知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会 知財人財育成プラン検討ワーキンググループ(第7回)
- 日時 : 平成24年1月13日(金)14:00~16:00
- 場所 : 知的財産戦略推進事務局内会議室
- 出席者 :
【委 員】 | 妹尾座長、青山委員、荒井委員、上條委員、佐々木委員、澤井委員、末吉委員、 杉光委員、住川委員、中島委員、本田委員 |
【事務局】 | 近藤事務局長、上田次長、安藤参事官、髙原参事官、藤井政策参与 |
- 議事 :
(1)開 会
(2)「知財人財育成プラン」(案)について
(3)閉 会
○妹尾座長
それでは、時間ですので、始めたいと思います。
皆さん、13日でありますが、初めてなので、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
ただいまから、「知財人財育成プラン検討ワーキンググループ」の第7回会合を開催いたします。御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。
今日は、一応とりまとめの議論ということになります。前回会合までにいろいろな御議論をしていただきました。そして、今日とりまとめをして、一応最終回ということになっております。その意味では、この短期間に7回も会合を開かせていただきまして、本当にありがとうございました。
本日は、高倉委員、八島委員から御欠席という御連絡をいただいております。それから、澤井委員と上條委員が若干遅れてこられるというふうに伺っております。
それでは、早速議論に入りたいと思います。
今回は、とりまとめの回ということなので、全体を通した議論となります。
それでは、配付資料の確認と、今までの議論を受けて事務局がどういうふうに修正したか、その資料について説明をいただきたいと思います。髙原参事官から資料確認と説明をよろしくお願いいたします。
○髙原参事官
それでは、お手元の議事次第の下の資料を御確認いただければと思います。
資料1が、「知財人財育成プラン」(案)でございます。
その次が参考資料1で、前回第6回会合における主な意見でございます。
以上が傍聴席も含めた配布資料ですけれども、委員の皆様にはこれに加えまして2種類の資料を机の上に置かせていただいております。1つは「知財人財育成プラン」(案)、資料1と同じ内容ですけれども、前回からの修正箇所を表示したバージョンになります。
それから、その下が「知財人財育成プラン」の概要ということで、前回ご覧いただいた資料を再度配布させていただいております。
資料の不足などはございませんでしょうか。
それでは、資料1の修正箇所を中心に御説明いたします。委員の皆様には、席上配布の修正箇所表示版をご覧いただければと思います。
最初の修正は4ページになります。このページの中段ほど、「(知財マネジメント人財へのニーズの高まり)」というところ、こちらに2006年の「総合戦略」との整理をどうするのかという点につきまして、座長とも議論させていただきながら、新たな文言及び図を加えております。
2006年の「総合戦略」では、関連する人財を3種、つまり、「知財専門人財」、「知財創出・マネジメント人財」及び「裾野人財」に分類し、特に「知財専門人財」の育成に重点が置かれていたということでございます。グローバル・ネットワーク時代にあっては、技術起点型サイクルモデルを踏まえながらも、事業起点型サイクルモデルを併用・重点化する必要があって、両モデルの使い分けや組み合わせなどを適切に、そして、先行的に行っていく、こうした知財マネジメントを巧みに駆使することができる人財、これを、以下「知財マネジメント人財」と呼ぶということですけれども、この「知財マネジメント人財」の育成・確保が急務になっているということでございます。
その下の図は2006年の「総合戦略」との対比のためのものです。2006年には右上の「知財専門人財」という枠で囲ってある部分に重点が置かれておりました。これに対して、今般の「知財人財育成プラン」は、その下の墨つきで示してある部分、「知財マネジメント人財」の部分を重視し、こちらについて増補したものである、このような内容を書き加えております。
次の5ページにも、「(グローバル・ネットワーク時代に求められる知財人財の育成の方向性)」の2つ目のパラグラフとして、すなわち、本プランにおいては、従来の「知財専門人財」の育成のみではなく、「知財マネジメント人財」の育成を大きく打ち出すものであるということを追加しております。
次の修正は7ページの最後のパラグラフになります。「『知財人財育成プラン』は」に続く部分で、前回の御議論で、この事業起点型サイクルモデルを支えるというところは分かったけれども、グローバル市場を重視したという点も踏まえて整理するといいのではないかというような御指摘がございましたので、「グローバル市場を重視した」という記載を加入し、それから、その次の行になりますが、「今後5年間さらに10年間を見越して」ということで、5年間というところを頭出しさせていただいております。この5年間というところについては、後ほどまた関連箇所がございます。
第2章に入りまして、9ページの一番下の部分です。この「(2)今後求められる知財人財像」と書いてある部分の最後の行ですけれども、競争力強化のために期待される人財ということで、前回の御議論で、さまざまな関係者、ステークホルダーと連携、しっかりとコミュニケートできる人財が求められるという御指摘がございました。それを踏まえまして、この文言を加えております。
次の10ページ、2.の直前のパラグラフでございます。「中小企業においては」で始まる部分に関連して、複数の委員から御指摘をいただきましたことを踏まえまして、経営層が知財の戦略的な活用について認識を深めることが重要であるということ、それから、ワンストップでの支援をしっかり行っていくところにも配慮が必要であるということを踏まえまして、それぞれ文言を加えております。
さらに中小企業の内部人財だけではなくて、中小企業と深く関係していらっしゃる金融機関、税理士・中小企業診断士の方などが知財マネジメントへの理解を深めて、中小企業にアドバイスできるような体制をつくっていくことが期待されるという点についても加入をさせていただいております。
続きまして、13ページの上部に「○知財取締職員・裁判官」と書いてあります。この修正箇所表示版では赤字が目立ちますけれども、複数の項目にまたがっていた記載をまとめ、他の項目とのバランスも考えましてコンパクトにまとめたということで記載内容は基本的には変わっておりません。
この13ページの「(2)今後求められる知財人財像」の部分で、裁判官のローテーションシステムについて、前回の議論でも書き過ぎではないか、また、多義的に読めるのではないかという御指摘もございました。そこで、関係府省にも確認を取り、その結果を踏まえまして、今般、この部分は削除をしております。
続きまして、14ページの一番下から15ページの冒頭にかけてあります、「4.研究機関・産学連携機関における知財人財」の「(2)今後求められる知財人財像」の部分、冒頭が「企業からは」というふうになっておりました。この記載に関して、これは企業目線だけではなく、大学内部から見ても妥当する内容なので、あえてそういうふうな特定をする必要はないのではないかというような御指摘もございました。これを踏まえて当該記載を削除したというのが冒頭でございます。
それから、「5.教育機関における知財人財」について、前回、法科大学院に関する記述がございませんでした。それで、15ページの一番下の部分ですけれども、法科大学院に関してパラグラフを1つ設けるとともに、16ページの「(2)今後求められる知財人財像」の最後に、「また、ビジネスマインドを有する法曹人財の育成も必要である」という記載を加えております。
続きまして、第3章、18ページから19ページです。19ページの中ほど以降に「(知財人財育成の在り方)」というパラグラフを加えております。知財人財育成も一朝一夕に行えるものではなくて、相当な期間を要するということですので、今後、知財分野で人財育成に取り組んでいくに当たり、この3章の前半に書いてありますような、10年後に想定される将来像をしっかり見据えた上で、5年程度先の状況にも目を向けた中長期的な視点で戦略を策定することが重要であるという内容の第1パラグラフに続く形で、例えばということで、5年後に向けてどのような取組みをしていくかに触れた第2パラグラフを追加しております。
第2パラグラフでは、中小企業を含むあらゆる企業が時代に応じた知財戦略を策定・実行という将来像に関連して、直ちに、知財マネジメント戦略の研究拠点の整備に取り組んでいくとともに、5年を目途に、その拠点を世界最高水準のものにしていくことを目指していこうではないかと書いております。
2点目、英語によるグローバル特許出願という将来像に関連して、各関連セクターにおいて英語での実務対応の能力を備えた人財育成に取り組むとともに、5年後を目途に所要の環境整備を進めていく必要があるということを加えております。
続きまして、「第4章 知財人財育成策」の部分でございます。
「(総論)基本的考え方」のちょうど中ほどの、「知財人財育成プラン」の知財人財育成策を「総合戦略」の施策と相互補完的に実施し、我が国の知財人財の育成を通じて国際競争力の向上を図っていくという記載。実は第1章、7ページの真ん中のパラグラフにも同じ内容がありますけれども、この第4章にも確認的に書き加えております。
続きまして、21ページの2番目のパラグラフ。前回の御議論でも、例えばアメリカでは特許庁と民間との間での人財流動が活発であるという趣旨の御指摘がございましたけれども、今後、我が国でも、人財育成の観点から、各セクター間でのよりダイナミックな人財流動が必要になってくるという点を書き加えております。
それから、22ページに「知財人財育成プラン実行のイメージ」があります。こちらは今般知財マネジメント人財の育成、それから、グローバル知財人財の育成がコアになる部分であるというところを黄色で強調させていただくとともに、これに対応する形で、各論の部分の柱立てを変えておりまして、例えば、23ページをご覧いただきますと、「1.知財マネジメント人財の育成」ということになっております。
この1.に関連しまして、前回、本日も机上に配布させていただいております資料をご覧いただき、このイノベーション戦略性を有する人材育成は、バーチャルなものではなくて、「ビジネス戦略知財アカデミー」、これはまだ仮称ですが、こういう場の整備を進めていくと申しておりましたが、今般、この名称、仮称を追記しております。
同様に(2)の部分では、知財マネジメント戦略の研究拠点についても、「知財マネジメント戦略研究所(仮称)」ということで、しっかりとしたものを整備していくところを追記しております。
それから、24ページからは、先ほどの「知財人財育成プラン」の実行イメージ図にもありましたように、2本目の柱を「2.グローバル知財人財の育成」と整理をした上で、(1)以降の内容を前回会合でのご指摘を踏まえて修正しております。
まず(1)の特許庁の政策に関連する部分については、共通項は何か、特徴点は何かという観点で整理をするといいのではないかという御指摘がありました。そこで、(1)につきましては、冒頭のタイトルに続く説明の部分で、前回は「特許審査体制」とありましたけれども、具体的な施策を見ますと、審査体制の整備は何も特許、技術的なものに限った内容ではないということで、デザイン・ブランド戦略をも念頭に置いたものであることを明確にしております。
それから、「ア.グローバル・ネットワーク時代に対応する体制の構築」の最初の○の項目の末尾が、前回、「審査官、審判官及び事務官」となっておりましたが、特許庁の職員全般に当てはまる内容であるということで、今般、「人財」という文言に修正し、それ以降の施策項目でも文言を「人財」に統一しております。
他方、特徴点につきましては、例えば「イ.審査・審判の品質を向上する体制の整備」の2つ目の項目は、審査官、事務官の育成に特化したものであればその点を明確にする。同様に、法律的専門性につきましても、審判官にのみ関係する部分はイ.の3つ目の項目で「審判官」と書いておりますし、特許分野ということであれば、25ページから26ページにかけて「特許審査官」と区別して記載をして、特徴点が分かるような形に修正をしております。
それから、「3.知財人財の裾野の拡充」について、26ページの一番下、「(1)知財教育の充実」の最初の項目として、「○各分野の産業に関係する政府職員に対する知財教育」を、第2章の記載に応じる形で各論として書き込んでおります。
以上が主な変更点になります。
前回会合ではこれ以外に、この27ページに続く「(参考)」の部分をどのように整理するのかという御指摘を受けておりました。つまり、「総合戦略」と、今般御議論いただいている「知財人財育成プラン」との関係ということです。この点につきましては、先ほど、特に20ページの記載のところで申し上げましたように、両者を相互補完的に実施していくということでありまして、今後この「総合戦略」の「参考」部分の施策も含めまして、どういった取組が必要になるのかということを整理する。そして、この第4章の各論の部分の取組とあわせて、「知財計画2012」の人財育成関連施策に取り込んでいきたい、このように考えているところでございます。
以上でございます。
○妹尾座長
ありがとうございました。
本日はとりまとめの議論でありますので、全体を通して議論していきたいと思います。ただし、あちらに行ったり、こちらに行ったりと飛ぶと、議論として余り効果的ではないので、今、髙原さんが説明してくださった順番に沿って進めさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(「はい」と声あり)
○妹尾座長
それでは、まず、この「知財人財育成プラン」の「第1章 状況変化及び情勢認識」というところで御意見があれば、いかがでしょうか。
これは4ページと5ページが赤く、大きく変えてありますけれども、それ以外の文言も修正がそれなりに入っているように思います。それらもざっと見ていただいて、全体としては整合性がとれましたし、前回の御指摘の部分もかなりなっていると思います。
それから、図が4ページの下に加わっています。この図は前回の総合戦略のときに出た、いわゆる3層構造論ですね。知財専門人財、第2層の知財創出・マネジメント人財、それから、第3層のいわゆる裾野人財、この辺のところでの、2006年と今回は力点の移動があったということが示されていると思います。
まず、そういうことで、それらを踏まえて、7ページ目までの間で何か先生方の御意見があれば伺いたいと思います。いかがでしょうか。
佐々木委員、お願いします。
○佐々木委員
全体を読めば明確になるのかもしれませんけれども、さっと見させていただく限り、知財マネジメントは、我々もよくマネジメントと頻繁に使うんですけれども、もうちょっと、ここで言うマネジメントというものを定義した方が、マネジメントは非常に幅が広いので、ここで言うマネジメントというもののフォーカスはどういうところにありますかというようなところが、どこかで読み取れるのかもしれませんけれども、済みません、最初に定義をして、それに全体が縛られるようにした方が、どんな人材をというものがもうちょっと明確になるような気がするんです。
○妹尾座長
そういう御指摘がありましたが、髙原さんお願いします。
○髙原参事官
だだ今、御指摘いただきました点につきまして、「知財人財育成プラン」で意図するところの「知財マネジメント人財」の内容、定義を、今般の修正で、4ページの中ほど、図のすぐ上のパラグラフに書かせていただきました。
グローバル・ネットワーク時代にあって、技術起点型と事業起点型の2つのモデルを併用する必要があるということですが、両者の適切な使い分けや組み合わせができる、それから、巧みに実践活用ができるような人財という意味で、「知財マネジメント人財」と書いております。
「総合戦略」にありました「知財創出・マネジメント人財」で言うところの「マネジメント人財」とは内容が少し変わっているという点に注意が必要かとは思いますが、この「知財人財育成プラン」ではこのように定義できればと考えております。
○妹尾座長
今の御説明は、4ページの中ほどにある「両モデルの使い分けや組合せなどを適切かつ先行的に行う総合的な知財マネジメント」ということなので、一応、定義っぽく言えばここのところだと考えてよろしいですね。それ自身は今までの御議論の中であった、いわゆる技術起点型のみならず事業起点型、この両方、どちらも大事なので、それをうまく使い分けたり、両側を組み合わせて使ったりということを知財マネジメント人財とここでは呼んでいるということかと思います。
知財マネジメントは、佐々木委員がおっしゃるように、いろいろな場面で使われますけれども、少なくとも、ここでは第1章のところでそういうふうに定義しているという御理解かと思います。
よろしゅうございますか。
○佐々木委員
はい。
○妹尾座長
ほかにいかがでしょうか。
ちょっと補足をすると、5ページの三角帽の話が前で出てきまして、うーんということだったんですが、ここで特に今回加わっているのは、前回のものに比べて、イノベーション戦略性が新たな軸で入ってきた。これは前回、澤井委員が強調したらどうかというふうにお話しになっていたと思いますけれども、それが出てきて、これを上に引っ張り上げるというイメージであるということで図示されていると思います。この図がクリスマスの帽子みたいだという話で、もう少しいい図はないかというのが前回出てきたと思いますが、事務局が頑張ってくれて、今のところはこれでいこうという話になっております。
よろしゅうございますか。
それでは、次のページに進ませていただきたいと思います。「第2章 知財人財育成・確保の現状と課題」ということで、現状に関する分析並びに、そこに出てきている課題はこういうことであるということがここで叙述されています。これは先生方の御指摘が大分ありましたので、それを一つひとつつぶして、文言に関して事務局が工夫をしてくれておりますが、これらについていかがでしょうか。何か御指摘があればお願いします。
それでは、私の方から1点、事務局へ質問です。前回も特許庁が大分頑張って調査をしてくださっているということで、委員の先生方から期待が寄せられていましたけれども、これの調査はまだ進んでいるんですね。それはどういう形で出てくるのかなというのをちょっと教えていただけますか。
○髙原参事官
特許庁でまだ実施を継続していただいている調査研究でございますけれども、今年度中には最終的な内容のものができ上がるというふうに聞いております。
特許庁の調査結果の要部についてはこの第2章に取り込んでおりますが、第2章の記述の根拠になった具体的な調査結果については、年度末には詳細な調査報告書ができ上がります。この特許庁の報告書につきましては委員の皆さまのところにもお届けするということで、特許庁とは今、話をさせていただいております。
さらに、この「知財人財育成プラン」を取りまとめいただいた後の話でございますけれども、プランの製本版を準備する段で、タイミングにもよるかと思いますが、必要な内容があれば別添資料として冊子の方にも調査結果の要部も盛り込むことを考えております。
○妹尾座長
わかりました。
そういうことで、今日の段階ではすべてできていないけれども、特許庁の調査のファクトが出てきた段階で、それらについては順次、間に合ったものは織り込んでいく。それから、最終的な2012の戦略のときには、それらが全部織り込んだ形でまたリバイスされていくというふうに考えていいですね。
○髙原参事官
そのとおりです。
○妹尾座長
わかりました。
そういうことなので、前回大変、特許庁の調査に皆さんの御期待が寄せられましたけれども、それらは引き続き行われているので、順次、これらのとりまとめがあった後でも2012の戦略に向けて反映されていくということを御理解いただければと思います。
今、気がついたんですけれども、8ページの3つ目のパラグラフで、弁理士さんが2010年時点で約8,700人と書いてありますが、最初の方の1章の2ページの下から2つ目のパラグラフは最新情報で、2012年1月時点で約9,100人と書いてあるので、この辺は一部があれなので、事務局の方で順次修正をしていただきたいと思います。
中島先生、これはすごいですね。もう1万人に及ぼうとしているんですね。多いだけで質が薄くなっているとか、そういう話はないというのを力説していただくといいと思うんです。
○中島委員
大変難しいですけれども、増えても質が落ちないようにと頑張っているわけです。それだけです。
○妹尾座長
済みません、座長の冗談と受け取っていただいて結構です。
そういうことで、2005年の約6,500人から約9,100人まで、量的には非常に強力になってきているということがこういうところでも見て取れるかと思います。
第2章はいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、引き続き18ページで、「第3章 知財をめぐる将来の姿と知財人財育成の関わり」ということであります。ここについては知財をめぐる10年後の状況等が書いてあって、その後の育成の在り方について触れられていますが、ここで何か御指摘・御質問、その他がございましたらお願いします。
よろしゅうございますか。
10年後と言わずに5年後を考えなければいけないねということで、荒井先生を始めとして御指摘もありましたけれども、これは19ページの方に5年後ということも十分明記されているということかと思います。
よろしゅうございますか。
それでは、「第4章 知財人財育成策」、具体的な策です。そこでは総論の基本的考え方並びに各論が述べられておりますが、ここら辺についてはいかがでしょうか。
荒井委員、お願いします。
○荒井委員
23ページにビジネス戦略知財アカデミーと知財マネジメント戦略研究所と書いてあって、大変いいネーミングではないかと思うので、どのくらいのイメージのものを、どのくらい期待していいのか。是非立派なものをつくってほしいということですが、看板だけなのか。いや、そうではなくて、すごい中身なのか。その辺、どのぐらいこれに期待しているのか、教えていただけますか。
○妹尾座長
それでは、これは上田次長、お願いします。
○上田次長
先ほどの5年後というところにも、これについて「知財マネジメント戦略研究所(仮称)」として世界最高水準のものを目指すというふうに書かせていただきました。具体的に、それでは5年後につくるというのではなくて、我々は関係のところと、今、相談に入っておりますけれども、できれば来年度にこういうものをしっかりと立ち上げていきたいと考えております。ただ、教える人、研究をする人がいて、そこで人財を育成するアカデミーの方は、人の流れがしっかりとできなければいけないと思います。
来年度にそういう人財育成の場も、関係のところ、例えば産業界、それから、弁理士始め弁護士の方の関係の方々、あるいは産学連携、大学の方々とよく相談しまして、こういう人財育成の場をコアとしてこういうアカデミーをつくり、そこに具体的に人が集まってきて、本当の意味での人財育成になるような形をつくっていきたい。そういう意味では、来年度動かしていき、研究所については5年後には最高水準を目指すという志でやっていきたいと思っております。
○妹尾座長
佐々木委員、お願いします。
○佐々木委員
今のところに関連してなんですけれども、いろいろ定義することが好きなわけではないんですが、世界最高水準のところなんですけれども、我々もといいますか、恥ずかしながら、世界一の知財機能を目指そうと言ってやったんですが、やはり若い連中から、世界一とは何ですかという話が出て、なかなか定義しづらいですね。
これはクオリティーなのか、クオンティティーなのか。それから、扱い量とかライセンス収入とか、そういうものを目指すのかどうなのかという議論をしたときに、私なりに定義をしたのは、どこのユニットと入れ替えても勝てる。例えば知財で名を馳している企業の知財部とトヨタの知財部をぱたっと替えたときに、2~3年はキャッチアップにかかるだろうけれども、それ以降は従前以上の機能を発揮する。こういうものを目指そうといって、何となく曲がりなりにも定義をして、わかってもらったというところがあります。
ですから、この世界最高水準というものをもうちょっと、もし定義づけできたら、目指す方向とか、何らかの形で示した方がいいのではないかなと思います。それが何なのかというのは、すみません、今、私個人的には妙案は持ち合わせていませんけれども、そんな指摘をさせていただきたいと思います。
○妹尾座長
ありがとうございます。
恐らく、これの話が具体化するときには、今の佐々木委員の御指摘のところをきちんとやらないといけないですね。おっしゃるとおりだと思います。
これはいろいろな定義の仕方と主張の仕方であると思うんですが、1つは多分、他国からベンチマークされるようなインスティテュートであることというのが大きいことかなと思いますね。それこそ知財システムを日本がリードする。少なくとも、知財システムの競争力を挽回しなくてはいけないというふうに専門調査会でも語られています。その中の知財システムの中に、実は大きな要素としてこういうアカデミーや研究所が入って、それは欧米のみならず韓国、中国からもベンチマークされるというぐらいのインスティテュートを目指すというのが世界水準ではないかと私は個人的には思いますけれども、そういうことを具体的に考えていこう、こういう御提案だと思います。
どうぞ。
○上田次長
まさに先生がおっしゃるとおりだと思います。今まで、やはり知財システムの世界の拠点といっても、やや、まさに佐々木委員のおっしゃった量といいますか、そういう面で、例えば特許の出願の量とか、そういうところでみんなそこを比較してきたようなところがあったのではないかと思うんですけれども、知財マネジメントに関する研究というものは、この日本でも、先生方の御貢献のお陰で、ここ2~3年で非常に研究の蓄積というものが非常に高まってきていると思います。
また、同時に、そういうことも意識しながら、企業の最前線で新たな経営の戦略、具体的な挑戦というものが行われているのが現状ではないかと思うんです。そういう意味では、そういう情報が入り、分析がなされるようなところの、アジアの中でしっかりとした拠点になっていくということが大事なのではないかと思っております。
具体的には、またこういうことを立ち上げていくときに、有識者の方々からいろいろとお知恵をお借りしながら進めていきたいと思っております。
○妹尾座長
できることは、これは雑談ですけれども、アメリカが強かったときには、なぜ、ああいう国際的な政治の戦略ができるんだろうか。ランドがいるからだよと我々は言いましたし、それから、ITでアメリカが引っ張るときには何でか。MITにメディアラボがあるよ。なぜ、生物的な研究はフランスが強いんだろう。パスツールがあるからだよ。そういうようなことで、知財システムは日本がすごいではないかと言われたときに、こういうところがあるというのがありますと、これはすごく希望になる感じがする。これは私見ですけれども、そんなような感じがします。
ほかにいかがでしょうか。
杉光委員、お願いします。
○杉光委員
24ページのところで、「○知財人財育成のための検定制度の活用」ということで、知的財産管理技能検定について触れられているんですけれども、これは前回、私が申し上げたことと若干重複するかもしれないんですが、中小・ベンチャー企業の知財の意識が現状低いといいますか、簡単に言いますと、大事ではないかとは思っているけれども、何をどうしていいかよくわからないという現状から考えますと、この検定制度を活用して、この試験に合格したような人が各中小・ベンチャー、社長さんだけでもいいですし、あるいは社員の方だれか1人でもいいですし、そういった人が存在していると、ある程度、社長さんに対してアドバイスできたりとか、中小企業の知財のマネジメントの際に、例えば外部の弁理士の先生に相談するときの窓口になったり、そういった効果があるという前提で、勿論、こちらの検定制度の活用ということで入っているかと思うんです。
ここで記述されていることだけの文言だけを見ますと、そういう試験を創設しようというところは記述されているんですけれども、前回申し上げましたように、もともと意識が低いと言うと言い方はよくないんですが、どうしていったらいいかわからないといった中小・ベンチャー企業に対して、試験制度をつくりましたという、ただそれだけでは、そもそも試験制度をつくりましたということ自体がどこまで伝わるかという問題もあります。
ですので、そういう意味では、もう少し具体的に中小・ベンチャー企業の方々が、それでは知財のマネジメントを意識していくためにはどうしたらいいのかというときに、なるほど、そうか、我々のところに1人こういう合格者を確保すれば、ある程度のことは外部との連携を含めてやってくれるというふうに思ってもらえるような普及なり啓蒙なり啓発といいますか、そういったこととセットにしないと、つくってみたはいいけれども、だれも気づかないまま、受験者もいないまま過ぎていってしまう可能性があるのではないかということを前回御説明させていただいたかと思うんです。
その意味で、10ページのところに、今、ちょうど修正がかかっているところでございますけれども、「中小企業においては、経営層が知財の戦略的な活用について認識を深めることが重要である。また専任者を設けるか兼任者とするかはともかく、社内に知財マネジメントの担当者の確保を目指すこと」、これが重要だ、求められるというような文章があるんですが、1つ、これは例えばなんですけれども、この知財マネジメントの担当者の確保を目指すというところの一つの例として、先ほどの知的財産管理技能検定の合格者といいますか、知的財産管理技能士を1人置くとか、そういったような、あくまでもそれがすべてではありませんので、一つの例として、例えばここに記述していただくようなことがあれば、少なくともこれを読んだ人が、確かに認識を深めることが重要だとか、担当者を確保することは重要だと思っても、それでは、具体的に何をどうしたらいいんだろうといったときに、一つの方法としてはこういうことがあるんだというふうに気づいてもらえる可能性があるのかな。
そういうところで、例えばここに入れていただくとか、あるいはほかのところで、これは具体的な場所は見つからないんですけれども、先ほど申し上げたような、なるほど、この検定をうまく活用して知財担当者の確保をすることはできるんだとわかるような何か文言等がどこかに入っていると、より具体的に中小・ベンチャー企業がそういう知財担当者を確保する方策の具体例としてわかりやすくなるのではないかと思っております。
実際、これは申し上げたかもしれないんですが、今のこの検定は、特に大企業だけを意識したものではもともとないんですけれども、むしろどちらかといいますと、大企業の方々が結果的には活用しているということで、実際、この間サンプリング調査をしたところ、受験者の8割ぐらいの方が大企業の方ということで、もう少し中小・ベンチャー企業の方々にもむしろ活用していただければと思っていたところでございますので、その辺を御検討いただければありがたいといいますか、実際に活用される可能性が高くなるのかなと思っております。
以上です。
○妹尾座長
ありがとうございます。
御指摘の点、何かございますか。
○髙原参事官
今の杉光先生からいただきました御指摘も踏まえまして、例えば10ページの部分ですとか、適切な場所に反映できるような形で修正ができないか、事務局の方で検討させていただきたいと思います。
○妹尾座長
ありがとうございます。
あるいはこれは一案なんですけれども、18ページで、10年後の状況の中小企業という○の中に、例えばこの検定制度を活用して学んだ中小企業のメンバーがこれこれでというような文言とか、何か幾つかの工夫のしようがあろうかと思うので、今、杉光先生がおっしゃられたことを少し事務局の方で検討してもらうことにしましょう。
ちょっと外れる話なんですが、杉光先生、今の検定の話で、8割が大企業であるというときに、同じ検定を中小企業の人たちにたくさん受けてくださいという方法が一方でありますけれども、他方で、あえて中小企業者版の検定のプログラムといいますか、検定の一つを、コースを立てるのと、どちらが効果的であると思われますか。
○杉光委員
ありがとうございます。
勿論、両方あり得ると思っておりますが、やはりこれは一つの聞いた話ですけれども、必ずしもこの検定が中小企業にとって役立つのかどうか、はっきりわからないというような御意見があったようなので、今回、こちらに中小・ベンチャー企業の知財管理が可能な人材育成に留意したものとなるようという言葉が入っておりますけれども、今、これもあくまでも現状での案でございますが、中小企業に特化した何か試験の区分みたいなもの、そういったものを創設する方向で検討したいというふうに現状は思っております。
ですので、今までのやり方では8割が大企業だったということから考えれば、これは中小企業に特化している、あるいは中小企業にまさに向いている検定の内容になっているというものが仮にできれば、文言的にも「中小企業」という言葉が入りますので、より意識はしていただける可能性はあるのかなというふうに思ってはおります。
○妹尾座長
ありがとうございました。
ちょっと余談ですけれども、私も放送大学で中小企業だけに特化したこまをつくりますと、やはり大企業とは違うリソースの使い方、制約条件、いわゆる参入障壁戦略みたいなものが全然違うフェーズで出てきますので、そういう意味で、今、先生がおっしゃられたような検定をあえて独立させた方が、PR効果も高いですし、効果的かもしれないという感じがします。
ありがとうございます。
ほかに、25~27ページまでも含めて、先生方から何か御指摘はございますでしょうか。
お願いします。
○青山委員
ありがとうございます。
この報告書に中小企業の考え方を大分盛り込んでいただいて、大変ありがたいと思っています。その中で、やはり中小企業の外部専門家とか外部人財の活用というものは当然であると思っているんですけれども、当然ながら弁理士の先生、弁護士の先生、こういう方は専門家でございます。一方で、大企業を中心としたOBの方々の活用というものはどうなのかと思っていまして、拝見しますと、やはり企業OBを連想させるような記述がないのかなという感じです。例えば18ページの下から2つ目の○のところで、「弁理士を始めとした外部人財」と確かに書いているんですけれども、企業OBはでていない。要は大手企業で知財を専門に御経験された人財の方々は恐らく大分世の中におられるのではないのかと思っております。
たまたま、今、東京商工会議所で海外展開のOBの方々を募集して、この中小企業の海外展開支援を始めたところなんですけれども、結構応募があるんです。ですから、そういうようなこともありますというような記述をどこか工夫していただければと思います。要は、専門家の先生は当然として、実は事業がよくわかる。それから、改善することもよくわかり、御経験が深く、実務に精通されている、専門家ではないんですけれども、キャリアを積んだ人材という方々の活用もあり得るのかなと思っております。こういうようなことでお願いできればと思っております。
以上でございます。
○妹尾座長
ありがとうございます。
今、青山委員がおっしゃられたのは、確かにそうですね。もったいないですね。是非、そういう活用をするものが入ってもいいと思います。
ただ1点、そのときに、できればの話なんですが、これは事務局に検討いただきたいんですけれども、ただ大企業から持ってくれば活用できるというものでもないので、恐らくそこでは人材育成的には再教育というものが必要だと思います。
よくある例で、これはこの前、本田委員がおっしゃられたものと同じなんですけれども、大学に大企業のOBを連れてくれば使えるかといいますと、ほとんど使えないという御発言が多分あったと。
○本田委員
ほとんど使えないとは言っていないです。
○妹尾座長
ごめんなさい、過剰解釈をしましたけれども、そういうことがありまして、どういうことかといいますと、1つは大企業と中小企業の違いを御理解いただくということが1点。
もう一つは、大企業の方々の頭にある産業モデル・ビジネスモデルが大体1980年代版なんですよ。それをそのまま中小企業に現在持ち込んでしまうと、これは逆に副作用の方が強くなってしまう。1980年代版のビジネスモデルで、中小企業はいい技術を持っているから、製品開発して、そのまま売り込もうとやったら、そんなものは今どき、中小企業も大企業もともに1980年代モデルでは通用しない時代なので、そういうときには、活用するためのベースはあるけれども、再教育は必要だというところもニュアンスとして事務局に検討していただくことにしましょう。
大変いい御指摘だったと思います。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
中島委員、どうぞ。
○中島委員
28ページ以降のといいますか、(参考)の部分でもよろしいですか。
○妹尾座長
まず27ページまででよろしいですか。
○中島委員
それでは、その後で発言させていただきます。
○妹尾座長
27ページまでのところで、ほかにございますでしょうか。
荒井委員、お願いします。
○荒井委員
中小企業の関係で、今、青山委員からお話がありましたので、ちょっと整理をしたらどうかと思うのは、先ほどの杉光さんとも関係するんですけれども、10ページに書いてある中小企業のところと、今の18ページと、それから、24ページとあるんですが、例えば特に10ページのところで、戻って済みませんが、中小企業の知財に関係する人は経営者、社内の人、外部の人と3つに分けられることですね。それが10ページの「中小企業においては」というパラグラフの3行目は、担当者の確保を目指すこと、とりわけワンストップで知的財産総合支援窓口へ行って、相談して、活用して、そして外部リソースの活用、弁理士を始めとした外部専門家の活用となっていまして、とりわけではないのではないか。
その意味は、こちらの方も24ページの上の方の○のところで、相談窓口に行くと人財が育成されると書いてあるんですよ。それから、ビジネス支援図書館を含む公共図書館に行けば人財が育成されると書いているんですが、いろいろ現場へ行って話を聞いたりしますと、確かにそれはレベルは上がりますけれども、それを本当に、この相談窓口が人財育成機関と位置づけするのか。そこで相談窓口は別途、具体的なケースのほかに何かコースみたいなものをつくってやるのか。ちょっとこんがらがってしまうのではないかと思うんです。
ですから、私の意見は、中小企業は社内に、経営者がしっかりする、担当者がいる、もう一つは外部人材を活用する。それで、外部人財の中には今の企業OBとか弁理士・弁護士がいる。それから、外部人財の中には、ここの支援窓口とかビジネス支援図書館もあるというような位置づけにしておいて、それを勿論、担当の人が行ったり来たりしていればおのずからレベルが上がっていくというふうにしませんと、10ページの「とりわけ」以下が長い文章で、どこまでとりわけているのかがわからない。それは外部リソースの活用とか、外部専門家の活用を言っているのなら、やはり内部の人財と外部の人財を分けた方がいいと思うんですよ。
それから、この24ページの機能も、相談窓口は相談窓口で頑張ってくれ。それは外部リソースとして頑張ってくれということなので、内部人財の育成機関という位置づけではなくて、ちゃんと相談に行ったらきちんとやってくれということにして整理しておいたら、この10ページと24ページの関係、あるいは18ページの関係が読みやすいのではないかと思うんですよ。このように、人財なんですから、どこにいる人財のことを言っているのかというのはちょっとわかりにくいというのが私のお願いです。
○妹尾座長
今の御指摘は確かにそうなので、これは今のような整理学に基づいて、ちょっと事務局で工夫をしていただきましょうか。
どうですか。よろしいですね。
今の荒井委員の御提案を是非反映して、読みやすくて、なおかつページごとに関連がちゃんとひもづけされていてわかりやすいというところを少し目指したいと思います。
ありがとうございます。おっしゃるとおりです。10ページ、18ページ、それから、23~24ページをもう一工夫して、整理をして、結果、何か抜けや漏れが見つかったら、またそこで考えるということにさせていただきたいと思います。
それでは、27ページまででほかにいかがでしょうか。もしよろしければ、参考のところ以降で、中島委員お願いします。
○中島委員
済みません、それではiiiページと、その前のiiページの最後から弁理士のところが書いてありまして、それから、ivページで特許庁審査官・審判官というところが書いてございます。
最初に弁理士のところですけれども、iiiの一番上では、弁理士の増加を図って、競争を促し、質の高いサービスが提供される環境を整える。これは別に間違っていないと思うんですけれども、多分、現状はこんな簡単な話ではなくて、この2行は5年前のスローガンかなと思うんです。
○妹尾座長
中島先生、まさにそれがここに書かれているんです。
○中島委員
これはこうですか。
○妹尾座長
そうです。
○中島委員
それでは、それはそれで過去のものとしていいわけですね。
○妹尾座長
いや、過去のものではなくて、このローマ数字のページのものは「知的財産人材育成総合戦略」、2006年1月にできたものをセクター別に書いて、それで参考というふうに入っております。
○中島委員
それでは、私の認識は正しかったということで、古いと言ったんですが、それは古いものが正しいということでいいわけですね。
○妹尾座長
いや、古いといいますか、2006年にできたものでございます。
○中島委員
わかりました。
そうすると、これのバージョンアップ版というものがもう27ページまでに書いてあるというふうに、全部網羅されているというふうに考えてよろしいわけですね。
○妹尾座長
いや、そうではないのですが、それでは、これは髙原さんから説明をよろしくお願いします。
○髙原参事官
今、中島先生から御指摘いただきました点につきまして。この「知財人財育成プラン」でございますが、ベースにありますものは「総合戦略」で、その上に、更に時代の状況を踏まえて、必要になった部分を増補、補強したというような整理をしております。
したがいまして、「総合戦略」における基本的な取組、今でも必要な取組は継続しながらも、さらに情勢変化を踏まえて競争力強化のために取り組んでいかなければいけない施策をこの第4章の各論のところに書き込んでいる、こういうことでございます。
○妹尾座長
これは、髙原さんの方で繰り返し強調していただいているのは、多分7ページのところだと思うんですよ。7ページの2つ目のパラグラフ、「したがって」のパラグラフです。「知財人財育成プラン」、これは今回、我々が話をしているものです。「知財専門人財の育成・確保を主眼とした総合戦略」、これが2006年版のことを表しております。「『知財人財育成プラン』と知財専門人財の育成・確保を主眼とした総合戦略とが、相互補完的に実施され、我が国の知財人財の加速的育成を進めることによって、国際競争力の向上を目指すものである」ということです。
ということは何かといいますと、2006年につくった総合戦略を捨て去って今回のプランをつくるという意味ではありませんということが書いてあります。総合戦略を生かして、それにプランをする。すなわち何かといいますと、2006年版と今回のものの相似と相違は何かといいますと、共通・継続的に総合戦略をそのまま、勿論、これは10年計画ですから、出していく。ただし、特徴・変容としては何なんですか。プランでは、追加的強調として力点移動しているということがここの根底の考え方だと思います。それを強調する意味でいろいろ文言を工夫してくださった。
これは前回、荒井委員からもそれは非常に強く、どちらなんだということで御指摘があったのにこれが書いてあって、それがわかりやすくなるためにiからviiを(参考)として付け加えたんですが、もし、今、中島先生が御指摘になったように、これがあるがゆえにかえって混乱をするならば、これの取扱いは少し工夫しなくてはいけないかなとも思うんですよ。
どうですか。これは混乱しやすいですか。
○中島委員
それはわかりません。私が混乱しましたのは、この(参考)のところは非常にわかりやすい整理になっていますね。これが2006年版があるのだったら、今回のものもこういうふうなものがあると対比ができてすごくいいなと思ったものですから、それに基づいて、わざわざ今回こういうものをつくったのかなと勘違いしたわけです。
○上田次長
済みません、まず先ほど妹尾座長のおっしゃったところをもう少し付け加えさせていただきますと、20ページに、先ほど髙原参事官からも説明しましたように、今回は「知財人財育成プラン」ということで、この23~27ページのところの施策が新たに上乗せになっている。一方では2006年の総合戦略というものがベースとしてあって、それはiページ以降のところで書いてあるところに基づきまして、所要の施策というものは引き続き行っていく。
これは具体的には、例えばそのときどきの情勢に応じて、知財計画の中でもそれを反映した施策は毎年見直しながら行っていくというところがございます。先ほど中島委員がおっしゃった、例えば弁理士全体の状況を見ながらの、いろんな状況の変化を踏まえながらの施策というものも、毎年その情勢を踏まえながら知財計画の中で実現していっているというところはあります。
したがって、2006年のところの記述のそのままで施策があるというわけではありませんが、2006年の考え方に基づいて、2006年に必要であると思ったことの方向性のもとで毎年施策というものが行われていっているというものがあることに加えまして、今回は「知財人財育成プラン」というものを行うということがこの内容でございます。
○中島委員
ありがとうございます。
そうすると、両方加味してということになると思うんですけれども、それは私の感想ですので、そういうことですから、別のテーマに移ってよろしいですか。
○妹尾座長
ちょっと待ってください。
局長、どうぞ。
○近藤局長
多分、この「(参考)」のところが、前の文章とつながっているために分かりにくいので、今の27ページまで終わったところで、今回の委員の先生方の名簿か何かを付けて、その後ろに、2006年にやったものはこんなことでしたなどというものを付ける。
あるいは更に名簿の前に、ちょうど、今、席上配布になっている概要版を付ける。したがって、この「知財人財育成プラン」の文章があって、エグゼクティブサマリーのポンチ絵みたいな何かがあって、名簿があって、その後にこの「(参考)」を置いたら、多分混乱をしないと思うので、何かそんな工夫をしてみます。
よい御指摘をいただきました。どちらにしても、文章編はこれだけ長いと、非常に重要ではありますが、これを全部読んでくれる人はそうはいないので、もっとわかりやすいような何か工夫をしなければいけません。我々もまとめ方をもう一回工夫します。
それから、タイトルも、似たような名前でぱっと出てきますと同じように見えるので、よく考えます。
○妹尾座長
お願いします。
それでは、今、局長が言われたように、事務局の方で少し工夫をしてください。
それと併せて、この文中で「総合戦略」と呼ばれているときに、総合戦略が、一般名詞としての総合戦略なのか、2006年版を指す総合戦略なのか、わからなくなってしまう可能性がありますので、「2006年版総合戦略」と入れていただく方が対比的にわかるかもしれないですね。
それでは、そういう文言の工夫は中島委員の御指摘に沿って工夫させてください。ありがとうございます。
それ以外の話として、お願いいたします。
○中島委員
それでは、このワーキンググループの冒頭にも発言させていただいたんですが、人財育成というものは人財育成が目的ではないというところなんですけれども、それがどういうふうに明確になっているのか、ちょっと読解力がなくてわからなかったんですが、やはり体系的に言えば、知財戦略があって、知財戦略の目的があって、その中の目的を達成するために人財育成があって、その人財育成はこういうふうにやると、大目的のためにどういうふうなことになるんだというところはどこに出ているのかなという感じが1つしました。ちょっと読み切れなかったところがあります。
それで、人財育成をすれば日本再生になるんだというところは、それは米百俵の精神でいいんですけれども、多分、今やっていることは違うのではないのかな。知財戦略推進計画があって、それの1パートとしてやっているのではないのかなという気がするんです。そうすると、知財戦略推進計画で目指す日本の産業の在り方というものの、どこにどういうふうになっていくというところが、この最初の数ページで明確になっているんでしょうけれども、どこがというのがわからなかったものですから、そこの部分がちょっと知りたかったということです。
○妹尾座長
私の方からお答えすると、これはまさに「第1章 状況変化及び情勢認識」のところで、7ページまでの間に書き込んであるという理解をしてあるのが1点目です。
2点目は、今回のこれはまさに、今、先生がおっしゃった、専門調査会でやる2012年以降にフィードするためのものであるということとして取り上げられているわけです。ですから、2011のときに3本柱が立って、その3本目の柱が人財育成プランの総合的な見直しなんだということがされて、それを受けてこれをやっているというのが全体の位置づけというふうに我々は理解をしているんですが、これは本部員でもある中島先生に釈迦に説法の話で恐縮なんですが、そういう理解で。
○中島委員
いや、私はそう思っているんですけれども、知財戦略で描かれる日本の数年後、また、将来の産業の姿というものがどういうことになって、だからこう言うんだよというのは、かなり抽象的な流れになっているわけですけれども、それしか書けないんだよということでしたら、それはやむを得ないのかなと思うんですが、もっと具体的な姿があるのではないのかな。
非常に自分勝手に言えば、ある意味では数値目標というものはほとんど出てこない。例えば弁理士の人数とか、そういうものは出てくるわけですけれども、産業的な、極端な話、いいか悪いかは別として、GDPを1.5倍にします。そうすると、人財はどうなんだというふうなことです。輸出をこれから倍にするためには知財人財はどうするんだとか、それは非常に勝手な言い方ですけれども、それが正しいかどうかも全く別として、例えばの話、そういうふうなことになると、すうっと筋が通るような気がしたんです。
そういうことだけです。それがばかなことを言っているのではないかというのでしたら、それはそれで別に構いません。
○妹尾座長
上田次長、お願いします。
○上田次長
中島委員のおっしゃるところは非常にごもっともな点があると思うんです。確かに今後の世界経済情勢を展望して、その中で日本の経済戦略を考えて、その中で知財戦略があって、その中でこの知財人財をどうするかというのが、もともとそういうふうにしっかり位置づけるものであるという御議論はよくわかります。
そういうこともありますので、先ほど妹尾座長の方からお話がありましたように、知財計画2011で国際標準戦略があり、グローバル・ネットワーク時代の中の知財イノベーション戦略というものはどういうふうなものがあるんだという柱を立てて、そういうものを推進していくためには「知財人財育成プラン」というものが必要であるというのが2011年の知財計画の中で位置づけられて、その中で人財パーツのところをやっているというのがこの内容だと思うんです。
御指摘のように、2011年の知財計画で、こういう議論が行われたので、こういう「知財人財育成プラン」というものを使うことにしたんだというところの記述が少し少ないというのが1点。
2点目は、妹尾座長がおっしゃられたように、それでは、この「知財人財育成プラン」というものを今度2012年の方に反映していくんだというところの流れというものはちょっと書き足りないようなところがあると思いますので、そこのところをもう少し検討させていただければありがたいと思います。
○近藤局長
あと、「知財計画2012」の中にこういうことを書きますとか、今、次長からお話ししたとおりですし、こちらにはそういうものをもうちょっと書き加えます。
それで、「知財計画2012」をつくるときに、知財人財がなぜ必要で、それをこういうことをやろうと思って、いろいろ検討してもらって、こういうプランをつくったので、それをしっかりと進めていくんだという思いを、今、私の右側にいる安藤君がひいひい言って総論を書き始めていますから、うなずいていますから、その中にきっと入るでしょう。そんな工夫をします。両方でちゃんと、それで読めるようにいたします。
今、おっしゃった、GDPが5割増しになるのに云々のところは、気持ちはよくわかりますけれども、そこまで大きく大上段に振りかぶった議論にはならないと思います。やはりこれから知財人財が必要なんだ、知財を本当にやっていかないとだめなんだという思いを去年かなり書いたんですけれども、今年もその総論を書いて、その中で、とりわけ人財のところはこういう趣旨で、こんなことをやって、これから世界最先端を目指すんだということを書いて、あとは各論にブレークダウンしていく、そんなイメージで考えたいなと思います。
○妹尾座長
どうぞ。
○中島委員
ありがとうございます。
GDPを1.5倍にするというのはちょっとあれですけれども、1人当たりのGDPを1.5倍にするというのはあながちばかなことだとは思わないですね。ですから、それに行くためには、やはり知財が大事であると思いますし、それから、例えば中小企業のマネジメント人財育成と、今、たくさん出ているわけですけれども、一体、中小企業100万社の中、100万社ですか。もっとあるんですか。
○青山委員
全部で400万ぐらいです。
○中島委員
400万社の中で、一体、知財を持っている中小企業は何%あるのか。それで、これから隠れた知的財産を持っている中小企業が何万社あるんだ。その中で、更にマネジメントを必要としている中小企業はどのくらいあるのか。その中でも、更にハイテク分野、それから、輸出できる分野とか、そういったものは幾つあるのか。そうしますと、そういった埋もれた知的財産を顕在化させて、何年以内にビジネスにつなげるためには、どういうふうな人財構成が必要なんだというふうな、だから、ここで知財マネジメント人財はこういうふうにして、こういうことで、何年計画でつくるというふうなところは、私は非常に気が短いものですから、そういうものがあるとわかったというふうなことになるんだというのが一例でございます。
○妹尾座長
ありがとうございました。
気が短いということでしたら、第1回目にその御発言をいただければ幸いだったと私は思います。
それで、今の話としては前書きというもので、この「知財人財育成プラン」がどういう経緯で出てきて、どういうふうに位置づけられて、どういうふうに使えるのか、その前書きを置いておくと、今のような御指摘にお答えできるのではないかと思います。ですので、これは事務局で工夫をしていただければと思います。ありがとうございます。
そういうことで、ほかに何かございますでしょうか。
佐々木委員、お願いいたします。
○佐々木委員
先ほど青山委員、杉光委員がお話しになったことにも関連するんですけれども、広く一般の人財を使うという観点から行きますと、今、ある意味、知的財産検定は能力試験といいますか、能力要件的で、弁理士・弁護士は資格要件的になっていますね。ですから、先ほど青山委員のおっしゃったところで、どこまで弁理士・弁護士の突き上げを食らう心配なくできるかというところを明確にするような動きも必要なのではないだろうかと思います。
そのコンテクストで、中を読みますと、いろいろ人財の相互乗り入れとか流動化みたいなところが、いろんな知的財産人財についてのところで、今、端々に触れられているので、先ほどの弁理士法・弁護士法をどう考えますかというのは別にしても、この中で、今回の「知財人財育成プラン」の中での柱は専門性と流動性と、あるいは先ほども席上配付の戦略本部等とありましたけれども、明確な司令塔の創設というふうな形で、一番前の方に、今回の全体をまとめると、グリップするとこうですよというものがあると非常にわかりやすいといいますか、その流れでそれぞれの行間も読めるんだなということになりますので、そこを工夫していただいたらいいのかなと思います。
○妹尾座長
これはどうでしょうか。先ほど近藤局長がおっしゃられたのは、この本プラン、エグゼクティブサマリー、名簿、参考という状況なんですけれども、ポンチ絵的なエグゼクティブサマリーは後半にするにして、出だしでサマライズといいますか、このプランの骨格みたいなものを図示することを検討していただきましょうか。
その図示が明快にできるかどうかはわかりませんけれども、今、佐々木委員がおっしゃったように、最初の1ページ目を見たときに全体の状況がグリップできる、だから、そこに沿って読み進められるねというものは、編集上の工夫ということはありますので、それは事務局の方で工夫をしていただくことにしましょう。おっしゃるとおりだと思います。ありがとうございます。
荒井委員、お願いします。
○荒井委員
今後の進め方みたいなものも含めていいですか。
○妹尾座長
はい、結構です。
○荒井委員
こういうことで、今回みんなでまとめていくわけですが、希望が2つございます。
今回の「知財人財育成プラン」の位置づけが2011年の推進計画の課題といいますか、宿題を受けてこういうものをつくって、2012年の推進計画に反映していくということになると思いますので、その観点からのお願いの1つは、22ページと23ページに、左の方に知財マネジメント戦略研究拠点とか人財を養成するための場で、右側で言いますと、先ほどお話ししたビジネス戦略知財アカデミーと、知財マネジメント戦略研究所、すなわち知財マネジメントの人財が大変大事である。
具体的には、この2本柱である、こういう位置づけだと思いますので、これは非常に適切だと思いますが、そこの後ろに付いている○の具体例が、コースをつくるとか、トーンがやややさしいような気もするので、できるだけ具体化に当たっては、しっかりした世界一のものをやるような場になるように、立派なものにしていただきたいという要望が1点。
もう一点は、先ほどお話のありました27ページの後ろからある2006年以降の、現在、今までの2006年人財総合戦略プランでもいろいろやってきているわけですので、それを知財人財育成推進協議会がありますね。あそこで分野ごとに今までの状況を、この時点でもう一遍よくレビューしていただいて、そして、更に今回のこの「知財人財育成プラン」ができたということを踏まえて、あの推進協議会のメンバーはどう対応できるだろうか、どう貢献できるかということを見ていただいて、そして、総合的なものを書き出してもらって、そして、2012年の推進計画に反映していったら、今までの2006年人財総合戦略プランがどこまで来て、だから、今までのものではこういうことをやりますし、それから、今回出てきた「知財人財育成プラン」ではこういうことを追加的にやると言うと総合的な人財育成の場ができます。
それから推進協議会、それに関係するメンバーの方もおられますが、独自にやっておられるものは必ずしもここに反映していませんので、ですから、いろいろ各セクターといいますか、分野ごとにいろいろ人財育成で独自におやりになっているものはありますので、そういうものを全部総括してみたら、それを推進協議会としてまとめて、2012年の推進計画に反映するようなことをしますと、充実したものになるのではないかと思いますので、御検討いただきたいと思います。
○妹尾座長
ありがとうございました。
どうでしょうか。2012年への反映、今の2点の御要望といいますか、御指摘といいますか、御提案がありましたけれども、これは確かにあると思います。それで、特に具体的な記述でありますところと、推進協議会でどう対応できるかということを、もう一回キャッチボールをしたらというのは確かにありますので、これは進める形で是非御提案を実現させたいと思います。ありがとうございます。
それでは、いかがでしょうか。
澤井委員、済みません、これをずっと追いかけてきたんですが、何かお得意の、最後に何か一言というのはありますか。
○澤井委員
遅れてきてすみません。そのせいで、議論は全然聞いていないんですが、私はやはり今回のものは、2006年と比べて、一言で言って何が売りになるのかなということが分かりつらいのだと感じています。多分いろいろ図を描かれて、この中の図面でいきますと、6ページのとんがりコーンのものが連携するという、何か緑の輪があるところで、なおかつ縦軸がイノベーション戦略と書いてあるのが売りに該当する部分なのかなと思うんですけれども、そういうものが具体論としてイマイチはっきりしていないと感じています。
○妹尾座長
澤井委員、済みません、5ページの上の方の新たな2行、「すなわち、本プランにおいては、従来の『知財専門人財』の育成のみにとどまらず、『知財マネジメント人財』の育成を大きく打ち出すものである」。
○澤井委員
それはそれでいいと思うんですけれども、イノベーション戦略といったときに、ここで言っている知財マネジメント人財というものが、具体的にエッセンシャルな要素としてこんなものがあると言えると、もう少しこのイメージがわかりやすくなるのだろうと思います。といいますのは、いつかも言いましたけれども、多分、2006年の計画に書かれた、専門性を高くとか領域性を広めるというのは相当いい視点で書かれていたと思います。しかし、それプラスα(何が今回のポイントですよというもの)が、この縦軸のイノベーション戦略だけとか、あるいは知財マネジメント人財という言葉だけではいまいち浸透具合が弱いと感じています。今日の絵を描いていただいた知財マネジメント戦略研究所、あるいはビジネス戦略知財アカデミーというものがある受け皿としてできたときに、何をコアにしてそれをやっていくのかというヒントのキーワードみたいなものが明確に欲しいなというのが正直なところです。
私は、最初の方でも言いましたけれども、多分、個々の企業においては事業戦略というものは既にやっているので、いろんな業種を超えたり、あるいは官と民が連携するとか、もう少し輪を広げていって、いろんな広がりをつくっていけるような人でないと、ここで言っているグローバルなイノベーションというものを起こしていけないのではないかなと思っています。そういうものを何か想起させるようなキーワードが幾つかあるといいと感じています。これは私が最初からずっと感じている話ですが、今、妹尾さんがおっしゃったように、知財マネジメント人財と言葉だけ書いてあっても、それの必須要件みたいなものは何ですか、3つ挙げてくださいと言われたときに、英語ですと言われますと、ちょっと違うかなという、そんな感じもします。何かそういう必須の要件のようなものがもう少しあるといいなと思ってのコメントです。
○妹尾座長
ありがとうございます。
まさにそういうものを考えるインスティテュートが、ここでのセクターということかと思います。ありがとうございます。
それでは、全体として何か言い忘れたことがある、あるいは先ほど御指摘できなかったけれども、こうだというのはございますでしょうか。
今日御発言のない委員の方々、何かございますか。
それでは、本田委員お願いします。
○本田委員
今、2006年の戦略を見ながら、現状はどうなっているかなというのを少し考えながら、それでは、今回つくったものがどういうふうに活用されていくのかなというのを考えていたんですけれども、どれだけ情報発信していけるかというのが、つくった後の情報発信がすごく重要かなと思って、この2006の中でもすごく広まっているものとそうでないものとがあって、やはりせっかくつくったもので、本当に広く活用していただくというような政策にするためにはどれだけ情報発信していくか、今後というところなんですけれども、そこを十分、担当する各省庁であったりというところが考慮いただければと思いながら最後の私の意見とさせていただきたいと思います。
○妹尾座長
ありがとうございます。
これは是非、できた後の折り込み方、できた後のPRの仕方を工夫していきたいと思います。
ほかに御発言のない委員の方々、よろしゅうございますか。
いいですか。
本ワーキンググループの副座長を務めていただいている末吉委員からは何かございますか。
○末吉委員
大変な苦労をされてドラフトをされたんだろうと思って拝見しておりました。
特に内容について発言はないんですけれども、これを見ますと、弁護士という立場からは余り貢献できないような気がしまして、先ほどの荒井先生のお言葉をひしひしと受け止めておりました。これまでやってきたことのレビューというものは実は別途知財人財育成協議会でやっているんですが、このプランを弁護士会としてどう受け止めて取り組むかというのをまた考えていかないといけないという厳しい御指摘だと思っております。
ただ、ここに総合支援窓口がありますね。実は弁護士会も総合支援窓口への取組みをやったんですが、ほとんど無視されまして、我々としてはどうしたらいいか、よくわからないところがあるという愚痴はあります。いずれにしても、これまでの2006年のバージョンでやってきたところでもまだうまくいっていないところがありますので、その上、積み上げられた課題が今回ありますものですから、弁護士会としても受け止めて対処していきたいと思っております。
以上です。
○妹尾座長
ありがとうございます。
育成推進協議会の方でも重い宿題を先ほどいただきましたのでね。
別に弁護士さんの貢献場所がないなどというのはとんでもない話で、それは継続的に。
○末吉委員
やはりマネジメントは弱いんですよ。
○妹尾座長
いや先生、今、契約はビジネスモデル上、物すごい位置づけに変わってきていますね。
○末吉委員
先生と同感です。
○妹尾座長
それはまさに先生たちの御指導がないといけない世界でございます。契約がこれほどビジネスモデル上重要になってきた時代はないのではないかと思われますので、先生の御指導はこれからもよろしくお願いいたします。
住川委員、よろしいですか。御遠慮なさらず。
よろしいですか。
○住川委員
はい。
○妹尾座長
上條委員もよろしいですか。
○上條委員
結構です。
○妹尾座長
それでは、以上の議論で、報告書のとりまとめについてのおおむねの意見をいただけて、集約が図られたと思います。
事務局は引き続きたくさんの宿題をいただいたわけで、恐縮ですけれども、頑張っていただきたいと思います。専門調査会、それから、国際標準化タスクフォース、その他いろいろ大変なので御苦労が多いと思いますが、ここは踏ん張りどころだと思いますので、事務局に御苦労をかけますけれども、是非よろしくお願いいたします。
最終的なとりまとめについては、事務局と一緒に私が座長として進めたいと思いますが、いろいろな修正その他については、もしよろしければ私に御一任をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○妹尾座長
ありがとうございます。
それでは、必要な修正を行った上、本ワーキンググループとしての報告書をとりまとめたということにして、次回の知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会に提出して、できるだけ反映をしていただけるように努力をしたいと思います。引き続き専門調査会の委員の先生方もここに何人もいらっしゃいますけれども、御支援・御指導を賜りたいと思います。
それでは、予定の時間よりもちょっと早いのですが、もしよろしければ、本日の会合をここで閉会したいと思います。
閉会に当たり、近藤局長の方からごあいさつをいただきたいと思います。
○近藤局長
ありがとうございました。
昨年の8月にこのワーキンググループを立ち上げまして、半年の間に7回ということでございます。気持ちとしては10回ぐらいやったような気がするんですが、タイトなスケジュールで、本当にありがとうございました。充実した、緻密な議論ができたと思います。
今日御指摘いただいたとおり、人を育てるには時間と明確なビジョンが必要でございます。こういう形でまとめていただいたことを心から感謝いたします。
この中で、ちょうど具体的施策のところで23ページ以降のところにも書いてありますが、「知財マネジメント戦略研究所(仮称)」とか「ビジネス戦略知財アカデミー(仮称)」というものをつくって世界の最先端になっていこうというのは、私は大変に大きな試みだと思います。先ほど末吉先生から、弁護士の貢献がどこでできるんだろうとおっしゃったんですが、この研究所は民の多大な貢献でできますけれども、その中で弁護士の貢献、弁理士の貢献というものは非常に重要な部分を占めます。勿論、学界からの協力、私どもも全力でこういうものをつくっていくということでありますので、こういうものが本当に立派なものができて、10年経ったときには、ここの研究所、このアカデミーというものがシンボルになるような、そういうものに育てていきたい。10年先をにらんで、直ちに始められるところから始めていくというようなことで政策を進めていきたいと思います。
最後まで充実した議論をしていただいて、中身のある御提言をとりまとめていただいたことに、改めて心から感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。(拍手)
○妹尾座長
ありがとうございました。
私のせきは、御存じのとおり、近藤菌がいまだに出てしまって、2か月近くなので、お聞き苦しい点は御勘弁いただきたいと思いますが、こういうことにできました。あとは事務局にもう一踏ん張りをしていただくということで、御苦労をかけますが、よろしくお願いいたします。
それでは、皆さん、本当に7回も充実した議論をありがとうございました。御礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。
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