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2007年度 有識者本部員会合(第2回)議事要旨


日 時:2007年5月22日(火)10:00〜11:45
場 所:知的財産戦略推進事務局会議室
出席者:相澤本部員、岡村本部員、角川本部員、佐藤本部員、里中本部員、中山本部員、三尾本部員、山本本部員、秋元武田薬品工業 (株)常務取締役 (長谷川本部員代理)、小寺山九州大学副学長 (梶山本部員代理)


総合科学技術会議が本年5月18日に取りまとめた「知的財産戦略について」及び自由民主党知的財産戦略調査会が5月17日に取りまとめた提言「世界最先端の知財立国を目指して」の内容並びに「アジア・ゲートウェイ構想」やイノベーション25戦略会議の状況について、それぞれ報告が行われた。
第1回有識者本部員会合の議論や各有識者本部員からの意見等を踏まえ作成された知的財産推進計画2007の草案について、審議が行われた。主な発言内容は次のとおりである。
 
 (産学連携)
 産学連携の制度は整備されつつあるが、研究現場同士の交流はまだ十分でない。大学と企業の研究者同士が互いに深く交流する状態になっていない。
 
 (紛争処理)
 知財制度のエンフォースメント(紛争処理)の面でも国際的な統一を図るべきである。
 知財制度の実体法に関わる国際的な統一の努力が進められているが、エンフォースメントは各国の司法制度と密接に関わるため、その統一は非常に困難である。
 
 (模倣品・海賊版)
 毎年実施している「模倣品・海賊版撲滅キャンペーン」について、我が国がリーダーシップを発揮して、模倣品・海賊版問題の世界的な関心を高めていくため、同キャンペーンのグローバル化を視野に入れた取組を推進すべきである。
 模倣品・海賊版対策は、中国や韓国を参加させなければ意味がない。どのように参加させるかを検討していくべきである。
 中国や韓国から溢れる模倣品・海賊版で苦しむ日本企業をどのようにサポートするかについてご配慮いただきたい。先進国は制度が整っており対応しやすいが、途上国における対応は大変である。
 模倣品・海賊版拡散防止条約の早期実現に向けて引き続き日本がリーダーシップを発揮すべきである。
 
 (国際標準化)
 草案にデジュール標準の活動強化についても盛り込まれたのは良いことである。産業界としても自らの課題として取組を強化することが必要である。
 
 (弁護士情報の開示)
 日本弁護士連合会では、司法制度改革の一環として弁護士のユーザーからのアクセスを活発にする観点から、知財分野を含めた弁護士情報の開示システムを本年導入する予定となっている。これを計画に記載すべき。
 
 (ネットを利用したコンテンツビジネス)
 ネット上のコンテンツをビジネスチャンスとして利用できる仕組みをつくるべきである。そのためのデータベースを構築するといいのではないか。
 ネット検索サービスにおける課題は、単に一般ユーザーが著作物を楽しむ機会を増やすだけでなく、産業政策や情報の一極集中是正という国策的な観点からも重要である。
 官公庁に提出された医薬品に係る申請情報がデータベース化され、インターネットにより公開されている。これに関する著作権法上の規定はないが、公共の利益と権利者の利益のバランスを考慮すべきである。
 
 (コンテンツ産業の国際競争力強化等)
 国際競争力強化のためには産業界自身が戦略を策定しないといけない。産業界と政府が一緒にコンセンサスを作りながら戦略をつくるべきである。
 日本の魅力を世界に伝えるならば、単年度のみの施策では効果がない。何か軸になる大きいものを継続的に行うことが必要である。
 大学からクリエーターが生まれ、それを送り出すシステムが必要である。コンテンツ創作のリテラシーを持っている人を発掘し、光を当てるべきである。
 コンテンツ分野は年限を決めて結論を得るという項目が多く、評価できる。
 
 (日本ブランドの発信)
 幼少の頃、イベントに参加した大阪万博が印象的だった。万博を通じて日本の魅力を海外に発信して欲しい。
 国際放送については言語をどうするかとの問題がある。また、海外におけるチャネル確保が実際には難しいことから、インターネット放送も重要であると認識している。
 
 (アジアの人材育成)
 アジアの人材を受け入れるだけでなく、アジアの人々が日本に魅力を感じ、日本で学びたくなるような人材育成の拠点とするための施策が必要である。
 
  ※ 知的財産推進計画2007の草案については、会合で出た意見を踏まえ必要な修正を行うこととし、最終的なとりまとめと知的財産戦略本部会合における報告は相澤本部員に一任されることとなった。