首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸

第6回 知的財産による競争力強化専門調査会 議事録

  1. 開 会 : 平成20年10月10日(金)14:00〜16:00
  2. 場 所 : 知的財産戦略推進事務局会議室
  3. 出席者 :
    【委 員】 相澤会長、岡内委員、河内委員、佐藤委員、妹尾委員、田中委員、
    中村委員、中山委員、前田委員、三尾委員、渡部委員
    【事務局】 素川事務局長、内山次長、関次長、小川参事官、高山参事官
  4. 議 事 :
    (1) 開  会
    (2) 今後の進め方について
    (3) 政策レビュー及び第3期基本方針のあり方に関する検討の進め方と基本的考え方等について
    (4) 閉  会

○相澤会長 それでは、妹尾委員が多少遅れられるという連絡がございましたので、定刻がまいりましたので、ただいまから知的財産による競争力強化専門委員会の本年度第1回目の会合を開催させていただきます。
 本日は大変お忙しいところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 なお、本日は加藤委員、関田委員、辻村委員、長岡委員はご欠席との連絡をいただいております。
 それでは、議事に先立ちまして、事務局から本日の配付資料の確認がありますので、お願いいたします。
○内山事務局次長 7月に人事異動で松村の後任として着任いたしました内山でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、配布資料の確認でございますけれども、資料1が当専門調査会の今後の進め方について(案)でございまして。資料2でございますけれども、先端医療分野における特許保護の在り方に関する検討(案)。資料3が政策レビュー、第3期基本方針の在り方に関する検討の進め方、基本的考え方(案)。資料4が、これまで講じてきた施策概要、検討の視点(案)。資料5が、本日ご欠席の関田委員の提出資料でございます。資料6は、田中委員からのご提出の資料でございます。
 参考資料1でございますけれども、これは前回レビューに係る2006年2月の本部決定の資料でございます。それから、参考資料2でございますけれども、デジネット時代における知的制度の在り方について検討経過報告、これは中山委員が会長を務められておりますデジネット時代知財専門調の中間的な報告でございまして、これを5月に出されております。この中で本年度中に必要な法的措置を構ずべき事項として、検索サービスの適法化など4点が明記をされております。また、今後の検討課題といたしまして、コンテンツの流通促進策など3点が本年末までに取りまとめ、報告することとされております。
 以上でございます。
○相澤会長 資料については過不足ございませんでしょうか。
 まず、今後の進め方についてお諮りしたいと思います。資料1をごらんいただきたいと思います。説明は内山事務局次長からお願いいたします。
○内山事務局次長 資料1をご参照ください。1.でございますけれども、本年度におきましては、平成18年2月の本部決定に基づきまして、これまで6年間の知財関連施策の実施状況、その成果についてレビューを行いますとともに、第1期3年間、第2期3年間に続く、第3期におきます基本方針の在り方について調査検討を行う、そういう必要がございます。
 そこで、2.の日程及び議題等でございますけれども、本日第1回目でございますけれども、政策レビュー、第3期基本方針の在り方に関する検討の進め方、そして基本的な考え方についてご審議をいただきたいと存じます。いわばレビューのキックオフ、総論にかかわる議論をしていただくということでございます。
 そして第2回目以降でございますけれども、これは各論に移るわけでございまして、第2回、10月31日には創造、そして保護の一部でございます。第3回目につきましては、11月27日、保護の残された権利付与の迅速化、あるいは模倣品・海賊版対策の強化についてでございます。第4回、12月19日には活用、そして人材についてということで、年内は各論についてのご審議をいただきまして。年明け以降でございますけれども、一応ここには第5回、報告書案を基にしましてもう一度総論の議論を行う予定にしておりますけれども、年内各論につきいろいろ議論をした結果として、場合によっては掘り下げた議論をする場がさらに必要だという場合には、そういった場の追加もあり得べしというふうに柔軟に考えておりまして、5回ないし6回をそういうふうにあてまして、最終的に報告書取りまとめを2月、3月に行うというようなことを考えております。
 簡単ではございますが、以上でございます。
○相澤会長 このような進め方でよろしいかどうかをお諮りいたしますが。何かご意見等ございますでしょうか。
 特段ございませんようでしたら、資料1の内容で進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 その次に、先端医療分野における特許保護の在り方に関する検討について、私のほうから説明させていただきます。
 iPS細胞関連技術を含む先端医療分野における特許保護の在り方については、本年6月に知的財産戦略本部において決定されました知的財産推進計画2008の中で本年度から検討を開始することとされております。
 本件につきましては資料2にも記載しておりますとおり、先端医療技術の発展を図る観点からは、特許保護の拡大が求められております。しかしながら、一方では医療の特質や国民の生命と健康の確保への十分な配慮が求められているということでございまして、大変難しい要素を含んでおります。
 このため、本専門調査会のもとに、本件に深い見識を有する方々により構成されます先端医療特許検討委員会を設け、集中的に検討していただくこととし、同委員会の報告書を私の責任のもとに専門調査会の報告書とさせていただきたいと考えております。
 具体的には、今後検討委員会のメンバーが固まり次第、別紙2のとおり、当専門調査会会長名で決定させていただきたいと考えておりますが、このことについてよろしいかどうかをお諮りしたいと思います。
 いかがでございましょうか。
 よろしいでしょうか。
 はい、ありがとうございました。
 それでは、次の議事でございます。政策レビュー及び第3期基本方針の在り方に関する検討の進め方と基本的考え方等についてであります。
 早速ではありますが、これまで6年間の政策レビューと第3期基本方針の在り方に関する検討に入りたいと思いますので、事務局から説明をお願いいたします。
○内山事務局次長 それでは、資料3、それから資料4を使いまして、簡単に私のほうからご説明をさせていただきたいと存じます。
 資料3、1ページめくっていただきまして、レビュー、基本方針の在り方に関する検討の進め方でございます。
 目的、そして今後の予定につきましては、先ほど資料1でご説明をしたとおりでございます。
 次に、検討の進め方、左の2番目の四角を見ていただきますと。2009年以降の第3期の基本方針の策定に当たりましては、知的財産をめぐります環境変化のもとで、知的創造サイクル全体を有効に機能させるためにはどのような取組が必要か、こういった大きな視点に立って検討することが重要でございます。これがいわば総論でございます。
 あわせまして、右に政策レビュー項目として具体的に書かれております政策ごとのレビュー結果を踏まえた検討を行うこと。この各論も重要でございます。政策レビュー項目、これは第2期の推進計画、2006、2007、2008と累次つくってきておりますけれども、そこにおきます政策事項を体系的に整理をしたものでございます。
 1、創造。大学、研究機関、企業における創造力。産学官連携。
 2、保護。(1)知的財産の適切な保護。国際知財システムの構築、権利付与の迅速化。安定性・予見性の向上、新技術の適切な保護。技術流出防止。利便性の向上。(2)模倣品・海賊版対策の強化。外国市場対策、水際取締り、国内取締り、ネット上での対策、啓発活動、連携体制。
 3の活用。(1)知的財産の戦略的活用。企業の知財戦略。知財の円滑、公正な活用。知財を活用した事業活動の環境整備。(2)国際標準化。産業界の意識改革。我が国全体としての標準化活動。人材育成。アジアとの連携強化。ルールづくりへの貢献。(3)に中小・ベンチャー企業。(4)に地域振興。
 という知的創造サイクルと、これを支えます4の人材と、この各分野ごとにレビューを行うということとしたいと思っております。
 そして、総論につきましては本日の初回だけではなく、こうした各論についての検討を年内一通り終えた後で、先ほどご説明申し上げましたとおり、年明け再度検討することではどうかと考えております。
 そしてまた、次の○でございますけれども、基本方針の策定に当たりましては、いわゆるPDCA、政策評価サイクルを機能させる、そういう観点から、定性的な目標だけではなく、可能な限り定量的な政策目標と評価指標を設定すべきではないかというふうに思っております。その際は、5年後達成可能な目標とすることが適当ではないかと考えております。
 次のページをめくっていただきますと、ここでは、第2期の重点項目と、それから先ほどご説明した政策レビュー項目との関係を整理しております。左側の、これは3年前にレビューした際に決定された重点項目でございまして、これをざっと見ていただきますと、国際、地域、中小・ベンチャー、大学、出願特許審査、人材といった施策対象分野ごとの整理になってございます。
 これに対しまして、右側にございます政策レビュー項目は前ページでご説明しましたように、創造、保護、活用の知的創造サイクルに基づく政策事項の整理になっておりまして、現時点の政策課題を体系的に網羅しております。そして、矢印で1対1対応を示したように、第2期の重点項目はすべてこの政策レビュー項目の中に包含されているというふうに考えられます。
 両者を比較してみますと、第2期重点項目のほうが他の分野に比べますと活用の分野の取組がやや薄いかなという感じがいたします。
 もう1枚めくっていただきまして3ページ、そして次の4ページでございますけれども、これは本日総論の議論をしていただく際のいわばたたき台でございます。まずは、知財戦略を取り巻く環境変化でございますけれども。1.にございますように、革新的技術の開発競争、重要特許の獲得競争の激化とともに、2.経済のグローバル化の進展がございまして、また3.技術革新や市場変化への迅速な対応を図るために、オープンイノベーションの取組が加速化をされております。
 そしてまた、4.にございますように、デジタル・ネットワーク化の進展、そしてネットを利用した模倣品・海賊版被害の拡大と、こういうふうな動きがあります。
 最後に、経済全体としては5.にございますように、資源エネルギー価格の高騰や温暖化対策など地球環境問題への対応が迫られる状況でございます。今こそ資源エネルギー価格高騰の影響を受けにくい知財を生み出し続けるイノベーション、これの必要性を強調すべきときではないかということでございます。
 次に4ページ目でございますけれども、こうした環境変化などを踏まえまして、我が国の現状と今後の主な論点でございますけれども、これはあくまで本日の議論のたたき台ということでございまして、これですべてが包含されているというわけでも必ずしもないかもしれません。今後の審議におきましてさらに追加あるいは深められる、そういったものではないかというふうに考えております。
 1.の重要特許の戦略的な獲得・活用につきましては、イノベーション創出につながるような重要特許、この獲得に向けた戦略的取組の強化、これが必要ではないか。さらに、開発成果を確実に権利獲得や、事業化につなげる取組の抜本的強化が必要ではないか。例えば大学の知財本部とTLOの体制の見直しと、こういった論点もあろうかと思います。次に、総合プロデュース機能の強化が必要ではないかという点。さらに、先ほどもございましたような、医療方法特許の在り方の検討、こういった不断に知財制度運用の見直しを行っているかどうかという点があろうかと思います。
 次に2.でございますけれども、国際的な制度調和・海外での権利取得につきましては、世界特許システムの構築に向けた取組を一層強化すべき。アジアにおける知財制度の整備等が必要ではないか。また、模倣品・海賊版拡散防止条約、ACTAの早期締結など、外国政府、事業者へのより積極的な働きかけが必要ではないかという点。
 それから、3のオープンイノベーションへの対応につきましては、分散します知的財産の融合によるイノベーション創出を促進すべきではないか。例えばイノベーション創造機構の創設ということもございます。そして、次にございますような特許情報、あるいは論文情報、そういった技術情報を、例えばシームレス化によりましてより利用しやすい環境を整備すべきではないか。オープンイノベーションに対応した知財制度の整備、これが必要ではないか。また、国際的に遜色のない技術流出防止制度の整備が必要ではないか。
 それから、デジタル・ネットワーク化への対応につきましては、一番下にコンテンツ産業の伸び率、これの日本と世界平均を比較すると大分違います。世界、日本と比べると、7倍ぐらい違う、こういう状況でございますので、コンテンツ産業、ネット関連産業の振興を図るためどのような対策が必要か。あるいはデジネット時代に対応した知財制度、今まさにデジネット専門調で検討されている論点でございますけれども、早期に整備すべきではないかということ。
 最後に、マクロ的な視点で、知的財産への投資の拡大という点でございます。ここに幾つか表がございますけれども、主要国の経済成長率の寄与度を見たものが一番上にございます。資本寄与、労働力寄与、その残りの残渣の部分、上に乗っている紫の部分でございますけれども、日本は相対的に小さい。それから、主要国の無形資産投資のGDP比率を見ても、欧米各国に比べますと無形資産形成への投資等々はおくれているのではないかという視点があるのではないかと思います。
 そして、低炭素社会の実現に向けた知財の創造・活用を重点に強化すべきではないか。また、中小・ベンチャー、地域における知財の活用を一層促進すべきではないか。
 こういったところが主な論点ではないかというふうに考えております。
 そして、資料4でございます。本日総論的な議論を行いまして、次回以降につきましては先ほどの政策レビューごとに各論としてレビューを行うことになるわけでございます。ここでは政策レビュー項目に沿った形で、この資料のつくり方でございますけれども、例えば知的財産の創造の部分につきまして、@大学、研究機関、企業における創造力の強化、Aが産学官連携でございますが、最初にファクツシートとして、これまでの取組、現状というのをまとめております。これで十分かどうかというのはもちろん今後ご審議いただきたいと思いますけれども。
 それと、パート2として右下に今後の各論における政策評価、今後の検討に当たっての視点ということで幾つかのポイントを掲げてございます。
 それで、今後のレビューに当たりましては、項目ごとに現状、そしてそれに基づく評価、課題の抽出、そしてまた政策目標、評価指標、これは可能な限り定量的にとは思っておりますけれども。そして、今後の施策の方向というようなそういった基本的な構成で次回以降の資料は準備をしたいと考えております。パート2では次回以降の各論の資料準備に当たっての検討の視点となるものでございますので、委員の皆様方、またいろいろなご意見等頂戴できればと思っております。
 資料は9枚もありまして大部でございますので、さっと見ていきたいと思います。まず、創造の分野でございますけれども、大学、研究機関、企業における創造力の強化のところを見ていただきますと、一番下のところで大学における共同研究、契約相手の外国企業の占める割合というのがございます。ごらんのとおり1%にも満たないシェアでございます。
 それから、その下に日米欧出願人の自国特許庁への出願構造というのがございまして、このシェアを見ましても、米欧に比べますと外国出願の率が低い状況にございます。
 産学連携のマスのところ、一番右上を見ていただきますと、これは日米の大学の知財関連活動の比較表でございます。これを見ていただきますと、機関数のところを見ていただくと、これは日本も多いということでそん色ないわけでございますけれども、特許取得件数、実施許諾件数、実施料収入と、だんだん下に下りていくほど差が大きく広がっております。
 大学発ベンチャーの設立と残存数というのがその下の枠の一番下にございます。日本、米国比較すると、残存率というところで見ますと、日本は9割以上残っているのに対してまして、アメリカは半分近く消滅しております。つまり、アメリカのほうがいわば新陳代謝が非常に活発だということが言えるのではないかと思います。
 それからもう1つ、注目される動きとしては、参考のところにございますように、一部の国立大学等におきましては、米国のインテレクチュアル・ベンチャーズ、これとの提携を既に行っているというような動きも出てきております。
 そこで検討に当たっての視点でございますけれども、幾つかございまして、重要特許を獲得できるような発明の創造環境が十分整備されているか。あるいは総合プロデュース機能を実現する観点から、大学の産学官連携組織、TLOにつきまして、統廃合を含め抜本的に見直すべきではないか。また、産学官の情報共有、人材交流、これが不十分ではないか。外国への特許出願、外国企業との共同研究、大学の国際展開、これを一層加速すべきではないか。産業競争力等の観点からは、職務発明制度、これは適切に運用、機能しているか。大学発ベンチャーの創出、これとその成果を社会還元するための多様な支援体制、リソースは整っているのかというような視点があろうかと思います。
 次のページをめくっていただきますと、今度は知財の保護の分野でございます。この保護の中で国際的な知財システムの構築につきましては、箱の右上にございます世界の特許出願件数を見ましても大変激増しておりまして、しかもそのうち約4割が非居住者からのものでございます。ということは、ますます国際知財システムの構築の必要性は大変高まっているということが言えるのではないかと思います。
 それから、次の権利付与の迅速化のところでございますが。枠囲いにございますように、2004年度、当本部におきまして審査待ち期間ゼロというのを最終目標として目指すことといたしまして、2013年には審査待ち期間を11カ月短縮するとの長期目標を既に設定をしております。
 そういった中で、その下の日米欧州三極特許庁の審査待ち期間を見ていただきますと、三極とも最近はそれほど大差のない状況になってきているという状況でございます。
 次に、視点のところでございますけれども、最初の枠のところは総論で見たとおりでございます。次の枠囲いでは、現在2〜3カ月の早期審査に加えまして、10月からは1カ月以内のスーパー早期審査といったものの試行も始まっております。そういった出願のニーズに応じた取組が現在進められているところでございますけれども、今後の審査処理の在り方どうあるべきかという視点。
 それから、知財高裁を初めとした紛争処理手続、これが安定性・予見性の向上の観点から見て適切に機能しているかどうかという点があろうかと思います。
 次の3ページでございますけれども、適切な保護の残りのパーツでございます。新技術等の知的財産の適切な保護、それから技術流出防止、利便性向上の点でございますが。これらにつきましても右下の視点をごらんいただきますと、新しい技術の出現、ビジネス環境の変化に的確に対応して保護対象、期間の見直しというのは適切に行われているかどうか。
 それから次に、不正競争防止法に基づきます技術流出防止のための規制、これは累次これまで規制強化がなされてきておるわけでございますけれども、現在実効的に機能しているのかどうか。ノウハウ等の情報を所有する側の情報管理、これに対するマインド、あるいは体制というのは十分かどうか。
 また、知財制度に係るいろいろな運用、手続につきましては、ユーザーサイドのニーズを踏まえた十分に利便性の高いものとなっているのかどうかという視点でございます。
 次、4ページ目をごらんいただきますと。保護のうちの模倣品・海賊版対策の強化が4ページ目、5ページ目にまとめてございます。外国市場対策、そして水際、国内取締り、これらにつきましては外国市場対策としてACTA、模倣品・海賊版条約、こういった枠組みづくりを進めるとともに、官民の2国間ベースでの取組、こういったことを一層強化していくためにさらにどういったことが必要だろうか。あるいは水際、国内での取り締まり強化というのは実態として精度を上げてきているのかどうかという点でございます。
 次のページをごらんいただきますと、インターネット上での対策強化等々でございます。インターネット上の対策強化のうち、ネットオークション対策につきましては、2005年度に権利者を始めといたしましてオークション事業者、捜査機関による情報共有スキームが開始をされてございます。
 そういった対策の結果、この枠の真ん中にございますインターネットオークションに関する権利者からの削除要請件数というのがここ二、三年、年々減少してきております。そういった意味では、インターネットオークションにおける対策というのはそれなりに功を奏してきているということではないかというふうに思われます。
 したがって、検討に当たっての視点でございますけれども、ネット上の対策につきましては特にオークション対策以外の違法対策、これはまだまだ不十分ではないかと、そういう視点でございます。
 それから、国民への啓発活動のところで、一番上にニセモノ購入についての認識に関する内閣府広報室の特別世論調査がございます。2004年、2006年隔年ベースで調査が行われております。2008年につきましても近々公表の予定ではございますけれども、この2004年、2006年の調査を見ますと、上から2番目の項目、正規品よりも安いので購入するのは仕方がない、こういう方が全体の約3割続けて占められております。この辺をどういうふうに考えていくか。
 2番目の枠囲い、視点のところでございます。特に若年層の知財意識は不十分ではないのかという視点。それから、国内外対策、啓発活動に関しまして省庁間で連携を一層強化して取り組むべき事項、どういったものがあるかという視点でございます。
 次のページでございますけれども、知的財産の活用のパーツでございます。その1番目、戦略的な活用の部分でございますけれども、企業の知財戦略の高度化、いわゆる知財担当役員、CIPO、また知財報告書の作成、これは年々増加をしてきているというふうに見られるわけでございます。
 そういった中で右下の検討の視点でございますけれども、生み出された知財、こういったものがいわゆる経済価値の増大につながっているのかどうか、未利用特許率というのも近年約50%で推移をしておりまして、当然その中には防衛目的あるいは今は使ってないけれども将来実施する可能性があるもの、これは当然含まれていると考えられます。ただ、それ以外の未利用特許の中にはなかなか自社で活用できないということで他社にとって利用価値のある、そういった特許もあるのではないか、そういう視点もあろうかと思います。それから、オープンイノベーションに対応した基盤整備の状況、これは十分かどうか。最後に、企業、業種、大学の壁を越えて新たなビジネスモデルを創出する取組強化が必要ではないか。
 これにつきましては、Bのファクツの中の中段ぐらいに、人材、ノウハウ、技術を組み合わせて新たなビジネスモデルを創設する仕組みとして、イノベーション創造機構(仮称)の創設に向けて来年度の予算で500億円要求がなされているという状況にございます。
 7ページ目でございます。活用の中の国際的標準化のパーツでございます。国際標準化につきましては、2006年に当本部におきまして国際標準総合戦略を決定いたしまして、それに基づき各般のアクションが実施に移されております。Aの国際標準化活動のところの国際幹事引受数の国別内訳というのを見ていただきますと、例えばISOにつきましては幹事国の引受数推移というのが左にございます。ちょっと見にくくて恐縮でございますが、日本は一番下から2番目の線ですが、だんだん毎年毎年増加してきておりまして、そういった意味では増加はしてきていると。ただ、欧米の主要国に比べるとまだまだ幹事引受数の数というのは低いという状況にございます。
 そういった中で、検討の視点、産業界の意識向上に関する産官の取組は十分か。また、大学、研究開発型独立行政法人、JAXAとか産総研とかそういった研究開発型の独立行政法人の任務として、むしろ国際標準化活動を明確に位置づけまして、職員の同活動への取組を積極的に評価する体制を構築すべきではないか。
 また、産業界におきましても、国際標準に携わる人をより積極的に評価すべきではないかという視点。
 それから次に、次世代を担う人材の早期育成、確保。この辺いかにあるべきかという点。
 また、国際標準に係る特許権の権利関係を調整する対応策、これについても検討が必要ではないかという視点。
 次のページでございますけれども、知財の活用の中小・ベンチャー、それから地域振興という点でございます。中小・ベンチャーのところの一番上の図、2つございます。ちょっと見にくくて大変恐縮でございますけれども、左側、知財を意識した企業経営を行っているか。これは、調査対象は過去特許出願を行っている中小企業が対象でございます。すべての中小企業ではなくて、特許出願を行っている中小企業。そういった中小企業でも、行っていないという企業が約3割いるという事実。
 そしてまた右のほうを見ていただきますと、今後重視する経営課題ということで、これは東証のアンケート調査でございます。これはちょっと大変見にくくて恐縮でございますけれども、非常に比率の高いところを見ますと、人材が一番です。人材が6割。マーケティングが4割。上から2番目、新技術開発、これが3割。我が知財戦略はどこにあるかというと、下から2番目、2、3%という状況でございます。
 ということで、中小企業については何となく知財が大事だという意識が非常に高いと思います。何となく知財。でも、やはり知財が大事で、具体的なアクションに移している企業がどれだけあるのか、そういったところをどうしたらもっと大きくしていけるのかというような視点。
 そういった観点で下の検討の視点でございますけれども、中小企業の経営実態、ニーズに即した支援がなされているのか。いろいろな切り口があろうかと思いますけれども、中小企業の資金調達、例えば知財と中小企業金融の関係についてもう少し深く掘り下げた検討ができないのかどうかという点もあろうかと思います。
 それから、現場レベルで中小企業の政策担当者、それと知財の政策担当者、この連携というのは十分図られているんだろうか。中小企業の政策というのはいろいろなメニューがたくさんそろっております。その中で知財がどのように取り扱われているのかというようなところも検討の視点としてはあるのではないかと思います。
 地域振興の部分でございますけれども、地域経済産業局ごとに全国9ブロックで地域戦略本部というのが整備をされました。それぞれ推進計画も策定をされております。そういった中で、例えば各県をまたがる取組というのは十分なされているんだろうか。また、地域戦略本部というのがうまく機能しているのかどうか、そういった点から知財を活用した地域振興には何が必要なのか。連携の問題。産学官連携拠点、この枠の中の、ファクツの中の真ん中あたりに地域力連携拠点、全国316カ所の関係機関が連携して知財の事業化を図るための体制を2008年度から構築したとございますけれども、そういった産学官連携拠点の活用というのも検討の視点としてあるのではないかと思います。
 最後に人材のパートでございます。これにつきましても、知的財産人材育成総合戦略、これを2005年度、今後10年間の人材育成の方向性を示すものとして既に本部として作成をしております。その第1期が2005年から2007年度でございまして、この評価を当専門調で実施をしておりますので、これがベースになろうかと思います。評価の概要、課題、第2期の重点戦略というようなものが既に左肩、枠囲いの中に書いてあるとおりまとめられております。これらをベースにしながら、さらに右下の検討の視点にございますような創造、保護、活用、各段階を横断的に俯瞰、また知的財産を活用して競争力ある事業の創出を提案する、こうした人材育成が不十分ではないか。
 あるいは、喫緊の課題でございます地球環境問題、資源エネルギー価格の高騰、こういったグローバルな問題を俯瞰して社会ニーズを把握して、知財を戦略的に創造、保護、活用できる人材、これをいかに育成すべきか。あるいは海外においての人材は十分か。また、オリジナリティの尊重を学ばせるような知財教育は十分になされているか、等々の検討の視点があるのではないかと考えております。
 簡単ではございますが、以上です。
○相澤会長 ありがとうございました。
 膨大な資料になっておりますので、目を通していただくだけでも大変ではないかと思います。本日は政策レビューをしていく第1回目の会合でもありますので、ただいま事務局で整理していただいた総論に当たる部分、それから各知的財産サイクルの創造、保護、それから活用というフェーズで切ってみて、それぞれのフェーズでどんな状況かということを検討する、こういうような形で構成されているわけであります。
 総論部分については皆様からこういう切り口があるだろうとか、あるいはこういう部分がもっと重要ではないかというようなこと。それから、各フェーズについては先ほどの説明の資料4の各ページの最後に、これまでの政策の評価及び今後の在り方の検討に当たっての視点という形で整理されております。ここに加えるべきものがあるのかどうか。等々、これからご意見をいただければというふうに思います。
 お一人四、五分ということを時間の目安としてご発言いただければと思います。どなたからでも結構でございます。
 前田委員、どうぞ。
○前田委員 6年間のまとめとして大学の状況を何点かお話しさせていただくとともに、感想等いろいろ幾つかお話しさせていただきたいと思います。
 大学のほうは、こちらのまとめにも書いてありましたように、特許が順調に出てまいりました。ただし、アーリーフェーズのものが非常に多いものですから、件数ということではなく、共同研究や受託研究の増加にきちんと結びついていったように思われます。私が所属しております東京医科歯科大の場合ですと、例えば平成15年に比べて共同研究は金額で言うと3倍(平成19年)、受託研究に関しては5.4倍に順調に伸びています。もちろん件数も2倍、3倍と大きく伸びております。
 アーリーフェーズな特許ですから、ライセンス収入で評価をするというよりも、基礎的な研究を大学のほうにもっともっとやってもらって、それを企業の方に興味を持っていただいていい関係で結んでいくというのは、今後も続く傾向ではないかと思っています。
 そうしたときに、学外のTLOはライセンスが主たる収入源ですので、共同研究、受託研究につながってもすぐに収益増になりません。結局、無理してライセンスのほうに持っていくという場合もあろうかと思います。ですから、ここに統廃合という話が出ておりましたが、やはり広い意味での産学連携が成り立つような形、例えば、大学の中に入っていろいろな形での産学連携ができるようなプロデューサーがいるべきと強く感じます。
 また、この統廃合ということに関しては、やはり定量的な評価がちゃんとできないといけないと思います。件数ではなく、やはり広い意味での産学連携、特に大学が得意としている基礎的な研究ができるような形の評価指針があれば良いのかなと思っております。
 次に、外国出願特許についてです。現在、大学の持っている特許については海外に関してはJSTが支援をしてくださっています。これは大変良いシステムで、本学も50%以上利用させていただいております。基礎的なものは、興味を持ってもらってもすぐにライセンスにつながりませんので、国際出願のところを、是非、国のほうでも支援し続けていただけるとありがたいと思います。基本特許、基礎的なものを活かすという意味でたいへん大事なのではないかなと考えております。
 また、医療行為に関する特許についてですが、、これに関しても、大学の先生方はおおむね賛成してらっしゃると私は思っています。本学においては、特許の講義をやってほしいとどこの部局からもお願いされるような状況に今なっておりますので、ぜひ少しでも前に進めるような形になって、特許取得が前進することで、回りを固めればと言ったら変ですけれども、そうすることで、厚生労働省の認可が早く下りるようなシステムになればいいのかなというふうに思っています。
 今年、ノーベル賞とられた先生方が海外で働いていらっしゃるように、技術が外で花開くことは日本にとって悲しいことで、技術流出になってしまわないようにするべきではないかなと思います。ノーベル賞の先生方が日本で教えていらっしゃらないで、海外で教えていらっしゃるということは悲しいなと思いました。
 また、第3期基本計画ですけれども、骨組みや核となるようなプランと、毎年の取組と2本立てで推進計画を構成したほうがいいと思っています。
 そして、海外連携についてですが、最近、アメリカもライセンスの収入だけではなく、例えばハーバード大など、スポンサーを探してそこと良い関係をという形になってきておりますので、日本においても、ライセンスだけではない広い意味での産学連携というのは大事なのではないかなと思います。
 最後に、大学発ベンチャーはつぶれないというのは、学内にインキュベーションセンターやベンチャービジネスラボラトリーなど大学の中にたくさん建物がありまして、その中で、破格の賃貸料・人件費で大学発ベンチャーがなされておりますので、休眠状態の大学発ベンチャーも結構見受けられるかなと思います。ですから、是非、客観的評価をしていって、将来性のある良いベンチャーを伸ばして、休眠状態のところと新しいところを入れ替えるような新陳代謝が必要なのかなという感じもしております。
 すみません、長くなりました。以上です。
○相澤会長 ありがとうございました。
 では、田中委員。
○田中委員 私は資料を用意してきましたので、それに沿って話したいと思います。資料6でございます。
 この資料は、今日の議題にあげられております今後の在り方の検討にあたっての視点等々におきまして、中には重複するものもありますけれども、抜けた部分、こういったこともやったらいかがでしょうかという視点でまとめたものです。
 はじめにというところがあります。ここでは今まで6年間いろいろな施策が打たれて成果も非常に上がってきておりますけれども、実はそのことによって初めて顕在化した問題というのがいろいろ見受けられるという点を指摘しております。従いまして、これは各論の議論のときになると思いますが、そのような視点をきちっと入れていくべきだと思います。
 次の3ページ、4ページです。大学あるいは公的研究機関の出願は増えていて非常にいいのですけれども、海外出願が思ったほど増えていない。つまり、大学では基本特許や原理特許というものが望まれるわけですけれども、海外出願がそれほど多くはない。この理由を明確にすべきだと思います。JSTが支援しておりますけれども、費用の問題なのか、あるいは創造環境の整備がまだ不十分で、本当に基本特許なるものが出願されていないのか、そのようなことも含めてきちっと検証して対策を打っていく必要があるだろうと思います。あるいは、企業が肩代わりして海外出願しているということもあるわけで、それが本当にきちっとその中にデータとして入っているかどうか、これも検証する必要があるかと思います。
 それから一番大きい問題と考えていますのは、大学における特許出願であり、これは本質的に非常に難しい面があると思います。つまり、論文を細切れに発表していると強い特許はとれないということです。一方で、大学は学生の教育あるいは卒業のために論文を書かせなければいけないという部分があるわけです。しかし、中途半端な形で細切れに論文発表しておりますと、本当に強い特許というのは確保できない可能性が非常に高くなると思います。この部分についてこれからきちっと議論して、何らかのルールを作っていかないと、大学で特許出願、特許出願と言っても、強い特許は出てこないのではないかなと懸念されるわけであります。
 先程インテレクチュアル・ベンチャーズの話が出ましたけれども、公的資金を使って取得した特許が、場合によったらパテントトロールになりかねないようなところに売却されるというのは一体どういうことなのだろうと、非常にこれは奇異な感じがするのです。どういう決定でそのようなことをされたのかはよくわからないのですが、これは多分、組織維持費用、あるいは登録になりますと特許の維持年金が必要になりますので、その費用が多分捻出できなくてお金に換えてしまうという短絡的な考えでやったのではないかなと思います。これもきちっと議論する必要があると思います。
 それから、自動翻訳技術はだんだんと性能はよくなってきていますけれども、翻訳問題は企業におきましても費用としてだけでなく適切な知的財産権取得のためにも非常に大きな問題になっています。翻訳がきちっとされるべきだと思います。これは(東京工科大学の)横井先生という方が日本語文章の明晰化とその明晰化ツールの開発をされているようで、機械の自動翻訳そのものを良くするのもいいのですが、日本語自体をまずよくするような手立ても必要だろうと思います。これは案外簡単なシソーラスで実はいろいろなことができるのです。これは英語を知らなくても日本語さえ知っていれば明晰な日本語文章になっていくわけですから、非常に有効だろうと思います。
 次のページで、紛争につきましては、無効抗弁容認率というのがよく出てきてこれが問題だというお話がよくあるわけです。実のところ判決前に和解したケースは一体どうなっているのだろう、あるいは訴訟に至らないでその前に皆さんが和解しているケースも当然あるわけでございます。氷山の一角ともいえる訴訟に至ったケースだけでああだこうだと判断していくのは非常に危険だろうという気がします。この判決前のデータをとるのは非常に大変だと思いますけれども、そのようなこともよく考えた上で検討していく必要があると思います。
 技術流出に関しては、日本では先使用権、立証制度等々整備はされてきましたけれども、これは国内の制度だけのことではなくて、中国や海外における制度を期待したいところでございまして、これを海外に働きかけていくということが大事だろうと思います。
 模倣問題につきましてはいろいろな手が打たれてきていますが、東欧ですとかロシア等の実態把握についてもきちっとやっていくべきだろうと思います。
 インターネットオークションにつきましては、大手のサービスプロバイダの努力で改善されてきております。これは先程もお話に出たとおりでございますが、携帯サイトオークションや非常に小規模なサービスプロバイダがきちっと対処していない実態があります。それからもっと大きい問題は、B2Bサイトで業者間の模倣品そのものの取引が非常に活発に行われていまして、全然手が打たれていません。新しい視点できちっと検討していく必要があるだろうと思います。
 7ページになります。これは先程の大学のところでも指摘しましたけれども、特許流通についてはいろいろな整備がなされるのは非常に大事なことだと思う一方、パテントトロールに利することにならないような施策を制度的に作っておく必要があるのではないかと思います。特にそのときの契約の在り方等々です。それから、パテントトロールといったところに最近は特許がどんどん流れて、そのようなところが今度は金儲けのために企業を訴えてくるということが頻繁に行われています。そのようなところに渡らないような仕組みが必要であろうということでございます。
 最後ですが、知的財産専門人材の育成については非常に積極的になってきていると思います。これは大変いいことですけれども、企業の私どもの中で司法試験に合格した者がおりますが、実は現行制度では退社しなければ司法研修所に入れないのです。これはもちろん公費を使うわけでございますから、その企業にそのまま所属というわけにはいかないとは思いますけれども、例えば休職ですとか何かそのようなもう少し簡単な、と言っては怒られますけれども、多様なケースへの対応をきちっと考えなければいけないのではないかと思います。
 また、弁理士もキヤノンでもどんどん多くなりまして、いろいろな仕事をむしろ海外でやらせるという事例が多くなってきております。ところが、日本の弁理士会では企業内の弁理士が海外に行っても年会費を払わないと退会扱いされてしまうのです。数年やって日本に帰ってきたのにまた再登録しなけれければいけないわけです。これがどのような意味合いでそうなっているのか。企業の中でもそのようないろいろな人材を育ててどんどん活躍してもらわなければいけないという国の施策が打たれていったわけですけれども、実際に動き出してみるとこのような問題がいろいろと顕在化して来るのです。このようなことにもきちっと実態調査及び今後の方向性を検討していく必要があるだろうと思います。
 ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。
○相澤会長 ありがとうございました。大変重要なご指摘をいただきました。それぞれがフォローアップの重要な視点に加えられるべきだなと思います。
 それでは、そのほかの方でいかがでございましょうか。
 河内委員。
○河内委員 大分重なるところがあると思うんですけれども。この2月に経団連で知財政策の評価に対してアンケートをとっておりまして、程度の差はあるんですけれども、アンケートの結果は創造、保護、活用、いずれの面でも一定の成果を上げているという報告が出てきております。
 ただ、その中で課題としては、やはり知財が本当に新たな市場創出につながっているのかという点で、産学連携というのはそれなりに進んでいるんですけれども、実用化、商品化にまで本当に至っているのかというようなこと。あるいは政府のいろいろな投資等の成果が社会還元という形でそういうのにつながっている実感がないとか、若干そういう意見が出ております。
 産学の役割とか制度上の差が海外とどれほどあるのか、その辺も含めてこういった出口成果を早く出していくための問題点を、既にレポートの中に出ておりますけれども、実証していく必要があろうかなと。
 私は個人的には、先ほど前田さんも言われたように、企業はこれから国際競争の中で勝ち残っていくためには、キャッチアップというような技術研究開発の領域では中国等には負けていくと。だから、必ずや独創的な萌芽的な基礎研究に大いに力を入れていかなきゃいかんということ、これはだれもわかっていると思うんですよね。したがって、大学におけるそういう基礎研究の創造環境、それから費用的なことも含めて充実していく必要があろうと。
 きょうは知財ということなので、その基礎研究成果をやはりきちっと知的財産として構築していくという体制が重要と考えます。確かに、知財本部とかTLOとかできて数もふえてきてきます。ただし、本当に知財戦略を立案して考える体制があるのかどうかと、これは企業の中でも非常に早い研究段階の知財戦略をつくるのは非常に難しいんですよね。それを抜けなく、できるだけ将来を見て知的財産権として構築するのはかなり高度な知識、専門性が必要だと思うんですよね。だから、一体どういう形で体制構築するか、今いろいろな施策がとられていると思うんですけれども、これは早く対策をとらないとせっかく新しい独創的な研究成果が結局海外に全部流れていくというようなことになり得るということで。この辺をぜひ私は強調して議論していただきたいなというふうに思います。
 それと、大学の中に受け皿として、結局知財に関するいわゆるノウハウとかナレッジというものが継承されていくというシステムがないんですよね。だから、これは教育の中にも組み入れてきちっとフォローできていくような体制をつくらないと。企業は企業で利益を追求して戦略的にやっているので。だから、大学に対して国の費用をそれなりにかける必要があろうかなというふうに思います。
 それから、もう1つ、話変わりますけれども、重点技術分野、競争的資金でのプロジェクトが進んでいます。そういうものに対して成果が上がったときに知財に対して一体的に、きちっと対応することが必要。こっちはお金がついている、知財はお金がないから海外をも含めてフォローできないということでは問題だと思うので。もっと一気通貫で行政が見ていくというようなことが必要ではないかなというふうに思います。
 以上です。
○相澤会長 ありがとうございました。
 基本計画を推進していく中からだんだんと、先ほど田中委員がご指摘になったように、問題として顕在化してきている部分だと思います。この中での議論が非常に重要になるのではないかと思います。
 それでは、どうぞ、佐藤委員。
○佐藤委員 今度これで3期にいくわけですけれども、1997年以来日本はプロパテント政策やってきて、更に2002年から本格的にこの6年やってきたわけです。1期目は非常に速いスピードで知財の制度改革と環境整備が非常に進んだと思います。それの足りない分を2期でやるということで2期をやってきた。それで、ではこれから3期は何を目指すのかというのが今非常に求められているのではないかと思います。確かに経団連のアンケートにありますように、知財に対する意識は企業も含めて、大学も含めて大幅に変わったと思います。だけれども、そこででは知財の意識を持って何が変わったんだと、実態は何が変わったんだというフラストレーションが結構我々弁理士の中にもあるし、産業界にもあると私は思っています。
 そういう意味で、3期目はやはりもっと産業界なり国民に対して強いメッセージの出せる施策を打ち出さないと、結局1期、2期の延長上でやっている限りは、だんだん知的財産戦略本部の存在感というのが非常に薄れてしまうのではないかというふうに懸念しております。
 それは確かに制度改革も進んだし、環境の整備もできた。例えば地域に関しても、地域知財戦略本部も9ブロックできた。しかし、では実際に地域知財戦略本部が動いているかというと、ほとんど動いていません。会合すらもたれていない。それは1つの典型的な例です。制度は変わった、仕組みもつくった、しかしそれが実態として動いていないという部分がたくさんございます。それが結果的にアウトプットになっていないということだというふうに思います。
 例えば大学においても、確かに出願もふえたし共同研究、委託研究もふえた。では、それが実際に市場につながるところまでいくものという形でプロデュースされているかというと、ほとんどない。実際にここに出ている売上を見ても、大学全体で700億ぐらいの規模しかなってないわけですよね。非常に大きな投資をかけて今までやってきたけれども、その結果になっていない。そういうところをやはりこの2期目の最後の段階で、実際に現場がどう動いてどうなっているんだということをしっかりと把握した上でもう一度考える時期にあるのではないかと思っています。
 3期に向けて私はぜひそういう新しいビジョンなり方向性を打ち出せるようなものをここでぜひつくっていけたらいいなと思っています。
 それからもう1つは、これは私が言うよりも産業界の方のほうがご存じの話ですけれども。グローバルコンピティションの中で、知財制度の在り方が本質的に変わったというふうに思っています。1期目の初めのときは国内の知財制度そのものが世界的にもおくれていた、それを改革するということで非常に一所懸命やられて、日本の制度はよくなった。だけれども、日本の制度だけではもうグローバルコンピティションの中で知財制度は利用できないという状況になっていると思います。
 そういう意味では今回のテーマの中にもありますが、今まで2期目でも、国際的な知財戦略というのは掲げられてきて、1つのテーマとして進められてきたということは十分理解しておりますけれども、これからメインのテーマだと思っています。その点で、特許庁が出したイノベーションと新知財政策というのは非常にグローバルな視点で新しい国際的な特許制度の仕組みを提言しているという意味では、私は大変すばらしい成果だったと思っています。ああいう成果をぜひ今後の3期目には基本的な柱としてつくっていかないといけないんではないか。
 ちなみに、今ヨーロッパ特許庁もシナリオ・フォー・フューチャーという形で4つの予想をしています。下手するとこのままだと特許制度なくなるんじゃないかというような予想までしている。それはなぜかというと、特許制度そのものが非常に緻密になって重たくなってきて、制度利用者たちが手間と金がかかりすぎるという状況になってきている。そうすると、知財によって得られるものと知財をつくるためにかけるコストとかバランスしなくなってきているということが非常に大きな問題だろうと思うんです。大企業の場合には非常に体力もありますので何とか乗り切れるかもしれませんけれども。それと対等に戦わなきゃならない中小企業等にとってはもうとても手が届かないと、そういう状況になりかねないというところが現実ではないかと思うんです。
 そういう意味では1期、2期目とは全然違うフェーズだという認識をもって、今度3期も臨むべきではないかと強く思っております。
 最後に、3点目ですけれども、最後は制度を変えても環境を整備しても、最後はそこを動かしていく人だと思います。大学においても研究成果が市場につながっていくのはつなげていく人がいて初めてつながる。だけれども、現実問題は、確かに大学、TLOなり知財本部なりがありますけれども、その市場につなげていけるような人の数は極めて少ない。私も今2つ大学かかわっていますけれども、現実にそれを動かしていける人がいないということで、せっかくのいい開発がされてもなかなか市場につながらないということを目の当たりに見ておりますので、そういう意味ではやはり実際の制度、環境整備したものの中で動いていく人をどうやってつくっていくかということをもっと3期目は、今まで妹尾先生含めていろいろやられてきたのは重々わかっているんですけれども、これを今期でやらないと、いくらインフラ整備をしても人が育たないと結果は出ないんじゃないかと強く思っています。
 以上でございます。
○相澤会長 ありがとうございました。
 まさしくこのフォローアップは第3期を策定していく根幹になるところでございます。議論の展開がそういう枠組みなり柱なりを明確に示すという方向になればというふうに思います。
 どうぞ、中山委員。
○ 中山委員 基本的には佐藤委員と同じですけれども。最初戦略会議から始まって戦略本部になったこの会議も7年ぐらいたちますが、戦略会議のときからもう創造、保護、活用、人材というこういう柱がありまして、主なアイデアは大体もう出ているだろうと思います。しかし、ではそれが本当にうまく実行されていたかどうか、あるいはどこか欠点はないかというそういう検証あるいは進化した議論がまず求められるだろうと思います。これをちゃんとやっておかないと、せっかく文書つくってもほとんど意味がないということになるわけであります。
 しかし、ほとんどのアイデアは出てきているとはいうものの新しいものもあるわけで、1つはここに出ておりますオープンイノベーション。これは特許庁でも力を入れてやっているわけですけれども、これのインパクトは非常に大きいと思います。これは戦略本部ではかなり広くとっていて、アライアンスとかあるいはパテントプール等いろいろな形態あるようですけれども、フリーソフトウェアとかあるいはクエートオブコモンズまで考えますと、知的財産とは何かということを考え直すきっかけにもなるような非常に大きな問題であり、したがって、将来このオープンイノベーションというこのキーワードを1つの核にしていかなければいけないだろうと思いますし。
 もう1つは、これも戦略会議のころはでていなかったのですが、デジタルネット対応ですね、これはまだどうしたらいいのかよくわからない面もたくさんありまして、具体的には著作権法の問題になってくるわけですけれども、これをかなり思い切って変えないと日本のネットビジネスの将来はないと思っております。大きく変えるということには抵抗も多く、なかなか大変ですけれども、やはり戦略本部としてはこのデジタルネット対応、これは私が会長をしている調査会の主な分野だと思いますが、とにかくこれを進めていかなければいけないと思います。
 それから、先ほど佐藤委員からも話があった、知財にいろいろ金がかかりすぎるという点ですね。これ私最近弁護士になってますますわかってきたことですけれども、特許の争いというのは手続の争いがものすごく多い。特許侵害訴訟が起きたらそれに対して無効審判を起こし、それに対して今度は訂正し、さらに訂正無効等をごちょごちょやって、特許期間が終わってからも延々とやっているという事件もよく見るわけですね。
 そういうことをいろいろ考えますと、全世界の特許にかけるコストと、全世界が特許から受けるベネフィットというのは、私は今どちらが多いか本当に言うとわからないような状態だと思うんです。これは恐らくわかる人はいなでしょう。経済学者なんかかなりはネガティブな考え方持っている人が多いだろうと思います。私は分野によって違うと思っておりますけれども、いずれにいたしまして、知財というのはコストかかりすぎですね。これどうしたらいいのかわかりませんけれども、訴訟制度自体も関係してくるのでわかりませんけれども、将来的にはやはり知財にかける総コスト、これはあらゆる意味でのコストですが、それを削減していくような方向を検討していくべきじゃないかなと思います。そうしないと、先ほど佐藤委員もおっしゃった最悪のシナリオということだって本当にあり得るだろうと思っております。
○相澤会長 ありがとうございました。
 どうぞ、中村委員。
○中村委員 もう既にかなりの部分を皆様のほうから挙げていただきましたので、1点だけ私から申し上げたいと思います。
 今、中山先生から知財のコストのお話がございましたけれども、その視点の1つの延長線上として、コストの大きさもさることながら、知財のライフサイクル、すなわち発明が生まれてその出願を経て権利が付与され、それが活用という形で成果を刈り取るということに対して非常に時間がかかるという知財の性格上、知財経営というものが企業の中で頭ではわかっていても各論としてなかなか定着しないというところの阻害要因の1つになっていると思います。
 特に最近の企業経営は、単年度どころか四半期で経営成果を求められる時代にあって、本当に知財に対する投資の決断というのは正直言っていつ成果がとれるかわからないものに対してどれだけお金をかけられるかという究極の選択を企業経営者に迫っているようなところがございます。過去はそれを特許件数で見たり、もしくはライセンス収支で見たりといういろいろなトライアルを経て現在に至っているわけですけれども。件数だけでも語れないですし、ライセンス収支というのは過去の取組に対してどう成果が刈り取られるかということであって、将来に対してどれだけ手を打っているかという指標に全くなっていないという意味から申し上げますと、やはり知財にかかる時間の流れと、今の経営のスピードというタイムギャップをいかに埋めるかを幾つか多面的な指標で見えるようにしていかないといけません。さすがにもう知財を軽視する声は少なくなってきましたけれども、先ほどの中小企業のアンケートにもございましたように、いくら知財の重要性が頭ではわかっていてもそれが日々の判断基準や実際の経営活動に行動として伴わないというのは、これは中小企業だけではなく、まだまだ大企業の中でもあるのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、我々企業としても日々トライアルをしているわけですけれども、将来にわたって継続的に知財に対する取組、人、もの、金を伴う投資が続けられるような指針、をぜひ発信していくことで、本当にこの知財の経営、知財経営の重要性というものが、浸透していくということを図っていくべきであると思います。
○相澤会長 ありがとうございました。
 どうぞ、岡内委員。
○岡内委員 いわゆる特許費用、大変だということを本当に身近に感じているまさに中小企業を現役で経営しているものでございます。どっぷりつかっていますと今回のように総論を語るというところまでとてもいきませんで、各論になってしまうのですが、中小企業の実態を知っていただきながら、これを総論に反映していただければうれしいと思っております。
 私どもの企業、50人ぐらいですが、特許の出願率は4%ぐらい。従業員の数とすると製造業では全体の75%が中小企業で、特許出願率は12%。従業員20人以下の小企業が25%ぐらいですが、そこの特許出願率は4%という低い比率になっております。
 それは非常によくわかる、自分がその立場にいるだけによくわかります。私どもでは、タネ探しから研究、試作、試作して量産して、パッケージにくるんでPRをして、そしてまた資金回収まで。それをパートさんまで含んで50人。その中でやはり特許をどうするかというのは非常に大きな問題です。現実に国際特許を何カ国か出したのですけれども、ぼつぼつ長年にわたっていろいろな国から請求が来る。多額の出費ですが予算が立ちません。そういう苦労をしております。
 その中でも自分だけで特許をやるということになりますと、マイペースでできるのですが、TLO、産総研さんなど入ってくる共同開発をしているときはその手続、これが非常に足かせになってまいります。可能であれば特許出願も単独でやりたいのですけれども、いろいろな絡みがありまして、できないこともあり、苦労しております。
 あともう1つ、大学からもいろいろ持ちかけられてはおりますが、試作をしてみますとうまくいかない。要するにチャンピオンデータが出ており、それを実用にするということになると思わぬトラブルがあって、断念せざる得ないことを、2つか3つやっております。ただし、だめだからといってこれの契約金の返済は一切ない。
 そのとき論文だけを見ただけでは正直言ってわかりません。ぜひ必要なのは、前回も妹尾先生が言われましたけれども、総合プロデューサーというのでしょうか、実験やった結果を、それが実用になるのか、もう1つはそれがマーケットにあうかどうか。そういう意味で本当の総合プロデューサーと情報が必要だと思います。
 それからもう1つ、情報ということになりますと、今いろいろなところで環境、中小企業、国際協力、人材育成というキーワードがありますが、いわゆる東南アジアにおける環境保全、これは私ども中小企業の大きなビジネスチャンスになると思っています。といいますのは、大手さんの汎用の機械ではそれぞれの国の特徴があるために、あてはめてポンと終わるものではない。1つ設定をしたら最後までフォローしながら、現地のものを使いながら、現地のレベルにあわせて完成させていく。これは中小企業に最も適しているのではないかと思うのですけれども出来ていない。なぜできないか。これは情報が全くないからです。この情報、そこの国の環境はどうなっているか、現地の人はどう望んでいるか、そういったものを、日本の機関がいっぱい出ているわけですから、例えば大使館なり領事館、JICA、ODA、JETRO、そういう方々にぜひこういう現地で困っている問題がある、このような情報を一括で公開できるところがあったら本当に並んででも私どもは拝見したい。現実にできることであるならば、現地に行って情報をいただきながら、自分の技術だけではなくて、プロジェクトを組んで中小企業の仲間で解決をしていきたいなということで、ぜひ情報の収集をお願いしたいと思っております。
○相澤会長 ただいまの最後のご指摘のところは、総合科学技術会議が科学技術外交ということを前面に打ち出しまして、既に総理からもいろいろな施策が具体的に指示され、そして今年度からいろいろなところでその機能が少しずつ動き始めております。基本的には外務省が中心となって、先ほどの在外公館等を活用しつつ、いろいろな人的あるいは情報のネットワークを活用していくというようなことが動き始めております。
 それでは、そのほか。
 どうぞ、三尾委員。
○三尾委員 6年ぐらい前からの我国の知財改革について振り返って考えてみたんですけれども、やはり大きく変わったのは、世界的な動きも含めまして、知財を取り巻く環境ではないかなというふうに思うのです。当初、我が国はアメリカのプロパテント政策をある程度追随するために制度を整えなければいけないということで知財創造サイクルのうちの保護を中心に制度を整えてきたわけですけれども、そのときは十分に特許等の権利を行使して、むしろそれをかてにして、お金をもうけるというようなことを考えていたかと思うんですね。ただ、何年かたってみて、今世界の、特にアメリカなんですけれども、状態を見ると、アメリカはもちろんオープンイノベーションが進んできているということもありますけれども、例えばアメリカの最高裁判所判決でパテントトロールに対する差止請求権を否定されたり、消尽論により特許権の権利行使を制限されたりと、訴訟コストがかかりすぎるという問題もあるからでしょうが権利行使制限する方向にあるかと思うんですね。そういった流れが我が国にも押し寄せてきていて、パテントトロールというようなことも言われているわけなんですけれども。
 今我が国の現状を見た場合、果たして十分に特許権の権利行使ができているんだろうかという点に疑問があります。特許権の維持・管理訴訟のコストはかかりますけれども、アメリカに比べますと、特に訴訟コストは低額です。一方、発明の為の研究開発やその他にかかわるコストを十分回収するためには、やはりまだまだ特許権の権利行使を弱める方向にはいけないのではないかというふうに思うわけなんです。
 これは別に弁護士がもうけるために申し上げているのではなくて、やはり特許権等の、侵害訴訟の提起件数は横ばいから減少しているんじゃないかという感じがするんですね。無効とされて負けるケースも確かに多いですけれども、訴えの提起自体が減っていて、特許権、特許も含めていろいろな権利がありますけれども、きちんと最終的に裁判上権利行使ができるという信頼感が権利者になくなってきていることが危惧されるんです。
 ですので、ただパテントトロールを怖がるということは全くよくないと思うんですね。パテントトロールというのはパテントつまり特許権を持っている人が権利行使をするわけなんです。権利行使をするということ自体は絶対に否定するべきではないし、行き過ぎたものだけをはねのければいい。我が国ではパテントトロールというものが現在において実際に問題視されている事実はほとんどないと思うんですね。実際にパテントトロールで裁判になってどうこうしたというような案件を手がけた弁護士はほとんどいないと思うんです。知っている限りではいない、日本ですけれども、いないんですね。
 ですので、トロールという言い方自身が否定的な意味が入っていますのでそれはよくないんですけれども、過度に恐れすぎるのではなくて、パテントトロールはある程度は許容するべき。権利行使自体は絶対に認めていって、きちんとかけたコストを回収できるという仕組みは維持しなければいけないというふうに考えます。
 その点は今後の進め方においても権利行使の確保をオープンイノベーションやその他のライセンス付与に関する施策と並存して検討していただきたいというふうに考えます。ですので、パテントトロールという言葉がひとり歩きをして否定的な意識を皆さんが持たないように十分注意していただきたいというふうに思います。
 それと、もう1点なんですけれども、例えばパテントをインテレクチャルベンチャーズや日本のイノベーション創造機構(日本版インテレクチャルベンチャーズ)が特許権等だけを取引の対象にする場合に、やはり問題になるのがその権利自体の持つ価値だと思うんですね。その権利の価値をどう評価するかということが非常に重要だと思うんです。これが単に目利きができる人というものだけがそもそも自分の単独のノウハウだけを使って目利きをするというのでは十分ではない。
 ですので、評価は今まですごく難しいと言われていまして、確立した評価制度は整っていないんですがそれは私は非常に危惧しておりまして、難しいけれども、ある程度だれでもできるような評価の手法を考えなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
 以上、終わります。
○相澤会長 ありがとうございました。
 それでは、渡部委員。
○渡部委員 今3期ということで、恐らくやはり当初検討しないといけないという環境、もともとアメリカとの関係、それから中国がWTOに入ってきたというそういうタイミングで産業界が一所懸命これを知財に制度を設置しないといけないということで進んだんだと思います。実際に進んだところで少し客観的に世界を見てみると、新しいパラダイムというかオープンイノベーションということが出てきて、これは実は日本企業は余りまだそんなに経験をしていないんですよね、恐らく。なので、どこに何があるのか、あるいはリスクがあるのかということがまだよく見えていない部分もあるんだろうと思います。
 オープンイノベーションという言葉の使い方自身にかなりいろいろあるんです。例えばヘンリー・チェスブローのオープンイノベーションだと考えて、一番多分知財と関係があるのは、組織あるいは国を超えた外部の知識源に対してアクセスができることだと思います。そのときに、安心してコストをかけずにアクセスしてそれを活用できるかどうかというところに知財の問題があるわけで。一方、外部の知識源として委ねようとする場合にも安心して委ねられるかという、そういうことだと思います。
 これは一番厄介なのはグローバルなんですよね。全くIT、インターネット技術の進歩でグローバルになっているということで。今回のこのテーマを本当にやっていこうとすれば、国内の仕組みだけでは全然だめなわけですね。
 この点を議論というのが知財の話ではよくあるんですけれども、グローバルグローバルといっぱい書いてあって、最後できることは国内だけなので、国内のことが書いてあると。
 今回はさすがに次の境目なので、そこを何とかしないといけないんだろうと思うんですが、どういうことが問題になっているのかというのは私もよくわかってない、例えば特許特会でやれる範囲がここまでしかできないとか、外に対する働きかけというのはまたちょっと分担が違うとかいろいろあるのかもしれないんですけれども、やはりそこを乗り越えていかないといけないと思います。逆に、今の日本はそこまでできる環境、立場になってきつつあるのかなという気もします。
 アメリカの特許制度というか特許の質が余りにも低いので、日本と比較してアメリカの特許の質が低いというデータを出してくださいとアメリカの企業から依頼されることも最近ありますので、そういう意味では結構そういう意味ではイニシアチブがとれるようになってきたのだろうと思いますので、そこら辺をチャンスだと考えてそういう施策がとれるようにしていくにはどうしたらいいかというのが多分大きなところだと思います。
 それから、科学技術の立場でいきますと、ちょうど来年から今度科学技術基本計画の次が議論になるわけでありまして。ちょうどこの6年というので科学技術基本計画の次に対して知財としてどういう評価をするかというのは大変重要だと思います。
 ちょうどノーベル賞の話がありましたが、下山先生の蛍光タンパクというのは、海外でやられて大分昔の話なんですけれども、海外でやはり強い権利があるようで、ある大学が関連発明をやろうとしたら、要は利用関係にある海外の企業が利用関係にあって警告してきたというようなことをちょうど昨日聞きましたけれども。少なくとも知財重視政策をやって以降はそんなことはないはずかどうかですね。あるいはさらに日本がもうけられるようになっているかどうかということが多分重要で、そこら辺の評価をやる。TLOとか知財本部とか細かいことはあるんですが、余り細かいことに埋没すると逆に言うと科学技術基本計画につながるような評価というところが見えなくなってしまいますので、少し大きな視点で本当に日本の創造がちゃんと知財になって活用できるようになっているのかどうかというところを見ていただければと思います。
 これは恐らく総合科学技術会議の知財専調との関係もあるんだと思いますので、分担して、少なくともそういうところをしっかりやっていくことが今の時点で重要だろうというふうに思います。以上、2点でございます。
○相澤会長 ありがとうございました。
 科学技術基本計画については既に第3期のフォローアップに入っております。そのフォローアップにおいても、知財の関係のフォローアップと同じように、次期の基本計画を策定するための戦略が見えてくるようなフォローアップが必要なわけであります。単純によかった悪かったという評価をする視点というよりも、次のものを浮き上がらせてくるということが柱でございます。ただいま渡部委員の指摘された知財関係のところはまさしくそういう軸で進めて、次の展開が明確にわかるような形にしていただければと思います。
 どうぞ、妹尾委員。
○妹尾委員 内容的なものは諸先生のお話に同感なので、ちょっと別の角度からコメントさせていただきます。最初にご説明がありました資料3、今、相澤先生がおっしゃった点について関連あるところを少し申し上げたいと思います。
 一番左の検討の進め方の最後に、この政策評価サイクルを機能させる観点から、可能な限り定量的な政策目標及び評価指標を設定すべきではないか、とあります。反対ではないですが賛成もしかねるという感じがあります。
 それはなぜかというと、3点あります。1点目は、定量的のみならず、定性的な評価もきちっと適切に組み合わせるべきではないかと思います。よく定性的評価を感覚評価と間違える方がいらっしゃいます。経験と勘によって評価することを感覚評価だとすると、それと定性評価は必ずしもイコールではないんですね。それから、定量評価をすると、数値目標が自己目的化するというリスクになります。そういうことを考えると、できるだけ定量化できるものはした方がよいような気もしますけれども、定量だけをやるとそういう数値目標だけがひとり歩きするリスクとなる。さらに、定性的な評価部分、すなわち価値づけの部分、あるいは意味づけの部分が全部落っこってしまう可能性が出てしまいます。そこで、ここはできたら適切な組み合せをすべきだと言っていただいた方がよろしいのではないかというのが1点目です。
 2点目は、結果評価だけではなくて、ぜひ成果評価もしていただきたい。すなわちアウトプット評価のみならず、アウトカム評価もすべきであると思います。
 それから3番目は、これは先ほど会長がおっしゃったのと同じで、これは次につながるはずなので、どうやって評価が学びを導くか、すなわち、次の学習を起こすような評価の仕方をしないといけないということです。評価が点つけで良かった悪かったという話じゃなくて、次の段階へどういう気づきと学びを導くか、そういう形の評価をしないといけないと思うんです。中央省庁の幾つかの政策評価をやっている人間としては、そこのところが気になりますので、そこをまず指摘させていただきたいと思います。
 それから、2ページへ移りますと、これちょっと表が見にくいので、左の2列を左と右に分散して真ん中に政策レビューを入れていただくと見やすいなという、これは技術的な話です。
 それから3ページ目。これが将来を考えるときに非常に大事なことだと思います。知財戦略を取り巻く環境変化。ここに書いてあること自体は私ももちろん同意するし、これが重要だろうなと思うのですが、先ほど相澤先生がおっしゃったように、次の基本計画への戦略をということを考えると、これらの現象面であらわれている後ろにある、いわば根底的な流れを読み解くということをまずやっておくべきではないかと考えます。
 例えば2番の経済のグローバル化といっていますが、実際の経営はグローバル化と国際化の両方をやってるんですね。グローバライゼーションとインターナショナリゼーションは経営の戦略上違うことです。経済はグローバル化したんだけれども、経営はどういうふうすべきかは別になります。すなわち、国際化というバリュー機能の一部を外にに出すとか、あるいは国内市場がだめだから海外に進出するという話と、当初から地球規模で事業を想定するグローバルな戦略ということは意味が違うので、そういうところがどう動いているのかという点も深く見るべきでしょう。
 あるいは3番目にあるオープンイノベーション。この話の裏側で動いているのは2つあって、1つはプロイノベーションの流れがあるということと、それからイノベーションのためのリソーシングが多様化しているということですね。何回かこの会で申し上げたとおり、リソーシング、すなわちイノベーションを行うための資源調達は多様化している。インソース、自前主義でやるのか、アウトソース、外へ出すのか、クロスソース、互いに共有するのか、コモンソース、みんなで共有地をつくってそこに放り込むのか、オープンソース、オープンにしておいてイノベーションの流れをつくるのか。これらの多様化とそれらの組合せ化が始まっているということがこの裏側にあるだろうと。つまり、オープンイノベーションの加速の裏側をもう少し精査したいという感じがありますね。
 それから4番目のデジタル化・ネットワーク化の進展、これは大変な問題で、これは先ほど中山先生がおっしゃったとおりだと思います。私もこの前の日曜日のデジタルコンテンツグランプリの審査委員長で丸一日審査していました。そこで実感したことは何かというと、ものづくりとサービスの多様な関係性が生まれたことです。それから、製造とサービス業における多様な関係が生まれたこと。それから、コンテンツとテクノロジーとデバイスの関係性が非常に密接になってきたこと。そして、これらの関係が変容と多様化しつつあることが裏にある、こういうことだと思うんですね。
 さらに、5番目の資源価格の高騰云々ということは何だろうというと、資源の1対少数対応が崩れてきたということですね。すなわち、例えば農産物が食品だというイコールで1対1対応してきたものが、今は農産物はエネルギー資源でもあるよというような動きがあるということなんです。ということは何を意味するかというと、資源の国家間配分問題ということに加えて、資源の産業間分配ないしは配分問題になってきたということなんですね。そうすると、当然知財とも絡んでくるし、リスク分散・配分問題にもなってきているわけです。そのときに、先ほど渡部先生が言われたように、グローバルな視点で見ないといけない。この話が単に資源が高騰したから対応しましょうね、といった話になってくるとまずい。その根底にあるのは実は知財戦略と密接に関係しているんだと、こういうことだと思います。
 そうすると、この5つを全部見たら要するに何なんだろうと。それはプロイノベーションにどう対応するのかということなんですね。そうすると、プロイノベーションを中心にすえてみてみると、恐らくその次のページはこう解釈できる。つまり、その根底にあるのは3点だと。
 1つ目は、シーズ起点型、すなわち技術を創出して、それを活用するという、いわゆる私が呼んでいるテクノロジープロジェジェクションモデル、つまりフォワード型だけではなくて、恐らく反対に、活用を前提にしたビジネスリフレクションモデル、ビジネスを起点型のモデルも同時に考えなきゃいけないということです。それからもう1つは、メタレベルで、ソーシャルイシュードリブンモデルと私は呼んでいますけれども、社会的な問題や課題を起点にしてイノベーションを起こすというやり方もあるということです。要するに、イノベーションモデルの多様化に対応しなければならない、プロイノベーションを1つのモデルだけでやろうということではだめなんです。もちろんしっかりした基礎技術があって、それからすごいイノベーションが生まれるというのは王道ではあるんですけれども、王道だけやろうかということで良いのか、それがここでは問題になってますね。
 それから、2番目は何かというと、知的財産権中心の議論から変わってくるだろうということです。これは三尾先生がさっき言われたように、プロパテントの意味がプロイノベーションの中では変容を遂げ始めている、ここがポイントだろうと思うわけですね。すなわち、オープンイノベーションみたいな、プロパテントとはちょっと違うニュアンスをやったときに初めてイノベーションが動くんだみたいな議論がIBM中心に行われているような状況ですから。要するにプロイノベーションの中でのプロパテントの意味づけの変容と多様化をどう読むかということが我々の長期的な戦略に関与してくるだろうと、こういうふうに思います。
 それから3番目、ここには直接は書かれていないんですが、昨年度の議論の中で私大変よかったなと思っているのは、分野別に戦略を見るということをやったということですね。やはり知財人材育成をやってる人間から言うと、医薬品のイノベーションないしは知財マネジメントの話とIT系の話はやはり全くかみ合わないということがあります。それは人材育成ではすごく困ることで、我々が努力しなくちゃいけないことなんです。やはりここで次のことを考えるときに、分野別の戦略とか分野別の違いをやはり意識しつつ議論をしたいなと思うわけです。
 最後に1点、知財人材育成の施策について申し上げると、随分知財人材育成は進んではいるし、それから皆さんのご努力で展開はされてはいるんですが、ただやはり私から見るとまだまだ足りないどころではない、というのが実感です。
 それは何かというと、旧来型の人材の育成は進みました。だけれども、新しい知財マネジメント人材だとか、先ほども出ました総合プロデュースないしはビジネスプロデュースができる人材だとかについては全く進んでいないと思います。それから、人材育成をする人材も全く育っていない。もちろん少しは育ってますが、全体の数の中ではまだまだ足りない。その意味では一方で新しい施策その他を出すにしても、もう一方でそれこそ地域人材やなんかも含めて大胆な加速をしなくちゃならないんじゃないかと思います。人材育成は地道な作業ですけれども、大胆な加速をする時期にきていると私は思いますし、その意味でも知財人材イノベーションをやっていかなければいけないと強く感じております。
 以上、ちょっと別の観点からコメントさせていただきました。
○相澤会長 ありがとうございました。
 皆様から一通りご意見伺ったわけでございますが、本日ご欠席の委員もおられますが。ご意見が寄せられておりますでしょうか。もしありましたらば、事務局から紹介をいただきたいと思います。
○内山事務局次長 本日ご欠席の関田委員から、冒頭ご説明したとおり、資料5のとおりご意見を書面で提出いただいておりますので、その旨だけご紹介をさせていただきたいと思います。内容はご参照いただければと存じます。
○相澤会長 ということでございます。
 ただいま非常に短い時間で恐縮でございましたが、それぞれご意見をいただきました。それから関田委員からの書面でのご意見が寄せられております。それでは、全体的に何かご意見をいただけることがございましたら。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 先程から知的財産権にかかわるコストの話が大分出てきていました。確かにコスト、かかる費用といいますか、それについて今まで徹底的に議論されたということはほとんどなかったと思うのです。ですから、どこかのところでそれもきちっと取り上げる必要があると思います。例えば無駄なことはいっぱいあります。重複審査もされているわけです。同じ出願が世界各国に出されて重複審査がされているわけです。それがなくなるだけでもかなり審査コストは下がると思います。
 それから、いろいろな制度、仕組み、既得権と言いますか、先程の弁理士がいい例です。アメリカ、ヨーロッパでは私どもは海外の自分たちの関係企業に特許弁護士、弁理士等を雇いまして、まだ全てではありませんけれども、ユニークなものも直接庁に出願しています。そうすると、内部コストで全部できるわけです。
 ところが、中国でできるか、日本でできるか、韓国でできるか、といわれるとこれはできないのです。つまり、出願代理ができないのです。これはある意味では弁理士の既得権みたいなもので、自分たちがハンドリングするのだというわけです。極論を言えば、中身も本当にきちっと把握しているかいないかという問題も出てくるわけです。社内の人間でそのような資格を持っていれば、場合によったら品質はよくなる、コストも安くなる。そのように世界的に見たときに、知的財産に費やすこのようなコストの評価を場合によっては明確にやっていった方がいいのではないかと思います。これは、先程中山先生が仰いました侵害訴訟なども当然大変な費用がかかるわけで、そのようなものを評価してはどうかということです。
 それから、パテントトロールの話も先程出ていました。当然のことながら特許法というのはあくまでも産業の振興のためにできたと思うのですけれども、それを弁護士がただ金儲けのための手段として使っているだけなのです。それをパテントトロールというように言っているわけです。日本には余りないというのはまさにそのとおりです。我々企業の人間が一番問題視しているのは、今のアメリカでの訴訟なのです。我々の場合、知的財産費用の中の0.1%から1%程度ですが、訴訟には莫大な費用がかかっていると言えます。
 よって、実態も含めてきちっとした議論をしていかないと、おかしな方向にいってしまうのではないのかと思います。インテレクチュアル・ベンチャーズなどに対しても我々が不安に思っているのは、どこかからファンドがあって金が出ているわけで、それでどんどん特許権を買っており、それが正当なる形での費用維持ができなくなると、当然のことながら金のための特許権行使みたいな形で動くことになります。そういうことを恐れているわけです。
 従って、全体像を総合的に見ていかないと、一方向だけからみて議論していると変な方向にいってしまうのではないかと懸念しております。
 先程の知財コストに関しては、議論するのであれば、この中できちっと議題に入れて、もし全世界で無駄をやっているのであれば、あるいは日本の中で無駄をやっているのであれば、どうやって工夫して知財コストの全体を下げられるのかという議論が必要だと思います。
○相澤会長 ありがとうございました。
 そのほかいかがですか。
 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 きょうの議論を本当にやろうとすると、相当緻密な議論をやらないと話が上滑りになってしまうじゃないかなということを心配します。今コストの件についても田中委員からいろいろご指摘あったですけれども、いろいろな施策についてもやはり深堀していかないと、なかなか新しいものは見えてこないんじゃないかというふうに思うですね。そういう意味でこれからのタイムスケジュールでそれを埋めていくためにどうやったらできるのかということをやはり事務局サイドで十分ご検討いただいて。せっかくやる以上はいいものをぜひつくっていただきたいと思いますので、また、つくっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○相澤会長 ほかはいかがでしょうか。
 よろしゅうございましょうか。
 それでは、ただいまご指摘いただいたことを事務局で、これは大変な作業になりますが、十分取り入れられるところは取り入れて整理していただきたい。次回から、まず創造というフェーズ、それから保護、活用というようなフェーズに進んで、来年になりますが、全体をにらんだところでの議論に展開させていくと、こういうスケジュールで進めさせていただきます。
 本日の会合は以上とさせていただきたいと思います。
 次回の会合については事務局から説明願いたいと思います。
○内山事務局次長 ありがとうございます。次回、第2回目の会合でございますけれども、冒頭ご説明したとおり、ちょうど本日から3週間目の10月31日、金曜日、午後2時から4時まで、当会議室で開催の予定でございます。
 議題でございますけれども、今会長のほうからお話ございました、創造、保護、活用のうちの創造の部分と、それから保護につきましては(1)の知的財産の適切な保護の、数字で恐縮でございます、@とCないしEということで。A、Bの権利付与の迅速化と安定性・予見性の向上は、これはその次々回ということでございますので、議題としてはそういう形でやらせていただきたいと思います。またご連絡はさせていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
○相澤会長 これで本日の会合は終了させていただきます。
 どうも長時間にわたりましてありがとうございました。