平成28年2月2日
閣議後定例記者会見
1.冒頭発言
どうもおはようございます。
それでは、私から、一つは、先ほどの閣議でサイバーセキュリティ基本法及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案が決定されました。本法案につきましては、政府機関等のサイバーセキュリティ対策を抜本的に強化するために、まず不正な通信の監視、監査、原因究明調査等の対象範囲の拡大、またサイバーセキュリティ戦略本部の一部事務の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)等への委託、そして最新の知識・技能を備えた高度かつ実践的な人材に関する国家資格であります情報処理安全確保支援士制度の創設等を内容とするものでございます。政府として本法案の早期成立について努力をしてまいります。
二つ目は、新国立競技場の整備について、2点申し上げます。
まず、先週1月29日に、JSCが設計契約を事業者と締結いたしました。新国立競技場の件につきましては整備計画に基づき、順調に進展しております。今後とも2019年11月のスタジアム竣工に向けて、JSCにおいては着実に整備を進めていただきたいと思います。
また、JSCは技術提案等審査委員会の議事要旨等の公表を行いました。今度とも引き続き整備プロセスの透明化につなげていただきたいと思います。
そして、もう一つは、先日もサッカーのアジア選手権でオリンピック出場を決めたということでありましたが、1月30日、決勝戦が行われて韓国に3対2で見事逆転勝利をいたしました。私も夜中まで見ておりましたが、大変うれしい思いでありました。
前にも申し上げましたが、ここしばらくサッカーは日本の団体スポーツを牽引してくれておりましたし、そういう意味でもアジア選手権で優勝し、またオリンピックに出場できる、是非そうした勢いで素晴らしいリオデジャネイロでの活躍を期待しております。また女子チームなでしこも引き続きオリンピック出場を確実にしていただきたい、頑張っていただきたいと思っています。
また、射撃においても、ニューデリーで開催されましたアジア予選で、1月30日男子10メートルエアライフルにおいて岡田直也選手、31日には、女子25メートルピストルにおいて佐藤明子選手が共に初のオリンピック出場を決めました。お二人にも素晴らしいリオデジャネイロでの活躍を期待しております。
私から以上でございます。
2.質疑応答
(記 者) 幹事社から1問だけ質問させていただきます。
冒頭の発言にありましたが、今日、閣議決定されましたサイバーの基本法などの改正案なんですけれども、改めてこの法律の狙いと2020年のオリンピック・パラリンピックが念頭にあると思いますが、どういった取組を進めていかれるか聞かせていただけますでしょうか。
(大 臣) 過半、年金機構の問題がありました。私も担当になって改めてサイバーセキュリティの重要性を感じております。その中で、多くの課題がありますが、やはり人材育成、そして重要インフラ等については民間機関に努力していただいていますが、そうした連携をしっかり進めていく、そういうことが大事だと思っております。そういう意味でも、まずは政府機関等におけるいろいろな問題点について、監視、あるいは監査、そして原因究明等、こうしたことを今までの政府機関、国の機関から独立行政法人、あるいは特殊法人も含めて、しっかりと対応できるように取り組んでいきたいと思っております。
同時に先ほど言いましたように、NISCだけで対応できない部分もありますので、IPA等にも委託して、その範囲を拡大してしっかり対策をしていく。同時に、IPA等については、先ほど言いました人材を確保するという意味でなおさら高度な技術を持った人材が必要でありますから、そういう意味で新しい支援士制度を創設して、そこの中で、より確実に高度な技術を持った人材を育成して、そうしたサイバーセキュリティの普及促進を進めていただきたいということでございます。
2020年に向けて、できればこの資格を持った人を3万人くらい確保したいと思っておりますが、どちらにしてもどこへ行っても、どんな機関の皆さんとお話をしても、まずは人材だと。
日曜日に、SECCONに行ってまいりましたが、たしか中学3年生だったと思いますが、素晴らしい特異な能力を持った少年というか、中学生がいたんですが、ああいう大会を通じて、皆さん方が関心を持って、そして参加して、そういう人たちに技術者として活躍していただける、ああいう機会は大変有り難いなと思っておりました。第4回だということでありますが、今回は世界65か国から予選を通じて、18チームが出場したんですが、優勝チームは世界大会に行けるということでした。残念ながら日本チームは優勝ではなかったんですが、そういうことを通じてサイバーセキュリティの意識、あるいは皆さんに対する普及、啓蒙ができることによってこうしたセキュリティ対策が進んでいくということで、なおさらああいう大会を支援していきたいと思っております。
(記 者) 冒頭御発言があった新国立の整備の関係で1点お願いします。
大臣は、設計契約が締結されて、順調に進展していると整備プロセスについて言及がありましたが、片やもともとのデザインをやっていたザハ・ハディドさんから交渉の申入れ等の状況がまだ続いていると思うんですが、それが今後のプロセスに与える影響等についてはどう御覧になっているのでしょうか。状況を把握するものも含めて、合わせてお願いしたいんですけれども。
(大 臣) 今、話がありましたように、ザハ事務所との間において、従来契約におけるデザイン監修業務契約、これの解除に基づいて精算協議を引き続き行ってきていることについては承知しております。今、お互いに誠意をもって協議をしていると思いますので、そんなに遠くない時期に解決していただけると期待しております。
これは旧計画でもありますし、新しい設計に基づいた作業は1つ1つJSCとの契約に基づいて丁寧になされるものだと思っております。旧契約は旧契約、そして新しい契約は新しい契約で進めていきたいと思っております。
(記 者) 関連で、一部海外の報道で、ザハさんが著作権のことを主張していることがあると思うんですけれども、新しい整備計画とザハさんが言っているように、構造が似ているとか、それは私の著作権だ、どうのうこうのという話が本当にあるのであれば、それはその影響が出てくるのかという話と、実際に大臣としてはそういう話はどこまで、今おっしゃっている旧契約の精算とは別に、そういった新たな争点というのが現在確認されているのかどうかということと、そんなに遅くない時期に解決したいということなんですけれども、この交渉については、いつぐらいまでに終えたいというそういった目途というのはお持ちでしょうか。
(大 臣) それは、当然相手のあることですから、いつまでということについて私はお答えをする立場にありません。そこは双方誠意を持って対応しているわけですから、早い時期に解決してくれるものだと期待しております。内容等については、私は今お答えする立場にはないと思っています。
(記 者) 新国立の関係なんですが、環境に配慮した資材調達について、遠藤大臣のお考えをお伺いしたいんですけれども、隈さんたちの技術提案で、環境をキーワードにして、こういう案を出されましたけれども、例えば木材をふんだんに使ったり、エネルギー消費を押さえるということで環境にも配慮したいということをおっしゃってますけれども、でき上がったスタジアムの環境への配慮というだけではなくて、スタジアムをつくりあげる上で、どういった資材を調達するか、どういった環境を配慮した資材を調達するかという考えも必要ではないかと思うんですけれども、例えば木材は森林管理認証を得た木材を優先的に調達するとか、そんなようなサプライチェーンにおける配慮が必要かどうかということの大臣のお考えと、もしそういうものをつくっていたなら申し訳ないですが、調達コードのようなもの、この間、組織委員会のほうで調達コードのようなものをつくりましたけれども、新国立に関してもそういった資材調達におけるコードのようなものをおつくりになるお考えがあるのかということをお伺いしたいんですけれども。
(大 臣) ちょっと詳しく承知しておりませんが、少なくとも木材については、たしか認証材を使うという形の指定があったかと思います。
ただ、認証材も国際基準、国内基準がありますから、そういう中で、どういうふうな木材を使用するかについては建築家とそれから建設会社等で対応をしていきたいと思っております。そのほかのものについては申し訳ありませんけれども、私は承知しておりません。確認してみたいと思います。
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