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検証・評価・企画委員会(第10回)日 時:平成26年5月19日(月)10:00~12:00 場 所:中央合同庁舎8号館 416会議室 出席者:
○渡部座長 ただいまより「知的財産戦略本部 検証・評価・企画委員会(第10回)」を開催いたします。 本日は、御多忙中のところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。 本日は、国際標準化・認証に関する各省の取り組み状況について報告を行った後、知的財産推進計画2014の本文案について議論を行うこととしておりますので、よろしくお願いいたします。 なお、本日、木田委員、齋藤委員、杉村委員、竹宮委員、長澤委員、中山委員、日覺委員、長谷川委員、松本委員は、所用のため御欠席との連絡をいただいております。 日覺委員の代理で田中裕之様、長谷川委員の代理で奥村洋一様に、参考人として出席していただいております。 本日は、山本大臣に御出席いただいておりますので、御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○山本大臣 本日も御多忙の中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。 今日の朝、情報セキュリティ政策会議に出まして、隣に総理がいて、その横に官房長官がいて、皆から何で今日はカジュアルウェアで来たのかと言われたのですけれども、これはカジュアルウェアではございません。私は沖縄担当大臣ということで、これはかりゆしウェアでございまして、クールビズの正式な形式の一つなので、できるだけ着たいということを沖縄の皆さんにお約束をしたので、こういう格好で来たということだけ、まず申し上げておきたいと思います。 昨年6月に知財本部で今後の10年を展望し、世界最高水準の知財立国を実現することを目的とした、知財政策ビジョンが策定をされました。本委員会で知財ビジョンに掲げられた各施策について、PDCAサイクルを通じて実効性を確保していくという観点で、昨年10月末に設立をされたということですが、これまで産業財産権、コンテンツの両分野について、9回の委員会を開催して、議論を深めてまいりました。委員の皆様方の御協力に深く感謝を申し上げたいと思います。 知財本部は、我が国の知財政策の司令塔として、関係各省・機関等に横串を刺す、各主体が持つ機能や政策課題を有機的に連携させることで、効果的な政策立案を図る横串機能が1つです。 2つ目として、個別省庁では施策の推進が難しい政策課題について、担当省庁を後押しする、スピーディーな政策立案を図る後押し機能を担っております。今日、日本経済新聞を見ていましたら、産業スパイ罰則強化という記事があったのですが、これはこの間の作業部会に示されたのですけれども、私の関心は、知財本部の皆さんの議論をどうやって政策に反映させていくかということなので、タスクフォースに経産省の関係者を呼んで、法案の問題点について、そこでいろいろと議論をしていただいたということです。これも皆さんの議論がもとになって、産業スパイ罰則強化という見出しになっていますけれども、法案を後押ししたという、大変いい例ではないかと考えております。 こうした司令塔機能の発揮が強く期待される分野として、1、職務発明制度の見直し、2、営業秘密の保護・強化、3、中小ベンチャー企業及び大学への支援強化、4、アーカイブの促進、5、音楽産業をモデルとしたコンテンツの海外展開、この5分野を抽出し、タスクフォース等の開催を通じて、集中的に検討を進めてまいりました。その過程では、私自身も積極的に議論に参加させていただきました。 具体的に言いますと、職務発明制度については、私の主催でワーキンググループを開催しまして、企業研究者等からのヒアリング結果を所管として取りまとめるということで、特許庁に対して、大規模なアンケート調査をやっていただいて、制度に向けた見直し・検討を加速化させていただきました。 さらに音楽産業の海外展開ですが、これはタスクフォースの中で、自ら政策提言をさせていただきました。これは近く大臣室に皆さんに来ていただいて、非公式な会合を続けるということを、はっきりと内外に発信をさせていただきたいと思います。 本日の第10回の委員会におきましては、今までの議論の集大成ということで、知的財産推進計画2014、以下、推進計画2014の策定に向けて、委員の皆様から忌憚のない御意見を賜りたいと考えておりますので、ぜひ闊達な御議論をいただければと思います。私も担当大臣として、関係大臣への働きかけ等をやっていきたいと思います。 私は何度もここで申し上げているとおり、今、知財本部に知恵を練ってもらっていますが、海外展開、音楽のタスクフォースを皮切りに、タスクフォースの議論を、皆さんから受けた提言として、私が関係省庁などに直接つなぎます。必要があれば、総理にもお話するということを、今、つくっておりまして、タスクフォースの提言として、関係大臣に直接提言をさせていただく、この議論を伝えるというメカニズムを何とかスタートさせていきたいと思います。これについても、関係大臣に対して提言ができた後で、皆さんに経過等々について、いろいろと御報告をさせていただきたいと思います。 改めまして、渡部座長、中村座長を初めとする皆さんのこれまでの御尽力・御協力に感謝をいたすとともに、いよいよ最後の取りまとめになってまいりましたが、推進計画2014の取りまとめに向けて、実りのある議論が行われる場となることを祈念いたします。 ちょっと長くなりましたが、今日、いよいよ取りまとめの議論に入るということで、まとめてお話をさせていただきました。担当大臣としての御挨拶にかえたいと思います。ありがとうございました。 ○渡部座長 ありがとうございました。 それでは、早速でございますが、議論に移りたいと存じます。 まずは事務局から配付資料の確認をお願いいたします。 ○畑野参事官 それでは、配付資料の確認をさせていただきました後、続きまして、資料1に基づきまして、経済産業省の土井基準認証政策課長から、御報告という形で進めたいと思います。 右肩に資料番号がついております。 資料1、国際標準化・認証への取組についてということで、これは、今、申し上げましたように、産業財産権分野のところで、これまで議論がされてこなかった項目が1つございましたので、補足的にこの議題をこなしたいと思っております。 資料2から資料4まででございますけれども、各委員からのコメントでございます。 資料2は、本日、御出席の相澤委員。 資料3は、杉村委員。 資料4は、長澤委員。 杉村委員、長澤委員は、きょう御欠席でございますので、後ほど簡単に両委員の意見のポイントを御紹介したいと思っております。 資料5の1枚紙でございますが、ただいま大臣から御紹介をしていただきました、知財推進計画2014の案ということで、目次を記させていただいております。 また、あわせて、本日、机におられるメンバーの方には、取扱注意ということで知財推進計画2014のドラフトを用意させていただいおります。後ほどこのドラフトに基づきまして、御議論をさせていただければと思っております。 配付資料は以上でございます。 引き続き、土井課長からよろしくお願いいたします。 ○経済産業省基準認証政策課(土井) それでは、資料1「国際標準化・認証への取組について」御説明したいと思います。 ページを2枚おめくりいただきまして、まず成長戦略における位置づけでございます。知的財産推進計画2013の御指摘などもございまして、現在の日本再興戦略で、主に3カ所政策的な位置づけがなされております。 2ページ目の後半の部分で、イノベーションのパーツが1つでございます。 3ページ、中小企業、地域リソースのパーツが1つでございます。 最後、国際展開戦略のパーツでございます。 イノベーションのところに関しましては、具体的なキーパフォーマンスインディケーターとして、2015年末までに、幹事国数を95件に増加させるという具体的な数字を掲げて、今、取り組んでいるところでございます。 中小企業に関しましては、JISの規格を高機能化するということが、目標に掲げられております。 国際展開戦略では、スマートグリッド・省エネインフラ等に関しまして、冒頭の安倍総理のスピーチにございますように、国際標準の獲得も含め、2020年までに30兆円のインフラシステムを達成するという、一つの方策として掲げられております。 4ページ目は、現在の戦略目標の達成状況でございますけれども、提案数に関しましては、2000年代前半ではほぼ倍増を達しております。 幹事国数に関しましては、ISO/IECをあわせて、世界全体で900の専門委員会がございまして、その専門委員会の事務局長ポストをとる、幹事国をとるということが、大変重要でございます。日本は2010年末で90になっておりますけれども、ISO/IEC全体の活動の約1割のレベルに達しておりまして、経済規模に見合うレベルには達しておりますが、引き続き増強していきたいと考えております。 主な施策を3つほど御紹介させていただきます。 5ページ目でございます。トップスタンダード制度と称しまして、この2年間、新しい制度を展開しております。従来は業界のコンセンサスがないと、国際提案ができなかったんですが、意欲ある個社やグループからの提案がありまして、それを日本工業標準調査会で審査の上、国益にかなうということであれば、直接、日本工業標準調査会が国際提案をするということで、以下5件ほど実績を載せておりますけれども、いずれも2~3カ月で処理して、国際提案に至っているということでございます。 6ページ目、日立、東芝の2社単独の提案です。スマートグリッドのうち蓄電システム関係でございます。 右側は大成プラスという、社員四十数名の中小企業が持っている技術を大企業とうまく連携して、接着剤を必要としないナノ接合技術の国際標準化を、今、進めているところでございます。 7ページ目になりますと、ファインバブルという、工業利用にも農業利用にも可能性が幅広い技術に関しまして、言葉の定義から始まって、さまざまなアプリケーションに至るまで、全体を1つの専門委員会として、リーダーシップをとろうということで、設立提案をしております。 それから、クラレの高機能繊維であるポリアリレートの国際標準化に関しましては、水深2,000メートル超の石油掘削船の係留ロープということで、これも異業種連携で、ロープの会社と化学会社が連携して提案するということで、業界を越えた連携により、国際提案をしているという状況でございます。 8ページ目は、ユニ・チャームの大人用おむつの提案でございますけれども、ヨーロッパタイプは、ここで言うテープタイプ、all-in-oneが主流でございまして、日本のきめ細やかなさまざまなタイプの大人用おむつが、現在のISOでは規定されていないので、それらを規定すべく提案しているという状況で、順調に提案に至っております。 2つ目の施策は9ページ目でございますけれども、認証基盤の強化ということで、台湾新幹線の例にございますように、JRやNTT等、国内の発注者の仕様だけでは、国際市場では顧客の信頼を得られないということで、台湾新幹線の際も、ドイツの認証機関が安全性の評価を行い、認証を得るためにさまざまな情報を提供したということがございまして、国内でできて、それが世界に認められれば、それで国際的な市場に出ていけます。 一体どういう分野が必要かということで、10ページ目でございますけれども、補正予算の中で重要な9分野をまず選びまして、F/Sを1年間実施しました。スマートグリッド、鉄道システム、生活支援ロボット等々でございます。 そのうち、スマートグリッド関係につきましては、10ページ目の右側にございますように、メガワット級で系統に連携する試験施設というのは、欧米、中国とも国の研究機関が整備をしております。このような大規模なものは、国内に幾つもあっても、効率性が悪いわけでございまして、アメリカの国立研究所が整備している状況もあり、先般の補正予算で、福島の郡山に、復興事業の一環でもございますけれども、メガワット級のインバータ、コンバータであるパワーコンディショナの系統連携の試験・認証を行う施設を増設という形で90億円予算措置しております。 それから、リチウムイオン電池はメガワット級になりますと、コンテナ1個分、2個分ぐらいございますが、それを丸ごと火災試験できるように、大阪のNITE製品安全センターに施設増強ということで、85億円の補正予算を計上させていただいております。 施策の3つ目は、11ページ目でございますけれども、ISO/IECは、1国1票でございますので、ヨーロッパの国々は数が多いのですが、今はアジアの国々も国内標準の整備のみならず、国際提案もするというステージに入っておりますので、表にございますように、各国ごと、製品ごとに、全て各工業会と官民連携してきめ細やかな具体的な提案・連携をしております。 その中で、2国間の関係を強化するということで、ベトナムとインドについて、インドに関しましては、先の安倍総理の出張の際に調印したものでございますけれども、2カ国の協力協定を締結して、進めていくということをやっております。 12ページ目のベトナムの案件に関しましては、4年間ぐらい、当方のささやかな予算で人材の育成等をやっておりましたところ、ベトナム側からJICAのプロジェクトとして提案がございまして、今、認証試験施設一式をODAで整備していくという、大きなプロジェクトにつながった成功事例でございます。 13ページ目以降は、2014年の取り組みとして例示させていただいておりますが、今年は標準化にとって特別な年でございます。今年1月からIECの会長が日本人の方になりました。日本人で3人目、10年ぶりでございますけれども、野村会長が誕生しておりまして、11月には東京国際フォーラムで世界大会が開かれるということでございます。東京国際フォーラムを2週間にわたり貸し切りまして、約52の専門委員会が開催され、1,000人近い海外の専門家の来日を想定しております。そういう年でございますので、官民の取り組みを一段と強化する年にしたいと思っております。 14ページでございますけれども、予算は知財推進計画などの後押しもございまして、1.の(1)でございますが、先の900ぐらいある専門委員会に対応する工業会・学会等を支援する予算が、赤字の部分でございます。従来15億円だったものを、特別会計で20億円増額することで、倍増した形で、今、各工業会・学会の国際標準化活動を一層強力に支援できる体制になったところでございます。 15ページです。先週でございますけれども、茂木経産大臣主催の官民戦略会議を開催しました。標準化官民戦略を取りまとめたばかりでございます。 このメンバーには、当方政務の参画のほか、産業界からは、経団連、日本商工会議所に加えまして、8つの中核団体、電気、電子、化学、鉄鋼、建材、繊維、機械、自動車の代表が参加しておられます。この中には本委員会の委員でもあられます、日覺委員も入っておられますけれども、そこで議論をしまして、16ページにございます、官民戦略をまとめたところでございます。 柱としましては、一番最初でございますけれども、トップスタンダード制度を運用する過程で、国際提案をする実力のある企業は対応できたんですが、中小企業の方が提案できるかというと、そういうことにはなっておりませんでした。また国内標準JISに関しましては、トップスタンダード制度がないわけでございますので、国内外で整合性のとれた、体系的な制度に再構築すべきではないかということで、新市場創造型の標準化制度に見直すというのが1つでございます。 それから、産業界側の取り組みとして、経営戦略と一体となった標準化ということで、最高標準化責任者、Chief Standardization Officerを置くかどうかは別にしまして、そのような機能をしっかり位置づけて、企業の標準化体制を強化するべきではないかということが、2つ目でございます。 右側に中小企業の支援策がございます。これが今年の政策の展開上、非常に重要でございまして、中小企業の支援、人材の育成がございます。先ほど90の幹事国をとれていると言いましたけれども、幹事の方々もリタイア前の方が多うございまして、リタイアしますと、他国に譲ることになりますので、次の世代を担う人材も官民協力して育成する必要があるということでございます。 そのほか、戦略分野については引き続き、認証基盤を着実に整備していく、アジアとの協力関係は、ベトナム、インドのほか、インドネシア、タイと広げていくつもりでございます。 この戦略を官民でしっかりフォローしていこうということで、フォローアップ体制も構築し、進めて行くこととしております。 以上、2014年は一段と飛躍できる年にしたいと思っておりまして、引き続き、取り組みを強化したいと思っております。 以上でございます。 ○渡部座長 ありがとうございました。 国際標準化・認証の取り組みの内容について、御意見のある方から、挙手をお願いいたしたいと思います。 この件については、資料4で長澤委員から、標準必須特許の権利行使のあり方についても、御意見をいただいております。 いかがでしょうか。妹尾委員、どうぞ。 ○妹尾委員 ありがとうございます。 国際標準化・認証に関しては、私もここでタスクフォースの座長を3年ほど務めさせていただいたので、大変関心のあるところであります。今の御説明を聞きますと、着実に進展しているため、大変うれしくなりました。ここのところ、国際標準化は日の目を見ない場面も多かったんですけれども、着実に進展されているというのは、大変な成果だと思います。 特に、数年前は、中身自身を標準化するという、言わば技術のだだ漏れを標準化を通じてやってしまうという事例が多かったのですが、今回の成功事例を伺っていますと、試験標準だとか、あるいは評価標準という工夫がされているところは、大変良いところだと思いました。 引き続きこれを進めていただきたいのですが、3点ほどお願いがあります。 第1点目は、これだけ進めてはいただいているものの、実際の現場では、相変わらず標準自体を自己目的化してしまう。すなわち特許においては、権利化自体を自己目的化してしまうと同様に、標準化が取れたらうまくいくみたいな誤解が大変あります。標準化は、あくまで産業競争力のオープン・アンド・クローズの戦略の中で、標準をどう使うかということが重要なので、引き続き、その啓発に努めていただければと思います。 第2点目は、認定・認証ビジネス、すなわちアクレディテーションとサーティフィケーションをビジネスとして日本ができるか。日本は欧米に比べて、このビジネスに関しては、かなり遅れています。産総研を始めとして、これに積極的に向かおうという流れがあったわけですけれども、認定・認証ビジネスが日本国内で発展することで、国際標準化をてこにして、産業競争力を強めることになろうと思いますので、ここのところも引き続き注力していただければと思います。 3点目は、標準化の話だけで完結しないで、特許との関係でどう考えるか。すなわち特許と標準化について、オープン・アンド・クローズドをやるときの極めて重要なツールになりますから、それをどうやって切り分けるか、どうやって組み合わせるか、どうやって組み込むか。特許にするか、標準にするか、従来は代替関係しか考えなかった。それが補完になる、相乗になるという関係付けが欧米では進展していますので、さらに取り組んでいただければと思います。 期待をしていますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○渡部座長 ありがとうございました。 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 後ほど推進計画の中でも議論があると思いますので、こちらについては、これで終わりにさせていただきます。 続きまして、知的財産推進計画2014の本文の取りまとめに向けた議論に移りたいと思います。 昨年策定した知的財産政策ビジョンの検証を行うべく、かねてより検証・評価・企画委員会及び4つのタスクフォースを開催してまいりましたが、当該本文案につきましては、各会合での委員の皆様からの御意見を踏まえ、作成をしております。 まずは本文案の内容について、事務局に報告していただいた後、御議論をいただければと思います。 また、先ほど長澤委員の資料を御案内いたしましたけれども、あわせて、事務局より説明をお願いしたいと思います。 ○畑野参事官 座長、ありがとうございます。 それでは「『知的財産推進計画2014』(案)」でございます。 資料5は1枚紙で目次でございますので、机上配付にさせていただきました、取扱注意、全体で56ページのレポートのほうをご覧いただければと思います。 説明の時間も限られておりますので、目次も含めまして、2ページ目から5ページ目の「はじめに」のところは、10分の説明のうち、5分ぐらいをかけまして、丁寧に説明をさせていただきます。 具体的な施策につきましては、6ページ目からでございますけれども、ここは主立ったポイントだけ拾う形で、御紹介という形で説明をさせていただければと思います。 目次のところでございますけれども「はじめに」及び「重要施策」が全体で12本並んでおります。それから「工程表」とありますけれども、工程表はこの資料に添付してございません。 2ページ目以降「はじめに」になるわけでございますけれども、ここにおきましては、去年の夏から今にかけまして、知財本部、知財事務局を中心といたしまして、皆様方と御議論をさせていただきながら、何を狙ってきたのかといったことについての話をさせていただいております。 冒頭、山本大臣からもお話がございましたけれども、昨年6月に今後10年間を見据えた知財ビジョンをつくりました。そのエッセンスを知財政策の基本方針ということで、あわせて閣議決定をさせていただきました。 2014年の計画というのは、知財ビジョンができてから、言わば2年目の計画でございますので、2ページ目の中ほどにございますけれども、知財ビジョンの第1から第4の柱に基づきまして、このビジョンで掲げられました約200弱の政策の一つ一つについて、丁寧に検証をしていこう。これが去年の夏、このサイクルが始まる出発点でございます。 そのために、今、ここにお集まりの検証・評価・企画委員会といったものを設置いたしました。目的は繰り返しですけれども、PDCAサイクルを回す、ビジョンの施策の一つ一つについて実現を図っていくことが、基本的な立ち位置だったわけでございます。 あわせまして、検証・評価・企画委員会でございますので、2ページ目の下にございますけれども、去年の今ごろは想定されていなかったような、あるいは状況が変化したところについては、正確にそれをとらまえた上で、新たな施策、あるいは既存の施策の深掘、従前の施策のスピードアップといったことも、図らなければいけないということでございます。 環境の変化というところで、2ページ目、代表的な例をそこに記載させていただいております。オープン・アンド・クローズ戦略といった言葉が、企業のトップを含めて、企業の間でも非常に定着してきたということ。その中で、後で触れますけれども、サムスン、あるいはグーグル、アップルといった国際的な場での訴訟も相次いでおります。 それから、冒頭、大臣から触れていただきましたように、営業秘密の漏えい事件もございました。 きょうからシンガポールで始まります、閣僚レベルの会合、TPPも進展が見られている、こういった環境変化があったと思います。 それから、オリンピック・パラリンピックの招致という話、あるいは和食のユネスコ無形文化遺産への登録が決定しました。これはコンテンツを海外に発信していく中では、非常に大きな機会になります。 こういったことが、この1年間の環境変化ということで、とらまえておかなければいけないことではないか、こういう問題意識でございます。 そういった問題意識を踏まえて、施策を深掘していこう、加速化していこう、拡充していこうということでございますけれども、知財本部は、検証・評価・企画委員会の中で、目次に示されている12の柱を特に取り上げて議論をいたしました。 3ページにございますように、知財本部みずからが司令塔機能を発揮して、取り組むべき課題もあろうということで、これも大臣に冒頭の御挨拶の中で触れていただきましたけれども、横串を刺す、後押しをする、この2つのキーワードで、3ページ目から5ページ目のところにございます、5つの項目につきましては、まさに知財本部が主導という形で、各省庁をリードしてきたということでございます。 職務発明制度ですが、キーワードは、技術関係を正確に把握した上で、制度官庁における議論の加速化を促したという点、これが大きな成果であったと思います。 2番目の営業秘密ですが、これも大臣からきょうの『日本経済新聞』の記事の御紹介がございましたけれども、法案化に向けて経済産業省が後押しをしたということ、官民一体となって、三位一体で取り組んでいくといった姿勢を示すことができたということかと思います。 4ページに移りますけれども、3番目、中小・ベンチャー企業支援対策です。タスクフォースでは、成功事例の検証ではなくて、初めての試みだったわけでございますけれども、数多くの失敗事例を机の上に並べて議論いたしました。とかく、これまで資金の不足といったことが言われていた中小・ベンチャー対策ですけれども、タスクフォースを通じて、人材の問題が非常にクローズアップされてきたと思います。残念なことに、知財マネジメントの重要性が中小企業の経営層に不足している。これをどういうふうに解消していくのかといったことが、浮き彫りになったと思います。 4番目、コンテンツの海外展開、インバウンドの促進でございますけれども、4ページ目から5ページ目に書いてございますが、ここのキーワードは、コンテンツ産業の輸出産業化といったワーディングではないかと思います。国内で売れたコンテンツを海外に売っていくということではなくて、当初から海外で売るためにはどうしたらいいのかといった発想の転換をして、コンテンツの海外展開をしていかなければいけないということです。これはこれまでの大きな政策転換ではないかと思います。政策転換の一つの事例ということで、大臣から冒頭御紹介いただきましたように、音楽産業といったモデルを徹底的に検証し、これをほかのコンテンツにも応用していこう、こういった議論の展開をさせていただきました。 5ページ目でございますけれども、アーカイブの利活用の促進でございます。地味なテーマでございますけれども、アーカイブ化につきましては、各コンテンツによって、取り組みの状況にばらばら感があります。一方で、これは産業競争力の観点から、非常に重要な基盤整備でございまして、アーカイブといったことについて、正確に光を当てて、議論をさせていただきました。どういった優先順位をつけていくのか。ただ、アーカイブということで集めるだけではなくて、それをどういう形で利活用していくのかといったことについての議論をしていただいたわけでございます。 5ページ目の下から2番目の段落でございますけれども、音楽産業のところで、大臣から冒頭御紹介いただきましたが、重要なことは、5本柱につきましては、知財計画へのインプットということで終わらせることなく、知財計画ができました後も、各省庁の取り組みについては、引き続き包絡をしていくことが重要かと思います。現在のタスクフォースの形をとるかどうかは別にいたしまして、5本柱につきましては、知財計画がまとまった後も、各省庁の取り組みについては、特に重点的に進捗状況をウオッチしていくことが重要かと思います。 そういうことで、12本の政策について、知財計画2014では取り上げるということ、その中で、5本の柱ということで、知財本部が中心となって取り組んだテーマ、こういった話を冒頭の「はじめに」で書き下ろさせていただきました。 知財計画の細かい政策、200余りの重要な政策でございますけれども、これは一つ一つにつきまして、工程表という形で、あわせて6月下旬までに、表の形で整理をしていきたいと思っております。漏れることなく、一方では、きちんとめり張りを効かせるといった形で、2014をまとめていきたいと思っております。 続きまして、6ページ目以降でございますけれども、全部説明することは不可能でございますので、時間の許す限り、ポイントだけお話をさせていただきたいと思います。 産業財産権分野のトップバッターにきておりますのは、特許庁を中心といたしまして取り組んでいる、知財システムのリファイン、高度化の話でございます。世界最速・最高品質の特許審査を目指すといったことでございます。 具体的には何をするのかという話でございますけれども、10ページをお開きいただけますでしょうか。一番下の段落でございますけれども、審査体制の整備・強化を図っていくということでございます。特許庁におきましては、審査請求から一次審査までの期間、FAという期間ですが、昨年度、11カ月を達成いたしました。それをさらに短縮するという話です。 それから、新たな目標設定ということで、権利化までの期間、現在、約28カ月のところを、この10年間で半分にしていくといった目標を新たに立てるというところが、ポイントになろうかと思います。これは検証・評価・企画委員会でも、特許庁から御報告をしていただいたものでございます。 2つ目のテーマの職務発明のことでございますけれども、こちらにつきましては、ページが飛んで恐縮でございますが、14ページから15ページをお開きいただきたいと思います。特許庁でアンケートをしていただき、相当なファクトが出てきたということでございます。 ただいま特許庁では、15ページにございますように、産業構造審議会の中で検討を続けておりまして、きょうの『日本経済新聞』の記事にもございましたけれども、7月ごろには取りまとめが行われると聞いております。 どういった落ち着きになるのかということについては、引き続き、特許庁の検討に委ねているわけでございますけれども、取りまとめ、すなわち法律を出すか、出さないかということを含めての時期でございますが、去年の計画との関係で申し上げれば、それを前倒ししていただきまして、今年度のできるだけ早い時期に、法制度上の措置を講じることの必要性も含めて、結論を得るということで、これは知財本部のワーキンググループの成果で、時期的に加速化するということでの後押しができたのではないかと思います。 3番目、営業秘密について、ポイントを1点だけ申し上げます。 18ページをお開きいただきたいと思います。これは渡部座長みずから、タスクフォースの議長ということで、精力的に会議をリードしていただきまして、その成果は18ページの真ん中ほどでございますけれども、営業秘密保護法制の見直しということでございます。きょうの『日本経済新聞』の2面、大臣から御紹介があった記事に該当するところでございますけれども、不正競争防止法の改正なのか、あるいは営業秘密のところを取り出して、単独の法律にするかといったことはさておき、次期通常国会への法案の提出も視野に入れて、スピーディーに検討を進めていくということです。しかも、営業秘密保護法制の見直しという項目が、全体の項目のトップにきたということ、法律を出すということ、時期を明示したということが、タスクフォース、この委員会の議論の大きな成果ではなかったかと思っております。 20ページからは、国際標準化・認証の話でございますけれども、これは先ほど経済産業省の土井課長から御報告をいただきましたので、基本的に省略いたします。 渡部座長から御紹介がありました、標準必須特許の話は、長澤委員のペーパーのところで、御紹介をさせていただきたいと思います。 23ページからは産学官の連携強化ということで、こちらもこの委員会で何度か議論させていただきました。 25ページから26ページの中で、象徴的なのは25ページの中ほどでございますけれども、改正研究開発力強化法に基づく出資業務の開始とございます。きょうは御紹介いたしませんけれども、昨年の臨時国会で、議員立法でございますけれども、研究開発力強化法の改正法案が成立いたしました。この中で、JST、科学技術振興機構につきまして、幾つか業務拡充が図られているということでございます。文部科学省から御提案がございまして、改正研究開発力強化法に基づく施策といった話を、25ページから26ページにかけて、幾つか掲載させていただいております。きょうは、文科省の担当者にも、バックシートで来ていただいておりますので、もし御質問があれば、後ほど受け付けたいと思います。 27ページからは人材育成でございます。個々の施策は御紹介申し上げませんけれども、政府が中心となって人材育成をしていくということでございます。これは妹尾委員に昨年まとめていただきました、知財育成プランの具体化ということで、昨年来、取り組んでいる話ですが、これを引き続き継続していくということでございます。 以上が産業財産権分野の話でございます。 中小・ベンチャーのところでございますけれども、31ページからでございます。ここも一つ一つは御紹介いたしませんけれども、タスクフォースの議論に基づきまして、特に知財マネジメントができる中小企業の経営層をどういうふうに育成し、かつそれを支援していくのかといったことで、施策をかなり充実させていただいたと思います。 この会議でも議論になりました一方で、中小・ベンチャーへの特許料の減免制度は、昨年の臨時国会の産業競争力強化法の中で一律にいたしましたけれども、さらにこの検討を進めていくという話が、35ページ辺りに書かれております。 コンテンツ分野の話は38ページ目以降でございます。 ここにおきましては、ポイントを拾い上げますと、39ページです。コンテンツ分野も議論の加速化が大変重要でございます。この委員会の中でも、文科省からの御説明に対しまして、検証・評価・企画委員会の委員の方から、なおスピードアップをするようにといった御指摘がございました。 39ページの一番下、新しい産業の創出環境の形成に向けた制度等の構築・整備というところで、クラウドサービスの扱い等々、現在の文科審議会での議論を加速化させる、今年度のできるだけ早い時期に結論を得るといったことを明記させていただいております。 42ページがアーカイブの話でございます。これは冒頭「はじめに」のところで触れましたので、省略をさせていただきます。 45ページ以降が、第4の柱、いわゆるクールジャパンの展開を含めましたソフトパワーの強化でございます。冒頭申し上げましたように、国内ではなかなか食べていけない、海外に活路を見出していくといった、きちんと問題意識を持って取り組んでいこうということで、音楽産業のタスクフォースから得られた施策につきまして、ほかのコンテンツにも応用が効くといったところを中心に、施策を並べておるところでございます。 模倣品対策・海賊版対策の話が52ページ目以降です。 コンテンツの人材育成が55ページ目以降です。 一番最後のコンテンツ人材の育成のところは、個々に企画の中身は御紹介申し上げませんけれども、産業財産権分野にも絡む話ですが、4つのタスクフォースを開いたわけでございますが、いずれのタスクフォースにおきましても、人材の育成が一つの大きな政策テーマになってきたという印象がございます。2014で間に合うところ、間に合わないところが出てくるかと思いますけれども、間に合わないところは、引き続き次の計画への反映も含めまして、1つ大きな課題と認識しなければいけないと思った次第でございます。 長くなりましたけれども、レポートの概要ということで、御紹介申し上げました。 あわせまして、各委員からの意見でございますけれども、資料2から資料4でございます。簡単に御紹介申し上げます。 相澤先生のコメントは、本日御出席いただいておりますので、必要があれば、御本人から御説明いただければと思います。 杉村委員からは、営業秘密保護の話、特許権の権利行使の見直しということで、御意見を頂戴いたしております。 長澤委員の御意見でございますけれども、座長からの御指示でございますので、ここは御紹介をさせていただきたいと思います。 長澤委員のレポートは、4枚のレポートでございますけれども、指摘は2点でございます。 1つは、1ページ目から2ページ目のところでございますけれども、標準必須特許と差止請求権の制限につきましての扱いをぜひ検討してほしいということでございます。長澤委員のレポートでいうと、2ページ目のところです。一番下のところで、上記した状況や知財高裁判決の内容などを踏まえて、標準必須特許の権利行使のあり方のあるべき姿について、ぜひ検討をしていただきたいという話が1点でございます。 長澤委員の指摘はもう一点ございまして、3ページ目からでございますが、標準必須特許の権利行使のあり方とは別に、特許法のゆがみにより生じている問題の一つとして、いわゆるパテント・トロール、権利の不行使団体による権利の濫用といった話があるのではないかということでございます。パテント・トロール、権利不行使団体の差止請求権の濫用、特許権の濫用についても、引き続き議論を進めてもらいたいといったことが、長澤委員からの指摘となっております。 1点だけ補足させていただきますけれども、戻ります。標準必須特許の話で、長澤委員から、アップル、サムスンの知財高裁の判決で、5月16日に言い渡しが予定されているといったことでございまして、その概要だけ簡単に御報告させていただきます。 サムスンとアップルの間で係争がありました、アップルのiPhoneについて、サムスンの技術を勝手に使っているのではないかといった点について、アップル側が、これは特許権を侵害していないということについての確認を求めるといった訴訟が提起をされたということで、まさに標準必須特許をめぐる判決ということで、注目を集めておったわけでございます。 一審判決は特許権の侵害はあったけれども、その前にサムスンが特許の利用許諾には幅広く応じると宣言、いわゆるFRAND宣言をしているので、一審判決はアップルの請求を認めて、サムスン側においては、損害賠償を請求する権利はなんだといった判決があったわけです。 高裁判決におきましては、新聞報道によりますと、ライセンス料に見合う分、金額にして995万円でございますけれども、それにつきましては、サムスン側にアップルに対するライセンス料の請求権利はあるんだといった判決が下ったようでございます。 アップル側のコメントは、裁判所がサムスンに対し、国際特許制度の整合性を守ろうと、毅然とした対応をとったことを高く評価、称賛するということでございますので、結果的には、アップルの請求、FRAND宣言した以上は、高額な特許の請求は認められないといった主張がほぼ認められた、高裁判決で十分に認められたといった評価ではなかったかと思っております。 ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。 ○渡部座長 ありがとうございます。 これから知的財産推進計画2014の本文案について、御意見をいただきたいと存じますが、本日20名の委員の方に御出席をいただいております。恐れ入りますけれども、御発言は3分以内でお願いしたいと思います。3分でちょうど60分、いっぱいいっぱいという形になっておりますので、よろしくお願いします。 それでは、どなたからでも結構でございますが、いかがでしょうか。 荒井委員、どうぞ。 ○荒井委員 今回の計画案は、山本大臣の下で、山本イニシアチブということで、知財戦略が非常に画期的に進んでいると思います。心からお礼申し上げます。 その上で3点お願いがございます。 第1点目は、18ページ、営業秘密保護法制につきましては、新日鉄とか東芝の事件を踏まえて、前向きな表現になっているわけでございます。ただ、この問題は、成長戦略とか、産業競争力と直結する問題ですので、4点お願いしたいと思います。 1点目は、法律の内容を総合的にしていただきたい。ここでは、優先すべき事項だとか、知財関連法制の範囲とか、いろいろ制約が掛かっていますが、この問題は非常に大事な問題ですから、総合的に行っていただきたい。 2点目は、法形式は不正競争防止法の改正では限界がありますから、新法を作って、国家の意思をしっかり示していただくということを行っていただきたい。 3点目は、次期通常国会への法案の提出も視野にということですが、これは山本大臣のイニシアチブで、次期通常国会でしっかり出していただきたいと思います。 4点目は、ここの検討体制も、引き続き、山本大臣のイニシアチブで進めていただきたい。これは各省にまたがる大変大事な問題ですから、お願いしたいと思います。 第2点目は、24ページ、産学官連携でございます。科学技術イノベーション戦略を山本大臣に進めていただいているわけですが、地域においてイノベーションを進める場合には、地方の大学と中小企業、中堅企業が協力をするのは非常に大事です。残念ながら、現在、地方大学のTLOは非常に厳しい状況です。これは事業仕分けとか、いろんなことがあって、そうなってしまったわけですが、ぜひ地方の大学に資金の支援と技術営業ができる人材の派遣、こういうものも考えていただいて、地方におけるイノベーションを進めていただきたいと思います。 第3点目は、35ページの下から2つ目、減免制度の関係でございます。これは政治的な決断もあって、特許の減免の対象を一律20人以下としていただいたわけですが、アメリカは500人以下ですから、その25分の1です。日本の場合、中小企業基本法は、300人以下という定義をしていますので、20人以下ではなくて、300人以下の中小企業がカバーできて、中小企業が元気よく成長戦略に入っていけるように、こちらの方も政治的な決断が要ると思いますので、是非お願いしたいと思います。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございました。 いかがでしょうか。野口委員、どうぞ。 ○野口委員 私からは2点申し上げたいと思います。 1点目は、営業秘密の関係と、40ページに記載をしてあります、ビッグデータビジネスの振興等との関連ですけれども、プライバシー法制については、山本大臣が非常にプッシュをしてくださっているということで、IT戦略本部がメインで進んでいると理解しています。 最新かどうかわかりませんが、ついこの間の本部発表の資料を拝見しましたところ、日本独自のレギュレーションになっている傾向がありまして、その中でも、例えば企業のプライバシー関連で、匿名処理をしたようなデータであっても、それを第三者に提供するときには、政府委員会に全部報告をして、それを公表するということが書かれているんですけれども、それは営業秘密保護との関係では、真っ向から逆行しているというか、企業にしてみれば、どういうデータを誰とやりとりしているのかというのは、営業秘密の根幹の一つであります。それを政府にレポートして、政府が広く公表するというのは、プライバシーの観点から、それだけを考えれば、ニーズがあるのもわからなくはないんですけれども、匿名処理もした上で、そこまでやらなければいけないというのは、営業秘密を保護するという観点からは、かなり逆行しているような感じがいたしますので、そこを統一的に見ていただきたいということです。 大臣が冒頭おっしゃられましたように、ITも含めて、世界最先端のというのは、何も世界で最も細かくて、最も丁寧なレギュレーションをするということではないと思います。必ずしも最先端ではないわけでありまして、非常に綿密な分析をされているのはよく分かるんですけれども、日本人の生真面目さで、余り細かくやり過ぎますと、ビジネスに負荷が掛かって、日本のビジネスの空洞化が進んでしまうと思いますので、その辺りはバランスをもって検討していただければと思っております。それが1点目でございます。 2点目につきましては、39ページの新しい制度、クラウドサービス等を始めとした制度の見直しということで、加速化させるということで、早期に結論を得るということは、非常に重要だと思います。 その一方で、審議会は、どちらかというと、コンセンサスを重視しつつ行っていくような側面もあるかと思いますので、実りのあるというか、いつも例外規定を検討しては、いろんな意見が出て、まとまりがつかなくて、最低限できるところだけで、とりあえず改正しようみたいなことが、過去に何度も繰り返されているような感じがいたしますので、その辺りは、根本的に取り組んでいただいて、日本の事業者が日本の法律にコンプライアンスして、事業を展開するときに、例えばフェアユースがあるアメリカに比べて、足かせが出てしまうようなことがないようにすることは、非常に重要なことだと思っております。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございました。 いかがでしょうか。井上委員、どうぞ。 ○井上委員 私は職務発明の制度の見直しについて一言申し上げます。 先ほど御紹介がありましたように、産構審の知的財産分科会の中の特許制度小委員会におきまして、職務発明制度の抜本的な改正について議論が進められているわけでございますけれども、小委員会での議論を見ておりますと、必ずしも知財本部から与えられたミッションに沿ったものになっていないのではないかということで、この点は大変憂慮しております。 どういうことかと申しますと、想定されている抜本的な見直しというのは、インセンティブ施策は、基本的に企業の自主的な判断に委ねるとされています。最終的に裁判所が介入して額を決めるという制度を改めようというのが、出発点だったはずでございます。ところが、特許制度小委員会では、企業の自主性に委ねると危険だということで、現行制度の微調整にとどめて、裁判所が最終的に介入できる余地を残しておくべきだという論調が支配的になっております。 組合の代表の方もおられるわけですけれども、制度改正をすると、労働者の利益が切り下げになるおそれがある。それはすなわち解約であるということで、強行に反対する立場をとっておられます。 他方、産業界が求めるのは、抜本的な改正ですので、そうなると、両者の中間のどこかに妥協点を探るというような、綱の引き合い、綱引きをしているような、綱の引っ張り合いのような状況にならざるを得ないわけです。 どうしてこういうふうになっているか考えてみますと、知財本部で掲げたミッション、政策目標というのが、特許法の職務発明制度の見直しに限定されているところにあるのではないか。今回、特許法の職務発明制度という狭い土俵で議論していくと、どうしても労使の綱の引っ張り合いになってしまうわけですけれども、もともとこの改正の話が出てきたのは、産業力強化のために、イノベーション創出を促進するような大きな政策目標であった。そのためには、イノベーションを支える人材、とりわけ企業ですとか、アカデミアの組織内の研究者や技術者をこれまで以上に尊重して、彼らのモチベーションを向上させるような環境をつくっていく。それが不可欠であるという発想だったはずです。 そうだとすれば、特許法の職務発明制度というのは、その目的実現のための手段の一つにすぎないわけでありまして、職務発明制度の抜本的な改正だけではなくて、ほかの政策メニューと組み合わせて、全体として、組織内の技術者・研究者のインセンティブ向上につながるような政策パッケージを構想すべきなのではないかと思っております。 例えば経営学とか、経済学のインセンティブ設計の専門家を集めて、実証、理論的な研究を進めるとか、あるいは具体的な企業での成功事例や失敗事例を集めて分析して、それをビジネススクールのエグゼクティブプログラムのようなところで、経営トップにインプットするであるとか、中小企業に対しては、特に丁寧にきめ細やかな情報提供を行う、相談に応じるというようなことが考えられるわけで、そういう総合的な施策が講じられれば、恐らく職務発明という特許法の中の話だけで、綱引きをせずに済むのではないか。Win-Winのソリューションを探れるのではないかと思います。 知財計画2014におきましては、職務発明制度の見直しを含め、イノベーションを支える人材のモチベーション向上のための総合的な施策を講ずるという形にしていただけないかと考えております。 もう一点、産業界のコミットメントの必要性についても強調しておきたいと思います。今の議論が硬直化しているのは、産業界に対する組合側の不信感が背景にございます。山本大臣の所感の第1点を見ますと、産業界が自主的にインセンティブ施策を講じてほしいとおっしゃっているわけですが、そこから出ている経団連のメッセージというのは、個々の企業がちゃんとやりますから、御安心くださいということにとどまっているわけですけれども、これはもう少し産業界に積極的に関与していただきたい。 狭い島国の日本にイノベイティブな企業が集積し、国内外の優秀な技術者・研究者を引きつけるような環境が日本にあるとなりますと、それは日本の産業界全体、ひいては、個々の企業にとっても大きなメリットがあるわけですから、企業の社会的な責任として、取り組んでいただきたいと思います。そのためには、知財計画の中に、官民が連携して、インセンティブ施策の構築に努めていくということを、書き込んでいただけないかと考えております。 先ほど特許制度小委員会での取りまとめは、7月ぐらいをめどに前倒しでやるんだというお話が出てまいりましたけれども、今のままで議論を加速化して、結論を得るとなりますと、現行制度の微調整で終わってしまうということになりかねないので、司令塔としての知財戦略本部にお願いしたいのは、特許制度小委員会に対して、明確なメッセージを出していただいたて、ほかの総合的な政策とパッケージで見てほしいんだということをメッセージとして伝えていただきたいと思っております。 以上でございます。 ○渡部座長 ありがとうございました。 ほかにいかがでしょうか。山本委員、どうぞ。 ○山本委員 1点、産学連携の機能強化についてお話をさせていただきたいと思います。 特許法第73条第3項を改正していただきたいということを、前から申し上げてまいりました。これは何かと申しますと、例えば企業と大学の共有特許の場合、大学は相手の同意無くして第三者にライセンスすることはできません。ところが、アメリカにはこのような規定は無く、相手の同意無しに自由にライセンスができるため、技術がどんどん広がります。 つまり、今までは、特許は守るものとして考えられてきましたが、流通させることを考えるのであれば、別段の定めがない限り、相手の同意無く第三者にライセンスできるようにした方が、技術が活かされるようになるのではないかと考えております。 企業と企業で共有特許を持っていたときに、一方がその特許を死守しようとすれば、活かさせるはずの技術が活かされないで、死蔵してしまう場合もあります。技術を活かす方にかじを切るのであれば、第73条第3項はネックになると思っていますし、前回の委員会においても、長澤委員、奥村参考人、そして産業界の方も賛成の意見を表明していらっしゃるということから、第73条第3項をこのように改正頂ければ、技術の適材適所が進むのではないかと考えております。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございました。 ほかにいかがでしょうか。瀬尾委員、どうぞ。 ○瀬尾委員 42ページからのアーカイブの件なんですけれども、今回はアーカイブの議論をかなり深くできたことが、非常によかった部分ではないかと思います。その中で、先ほどの特許の迅速化とか、日本の技術の輸出などについても、アーカイブは非常に深くかかわっている部分だと考えておりますし、そのような議論ができたと考えております。 ただ、ここは先ほどから横串をということがございまして、それについて、この中で、違和感のある点が1つございます。それは何かというと、この中のアーカイブで、現在の国会図書館のアーカイブについて、非常に重要なポジションにあるということが議論されてきました。実際のタスクフォースにおいても、国会図書館からの委員が出ていらして、現在、非常に進んでいるし、広い範囲にわたって進捗中だし、連携もされていると伺っております。実際にこれは可能性があるし、今後もっとこれを促進しなければいけないにもかかわらず、国会図書館の所管というのは、どちらの省庁でもない。つまり国会に附属しているということで、これは内閣の司令塔と言いつつも、国会図書館に言及している部分が入っていないと思います。 また、基本的な指揮系統というと、もっと大きな横串を刺していく、もしくは国会図書館が単なる国会附属の資料の集積ではなく、新たな役割を持つということです。これはこの場ではなくて、代議士の先生方にお考えいただいて、より大きな変革を基本的にしないと、アーカイブ施策は進み難い部分があるのではないかと思っております。ですので、今回あれほど議論をしてきた国会図書館を中心とした今後のナショナルアーカイブ群、日本と海外を結ぶ知財ネットワークインフラの輸出や形成に関して、そのコアを欠く、言い換えれば、画竜点睛を欠くということになりかねない危惧を持ちます。 この問題は、知財会議の中でどうというと申し上げることではございませんけれども、大臣にも御出席いただいておりますので、どのようにしたら、さらに大きな横串とインフラがつくれるのか、その部分を御検討いただいて、何らかの措置を早い時期に実施していただくことによって、アーカイブが現実化するのではないかと考えております。 逆に言えば、アーカイブに書いてあります施策が、正直申し上げまして、根本的な施策を欠いている部分は、その部分に問題があるのではないかと考えております。ぜひ御検討いただきたい部分でございます。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございます。 いかがでしょうか。角川委員、どうぞ。 ○角川委員 今回の推進計画2014は、オリンピックとTPPが入ってよかったと思います。また、デジタルアーカイブについては、超高解像の話も出てきてよかったと思っております。 私がここで申し上げたいのは、コンテンツの海外展開なんですけれども、コンテンツの海外展開が成功すればするほど、日本を訪問した外国の人たちが、どこに行けばいいのかという話になると思います。現状では秋葉原に行ったり、池袋に行ったり、渋谷に行ったりというところにとどまっているわけです。そこで、クールジャパン特区を国内につくることが必要なのではないかと思います。 クールジャパン特区というのは、海外からクールジャパンとは何だろうと思って訪ねてきたら、そこに行ってもらえば、産業界あるいは政府が考えるクールジャパンは、こういうものだということがわかるような、そういうものを地方につくったらどうか。地方行政から手を挙げてもらって、大きな施設の土地を提供してもらって、そこにそういう施設をつくっていくというイメージであります。 インバウンドの受け皿がないことに気がつきます。ハコモノもないわけです。民主党政権のときに、鳩山さんが漫画博物館みたいなものに対して、漫画喫茶だと言って、否定したことがあります。シンガポールを訪ねたときに、シンガポール大学の学生から指摘されて、日本は何で漫画喫茶を否定するんだと言われて、立ち往生したということがあります。その復活でもあるかもしれません。 また、海外のクールジャパンに共鳴した人たちの研究施設にもなればいいかと思います。そういうところでは、滞在する学生のビザ発給がされるということで、長期滞在ができる。1年から2年、3年という滞在ができるような配慮をしてもらえればいいと思います。海外の人たちに、日本のコンテンツの創造する現場を見てもらうことが必要だと思います。 クールジャパンというのは、19世紀のジャポニズム運動とよく似ていると思います。19世紀のジャポニズム運動というのは、浮世絵から始まったわけです。あれは芸術運動、文化運動ではあったけれども、国家の支援がなく、立ち折れてしまって、今日に至っています。今のクールジャパンも競技で考えると、芸術運動であり、文化運動であり、それを国が19世紀のジャポニズムに反省をしたということで考えれば、それを経済政策、国策にしているということが、今回の長所なのだと思います。このまま放置すると、日本のクールジャパンも21世紀のジャポニズムになって、いずれは立ち折れてしまうという心配をしております。コンテンツの人材育成という点でも、クールジャパン特区が二度役立つのではないかと思います。 知財本部でクールジャパンを取り上げるのはどうかとも思ったんですけれども、クールジャパンはコンテンツの集合体でありますから、著作権の固まりでもあります。十分に知財本部でも取り上げるべきテーマだと思って、ここで申し上げました。 ○渡部座長 ありがとうございます。 いかがでしょうか。相澤委員、どうぞ。 ○相澤委員 簡単なメモを提出させていただきました。 特許制度の問題です。特許出願は最盛時に比べて2割以上減っています。しかも、侵害訴訟の数も欧米に比べると少ない。日本の特許制度は、国際競争の面から言うと、負けている状況です。グローバル化の中で、日本の特許制度の位置付けを落としているのは、経済状況だけではありません。日本の経済状況は改善しているにもかかわらず、出願数は減り続けています。 制度間の競争では、使いやすい制度、保護の厚い制度のところへ流れていきます。審査は早くて、均質であることから、日本の特許庁は世界一優秀な特許庁であると思いますが、国際競争にその優秀さが生かされていないのではないかと思います。早く、厳しくするということからは、権利を取得しにくい、行使しにくいという現在の状況の改善の方向性は見えません。そこを改善していかなければ、日本の制度発展はありません。 標準必須特許等に関する議論について、長澤委員のご指摘がありますように、日本だけ特殊な制度を作ると、ガラパゴスになって、空洞化するだけです。国際的なポートフォリオの中で、日本の特許制度が利用されるというのが、日本語を母国語とする日本の企業にとって有効です。そういうことも考えて、制度整備をしていく必要があります。 職務発明については、井上委員から御指摘がありましたように、前回の改正のように、改正されたが問題が残るという事態は避けていただきたい。職務発明規定について、企業の自由を広げ、規制を緩和するという見地からも、特許法第35条を削除することが適切です。 営業秘密について、現在問題とされているのは営業秘密だけの問題ではなく、日本の技術が、新興国を始め他国で不正使用されていることに問題があります。したがって、将来的に、営業秘密だけではなくて、日本の知的財産権が外国で使用された場合を広く考えていくべきです。したがって、外国における営業秘密の不正使用を不正競争防止法の不正競争として位置づけることが適切です。 コンテンツにつきましては、著作権制度の情報発信に対する規制という側面に注意しなくてはいけません。ここを緩和していかないと、制度がガラパゴスになって、産業が空洞化して、外国から情報発信が行われるという状況になります。制度の整備をして、日本から情報発信が行われるということが重要です。 ○渡部座長 ありがとうございます。 いかがでしょうか。奥村参考人、どうぞ。 ○奥村参考人 奥村でございます。 簡単に3点ほど申し上げたいと思います。 1つ目は、職務発明のことにつきまして、先ほど井上委員、相澤委員からもコメントをいただきましたが、産業界としましては、山本大臣のイニシアチブでここまで引っ張ってこられた、いわゆる抜本的な改革がなされるんだということを念頭に、大きな努力をしてまいりましたし、特許庁の方、事務局の方にも随分努力をいただいております。そういう意味で、大臣が言っておられた7月初旬をめどに、抜本的な改革に向えるように、ぜひ推し進めていただきたいと思っております。 また、別途、産業界側のコミットメントが足らないのではないかという、井上委員からの御指摘がございました。これは厳しいものではございますが、日本の科学技術が発展するための議論ということであれば、特許法とは別の枠組みになる部分であると思いますし、私1人で約束できるものではありませんが、こういうことに産業界側が議論に参加することについては、ヘジテイトするものではないと、申し上げることができると思います。 もう一点、この場にはそぐわないかもしれませんが、産業界側から申し上げております提案といいますのは、まさに規制を緩和する方向だと考えております。法人帰属にしていただき、従業員に対するインセンティブは、経営の自由の裁量の中でやらせていただきたい。この点は、経営者の視点からだけではなく、企業者に勤める研究者に一番近い者が、目の前で見てきた研究者の希望を伝えている部分でもあるということを、1つ、皆様には頭に入れておいていただきたいと思います。 2点目、営業秘密についてでございますが、産業界としまして、法律をどうするかというところは、私どもの口からはさておきまして、例えば、今、発生しております新日鉄住金の事件であるとか、東芝の事件であるとか、こういった事件が二度と発生しないような仕組み・手だてを一刻も早くとっていだきたいと思うわけでございます。 3点目は、人材についてでございます。これは、特許、コンテンツ、両方に言えることだと思いますが、国内の人材だけに頼るのではなく、海外の優秀な人材も、日本国内において活躍できるような環境が整うといいと思います。これは何人かの委員の方からも提案があったと思いますが、そういったものを整えていっていただくことが、日本の国力を高めることにもつながるんだと考えております。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございました。 ほかにいかがでしょうか。宮川委員、どうぞ。 ○宮川委員 宮川でございます。 私からはグローバル化と国境を越えた取り組みということで、1点申し上げたいと思っております。 1つは、営業秘密の保護の問題でも、著作物、海賊版・模倣品の問題でも、2014年の知的財産推進計画にもありますように、やはりデジタル化、インターネットの時代になりますと、模倣品・海賊版の流通というのは、国境を越えて行われていきますものですし、営業秘密というものも、国内の中の侵害ではなく、海外企業からの働きかけによる侵害ということで、日本一国の問題ではなくなっていると、日ごろ感じております。 2014年の推進計画の中には、例えば53ページの模倣品・海賊版対策のところには、海外における正規版流通拡大と一体となった模倣品・海賊版対策の推進ということで、インターネット上での偽ブランド品や違法コンテンツの排除に向けて、ISPと権利者との連携による自主的な削除対応やセキュリティソフトを通じた利用者への注意喚起など、民間での取り組みを推進するという方向性が書いてありますので、そちらのほうを進めていただければ、効果的かと思いますが、権利者側がISPに対してサイトブロッキング、あるいはアクセスコントロール等を請求できる仕組みが、より直接的に効果的なのではないかと日ごろから考えております。 違法コンテンツを提供する者、あるいは偽ブランド品を提供する者というのは、日本国外におりますので、国外の企業に対して裁判を起こすというのは、非常に時間と労力がかかるものですし、さらに実際に裁判を起こしても、訴状が届くかどうかというところも、かなり怪しいような企業がやっていることもあります。そういうことを踏まえますと、できるだけ効果的に日本の中で手続をとれるようにすることで、いろいろな方策の中の一つとして、御検討いただけたらと思っております。 9ページの下から3つ目の項目になりますけれども、紛争処理機能のあり方の検討ということで、裁判所・特許庁による解決や裁判外紛争、紛争処理システム全体について、他国における制度などの調査を行い、広く発信するとございます。今回の委員会でも話題になっております、知財高裁のアップル、サムスン事件は、日本だけでなく、国内からも大変集まりまして、しかも、一般の意見を募集するという、非常に画期的な試みが行われたせいもありまして、外国の方からも、その件に対する問い合わせが非常に多くございます。 そして、きのうの時点ですけれども、知的財産高裁のホームページを拝見しますと、英語版のサイトでは、概要の説明がありました。残念ながら、まだ英語のサマリーができていないので、外国の方はそこを読んでもわからないと思いますが、判決も概要も英語で用意して、近々公開すると書いてありますので、そういう意味では、日本の大事な問題について、指針となるような判断、あるいは手続については、積極的に対外的に発信していただけたらと思いました。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございました。 妹尾委員、どうぞ。 ○妹尾委員 妹尾でございます。 3点ほどございます。 1つは、全体としてなんですけれども、大変進んできたと思います。山本大臣のお力もありまして、これは大変進んできたと思いますが、進んでいる方向がどうなのかという確認です。どういうことかというと、従来の知財戦略本部、専門調査会の時代は、どちらかというと、権利を主体にした知財制度、ないしは知財マネジメントに資するような政策、施策が主体だったと思います。現在は、それに加えて、1つは国際標準化という、権利化でクローズするというよりは、むしろ標準化でオープンにするような領域がございます。権利化も実はオープンなんです。技術開示をされてしまいます。ところが、今回、営業秘密というクローズド領域の保護についてウイングを伸ばしてきた。これは大変良いことだと思っております。 従来の権利化というオープン領域、あるいはその権力を行使すればクローズド領域になりますけれども、オープン・アンド・クローズの両方を持っている権利に、国際標準というある種のオープン領域、そしてクローズド領域としての営業秘密という、知財全体へのマネジメントにウイングが張られてきたことは、大変良いことだと思っています。ただ、それを認識されている方が意外といないように思いますので、パースペクティブを広げて、今回の全体の動きを評価できるようにしたらいいと思います。 2つ目は、営業秘密についてもそうですけれども、できるだけ効果が上がるようにしていただきたいと思います。なぜならば、従来のようなオープン領域のみならず、クローズド領域について、しっかり国の保護があると、企業において、オープン・アンド・クローズの選択肢の幅が非常に広がって、それが産業競争力に直結すると思います。 先ほど経産省の御説明に対して、私から3つ申し上げました。認証・認定ビジネスとしての展開はどうするか、国際標準を自己目的化にせずに、産業競争力との関係で常に考えること、特許と国際標準の組み合わせをどうやるか。切り分けと組み合わせをどうやるか、ということですが、気になるのは、22ページです。標準化に係る国際交渉を担う人財育成とあるんです。これは極めて重要なことになっています。国際幹事や議長を担える人財、特に新世代で育成することは大変重要なんですが、同時にこれは国際標準活用人財の育成までいかないといけない。現在、知財活用人財育成をやっているのですが、これは同時にやらないと意味がないんです。知財活用人財というと、どうしても特許権のことばかり考える傾向がありますけれども、これは標準も併せて考えないと、特許と標準と営業秘密の切り分けと組み合わせで、相乗効果を持つということができないので、その辺まで進んでいただければと思います。 その観点からいくと、37ページを見ていただくとわかると思うんですが、これまでの取組と今後取り組むべき施策の全体像と書いてあります。少し気になるのは、左側の矢印の3段階です。ビジネスモデル検討段階からの先を見越した支援をするというのは、大変良いことだと思います。パッシブではなくて、プロアクティブです。ただ、その次は、相変わらず、出願・権利化に関する支援としか書かれていない。国際標準だとか、営業秘密というクローズド領域に関する支援という書き方がされていない。ここでは全体としてその方向に進んでいるはずなので、例えば秘匿化だとか、標準化に関する支援も、ここで位置付けられてはいかがかと思うわけであります。 最後に3点目ですが、今日は、コンテンツ分野の皆さんと御一緒の場でありますので、それに関することを申し上げておきます。コンテンツ、テクノロジーは、どうしても分けざるを得ないのですが、現在、産業競争力的にはコンテンツとテクノロジーは極めて密接に関係しています。 例ですけれども、日本が強いゲームの領域ですが、ゲームのエンジンはデンマークのベンチャーのユニティーみたいなところが、無料でミドルウェアを配ってしまったおかけで、日本の持っているすり合わせの統合的な競争力が全部骨抜きになるという事態が、既に進行しています。産業用ロボットでも、生活支援ロボットでもそうですが、ミドルウェアで一種の事実上の標準領域をつくることによって、我々の言葉では解毒化するというんですけれども、解毒化されてしまうと、日本の競争力が一気に失われてしまうという作戦を、欧米は極めて順調に行っている。これはコンテンツ政策にとって、極めて重要なテクノロジー側の問題です。ですから、テクノロジーとコンテンツが交わるところに、領域を見ていただければと思います。そこら辺のところが、今後の大きな課題になってくるのではないかということを申し上げておきたいと思います。 以上3点です。ありがとうございました。 ○渡部座長 ありがとうございました。 いかがでしょうか。川上委員、どうぞ。 ○川上委員 私は1点です。既にこれまでも何回かお話していることなのですけれども、デジタルネットワークの基盤整備ですが、ここにクラウドに対応する著作権の整備だとか、いろいろ書いてあるんですけれども、日本の企業と海外企業の競争力に不公平が生じないようにするというのが、日本のために一番重要なポイントだと思います。 そのための一つが著作権だと思います。これはいろいろと問題があって、例えば消費税の扱いでは、日本の企業が海外にEC事業を展開するにも、消費税を取られているということが話題になったりしていますけれども、この視点がない状態で、これを一つ一つ議論していると、いつまで経っても、日本のIT企業というのは、海外企業と競争ができないことになると思います。 そもそも、今、ネットサービスにおいて、サーバーの場所が、法律が適用される場所ということに、何となくなっているわけなのですけれども、サーバーが置かれている場所に対して日本の法律に従わない場合、どういうふうに対応するのかということをまず議論しないと、あらゆるジャンルで、いろんなものが骨抜きになってしまう。竹島のように、あそこが日本の領土だと、インターネットに対して主権を主張するだけでいいのであれば、このままでも構わないと思うのですけれども、今、アジアでそういうことが起こっているんです。 日本企業が海外で競争するために、日本の法律が邪魔しないというのは当然なのですけれども、日本の法律に従わない海外企業が、日本でサービスができるということを、そのままにしておいていいのかという議論は、ぜひやっていただきたい。しなくていいという議論でも構わないので、それは世の中に公開していただきたいと思っています。今、行っているのは、実際そういう状況です。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございました。 ほかにいかがでしょうか。重村委員、どうぞ。 ○重村委員 コンテンツの海外展開に関しては、積極的なお話があって、我々としても非常に力強く思っています。 1つだけお願いしたい部分があります。今、私は放送コンテンツの海外展開を行っておりまして、その中で非常に重要な問題は、音楽のタスクフォースなどもそうなんですけれども、継続性の問題だと思います。放送コンテンツを海外展開する場合、放送とはどういう役割を担っているかというと、プロモーションの意味があります。いわゆる個別のコンテンツに対して、プロモーションの形で意味を持っている。もう一つは、リコメンド的な機能を持っているというわけですが、これを継続的に展開しようとしていったときに、日本のコンテンツそのものを現地できちんと定着させるために、現地語による日本コンテンツ紹介や検索用のウェブサイトが絶対に必要になってくるわけです。 これから是非お願いしたい部分は、例えばウェブサイトを作るとしたら、eコマースなどにもつながっていくわけですが、必ず権利問題が出てきたり、許諾問題が出てくるわけです。そういう状況の中で、この部分に関して、この委員会あるいは各タスクフォースで、もう少し突っ込んだ議論を進めていただきたいと思います。 例えばアジアなどに関して言うと、今のところ、いろんな国で放送ができる状況になってきています。日本の情報を出す状況はできてきているわけですけれども、一過性で終わってしまっては意味がないわけですから、これがビジネスに発展するために、どういう形をとったら、それが継続的に行われ得るかという議論が続けられることを、我々としては希望したいと思っております。 ○渡部座長 ありがとうございました。 いかがでしょうか。斉藤委員、どうぞ。 ○斉藤委員 「音楽の国際展開に関するタスクフォース」という検討の場を頂戴し、更に体系的にまとめて頂き大変感謝しております。 今、重村さんがおっしゃったように、我々も継続的に海外マーケットに向けてのアプローチはやってまいりましたが、それぞれが単発的な展開でしたので今後はこれにより初めて線になり、面になることを大変期待しております。 また、音楽を演奏するアーティストたちに海外のニーズを理解させることも我々に課せられた仕事だと思っております。そのためには早目に成功例を1つつくることです。成功例は新たな展開に勇気を与えてくれますので、協会加盟各社とともに頑張ってまいる所存です。そして状況を一変させることだと思っておりますので引き続き国のバックアップを宜しくお願い致します。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございます。 田中参考人、どうぞ。 ○田中参考人 職務発明制度について、まず申し上げます。こちらは、昨年度、一気に推進していただいて、仕上げの議論になっているところでございますけれども、今までお話が出ましたように、本来の我々の目的であります産業競争力の強化とイノベーションの促進というところに合っているのかどうかということを、仕上げの議論の中で、我々もしっかりと参加させていだたきいと思っております。 営業秘密についてですけれども、今回、営業秘密の不正な取得、不正な使用は断固として許さないという国の姿勢をしっかりと示すんだということと、不正・漏えいが割に合わない社会を構築していくんだという基本の進め方を示していただきましたので、これをどういうふうに実現するかということについて、我々が要望しております、新法の制定も含めて、議論を進めさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。 ○渡部座長 ありがとうございました。 迫本委員、どうぞ。 ○迫本委員 きょうは推進計画の取りまとめということで、総論的な感想だけ言わせていただきますけれども、各委員から御指摘があったように、今回のあれで一気にいろんなものが進んだという感想を得ております。 今までも知財に対しての国のかかわりで、いろいろな御努力があったわけですけれども、何となく漠然ともやもやとしていたものが、非常に明確になって、具体化されたという感想を持っております。山本大臣を初め、スタッフの皆様の御努力に感謝申し上げたいと思うと同時に、敬意を表したいと思っております。 知財立国なんだと、国の内外に向けて宣言をするだけでも、非常に効果があると思っているんですけれども、個別的にもいろいろなものをPDCAでずっと見ていくという仕組みができたことは、非常に大きなことではないかと思います。今、完璧でも、いろいろな状況の変化がありますので、そのときには、PDCAの中で、過去の経験に捉われることなく、思い切って、恥じることなく、変化に対応していただきたいと思います。ここがこう変わったから、こういうふうに変化する、変えるんだということさえ明確にすれば、あやふやにしたまま進むより、全然いいのではないかと思います。 前回も申し上げましたけれども、もろもろを進めるときに、コンテンツというのは、重村さん、斉藤さんも言われましたように、継続性が重要ですので、単年度予算と省庁の縦割りという制約の中で、継続的に省庁横串で、オールジャパンで進んでいくことが、非常に重要だと思いますし、評価したいと思っております。 前々回も申し上げましたけれども、官民のすみ分けという意味で、知財というのは民間の自助努力にかかっていると思っております。民間の健全な競争原理が働くように、先ほど妹尾先生が言われましたように、ミドルウェアのテクノロジーもある意味基盤整備だと思います。そこをやってもらえれば、コンテンツのほうもありがたいので、国は基盤整備、民間は競争原理で頑張るという仕組みを軸として、今後も継続していけば、これから日本の十年、二十年だけではなく、五十年、百年の計につながるような成果が生まれるのではないかと期待しております。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございました。 まだ発言をいただいていない方はおられますか。喜連川委員、どうぞ。 ○喜連川委員 大学におりますので、教育のIT化について、希望を申し上げさせていただきます。 教育関係のIT化というのは、非常におくれているところがあります。特に現行の著作権法では、いわゆる35.2から同時配信でないといけないことになっておりまして、後からオンデマンドで見るということが、許されていません。 ところが、現在のITのオンライン共育で何がわかってきたかというと、学生がこういう順番で勉強したいと思っているということ、学生の教育の多様性が、ログを解析することによってわかるようになってきました。 それから、学生がわからないところを何度も再生しているということが、補足してわかるようになってきました。 こういうことは、ITを使うことによって初めてわかります。そういう意味で、オンデマンドが再視聴できるような講義体系というものが、できるようになるといいと思います。ITの利活用をしないというのは、余りにもったいない話でございまして、ある程度の制限・制約はあるにしても、著作権法の制限規定を御検討いただければありがたいと思っておりますし、こういうものを実現するためには、アカデミックなクラウドと、そのクラウドと大学を結合するためのネットワークの基盤をしっかりしておかないと、膨大なストリームが流れますので、御配慮をいただければ、ありがたいと思います。 また、教育の下に、たまたまビッグデータという言葉が出ておりますけれども、現在のビッグデータの施策を見ていますと、何らかのドメインを指定して、そこでデータの利活用ということが少しは出てきておりますが、教育のようにどんどんイマージュしてくる、つまり想定していないビッグデータがどんどん起こってくるわけです。したがいまして、ジェネリックなビッグデータの施策というものが、日本においては極めておくれているような気がします。韓国のほうがはるかに進んでおりまして、予算投下量はべらぼうに大きいと思いますので、その辺に関しての研究開発の後押しをもっとしていただければと思います。 失礼いたしました。 ○渡部座長 ありがとうございました。 久夛良木委員、どうぞ。 ○久夛良木委員 デジタルネットワークの環境整備について、今まで相当議論されてきて、これからこの方向で実際のアクションを加速すると書かれていて、すばらしいと思います。 きょうは、おそらく最後か、最後から1つ前の会合になると思うので、ゲームの分野で今起っている最新事例について、ひとつ皆さんに御紹介させていただきたいと思います。ゲームは今まではファンタジーであったり、アドベンチャーであったり、実際のリアルの世界では表現できないような場の中で、ストーリーをつくる、もしくはアクションをするということが多かったと思います。 ところが、今、最先端の分野でどんなことが起こっているかというと、例えばパリであったり、ロンドンにある公共データ、パブリックデータ、信号機の位置がどこにある、どこに監視カメラがついている、どこに地下鉄の入り口があるか、そういった公共データに加えて、それぞれの場所で、ユーザーがフェイスブックでどういう書き込みをしているか、フォースクエアでどんな写真を上げているかとか、ツイッターで何をつぶやいているか、そういったリアルのデータをサーバー上に集めて、そこでゲームをするようなものがリリースされつつある。御存じの方もいらっしゃると思うんですが、そういったオープンワールドの新しいタイプのエンターテイメントコンテンツが、去年ぐらいから、実際に動き始めているんです。 これはすごいことで、今までファンタジーの世界でずっとゲームをやってきた中で、ここで議論されているいろんなことが全部現実のコンテンツになって、新たなムーブメントをつくろうとしている。これはもちろんゲームというコンテンツに限らず、そこで新たにつくられるビジネスだったり、ユーザビリティーであるとか、さまざまなものが、ここで生まれる可能性があると思います。 そういう中で、去年なかったことが、今、起こっているということで、実にすばらしいことであると思うと同時に、我が国の中で考えたときに、同じようなものが生まれてきていないということに関して、なぜかということについて、もう一回、我々業界も含めて、皆さんと一緒に考え直す必要があるのではないかと思います。この世界は進み方が非常に早い。そういう中で、今日の配布資料の45ページにある家庭用ゲームソフト出荷額を見ると、2008年をピークにして、3分の1以下に激減しています。これは必ずしも産業全体が縮小しているわけではなくて、ゲームという産業が次の新たなドメインのほうに向かってどんどん進化しているという、一つの証左でもあろうと思うので、ぜひ今回の議論を加速すると同時に、我々民間の団体も含めて、可及的速やかに、よりチャンスをとっていく、攻めていく、競争力を上げていく方向に進んでいけるようにしたいと思います。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございます。 大﨑委員、お願します。 ○大﨑委員 角川委員からクールジャパンのお話も出ましたので、少しあれですけれども、いわゆるコンテンツの高付加価値拠点工場、アナザーファクトリーみたいなものを、日本のどこかにつくっていただきたいと思います。特区という形がいいのかわかりませんが、置ければと思っております。つまりドラマ、映画、音楽の展開のための人材育成、確保、この2本でやらなければいけないのではないか。 もちろん留学生の招聘も含めて、プラットフォームの学習の場所みたいなものを日本に置くべきだと思います。エンタメ関連のクールジャパンの総合基地みたいなものをつくり、そこから新しいモデルを海外に輸出して、外貨を稼ぐ。世界各地におけるローカライズそのものとプロトタイプは、日本のマザーファクトリーでつくるんだ、それを各地にOEMみたいな形で展開していく。そういうイメージができれば、日本国内での雇用創出にもつながるわけですし、効果が出るのではないかと思います。それを横軸というキーワード、人材育成も含めて、展開できればと思ったりしております。 以上です。 ○渡部座長 ありがとうございました。 いかがでしょうか。奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員 それぞれ個別のテーマについては、丁寧にできて、事務局の方々に大変感謝を申し上げるところなんですが、先ほど井上委員からも御指摘があったんですけれども、また、相澤先生のコメントにもつながるんですが、全体的に見てどうなのかという視点、全体を俯瞰したような視点が、もう一つ踏み込めていないのではないかという気もしています。 これは感想でしかないんですけれども、知的財産の価値は高くあるべきなのか、低くあるべきなのかという視点で、個別具体的に見て最適化していこうとすると、今の職務発明制度の議論も、私から見ると、もともと期待した方向と違う方向にいってしまっているのではないかという印象を持っています。それはそれで皆さんがいいという方向で進めていただくしかないんだろうと印象で、今、おります。 そういった個別の問題はあるんですが、全体としてどうなのかという視点が1つあると思います。知財立国ということで、ここに荒井委員もいらっしゃいますけれども、打ち上げたときの方向性というのは、特許の価値はもっと高くあるべきだろうというものだったんだと思うんですけれども、どうも議論が一つ一つ個別化・細分化されていって、その結果、相澤先生が御指摘になっているように、特許出願は減るし、訴訟は件数が伸びないという状況があって、もう一遍、もとに立ち返って、本当にどうしたらいいのか考えるべきではないかと感じております。 細かいところを見ていくとあれなんですけれども、また、この場で議論する性質のものかどうかもわからないんですが、司法人材教育とあって、発展途上国を教育するという話があったんですけれども、国内の裁判官の方々は、もちろん大変優秀な方々なんですが、例えば海外にふらっと出ていくということは、制限されていますし、積極的に国際的な議論に参加していただければいいと、いつも思っておりまして、そういう機会がシステマチックに与えられるような制度があるべきではないかと、常々感じております。 そういった感じで、次々と言っていると切りがないんですけれども、原点に返る必要があるのではないかという気がいたします。 以上です。失礼しました。 ○渡部座長 ありがとうございました。 山田委員、どうぞ。 ○山田委員 皆様いろいろおっしゃっておられますので、簡潔に2点だけ申し上げます。 中小・ベンチャー企業の知財マネジメント強化支援ということで、具体的にいろいろな窓口の設置ですとか、方針がまとめられていますので、非常に有意義な内容ではないかとうれしく思います。ベンチャーには、足りないものが多くございますので、よい技術を持ったベンチャーが世界で羽ばたけるように、今後も絵に描いた餅にならないように、具体的な支援をしていただく形で、運用が進んでいけばいいと願っております。 もう一点、営業秘密保護の全体的な強化に関してなんですけれども、前にも少し申し上げたんですが、この活動は必要なことだとは思うんですが、それによって、人材の流動性が落ちてしまうようなことがないようにというのは、非常に気になる部分です。企業と労働者の関係性が大きく様変わりしていっていると思います。副業禁止ルールも、経済的な事情もあって、今後OKとしていかざるを得ない状況もあろうかと思いますし、例えばプロボノといった活動であるとか、クラウドソーシングのようなものも含めて、いろいろな働き方、企業と人の関係性が生まれてくる中で、スパイといった言葉がひとり歩きして、企業側の雇用の抑止力になってしまうようなことがないように、バランスをもった議論というか、運用をしていかなければならない。そうでないと、逆に企業はリスクを恐れるばかり、業界発展のために必要に人材の流動も起こらなくなっていくようなことになっては、非常に残念だと思いますので、その点が気になりました。 以上でございます。 ○渡部座長 ありがとうございます。 一通り御意見を賜ったと思います。 今回の2014の案の内容につきましては、いただいた御意見を踏まえて、事務局あるいは大臣と御相談をして、中村座長と私に一任をいただいて、まとめさせていただきたいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○渡部座長 ありがとうございます。そういうことで、進めさせていただきます。 最後に大臣からお願いいたします。 ○山本大臣 ありがとうございました。 本日は取りまとめということなので、最後までいよう思って、時間をとらせていただきました。 最後なので、私から申し上げたいと思います。 1つは、これまでの知財の議論はよくわからないのですが、過去と違うところが1つあるとすると、基本的にここで議論していただいたことは、2014年の計画に反映させていくわけですけれども、先ほどPDCAサイクルを回すと、迫本委員からもありましたが、フォローアップが非常に大事だと思っていまして、ここで提言していただいたことを、今、 関係府省のどこに割り振ればいいのかということを、知財本部に表をつくってもらっていますので、それがどう反映されたかというフォローアップをきちんとしていきたいと思いますし、それをここで報告させていただく、フォローアップの議論をこれからきちっとやらせていただくということが、大変大事だと思っています。 もう一点は、安倍内閣で、私も内閣府特命担当大臣に任命されて、IT、海洋、知財、宇宙等々、成長戦略に直結する分野を随分任されたのですけれども、要は知財戦略をいかに日本の経済活性化に結び付けていくか、産業競争力に結び付けていくかということが、根本的な哲学であります。この点については、皆さん、そういう御認識で議論していただいたと思うのですけれども、そういう方向性はしっかりと今回の報告書の中でも出してもらうように、私から事務局に実施をさせていただきました。 荒井委員から、営業秘密は成長戦略に直結しているということで、法律の中身を総合的にしてほしいとか、新法にしてほしいとか、次期通常国会で出せるように、各省にしっかり言ってほしいとか、いろいろありましたので、これについては、知財担当大臣として、しっかり受けとめて、私なりに働きかけていきたいと思いますし、先ほど最初に申し上げたとおり、タスクフォースの議論は、私の提言として関係大臣に届けますし、場合によっては、総理にも直訴いたしますので、できる限り努力をさせていただこうと思っております。 職務発明制度についても、いろいろと御意見がありました。これも職務発明制度に関するワーキンググループで議論した成果がきちっと反映されるように、しっかりとやっていきたいと思っております。 野口委員だったと思いますけれども、パーソナルデータの話がありました。これはものすごく大事な話で、どちらかというと、IT戦略本部でやっています。長い話はいたしませんが、パーソナルデータは、IT利活用を考える上では、どうしても直面しなければいけないことで、欧米でもこれが一番大きな議論になっていると思います。総務省と経産省の中でいろいろと議論されていたのですが、IT戦略本部でこれは引き取らせていただいて、今、連携しながら検討会を進めていただいて、発言もしていただいていると思います。これは日本独自のスタイルになってはいけないとか、先ほど企業のプライバシー関連の処理について、逆行しているのではないかとか、いろいろな指摘がありました。 これは御存じだと思うのですけれども、まずパーソナルデータの法律を出すということを決めるだけでもすごく大変で、政策大綱をつくるというところまでもってくるだけでもすごく大変で、20人ぐらいの委員の方を全部集めて、事務局が集中的に議論をして、今、ようやく政策大綱をつくる、法律をつくる、IT戦略本部のもとに部屋までつくりましたから、こういうところまでもってきたということは、ぜひ御理解いただきたいと思うのですが、ここから経済界の方とか、あるいはガラパゴス化をしてはいけないとか、パーソナルデータの扱いはものすごく大事なので、この方々とは、政策大綱をつくっていく上で、また意見交換をしていきたいと思っています。 そこはパーソナルデータを保護すると同時に、産業競争力をいかに高めていくかということについて、線に沿ったある程度の取りまとめをするためにも、もう一回言いますが、経済界を含めた方々と、個別に意見交換の場所を持たせていただこうと思っております。 井上委員から、職務発明制度のお話が出て大変参考になりました。今、産構審の小委員会でそういう議論になっているということは、存じ上げなかったので、知財担当大臣として、どういう議論になっているか、確認をさせていただきたいと思います。 職務発明制度の法案を出すように一生懸命後押しするというのは、非常に大変でして、某大新聞の社説が出て唖然としました。どこの新聞がどう書いたとは言いませんが、職務発明制度をまだこういう見方で見ているのかということで、それにショックを受けて、大規模なアンケートを、特許庁長官はダイナミックな人なのでやってもらって、これも産業競争力をどう強めるかという視点でやらなければいけないということで、奥山委員の意見ももちろんしっかり取り入れながら、お聞きをしながら、全体として、こういう方向になったということで、抜本的な見直しにいくように、政治は妥協のアートなので、いろんな方の意見を入れなければいけないと思うのですけれども、職務発明ワーキンググループをつくった人間としては、抜本改正の方向でやっていただくように、ここの議論も踏まえて、できる限り働きかけさせていただきたいと思います。 狭い土俵でなくというのは、その通りですけれども、知財の職務発明に関するワーキンググループというと、全体を組み合わせられないところもありますが、そういう問題意識も含めて、きちっと発信をし、もう一回言いますが、早速、今の議論もフォローさせていただこうと思っております。 山本委員から73条の3項のお話がありまして、守ることから流通の方が主流になっているということなので、これはフォローアップの議論の中で、またしっかりとやらせていただければと思っています。 妹尾委員からアーカイブの話がありまして、私は妹尾委員の御議論の中で、一番いいと思ったのは、ビジネスモデルとしてできないと、人財育成なんかできないと思うので、アーカイブをいかにビジネスに結び付けていくかということをしっかりやりたいと思います。 国立国会図書館の件は、ここで議論する場所ではないのですが、これはなかなか難しいと思います。国立国会図書館はデータアーカイブが非常に進んでいますから、これは政治家の1人して受けとめましたので、議員連盟とか、いろんなものがありますから、そこら辺できちっと議論できるように、私もしっかり頭に置いておきたいと思いますし、そういう議論があったときには、個別にきちっと御報告をさせていただきます。 角川委員から、オリンピックとTPP、デジタルアーカイブ4K・8Kはよかったというお話がありました。先ほど他の方からも出ていましたけれども、私は自民党の中でも反対のあった、国立漫画喫茶構想を圧倒的に応援した方なんです。私の親友の河野太郎議員とか、何人かの若手にもその後に言ったんですけれども、何で反対したのか。100億円かけて漫画喫茶をつくるのかと言うから、100億円なんてすぐに回収できたと説得したぐらいで、先ほどもお話がありましたが、日本にクールジャパン、特区なのかどうかわかりませんけれども、コンテンツを発信する基地をつくるというのは、まことに大賛成でございます。個人的にも、知財担当大臣としても、クールジャパンは知財担当とかぶっていますから、稲田大臣と連携をしていかなければいけないのですけれども、これは政治家としてもずっと応援していましたし、知財担当大臣としても、日本に拠点をつくるというのは、大賛成でございますので、ぜひいろんな意味で協力をさせていただいて、進められればと思っております。 相澤先生がいつもおっしゃっている特許出願件数が下がっているというのは、国際競争に負けている。アベノミクスである程度回復してきたのに負けているのだから、これは制度間の競争だということで、おっしゃったとおり、日本の特許庁は非常に優秀なので、この優秀さが生かされていないということは、しっかりと受けとめたいと思いますし、日本のガラパゴス化の話も、随分タスクフォースの中でお聞かせいただいたので、それも頭に置いていきたいと思います。 職務発明制度については、妥協の産物にならないように、知財担当大臣として、一生懸命努力をさせていただきたいと思います。 奥村参考人からも、職務発明制度の抜本的な見直しということでございました。産業界の立場もいろいろありました。海外の人財を活用する環境が必要だという話もありましたので、これもしっかりフォローアップの議論の中でさせていただきたいと思います。 山田委員からは、営業秘密の件で、これは大事だけれども、人財の流動性が損なわれないようにということですから、これは運用をきちっとやらなければいけないということで、雇用の抑止力にならないようにというところは、しっかりとバランスをもって、議論をさせていただければと思っております。 宮川委員からだったと思いますが、グローバル化の中での問題であるということで、2014の知財計画は、営業秘密、海賊版等の問題について、問題提起があって、違法コンテンツも、国内の企業は裁判を起こすのが難しいので、効果的に日本の中で手続をするようにするべきだとか、こういうこともこれからちゃんとフォローアップの議論の中でやらせていただきたいと思います。 妹尾委員からいろいろとお話がございまして、大変勉強になりました。最初の議論でも話したのですけれども、進む方向、オープンとクローズをどうするかという戦略は非常に大事だと思っていまして、先生がおっしゃったオープン・クローズ、国際標準、営業秘密は、大きなウイングで総合戦略として考えなければいけないというのは、知財担当大臣として、しっかり受けとめて、問題意識として持っておきたいと思います。 私が1つ申し上げようと思ったのは、認証・認定ビジネスができるのかということですが、この間、ISOのトップが会いに来ました。ダボス会議で会って、2人で30分ぐらい話をしたので、その関係でぜひ会いたいと言って、会ったのです。経産省の副大臣ぐらいですけれども、私は大臣ですけれども、会いました。彼がちらっと言っていたことなので、余り細かくは言えないのですけれども、認証ビジネスは難しい。ISOも、今、苦労している。これ以上は申し上げませんが、認証ビジネスというのは、相当難しいので、先生がおっしゃったような形にするのは、人財育成なども相当やらないと難しいという形ですけれども、標準化の重要性はこれからもフォローアップの議論の中でしっかりやっていきたいと思います。 川上委員のおっしゃった話ですが、これはIT戦略本部全体で考えることだと思うので、知財だけではないと思います。日本と海外の企業の競争をイコールフッティングにせよと、毎回、川上委員がおっしゃって、IT全体の問題だということなので、サーバーの場所の話もありますけれども、これはIT戦略本部で一度取り上げたいと思います。これは今の組織の中というよりは、非公式な議論の場もあって、これを結構公式な議論にもっていっているので、ITの若手企業関係者との意見交換もあって、毎回2時間ぐらいやっているので、どこかで川上委員に問題提起をしていただいて、ITベンチャーに関する日本と海外のイコールフィッティングの対応について、IT戦略本部でも少し議論をして、知恵を絞らせていただきたいと思います。これは知財だけの問題ではなくて、あらゆる官庁がかかわってくると思うのですけれども、議論を発信するのはIT戦略本部がいいと思います。 重村委員がおっしゃった放送コンテンツは、プロモーションとリコメンドで、とにかく続けなければいけない。現地語によるウェブサイトが必要だということで、もっと突っ込んだ議論が必要だということなので、これはどういう場所を設けたらいいのかわかりませんが、ここのフォローアップの議論なのか、それとも、私が持っている司令塔本部の事務局の間で連携会議を設けて、議論していただくのがいいのかわかりませんが、これはきちっと受けとめて、どうしたらいいかということを議論させていただきたいと思います。 斉藤委員から、単発になっていたものを、とにかく面と線にしていかなければいけないということですけれども、アーティストにどうニーズを訴えるかという話なので、成功例をとにかくつくるということですから、これは迫本委員からもありましたが、どこまで政府がやったらいいのか、音楽コンテンツは肝いりなので、他もそうですけれども、これは絶対にやらせていただきたいと思うので、大臣室に席を決めて、順番も決めてあるので、来ていただきたいと思います。 これは引き続き議論させていただきたいと思うのですが、民間に率先してやってもらうところに、どうやって政府が応援したらいいのかということは、しっかり考えていきたいと思います。成功例をつくるというのは、例えばオリンピックで、誰が代表して日本を歌うのかという、わかりやすいスローガンを立てながら、官民で連携してやっていければと思います。 田中委員のおっしゃった職務発明制度は、競争の強化、イノベーションの強化の視点を忘れるなというのは、私のまさに哲学なので、いろんな議論も踏まえながら、進めていきたいと思います。 迫本委員がおっしゃっているとおり、官民のすみ分け、民間の自助努力という話をいつもしていただいているのですけれども、これをどうサポートしていくのか、役割分担はしっかり政府としても考えていきたいと思います。 喜連川委員がおっしゃった、教育のIT化は、知財だけではなかなかいかないと思うのですけれども、IT利活用の中でも少し考えいかなければいけないと思いますが、著作権法の制限規定の話は、IT戦略本部にももっていきますけれども、事務局の間で、どこで議論できるのか、どういう形で対応できるのか、考えさせていただきたいと思います。 教育のビッグデータもどんどん進化していくので、対応ができないということですけれども、研究開発の後押しは、科学技術イノベーション担当大臣としての役目なので、そちらで考えたいと思います。 久夛良木委員のゲーム文化の進化は、大変参考になりました。これは東京オリンピックに向かうと、サイバーセキュリティにもつながる、結構微妙な問題だと思ったのですが、こういうシミュレーションみたいなものを、これからずっとやっていかなければいけないことになっていまして、そういうところの利活用に、ある意味でいうと、結び付くような気もしたりしたんですけれども、オープンデータの重要性というものは、IT担当大臣としてずっとやっていますので、これはしっかり進めていきたいと思います。 大﨑委員のマザーファクトリーの話は、先ほど言ったとおり、私は知財担当大臣としては、全面的に賛成ですので、ぜひ協力をして、キャンペーンをしていきたいと思います。 奥山委員からいろいろございましたが、職務発明制度では、いろいろ議論いただきまして、奥山委員の意見もいろいろと取り入れさせていただいて、全体の方向を決めさせていただきましたが、全体を俯瞰するところが足りないというのは、反省をさせていただいて、相当事務局も努力して、大臣と綿密に連絡をとりながら練り上げたのですけれども、そこをどういうふうに入れていくのか、原点を忘れないというお話は、しっかり受けとめさせていただきます。 長くなりましたが、取りまとめの前ということで、私も2時間も出ましたので、少しぐらいしゃべらせていただかないといけないと思って、お話をさせていただきました。 以上です。(拍手) ○渡部座長 大臣、大変ありがとうございました。 最後に今後の進め方について、事務局の畑野参事官からお願いします。 ○畑野参事官 長時間にわたりまして、ありがとうございました。 きょう、皆さんからいただいた御意見は、大臣、両座長とも御相談の上、この計画に落とすもの、去年の知財ビジョンからの連続という形で整備できるもの、恐縮ですけれども、今後の課題という形で処理するものという形で調整させていただきまして、個別の委員の方には、個別に御説明という形で、この委員会としては、きょうの委員会で議論は集約をさせていただきたいと考えております。 来月は、知財本部の知財計画の決定のプロセスに入るということでございます。 ○渡部座長 よろしいですか。 本日は、御多忙中のところ、大変ありがとうございました。これで散会とさせていただきます。どうもありがとうございました。 |