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第1回 知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会 |
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○妹尾会長 それでは、皆さんおそろいになりましたので、始めたいと思います。 皆さん、おはようございます。ただいまから知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会、次の知的財産推進計画に向けた第1回会合を開催いたします。 本日はご多忙のところ、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。今10時ですけれども、12時までお時間をちょうだいしています。 本専門調査会では、本年2月から5月にかけて、大変皆さんにご苦労をおかけして開催をいたしまして、「知的財産推進計画2010」に盛り込むべき事項を提言いたしました。これを受けて、5月21日の知的財産戦略本部会合において「知的財産推進計画2010」が決定されました。本日は、それから約半年がたったわけですけれども、「知的財産推進計画2011」に向けた検討のキックオフの会合という位置づけでございます。活発な議論、それからご指摘、その他、ご議論よろしくお願いいたします。 本日は急な日程調整の関係で、どうしてもご都合のつかない方が多く出てしまいました。申しわけございません。ご欠席の委員は、荒井寿光委員、出雲充委員、大渕哲也委員、迫本淳一委員、佐藤辰彦委員、中村伊知哉委員、西山浩平委員、野元修委員、山本貴史委員ということになっております。これだけ多く欠席されても、これだけ多く出席されているというのは、いかに委員が多いということがわかりますが、どうぞよろしくお願いいたします。 では開会に当たり、当初、内閣府の大臣政務官、津村政務官に代って就任された和田政務官からご挨拶を頂く予定でしたが、ちょっと今日は国会の関係でご欠席ということになってしまいました。そこで、近藤局長にご挨拶をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○近藤局長 おはようございます。今日からまた知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会を再度スタートさせます。よろしくご審議のほどお願いしたいと思います。 私どもの知的財産関係の担当大臣は、第2次菅内閣で、これまでの川端大臣、平岡副大臣、津村政務官というラインから、海江田大臣、和田政務官、間の副大臣はおりません、こういう体制になったわけでございます。今日は和田政務官、ご出席して皆さんにご挨拶を申し上げると言っておったのですが、皆さんもご承知のような最近の状況でありまして、なかなか自由がきかない状況であること、お許しをいただきたいと思います。 いよいよ、今冒頭に妹尾先生からお話しいただきましたように、2011に向けたキックオフであります。2011に向けたキックオフということは、2010をどう評価するかということも含めての会合でございまして、いろいろとこれまでご指摘いただいたことをどう実行しているのか、それがどうできているのか、できていないのか、さらに2011に向けてどうやっていくのか、こんなことを議論したいと考えているところでございます。 妹尾先生には、国際標準化戦略タスクフォースとこの専門調査会と両方取りまとめ役としてご尽力いただきまして、本当に骨を折っていただいていますと申し上げていたら、物理的に本当に骨を折られまして、私どもに責任があるのではないかと反省をしておるところであります。なるべくカルシウムをたくさんとって早く治していただきたいと思っているところであります。 この知財の政策に関しましては、10月26日に知財本部会合が開かれまして、その本部会合の場で、総理から「さらに加速をしろ」という指摘がございました。また、昨日の国会の中でも、海上保安庁の流出したデータを世の中に出すかどうかという時に、総理が突然、例えば特許制度においても、出願をしてから公開するまで1年半はその資料は秘密なんだと、その1年半の間は秘密を守るというのが一つのルールなんだと、知財の例を引用しておられまして、やはり総理は知財の問題に対する意識が本当にお強いんだなと改めて思った次第であります。 いろいろな議論があろうかと思いますけれども、私どものやるべきことはしっかりとやっていくと。ちゃんと方向性を示し実績を上げていくという形で推進をしていきたいと思っているところでございます。引き続きご審議のほどよろしくお願いいたします。今回からまたかなり、本当に皆さんに申しわけないようなきつい日程になりますが、妹尾先生には物理的にではなく骨を折っていただきたいと、是非よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。 ○妹尾会長 ありがとうございました。実は来週から入院いたしますので、そこで一生懸命治してまいります。 それでは、国際標準化戦略の検討状況について、最初に確認をしたいと思いますが、その前に、高原参事官から事務局の異動、その他、まず確認をお願いいたします。 ○高原参事官 おはようございます。まず事務局内部で異動がございましたので、ご紹介をさせていただきたいと思います。 7月末でございますけれども、内山前次長にかわりまして上田次長が着任をしております。 ○上田次長 上田でございます。よろしくお願いいたします。 ○高原参事官 それから戸渡前次長にかわりまして、芝田次長が着任をしてございます。 ○芝田次長 芝田です、よろしくお願いします。 ○高原参事官 さらに小川前総括参事官の後任として、安藤参事官が着任をしております。 ○安藤参事官 安藤でございます。 ○高原参事官 また、9月でございますけれども、標準化チームの企画官といたしまして着任をしております山本企画官でございます。 ○山本企画官 山本と申します。よろしくお願いします。 ○妹尾会長 以上、皆さん、ウエルカムなので拍手を。よろしくお願いいたします。(拍手) ○高原参事官 それでは、標準化の検討状況のご説明に入る前に資料の確認を簡単にさせていただきたいと思います。議事次第の用紙をご覧いただきますと、下に配布資料の記載がございますけれども、そちらをご覧になりながらご確認いただければと思います。 資料1でございますが、「国際標準化戦略の策定に向けた取り組みについて」というものでございます。資料2は、「競争力強化・国際標準化専門調査会の今後の進め方(案)」でございます。それから資料3ですが、『「知財推進計画2010」の進捗状況概要(戦略T、V関係)』というものでございまして、こちらにはA3横長の「資料3(参考)」がついております。それから資料4、「関係府省からヒアリングするべき項目(案)」というものでございます。資料5は『「知財推進計画2011」に向けた今後の検討項目例』というものでございます。続きまして、資料6、「関係者ヒアリングにおける主な意見」をまとめてございます。 それから参考資料が3種類ございますけれども、参考資料1としまして、10月26日に開催いたしました本部会合で配付した資料でございます。それから参考資料2は、こちらの専門調査会の運営について、それから最後、参考資料3でございますが、国際標準化戦略タスクフォースの運営についてというものでございます。 資料のほう、不足等ございませんでしょうか。 ないようでしたら、続いて説明に入りたいと思います。今ご確認いただきました参考資料2の第1項、第2項にもございますようにこの専門調査会の議事、配布資料は原則として公開となっておりますが、他方で参考資料3にございますとおり、国際標準化戦略タスクフォースの議論は機微な点があることから、議事は非公開、それから配付資料も原則非公開としているところでございます。妹尾会長、それから岸副会長、上條委員におかれましては、両方の会合のメンバーになっていただいておりまして、タスクフォースのほうの開催頻度も高く、非常にご迷惑をお掛けしております。こうした中で、このようなお願いを申し上げて恐縮でございますけれども、本専門調査会でのご発言等に際しましては、タスクフォースにおける情報の機密性等についてご配慮をいただければ幸いでございます。 それでは資料1に基づきまして、国際標準化戦略の策定に向けた取り組みについて、ご紹介したいと思います。 本専門調査会の前回会合は「知的財産推進計画2010」に向けた会合でございましたが、5月13日に開催しております。そちらの会合で1.のタスクフォースが設置され、特定戦略分野選定の途上にある旨ご報告を申し上げていたところですが、その後、2.に関しましては、第2回(5月18日)の会合で、真ん中にございます7つの分野を選定案として決定をいただきまして、これを企画委員会(5月19日)に上げた後、知財本部会合で特定戦略分野として決定をしたということでございます。 その後、3.の部分でございますけれども、6月下旬から8月上旬にかけて7分野の関係府省に対するヒアリング等、精力的に実施するとともに、国際標準化戦略策定の基本的な考え方、こちらは1枚めくっていただいた「別紙1」としてつけてございますが、「基本的な考え方」というものも取りまとめをいただいたということでございます。 こちらの「基本的な考え方」は、戦略策定上の分野横断的な指針というものでございますけれども、8月25日の企画委員会では、その「基本的な考え方」も参照しつつ、各府省へのヒアリングで議論されました分野別の指摘事項も含めて、各府省に対して分野別の戦略策定の指示がなされたところでございまして、以降8月下旬から各府省において戦略案の作成作業を開始していただいているというところでございます。 4.でございますけれども、その後、第9回の会合、10月下旬に開催いたしまして、事務局で把握しました各府省の検討状況をお知らせいたしました。さらにその内容を、企画委員会を通じて10月26日の本部会合に報告いたしましたところ、この後、簡単にご説明を申し上げますが、加速決定、それから総理の指示がございまして、今月中の中間報告に向けて、各分野の戦略策定状況、進捗状況について予定を前倒ししてタスクフォースにおいて集中的に審議をしていただいているというところでございます。このタスクフォースの第10回以降の状況につきましては、別紙2により詳細に記載してございます。こちらの国際標準化戦略の検討加速という点につきましては先ほども触れましたが、10月26日の本部会合で国際標準化戦略の検討加速に関する本部決定がなされております。それから11月中に中間報告を行うべしという総理の指示もございました。 参考1、参考2を、この別紙2の後ろにつけてございます。検討加速につきましては、関係府省が遅くとも11月中旬までに官民検討の場を設置して早急に検討を進め、本年末までに企画委員会で戦略の策定をしっかり行うということ。それから、厳格な進捗管理ということで、国際標準化戦略タスクフォースにおいて、関係府省と一体的に迅速に検討を進めるとともに、企画委員会において厳格にフォローアップをしていくということでございます。 以上、簡単ではございますけれども、国際標準化戦略の策定の進捗状況についてご報告を申し上げました。 ○妹尾会長 ありがとうございます。ただいまのご報告いただいたことに対しまして、何かご質問、あるいはご指摘等がありましたら、よろしくお願いいたします。何かございますか。 一点、細かいことで恐縮ですけれども、最初の資料1を見ていたら気がついたのですが、第8回と9回の間に府省の方々を集めてのセミナーを開催しましたよね。200名近かったのかな、百数十名の各府省のこの標準に取り組んでいらっしゃる、あるいは各民間をご支援する立場にいらっしゃる方々に集まっていただいて、タスクフォースの委員が講師になったセミナーを開きました。そこで標準化についての意識合わせのすり合わせをしたというのが一回ありましたよね。これはちょっと補足させていただきたいと思います。 いかがでしょうか。よろしいですか。 それでは引き続きまして、知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会の今後の進め方について、事務局からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○高原参事官 資料2をご覧いただければと思います。今後の進め方でございますけれども、10月26日に開催いたしました本部会合におきまして、来年5月から6月を目途とした「知的財産推進計画2011」の策定に向けて、検討を開始することといたしました。このあたりの全体像を概括いたしました表を別紙1につけてございます。こちらをご覧いただきながらお聞きいただければと存じます。知的財産戦略本部会合、それから企画委員会をこのような形で回していきたいと考えておりますけれども、本専門調査会につきましては、まず、本年5月に策定した「知財推進計画2010」の進捗状況の評価、それから「推進計画2011」の策定に当たって、新たな課題あるいはさらに深掘りすべき課題について議論をお願いし、来年4月を目途に取りまとめをして、知的財産戦略本部に対して提言を行うということを考えているところでございます。 さらに専門調査会における検討状況、それから国際標準化戦略タスクフォースにおけるフォローアップ等も含めた関係を別紙2、こちらのほうに示してございます。スケジュールでございますけれども、本日の第1回会合に続きまして、12月中に2回ほど開催をさせていただきたいと考えております。 それから年が明けまして、1月から3月には月1、2回程度の頻度で開催して、年内に行う「推進計画2010」の進捗状況の評価、それから新たな課題や掘り起こすべき課題についての検討を踏まえて、年明け以降、集中的に2011に向けた提言の取りまとめのためご議論いただきたいと考えているところでございます。 事務局からは以上でございます。 ○妹尾会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。この別紙1、2の図解で大分すっきりわかるかと思います。いろいろなものが走っていますね。相互関係がどうなっているか、我々も時々混乱するんですけれども、委員の先生方もこれでわかりやすくんではないかと思います。 こういうスケジュールで進めるということですが、皆さんのほうから何かご質問、あるいはご指摘ございましたら、どうぞ。 ○佐々木委員 先ほどの、冒頭のところの質問も含めてなんですけれども、8回と9回の間で何か意見調整といいますか、認識調整をしたという話なんですけれども。 ○妹尾会長 セミナーを開催いたしました。 ○佐々木委員 そのときに、この標準化戦略についての皆さんの意識がどうだったかという、興味本位の質問が一つです。それともう一つは、2010年の進捗を見ながら2011年の課題ということですけれども、これもやっぱりまだ標準化というところを振り返りながらやっていくということになると、当然そこにかなり重点が置かれると思うんですけれども、やっぱりこの標準化ということにフォーカスをして進めていくのか、その辺をちょっとお聞かせいただければと思います。 ○上田次長 1つ目の質問でございますが、国際標準化戦略は7分野15項目にわたってございますけれども、府省によって標準化あるいは標準化を含めた知財戦略をどうやっていくかということについて、理解に相当差がありました。 それで妹尾先生のほうからご提案をいただきまして、先ほどのセミナーをやったわけでございます。各府省からは局長クラス、課長あるいは担当者まで、みんなタスクフォースの先生方からもう一度、知財戦略とは何かということについて、過去の例も含めてご説明いただいて、しっかりした勉強ができたという声もございました。 2つ目は、標準化については、やはり我々としては非常に大きな柱だと思っております。そのところは総理からも指示がございましたけれども、非常に重要性というのが政府の中でも認識が深まっているのではないかと思っております。今年の計画として7分野の具体的な計画の策定、それが先ほどの総理のできるだけそれを加速するようにというご指示を、まずしっかりやっていきたいと思います。その7分野についてもそれで終わるというよりも、どんどん状況が変わる中でやっていかなきゃいけないという部分というのは出てくると思います。 それから、必要があれば新たな分野、あるいは項目についても検討するというところも、検討として我々としては2011年に向けてやっていきたいというふうに考えております。 ○妹尾会長 ちょっと補足を私のほうからさせていただいてよろしいでしょうか。 佐々木委員の今ご質問は、このセミナー自身ではなくて、全体としての府省の関与だとか意識だとか、あるいは知識だとか、それらはどうなっているのか、というご質問だととらえれば、これははっきり言ってもの凄く差があります。このセミナー1回だけでみんなのすり合わせができたとか、あるいは底上げができたという感じでは、もちろん全然ないわけです。それについては海江田大臣が主宰して各府省の副大臣が参加する企画委員会に、私が座長メモというのを出しています。そのときに各府省の、あるいは省内でも部局によって全く認識や知識が違うので、それをとにかく底上げをしてほしいという要望を出しております。このメモについては確か公開もされているはずだと思います。 今、このヒアリングというのを国際標準化の中でやっていますが、これはクローズでやらせていただいています。案件ごとに委員の先生方との間でいろいろなディスカッションをやります。恐らくこのディスカッションが(府省の皆さんにとって)最も貴重な学習機会になっていると私は見ています。というのは、外部の標準をとれば良いんだよねというような意識の方もいれば、標準を何がなんでもとらなきゃいけないという自己目的化している方もいる。場合によっては標準をとらないほうが良い場合もあるわけですから、そういう点も含めて広く議論して、皆さんを啓発しつつやらないといけません。妙に民間の活動に手を突っ込むような話になってもいけないですし、あるいは民間を支援することがあさっての方向では、これも困りますので、そういうことも含めて今進めているということですね。そのときの、ある種の一つのポイントとして、このセミナーが開かれたとご理解いただければと思います。 2番目については、今、次長からご説明あったと思いますが、これは標準化だけをやっているわけじゃなくて、広い意味での知的財産を権利化するときの問題だとか、あるいは権利化しないときの問題だとか、標準化するときの問題、標準化しないときの問題、あるいはそれらを含めて、とにかく競争力強化をさせるのにどういうものが必要なんですかということが主になっているわけです。ただ、今までちょっと標準化については日本は二周おくれ、三周おくれですから、そこに焦点が合うのは、これは当然かなという、そういう状況だとご理解いただければと思います。ありがとうございます。 他に何か、これらについて。 相澤委員、お願いします。 ○相澤(英)委員 標準化ということになると、当然のことながらインターナショナルスタンダードになるので、国内の規制緩和も必要になると思います。その辺も含めて議論されているという理解でよろしいですか。 ○上田次長 その辺も当然話題に出る分野もあれば、そこまで至らずに、例えば規格をどうするかという段階で競争力について、うまくいくところはそこでとどまっていると、いろいろなタイプの話が出ていますし、ですから今後は、先生方にそこまで議論をすべきだという議論ももちろんウエルカムだということになります。それでよろしいでしょうね。 ○妹尾会長 他に。よろしいですか。 それでは先へ進ませていただきます。「知的財産推進計画2010」、いよいよ本題、本丸のほうですけれども、その進捗状況等について見ていきたいと思います。 ことしの5月21日に決定した2010の進捗状況を確認するために、各省庁からヒアリングをすべきだということになって、その項目案を事務局が作成してくださいました。それじゃ、事務局のほうでよろしくお願いいたします。 ○高原参事官 進捗状況について、取りまとめた資料3について、追ってご説明いたします。その前に恐縮でございますが、参考資料1、10月26日の本部会合で配付した資料、資料4というものがございます。こちらをご覧いただけますでしょうか。A4の横タイプ、参考資料1の中のさらに資料4と書いてあるものでございます。表題として、『「知財推進計画2010」に関する平成23年度予算概算要求状況調べ』というタイトルがついております。 ○妹尾会長 もう一回、すみません。 ○高原参事官 すみません、説明が不十分で申しわけございません。 こちらの概算要求状況調べに関する資料をご覧いただければと思います。こちらで平成23年度の予算概算要求のうち、「推進計画2010」の関連予算として各府省から要求を行っているものを取り纏めております。総額、約910億円ということでございまして、前年度から300億円程度ふえております。その下に、重点戦略ごとの概算要求額、戦略TからVに分けて概算要求額も示してございます。 それから2ページ目以降、こちらには各府省別に、該当する「推進計画2010」の取組毎に事業概要ですとか概算要求額というものを掲載しているところでございます。 財務省に対しましては、この結果をもとに予算をしっかりつけてもらうように、知財事務局からも申し入れを行っているところでございます。財務省も具体的な額というのは別として、「推進計画2010」との関係、重要性については考慮するということでありましたので、ご報告申し上げたいと思います。 それでは、続きまして資料3、こちらをご覧いただければと思います。 ○妹尾会長 今日の資料3ですか。 ○高原参事官 はい、本日の会合用の資料3でございます。 ○上田次長 『「知財計画2010」の進捗状況概要』という資料でございます。 ○高原参事官 こちらの色刷りの紙でございます。あわせて、先ほど資料の確認の際に、後ろに資料3(参考)として、こうしたA3横長の紙もつけております。 この資料3(参考)をご覧ください。戦略T、Vの具体的な取組に関する進捗状況を各府省から確認したものを一番右の緑色をつけた欄に記載してございます。 資料3、こちらの青い色刷りのタイトルがついているものですが、この資料3(参考)の内容をもとに、「推進計画2010」の中で、重点施策と位置づけられているもの、それから重点施策ではないもののしっかりフォローする必要がある取組について、その内容、進捗状況を事務局として取りまとめたものでございます。 まず戦略T、国際標準化関連、アジア地域を中心とした共同研究開発プログラムの構築等についてでございますけれども、こちらは経済産業省で「アジア太平洋産業技術・国際標準化プログラム」というものを取り纏めて、実施についての予算を要求しているところでおりますが、その予算をしっかりとつけていくことが必要と考えてございます。 それからフォーラム標準を含む総合的な支援について、情報通信分野については、体制整備の方針が10月に決定されておりますが、来年の実施、特に支援の実施に向けた判断基準でありますとか支援策のあり方について、さらに検討していく必要があると考えております。 それから標準化活動の専門家支援ということで、日本規格協会を通じた研修が実施されているということでございますけれども、新たな育成方法のさらなる検討というものをしっかりやっていく必要があると認識してございます。 それから産業界の意識改革の促進、知的財産マネジメントの実践に関しましては、経済団体との意見交換、全国規模の講演会等、各府省で実施をいただいているということでございます。特に経済産業省では、官民の窓口になる場(知財ワーキンググループ)を設置するという計画でございます。こちらの設置に向けた具体化・スケジュール化が必要ではないかと考えてございます。 それから公正な評価方法の研究、国際標準化の支援に関しましては、特定戦略分野における戦略の策定過程において、性能ですとか安全性等の評価方法が重視をされているところでございますけれども、国内認証スキームの拡充に向けた施策の可能性について、さらに検討が必要ではないかと考えてございます。 1枚おめくりいただきまして、戦略Vのうちベンチャー・中小企業に関連する部分でございます。新たな支援策の創設という点に関しましては、特許庁において中小企業、それから弁理士会等との意見交換を行っているということでございますけれども、検討はまだ十分とは言えないのではないかと。新たな支援策の具体化に向けて、早急に検討を進めていただく必要があると考えているところでございます。 それから特許関係料金減免制度の拡充につきまして、産構審の特許制度小委員会で減免対象となる中小企業の範囲拡大、申請手続の簡素化の方向で検討が進められているということでございますけれども、減免制度の実現に向けてしっかりと進んでいただくことが必要と考えてございます。 外国出願支援の拡充につきましては、支援対象に特許のみならず、意匠、商標が追加されているところではございますけれども、実際に支援が実施されている地域・センターが10ということで、地方公共団体に対してこうした助成制度への参画等を強く働きかけていく支援の強化が必要ではないかと考えてございます。 それからワンストップ相談窓口の整備ということで、経済産業省の「課題解決型相談コンサルティング事業」において、各都道府県にワンストップの相談窓口が設置されているということ。また、農林水産省関係では、地方農政局を中心として相談窓口を設置しているということでございます。今後、各府省で実施する支援策の連携、あるいは地方自治体や各種の支援機関とのネットワーク強化というものを図っていく必要があるのではないかと考えてございます。 3ページ、産学官連携に関する部分でございます。産学官が出口イメージを共有して共創する場の構築ということで、経済産業省におかれては実証・評価研究を支援する事業を実施していただいているということ。それから文科省におかれては知のプラットフォームの事業を推進して、平成22年は試行、平成23年から本格実施ということで概算要求していただいているところでございますけれども、この予算をしっかり確保するといったことが必要ではないかと考えてございます。 それから既存の大学知財本部・TLOの再編・強化でございますけれども、複数の大学の強みを結集するような産学官協働ネットワークシステムの構築事業等が実施されているところでございますけれども、それに加えて、大学の潜在力が発揮できるように連携機能の評価のあり方等を含む方策について検討していただく必要があると認識しております。 それからこのページ最後でございますが、大学の特殊性を踏まえた特許制度の見直しということで、出願フォーマットの自由化、新規性喪失の例外の拡大、それからアカデミックディスカウントの改善等を掲げてございます。こちらは産構審の特許制度小委員会において検討がなされ、国内優先権の活用、学術団体等の指定制度の廃止、特許料金の見直しといった検討がなされているところでございます。こういった提案が実際に実行され、大学や公的研究機関がより利用しやすいものなるよう、特許制度の見直しをしっかりとやっていただく必要があると考えてございます。 最後4ページ目、イノベーションインフラに関する部分でございます。知財活用を促進する制度整備、こちらも特許制度小委員会において検討が行われてございます。全体的に当然対抗制度の導入に肯定的ということでございますけれども、早急に取りまとめていただくということが必要であると認識をしてございます。 それから営業秘密の保護強化ということにつきましては、法務省と経済産業省共同で研究会を立ち上げて検討を開始していただいておりますが、年内に結論を取りまとめていただき、それから法改正と必要な措置を講じていただくことが必要であると考えてございます。 それから、国際知財システムに関しまして、特許審査ワークシェアリングの拡大ということで特許審査ハイウェイの対象国が拡大されたということですとか、5大特許庁の枠組みにおける議論が進んでいるということでございますけれども、例えば、出願書類のデータ形式の標準化等については認識の共有という部分にとどまっている状況でございますので、具体的な構成の検討等に向け、しっかりと議論していただく必要があると考えております。 それから特許法条約加盟に向けた制度整備ということで、こちらも特許制度の小委員会において7月に検討を行っていただいております。検討の方向性といたしましては、失われた権利の回復のための要件緩和等ということでございますけれども、早急にこの結論を取りまとめていただくということが必要と考えてございます。 この資料3に基づきまして、次回以降、年内の専門調査会で関係府省から実際にヒアリングをすべき事項の案をお示しいたしましたのが、本日の会合の資料4でございます。実際にヒアリングをする項目は、委員の方々のご意見も考慮しながら調整し、実際に決定させていただきたいと考えているところでございます。 事務局からは以上でございます。 ○妹尾会長 ありがとうございました。ちょっといろいろ資料が錯綜しておりますので、委員の皆さんにはわかりにくいかもしれません。平たく言うと、この大きいA3の資料3(参考)が全部基本的なベースマップだというふうにお考えいただいて結構です。この中の黄色い部分ですね。黄色い部分が特に重点を置いてヒアリングするものだということです。この資料3の青のヘッダーになっていて、それが一覧表として資料4の縦型に入っていると。逆を言えばそういう順番になっています。ですから委員の先生方からは、いやいや、これは黄色なんか要らないと、これはもう最重点だから真っ赤にしろという話があるかもしれないし、あるいは黄色をこんなにたくさんふやさずにもっと絞ってもいいんじゃないかという話もおありでしょうし、あるいはもっとこっちも黄色にしろというお話もあるでしょうし、そういうご指摘、あるいはご意見をいただければというふうに思います。 恐縮ですが、どなたかご発言があれば、よろしくお願いいたします。 相澤委員、お願いします。 ○相澤(益)委員 資料3ではないんですが、その前に説明がありました平成23年度の予算概算要求状況、そこのところについて、ちょっと一言申し上げたいことがあります。本部会合の席でも申し上げたんですが、今回この知財関係としての概算要求状況ということでありますが、これは極めて研究開発と事業化を一体化して進めるというスコープのところから位置づけを明確にしておかなければいけないのではないかという点であります。 といいますのは、科学技術関係予算のかなりの部分がこの知財戦略の概算要求と重なっているところがあります。両方でこれを推進しないと、本来目的とするところが達成されませんので、そのことを常にどこかに一文入れておいていただくということが重要ではなかろうかというふうに思います。 それに伴って、総合科学技術会議のほうで科学技術関係の予算の優先度判定を行っておりますが、その優先度判定の際には、この知財戦略にかかわること、特に国際標準化にかかわることについては相当の重点を置いた形での評価をしてまいりました。というようなこともありますので、ぜひ一体的な推進が重要であるという位置づけを明確にしていただくと有効に機能するのではないかと、かように思います。 ○妹尾会長 ありがとうございました。今、相澤先生からご指摘のありましたこと、本当にそうですね。研究開発は研究開発、事業産業は事業産業とバラバラなところを、ようやく戦略的に歩調を合わせようということになったので、それを明記することは極めて重要だというふうに思います。 いかがでしょうか、今の相澤委員のご意見。 上田次長。 ○上田次長 事務局としても、研究開発と、それから知財の方でこちらの位置づけの中での、例えば予算要求というのは非常にオーバーラップしている部分が大きいと思いますし、それを両方で推進していくというのは非常に重要なことだと思っております。 今のご指摘も踏まえまして、2011の改定に向けて、また検討していきたいと考えております。 ○妹尾会長 予算に関して、近藤局長。 ○近藤局長 予算に関しましては、この知財本部で決定した事項は、総理も財務大臣も含めて合意をしたわけでありますから、この知財計画に書いてある項目は必ず予算をつけるべしと、書いていない項目は、重点計画に載っていないということでありますから、重点として政府の中で認められるはずがないので認めないと、財務省に私どもは直接申し入れをしております。財務省は面食らっておりましたけれども、この本部で決めたことはしっかりと実行すると、こういうことを強く申し入れをしているところございます。 総合科学技術会議との関係は、引き続き連携をしながら対応したいと、このように考えております。 ○妹尾会長 相澤委員。 ○相澤(英)委員 これらの政策のために、文部科学省の他の研究関連予算を減少してここでやるということになると何もならないと思います。特に、基礎研究等に充てられるべき予算が減少されるということになると日本の科学技術の基盤がまた低下するということになりますので、その点についてはご留意いただければと思います。 ○妹尾会長 ありがとうございます。今の関連で何か皆さんのほうからございますか。いかがでしょうか。 これは、知財戦略本部は首相を本部長にして各大臣がいらして決定された事項ですから、予算その他についても当然、その前提で措置がとられるということであります。それからもちろん、相澤先生が先ほどおっしゃられたみたいに総合科学技術会議と歩調を合わせるということは、これは最も重要なところです。ただ、歩調の合わせ方をこれからいろいろ工夫していきたいと思いますが、その方向性については明記をした方が良いというご意見は、できるだけ取り入れたいと思います。ありがとうございます。 他に、それでは皆さんのご指摘、ご質問ございますか。 佐々木委員。 ○佐々木委員 知的財産推進計画2010を策定する上で議論されたか、多分長くは議論されなかったと思うんですけれども、標準化戦略を進める上で大きな方針を方向性に基づいて、やっぱりいろいろな各企業、個人等々が動いていかなきゃいけないという構図からすると、情報のインフラの話なんですけれども、実は膨大な各国特許庁の資料、あるいはそれに関連する膨大な科学技術の資料、これについて機械翻訳等々のところで議論があったと思うんですけれども、もう少し情報へのアクセシビリティとか、それこそ情報のワンストップで各企業、動きたい人がその情報を的確に早く入手できれば、それで解析につなげられると思います。実はいろいろなところで標準化を考えるときに、一生懸命それを幾つもの情報にアクセスし解析しているのが現状なんですが、その辺の情報プラットフォームといいますか、その整備の話というのは、この中のどこかにあるかもしれませんけれども、全くその辺は触れられていなかったのでしたでしょうか。ちょっとそこをすみません、全部今、資料をざっと流し読みできなかったので、どちらかにあるとは思うんですけれども、そこも重要なことだと思うので。 ○妹尾会長 今ここにあるかないかという話とともに、それは逆に2011でぜひ強調していただいてはいかがと。これは2010の評価の話なので、それを進めていく中で今の佐々木委員のようなご指摘がもっとクローズアップされるべきだというお話だとすると、これは2011のところでぜひご意見をいただければと思います。 他にいかがでしょうか。何か皆さん、頭を2010にプレーバックしないと、なかなか出てこないかもしれませんけれども。 それでは、もし今ここで格段のご意見がなければ、後でよくもう一回見てみたらこうだったということがありましたら、ぜひ事務局のほうにご意見をお寄せいただければと思います。私としては、2010、こういう計画の進捗状況をチェックするということはどういうことがあるかと考えますと、ある意味で私の専門なんで恐縮ですけれども、4点あると考えています。 第一は何かというと、これはいわばコミットされた目的に対して、各府省が中心になって、進めているものですから、そのコミットされた目的が順調に進捗しているかどうかということを見ることが、これが大原則です。コミットしていない目的をここで言ってもしようがないので、その目的ははちゃんと遂行されていますか、これがチェックの第一原則だと思います。 第2は何かというと、もし仮に、その目的が変更ないしは修正されているとしたら、それはいわば運用の幅を超えてはいけないはずですよね。ですから、それは運用内の中でやられているかどうかを正当化していただかないといけない。ヒアリングはそれをきちっとチェックするところだと思っています。 3点目は、そのコミットされた目的に向かって全然動きがでていない。すなわち未達であるとか、あるいは進捗状況が遅れているとかいうようなことがあった場合は、それが本当にリーズナブルであるかどうか。これはあり得ない話なので、サボってはいないかという意味ではないのですが、何かの環境変容によって遅れている場合もありますよね。だけども、それは仕方ないですよねということが正当化されるかどうか、これがヒアリングでチェックされると、こういうことですね。これが3点目だと思います。 4点目は、これは進捗の中で、いろいろなことを進める中で、気づいたり、あるいは学んだり、あるいは考えたりされることがあるはずですから、それを次回の2011に活かすということがなければいけないので、それを提言していただくということです。 以上、この4点が府省ヒアリングにおいて、ちゃんと精査すべき項目だろうと私は考えています。 今の方針をできたら、このヒアリング等を通じてきちっとやりたいと考えています。ただし、その分野、あるいは内容については、委員の先生方から、ここはこう見ておいてくれということを言っていただければと思います。そしてそのヒアリングの中から出てきた項目が、新たに2011に当然フィードバックがかかってより良いものになっていくことが、この進め方だろうと考えております。 もしよろしければ、その線で進めさせていただいて、次の2011に向けての話に移りたいと思います。では、「知的財産推進計画2011」に向けた検討課題について、ご意見をいただくということになります。まず事務局のほうから説明をいただきたいと思いますので、高原さん、よろしくお願いいたします。 ○高原参事官 それでは本日の資料5、『「知的財産推進計画2011」に向けた今後の検討項目例』というA4横長のものと、あと資料6、こちらA4縦長のものでございますが、「関係者ヒアリングにおける主な意見」というものをご覧いただければと思います。 まず資料6でございますけれども、関係者ヒアリングにおける主な意見です。企業、大学、研究者、実務家等、関係者から事務局としてヒアリングを行ってまいりました。その結果を取りまとめた概要を1ページ目、2ページ目に示しております。この項目を簡単にご説明したいと思います。 国際標準につきましては、標準化活動のより一層の強化のためには人材育成、標準化活動の支援、企業の意識改革等についてさらに取り組んでいく必要があるということがございました。 それから認証機関、それから認証制度のあり方につきましては、標準・規格を市場に結びつけるための認証が重要だということでございますけれども、我が国の認定機関はプレゼンスが低い、あるいは十分に確立されていないということがございました。 それから産学連携における知財マネジメントの推進ということに関しましては、リサーチ・アドミニストレーターが大学では根づいていないのではないかということで、定着させるべきであると。他方、皆無という状況でもないが、研究補助職あるいは事務職といった形で点々と存在していると。そうした人材を専門職としてまとめて処遇することを検討すべきではないかといったご意見がございました それから経営者層への啓発を含む知財マネジメント人材育成の推進ということに関連いたしましては、企業経営者層に対する啓発を奨励するような施策を今後とも進めていく、続けていくことが重要であるという指摘がございました。 それから知財人材の中では、一つには企業経営と連携して知財を活用できる人材、2つ目には英語での交渉や標準化活動を含むグローバルな知財活動を担うことのできる人材、こういった分野で人材が不足しているのではないかというご指摘もございました。 また、技術流出の防止という観点に関しましては、やはり人を通じた流出というものが一番大きいのではないかと。例えば、職務上知得したものであっても、技術者の方が自ら考え出したノウハウは自分のものというような認識があって、それが流出の一因ともなっているのではないかということがございました。 それから、日本では秘密管理性の要件が厳しいのではないかと。あるいは営業秘密の管理指針が詳細すぎて、実行するのがなかなか難しいのではないかというご指摘がございました。 それから、2ページ目でございますけれども、アジア地域を中心とした知財環境の整備という点に関して、製造拠点の海外移転といった現状を踏まえて、日本で生み出した知財を海外で活用し我が国に利益が還元するようなグローバルな知財権の活用が必要になってきているということ。それから、アジア諸国への特許を出願する際のコスト、これを削減していくことが必要だと。それから、将来的に日本の審査結果を海外に展開していく上で、取り組みを進めていくべきであり、特許審査ハイウエイについてもしっかりと展開していく必要があるということ。それから、途上国、新興国での侵害の訴訟はなかなか原告にとって勝ちにくいという現状があることから、政府として支援をするのももっとあるのではないかというようなご指摘もございました。 最後、地域・中小企業等の知財活用支援でございますけれども、ワンストップ相談窓口については既に施策が展開されているというところではございますけれども、省庁別に実施している中小企業支援策、これに横串を刺して真のワンストップ窓口というものを実現すべきというご指摘ですとか、出願から事業化に至る各段階で存在しているさまざまな支援について、支援策、あるいは支援機関の間で連携を図って一体的に運用することが必要であるというご指摘。それから中小企業、すぐれた技術を有していてもそれをどう活用していくかという観点でございますけれども、みずからの技術、ブランドを活用して、積極的に海外展開ができるように中小企業に対する支援を強化すべきといったご意見、こういったものがございました。 今ご説明いたしましたこうした意見等を踏まえて、現時点で推進計画2011に向けて今後どういった点について検討していくべきかというものをまとめたものが資料5でございます。 今の主な意見の項目とほぼ対応しているところではございますけれども、国際標準の獲得を通じた競争力強化、それから知的財産マネジメントの一層の強化、アジア地域における知的財産の環境整備、さらには地域・中小企業等の知的財産の活用の支援といった項目別に目標、それから具体的な現時点での例というものを示してございます。 これは現時点で事務局として取りまとめたものではございますけれども、こちらも、委員の皆様のご意見も踏まえて論点整理をして、年明けの本格的な議論につなげていきたいと考えてございます。委員の皆様方からのご意見を頂ければ幸いでございます。 事務局からは以上でございます。 ○妹尾会長 ありがとうございます。この資料5が横長のブルーのやつですね。これに整理されていますけれども、今日は第1回ですから、まずいろいろなことが皆さんから出てきて、わっと一旦開くスタイルになりますので、どのようなご意見でも結構ですので、ご発言いただければと思います。 いかがでしょうか。 相澤先生、よろしくお願いします。 ○相澤(英)委員 アジア地域における知的財産権に関する環境整備ですけれども、これにはWTOの活用というのが非常に重要だろうと思います。それからノン・バイオレーションを含めた検討ということも必要だろうと思います。これにより、外国に既存のルールというものをきちっと守ってもらうということを第一に考えるべきと思います。 二国間も含めて、新たにルールをつくる場合には、紛争解決手続を入れて、ルールを守らない場合に、相手にルールを守らせていくかということも考えていかないといけないと思います。つまり、国際経済法にしたがった法的解決をも詰めることがあると思います。 それから、ベンチャー問題について、コンテンツ関係は、著作権法がビジネスの障害になって、日本でビジネスをするのは非常にリスクが高く、情報関連ビジネスが海外に移転していると言う状況が生じています。付加価値を高める時代ですから、外国のクリエーターに日本で仕事をしてもらう環境を作らなければならないのに、日本人のクリエーターの人もどんどん外国へ行って、コンテンツ産業ばかりでなく、関連産業も空洞化していくという問題が生じてきます。その問題が生じる一つには、日本の著作権法がビジネスを規制する法として機能しているので、その規制を緩和していく必要があると思います。 あと、推進計画2010の評価ですが、例えば、TLOの再編について、具体的に、どう整理したのかという成果がないといけないと思います。 それから大学の特殊性を踏まえた特許制度の見直しについては、補正とか分割を緩和しないと、大学側が出願した特許権をいい権利にすることはできないので、必要ではないかと思います。 あともう一つ、特許の審査スーパーハイウエイを推進した結果、日本は道路だけを提供して車が通りすぎていくということになるといけないので、日本の特許庁がこのハイウエイの中心に存在するように考えていただければと思います。 ○妹尾会長 ありがとうございます。たくさんのご指摘をいただきました。 最後のあれですね。道路つくって人とまらずというやつですよね。これは困ったものですね。今の多様な相澤委員からご指摘の中で、ここの部分ということでも結構ですけれども。 佐々木委員、お願いします。 ○佐々木委員 認証機関・制度のあり方、これは特許庁も含めて、この日本のプレゼンス、日本が中心になるのにもの凄く乱暴に言うと多分二通りあって、例えば審査ハイウエイみたいな場合には、日本で審査が通ったものは、どこの国でも盤石だというふうに慎重にやって、その立場を確立できる、それで貢献できるものと、そうじゃないものがあると思っています。特許なんかはきっと慎重に、いかに正確にというところでプレゼンスがどんどん上がると思うんですけれども、はたまた認証的な標準的なもののプレゼンスを正確にゆっくりやってあげられるかというと、日本で規格になったものは絶対大丈夫なんていうのは、なかなかこれは現実的ではない。となると、ここはスピード以外にないというふうに思います。 そういう意味で、規制緩和にもつながるのかもしれませんけれども、やっぱり日本はいち早く新しい技術が余り規制なく、ちょっと乱暴な言い方をすると、どんどん市場に出て、市場の実用的な、本当に実用的な試験場というとこれも語弊があるかもしれませんが、そのぐらいのスピード感を持って進めるとか、そうでなければ仲間づくりというのが必要なんですが、これは仲間づくりもちょっと難しいとなると、やっぱり独自にできることとなると、スピードというのはかなりの武器になると思っていまして、そういう意味で、今回の知的財産推進計画2011の中にいろいろな切り口があるんですけれども、全部に通じるのは、今まで常識的に考えて何年というのを何カ月単位にできますかというぐらいの切り口を全部に入れてみたら、全くそれが不可能なところも当然出てくると思うんですけれども、一度そういう切り口で検討をしたほうが、あるいはすべきだなというふうに個人的には思っています。 以上です。 ○妹尾会長 ありがとうございます。 今のスピード感、加速感というのは、たしかに日本が大変欠けているところだと思いますし、先ほど冒頭、近藤局長からご紹介あったとおり、菅総理も加速、加速というふうに認識されているんで、今のお話は非常に意味のある切り口だと思います。 認証機関については、最初のほうに戻りますけれども、実は国際標準化のタスクフォースのほうでも認証をどういうふうに活用して、競争力を強めるかということが幾つかの分野でやっぱりクローズアップされているんです。それもとにかく拙速というわけではないけれどもスピード感を持ってやろうということがかなり議論されております。そういうことも含めて考えていきたいですね。ありがとうございます。 渡部委員、お願いします。 ○渡部委員 スピード感という話に関係するのかもしれません。2011を考える上で、2010の現状認識、この「はじめに」のところに書かれていた現状認識がどう変わっているかということをまず少し踏まえて言いますと、これ、最初のところに、国際競争で猛追する新興国に追いつかれ追い抜かれと、こう書いてあって、これは恐らく産業というか、産業面でのことであって、その後のいろいろな認識としては、たとえばノーベル賞の力、すなわち科学技術の力は日本のほうが強いよねと、それから特許も日本は大国だよねというようなことで、だけどもビジネスモデルが足りないからそれを強化すれば、まだ勝っていけるというような雰囲気があったと思うんですが、そういう意味でこの半年間見ていますと、新興国はイノベーションの振興をもの凄くやっていて、この半年でさらに環境は厳しくなっているということを認識するべきだと思います。 具体的に言えば、科学技術に関して言えば、それこそこれは事業仕分けで有名になりましたスーパーコンピューター、中国がもう世界一になるだろうというようなことが言われている中で、日本の科学技術の源泉である大学の運営費だとかそういうものを削減圧力が非常に強いと。特許も中国の大学は今の日本の大学の5倍以上、日本の大学は7,000件なのが4万件近く出ています。これは国の研究開発費がそのまま使われていると。ただ、今までは外国には特許は出てこないだろうというようなことを考えていたわけですけれども、中国の法律の改正で、5カ国まで、1指定国当たり最大10万円の補助、助成金が出るというような制度になっています。これから外国出願ももの凄くふえてくると思います。 現状で見ても、次世代携帯電話の必須特許になるだろうと思われる特許の構成比率で見ますと、これ、日本の企業は全部合わせて10%ぐらいと言われていますが、中国、韓国の2社で20%になっているというような状況。それから人材育成も、日本は一生懸命やってきたわけですけれども、今時点で世界で一番すぐれた英語の知財のイーラーニング教材というのを探しましたけれども、これは日本ではありません。アジアの国ですね。そういう取り組みに数億かけてやっている。 韓国では、ことしの1月1日からデザイン出願で三次元図面の提出がもう可能になって、三次元の3Dコンテンツの方はできるようになりました。こういうようなことを踏まえて、先ほどの加速というのは、本当の加速というか、新たに、もともとのスタートラインがさらに厳しくなったという認識でやらないと、現場実態から乖離していくんじゃないかというふうに思います。 今後の課題としてはここに書かれたような項目で、おおむねよろしいんだろうと思いますけれども、特に今の大学、産学連携に関する知的財産マネジメントの強化、これはベンチャーも、しばらく余りベンチャーの議論というのが、それほど進んでいないように思いますけれども、ベンチャー振興ということをしっかりやっていく。それから産学連携に関しては、米国バイドール法からちょうど30年の節目になっています。日本では1999年にバイドール法を入れているわけですけれども、大学が法人化したとか、いろいろなことが関係していますのでいつがスタート時点だかが余りはっきりしなくなりましたが、今一度、そこを何年目にどこまでというようなことを決めてやっていくという必要があるんじゃないかということです。 それからアジアの話がここで出てきますけれども、アジアの関係、新興国の関係で標準が注目されていますけれども、知財に関しても、例えばアジアの知財の問題というのはイコール模倣品問題だということでずっときているわけですけれども、やっぱりそうでない部分も随分出てきていると。そういうものについて、これは政府だけでやるんではなくて、いろいろな民間等の連携というか、そういうことで対処していかないといけない部分もあると思いますので、そういうことについて、まずもう少し現状認識を深めて、どうしていくかということをやらないといけないだろうと思います。 それからそもそも、こういう知財政策、例えば標準と知財というのがよく出てくるわけですけれども、これは国によっては特許庁の中で標準室があって一緒にやっている国もあります。この知財政策、標準政策というものをどのように取り組んでやっていくかという組織的な問題ですね。これは実はまだほとんど余り議論されていないんじゃないかという気もします。 最後に、人材育成ということに関して言えば、ここでは経営者層の啓発を含めてのことがありますけれども、一時期、やはりビジネススクールとかいろいろなところで知財の人材とか、標準の人材とかやった原資が大体もうなくなってしまって、今、そういうものを本当に専門職大学院とかいろいろなものにちゃんと定着させないといけないのですけれども、そこの中で先ほど英語のコンテンツの話もしましたけれども、海外―外国、英語での教育というようなことも含めて、どういうふうにやっていくのかが課題になるのではないかと思います。 それからちょっと長くなりますけれども、一点だけ、リサーチ・アドミニストレーターの話がこちらのヒアリングの話で出ていますけれども、これは既存の、大学の自発的な取り組みと書いてあるんですが、多分自発的には取り組まれないですので、これは何をしてほしいかというのは、専門職制度としてこれを見るような形でやっていくということを定着させるため、そしてその原資は、今それこそ国のプロジェクトの間接経費なんかを充てて、こういうことを自主的にやっている人たちはいるわけですけれども、そういうような原資をきちっとこういう専門職を使ってリサーチ・アドミニストレーター的な機能を果たすんだよ、というような格好に促すというか、そういうような施策、当初は支援施策が要ると思いますけれども、そういうようなものにしていただきたいと思っています。 以上です。 ○妹尾会長 ありがとうございました。最後のところは、むしろ誘導施策みたいな感じですね。 ○渡部委員 詳しくは項目がたくさんありますので、次回までに紙に書いて出させていただきます。 ○妹尾会長 ありがとうございます。今、渡部委員からのご指摘があったところで、特に重要なのは、我々の認識をもう少しブラッシュアップしないと、もうどうしようもないよねという、こういうお話だと思います。韓国を新興国だといまだに思っている方が多いんですが、あそこはもう先進国でありますし、前回のこの会合の中でも、大企業が韓国の企業をベンチマークするという、そういう日本の産業にとってはびっくりするような発言が出るのが現実ですから、そういうところを認識しなくちゃいけないと思います。 バイドール法は30年ですよね。日本は99年、2003年改正でしたっけ、ありましたけれども、それ以降の話もあります。いろいろな項目がありましたので、渡部委員、メモを書いていただいて、議論をぜひ促していただきたいと思います。ありがとうございます。 相澤委員、お願いします。 ○相澤(益)委員 初めに、今、渡部委員の指摘されたリサーチ・アドミニストレーターについての、今、総合科学技術会議での取組のことをちょっと申し上げておきたいと思います。 問題認識は全く渡部委員の指摘されたとおりであります。 そこで特に大学において、あるテンポラルな状況で専門職的なプログラムが動いていることを利用してリサーチ・アドミニストレーターを雇用して、やっている間はいいんですが、問題はその後ですね。きちっとしたポジションをキャリアパスの中に位置づける。このことを来年度の概算要求の中にきちっと位置づけてリサーチ・アドミニストレーターの推進施策を進めるということを基本的な合意をとるところまで今、来ております。そういうようなことで、ご指摘のとおり、ただ単にプログラムとしての支援をするだけではなく、その後のきちっとしたポジションとして定着していくような施策が必要だと思います。 それから全体的なことですけれども、これも渡部委員が国際標準と他の知財という、この切り分けは2011でもとるのかどうかということに関わることです。つまり、検討項目例の資料5は、まさしくそういうことを示しているわけですが、この中身を例というところで見ると、かなりこの段階ではもう限りなく、ほかの知財の基盤整備のところとダブってきているのではないかということなんですが、これはかなり英断が必要だと思うんですが、この段階で、国際標準というものを全体の中の一部と、こういう形でやっていく段階なのか、もう少し必要なのかという判断は必要だと思います。 ただ、この例に、国際標準の例というところで挙がっている4項目を見ると、これはこういう形で国際標準に特化してやらなければいけない話なのかどうかということになると、そうではないんではないかなという感じがいたします。そういうようなことで、これをこういうふうにするかどうかというのは、少し全体的に議論をした方がよろしいのではないかと思います。 それから具体的に人材のところなんですが、人材、それから企業の意識改革ということが知財の全体のマネジメントのところにも出てくるわけですね。この人材の取り扱いは、今までの知的財産戦略も大きな方針として出てきているわけですが、そこにさらに国際標準という専門職としての人材育成を目指すのか、これはかなり慎重に議論しなければいけないんではないかと思います。 ○妹尾会長 ありがとうございます。今のこの知的財産の話を国際標準の話とどう関係づけるんですか、もう国際標準をあえて強調する段階ではなくて、もう少し一体化して、再構成した方が良いんじゃないか、というご指摘だと思います。 個人的には私もそう思います。というのは、国際標準と知的財産権というのは密接に関連していますし、広い意味での知的財産を権利化するのか、標準化するのか、契約化するのか、それらのマネジメント全体が本来の動きですから、国際標準だけ、なぜこんなに取り出すのかというのは、意味のある時期と、それからそれがかえって混乱を招く時期とあるので、これは見きわめないといけないなと私も思っています。 ただ、昨年ぐらいに、国際標準ということを強調したことによって、大分、府省、あるいは政府関係、あるいは民間の皆さんの意識が高まってくれています。知識のレベルも高まってくるという効果はあったと思うので、これは2011まで継続した方が良いのではないか。ぜひ、この場を通じて、もう少し皆さんと議論をさせていただければなと思います。そのご指摘ありがとうございます。あわせて、それは人材育成にも関わってきますしね。 確かに、国際標準だけをやっぱり専門にするスペシャリストも必要ではあるということもあると思いますが、それをどう位置づけかということですね。この辺をぜひまたご意見をいただければと思います。ありがとうございます。 他にいかがでしょうか。何か昨年もそうだったんですけれども、大体回を追うごとに皆さん熱が入ってきて、最初のころはスロースタートで進むのでウオーミングアップの感じかなと思いますが、いかがでしょうか。 これ以外にもいろいろあるし、今の関連でもあると思いますが、私個人の意見を申し上げれば、例えば細かいレベルでいくと、アジア地域における知的財産環境整備というのは、アジア地域と限るべきなのか、国際環境という世界全体にすべきなのか。あるいはアジアに特化するとしたら、どこと何をすべきだという話をやっぱり位置づけ、考えなきゃいけない、と考えています。 それからせっかくACTAが、模倣品・海賊版の拡散防止について大変進捗があったわけですから、それを実効化するにはどうしたらいいかというのも、やっぱり課題として出てくる。 それから同時に、模倣品について、私はもう次のACTAを準備しなくちゃいけないんじゃないか。ACTAUを準備しなくちゃいけないんじゃないか、と個人的には思っています。と言いますのは、今の模倣品―最近私の研究の中の一つで、模倣品ビジネスのビジネスモデルが進化しているということがありまして、模倣品ビジネスをやっている人たちも、やっぱりビジネスモデルを工夫し始めたということがあります。大きいのは、一国で模倣品全体を生産しない。オフショアを利用するというやり方で、これは一種の模倣品ロンダリングみたいな格好ですね。だから金融のロンダリングと同じで、模倣品・海賊版ロンダリングが始まっているというのがあります。これは、私が今年の夏の調査で強烈に気づいた点です。これを私が、少しコンセプトというか、キャッチフレーズ的に申し上げているのが、「一国遵法・多国脱法」という言い方です。一国では遵法だけれども、それを次々と回ると多国籍的に脱法になるという状況が出ています。これを某国の幹部と議論したら、「うちは法治国家だから」と、こういうふうに言われちゃったんですね。それ自身がちょっとびっくりする発言なんですけれども、ホウチ国家の字が違うんじゃないかという指摘をしようとしたら、通訳が「それは先生、言うのをやめておきましょう」ととめられました。「日本に帰れません」と言われたんでやめました。 そういうビジネスモデルが実態として出てきていますから、先ほどの渡部先生のご指摘にもあるように、認識をもう少し先端にまで持ち込まないと大変だなということがあります。 それから、人材育成に関しては、これは私の専門なので申し上げさせていただきます。現場で随分いろいろな方々、いろいろなレベルの方々、いろいろな経営者層から実務の方まで、私は人材育成に関わっていますが、非常に強く感ずる点が、世界でいわばビジネスに関する定石が、もの凄く変容と多様化しているということです。それが実態なんですね。ですから、囲碁にしても将棋にしても、単純にルールを知っているだけで頑張ろうねとか、あるいは野球で、打ってボールが当たったら1塁に走ろうねというレベルじゃ、全然なくなっているということなんです。その定石の変容と多様化、特に多様化した定石を知らないということは致命的なんです。それが、皆さんの組織の各層で不足している。特に業界の差がいかにも激しいということがよくわかってきました。 エレクトロニクス業界が最もそういうビジネスモデルが発達している業界ですが、ほかの業界が全部それに追随しています。ご存じのとおり、最近は食品業界が機械業界のビジネスモデルをまねするような時代になってきていますよね。そういうことも含めて、いかに経営者層だけではなくて、実務の第一線の皆さんにこういう定石、標準マネジメント、あるいは知財マネジメント、あるいは契約マネジメントの定石を知っていただくか。そのような人財育成の活動は、もっと加速しないと、本当に日本が、関西弁で言うおぼこい(未熟な)状況のままでやられてしまうということになるので、ここは何とかしたいなと私なんかは思っています。 そんなような議論も含めて、皆さんから意見を上げていただきたいと思います。また関係者ヒアリングを続けますし、事務局の方もそれの意見の聴取を進めていくということですので、ヒアリングすべき項目、その他、意見がありましたら、後ほどで結構ですので事務局や私の方にお寄せいただければと思います。 それでは、今日の意見、今後の議論をやっていきたいのですが、なぜかいつもと違ってかなり速く進んでいます。早く終えられるときは終えたいと思います。なので、皆さんから言い残したことがあれば、どんどん出してください。 お願いします。 ○高柳委員 まだ時間があるということですから、感想みたいなことでよろしいでしょうか。 今まで、2010も、2011の検討項目例もそうですけれども、知財の活用とか、あるいはマネジメント、マネジメントを活用するなんていうことが並んでいるんですけれども、私は知財マネジメントというのは、知財をいかにビジネスと、あるいは産業と結びつけていくかという、それがマネジメントであって、マネジメントを活用するとか飛び交っていますけれども、本当に我々の現場というかビジネスは、グローバル競争の中で生き残りに必死で、我々は医薬業界ですけれども、知財をいかにビジネスに結びつけていくかということを考えております。 これは産学連携、あるいは中小企業等も同じだと思いますけれども、グローバルレベルでいかに知財をマネジメントしていくか、MOTですよね、知財経営ですよね。そういうことについて、単なる人材育成―前も申し上げたんですけれども、先生はご専門ですけれども、本当に研修会一回やりましたとか、そんなレベルで戦えるはずがないんですね。それからアカデミアについては、我々、日常やっているんですけれども、エンフォースメントのバックのないところに、なかなかライセンスを受けさせるとか、そういうことも難しいんですね。逆の立場もそうですけれども。 それから特許になるというのは、私個人的には、仮免を取っただけだと思います。本当に訴訟で戦えるベースがあって初めて、相手が納得するどこかに落ちつくというぎりぎりのところでやっておりますので、本当に上辺の人材育成とか活用とかマネジメントとかいう言葉で済まされないような状況に今来ているんじゃないかなと、そういうことで具体的に何したらいいんだというのは、今ここでご提案ができないんですけれども、そういう危機感を皆さんで共有して、これから2011に向けてやっていきたいなと、こういう感想で申しわけないですけれども。 ○妹尾会長 ありがとうございます。大変力強いエールだというふうに受けとめさせていただきます。我々人材育成やっている人間から見ても、本当にそうなんですよ。教科書読み上げたら教育だと考えている方が、いまだにもの凄く多いんですよね。ですからこれはアリバイ教育と言うんですよ。アリバイ研修と呼びます。それをやったから研修をやったと言い訳されるのですが、そんなんじゃ人材育成できないんで、本当におっしゃるとおりだと思います。そういう人材育成を我々もやりたいと思っていますので、ぜひぜひよろしくお願いいたします。 それからもう一点、高柳委員がおっしゃられた中で、この文言の話ですけれども、やはり知財関係者は、知財ということと知財権ということをごっちゃに話す嫌いがあるんですね。文章なんかも、そういうものが凄く多いんですよ。そうすると、これは知的財産、要するに無形資産としての知財、知的財産ということと、特許みたいな権利の話がごちゃごちゃになる。そのため、特許のマネジメントをどうしているのという話と、知財を―資源のない我々は知を資源にする以外にないんですけれども、それをどうマネジメントするかという話がごちゃごちゃになっちゃうんですよね。ですので、そこら辺はもう少し我々も啓発しなければならないし、こういうような文章についても注意深くきちっと適切な文言にしていきたいと思いますので、ぜひご指摘をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。 久夛良木委員、お願いします。 ○久夛良木委員 産学連携について、最近私が感じたことを意見として述べさせていただきたいと思います。今年の夏にショッキングな調査記事が読売新聞に載っていて、皆さんお読みになられた方もいらっしゃると思いますが、米国での博士号取得の出身大学別ランキングが取り上げられていました。それによると、1位が中国清華大学の472人、2位が北京大学で466人、3位は米カリフォルニア大学バークレー校なんですけれども、4位も中国科学技術大学344人で、そのあと6位にソウル大学328人が並んでいる。これだけの方々が米国に今、留学されて、それでドクターコースに行かれて、専門的な知見を深められている。 一方、日本はどうかというと、東京大学が23人で425位。その次は慶応大学が19人で505位となっている。中長期的に考えると、これが将来にわたる我が国の競争力の低下の一因にもなりかねないということで、ノーベル賞を授与される方が日本からかなり出ているということは一方で素晴らしいことですが、相当昔の研究ということでもあるので、この点において非常に危機感を持っている。 この記事に限らず、自分の専門的な領域でよく海外の論文とか発表にアクセスする機会が多いのですが、例えばスタンフォード大にしろ、米国の大学の研究室というのは定期的に論文を外部にどんどん発表している。これが特許申請時の発明確定日にそのまま結びつくという米国特有の構造になっているという事もあるんですけれども、非常に積極的な研究発表を行っておられる。これらの論文を閲覧するときに、特にパスワードがついていて見ることができないということも少なくて、内容がPDF化され、そのPDF内に文章コードが埋め込まれているので、外部の検索エンジンで容易に全文検索ができるようになっているんですね。 ところが、我が国でもCiNii(サイニー)という国立情報学研究所の論文のデータベースがあるんですが、登録した有料会員でないと論文の本文まで辿り着事ができないとということと、アブストラクトとかを含めキーワードを使った論文検索も可能なんですが、外部の検索エンジンで論文全体を検索できるようにはなっていないんですね。ということは、海外からは見るなと言われているということだと思います。現実に、例えばグーグルスカラーでいろいろ調べてみると、ほとんど我が国の論文はひっかかってきません。という問題があって、ある意味で「情報鎖国」をしているようなところもあります。 ですから、昔、ジェトロが積極的に日本の産業や文化を紹介していたわけですが、日本の研究開発や技術とかを紹介するということに関してはまだまだ遅れているのかなという感じです。 それから今、米国の大学の話をしましたが、残念なことに、最先端のITCの分野では、既に技術系研究室の教授が中国の方であるとかインドの方であるとかいう状況になりつつあり、米スタンフォード大も含めて、そういうITC分野の教授のみならず、そこで学ぶ生徒ですら韓国、台湾、中国からの留学生が半分ぐらいかもしれない状況にもなっている。私の感覚でいうと、最近では日本人はほとんどゼロに近い。これが今後の我が国の競争力の最も根幹のところで、どうなるのかなというのが非常に心配であります。ということで、なぜ、そういうことになっているのかということと、じゃ、どういうふうにしたらいいのかということは、やっぱりどこかで皆さんと議論したいと思います。 以上です。 ○妹尾会長 ありがとうございます。本当に世界に取り残されて情報鎖国どころの話ではない状況なので、こういった認識と危機感を先ほどのお話も含めて共有しながら、この知財計画自身がそういう意味での発信になるわけですので、ぜひ今みたいな危機感をもとに議論をしていきたいと思います。 相澤委員。 ○相澤(英)委員 危機感には、同感しております。情報鎖国に、著作権法が関わっています。アメリカでは、グーグルブックが出て、ますます情報がいろいろ利用できるようになる一方で、日本はそういうものにますます取り残されていくだろうと危惧しています。 ○妹尾会長 ここの分野、コンテンツの委員会も関係なしに共有すべき話かと思いますけれども。今日ご発言のなかった委員の皆さんから、どうですか、お一人ずつ、お一言ずつ、あるいはご発言のあった先生も。 江幡委員、お願いします。ご挨拶だけでも結構です。 ○江幡委員 さっきから最後に当てられてしまうのではないかと思っておりました。関係者ヒアリングの中で、海外での侵害に対して支援策が欲しいというようなコメントがあったと思います。海外でのエンフォースメントというのは、非常にノウハウが必要な領域ではないかと思います。日本の特に大手の企業のなかには、がっちりと、そのノウハウを持って、積極的に侵害対策を行っている会社も多いと思います。一方で、日本においてですら、どうやって権利行使をすればいいのかわからないのに、それが中国やその他の国で行うということとなると、どうしていいのか全くわからないという悩みを抱えている企業も、中小企業も含めていらっしゃるのではないかと思います。模倣品対策については、国・地域の実情というものがあるでしょうし、日本のように正攻法で訴訟を起こせば判決が下るという世界でもないと思いますので、各地の現実を踏まえて、各大使館等を通じた協力というのがしっかりできると、中小企業で海外での模倣品問題に困っているところに対する何かの支援になるのではないかなと感じております。また、大企業等が持っている海外でのエンフォースメントのノウハウを何らかの形で、日本のため、中小企業のエンフォースメントのためにも生かしていただければ、もっと海外での模倣品対策へのアクセスがよくなるのではないかと思います。 あともう一つ、技術流出というのが指摘されておりまして、人を通じての流出、あるいは外国の企業が日本の技術を持った会社をM&Aで買収するということから流出が起きているというような指摘もあります。果たしてその背景は何かということは、よくヒアリングしなければならないと思いますし、事実としてどういう問題が起こっているのかを客観的に把握する必要があるのではないかと思います。 人を通じた流出については、日本の企業を退職されて、海外に新しい自分の仕事を見出していくという方もいらっしゃる。それはひいては日本の雇用の問題とつながっていると思いますので、あわせて検討する必要があると思います。 また、M&Aで日本の企業が買収され技術流出が起こっているという指摘については、なぜ、そういう選択をせざるを得なかったのか、あるいは積極的に選択したのかというところを把握する必要があると思います。場合によっては、我が国の中で企業同士の結びつきを促進できていれば、もしかしたら日本の会社の中で支援ができたということもあるのかもしれません。ただ、いずれにしても、そういう問題を指摘されている背景は、客観的に把握する必要があるかなと思います。 ○妹尾会長 ありがとうございました。最初のほうの大企業のエンフォースメントのノウハウをぜひ中小企業へ移転できないかという話ですね。これは非常におもしろいご指摘かと思います。 それから次のご指摘。先ほど情報鎖国という話がありましたが、その一方で情報流出というのが凄くて、いわゆる技術だだ漏れという話が止まらない。これをどうするか。それが人材流出と絡まっているということもありますよね。それから企業を丸ごと買われるというのがここのところあります。流通業まで全部買われています。かといって、流出問題といったら最近の大変な事件に全部かかわっちゃうので言い方が微妙でございますけれども、この流出問題は考えなきゃいけないというご指摘かと思います。ありがとうございます。 他に。順番にいきましょうか。上條委員、お願いします。 ○上條委員 国際標準化戦略のタスクフォースの方、それからこちらの推進計画の方で非常にお世話になっておりまして、私のほうからは総論的ではございますが、やはり2010を踏まえて2011の検討を進めていくに当たりまして、やはり現在2010に関しての各方面、産官学、各方面にいらっしゃる皆様方のご意見ですとか、コメントというものをうまくくみ取って、この専門調査会の場でフィードバックをしていくということが、早目の段階で周りの方々からのヒアリングを進めるということが凄く重要なのかなというのが一つ感じております。 意見募集なども、早目早目といいますか、加速の話につながってしまうんですけれども、後からまた直すとか、くみ取るというお話、またひっくり返すのは難しくなると思いますので、早目の意見募集等を進めたらいかがかというのが一つご提案でございます。 それから、標準化は人材育成にかかわる立場というのもございますのが、やはり最近、日本企業の大企業のCTOをかつてなさっていた方々とのラウンドテーブルで、標準化人材育成で話をさせていただく機会があったんですが、やはり皆様方からも、標準化の人材って一体どんな人材なのかというのがわかりづらいということと、それ自体が目的化、標準化の人材を育ててどうするんですか。結局はやはり、本日のお話でもありましたけれども、企業の中で知財をどう活用するのか、また場合によってオープン、クローズでという、全体をマネジメントできるような人材を育てるのが目的なのに、標準化自体が目的化するのはいかがなものかというようなご意見がやはりありまして、標準化について注目度があるということは非常によいとは思うんですけれども、全体を見据えた俯瞰的な視点というのも、やはり持っていかなければいけない、そこをどう表現していったらいいかということをちょっと私も考えております関係で、2011に反映できればと思っております。 以上でございます。 ○妹尾会長 ありがとうございます。意見募集の加速ということについては、ここのヒアリングの進め方を後ほど事務局のほうからご提案がありますので、それの中で話をしたいというふうに思います。 それから、今の標準人材の話ですね。これは、標準の現場を仕切れるやつもいないといけないのではないでしょうか。国際委員会で切った張ったできる人も、これ経験を積まなきゃいけません。今、日本で国際的に活躍されている方、皆さんもうかなりのベテラン、正直言うとご年齢になられているので、若い人が育っていないということが非常に言われています。そういうことも含めて、多分、僕が学会で標準人材は6タイプいる、6種類のレイヤーで考えなきゃいけないというお話をしたことがありますが、そういうトータル図をお見せするようにできれば一番良いですね。ありがとうございます。 それじゃ、順番で恐縮ですけれども、岸委員、よろしくお願いします。 ○岸委員 前のこの会でも申し上げて、私の本当の関心事で、皆さんに余り関心がないのかもしれないんですが、知財と金融がドッキングしてくるビジネス、これはこの中の資料5のどこに入るか私もちょっとわからないんですが、多分知財マネジメントを活用し云々のところに入ってくると思うんですが、最近『インビジブル・エッジ』という本が文春から翻訳されて出まして、ちょっと書評を書けと言われたんで精読してみたんですが、その中に、何かオーシャントモがニューヨークに、既に取引所に原型をつくったような記述が載っているんですね。私、前はインテレクチュアル・ベンチャーズの話ばかりしていたんですが、やや知財仲介ビジネスもかなり取引所、エクスチェンジの世界に入ってきている感じがしている、そういう点を日本の知財仲介ビジネスのベンチャーも含めて、かなり動きが低調であるなと私は感じていて、そこはこれからやっぱり知財と金融がドッキングしていく中での知財仲介ビジネスは一つの項目として考えたほうがいいんじゃないか。 それと関係して、産業革新機構というのがいまいち、僕よくわからないんですね。最初イノベーション創造機構をつくったときは何か期待を抱かせたなと思うんですが、その後見ていても―いや、実態は進んでいるのかもしれないんですが、アルプス電気とかゼファーとかあのあたりに入ってきたときには何かやりそうだなという感じがしたんですが、最近は何かちょっとよくわからない。そういうことも含めて、広い意味の知財仲介ビジネス、これを日本の中でどういうふうに振興していくのかというのが、多分、金融が回りだしたときに、あっと驚くと、そのときにアメリカにみんな買われていっちゃうんじゃないかという、やや記者的な感じもありまして、それは一つのテーマとして考えていいんではないかと思っております。 ○妹尾会長 ありがとうございます。今の問題提起は、日本が知財ないしは知財権の国際ハブとして機能し得るか。その問題提起につながると思いますね。今、韓国なんかがアジアにおける知財の国際ハブ化を政策的に進めているというのに対して、日本は、何においてハブ化で対応するんですかということです。それの一つの、良いか悪いかは別にして、そういうものにも着目しなきゃいけないよ、というご提案だと受け取ります。ありがとうございます。 それでは、お願いします。 ○福島委員 今日は、各委員の方々から様々なご意見を聞かせていただきましたが、未だ頭の中が整理できていない状態ですので、これといったご提言を差し上げるような状況にはありません。 本日ご提示いただいた幾つかの検討項目についてもまだ現時点で纏まった意見をお話しできるような状況にはありませんので、ご理解いただければ幸いです。 ○妹尾会長 ありがとうございます。ということで、他に先生方、これだけはというのはございますか。よろしいですか。 それでは、今日全体の話が一通り終わりましたので、今後について、事務局のほうからスケジュール、その他について、ご連絡をお願いいたします。 ○高原参事官 次回会合でございますけれども、12月開催、直近の会合は12月の初旬というふうに考えておりますけれども、具体的な日程につきましては、次週早々にもお知らせをするようにしたいと思います。また、次回以降行うヒアリング対象につきましても、決定次第、皆様にご連絡を申し上げたいと思っております。 なお今後、会合はこちらの、今日おいでいただきましたフレンドビル7階の会議室ということになりますので、お間違えのないようにお越しいただければと思います。 以上でございます。 ○妹尾会長 ありがとうございました。このヒアリングは、ちょっと一点、皆さんに確認をさせていただきたいんですが、まず皆さんからの意見聴取があります。それから2010の進捗状況チェックとして、各府省からのヒアリングがあります。この各府省からのヒアリングについて、私は事務局にお願いをしているのが、いわゆるアリバイヒアリングにならないようにしてほしいと。聞いたからそこで良いねという話ではなくて、ちゃんと我々が委員として各府省の方々の進捗のご努力をくみ取れる形にしたいと思います。 そうすると、先ほど取り上げた項目を全部やるとすると、これはかなりの時間を割かなきゃいけないんです。これを会合、この会議をたくさんやるのか、長くやるのか、あるいは効率的な工夫をするのか。いずれにせよ、何かしないと、結局はそれぞれのご報告をみんな承って、はあ皆さんやっていらっしゃいますねで、しゃんしゃんで終わっちゃいかねない。それでは実効がない。それをちゃんとした意味のあるものにしたいと事務局も考えていらっしゃるので、それを今、工夫をお願いしている最中です。場合によっては、皆さんに2時間じゃなくて、すみません2時間半とかいう話が、事務局からあろうかとも思いますけれども、それはこういう状況の中ということで、ご苦労をおかけすることになろうかと思います。これは私も覚悟しておりますので、皆さんもご一緒におつき合いいただければと思います。 それでは最後に、近藤局長、何かご挨拶いただければ。 ○近藤局長 最後もう一回来ると思っていなかったんで、ちょっと虚をつかれましたが、ありがとうございます。 今日の議論は、最初のうちは一回の表裏ぐらいの、何となくジャブの応酬かなと思いながら見ていたんですけれども、よくよく考えますと、最近の野球は9イニングなくて、5イニングぐらいまでにあっと言う間に終わってしまうと。この仕事も大分スピード感を持ってやらなきゃいかんというのを改めて感じておりまして、1イニングで2イニングずつぐらい片づけていかないと9回までたどり着きませんので、ぜひ次回以降、大分突っ込んだ議論を早速やっていただいて、最終的に本部で決めていくのは5月になりますけれども、本部にかける大きな方向性を3月末ぐらいには決めてしまいたいというのが私の腹づもりでありますので、そうすると、この専門調査会での議論はもうちょっとその前ということで大分、9イニングない試合をやっていただくことになります。 ですから、もうあっと言う間にクローザーが出てくるようなところになりますので、改めて申し上げますけれども、物理的にではなく、皆さんに骨を折っていただいて、ぜひよろしくお願いしたいと思います。工夫はいろいろさせていただきますし、事務局のほうで汗はしっかりとかかせていただきますので、ぜひご指導よろしくお願いいたします。改めて、今日の会合、お礼を申し上げます。ありがとうございました。 ○妹尾会長 ありがとうございました。加速というのは、要するに前倒しだということも含めてということだと思います。 ただ、野球の試合で例えると、もう中国も韓国も、その他も全部入れて、1イニング目で先制ホームランを我々打たれちゃっている状況だと思います。なので、クローザーの前にまず逆転しないといけないというのがあります。逆転頑張りましょうということだと思います。 それでは、長時間どうもありがとうございました。 |