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検証・評価・企画委員会(第9回)日 時:平成26年4月24日(木)16:00~18:00 場 所:中央合同庁舎4号館 620共用会議室 出席者:
○中村座長 では、ただいまより知的財産戦略本部第9回の「検証・評価・企画委員会」を開催いたします。 御多忙のところ、お集まりをいただきまして、どうもありがとうございます。 本日は、アジェンダが5つございます。 教育の情報化、オープンデータ、模倣品・海賊版対策、コンテンツの海外展開、そしてコンテンツ人財の育成に関する各省の取り組み状況について報告をいただいて、議論を行うこととしております。 本日、奥山委員、角川委員、日覺委員、長谷川委員、松本委員、山田委員、山本委員は御欠席との連絡をいただいておりますが、もう少し遅れて来られる委員の方もおられるようでございます。 また、奥山委員の代理として、中村合同特許法律事務所の飯田様に御出席をいただいております。よろしくどうぞお願いいたします。 では、冒頭早速でございますけれども、山本大臣に御挨拶をお願いできますでしょうか。 ○山本大臣 御多忙の中「検証・評価・企画委員会」にお集まりいただきまして、ありがとうございます。 この委員会のもとに設置されたタスクフォース等々でも出席しておりますが、複数の委員会に所属していただいている方々もおられて、重ねて感謝を申し上げたいと思います。 本日は、第7回の会合に次いでコンテンツ分野の議論ということで、我が国の成長戦略を考えていく上で大変重要であり、各施策をそれぞれ深掘りしていく必要があると考えております。 特にコンテンツの海外展開は、前回御報告いただいた「音楽産業の国際展開に関するタスクフォース」の提言とも密接に関連をしています。支援ツールを積み重ねて、とにかく成功事例を積み重ねていくことが非常に大事だと思っておりまして、各省の施策あるいは連携のあり方についても御議論いただければと思います。 本日は、オープンデータについても話がある予定ですが、私はIT担当大臣でもございまして、今「司令塔連携・調整会議」というものをつくっているのですが、IT戦略本部と知財本部との連携も図っており、知財とITの交差領域については組織の上でもしっかりと連携を図っていきたいと思います。 忌憚のない御意見をいただいて、前回申し上げましたが、この「知的財産推進計画2014」を取りまとめてまいりたいと思います。本日もよろしくお願いいたします。 ○中村座長 では「知財政策ビジョンの検証について」議論に移りたいと思います。 まず、事務局から配付資料の確認をお願いします。 ○田口参事官 事務局でございます。 議事次第をごらんください。 本日の配付資料につきましては、議事次第の下の半分のところに記載してございますが、配付資料は資料1から資料10までと、参考資料として「音楽産業の国際展開に関するタスクフォース報告書」をお配りしてございます。 事務局で準備した資料としては、資料1「知的財産推進計画2013における指摘事項抜粋資料」がございます。本日、御説明いただく5つの事項につきまして「知財推進計画2013」において、どのような記載であるのかを抜粋したものでございます。それぞれの関係省庁からの発表の際に、この資料もあわせて御参照いただければと考えております。 また「音楽産業の国際展開に関するタスクフォース報告書」を参考資料として配らせていただいておりますが、これは、第7回の「検証・評価・企画委員会」において重村議長より御報告をいただきましたが、その際、委員の方々から何点か指摘事項がございましたので、重村議長の一任で修正作業を行ったものです。その修正作業後のものを参考資料として配付しております。 以上でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。 前回は2つのタスクフォースの話をしていただいて、それを我々としてどう扱うのかという議論をいたしました。 今日は、これまでの政府関係省庁による取り組みについて報告をいただいた上で、我々としてそれを検証・評価をして、それを次の知財計画にどうつなげていくかという議論となります。 アジェンダは5つ、今日も盛りだくさんであるのですけれども、進行方法として3つに分けたいと思います。 まず最初に「①教育の情報化」と「②オープンデータ等」について説明をしていただいて、一度意見交換を行う。 2つ目に「③模倣品・海賊版対策」と「④コンテンツの海外展開」の説明をいただいて意見交換。 最後に「⑤コンテンツ人財の育成」の取り組みを説明していただいて意見交換というブロックで進められればと思っております。 では、まず最初のテーマ「①教育の情報化」についての説明を文科省からお願いいたします。 ○酒井文部科学省情報教育課情報教育振興室長 失礼いたします。 文部科学省生涯学習局情報教育課の酒井でございます。本日は、よろしくお願いします。 資料につきましては、お手元の配付資料の「資料2」という2枚紙の資料がございますので、そちらをお手元にしていただきながら、お話を聞いていただければと思います。 では、説明のほうは大変恐縮ですが、座って説明させていただきます。 「学びのイノベーション事業実証研究報告書」ということでございます。 本事業につきましては、学校の教室の中で1人1台のタブレット端末、電子黒板、そして、それらをつなぐ無線LAN、Wi-Fiを整備した環境の中で、各教科においてどのようにICTを効果的に活用していくのか。そして、子供たちが主体的に学習する「新たな学び」というものを創造していくといったような実証研究をさせていただいたところでございます。 期間は平成23年度から平成25年の3カ年にわたり行いました。 柱としましては、実証校における取り組みやICTを活用した指導方法の開発の御提案。それから、教育の効果あるいは学習者用デジタル教科書の開発といったことでございます。 まず「実証校における取組」でございますが、実証校は全国の小学校、中学校それから特別支援学校から、小学校は10校、そして中学校は8校、特別支援学校は2校というような規模で、具体的に現場で取り組んでいただいたところでございます。 資料2の上のほうに「実証校における取組」ということで御紹介しておりますが、実証校においては「画像や動画を活用した分かりやすい授業」。理解しやすい授業によって子供たちの興味・関心が高まり、そして子供たちの学習意欲、こういったものが向上したということでございますし、児童生徒の学習の個々の、一人一人の習熟度に応じたデジタル教材というものを活用しまして、一人一人の理解が定着している。 それから、電子黒板というものを使っておりまして、こちらではクラスの全員で発表をしたり、それをもとに話し合いをするということによりまして、協働学習というのでしょうか、思考力や表現力、こういったものに効果があるということでございます。 また、特別支援学校は病弱のお子さんの学校を対象にしましたけれども、特別支援学校本校と病院内の院内学級をテレビ会議システムで結んで、実際に効果的な授業を実践いただくというところでございます。 この実証的な研究におきまして、各教科におけるICTの効果的な指導方法というものをやっていただいておるのでございますが、効果的な指導方法としましては、類型化を主に3つの学習場面ごとに考えられるのではないかということで、3つの学習場面ごとに合わせて、ここでは10個でございますけれども、10個の類型化をして、そして御提案をさせていただいているところでございます。 まず「A 一斉学習」の場面、特にこちらは授業の初めの導入に当たりまして先生が電子黒板を使いまして、大きな画面で教材を提示し、ここでは普通の動かない画面だけではなくて、音声、動画なども活用しまして子供たちの関心を引くといったような効果があると思います。 「B 個別学習」でございますが、こちらは5つの類型があると思いますが、1つだけ御紹介させていただきますけれども、B1と書いてございますが「個に応じる学習」ということでタブレットにドリルのソフトが入っておりまして、それぞれで習熟度に応じて進めていくことによりまして効果が上がるのではないか。また、自動採点システムなどによりまして、結果がすぐわかるといったような取り扱い方があります。 「C 協働学習」は、タブレットPCや電子黒板などを用いまして、子供たちがタブレットPCで考えました意見などを全体で話し合うといったことで効果があるということでございます。 2ページ、そういった活動を通じまして、子供たち、あるいは学校の先生にアンケートをとりました。子供たちの意識ということでございますが、この実証研究、3年間を通じまして約8割の児童生徒が肯定的に評価している。学習がわかりやすいとか、楽しく学習できたということが初年度だけではなくて2年目、3年目についても継続して意識があらわれているということでございますし、指導をなさっている先生の意識についても、8割以上の先生方が意欲を高めるとか、わかりやすい授業に効果的だとか、そういった肯定的な意見、評価がありましたし、先生自身のICT活用指導力についても平成22年10月では51%ほどでしたが、平成25年の12月では77.6%まで向上したということでございます。 最後に、学習者用デジタル教科書ということでございますが、こちらについても実際に使っていただきまして、評価としましては楽しく学習ができたとか、8割以上の子供たちが肯定的に回答したところでございます。 なお、昨年の秋、内閣府の行政改革推進会議でICTを活用した教育学習の振興に関する事業が対象として選定されたわけでございますが、こちらでは少ない予算で効果を上げるという発想に欠けているのではないかとか、事業を絞り込んで行うべきではないかと、そういった御指摘もいただいたところでございます。 以上、簡単でございますが、学びのイノベーション事業についての御報告をさせていただきました。ありがとうございます。 ○中村座長 どうもありがとうございました。 続いて「②オープンデータ等」について、公共データの2次利用促進の観点から、内閣官房IT総合戦略室から説明をお願いいたします。 ○濱島内閣官房IT総合戦略室参事官 参事官の濱島でございます。座って説明をさせていただきます。 資料3をごらんください。「オープンデータの取組における二次利用を促進するルールの整備について」というペーパーがございます。 「知的財産推進計画2013」との関係で言いますと、一番下のピンクの段のところでございますが、公共データの二次利用の促進といたしまして、電子行政オープンデータ戦略において公共データの広範な二次利用を促進する観点から、公的機関が保有する公共データに関して、ビジネスや教育を含む公共サービスにおける利用促進のための統一的なルールなどの基盤整備について検討を行い、必要な措置を講ずるとされております。 次のページ、私どもの検討でございますが、昨年の6月25日でございますけれども「二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)」という形で各府省CIO連絡会議の決定といたしまして、各省にお示しさせていただいたところでございます。 このガイドラインにおきまして、二次利用促進の基本ルールのあり方といたしまして、国が著作権者である著作物については、国においてどのような利用条件で公開するかを決定できるので、広く二次利用を認めるような形で、あらかじめ著作物の利用に関わる考え方というのを表示する。そしてその表示の仕方については、できるだけわかりやすく統一的なものにするというような方針。 もう一つは「公開データの二次利用を制限する場合は、制限の範囲を必要最少限に限定し、その内容及び根拠を明確に表示する」。こういったような方針をガイドラインとして示させていただきまして、さらにその後、平成25年10月以降、各府省への照会を行いつつ、電子行政オープンデータ実務者会議におきまして、各府省ホームページの利用ルールの見直しのひな形であるところの「政府標準利用規約」(案)について、御議論をいただいてきたところでございます。 そして、最後のところでございますが「政府標準利用規約」(案)の概要について、こちらのほうに記載させていただいております。これは平成26年の4月1日の電子行政オープンデータ実務者会議で御了解されたところのものでございます。 その内容でございますが「利用の条件は『出典の記載』」ということといたしまして、基本的に出典を記載すれば自由な利用(複製、編集・加工等)は可能という方向にいたしました。コンテンツを編集・加工して利用する場合には、出典とは別に編集・加工等を行ったことの記載をしていただくというようなこと。 それから、一定の利用形態につきましては禁止をする一方で、見直しの検討の規定を入れたと。その法令、条例または公序良俗に反する利用や、国家・国民の安全に脅威を与えるような利用は禁止する一方で、平成27年度に見直しの検討を行うというような規定を設けました。 また、コンテンツにより別の利用ルールの適用といったものについても、範囲・理由等を表示した上で別の利用ルールの適用を認めると、このような方針を出させていただいたところでございます。 以上が、オープンデータ関連でございます。 引き続きまして、御参考といたしまして「パーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針」こちらが第63回IT総合戦略本部、これは昨年12月20日でございますが、ここで本部決定をなされましたので、これの御報告をさせていただくとともに、今後の取り組みについて御報告させていただきたいと思っております。 まず背景は、これは皆様御存じのとおり、釈迦に説法になってしまいますが、ビッグデータのうち特に利用価値の高いとされておりますパーソナルデータ、これは個人の行動の状態でございますとか、こういったデータでございますが、こういったものが個人情報保護法が制定された当時には想定されなかったような利活用が現在、行われているというようなことで、その一方で消費者のプライバシー意識というものも変化が見られてきまして、事業者が個人情報保護法を遵守していたとしても、プライバシーに関わる社会的な批判を受けて、例えばサイトで炎上してしまうといったようなケースが見られるわけでございます。 方向性といたしましては、ビッグデータ時代にふさわしいパーソナルデータの利活用に向けた見直しといたしまして、保護されるべきパーソナルデータの範囲の明確化でございますとか、ビッグデータ時代でございますので、個人の同意を得ずに活用できるようなデータの類型と、第三者提供に当たって本人同意を要しないような類型というものを考えて、これを取り扱う場合の事業者が負うべき義務等を法的に措置していく。 あるいは、センシティブデータと言われるものについては、その特性に応じた取り扱いを検討していくといった方向性。 「プライバシー保護に対する個人の期待に応える見直し」といたしましては、保護と利活用の推進のバランスをよく推進するというような観点から、分野横断的な統一見解の提示や行政処分を行う、独立した第三者機関の体制を整備するということを本部決定させていただいたところでございます。 現在の検討の状況は次のページになります。 検討の主体は、同じく山本IT政策担当大臣のもとに検討を進めておりますパーソナルデータに関する検討会ということで、こちらのほうを第6回会合といたしまして、3月27日に再開をさせていただいて、検討を進めているところでございます。 大まかなスケジュールでございますが、3月27日の第6回に大綱に向けた議論の進め方と第三者機関を検討していただいた後、第7回、第8回、これは本日でございますが、定義でございますとか、それから個人の権利利益や個人情報取扱事業者の義務、第9回の会合におきましては医療等の情報の扱いですとか、認定個人情報保護団体罰則。最終的には10回の5月下旬に大綱検討案をお示ししつつ、6月中には大綱案を取りまとめ、各省協議をかけ、そ後、IT総合戦略本部における大綱決定、7月にはパブリックコメントというような方向といたしておりまして、来年の通常国会にその法案が提出できるように、これを目指して現在準備を進めているところでございます。 内閣官房IT総合戦略室でございました。以上でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、今2つ御報告をいただきました内容について、質問、コメントなどあればお出しいただければと思います。いかがでしょうか。 ○山本大臣 教育の情報化の話ですけれども、今、中村座長ともお話ししていたのですが、実証研究の例を出していただいて、これは非常にうまくいっているということなので、後はこの後どうするかということだと思います。つまり、教育の情報化の推進のためのデジタル教科書や教材の位置付け、これらに関する教科書検定制度のあり方、著作権制度等の課題があり、これは幾つかの法律改正も必要になってくるかもしれないと思うので、この実証研究がようやく始まって非常にいい成果を上げられたということなので、この後どうするのか、例えば具体的なタイムテーブルを文科省として設けるのか。つまり、実証研究は上手くいったが、次に行くとすれば、例えば3つぐらいの法案を直さない限りは多分先に進まない、ということならば、デジタル教科書を導入して、デジタル授業を導入していく上で、これらの法律が今どうなっていて、どういう問題点があって、どこを変えればいいのか、変えるための様々な課題は何なのかと、これを整理する次のステージに進まなければいけないと思います。そういう計画が文科省の方で考えているのかお聞かせいただきたいと思います。 ビッグデータの話については、どうしてもパーソナルデータの取り組みが進まないと、進まないということなのですが、これまで経産省や総務省で色々とやっていたのですけれども、今般、IT戦略本部で検討会を作り、ここでまとめてやることになりました。5月下旬に大綱を作り、法律も作るということで、今まで法案を出すタイムテーブルはなかったのですが、初めて来年の通常国会に法案を提出しようということになりました。IT戦略本部に一応部屋も作りましたし、これはしっかりとIT戦略本部としてやっていくということを、IT担当大臣として改めて報告をさせていただきたいと思います。 ○中村座長 今の点、文科省はいかがでしょうか。 ○酒井文部科学省情報教育課情報教育振興室長 大臣、ありがとうございます。 デジタル教科書のことにつきましては、学校においてICTの活用を進めていく上で、子供たちに学習への興味・関心を高めていくとか、わかりやすい授業を進めていくということは、こういった実証の中でも効果的だということが出たわけでございますが、現状、デジタル教科書につきましては、副教材としては使用することも制度的には可能となっているところではございますが、これをいわゆる教科書といいますか、主たる教材である教科用図書として位置づけていくためには、今仰ったとおり、法律といいましても学校教育法でありますとか、教科書の無償に関する法律でありますとか、そういったものの整備とか関係の調整が必要になってくるのではないかと思っております。 これから検討する上で、制度的にいろいろな課題があるわけでございますが、仰るとおり、現状の紙の教科書と併用すべきなのか、あるいは代替するということもあり得るのかといったことや、あるいは教科書は検定をしておりますが、その検定の範囲をどこまでするのか、動画とか音声とか、外にウエブのリンクの先までとか、そういったことも課題になるのではないかとか、無償措置の対象とするにはどのあたりまでのコンテンツを対象とするのか、そういったあたりが大きな課題だと認識しております。 ○山本大臣 そうすると、それをフォローアップする機関というか、体制、仕組みとか、そういうのはまだ検討していないということですか。 ○酒井文部科学省情報教育課情報教育振興室長 まだ具体的には、そういったところまでは。課題については先ほどお話ししましたようなものがあるということは認識しておりますけれども、具体的なスケジュールということは、ちょっとまだ具体的なところは進んでいない状況でございます。 ○中村座長 その点については、ちょっと私からも一言申し上げたいのですが、その課題実は2年前からわかっておりました。 2年前の知財計画で今、書いてあるようなことを実証研究などの状況を踏まえつつ、検討するということが明記されたところです。2年たっています。 ここの「実証研究などの状況を踏まえつつ」という「つつ」という字がそのとき入ったのが大きなことだと私は記憶をしておりまして、それは実証研究が終わってから検討するのではなくて、実証研究を進めながらという意味合いをこの知財計画の上では持たせたものと私は認識しています。 ですから、本来であれば検討が進んで、必要な措置は何なのかということを議論していただく段階にあるのではないかというふうに、これは私の個人の意見ですが、思っておりますので、またこの知財計画の次をまとめるに当たって、ちょっと議論を進めさせていただきたいと思いますが、そのような指摘があったということをお聞き受けいただければと思います。 ほかにいかがでしょうか。野口委員、どうぞ。 ○野口委員 教育とパーソナルデータと一言ずつ申し上げたいと思います。 教育については本当に今、大臣と中村座長が御指摘されたとおり、日々コンピューター、ITの進化を見ていますと、特に、計算したり記憶したりするということについて、人間はコンピューターに絶対勝てなくなってきていると痛感します。 そうすると、教育の本質というものはどこにあるべきかを考えなおさなければならないタイミングに来ているのではないかと感じます。学力の基礎になる知識を記憶させるということはもちろんとても大事なことなのですが、繰り返し繰り返し知識を暗記させるだけの教育では、結局、コンピューターには勝てないミニコンピューターを一生懸命育てるということになってしまうわけです。そのような、知識の暗記や、先生に指示されたことを受け身で丁寧にこなしていくことを評価する教育を大学までやってきて、いきなり社会人になったときに、クリエイティブな発想ができる人間が欲しいと言われても、そのような発想を育てる教育をしていなければ、急にできるようにはならないのです。 コンピューターではできないような発想、つまりは、いろいろな情報を状況に合わせて柔軟に組み合わせ新しい発想で企画やプロジェクトをつくることなど、コンピューターに比べて人間が得意な能力を磨くことに、これから教育のフォーカスをシフトさせていかなければ、クリエイティブな人は育っていかないのではないかなという個人的な問題意識があります。だから、タブレットを使えばいいというような単純な話ではないとは思うのですが、やはり欧米に目を向けますと、教育のプログラムがもっと柔軟で、教育をもっと自由に時代に合わせて工夫することができる。その中からいわゆるFlipped Classroomといって自宅で予習をして教室で分からない点を先生や仲間の子どもたちが教えあう方法などが生まれてきたり、オンライン学習を用いて子どもたちの学習でどこが躓いているかを分析したり、 そういうクリエイティブな企画を考えたりプレゼンテーションしたり、ある課題をいろいろ調べて 新しいプロジェクトをつくっていくようなことを、教育課程でも一生懸命取り入れていくという傾向がやはり顕著になってきていると思うのです。 それに比べますと、やはり日本の今の教育は、まだ知識の暗記にフォーカスが当たり過ぎているのではないかと個人的には感じていまして、非常に一般的な感想ですが1点申し上げさせていただきました。 あと、パーソナルデータについては、本当に大臣の肝いりもありまして、法案に向けて動いているというのは本当にすばらしいことだなと思います。ただ、1点お願いがございます。最初の委員会でも申し上げたのですけれども、私の基本的な認識では、プライバシーに対する意識は広まってきているので規制の対象を広げましょう、ということだと思うのですが、広げ過ぎると今度は事業活動に支障が出るので、そこは例えば匿名化等の配慮をしたようなものについては使いやすくしましょうという両面を議論していると理解をしております。使いやすくするという点については、第三者提供の話が中心的に取り上げられているのですが、今の法令の規制を見ますと、第三者提供と目的外使用と2つ課題があると思っております。医療データの例をとると、ある大学の研究機関が特定の助成金をもらった、もしくは委託事業でもらっている、この研究をするためにこの血液のデータを集めたとします。それを例えば匿名化したらほかのプロジェクトにも使えるかどうかということが、第三者に提供できるのかというのと同じくらいクリティカルだと思います。例えば米国では、法令ではないでのですが、事実上のプラクティスとして、匿名化をした場合には、それはプライバシー関連の規制から外れるということで、第三者提供と目的外使用の両方ができるということになっていると思うのですが、日本では、第三者提供の声が非常に事業者から高かったから、何かそこにだけフォーカスが当たってしまっていて、余り目的外使用のところは議論されていないのではないかというところが問題意識として私の中にあります。万が一そこが余り検討されていないということであれば、今回のスケジュールでは手遅れになりつつあるというか、時期的には今さら蒸し返すのはちょっと遅いかもしれないのですが、可及的に速やかにフォローアップしていただくとかということを検討したほうが、日本のビッグデータはもっと一歩進むのではないかと思っております。 ○濱島内閣官房IT総合戦略室参事官 先生、よろしいですか。 パーソナルデータにつきまして、大変貴重な御意見を頂戴いたしました。 ここには制度見直し方針の結果といたしまして、第三者提供のことが強調されておりますが、当然その目的外利用につきましても、パラレルに検討していかなければならない課題だと思っております。 現在、素案等をいろいろな形で私どもお示しをさせていただいておりますので、今後も今いただいた先生のお話なども頭に入れながら、原案を策定させていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○中村座長 では、川上委員、先にどうぞ。 ○川上委員 パーソナルデータについて、今、第三者利用について議論されているということなのですが、僕が思うところは2つあります。1つは、日本のほうでいろいろルールを決めた場合、インターネットサービスで、例えばグーグルさん、フェイスブックさん、いろいろな海外のグローバルプラットフォーム会社というのは割合非常に個人情報を自由に利用しているわけです。自由に利用できる担保というのは、その利用規約というものを自動的に承認する仕組みというのが用意されていて、サービスを利用すると自動的に承認されるのです。 そういう仕組みで自由に利用されている個人情報というものを日本国内の法律で規制できるのかどうか。それが規制できないとすると、国内で何か規制した場合というのは、日本のIT産業の競争力が落ちる危険性がある。これがまず一点目。 もう一点目は、この第三者の利用提供というのは非常にわかりやすいのでそこが規制の対象になりやすいのですが、こういうことに焦点が当たっていると今後どうなっていくかというと、既にビッグデータを持っているところが強くなるのです。本当はそのビッグデータを、例えばグーグルさんが持っているデータを楽天さんが使用するのは、これはできないのだけれども、グーグルさんが楽天さんと同じようなサービスをした場合というのは自由に利用できるというふうに、一旦ビッグデータが集まったところがどんどん有利になっていて、ビジネス領域を広げられるような結果になるのですね。 そうすると、パーソナルデータの規制が強化されるというのは、日本のIT業界にとっても、基本的には非常に危険なことだと思っていますので、僕は余りそんなことを言わなくてもいいのではないかなと、正直そういうふうに思っています。むしろ危険だと思います。危険だというのは競争力をなくすということと、それと実効性が海外企業に対しては恐らく余りないのではないか。この2点においてです。 以上です。 ○久夛良木委員 私のほうからも、パーソナルデータの利用についてコメントさせていただきたいのですが、インターネットが世界につながっている状況下で、我が国だけの特殊な、ほかの国と異なる制度をお作りになるのか、それともグローバルスタンダードに合わせていきながらバランスをとってルール運営をしていくのか、このいずれかの方向の選択だと思うのですが、いただいた資料の中でいろいろお読みすると、後者のほうを目指すというふうに書かれている。つまり、バランスをとった上でグローバルルールになるべく準じながらも、やはりきちんとプライバシーを守るというふうに今、議論が進んでいると理解しているのですが、そういった中で、個人情報の規定の範囲がどんどんどんどん動いているように感じます。もちろん時代がこういう中ですから動いているのだと思いますが、実質的個人識別性について議論の中で、個々のデータ自体では個人情報というものには直接当たらないにしても、いろいろな情報をあわせると個人情報となりえるという可能性については慎重に考慮しなければいけないと思いますが、一方でJIAAのような民間団体のほうでは完全な統計データについて、あらゆる情報を集めても個人情報には至らないというものまで含めて規制の対象にはなるのではないかというふうにまた議論もされていると話をお聞きしていて、このまま進むと本当に、場合によってはあやふやなまま、今、川上委員が仰ったように、我が国だけが競争力を失いかねないという危惧もあるので、ぜひこの点は先送りにしないで今の時点でできる範囲でなるべくはっきりと、ここの部分は国として守るけれども、ここの部分はきちんとみんなで知恵を出し合って利活用を進める方向でいこうということも、大臣もいらっしゃるので、ぜひメッセージとして出していければ嬉しいと思います。 ○中村座長 ありがとうございます。 ○濱島内閣官房IT総合戦略室参事官 先生、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。 いずれにいたしましても、私どもパーソナルデータの保護の範囲というのを明確化していく。現代的に合った形にしていくというようなことと、それから当然ながら今回、制度見直しの方針の大きな目標としておりますのは、やはりビッグデータビジネスの振興というようなところがございます。 この2つをどうにか保護を考えておられる方、それからビッグデータのビジネスというものをどんどん広げていきたいという考え方、それから、個人情報の保護に関して申しますと、アメリカとEUとではかなり考え方が違っているという現実もございます。こういったところとも調和を図りながら日本らしい制度をつくっていくというようなこと、こういったものをそれぞれ意見を大切にしながら、着地点を探りたいというようなことを今やっております。 今日の御意見も大切に受けとめさせていただきまして、今後の議論に反映させていきたいと思っております。 ○喜連川委員 教育に関しましては、山本大臣も仰ったように、デジタルコンテンツをクラウド環境で利用する場合の著作権の問題、あるいは授業中にどこまでそのデジタルコンテンツを公衆送信に当たらないように使うかとか、いろいろな心配がされていて、大学の先生も高校の先生も真面目ですので、すごく大きな萎縮効果が出ていると思うのですね。 したがいまして、やはり制度面をきっちりと押さえていただけると大変ありがたいと思います。我々情報系がいろいろなところで集会をやりますと、その辺に関する質問は山のようにいつも出てくるということがあります。 オープンデータに関しましては、先日イギリス大使館の方が来られましてシンポジウムをやったときに、彼らは、ビッグデータのビジネスをするならイギリスに来てください、と日本のベンダーに言った。そういう意味で、日本がほかの国に比べてどういう点でビッグデータを強く打ち出せるポイントがあるのか、そこまでの戦略性を考えていく必要があるのではないかなと感じます。 それから、昨日日本国際賞の授賞式が行われましたが、我が国は末松先生が光ファイバーに準ずるレーザーで国際賞を受賞された。国際賞をとられたときに御説明になられたのは、光技術というのは日本がずっと先導してきているにもかかわらず、日本のネットワークは先生の技術が使えていない。各国は既に100ギガの回線が走っているのに、我が国は40ギガしか走っていない。ビッグデータもオープンデータも教育のIT化も、ぜひITのインフラをまず強靱化することについて、ちょっと話はそれますけれども、ぜひお考えいただければと思います。 ○山本大臣 大変貴重な御意見ありがとうございます。 パーソナルデータの検討会の方は、説明がありましたけれども、本当に整理する項目が多岐に亘っているのですが一つ一つ丁寧にやってまいりました。パーソナルデータの検討会は私の強い意思で作ったのですが、関係各省でやってはみたものの、なかなか進まなかったということで、関係各省の背中を押すためにIT戦略本部でやろうということで立ち上げたわけです。もちろん経産省や総務省の協力も得ながらやってきたのですが、思ったよりも核心部分に及んで、しかも整理も進み、法案や大綱にできる目途がついたということで、ここが政府の中核になったということで、ある意味でIT戦略本部として、司令塔機能のベストプラクティスの1つだと思っています。今後も、委員からいただいた意見をよく参考にさせていただきたいと思いますし、諸刃の剣にならないように気をつけたいと思います。でも、なぜこの検討会をつくったかといえば、パーソナルデータを使える範囲をきちっと明確にする上で、日本にはルールがありませんから、アメリカ型にするのかヨーロッパ型にするのか色々な議論はありますけれども、ちゃんとルールを明確化して、少なくとも産業振興に結びつけ、利活用を促進するということが本元ですので、そこは忘れないようにやっていきたいと思います。今の御意見は担当大臣として承りましたから、きちんとこれからの議論にも生かしていきたいと思いますし、川上委員がおっしゃったように、ないほうがいい、という議論にはならないように、きちっと議論させていただきたいと思います。 それから、デジタル教育の話は文科省にやってもらうしかないので、文科省がやはり中核として頑張っていただきたいと思います。検証・評価・企画委員会は今後も続きますし、次の機会に、まずデジタル化していく上で色々な問題がありますが、法律のどこを変えなければいけないのか、変えるとしたら何が問題なのか、デジタル教育を推進するためにどれが課題なのかというところについて、きちっと整理して議論をする必要があるかと思います。先に進めるかどうかは別の問題として、そこに踏み込んで議論していかないと何も道が開けないので、ぜひそこは文科省の方で準備していただいて、一度、本委員会で議論していただくように、中村座長にもお願いをしたいと思います。 この間、営業秘密のタスクフォースで、営業秘密に関する法案を作れということで、経産省に私の方からも宿題を出して、知財本部で精力的にフォローもしてもらったところ、経産省からも答が来ました。かなり背中を押しましたし、できるところからやろうという結論になったので、同じように、中村座長にも、この問題について具体的な問題を洗い出して、文科省からどういう問題点があるかという点を整理していただく機会を設けていただければと思います。 ○中村座長 どうもありがとうございます。 教育情報化にしてもオープンデータにしても、ここまで議論ありますように、この知財本部の場とIT本部との連携が非常に重要になってきておりますので、そのあたりもひとつよろしくお願いしたいと思いますし、今、大臣から「背中を押す」というお言葉がありましたが、念のため申し添えておきますと、政府でこちらにお座りになっていただく方は、知財政策あるいはIT政策を進めようとしている方々で、だけどいろいろと壁があって、それで汗をかいているという方々ですので、これは検証・評価の委員会ではございますけれども、たたくというよりも皆さんを応援する側だと思っております。 ですから、ぜひとも皆さんも何が難しくて実現できないのかといった、そういった課題をここにぶつけていただければ、ともに考えてまいりたいと思います。 ひとまず、まだあろうかと思いますが、先に進めさせていただいて、後で時間があればこの問題もう一度戻れればと思います。よろしくお願いいたします。 続いて「③模倣品・海賊版対策」についての説明を文化庁からお願いできますでしょうか。 その御報告をいただいた後で、経済産業省からの御説明ということで動いてまいりたいと思います。 そして、その次に総務省さんですね。ぜひ、よろしくどうぞお願いいたします。 ○佐藤文化庁国際課長 文化庁国際課長の佐藤でございます。よろしくお願いいたします。 お手元の資料4「文化庁海賊版対策関連施策」をごらんいただければと思います。 まず、侵害国における海賊版の生産・流通を防ぐためには、我が国の権利者の方々がその国における民事・刑事のシステムを活用して迅速に対抗措置を講ずることが重要であります。そのための環境整備をしていくということと、侵害国の各国の政府あるいは職員あるいは権利者団体がそのエンフォースを行うというのが基本でございますので、そこの方々がそういう形でしっかり整備できるような形に支援をしていくことが大事かと思います。 その上で文化庁のほうでは、まずは、個別の権利者が権利執行をしやすくするよう、文化庁と著作権担当局との「二国間協議」ということを実施しているところでございます。 中国については先方の都合で昨年度は実施できておりませんが、韓国の他、平成24年度より、今後、日本のコンテンツがどんどん出ていくと思われますASEANの中でも特にインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムを対象国として「二国間協議」という形で実施してきているところでございます。 その次でございますが、まず「グローバルな著作権侵害への対応」ということで、まず侵害国における著作権法整備をしていただき、その権利執行を強化してもらうということです。 それから集中管理団体、特にASEAN等での整備というのはまだ不十分でございます。この方々がしっかり権利者のロイヤリティーを利用者から透明性をもって集め、それを分配し、あるいは海賊版対策を実施していくことが重要かと思いますので、その整備に対する支援ということで、このグローバルの侵害の対応をしたいと思っています。それにつきましては、次のページで少し具体的に、昨年取り組んだことを書いております。 次のページを見ていただきますと、2ポツの「グローバルな著作権侵害への対応」ということで、昨年度等につきましては、近年の実績のところにありますように、ASEANのその4カ国を対象に東京においてインターネット上の侵害あるいは著作権の集中管理をテーマとするアジア著作権セミナーというものを、関係者を集めて実施したところでございます。 昨年度、特にマレーシアにおきましては、マレーシアの要望もございまして、JASRAC、レコ協、及びCPRA等権利者団体とともに、マレーシアにおける集中管理制度に対するセミナー等を実施したところでございます。 特に各国の知財の担当部局の幹部への理解ということで、昨年はインドネシア及びベトナムの局長クラスの方々をそれぞれ招聘して日本の現状、関係団体との意見交換等を実施したところでございます。 平成26年度につきましては、特にここにありますようにベトナム、あるいはマレーシアを対象に、ここの事業を実施していきたいと思っております。 2番目でございますが「トレーニングセミナー」と書いております。これは特に侵害国の取り締まり機関の職員を対象とした真贋判定等のセミナーということで、昨年度中国、香港等7都市で実施いたしました。昨年、特にインドネシアで初めて実施してみました。これはCODAが委託先でございますけれども、インドネシアは特に行政部門に取り締まりを行う部署があるようでございまして、そことのネットワーク等も今後必要かと思いまして、初めて実施したところでございます。今年度は、記述されている都市で実施を予定しております。 3つ目のポイントでございますが、東アジアの途上国の方々と意見交換等をしておりますと、短期的な海賊版の取り締まりというのをしっかりやるけれども、中長期的にはぜひ一般国民への著作権普及啓発をしっかりやっていきたいということを要望しております。それに対して、日本でも進んでいるところをぜひ知恵、ノウハウを教示願いたいという御希望がございまして、昨年は試みとしてインドネシアの知財総局と共催で、消費者向けの普及啓発イベントを権利者団体さんとともにジャカルタで実施したりしてみました。 今年度は特にASEANの知的行動計画についても、この対策事業等が盛り込まれているところでございますので、それに対して支援をするとか、引き続き、とりあえずインドネシア、タイ等で実施していきたいと思っております。その他のWIPO等国際機関とも協力をしながら、しっかり進めていきたいと思っております。 以上でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 続いて、経済産業省から模倣品対策の説明をお願いします。 ○鈴木経済産業省模倣品対策室長 模倣品対策室長の鈴木でございます。座って御説明をさせていただきます。 資料は5になります。A4とA3の紙がございます。A4につきましては、これから御報告いたします、いわゆる戦略研究会報告書の「知的財産推進計画2013」との位置づけの関係を御説明させていただいております。 「知的財産推進計画2013」におきましては、経済産業省の短期的あるいは中期的取り組みとして掲げました、いわゆる中小・ベンチャーを初めとする企業の海外事業展開に対する総合的支援の強化と同時に、コンテンツにつきまして正規品の流通拡大と一体となった模倣品・海賊版といった侵害国への対策の推進というものがございます。 それを具体化すべく、特に新興国での知財エンフォースメントセミナーを円滑に進める上での課題、そしてその解決の方向性、我が国政府及び産業界との連携のあり方などについて、昨年の10月以降6回にわたり議論をさせていただいたものをまとめたものでございます。 具体的な報告書の概要につきましては、A3の紙を開いていただきたいと思いますけれども、研究会の報告書は4つの項目に分けております。 1つ目の項目につきましては「1.検討の背景と目的」といたしまして、特に経済産業政策全体からの検討の必要性として、国際展開戦略を推進する上での2つの柱の1つでございます新興国への戦略的な取り組みというものを考えた場合に、いわゆる知的財産政策の視点から、新興国を第2の模倣品製造国にさせないという視点と、新興国の成長過程でのいわゆる中国の模倣品被害を新興国へ拡大させないといった視点が重要ということで、中国対策との延長線あるいは中国対策との連携の重要性というものを視点に行うべきであるというまとめをさせていただいております。 2では、そうした視点のもとで新興国対策を強化するために、基本的な視点として5つの姿勢を示させていただいております。 中でも、いわゆる「制度整備」と組織人材の育成といった「実効的運用確保」の両輪からアプローチする重要性。 それから、いわゆる権利化等の一気通貫という対応でございますが、エンフォースメントにつなげるまでの一気通貫と同時に、そもそも特に企業が大きくなればなるほど知財問題を経営戦略の中でどうしても議論をせずに事業戦略の中で議論してしまう。したがって、どうしてもそういう限定された議論に終わってしまうので、まさにその経営部門と知財の戦略部門というものの両方をきちんと考える姿勢が必要である。 また、情報のサイクルの構築化。特に情報は煩雑すぎるほどあるのですけれども、それがなかなかスクリーニングされていないということがございますので、そういった情報を効果的に活用する。 それから、一方的な押しつけというものがございますので、両国がいわゆるウイン・ウインの関係になるためには、いわゆる知財の枠を超えた、例えば技術協力とか、そういった面も含めて官民の協力の必要性があるという視点が重要という御指摘を受けております。 こうしたことを踏まえて、具体的な活動につきましては、侵害国との関係での取り組みと、日本国内での取り組むべき事項、国際的な枠組みの中で考えるべき事項というふうに整理をさせていただいております。 侵害国との関係では、政策対話の創設とか活用と同時に、その中でトップダウンでアプローチすることの重要性。 押しつけではなく侵害国内の例えば産業界とか消費者から声を出させるような手法が必要であろう。 日本国内での取り組み、これは特に中小企業向けになるのですが、情報提供や啓蒙、啓発といったものが必要である。例えば必要なときに容易にそういった必要な情報にアクセスできるようなポータルサイトとか、相談できる弁護士や弁理士との支援チャートの連携をうまくやっていくというような御示唆をいただいております。 そうしたものを踏まえて、具体的な対象国、地域につきましてはASEAN、インド、中東の3つの国、地域につきまして、それぞれケース・バイ・ケースで対応していくということで、例えばASEANにつきましては、情報レベルとか情報の鮮度をまずは意識した情報活用サイクルを構築していきたい。 インドにつきましては、インド国内の産業界の意識というものがある程度高まっているということで、まさにインド国内の事業者団体等との連携、促進を試みる。 中東にあっては、消費地というよりも中国からのいわゆる模造品の経由地であるという意識が強いことから、そういったアプローチも重要であると考えております。 この報告書は、実はクローズな情報として企業からのプレゼンをいただいた関係もありますので、マスキングした部分もございますが、今後できる限り議論の場に広げて具体的な対策につなげていきたいと考えております。 以上でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、続いてまいりましょう。 「④コンテンツの海外展開」についての説明です。経済産業省からお願いします。 ○佐合経済産業省文化情報関連産業課長 文化情報関連産業課長の佐合でございます。座って御説明させていただきます。 資料の6でございますが、コンテンツの海外展開促進の話と、それの一環として今の流れで海賊版対策の事業をやっておりますので、それもあわせて御説明をしたいと思います。 資料6「クールジャパン戦略について」でございますが、1ページ目、これも第1回のこの会議の場でも御説明を申し上げましたけれども、大きくこの3つのステップでコンテンツの海外展開施策を進めております。 まず、日本ブームを創出するということで、後ほど申し上げますコンテンツの海外への進出を後押しする、なるべく日本のコンテンツを海外で見ていただくような環境をつくっていく。さらに2番目として、現地でそのコンテンツを使って、コンテンツを活用して稼いでいただくためのリスクマネーの供給という場面と、最終的には本物を日本に来て味わいたいという人、日本ファンを多くつくって「ビジット・ジャパン」ということで観光庁とも連携をしながら日本に来ていただくというような取り組みを進めておるところでございます。 3ページ目、知財推進計画との関係でございますが、今、申し上げたように海外への日本のコンテンツの進出を推進すべきということでございます。 具体的な施策としては、4ページ目以降に書いてございます。 一番大きな施策として今、推進しておるのがこの「J-LOP」という事業でございます。総務省とも連携をさせていただきながら、昨年の3月から実施をしておるものでございますが、155億円ほど確保いたしまして大きく2つ「ローカライズ」と「プロモーション」支援ということで、日本のコンテンツを海外に持っていくときに吹きかえをする、字幕をつける、そういった形でローカライズを支援する、それから、海外への見本市あるいは映画祭などにそのコンテンツを出展する際のプロモーション費用を支援させていただくということで進めさせていただいております。 5ページ目、実際の今の成果を書かせていただいております。 「執行状況」ということで真ん中にございますが、今までで申請件数が約3,000件、そのうち候補決定件数は約1,850件ということであります。 累次にわたり、この要件緩和も進めてきております。例えば、かつては現地でテレビ番組を確実に放送するということが、その交付決定の要件ではあったのですが、現地の放送局との調整など番組編成のタイミングもございますので、なかなか確約がとれないところもあります。放送計画がある程度見込めるということであれば、申請を可能といたしました。 プロモーションの事業でも、海外でのそのイベントに出展をするといったときに、従来は複数のコンテンツが連携をして出てくださいという要件を課していたのですが、必ずしもそのコンテンツ同士が無理やり連携しても効果はないということもあろうと思いますので、単独での見本市への出展を可能とする。あるいは、国内のイベントであっても海外から多数の来場者が来られる国際発信力のあるイベントであるならば、このJ-LOPの事業を使っていただけるということで、例えば迫本委員ともよく連携をさせていただいておりますけれども、昨年の東京国際映画祭もJ-LOPの事業を活用していただいております。 また、コンテンツ産業の振興だけではなくて、コンテンツを有効に活用した非コンテンツ産業のプロモーションを支援対象に追加してございます。 具体的なその支援事例は6ページ目以降に書いてございます。 また、7ページ目になりますが、リスクマネーの提供というところで「クールジャパン機構」を昨年の11月に設立をしたところでございます。現時点では、官民合わせて385億円ほどの出資金をいただいておるということでありまして、ちょうど本日でございますが、3件ほど、機構としてさらにその検討を深めるべき事案が決定しまして、基本合意に達したという発表がなされているところでございます。 8ページ目以降ですが、日本のイベントを通じてコンテンツの情報を海外に発信をしていくということにも取り組んでおります。9ページ目にございますが、これはその一例でございます。 東京国際映画祭、毎年秋に開催されるのですけれども、そのタイミングに合わせて海外からの来場者が多い、特に日本のコンテンツに興味を示してくれるバイヤーの方が多く来られるというタイミングを捉えて、音楽と映画とアニメと、この3つのB to Bのマーケットを1つの場所で開催して、相乗効果を発揮するような形で取り組ませていただいております。 商談件数ですが、ここに書いてございますとおり、2012年から2013年を比べると約20%増。それから、実際の成約金額というのも25%増と、一定の効果があらわれてきているのではないかと考えております。 さらに10ページ目でございますが、これは先ほどの模倣品の流れと同じでございますけれども、知財推進計画の中では、正規版の流通拡大と一体となった侵害対策を進めるべきという御指摘を受けております。 海賊版対策、これはなかなか切りがないものでありまして、たたいてもたたいても常に出てくるものでありますが、例えば政府間で、私も中国の国家版権局、そういったところに出向きまして、海賊版対策に協力して取り組むようにという依頼をしております。 この週末もERIA、東アジア経済研究所でアジア各国が集まりまして、コンテンツ施策についての議論を交わしたのですが、その中でも模倣品対策、海賊版対策の重要性というのを政策提言ということで盛り込んだ報告書を作成するという途上にございます。 さらに具体的な話としては、予算事業で私どもが取り組もうとしているのが11ページ目でございます。平成25年度の補正予算で3億円ほど予算措置をいただいたところでございます。大きく3つ取り組んでいくということでありますが、まず海賊版の削除を効率的に行うということでございます。このために、出版社、制作会社の方、あるいは玩具メーカーの方などコンテンツに関わる企業の方々が業種横断的に集まっていただいて、海賊版としてアップロードされているものを削除要請していくということでございます。 そのためには何が必要かというと、各権利者がどのコンテンツに対してどういう権利を持っていて、それを誰にライセンスをしているか権利情報を整理して、データベース化をしていくということが必要になってまいります。 この事業でそういったデータベース化を行って、特にそのコンテンツホルダーが集中的に、このコンテンツは被害が大きいので削除対策をやるというようなものを決めて、実証事業的にこの事業に取り組んでいくということであります。 海賊版対策ですが、削除対策をするのはすごく大事なのですけれども、最も重要な海賊版対策が、実は正規版の即時の流通と言われております。 私どもでアンケート調査をやると、海賊版の視聴者の多くは、必ずしも全員ではないのですが、なぜ海賊版を見るのかということに対して、正規版を見たくてもタイムリーに品質のよいものが必ずしも見られるわけではない、自分たちが正規版の見られる環境にうまく触れていないといったことを挙げられるユーザーもございます。 もちろん、全員が全員そういう方ではなくて、無料だから見るという方もいらっしゃるのですが、海賊版を見ている人はそのコンテンツのファンでございますので、しかるべき根拠があれば真の消費者になっていただけるということでございます。そういう意味で、正規版に誘導するようなサイトをつくっていくことを進めております。 また、普及啓発活動を行うということで、今年の3月に「Anime Japan」というイベントがございましたけれども、その場でフォーラムを開催する、あるいはコンテンツホルダーの方に御協力いただいて、従来は権利を強く意識した「海賊版を見ることは違法行為だ、侵害行為だ」という権利者サイドに立った強いメッセージだったのですが、先ほど申し上げたとおり海賊版を見ている人の中には多くのファンもいらっしゃって、一緒にそのコンテンツを守っていこうという仲間となってもらえるようなメッセージの動画をつくりまして、それを発表したところでございます。 以上、こういった取り組みを通じて、コンテンツの海外展開、正規版の流通促進に取り組んでいる状況でございます。 以上です。 ○中村座長 では、総務省からお願いします。 ○湯本総務省情報通信作品振興課長 総務省コンテンツ振興課長の湯本でございます。 私のほうから、放送コンテンツの海外展開につきまして御説明したいと思います。それでは、座って説明させていただきます。 お手元の資料7をごらんいただければと思います。 ページをめくっていただきまして、知財計画2013に記されております各国放送枠の確保や各地でのイベントの実施に関連しまして、平成25年度補正予算におきまして、こちら書いてございます「放送コンテンツ海外展開強化促進モデル事業」というものを獲得いたしました。 こちらに書いてございますように、我が国の放送コンテンツがクールジャパン、ビジット・ジャパン等々のいわば先兵となるべく、新たなビジネスモデルの構築や地域活性化等を目的として、関係者一体となってコンテンツの展開を目指すといったような事業でございます。 2ページ、先ほど経産省佐合課長のほうからも御説明ございましたが、J-LOPにつきまして支援を平成24年度補正予算事業に基づいて進めているところでございます。 また、平成24年度の補正予算におきましては、右下に書いてございますような「国際共同製作支援」につきましても支援を実施しているところでございます。 具体的な事業の例につきましては3ページ目、2つ、タイでの事例とインドネシアの事例を記しておりますので、御参照いただければと思います。 4ページ「1.放送コンテンツの海外展開」に当たりまして、昨年の夏、放送コンテンツ海外展開促進機構、いわゆる「BEAJ」が立ち上がりました。こちら、以前もこの場で御説明させていただきましたが、地上放送、衛星放送、さらに権利者団体、商社、広告代理店等々の関係団体が一丸となって、日本のテレビ番組の海外展開を目指していくというようなものでございます。 当面の戦略としましては、特にASEANの主要国、具体的にはこちらに書いてございますような6カ国を重点国として、地上波に代表される効果的なメディアで継続して放送を流す。それによって、我が国の魅力を最大限に伝えていくといったようなものが目標になってございます。 この活動の一つの例について御紹介をしたいと思います。5ページ目をごらんください。 実は、フィリピンにつきましては、本年1月、地上デジタル方式、日本方式の採用が決定しました。それに合わせまして、総務大臣をトップとする官民のミッションというのが派遣されましたが、その際、先方の主要の地上波の放送局との間でのラウンドテーブル、また、幹部への表敬訪問等を実施しております。 この訪問の中では、一つの例でございますが、フィリピンの国内においては「北海道」というのが一つのブランドになっており、注目度が高いので流していくことがあるのではないかといった、いろいろな先方の意見が聞けたというようなことでございます。 また、先ほどクールジャパン機構の話も経産省さんからございましたが、今、申し上げたBEAJとクールジャパン機構との間でも、具体的に業務連携をしていくということで、先月、覚書を結んで本格的に連携をしていくことになってございます。 続きまして、知財計画に記されている権利処理の関係につきまして、幾つか御説明をしたいと思います。 7ページ「2.放送コンテンツ二次利用に係る権利処理」につきましては、従来より窓口は複数であって、申請に手間がかかるといったようなこととか、電子化されていないことから、そもそも処理の手続が非常に煩雑だったという問題点がございました。 こういった問題点を解消するために、平成21年以降「aRma」を設立して順次窓口機能の集約化、システム化を図ってきておるところでございます。 これによりまして、こちらの資料に書いてございますような権利処理業務というのが、例えば年間の作業時間を3割削減した等々の効果が見せられているところでございまして、本年度につきましては単なる申請窓口のみならず、最終的に権利の使用料の徴収・分配、そういった機能まで持たせるべく、ただいま関係者と順次調整・整備についての準備をしているところでございます。 8ページ、実演家の権利処理の迅速化についての取り組みの御紹介でございます。 従前より我が国におきましては、放送コンテンツを製作した際に、国内のテレビの放映権の部分のみ権利処理するのが一般的でございました。すなわち、特に海外で放送するであるとか、海外でネット配信するといったいわゆる二次利用につきましては、別途その都度権利処理をしてきているといった状況がございました。 一方、特に近年、世界ではほぼ同時に現地での放送、ネット配信というのが求められている状況がございます。先ほど、まさに海賊版でもお話ございましたように、先方のニーズにいち早く対応するためには同時配信というのが何より大事というようなことで、こちら書いてございますような具体的な暫定的なルール、そういったものを権利者団体と放送局との間で話し合いまして、事実上、日本における放送直後の海外での速やかな放送・ネット配信というのを実現すべく、ちょうど今こういった取り組みが始まったところでございます。 また、原盤権の取り組みにつきまして、若干御説明をしたいと思います。9ページ目をごらんください。 レコードの原盤権の権利処理につきましては、海外展開の際、原則としてコンテンツを展開する相手先の国、地域ごとにその国におけるレコード会社の現地法人の許諾が必要であるといったようなことで、大変に手間及び時間がかかるような状況がございました。 したがいまして、なかなか実際に販売するときに、この原盤権のところがネックになって、海外への番組の販売であるとか、ネット配信が進まないといったような問題点を防ぐために、2番目に書いてございますような、海外展開の許諾があらかじめ可能な楽曲リスト情報を集約したホワイトリスト・データベースづくりを進めるといったような取り組みであるとか、実演家と同じく暫定的なルールというものを当事者間で定めまして、そういったルールに基づいて試行的な実証実験を実施し、速やかな権利処理というものを目指しているというような取り組みをしているところでございます。 駆け足になりましたが、私からの説明は以上でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、今の報告について質問、コメントを受けつけます。 どうぞ、齋藤委員。 ○齋藤茂委員 トーセの齋藤でございます。 現場の事例をお話したいと思います。10年、20年前、中国では、当時ゲームのカセットが5,000円していた時代に月収が約5,000円と聞き、これは大変だと思うと同時に実際に次々と商品が違法コピーされて困った経験があります。最近ASEAN諸国を回っていると、国民の平均年収が高くないため、正規品が適正価格で販売されていても消費者は買いたくても買えないという現状がありました。その為、開発のためのコストを抑えて低価格にしなければならないと感じています。できればなんとか工夫して海賊版に近い価格にできないかという思いがあります。 タイの事例をあげますと、ミニシアターの展開があります。これについては何度かお話していますが、入場料は50~100円の低価格で50人程度収容できるシアターを3~4年で1万店舗展開する事業です。しかし、入場料だけでは儲かりませんので、多店舗展開による広告宣伝費や田舎に作ってそこにコミュニティーができることで、物販で利益を出すなど工夫をされています。 私は欠席いたしましたが、4月11日の会議で国内カラオケ大手のエクシングが任天堂と連携してWii Uにカラオケを標準搭載し、アジア・欧州等において楽曲提供サービスを開始している事例が取り上げられていましたが、実は弊社もその仕事に携わっておりまして、コストを下げて良い商品を販売する取り組みをしています。 シンガポールでは、著作権保護の為に日本のJASRACにあたる団体としてCOMPASSが紹介されていましたが、実際にシンガポールのカラオケ店に行くと、ほとんどの店舗では音楽使用についての使用料徴収システムが確立されていないのが現実でした。 違法な楽曲コンテンツはどのように用意されているかと言いますと、YouTubeから音楽番組の映像をとってきて、それに歌詞を入れて使われている状況で、使用料は徴収できていません。ハードは中国製や韓国製の低価格なものを使用しています。そこに対抗する為、例えば、弊社がエクシングと組んで、Wiiやプレイステーションを持って行き、違法コピー品より安くカラオケ配信を行うといった工夫が要るのではないかと考えています。 それから、先ほど官民の活動についてお話されていましてが、現地に行くと、違法コピーに対して問題意識を持っておられる要人は多数いらっしゃいます。官も大事ですが、官にも発言権のある民の要人は重要です。このような人をできるだけ発掘して、その人との勉強会、打ち合わせなどをすることが非常に大切なことだと思っています。 ○中村座長 ありがとうございます。 ほかにいかがでしょうか。では、迫本委員、お願いします。 ○迫本委員 今、御紹介いただいた2点だけに限ると、今日の全般的な議論に関して、非常にいい流れになっているのではないかなと率直に言って思います。 コンテンツの面からいうと、我々やはりコンテンツを発展させるためには、もちろん我々が努力しなければいけないわけですが、それに向けてのやらなければいけないことというのは、結局、優秀なクリエーターとファンをどうやってネットワーク化していくかということに尽きるのではないかなと思うのです。そういう展開をすると、やはりある程度人と人とのつながりというのは継続してやっていかなければいけないので、継続性というのが、今日大臣が言われた実現性を担保するために、非常に重要なのではないかなと思っています。 今までも国の方々が非常にコンテンツ分野に関心を持っていただいて、いろいろな形でやっていただくのですが、担当者の方も本当に御理解いただいたりみたいな形になるのですけれども、どうしても担当者の方がかわってしまうとか、どうしても我々が壁に阻まれるのが、一言で言うと単年度予算と省庁縦割りみたいなところでどうしても限界が来てしまうみたいなところがあるのですが、継続性という点からしても、経産省さんにやっていただいているコ・フェスタも、もう随分の期間になりますし、今度のクールジャパンにしても20年という期間という形になりますし、国際交流基金でアジアセンターを今度つくられて7年というスパンになっていますし、BEAJも非常に長い期間を視野に入れられているのではないかなと思います。 縦割りというところでいっても、知財が中心となって推進計画を立てて、その中で経産省さんと総務省さんの先ほどのクールジャパンとBEAJとを連携させていくみたいな、そういう流れが出てくると、これまで弱みだったことが非常に解消されていい流れになってくるのではないかなと思います。 ですから、ここに書いてあることを大臣が言われたようにきちんと実現して、それが継続できるように努力していくようになれば、いい結果が生まれるのではないかなという感想を持ちました。 以上です。 ○中村座長 瀬尾委員、どうぞ。 ○瀬尾委員 今、この海賊版と正規流通の話というのは非常に重要なところであって、そしてやっとBEAJさん、それからクールジャパン機構、いろいろなシステムができてきて進んでいるところだと思います。 ただ、私もこれに関わっている中で1つ申し上げたいのは、タイミングということがあると思います。やはり時代のタイミングというのがあって、これが単純にずっと流れているものではなくて、前にもお話ししましたけれども、東南アジアでの、非常にその著作権処理とか知財に関しての関心が高まってきているし、急激にそのシステム整備が行われている状況だと思います。 また、東京のオリンピックを控えて日本も今、非常にそういった意味では取り組みやすい、コンテンツが重要な時期に来ていると思っております。 ですので、単純にことしの1年は10年前の1年もしくは10年後の1年とは違って、オリンピックまでの一つずつの1年、例えば6年の中のファーストステップであるし、来年はその中の貴重な1年であるということをきちんと意識をして、もう一つは、日本が知財を外に出すということはもちろんあるのですが、このアジアのシステム設立もしくはシステム整備の中でリーダーシップをとるような、日本の知財に対するシステムとか考え方が、アジアの中できちんとこれから整備をしてくる方たちにとってのリーダーシップ、イニシアチブをとっていかれるような施策というのを考えていくことで、単に知財として海外に経済的に展開する以上の成果を得られる珍しい時期ではないかなと思っております。 ですので、非常に多面的な効果が短期間で得られる時期だと認識しておりますので、この時期には単純な経済政策だけではなく、さらに広がりのある大事な1年ということで時間を大事にして結論を出す。つまり10年後にできても遅いと私は思います。 この5年で、どれだけ日本が世界、特にアジアにおいていろいろなルールもしくはメタデータ1つにしても、イニシアチブをとれるのかということが重要だと思います。 もう一つ、技術開発なのですが、実は日本はデータベース関連の技術開発が、やはり非常に強いものを持っています。先ほどのビッグデータではないですけれども、そういった技術的なデータベースとか、そういった知財インフラについても、きちんと日本で開発をして、その技術をアジアにきちんと定着させて、そして輸出品目としても重要なソフトウェアの力というのを出せる時期ではないかなと思いますので、はっきり言ってしまうと総がかり的な施策の中で、この知財をコアにして進めていったら非常にいいのではないかなと考えております。大事な時期ですので、ぜひ結果の出る進捗というのをお願いしたいと思います。 以上です。 ○中村座長 ありがとうございます。 では、重村委員、お願いします。 ○重村委員 今の御意見に異論はないのですが、1つだけ、ここのところいろいろ放送コンテンツの海外展開ということでアジアを回っていて感じることがあるのですが、日本の放送局あるいは、プロダクションは、一生懸命日本のコンテンツを海外に売り込む作業をやっているのですね。ただ、その発想を少し変えなければいけない。それは何かというと、例えば放送局に関して言うと、各放送地域の、例えばアジアの各国の放送局側のニーズをきちんと把握する必要があると思うのです。どういうことかというと、日本のコンテンツ、放送は特にそうなのですが、日本でレーティングをとるためにつくられているのですね。それから、例えば宗教上の問題というのも先方の国には必ずあるわけです。 そうすると、アジアに限って言えば、我々が展開していくべきものというのは、コンテンツそのものをそのまま生で出すのではなくて、日本の持っているコンテンツの制作能力というものをどういう形で彼らに供与していくかということが大事なのだろう。 具体的な形で言うと、どこの国の放送局も日本の情報に関するニーズは非常に強いのです。ただし、それは自分たちの国の人間のいわゆる文化程度であるとか能力に応じた形でわかりやすい形で出してほしい。すなわち我々がやるべき問題というのは、コンテンツに関して言うと、製作協力していく。先方に対して製作協力をしていくという形で力を出していけばいいだろう。 具体論で言いますと、先ほど北海道の話が出ましたけれども、例えばいわゆる放送コンテンツを海外に出そうとすると、東京中心のキー局のコンテンツを出そうという発想を持つのですが、実は彼らにとって都合のいいのはどういうことかというと、例えば九州というところに興味があるとしたら、九州の地方の放送局が製作協力していくことが大事なのです。 それは我々の側から言うと、日本の地方の放送局の活性化にもつながるわけです。地方ならではの伝統であるとか文化であるとか、観光であるとかということは一番彼らがわかっているわけなので、発想を少し変えて、そういうような形で、海外からのニーズに応じて放送コンテンツを製作協力していくという発想でやっていくことによって、もう一度日本に対するなじみというものをつくっていくことというのが今、必要なのではないかと思います。 1つだけ補足して言いますと、一番ショックだったのは、タイで日本のドラマのイベントをやっていたときに、タイの大使が言っていたことは、娘に、「韓国のドラマと日本のドラマ、どちらに興味があるか」と聞いたら、非常にわかりやすいことを言って、「韓国のドラマを見るときは気楽に見られる。日本のドラマを見るときは、ある程度気持ちをきちっと高ぶらせて真剣に見るという姿勢を持たないと理解できない。」 明らかにその部分の差というのは事実だろうと思うのです。 そういうような状況であるということを意識した上で、まず、先方のニーズに合わせた製作協力をしていくということが、日本の放送コンテンツというものを海外展開していくためには重要だと。そういうものに対してできる限りサポートしていくという体制が必要なのではないかと思っております。 ○中村座長 木田委員、どうぞ。 ○木田委員 放送コンテンツの海外展開の1つの柱として4K、8K、スーパーハイビジョンの話をちょっとしたいと思いますが、今月初めMIP TVで、実はNHKが出した4Kのクリップが大変評判を呼びました。 出したものは、いわゆる自然もの、ホッキョクグマであるとかグレートバリアリーフの水中撮影であるとか、あるいは細胞の世界をCGで描いたものであるとか、あとはドラマとかなのですが、そこの集まったいろいろな放送関係者の話によると、やはり最後まできちんとできているのは世界でもやはりBBCとNHKぐらいだと。つまり4Kというのはかなりあちこちの国で撮影とかは進んでいるのですが、ポストプロダクションまでしっかりつくっているもの、そういうのは意外に少ないのですね。放送はどこの国でもまだほとんど始まっていないということなので、ポストプロダクションに余り力を入れていないのかもしれませんが、現状で言いますと、今のところ日本の4Kのポストプロダクションというのは世界に対して今、アドバンテージを持っているという形になっているかと思います。 ですから、これのアドバンテージがある間に国際共同製作であるとか、そういったものをやっていくと、東南アジアはスーパーハイビジョンは難しいのですが、欧米についてはいろいろな展開が可能になるのではないかという気がしております。 4Kについては、放送よりもどちらかというとネットでのVODとかそちらのほうが早いのではないかと言われていますが、一つの可能性として御紹介しておきたいと思います。 以上です。 ○中村座長 では、川上委員、どうぞ。 ○川上委員 海賊版の削除要請についてお尋ねします。海外のサービスでも、インターネットの世界では当然日本でも利用できるわけで、実際に最近、日本の会社なのだけれども、海外の会社のふりをしてサービスを日本市場向けに行っているサイトもあるのです。こういったサイトについては、どういうような考えでいらっしゃるのか、お尋ねしたいのですが、どうでしょうか。 ○佐合経済産業省文化情報関連産業課長 海賊版を流すということであれば、どこの国の企業であれ、それは削除要請をしていくということだと思っております。 海外のあるところでは、直接権利は及びませんので、その相手国政府、それから我々の海賊版対策をやっていただいているCODAさんというところの相手国のカウンターパート機関などを通じて、サイトに強く要請をしていくということと思います。 もちろん、国内でもそういう事業者が違法のアップロードをしているということであれば、著作権法の違反ということでございますので、それは厳格に対応していくということだと思っております。 ○宮川委員 今のインターネットの海賊版の件なのですが、今回いただいた資料を拝見しますと、もちろん日本のコンテンツを海外に普及していくという中で、同時に海外においても海賊版対策を進めるように協力していくというのがよく書かれていると思いましたが、果たして海外の海賊版対策を啓蒙、啓発をしていく中で、日本の今の海賊版対策の精度が十分なのかというところをやや疑問に思っております。 と申しますのは、現在、中国、韓国は既にデジタル化の世界ですが、東南アジアはやはりCDとかDVDというリアルなものがある世界でして、それが違法にコピーされて販売されているという状況だと思います。 ただ、どんどんデジタル化は進みますし、そういう物を摘発するとか、物を禁止するというのではなく、インターネットの海賊版の世界はすぐに東南アジアにも普及してくると思います。 そういった場合に、今も回答として削除要求をしていって削除を求めると仰っていますが、私が見ている限り、権利者の方の削除要求を行う苦労と労力には非常に大変なものがあって、では、いつまでも削除要求を続けていくのかと、それが一番、最も適切な海賊版対策と思っておられるとしたら、私はまだこれからもう少し工夫が必要ではないかなと考えます。 例えば今、私が関心を持って研究をしておりますのは、EU諸国で導入されているサイトブロッキングという制度で、EUのコート・オブ・ジャスティスは、違法なコンテンツをインターネットで流しているサイトだけではなくて、ISP、インターネットサービスプロバイダーに対し、問題のサイトへのアクセスブロックを命じることを適法と判断する判決を実際に出しております。 これは、EU指令や各国の法律に「intermediary」、すなわち、仲介、媒介する者、侵害行為を媒介する者に対して差止め命令ができるというような規定がきちんとありますので、それに基づいてやっているのだと思いますが、そうなりますと、日本でも著作権を一個一個挙げていって、サイトに対しこれを配信するなと求めるのではなく、ISPに対して、このサイトにアクセスをとめろという差止め命令を求めて、裁判所が差し止めを認めるということであれば、権利者の苦労というのはかなり軽減されるのではないかと思って興味を持っております。 こういうように、ただ削除依頼を続けていくという、そういうことが海賊版対策のモデルだと思って海外にそれを勧めていくというのではなく、やはり日本国内のインターネット、デジタルの世界の海賊版対策というのもさらにブラッシュアップ、研究していただいて、それをさらに海外に勧めていくようなことを考えていただけたらありがたいなと思います。 以上です。 ○中村座長 ありがとうございます。 では、川上委員、どうぞ。 ○川上委員 今のことに関連して、例えば今、日本で一番違法動画がアップロードされているのは、デイリーモーションとFC2というサイトなのですが、デイリーモーションは日本語のページもありまして、明らかに日本ユーザー向けにマーケティングを行っているのですが、削除要請はフランス語でしか受けつけないというサイトです。 そして、FC2のほうは、AVビデオメーカーさん6社ぐらいが訴えを起こしていますが、AVメーカーさんということでなかなか世間的な共感は得られていませんけれども、訴えから半年以上たっても第1回の公判も始まっていない。 日本を対象にしているサイトであったとしても、海外サイトと同じような難しさがある状況が続いている。これをそのまま海外の案件と同じように放置しておくのというのは、僕はおかしいと思うのですね。海外サイトのふりをしている日本企業に、普通の海外サイトと同じように対応していくというのは果たしてそれでいいのかと。多分まねするところいっぱいあると思うのです。実際にその企業は、たしかラスベガスに本社があるのですが、当然それはレンタルオフィスで、社長は外国人なのですが、レンタルオフィスが貸している社長なのです。そういう会社が堂々と、日本で5本の指に入るぐらいの大きなサイトをやっていて、スタッフも100人以上抱えているのですが、海外に登記されている。そうすると、訴えても実際にはなかなか裁判自体も始まらない、そういったことがあるのです。 先ほど御回答いただきましたけれども、そういう偽装海外企業についても、普通の海外企業と同じように削除要請をしていくというのは、おかしいのではないかというふうに僕は思います。 以上です。 ○中村座長 何かコメントありますか。 ○佐合経済産業省文化情報関連産業課長 海賊版削除要請だけを進めているというわけではもちろんなくて、正規版の流通も進めております。プロバイダーとの関係では、先ほどの海賊版対策の実証事業でございますけれども、グーグルさんなどとも相談をさせていただきながら、違法なものに関しては、その検索がかかったときに違法サイトはなるべく上に載せないような協力関係もさせていただいています。 ただ、インターネットサービスプロバイダーに対して、法的にどういう措置をとるかというのは、私どもだけではなくて関係省庁とも引き続き検討させていただきたいと思います。 それから、川上委員の御指摘がございますけれども、日本法人でありながら海外で海賊版の行為が行われているときに法律上で何ができるか。日本に実態としていながらにして海外から違法行為をやっているということに関しては、法的に何ができるかというところと、実効上、行政として何が求められるかというところの整理をしながら、御指摘いただいた懸念点を十分踏まえながら、今後の対策を考えていきたいと思います。 以上です。 ○中村座長 ぜひ、よろしくお願いします。 では、竹宮委員、どうぞ。 ○竹宮委員 大体こういうお話になると、どうしても海賊版サイトとかをどうやって潰すかという話になるのですが、私は中国からの留学生等たくさん見てきておりますので、その人たちのほとんどは海賊版で漫画を読んだりしております。 しかし、それがよくないことだというのは知っています。そして、正規版が出るならばそれをむしろ買いたい。それがちゃんと著作権を支払われて作者のところへ届くのだということをちゃんと認識している人が留学して来ているわけなのですが、そういうエンドユーザーの教育みたいなものをできないだろうか、一緒にできないだろうかということです。 それと、こういうコンテンツというものはもともとコミュニティー文化なので、それを好きな人が集まってあれこれ楽しむというような文化ですので、そういう部分をうまく利用して、例えば作者の言葉を届けるであるとかということによって強化することもありなのではないかなとちょっと思いました。 ○中村座長 どうもありがとうございました。 御指摘いただいた点、非常にどれも重要なことだと思います。計画づくりに反映をさせていきたいと思います。 今日、もう一つアジェンダがございます。 続いて、人材の育成について議論を進めたいと思います。 この点は、文部科学省から最初説明をお願いいたしますが、その後、経産省、文化庁からも説明をお願いしたいと思います。 最初に、文部科学省から御説明をお願いできますでしょうか。 ○白鳥文部科学省生涯学習推進課専修学校教育振興室長 文部科学省生涯学習推進課専修学校教育振興室長の白鳥と申します。どうぞよろしくお願いいたします。説明は座って失礼いたします。 資料8「コンテンツ人財の育成」ということで、特に知財推進計画におきましては、学校と業界団体による産学連携のコンソーシアムを活用して、グローバルに活躍するクリエーター・プロデューサーの育成強化を図るという部分に関連したものでございます。 1枚おめくりをいただきますと「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」という事業について御覧いただいております。 昨年度の日本再興戦略、閣議決定されました中におきましても、中核的な人材の養成を行う職業教育プログラムを新たに開発・実施するということがうたわれておりまして、こうしたことも受けて、専修学校・大学等々と産業界とが産学官のコンソーシアムを組織してプロジェクトを進めていく。そうしたことの中で実践的な知識・技術・技能を身につけるための学習システムを構築することを狙いとして展開をしております。 産学官のコンソーシアムとして、具体的には成長分野等ということでそこに書かせていただいております環境エネルギー、また、クリエイティブ等々の分野におきまして、こうした産学官の連携の取り組みを進め、そして具体的には職域プロジェクトということでありまして、各分野におきまして全国的な標準カリキュラムの開発・実証等を進めていこうという部分でございます。 さらに1枚おめくりいただきますと、この分野に関わっての全体の像をお示ししておりますが、特にクリエイティブにおきまして、赤い囲みをしておりますアニメ、そして漫画の人材ということに関わりまして、現在の実践事例を御紹介したいと思っております。 1枚さらにおめくりいただきます。この「アニメ・マンガ人材養成産学官連携事業」ということで、日本工学院専門学校を初めとして、こちら代表校といいますか幹事校として多くの大学・専門学校、また、業界、産業界からの参画を得て、こうしたコンソーシアムが形成されているということであります。 このポンチ絵、少し細かくて恐縮ですが、左上に課題・ニーズ等が書いてございます。このアニメ・マンガ分野については、今後の日本の成長戦略の先兵の役割を期待されているが、人材養成の体系化が未整備だといったような課題意識があるということ。それを受けて専門人材養成のための新たな学習システムの基盤整備を推進していくということで、こうしたコンソーシアムが形成されているということでございます。 取り組みにおきましては、そうした養成のための新たな学習システムの基盤整備を推進していくということと、そして具体的にはこれは「アニメ・マンガ」にまとめて申し上げておりますが、それぞれにおきましてプロジェクトが展開されているということで、今、申し上げました参画機関については、右下の方に書いてあります。 左下の方には、全体のこの進捗管理等を行う事業統括委員会という部分と、アニメ分科会、マンガ分科会とそれぞれの展開図を示しておりますが、この事業統括委員会におきましては、中村伊知哉座長にもこの委員長として、ここでお世話になっていると伺っております。 さらに1枚おめくりいただきます。これは最後のページですが、今のような視点で取り組みをそれぞれの分野を中心に行っておりますけれども、まずアニメ分野に関わりましては、特に問題意識としては教育機関が産業界の人材ニーズに応えられておらず、人材養成の体系が未整備で、産業界の工程・職種に対応したキャリアパスの整備や、人材の評価が不足しているといったような課題意識があって、具体的にはアニメの分野におきましては制作、動画また3DのCG、そして彩色とか背景とか撮影等々、いろいろな職種工程がありますが、こうした部分を含めて学校でできることと、業界がやらなければならないことなどを両者が同じ言葉、土俵で話し合って目標を明確化しようということで、取り組みが進められているということでございます。 今年度の成果として、アニメ分野につきましては、今、申し上げた産業界のニーズというものに沿った制作基礎能力や制作工程・職種別能力など具体的な要素を抽出して、基礎的なカリキュラムが開発されております。また、実際にワークショップなどとしてデッサン能力養成のワークショップなども展開されてきているということでございます。 他方、漫画の分野につきましては、特にデジタル作画に対応したカリキュラム、そして学習システムを産学の協力体制で検討し、普及する必要があるということが言われておりまして、これから漫画家を目指す方と併せて現役の漫画家、編集者の方にもこのデジタル作画の技術の習得が必要という問題意識のもとで展開されております。そうした部分での講習の実施、そして、プログラムの効果検証などが展開されているということでございます。 こちらの取り組みを進める中で、今後も、産学が共同しての取り組みをより自立的、持続的に協議していくためのフォーラムを展開していく必要があるというようなところが示されているところでございます。 簡単ですけれども、以上、私の説明でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 続きまして、経済産業省から説明をお願いいたします。 ○佐合経済産業省文化情報関連産業課長 先ほど資料6の12ページ、13ページ目に人材育成の施策を書かせていただいております。 私ども経産省も産業人材育成という観点から、特に最先端の映画製作を学んで国際的に通用するプロデューサーを日本から輩出したいという思いから、人材育成事業に取り組ませていただいております。 海外の映画関連の方々とのネットワークを構築し、実際にアメリカが中心ですけれども、現地の有名なフィルムスクールでプロデューサーの学部に行って学んでいただいております。 名前を挙げますと、南カリフォルニア大学(USC)、アメリカン・フィルム・インスティチュート、UCLAこういったところに平成23年から留学生を、毎年数人ずつという単位ではございますが、送らせていただいているところでございます。 また、国内でも、さまざまなフォーラムとかセミナー、ワークショップを開催いたしまして、海外で学んで来られた方あるいは国際的に活躍されているプロデューサーの方々に御講演をいただくなどして、国内から世界に向けて飛び立とうと思っておられる次世代のクリエーター、プロデューサーの卵みたいな方々に知見を広める取り組みを、予算事業として展開をさせていただいているところでございます。 以上です。 ○中村座長 ありがとうございます。 続いて、文化庁からお願いします。 ○北風文化庁芸術文化課文化活動振興室長 文化庁芸術文化の北風でございます。よろしくお願いいたします。 資料9「文化芸術による子供の育成事業」について、御説明させていただきます。1枚おめくりいただきまして、事業の概要のペーパーがございます。 まず、前提となる認識といたしまして、一流の文化芸術団体や芸術家による質の高いさまざまな文化技術を鑑賞・体験するという機会を提供するということは、子供たちの豊かな感性や情操、クリエイティビティーという意味での創造性とイマジネーションという意味での想像力を養う上で、大きな効果があるという認識に立っております。 また、芸術家を教育現場に派遣して行う対話や創作、表現にかかる体験活動は、子供たちの思考力や判断力、表現力などの向上や自己肯定感、社会性、責任感などの育成に大きな効果があると、こういった基本的な認識がございます。 文化庁におきましては、こうした認識のもとでこの「文化芸術による子供の育成事業」として「1 巡回公演事業」「2 芸術家の派遣事業」「3 コミュニケーション能力向上事業」という3つの事業を実施して、その充実に努めているところでございます。 1つ目の「巡回公演事業」は、一流の芸術団体が小中学校の体育館などで実演芸術の公演を実施するという事業でございます。 実演芸術の公演だけではなく、事前にワークショップという形で児童生徒がみずから参加する体験型の活動も実施いたしまして、公演本番の鑑賞効果を高めたり、一部の児童生徒は公演にみずから参加する機会を設けたりするということにしております。 2つ目の「芸術家の派遣事業」でございますが、これは個人または少人数の芸術家が学校を訪れまして、講話や実技披露、実技指導などを実施する事業でございます。小規模な公演を実施するということもございますし、部活動の指導を行うといったこともございます。 3つ目の「コミュニケーション能力向上事業」でございますが、芸術家が計画的、継続的なワークショップを実施することによって、子供たちのコミュニケーション能力を向上させようとする事業でございます。 こうした取り組みの全てがクリエーターの裾野の拡大に結びつくというわけではないと思いますけれども、芸術分野のクリエーターとしての芸術家や、鑑賞者の育成につながる取り組みだと考えて事業を進めております。 以上でございます。 ○田村文化庁伝統文化課文化財保護調整室長 文化庁伝統文化課の田村でございます。 私からは「伝統文化親子教室事業」について御説明させていただきます。座って失礼いたします。 お手元の資料10の2枚目「伝統文化親子教室事業」の中ほどの四角の「事業概要」をごらんいただければと思います。 この事業は、次代を担う子供たちを対象に、民俗芸能などの伝統文化に関する活動を計画的・継続的に体験・習得できる機会を提供することにより、我が国の歴史と伝統の中から生まれ、大切に守り伝えられてきた伝統文化、生活文化を将来にわたって継承・発展させるとともに、子供たちの豊かな人間性を涵養することを目的として実施するものでございます。平成26年度におきましては、12億円を計上してございます。 具体的には、地域に在住する親子等を対象として、伝統文化に関する活動を行う伝統文化関係団体等が実施主体となりまして、子供たちに伝統文化、生活文化を体験・取得させる取り組みに対して支援するものでございます。 対象となる伝統文化、生活文化としては、例えば地域に伝わる民俗芸能、工芸技術、邦楽、日本舞踊、茶道、華道等のほか、地域の年中行事等も対象となっております。 補助金額につきましては、予算の範囲内において定額。対象経費につきましては、指導者等への謝金・旅費、会場・用具の借料、教材費等でございます。 実施方法につきましては、文化庁から全国の伝統文化関係団体を対象に募集を行いまして、有識者の審査を経て実施団体を決定いたします。 簡単ではございますけれども、私からの御説明は以上でございます。 ○中村座長 どうもありがとうございました。 では、質問、コメントなどございますでしょうか。 齋藤委員、お願いします。 ○齋藤茂委員 資料8を拝見し、東京一極集中ではなく、地方にも目を向けてチャンスを与えてほしいと考えております。 弊社は京都に本社がありますが、多くのクリエーターが活躍しています。私は、コ・フェスタの関連事業であるKYOTO CMEXの実行委員長を務めていますが、数あるイベントの中に今年で3年目を迎える京都国際マンガ・アニメフェアがあります。このフェアでは東京の有力出版社の編集部の方に京都へ出向いていただき、京都近隣のマンガ家志望の方が持ち込んだ作品を1人30分程見て、指導してもらえる出張編集部という企画を行っております。参加者の中には挿絵が採用された事例も出ています。それをきっかけにやる気になって、京都におけるマンガ家志望者向け支援活動の京都版トキワ荘事業に応募し、マンガ家になるための道を歩み始めた人もいます。このような事例から考えると、東京だけでなく九州や北海道、東北にもマンガ・アニメのクリエーターを目指しているが、なかなか東京には出られない人もいるので、このような方の為の施策が必要なのではないでしょうか。ぜひ、このような人達にも目を向けていただきたいと思います。 ○中村座長 ありがとうございます。 ほかにどうでしょう。特によろしいでしょうか。 ありがとうございました。 予定の時間が迫ってまいっているのですが、もし、今日の議論、報告全体を通じて言い残したこと、指摘しておくべきことがあれば受けつけたいと思いますが、いかがでしょうか。 竹宮委員、どうぞ。 ○竹宮委員 ICT教育のことなのですけれども、これに関して、もし利用を始めるとしたら、どういう形になるのだろうかと想像しているわけなのですが、今の時点では部分的にというようなお話が先ほどありましたが、教科書というものの種類がたくさんありますよね。それを、例えば1種類だけをそこの学校で使うのではなく、幾つも教科書の事例という形で、たくさん使って比べたりすることができれば非常にいいのではないかなと思ったことと、もう一つは、こういうICT活用ということになると必ずサーバーの管理であるとか、そういう管理者がどうしても必要になってくるので、そのあたりはお考えなのだろうかということが気になりました。 ○中村座長 文科省の方、おられないかな。 ○田口参事官 文科省生涯学習局の情報教育課は、所用によりまして退出しておりますので、事務局から説明したいと思います。 教育の情報化を支える施設面につきましては、総務省で実証実験をやっております。この実証実験でどういう課題があるのか、どういうふうな仕組みをしていかなければいけないのかなどについて、調査研究の取り組みを行っております。 また、前者の教科書の種類等についてという話でございますが、まさにこの点については今後、制度としてどういうふうに考えていくのかという、今日のほかの委員からの御指摘もあったところの課題だというふうに承知しております。 ○中村座長 私の存じ上げている範囲でお答えしますと、今のところ正規の教科書にデジタルはなれないので、先ほど副教材として使うという話がありましたけれども、副教材であれば結構いろいろな種類をまぜて使うということも可能ですし、恐らく今はパソコンやタブレットにダウンロードして教材を使っているのですが、クラウド型の学習になっていくでしょう。そうすると、かなり柔軟な現場での使い方になっていくのではないかという議論がされています。まだ、それほど実現はしていません。 それから、サーバーとかネットワーク周りのサポート、保守、管理のところがとても大きな課題で、しかもそこに大きなコストがかかるので、そうしたコストをどうするのかというのも非常に重要な課題になっています。 そこは、我々知財本部だけではなくて、それこそ文科省、総務省そしてIT本部ともちょっと連携をして政策をつくっていく必要があるのかなと私も感じています。 喜連川委員、お願いします。 ○喜連川委員 文部科学省では、昨年アカデミッククラウドのフィージビリティースタディーが行われましたが、中小企業だけでなく、大学も比較的小さな大学の場合にはITインフラを維持することが極めて大きな負担になっているということから、私どもの情報系の中では、その中で必要なファンクションをクラウドサービスとして提供するようなことは既に始めておりまして、こういうことがもっともっと広がるような施策をプッシュしていただければ大変ありがたいのではないかなと思っております。一つ一つの組織がITインフラを維持することは、もはや現実的ではないと多くの方々が御理解されていると思います。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、そろそろ時間ですので、このあたりで閉会をしたいと思います。 最後に、次回の会合について事務局からお願いします。 ○田口参事官 次回の委員会は、産業財産権分野及びコンテンツ分野の会合になります。 日にちは5月19日月曜日の予定となっております。詳細につきましては、再度御連絡申し上げます。 ○中村座長 ありがとうございました。 今、話がありましたように、次回は産業財産権分野とコンテンツ分野合同の会議で、そこで知財計画2014の議論をして、取りまとめに向かうという運びでございます。 ですから、この施策が重要だということを委員の皆様お感じのことがありましたら、事前に事務局までお届けしておいていただければと思います。 ということで、閉会いたします。どうもありがとうございました。 |