受け止められるかというのは、まだ分からないところがあると思うんですけれども、このコストについて、国民の理解が得られるというふうに大臣はお思いでしょうか、改めてお願いします。
(大臣)
先程お話ありましたように、国内、そして国外のこれまでのナショナルスタジアム、あるいはそうした大規模なスタジアムの積算を見ても同等の価格でありますし、十分に皆さんに御理解いただけると思っています。
この検討を進めるに際して多くの皆さんから御意見いただきましたが、例えば安ければ安いほどいいという意見もありましたし、また、レガシーとして後世にしっかり残る施設にしてほしい、あるいは聖地にほしいと。多様な意見がありました。そうしたことを踏まえて、やはり国民の皆さんに、あれだけ高額な施設ではだめだよと、こういう御意見もありましたし、削るものはしっかり削ると、しかし後世に残って、世界の皆さん方が日本の建築技術の評価、そして日本のこれからのレガシーとしてしっかり残せるもの、そんな観点を含めて決定をいたしました。十分に国民の皆さんに御理解をしていただけるものと思いますし、是非国の予算に御理解をいただきたいと思っております。
(記者)
もう一点、これは大臣としての御見解を伺いたいんですが、その表にもあります、当初の計画に2,520にプラスして、別途必要不可欠な工事費として上げられている81億円なんですが、これはそもそも従来計画で本来であれば計上されていなければいけなかった数字、つまり言い方は悪いですが、安く見せるために、安く抑えるために、結果としてこれは隠されてしまった数字というふうに評価をしていいのかどうか、その点をお願いします。
(大臣)
それは、今回ずっと2020年の4月ということを想定して積算をいたしました。当初の計画は、私たちが聞いておりましたのは当然2019年の春ということでありますから、その後、例えば芝の養生等、そうした2020年の大会には間に合わせなきゃならないが、2019年でまだそこまで至らなくていいというものはあったと聞いておりますが、詳細については、これは文部科学省で整備をしましたので、そちらにお伺いいただければと思います。
(記者)
最後にもう一点だけ、確認ですが、この1,550を算出した消費税率は8%でいいんでしょうか。
(大臣)
8%です。
(記者)
そうすると、いずれ10%に上げる時期が工事の途中に来ますけれども、その上がった分、そこから発注された分の費用、かさ上げされた分は1,550に吸収されるという理解でいいんでしょうか。
(大臣)
それは、例えば物価変動なども当然見なきゃなりませんし、それから消費税率については8%で計算していますから、当然2%上がれば、その時は2%上がった数字になると認識しております。
(記者)
それは、その分は上がるという理解でいいですか。
(大臣)
はい。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
(記者)
工事費の中で、組織委員会からの新規要望50億円とありますけれども、これはどういうもので、どういう形でいつ要望があったのかお教えいただけますか。
(大臣)
今回積算するに当たって、改めて組織委員会から要望がありましたが、2020年の春に完成をして、直ぐに夏の大会になりますので、例えば電源の施設整備とか、あるいはカメラモートとか、そういうものが必要だというふうに承っております。
(記者)
今回の整備に当たって、大臣、入札の不調が起こらないようにしなければならないということを、以前、文科大臣との協議の後でおっしゃっていたと思うんですけれども、今回の額というのは、そうした不調という事態には陥らない程度までは確保できたというふうに思っていらっしゃいますか。
(大臣)
はい。それは、先日おいでいただきました審査委員長が妥当とした評価の中で、最後に、不調というリスクを避けなきゃならない、そういう意味でも妥当ですとおっしゃっていただきましたので、十分入札は適正に、しっかりとされるものと思っております。
(記者)
金額の調整の過程に関してお伺いしたいんですけれども、昨日の段階では1,640というような報道もございましたけれども、最終的に大臣が昨日、総理ともお会いになって調整をされたかと思うんですけれども、一番最後にどういった部分で御苦労されて、最終的にこの金額に至るまでに、どういう圧縮というか、どういう知恵を使われたのかという部分の最後の調整過程をお伺いしたいと思います。
(大臣)
総理からは、なお一層の削減を図れという指示がございました。そこで、これまでの懸案でありました暑さ対策のための冷房装置、実は世界を見ましても2カ所しか使ってありませんが、現実に大会の途中は、多分開会式は夜行われるだろうと。まあ、閉会式もそうですが、それと主要な競技の決勝等については夜行われるだろうと。それからもう一つは、その時しか多分使われないのではないだろうかというふうなこと。
そしてなおかつ、今の技術でそうした冷暖房装置をつけたとしても、最大限2〜3度ぐらいの効果があるかどうかというふうなことでありますので、むしろそこにおよそ100億円近い金を投ずるよりも、具体的に、例えばもし体調不良になった方に対して休養する、あるいは介護する部屋をつくるとか、あるいは医療の体制整備をしっかりするとか、そうしたこと。また、これは近くなってからですが、観客の皆さんに、例えば暑さ対策でどういうことができるか、そんなことを踏まえながら整備をしてきましたので、そうした対策費として10億円を設定して、1,550億円といたしました。
(記者)
そうしますと、1,640から冷房が100億減って、10億上乗せしたので90億減って1,550と、こういう計算でよろしいでしょうか。
(大臣)
はい、それで結構です。
(記者)
ビジネスプラン、これからということでしたが、プロチームの本拠地にするということはあり得るのか。それと、旧国立のように、市民スポーツや陸上競技に安く会場を貸すということはあり得るのかということついて。
(大臣)
ビジネスプランにつきましては、これから検討をしてまいります。その中でいろんな議論をしていただきます。例えば有識者の皆さんの中からは、改めて新しい技術ができたら、幕を張って上をふさいで、そしていろんな事業ができるようにしたらどうかと、そうしないとなかなか運営は難しいねとか、いろんな提案がありましたので、十分そうした皆さん方の意見を踏まえて検討を進めてまいりたいと思います。
(記者)
プロチームの本拠地になることはありえる、選択肢としては。
(大臣)
多分、国立競技場として設置をいたしますので、特定のものに対して専属してというのは、なかなか難しいんだろうと思います。
(記者)
市民スポーツや陸上大会に安く貸すということは。
(大臣)
それは、これから十分配慮していかなければと思います。
(記者)
今の質問に関連してなんですけれども、大会後はワールドカップの招致ということを考えて8万人もということですけれども、ビジネスプランは、その8万人を前提に公募するという形になるんですか。縮小してとかそういう案とかもいろいろ出てきましたけれども。
(大臣)
そういうことを含めて、あまり前提なく検討していただきたいと思っております。
(記者)
観客席について、「大会後においてはトラック競技の増設を可能とし」と書いてあるんですけど、それは可動式を想定しているわけでしょうか。
(大臣)
いや、今は可動式は想定しておりません。
(記者)
ということは、もし増設する場合は、トラックはなくなるという解釈でいいんですか。
(大臣)
トラックがなくなるという解釈と同時に、逆に球技の球技場として、場合によって、将来技術が進んで何らかの形で陸上ができるものがあるというなら、そのときに取り外すという方法もあるかと思います。そうしたことを含めて検討してまいります。
(記者)
あともう一つ、完成後のランニングコストについて、管理コストですね、まだ設計ができていないので数字は出ないかもしれませんが、大体の目安というのはありますか。
(大臣)
ちょっとまだそこまで詰めておりませんで、これから検討してまいります。
(記者)
今、将来技術が進んで、そのときに取り外す可能性というようなおっしゃり方を、もう少し詳しく。
(大臣)
すみません。
(記者)
将来技術が進んで、そのときにトラックを取り外すというようなおっしゃり方をされましたが、もう少し今後に向けての見通しと、また更に工事をしなければいけないのかとお考えなのか、そのあたりを1点。
それから、心を新たにかと思いますけれども、遠藤先生御本人が安かろう悪かろうにはしたくないと、将来にいいものを残したいとおっしゃっていた。建設費の高騰を考えますと、ロンドンでオリンピックの後に取り壊そうとしていた、あのスタジアムよりも実質的には格安ということになってしまうかと思うんですが、そのあたり、50年先に向けて、もっといいものを残せたと、残すということもなるのでしょうか。
(大臣)
まず最初の御質問ですが、民間の皆さんの知恵、力を生かして、後のビジネスプラン等を考えていきますので、その中で施設整備等についても検討していただきたいと思っております。それから、実質的にロンドンのオリンピックスタジアムが安くなって、そういうようなレガシーとして残るのかという動きでやったと思いますが、私は日本の建設の技術力は大変評価をしておりますし、世界最高水準にあると思っておりますから、この金額でも十分レガシーとしてしっかり評価できるものと思っております。
(記者)
前の計画が批判された理由に、価格自体が高かったということもあると思うんですけど、計画が三千何億だったり1,300億だったり、こうなってしまったということもあったと思うんですが、その意味で、8%から10%になることによって2%上がるということを大臣おっしゃいましたけど、今後この1,550という数字が、例えばまた上がってしまったりとか、そういうリスクというのはないんでしょうか。
(大臣)
さっき、物価変動は含めなきゃならないと、これはどんな公共建築物でもそのような契約額になりますが、少なくとも公募するときに、上限として1,550億円と記載をいたしますので、それを超えることはないと思っております。
(記者)
あともう一つ、組織委員会からは、1月に完成してほしいというふうな要望があったと思うんですが、それについてどういうふうに具体的に対応していくか。それは価格上昇の要因にもなるんじゃないかと思うんですけど。
(大臣)
それは先日、審査委員長に村上さんにおいでいただきしまたときに、以前、私は記者会見でそういうお願いをしたいという話をしましたら、村上審査委員長から、公募の際の評価の仕組みの中で、インセンティブについても検討するし、工期短縮については評価点を考えると具体にありましたので、当然、先ほど言いましたように、日本の建設会社の技術に期待したものだと評価しておりますが、十分期待に応えてくれるものと思っております。
(記者)
もしかしたら事務方のほうなのかもしれませんけれども、積み上げた数字という言い方をずっとされてきたので、1,550のもう少し細かな内訳みたいなものは。
(大臣)
それは後ほど、詳細については事務局から説明をさせます。
(記者)
先ほどの質問に関連してなんですが、大会後に8万にする場合、陸上のトラックの上に席をつくるということなんですが、これは常設をして、確認も含めてなんですが、陸上トラックをつぶすということと、あるいは仮設で対応して、例えば陸上に使えるような形もあり得ると思うんですが、両方を想定しているということなのか。
(大臣)
たしかサッカー協会からの話を承ったときに、ワールドカップを開催するには固定席、いわゆる常設の8万だというふうに承っておりますので、もしワールドカップを開催するとすれば、そうした形にしなければならないと思っています。
(記者)
そうした場合、やはり陸上界あるいはJOCから、せっかくオリンピックで使うのであれば、やはり陸上のレガシーという形で残っていくことが非常に大事だというような要望もありましたけれども、このあたりに関して、もしサッカーを優先した場合には希望がなくなりますが、そのあたりをどういうふうに。
(大臣)
そうですね、今回は組織委員会の決定として仮設でということになりました。私自身も、せっかくつくったものだからという意識はあります。ただ、現実的に8万席というふうなことを考えたときに、トラックの上に置かなければ難しいわけでありますし、まして、最初は可動式の椅子の話がありました。これをやれば可能だったかもしれませんが、少なくとも費用対効果を考えて可動式を取りやめたということでありますから、少なくとも8万人になったということには、トラックの上に椅子を置かなきゃならないということだと思っています。
(記者)
もう一点だけ、ちょっと別なんですが、文科省の検証委員会のほうが今9月中旬まで検証を進めていると思いますが、そのあたり、検証結果が出ない前に整備計画を策定する作業を進めるということに対して、もちろん時間がない中だとは思うんですが、結果が反映されないまま進めるのはどうなのかという批判的な意見もありますけれども、これに対して大臣はどのように考えていますか。
(大臣)
検証委員会が今開かれておりますというか進めており、先ほど下村大臣から、当面の検証の取りまとめといいますか中間の報告についてのメモをいただきました。それも踏まえて対応していきたいと思っています。
(記者)
大会後のビジネスプランの件なんですけれども、この検討はまだ具体的には進んでいないという認識でよろしいんですか。
(大臣)
はい。実は先ほど申し上げましたように、あそこの競技場は、もちろんスポーツの拠点でありますが、場合によっては、かつては文化・芸術の拠点にどうだという話もありました。しかし、同時に、日本の持つ技術の発信拠点にもなり得る。そこで、例えば水素社会のモデル地域としてクラスター全体として考えていく、その場合のきっかけとして新国立競技場についても、民間の皆さんの力と知恵を生かしていく、こんなことも含めてこれから東京都あるいは組織委員会、そして民間の皆さんと協議をしていきたいと思っております。
(記者)
それで、今後の検討のタイムスケジュールというのはどういうふうな考えでいらっしゃいますか。
(大臣)
まず、今日ようやくこうして整備計画が策定できましたので、今後速やかに東京都あるいは組織委員会と連絡をとりながら、先ほど申し上げました、今の国立競技場はこれで終わりでなくて、そうした新しい技術を踏まえて進化する国立競技場として整備していきたいと思いますので、そうした検討を早急に進めていきたいと思っております。
(記者)
大臣が関係閣僚会議の議長に就任されてから1カ月ちょっとしかならないかと思いますけど、この1カ月ちょっとを振り返って、大臣としての率直な気持ちというのを教えていただけますでしょうか。
(大臣)
そうですね、私は初めての大臣ですから、大臣とはどんな仕事をするかわかりませんでしたが、正直、こんなに忙しいものかと。私は非常に事務局の皆さん方がほとんど夏休みもとっていませんし、土日もほとんど出てきておりましたし、大体夜夜中までやっておりましたから、それから見れば私の仕事は楽だったかなと思います。ただ、私にとりまして一番大切なのは、最後の決断をし、同時に何かあったときには自分が責任をとる、その覚悟だけいるかなと思いましたので、そうした役所の皆さん方を信頼して今日まで来ましたので、忙しいことは忙しく、嵐の1カ月だったような気がしますが、十分自分としては満足できる仕事ができたと思っております。
(記者)
今後の整備の検討の中で、財源については、東京都の負担も含めて、いつごろまでに、どういうスケジュール感で詰めていくと考えていますか。
(大臣)
これは23年だったですか、多様な財源をというふうなことを先に打ち出しておりますので、今後、東京都等も含め早期に調整を進めていきたいと思っています。今日は、関係閣僚会議において、舛添知事にもお出ましをいただいておりましたし、舛添知事とは連携はしっかりできておりますから、また、先ほど推進室の中にも東京都の職員の皆さんにも入っていただいておりますし、先日、舛添知事と話をしたときに、引き続きこの財源も含めて私のほうでいろいろ議論をするので、ぜひ東京都の職員の方にも引き続き入っていただきたいという話をして御了解をいただいております。
(記者)
いつごろまでというようなイメージはあるのでしょうか。
(大臣)
まだ具体的に何を詰めていくかこれから検討してまいりますので、今はまだいつまでということは申し上げてはいません。
(記者)
先日、JSCの検証委員会じゃなくて審査委員会でしたっけ、が工期を早めた場合にインセンティブの話を少し出していたかと思いますが、インセンティブは、もし公募するときに盛り込むとすると、この工費には含まれないものとして考えていいんですか。
(大臣)
インセンティブというのはあれです、審査をするときの評価点をつくっていきます。そのときに工期という評価をつくりますから、それは私も詳しくはわかりませんが、例えば、努力をしたときには何点与えますというふうなことをされるんだろうということを村上委員長から聞いております。
もう一つ、これは先ほど言い忘れましたが、総理から特に指示があったバリアフリーについては、いわゆるユニバーサルデザインのきっかけとなりますから、バリアフリーについては世界最高にしようというようなことも踏まえてこの整備計画を策定しております。
(記者)
世界最高レベルのバリアフリーという点なんですけれども、特に配慮すべき事項の中で聞きますけれども、もう少し具体的にどの辺が世界最高レベルというふうに言えるのかというのを、今後も含めて。
(大臣)
後で事務局から説明をさせますが、例えば、通路の問題もあれば、あるいは観客席、これはたしか0.75となっていると思いますが、1%に上げていくとか、いろいろな形で配慮した形にしていくつもりです。後ほど事務局から詳細に報告をさせます。
(記者)
前計画よりも進化しているということなんですか。
(大臣)
通常の今までの施設よりも評価される水準の設定にしてまいります。
(記者)
あともう一点、すみません、先ほど下村大臣から、検証委員会の結果について中間取りまとめのメモをいただいているという話があったと思うんですけど、それはもう既にいただいていて、これに反映されたのかということと
(大臣)
途中途中こういうふうな状況ですということは、直接下村大臣からではありませんが聞いておりますが、改めて先ほどメモをいただきました。
(記者)
これ、大臣、昨日一昨日あたり、各方面に説明に行かれて、恐らく御了承を得たという理解だと思うんですが、自民党の河野太郎行政改革推進本部長が、御自身が発行しているメールマガジンで、党として了承できない、受け入れられないという表明を対外的にしているんですが、国民に理解が得られるとさっきおっしゃっていた一方で、足元の与党がこういう形になっている現状について、もし何か受け止めがあればお願いしたいんですけど。
(大臣)
幹事長、政調会長、総務会長にも御報告をし承知をしていただいておりますので、あとは内閣の責任で進めてまいります。
(記者)
河野本部長は、稲田政調会長と相談して了承しないこととしたと明記しているんですが、この点について…
(大臣)
それは私は承知しておりません。
(記者)
陸上界にとってはかなり厳しい内容になっているのかなというふうに受け取れるんですが、大臣としても、陸上界の方々のいろいろな御意見があった中で苦渋の思いもあったと思うんですけど、そのあたりまずお聞かせいただきたいんですが。
(大臣)
思いは大変強くあります。そういう意味でも、例えば将来そうした技術開発等いろいろな観点の中で、可能であればという思いはあるんですが、今の現在時点では8万人にするには、あるいは多くの観客の皆さんが集まる大会を開催するには、やはり達成数しか今とれませんので6万8,000人、そしてトラックの上に椅子を置いて8万人が可能というふうにいたしました。
(記者)
国立で、オリンピックの後も陸上をやりたいという方々の声が大きいかと思うんですが、現実的に厳しいとなると、やはりほかで、大阪でしかないということなんでしょうか。
(大臣)
そこは、先ほど申し上げましたように、8万人にいつにするかはまだ、要するにワールドカップ等の大会のときには必ず必要だということですから、オリンピック・パラリンピックが終わった後で、そのことについて、いつするか等も考えていきたいと思っています。
(記者)
今、陸上の話がございましたけれども、様々な関係者がほかにもいっぱいいらっしゃる中で、今回整備計画をつくるに当たって一番しわ寄せが行くんじゃないかと大臣が懸念をしていらっしゃる方々はどういった方々かということと、その方々へのコメントがあればお願いします。
(大臣)
しわ寄せといいますか、先ほどはアスリートの皆さん方、とりわけ陸上の皆さん方からは、常設が欲しいというふうな話がありましたし、今の時点では常設ができないということについては大変申し訳なく思っております。これは、もともと組織委員会として、いわゆる整備計画について、全体のものについては組織委員会で決定いたしますので、その中に従うわけですが、できればという思いはありましたので、そういう皆さんに対する思いはあります。
それから、先ほど言いましたように、多様な意見がありました。特に印象的だったのは、今から今を見ないで、50年、100年先から今を見て考えなさい。あるいは、これはある有名な工業デザイナーですが、日本の設計あるいは建築技術がそれによって評価がされる。そうすると、そこの評価が低ければ、これからの日本の建築家の皆さん方が世界に進出するにはなかなか難しい。そうしたことを踏まえて考えてください。そしてまた、ただ単に建築物と見ないで、例えば、シドニーのオペラハウスだとか、あるいはスペインのサグラダ・ファミリアみたいに観光地として、これは今の北京の鳥の巣もそうだというふうな話を聞いておりますが、そうした経済効果もあるんです。そういうことを踏まえて考えてください、こんな御意見もありました。
皆さんからお伺いして、人数からすると40名超すわけですが、皆さんのいろいろな意見を聞いて、全部叶えられればそれはベストでありますし、時間があればもう少し検討する余地もあったのかもしれません。しかし、工期を考えたときに、今月中にまとめなければ間に合わないという技術者の皆さんの判断でありますから、その中で悩みながら最大限に配慮して、そして決めましたので、私どもとしては迷いはありません。