検証・評価・企画委員会(第1回)



  1. 日 時:平成25年11月5日(火)13:00~14:30
  2. 場 所:中央合同庁舎4号館1208特別会議室
  3. 出席者:
    【委員】 相澤委員、荒井委員、井上委員、大﨑委員、角川委員、川上委員、木田委員、
    喜連川委員、久夛良木委員、斉藤(正)委員、重村委員、杉村委員、瀬尾委員、
    妹尾委員、竹宮委員、中村委員、中山委員、長澤委員、野口委員、長谷川委員、
    宮川委員、山田委員、山本委員、渡部委員、和田参考人
      
    【事務局】 山本大臣、内山事務局長、山根次長、作花次長、畑野参事官、田口参事官、
    安田参事官、林企画官
  4. 議事:
     (1)開 会
     (2)山本大臣ご挨拶
     (3)構成員及び座長の指名
     (4)座長代理の指名
     (5)検証・評価・企画委員会の運営等について
     (6)検証・評価・企画委員会において想定されるアジェンダ(案)
     (7)意見交換
     (8)閉 会

○畑野参事官
 お待たせいたしました。ただいまから知財本部に置かれております第1回目の「検証・評価・企画委員会」を開催させていただきます。
 本日は、御多忙のところを御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 座長に司会をお願いするまでのしばらくの間でございますけれども、私のほうで進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 本検証・評価・企画委員会でございますけれども、知財本部の政令に基づきまして、今、お手元に配付させていただきました「知的財産政策ビジョン」、本年6月に決定したものでございますけれども、このビジョンに係る各種施策の実施状況の検証・評価を行い、その実効を確保するために必要な措置を検討するという目的のもとに設置されたものでございます。先月でございますけれども、10月25日付、知的財産戦略本部長決定により設置された有識者会議ということになっております。
 本日は、知的財産政策担当大臣の山本大臣にも御出席をいただいておりますので、早速でございますけれども、御挨拶を頂戴したいと思います。
 大臣、よろしくお願いいたします。

○山本大臣
 知財戦略を担当しております内閣府特命担当大臣の山本一太でございます。
 今日は、検証・評価・企画委員会の第1回目ということで、本当にお忙しい中、お集まりいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 ご存知のとおり、6月に知財戦略本部で、今後10年間の展望をまとめた知財政策ビジョンを作らせていただきました。このもととなった知財計画は、私の代になってから総理にもお願いして閣議決定をさせていただいておりますけれども、その中で特に基本方針を実現していく上で、検証・評価・企画委員会が最も重要な機関だと考えています。
 一言で言うと、知財政策ビジョンにまとめられた目標を実行していくためのPDCAサイクルを皆さんの会議でしっかりと作っていただくということだと思っています。大まかにいうと、著作権と産業財産権関係、私のところで今、職務発明制度については検討ワーキンググループを設けて、特許庁の方にもいろいろ背中を押しているのですが、そうした職務発明制度等の産業財産権の問題と、もう一つ、コンテンツということだと思います。この2つの分野について、組織を分けて議論していただく。ここの議論が知財政策ビジョンを実行できるかどうか、安倍総理の成長戦略にしっかりと知財ビジョンを活用していくという目標を達成できるかどうかが、この委員会の活動にかかっているのではないかと思っておりますので、ぜひとも皆様方にいろいろと御議論いただければと思います。
 有識者本部員の方々には、恐らく2つの委員会で関わっていただいているかと思いますが、他にもいろんな分野から本当に素晴らしい方々にお集まりいただきまして、重ねて感謝申し上げたいと思います。
 先ほど申し上げた2つの委員会ですが、これについては大臣から指名をせよということですので、本委員会の座長につきましては、産業財産権の分野を代表して渡部俊也委員が、コンテンツ分野を代表して中村伊知哉委員が、共同座長の形で指名させていただきたいと思います。両座長のイニシアチブのもとで、本委員会における取り組みが非常に実りのあるようになるように御祈念を申し上げ、お願いをいたしまして、一言、担当大臣としての御挨拶にかえたいと思います。

○畑野参事官
 山本大臣、ありがとうございました。
 続きまして、きょうの委員会の出席者の方を紹介させていただきたいと思います。
 お手元の資料のクリップを外していただきまして、右肩に資料1という資料がございます。本検証・評価・企画委員会の構成員名簿という資料でございます。その名簿を御参照いただきながら、委員の方々の御紹介をさせていただきたいと思います。
 恐縮でございますが、今、私が座っております側、私から見て左でございますけども、相澤英孝委員から御紹介させていただきます。
 相澤英孝委員でございます。
 荒井寿光委員でございます。
 井上由里子委員でございます。
 そちらのほうの席に移りまして、大﨑洋委員でございます。
 角川歴彦委員でございます。
 川上量生委員でございます。
 木田幸紀委員でございます。
 喜連川優委員でございます。
 久夛良木健委員でございます。
 斉藤正明委員でございます。
 重村一委員でございます。
 杉村純子委員でございます。
 瀬尾太一委員でございます。
 妹尾堅一郎委員でございます。
 竹宮惠子委員でございます。
 こちらの席のほうで、今、座長に御就任いただきました中村伊知哉委員でございます。
 向こうの席に戻ります。
 中山元委員でございます。
 長澤健一委員でございます。
 日覺昭廣委員でございますけれども、本日は代理で和田映一様に御出席をいただいております。
 野口祐子委員でございます。
 長谷川閑史委員でございます。
 こちらのほうの席に戻ります。
 宮川美津子委員でございます。
 山田メユミ委員でございます。
 山本貴史委員でございます。
 座長に御就任いただきました渡部俊也委員でございます。
 本日は、おかげさまで29名の構成員のうち25名の方に御出席をいただいております。
 奥山尚一委員、齋藤茂委員、迫本淳一委員、松本紘委員の4人の方におかれましては、本日、残念ながら所用のため御欠席という御連絡をいただいております。
 なお、委員の皆様方におかれましては、お手元のほうに大臣から委員の御就任をお願いしたいという旨の文書をお配りさせていただいております。御確認いただければと思います。
 本委員会、本日でございますけれども、この委員会の庶務を担当いたします私ども知財事務局からも、内山局長以下、幹部が出席いたしております。
 それでは、議事に移りたいと思います。
 本委員会の座長につきましては、先ほど大臣から御挨拶の中でお話をいただきましたように、渡部俊也委員、中村伊知哉委員、このお二方に共同座長ということで座長をお願いいたしております。産業財産権分野におきましては渡部委員を中心に御議論いただき、コンテンツ分野につきましては中村伊知哉委員中心に御議論いただくということになっております。
 早速でございますけれども、渡部座長、中村座長より、一言ずつ御挨拶を承れればと思います。

○渡部座長
 御指名をいただきました。僭越、恐縮でございますけれども、座長を引き受けさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 前身の調査会の方は、妹尾先生がお務めされていらっしゃいました。それをしっかり引き継いでというか、この政策ビジョン、私の今所属している組織が東京大学の政策ビジョン研究センターという、名前が知財政策ビジョンと非常に近いのでございますけれども、大変重要な日本の知財戦略の要になろうかと思います。これを実現するために一生懸命頑張りたいと思います。よろしく御指導いただければと思います。

○畑野参事官
 中村座長、よろしくお願いします。

○中村座長
 これまでの10年を踏まえてのビジョンが策定されまして、新しく10年に踏み出すというタイミングでございます。私、主にコンテンツの分野を担当いたします中村伊知哉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 これまでの10年でメディアの環境はがらりと変わりました。アナログからデジタルに、そしてパッケージからオンラインに移行しつつありますが、これからの10年でもっと大きな変化が来るのではないかと考えております。既にビッグデータですとか、マシンツーマシンといった萌芽もあらわれているところです。
 政策面でもこの10年間で、著作権の問題ですとかクールジャパンといったテーマが注目されるようになりましたけれども、目の前の問題、例えばTPPの知財分野の交渉が難航しているというように、多くの課題が横たわっています。長期を見据えて目の前の問題を解決して、そして成果を上げていく。この3点、長期と短期と成果を上げる、そういったところに心を配ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○畑野参事官
 渡部座長、中村座長、ありがとうございました。
 本日のこの委員会では、これ以降、座長代理の氏名、本委員会の運営の方針、第2回目以降、どういう議題を諮っていくのかといったようなことが予定されている議題でございますけれども、ここからの進行につきましては、座長にお願いしたいと思います。
 なお、本日の進行につきましては、あらかじめ中村座長にお願いさせていただいております。
 中村座長、よろしくお願いいたします。

○中村座長
 どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは、急な事情によって座長がこの委員会に出席することができなくなった場合に会合の議事進行をしていただく方として、2つの分野、産業財産権分野とコンテンツの分野について、それぞれ座長代理をあらかじめ決めておきたく思います。
 この委員会の開催規定第4項によりますと、座長代理は座長が指名するということでしたので、渡部座長とも相談をいたしまして、産業財産権分野については妹尾委員、そしてコンテンツ分野については久夛良木委員を座長代理として指名したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)

○中村座長
 よろしくどうぞお願いいたします。
 さて、続きまして、この委員会の運営規則を定めたいと思います。
 事務局から説明をお願いいたします。

○畑野参事官
 中村座長、ありがとうございます。
 それでは、この委員会の運営の方針につきましてお諮りしたいと思います。
 右肩の資料番号で資料2、続きまして、同じ右肩の資料番号で資料3、この2つの資料を出していただきたいと思います。資料2が運営についてでございます。資料3が公開の手続でございます。
 資料2につきまして、幾つか拾って御紹介させていただきたいと思います。資料2、検証・評価・企画委員会の運営についてでございます。
 「1 委員会で開催される会合の種別」でございます。
 本日は、全体会合ということで29名の委員の方にほぼお集まりいただいたわけでございますけれども、第2回目以降につきましては、なるべく1回の会合で1つの分野をまとめてやる。例えば第4回につきましては、コンテンツ分野を中心に議論するというような形で議事を運営していきたいなと事務局としては考えております。
 そこで「2 各会合への出席者」ということで、常に29名の委員の方にお集まりいただくのもなかなか大変でございますので、同じ資料についております、別紙1、別紙2をご確認をいただきたいと思います。産業財産権分野を取り扱う会合には、別紙1で御紹介させていただいている委員の方に御案内を差し上げたいと思います。 コンテンツ分野が主要な議題となる会合の場合には、別紙2に御紹介をさせていただいております委員の方に御出席をいただきたいということでございます。あらかじめ渡部座長、中村座長とも相談させていただきまして、29名の委の方々のこれまでの御経験あるいは専門分野なども考慮させていただきながら、かような出席者名簿というのを勝手ながら作らせていただいたわけでございます。
 では、元のペーパーに戻りたいと思います。
 「3 オブザーバーとしての同席」でございます。別紙1、別紙2ということで一応振り分けはさせていただきたいと思いますけれども、各構成員、例えばコンテンツ分野の構成員で産業財産権分野の議論にもぜひ参加したいという御希望をお持ちの方は、オブザーバーということでそれぞれの会合に御出席をいただけるといったような形にしたいと思っています。
 「4 座長は、専門の事項を調査させる必要があるときは、タスクフォースを開催することができる」ということでございます。
 「5 議事の公開について」。この委員会、本日もそうでございますけれども、原則として公開とさせていただきたいと思います。ただし、座長が議事を公開しないことが適当であると判断したときには、この限りではないということでございます。
 議事録は、原則として、会議の終了後、速やかに発言者名を付して公開する。
 「6 配布資料の公開について」ということで、委員会で配付された資料につきましては、原則として、会議終了後、速やかに公開する。かように、この委員会は運営してまいりたいと思います。
 資料3は本委員会の公開の手続についてとなっておりますけれども、主として、この委員会を傍聴したいという方との関係での手続でございますので、こちらは説明を省略させていただきたいと思います。ありがとうございました。

○中村座長
 ありがとうございます。
 この運営、公開について、何か御意見、御質問等ございますか。よろしいですか。
 では、今、説明ありましたとおり、資料2、資料3のとおり運営をしていきたいと思います。ここまで手続的なことですけれども、ここから中身であります。
 今のお話のとおり、次回以降、産業財産権分野、そしてコンテンツ分野、それぞれについて会合を開催しているという運びになるのですけれども、これに先立ちまして、今後の議論の対象となるアジェンダについて議論をしたいと思います。
 委員の皆様の机上のみの配付となっているのですが、両分野のアジェンダ案について、まず事務局から説明をお願いします。

○畑野参事官
 中村座長、ありがとうございます。
 その前に、机の上に配らせていただきました資料の確認でございますけれども、あとは参考資料3-1、参考資料3-2というのがあるかと思います。
 参考資料3-1は平成26年度の各省庁の知財関係、特に知財ビジョン推進計画2013に関連をしているであろうと考えております概算要求等の調査、これを知財事務局の方でまとめたものでございます。
 参考資料3-2、こちらは今からお話を申し上げる知財ビジョンを受けて、今、各省庁でどんな検討が進んでいるか。全てではございません。主なものを列記したものでございます。
 資料番号はついておりませんけれども、山本大臣のお名前のレポートがございます。「『イノベーション推進のための知財政策に関する検討ワーキンググループ』のこれまでの議論を経た所感」ということで、これは山本大臣に冒頭の御挨拶をいただいた中で御紹介していただきました、主として職務発明制度につきまして各界有識者の御意見をまとめた上で、大臣の取りまとめという形でさせていただいたものでございます。
 中村座長から今、御紹介をいただきました資料でございますけれども、その資料とは別でございまして、「委員のみ机上配布 資料1」「委員のみ机上配布 資料2」ということで机の上に置かせていただいた資料をごらんいただきながら、若干、御説明させていただきたいと思います。
 「委員のみ机上配布 資料1」の産業財産権分野でのアジェンダ、「委員のみ机上配布 資料2」はコンテンツ分野でのアジェンダということでございます。
 中村座長の方からお話をいただきましたように、これから今日予定しております2時半までの時間、あと70分ぐらいございますが、この中で、第2回目以降、この検証・評価・企画委員会で取り上げるべきテーマということで自由に意見を出していただければということでございます。
 冒頭、大臣の方からも御紹介いただきましたように、この検証・評価・企画委員会でございますが、お手元の知財ビジョン、どこをめくっていただいても結構でございますけれども、今後構ずるべき施策といったようなものを列挙しております。数として約200弱あるわけでございますけれども、この全てについて、検証・評価していきたいというのがこの委員会の目的でございます。
 一方で、今、申し上げましたように、全ての施策を網羅的にやるといったことは、この委員会で全て取り上げるということはなかなか物理的には難しいということでございます。したがいまして、この施策の中で特にこの委員会で議論をいただき、各省庁を引っ張り、あるいは各省庁の背中を押すといったようなことで取り上げるべきテーマといったようなものを本日の残りの時間でぜひ御議論いただければと思っております。
 あらかじめ申し上げておきますけれども、第2回目以降でごさいますけれども、主として産業財産権分野の会合を11月中、今月中にあと2回、開催させていただきたいと思います。コンテンツ分野につきましても2回、今のところ12月に予定しております。産業財産権分野、コンテンツ分野、おのおの2回、計4回、年内に回させていただきまして、知財ビジョンで描かれた4つの柱といったものについて一通りの議論を終わらせたいと思っております。その中で出てきたいろいろな課題あるいはさらに掘り下げて検討すべき事項というのを4回の議論を踏まえて、さらに年明けの議論という形でつなげていきたいと思っております。
 この委員会で取り上げるべきテーマということでございますけれども、ぜひ皆様方から御意見を頂戴したいわけでございますが、何もないままに自由に意見交換といってもなかなかやりにくかろうということで、座長とも相談させていただいたわけでございますけれども、勝手ながら、今、事務局のほうでこういったアジェンダが想定されるのではないかということで御参考までに書いた紙が机上配布資料ということになっております。ざっとお目通しいただければと思います。
 資料1は2ページにわたっておりますけれども、こちらは11月に議論予定の産業財産権分野につきましてのアジェンダ、こういったことを御議論いただければどうかという案でございます。
 ざっと流しますと、「1.産業競争力強化のためのグローバル知財システムの構築」でございます。こちらはビジョンの方では、アジアをはじめとする新興国に特許庁の審査官を相当規模で派遣し、我が国の規制・制度を普及させていくのだといったような話でありますとか、基盤となります特許庁の審査体制についても、任期付審査官の確保など、必要な整備強化を図る。こういったようなことを受けまして、知財システムの構築を議論の柱として挙げてはどうかという御提案でございます。
 (2)は経済連携協定、投資協定、知財ビジョンの中で浮かび上がってきた課題でございますけれども、海外の企業がせっかく知財で稼いでも、そのお金がなかなか日本に還元してこないのではないかといったような問題、これにどう取り組んでいくべきなのかといったようなことでございます。
 「2.国際的な知財の制度間競争を勝ち抜くための基盤整備」ということで、特許庁の特許法を中心とする制度が今のままでよろしいのかどうなのかということでございます。ここはもう繰り返し申し上げるまでもないわけでございますけれども、職務発明制度、こちらは現行の発明者帰属を見直しいたしまして、例えば法人帰属等の制度改正をするのだといったような形でビジョンの方ではまとめさせていただきました。特許庁の方で検討が進んでおりますので、その検討状況を聴取するといったような案があるかと思います。
 その次は、営業秘密保護体制についての強化の話。さらに、国際標準、特に認証体制をどう整備するのかといったような話。
 次に、文科省、経産省に絡む話でございますけれども、産学官の連携をどういうように進めていくのか。ビジョンの方では、評価指標の活用であるとか、大学の研究成果をいかに中小ベンチャーに均てんさせていくのかといったようなことについて検討すべきとなっておりました。こういったような課題を取り上げてみたらどうかという御提案でございます。
 ページをめくっていただきまして「3.グローバル知財人財の育成・確保」ということでございます。これは、知財ビジョンを描く前からの課題ということで、この2年間くらいずっと手がけている問題でございますけれども、知財ビジョンの方では、グローバル知財人財の育成・確保のために、特許庁に置かれております工業所有権情報研修館(INPIT)の活用など、政府が主体となった取組をすべきではないかというような、政府が主体となって知財人財育成に取り組んでいくのだといったような方向性を示しているわけでございますけれども、その後の検討状況はどうかということでございます。
 「4.中小・ベンチャー企業の知財マネジメント強化支援」。
 我が国競争力の源泉であります中小企業に知財という武器をどう与えていくかといったようなことをこのビジョンの方では検討したわけでございます。グローバルな展開を狙っている中小企業にどういう形で支援していくのか。あるいは特許料の減免制度はその後どうなっているのかといったことについての議論をしてはどうかといったような御提案でございます。
 こちらが資料1、産業財産権分野でこういった議論を取り上げてみてはいかがでしようかという御提案でございます。
 同じく資料2、こちらはコンテンツ分野ということでございます。コンテンツ分野は、知財ビジョンの中ではデジタルネットワーク社会に対応した環境整備という1つの柱。それからクールジャパンでございますけれども、コンテンツを中心としたソフトパワーの強化というもう一つの柱、この2つの柱を挙げたわけでございます。
 「1.デジタル社会に対応した新産業創出と環境整備」「2.デジタルアーカイブ化の促進」「3.コンテンツ人財の育成と開発拠点の整備」。これはコンテンツ分野の第1番目の柱、デジタルネットワーク社会に対応した環境整備、著作権法のあり方が今のままで良いのかどうなのかといったようなことも含めての議論のテーマでございます。
 「4.クールジャパンの展開」「5.コンテンツの海外展開促進」「6.模倣品・海賊版対策の強化」。こちらはコンテンツの2つ目の柱、クールジャパンを中心とするコンテンツを海外にどう売り込んでいくのかといったようなことを含めましたソフトパワーの強化をどう図っていくのかといったようなことについてのテーマということで掲げさせていただきました。
 机上配布の資料1、資料2ですが、冒頭申し上げましたように、あくまでも事務局の今日の議論のご参考までということでございますので、これにとらわれず、こういったテーマをしてはどうかといったような御意見もぜひ頂戴できればと思っております。ありがとうございました。

○中村座長
 どうもありがとうございました。
 今日はあと1時間ほど皆さんに時間をいただいておりますので、この時間で、これから我々がどういったテーマに重点を置いて議論していればいけばよいのか、欠けている視点はないかといったことについて、御意見、コメントをいただければと思います。
 大枠は3つだと思います。
 一つは全体の総論、もう一つが、資料1にありますような産業財産権分野、3つ目がコンテンツ分野であります。少し議論の整理のために2つに分けて意見を伺えればと思いますけれども、まず、全体の総論、産業財産権分野について、意見、コメントがありましたら、どなたからでも結構です。挙手で御発言をいただければと思います。いかがでしょうか。
 妹尾さん、どうぞ。

○妹尾委員
 ありがとうございます。妹尾でございます。
 本日、早退をしなくてはいけませんので、最初に発言をさせていただきます。
 まず、最初に、私は政策ビジョンの取りまとめの会長を拝命いたしまして、これができたこと、大変喜ばしく思います。山本大臣のお力、大変だったと思います。本当にありがとうございます。
 今日は、一委員としては、知財人財育成の専門家としてお話をさせていただきたいと思います。人財育成について、この中で今御説明もありましたけれども、その背景についての御理解をもう一回確認したいと思います。
 人財育成というのは、従来の人財育成ではもうだめだということなのです。なぜならば、産業生態系、ビジネスモデル、知財マネジメントが激変しているからなのです。従来の同一レイヤー内の競争関係であれば、これは特許を取ってどうするという話があったのですけれども、それが分野横断的、領域融合的な産業生態系に変わっている。つまり、敵は隣にいない、上にいるかもしれないし、下にいるかもしれない。そういうレイヤー間の主導権争いに競合関係が変わってきたわけであります。
 そうしますと、ビジネスモデルは当然、商品のアーキテクチャー形態と事業の業態の相互関連性を強めているわけですから、オープンアンドクローズドのビジネスモデルが世界を席巻している。こういうことを我々は認識すべきです。従来の日本の産業がフルクローズドで戦っていた。これは負けましたね。結局ほとんど負けつつあります。
 では、オープンイノベーションという言い方でフルオープンにして勝てるのか。これは収益源を確保できませんから、当然これも勝てません。どこをオープンにし、どこをクローズドにする。クローズドにするところ、オープンにするところ、両方に知財権あるいは知財の扱い、あるいは標準が関わってくるというような事態になります。
 これは当然、いろいろなものの関係を変えていて、従来はリアル・オア・バーチャルとか、デジタル・オア・アナログだとか、ベンダーとユーザーがオアの関係だとかというのが、全てアンドの関係に変わってきております。リアル・アンド・バーチャル、デジタル・アンド・アナログ、ベンダー・アンド・ユーザーが産業生態系のレイヤーにみんな入ってきている。これは、この会が産業財産権と著作権を主に分けているということについても、実は大きな疑問を投げかけていると言わざるを得ません。
 すなわち、物についてはほとんどコントロールレイヤー、制御系は全部主体になっているということは、実は著作権の問題であるということもありますし、あるいはコンテンツ制作においてメディア機器などが全部どういう意味を持つかということがありますから、メディア・アンド・コンテンツ・アンド・サービスという融合関係に入って、ですから、コンテンツはコンテンツ、産業財産権は産業財産権と分けるのではなく、ぜひこの会が、両方が融合的な方向を検討していただくようにお願いしたいと思います。
 こういう前提に立つと、何が言えるのかというと、まさに人財育成のところが、従来の出願専門あるいは訴訟周り人財も重要ではありますけれども、それ以上に知財を活用する人財、知財マネジメントを開発できる人財、知財マネジメントの仕方自身、世界がすさまじく変わっています。日本相変わらず技術を製品に実装し、実装したものについては特許権で守りみたいな形をやっていますけれども、実は世界のビジネスはそんなところでは動いてはいないということを認識して、知財マネジメントを開発できるような人財の育成に産官学でぜひ取り組んでいただきたいということが強い要望であります。
 ビジネスモデルを開発する人財も産業界で不足していますけれども、それを支える知財マネジメント人財も大変不足しているので、ぜひそこに目を向けていただきたいと思います。
 それと触れるわけではないのですが、最近の短期の話で気になっている政策が動いております。それは法曹養成制度の改革でありまして、その中で司法試験の論文試験から選択科目を廃止し、それを予備試験の論文審査に追加するという原案が示されておりますけれども、この中に当然知財法が入っておりまして、それが選択科目から落とされるという可能性になってまいります。このこと自体は、実は知財立国と矛盾しているのではないかと少し危惧している次第です。ここのところについても、御議論が恐らく法曹関係の方々からなされるのではないかと期待しておりますけれども、この点、知財マネジメント人財育成の立場から、若干気になっているということを申し上げておきます。
 最後に、1点、これはぜひ大臣にお願いをしたいところですけれども、この委員会の名称、検証・評価・企画委員会、大変素晴らしい名前で、PDCAを回すということで、これは非常に重要なことだと私も思います。実はこの専門調査会、何年も私は参加させていただいていますが、いまだに5年たっても実行されない施策もあるというようなこともあるので、ぜひ実行に移すという意味で本委員会の意義は大変高いと思いますが、1点、副作用に気をつけていきたいと思います。なぜか。PDCAが回るということを前提にすると、各府省の皆さんは、PDCAが回せる施策ないしは政策しか上程しないという傾向にありがちではないかと私は考えています。
 すなわち、PDCAが回しやすい施策、政策出すということは、常に矮小化してしまうということです。よく私は戯言で、皿回しは回せる皿しか回さん、猿回しは回せる猿しか使わんと申し上げますけれども、ぜひ各省庁の政策施策が小さくて、世界の後追いになってしまって、よってPDCAを回しているみたいなことにはならないようにしていただきたい。産業界の激変とともに知財の世界も激変していますから、その先手を打つためにも挑戦をするような政策、施策をプラン、企画のところで出していただきたいと思います。
 先日、楽天の田中マー君が無敗神話をつくりましたけれども、無敗をするのはある意味では簡単で、小学生相手に野球をすればたいていは無敗が続きます。それではいけないということです。楽天も日本一になったのは4勝3敗で勝ち越したから日本一になったわけです。政策も勝ち越せば良いのだぐらいの意気で、若い官僚の方が伸び伸びとチャレンジできるような土壌がつくられて、多少負けたとしても全体として勝てるというようなことにこのPDCAサイクルが回ってくれればいいなと思います。
 長々としたので、最後にもう一言だけです。知財政策の下で従来は、経済産業省、文科省、総務省がかかわっていたということがあるわけですけれども、最近は国交省や農水省も力を入れ出してくれました。これは大変ありがたいことですし、心強いことだと思います。ただ、まだ皆さん、お慣れになっていないというところがあるので、ぜひそういう方々も大いに加速ができるように、こういう会が逆に後押しをして頑張っていただくようにできればと思います。
 きょうは早退をするので早めに、少し長々としゃべらせていただきましたけれども、私の意見は以上です。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

○中村座長
 ありがとうございました。
 失礼しました。妹尾委員は早退されるということで、他にもそういう委員がおられるかもしれませんので、そういった方々、コンテンツのことを先にお話しいただいても結構です。どこからでも結構ですので。
 では、川上委員、お願いします。

○川上委員
 この産業財産権分野とコンテンツ分野、双方において言えることだと思うのですけれども、当たり前ですが、国の中の決まりをどうするのか、そして、国ごとの取り組みをどうするのかという ことを書いてあります。しかし、現実問題として、今、デジタルコンテンツの領域においては、国が決めることよりもGoogleとかAmazon、Appleのコンテンツプラットフォーマーの決めることのほうが実際には影響が大きいのです。
 例えば、今、コンテンツをつくっている人にとって、特許を取るということよりも、AppleとかGoogleとかAmazonとかの審査に通るということのほうが非常に重要ですが、その審査のプロセスですとかそういうものは非常です。ここの部分をどういうように考えていくのかということなんかが重要になってくると思います。こういうプラットフォームの場合は一私企業がやっていますので、情報の公開というのが余りされていないのです。それと、 取引をするにあたってNDAを交わしていますので、契約の実態というのが非常に不透明です。
 例えば、これは実際に見てみればわかることですが、Appleストアとかの価格は実質的にはドルにリンクしているのです。ドルの円相場にリンクをしていて、日本で仕入れたものを日本で販売するような電子コンテンツであったとしても、ドルにリンクして上がったり下がったりしているのです。こういうようなことをどう考えるのかという議論がされていないということに対して問題意識を持っています。グローバルプラットフォームに対してどう取り組むのか。そのためには、現状がどうなのかを把握するということが必要なのではないかと思います。
 そのためにも、そういう情報をNDAに触れることなく収集して世の中に公開できるような仕組みを国がつくっていただくような、そんなこととかをやっていただけると非常にありがたいと思っているのです。そのうえで、グローバルプラットフォームに対して、どういうような取り組みを国がするのかという議論が今後されるとうれしいと思います。
 以上です。

○中村座長
 ありがとうございました。
 国家とグローバル企業のかかわりについて、政策としてどう捉えるのか、確かに議論が不足しておりまして、今後の重要な課題だと認識しております。
 他に。
 大﨑さん、お願いします。

○大﨑委員
 コンテンツ分野の方ですけれども、川上委員と少し重複するかもしれませんが、日本の今後のソフトパワーの重要性を非常に感じております。中でも、中核的位置に位置づけとなる知的財産に関する戦略がキーとなることを痛感しております。私たちも現場における知恵や工夫のほう、または戦略的活用を常に考えなければいけない時期に来ていると思います。知財にかかわる環境や課題は極めて早いスピードで変化しており、保護あるいは独占といった発想自体が難しくなってきております。また、コンテンツのグローバル化が進み、知財に対する考え方が全く異なる世界各国での対応を余儀なくされております。
 そういう意味で、今後、グローバルな観点からの検証が極めて重要だと思っております。業際を超えた、そして、国を超えたというのが私たちのキーワードになるのではないかと思っております。
 以上です。

○中村座長
 他にいかがでしょうか。
 山本委員、どうぞ。

○山本委員
 山本です。
 新しい意見ではなくて、先ほど妹尾委員がおっしゃったことと同じですが、せっかくここでグローバル知財人財の育成ということをディスカッションしようという中で司法試験から知的財産が外れてしまうと、要するに知財に詳しい弁護士さんや判事がいなくなるということで、私が心配しているのは、ここでみんなで議論している間に、法務省かどちらかでそちらが決まってしまうと、国としては全然方向性の統一がとれていない形になってしまうので、ここに関してどうなっているのかというのは私も情報はなくて、これは議論することなのか、もう山本大臣が法務大臣と直接話していただくほうが早いのかみたいな話かもしれませんが、いずれにせよ、少なくともここにいらっしゃる人は知財に詳しい弁護士さんや裁判官がいなくなることを良しとはしていないと思っていますので、ここは非常に危機的で喫緊の課題ではないかと考えております。
 以上です。

○宮川委員
 フォローします。

○中村座長
 どうぞ。

○宮川委員
 宮川です。
 きょうは、このグローバル知財人財の育成確保に関連して、今議論されている法曹養成制度の改革について、問題点を指摘しようと思って勇んできたのですけれども、妹尾委員や山本委員から先に発言をいただいて、非常に心強く思っております。
 現在、知財戦略を考える場所とは別のところで、法曹養成制度について全く違った視点で検討が進められています。私が短時間で調べたところ、現政府のもとで法曹養成制度改革推進会議というものができていて、そのもとで顧問会議の方々が司法試験制度の改革、修習制度の改革も含めて、もう結論を出す段階に至っているのではないかというようなこと、それが正しい情報なのかはっきりしませんけれども、もう結論があるようになっているのではないかということで、知財弁護士の間では非常に危機感が募っております。
 今回の議題として検討すべきものとして挙げられているアジェンダ案で、コンテンツ分野には「知財人財の育成」は入っておりません。知財人財が「登録により権利を取得するための人財」を主として想定しているなら、産業財産権とは異なり著作権の取得のために登録は必要ありませんのでね。ただ、コンテンツという特に映画なども考えますと、契約の束のようなビジネスでありまして、皆さんが外国の映画をごらんになりますと、エンドクレジットの最後のほうに会計士事務所と弁護士事務所の名前が出てくるのです。最後までじっと見ていると、ケータリング会社の後ぐらいに弁護士事務所の名前も出てくるということで、映画をつくるチームとしては、エンターテイメントビジネスをサポートする法律家というのも非常に重要に思われておりまして、決して産業財産権分野のみに知財人財の育成や確保が必要なわけではないと思っております。
 またデザイナーの方、出版、漫画といったコンテンツに関わる方々が、全世界に飛躍していこうとする中で、そういう契約社会の中で日本のコンテンツを守っていくということで言えば、産業財産権以上に、コンテンツ分野でもグローバルにサポートできる法律家、知財ロイヤーの存在は非常に重要だと私は常々思っておりました。
 ところが、司法試験において、受験生の負担軽減という理由で選択科目が廃止されますと、選択科目の中には、皆さんも御存じの倒産法や租税法、労働法、環境法、あるいは国際法もありますが、その中に知的財産法というものが入っていて、将来、知財を勉強しようと、仕事にしようとしている法律家の卵たちは、やはり司法試験科目であるということにも背中を押されて大学、ロースクールで一生懸命、知財の法律を勉強していると思うのですが、選択科目としてなくなってしまいますと、勉強の度合いもどのようになるかわかりません。その意味で国が選択科目をなくしていくということは、現政府が知財人財を育成しようという動きとは全く真逆の方向に行っているように見えるのではないかということを非常に懸念しておりまして、この点を一体どこで議論したらいいのかがわかりませんので、ぜひ横断的に知財の人財育成について検討できるこの場所でも問題にしていけたらと思っております。
 長くなって失礼いたしました。

○山本大臣
 今、仰った司法試験制度改革の話は、正直言って詳細を存じ上げないのですけれども、少し整理していただいて、知財戦略の面から非常にマイナスがあるということであれば、ここで議論していると間に合わないので、その時は谷垣法務大臣に行くしかないと思っています。ちょうど自民党の法曹関係をずっと束ねてらっしゃる保岡先生が全く同じような問題意識を持っているということが分かっていますので、その点、少しまとめていただいて、必要があれば谷垣法務大臣と保岡先生に直接、私が知財戦略の面から持っていきたいと思います。
 ちなみに、職務発明制度についても検討チームを立ち上げましたし、これは法改正まで、来年だめなら次の国会になるでしょうけれども、持っていこうと思っていますので、同じように本当に知財の面からマイナスであるということであれば知財担当大臣として直接動きますので、問題意識をまとめて教えていただければと思います。

○中村座長
 大臣、ありがとうございます。
 長谷川委員、途中、御退席と伺っておりますけれども、何か意見、コメント等ございませんでしょうか。

○長谷川委員
 特にございません。知的財産政策ビジョンに極めて簡潔にまとめていただいておりますので、それを着実、迅速に実行していただくと同時に、我々もPDCAサイクルを回すのにきちっと関与させていただきたい、もうそれだけでございます。

○中村座長
 ありがとうございます。
 他の委員、いかがですか。
 どうぞ。

○相澤委員
 知的財産の推進は2002年の知的財産戦略大綱に始まりましたけれども、当初の非常に高い理想にもかかわらず、現状はかなり厳しいものとなっています。
 特許出願数は落ち、訴訟件数は伸びず、勝訴率も上がらないというのは、普通に評価をすれば、成功したとはいえない状況にあります。知的財産高等裁判所をつくったけれども、勝訴率も上がっていないし、訴訟件数も増えていません。出願数について言えば、アメリカに抜かれ、中国に抜かれという非常に厳しい状況です。アメリカのCAFCについては、LANDESとPOSNERの研究がありまして、特許出願件数が伸びているということが論証されています。日本では十分な研究がなされているとはいえないので、検証・評価をきちっとする必要があると思います。
 特許出願が減少している状況で、制度基盤整備というならば、出願の減少に対する措置を考えなければ意味がないと思います。平成6年の特許法改正以来、特許権を取りにくくする改正がなされていますが、特許権の行使については措置がなされていません。かえって、無効の抗弁を入れることなどの措置により、権利行使がしにくい措置がとられています。さらに、付与後異議申立を入れるのは、権利の行使をしにくい状況をさらに加速する虞があります。一連の特許権の魅力を減少させる措置が企業の出願に影響を与えたのではないかと思いますので、施策を考える際には、現在の構造をどうしていくのかということを考えていかなければいけないと思います。
 なぜ出願数が減っているところで審査体制を強化するのかという疑問に答えるためには、これから出願数を増やしていくのだということを考えていかなければいけません。
 コンテンツのほうで申し上げますと、2つの問題があります。
 一つは、日本の文化の伝播によって、日本の潜在的な影響力というものを大きくしていくことが必要です。韓国の韓流が日本の市民の中にいかに大きな影響を与えたかということを頭に置いておく必要があります。
 もう一つは、著作権によって収入を上げるためには、その著作物を外国でみんなが利用する素地をつくらなければいけないと思います。日本のコンテンツを見たいという人をどこでつくっていくかということを考えると、強い著作権をつくれば、それで著作権から得られる収益が伸びるわけではありません。著作権の強化を進めてきたのですが、コンテンツに関する貿易収支は依然として赤字であるということを頭に置いて考えていただきたいと思います。

○中村座長
 ありがとうございます。
 他にどうでしょうか。
 どうぞ。

○長澤委員
 キヤノンの長澤でございます。
 実際、まだ知財の実務もやっていますので、その観点から発言させていただきます。
 方向性や予見性というのは実務をやっている者にとっては非常に大事です。ところが、昨今、知財権のあり方の根本にかかわるような議論が最近増えてきたと思います。例えば強制実施権とか、IT業界で先ほど中村先生が仰ったビッグデータの扱いをどうすべきか、また知財不要論というような議論が世の中に出てきています。
 一方、独占権がない知財権は意味がないという独占推進論があります。プロパテントとアンチパテントという関係、またこのように単純な問題ではなく、先進国と途上国という関係もありますし、知財権を持つ者、持たない者という関係もあると思います。その中で、例えば薬品、食品、環境技術、IT技術等の全てにおいて、知財権のありかたについての議論が最近されているように思われます。
 その中で、我々の国がどうやれば勝てるかという戦略をまず一生懸命考えるべきだと思います。その哲学のようなものがあって初めて、その次に法制度やその運用をどのようにするかを考えるべきであり、更に人財の活用をどうするか、人財をどのように育てるかといった戦略があり、最後に企業はこれらをもとにどのように活動しなければならないかを考えるべきです。
 その場合には、出願に関する政策はこうすべきという考えがあり、それが先進国とか日本の我がままではなく、自国だけではなく、人類全体のことを考えたときにこういう政策でいくということを、ここにいる有識者のメンバー皆で認識を一緒にしたいと思います。特に我々は知財の現場で働いているので、いろいろな場面でいろいろな意見が出てくると、どのように予見性を持って仕事をすればいいのか時々迷うことがあります。一度このようなことをまず議論した上で、それぞれの項目を議論させていただければありがたいと思います。
 以上です。

○中村座長
 では、瀬尾委員、お願いします。

○瀬尾委員
 いろいろなこういう項目を見て考えるところがあるのですが、私は現場で今、権利者の間の集中処理機構、ジャパンコンテンツポータルサイト、いわゆる海外へのクールジャパン発信、全く違う立場ですが、現場の中で非常に多面的に今の状況に関わらせていただいています。
 その中で、今、コンテンツの方について申し上げますと、机上配布資料2の1ポツから6ポツまで有効だと思われるのですが、仰られたことと共通しますが、大きく分けると2つあると思います。
 日本の国策の中で知財がどういうように意味があって、なぜこれをやっているのかということがまずここでまとめられるべきではないかと私は思っています。1ポツから3ポツまでは国内での権利処理、もしくは知財のきちんとした創造サイクルを回すためのものであろうと思いますし、これは明らかにTPP環境が来たときにでも、日本が強いソフトパワーを持つために重要な点だと思います。ただ、その目的は、やはり日本的な創造サイクルと流通の仕組みをきちんとつくるということ。これを国の政策として持つということが共通認識としてないと分かれてしまう。
 4ポツから5ポツですが、この正規版流通と海賊版対策というのは実は表裏一体で1つのことです。つまり、これをクールジャパンとして、ASEANや東アジアを含めて展開していかなければいけない。ただ、これはなぜ展開しなければいけないかといったら、売れるからとか儲かるから以前に、日本の国策と政治的な配慮の中で連携が必要になってくるでしょうと。そのときに中国、韓国、他の国々とのバランスの中で、いかにアジアの国々の中で日本が支持を受けて連携するかになってくる。そういうことを視野に置くべきではないかと思います。
 もう一つは、コンテンツを売っても儲からない。これは現場で非常に強く言われていることです。何ぼ売っても儲からない。ではなぜやるのか、なぜ国のお金を使ってもやるのかといったら、それはコンテンツがあることによって、その国との連携とその後のメーカー、産業が日本と深くつながりを持つための政策ではないかと思っています。
 ですので、そういう意味では、よくクールジャパンというと、コンテンツを売りに行くのだから関係ないというようなメーカーの方たちの意見も聞かれますけれども、強く日本の経済政策として一案化した政策を持っていかないと、単純にコンテンツを売っただけで儲かるわけもないし、その効果を確認していくことも難しいと思います。
 今度のTPPというのは1つの大きなターニングポイントになると思いますので、国内の循環を整備するための知財政策、それをきちんと連携して、グローバルな中で日本のポジショニングをとるためのクールジャパン、この2つをまず総合的に大きな施策として、この中で御議論いただき、共通認識とさせていただくほうが、まず、そこがないと各論に落ちてしまって難しい部分が出てくるのではないかと感じます。
 今日は総合的なお話ということなので、全体について申し上げました。
 以上です。

○中村座長
 ありがとうございました。
 どうぞ、お願いします。

○荒井委員
 東京商工会議所で知財委員長をやっています荒井と申します。
 知財戦略は、日本人の創造的な能力を発揮するという観点から、成長戦略の非常に重要な柱だと思います。
 その点で1点は、中小企業、ベンチャー企業向けにいろいろ制度の見直しをしていただく、減免を増やしていただくということで、今度の産業競争力法案にも入れていただいているということで、全国の中小企業、ベンチャーの関係者は大変期待しておりますが、使い勝手が悪ければ、いかに制度がよくても実際に使われないので、手続を簡単にする、ぜひこの点についても配慮していただきたいというのが1点目です。
 2点目は、TPPの議論がございますが、TPPは一番今大事になってきているのは、エンフォースメントというか、執行です。特許を取る制度をいろいろとつくる、著作権の制度をつくって保護すると、それを実際に裁判所や税関や警察がどうやって取り締まるかというのは非常に執行面で大事になっておりますので、日本の知財高裁がうまく機能していないのではないか、TPPのメンバーの中で日本が世界で誇れるような仕組みになっているのか、そして先ほど川上委員がおっしゃったように、独禁当局の態度が本当にこれでいいのかというような議論もエンフォースメントの一環だと思いますので、ぜひそういう観点を入れてやっていただくのが必要ではないかと思います。
 3点目は、営業秘密の保護、これは毎日毎日、今、営業秘密が漏れているわけですから、喫緊の課題ですので、海外の状況を調べるとか、検討するとか、そうやって知財ビジョンに書いてあるわけですが、ぜひ早く政策を決めて、例えば営業秘密保護法をつくったりして、しっかり国としての意思を出す、それを企業の方もしっかりやっていただくというような、国全体がやることをやらないと日本の競争力強化につながっていかないのではないかと思いますので、ぜひこういう点にも力を入れてやっていただきたいと思います。
 以上です。

○中村座長
 ありがとうございます。
 他にいかがでしょうか。
 野口さん、お願いします。

○野口委員
 たくさんの委員からの御指摘もお伺いしつつですが、まず、1つには、真に日本が知的財産で立国というか、非常に魅力的な国になるということについて。今年の6月に出ましたビジョンですとか基本方針におきまして、知財先進国になると、世界から見ても魅力的な制度を備えた国になるという大きな目標を掲げていただいておりまして重要なことだと思うのですけれども、そのためには、やはり先ほど川上委員から、一部のグローバル企業が事実上、非常に大きな力を持っているという御指摘がありまして、それはそのとおりの面も確かにあると思うのですけれども、その現状に対してどう対応するかという議論のほかに、日本発のプラットフォームがどういうようにすれば出てくるかというような話が繰り返し過去の委員会でも議論されていたと認識されているのですけれども、私が見たところでは、例えば日本のベンチャー企業やベンチャーに限らず、上場企業が決してサボっているというわけではなくて、やはり元にいけば制度的な違いがあって、その制度的な違いの中で優位な環境で競争しているのではないかという観点についても検証することが必要ではないかと思っています。
 この知財ビジョンが言っていただいていることですとか、それを具体的にするならば、例えばクラウドサービスの拡大ですとかに向けた制度の見直しというようなことに直結してくるのかもしれないのですけれども、例えば日本の検索企業と海外の検索企業、または日本のプラットフォーム事業者と海外のプラットフォーム事業者、そこに限らず、多くの製造業しかり、バイオベンチャーしかり、いろいろな側面で、制度的にもし日本の企業が例えばアメリカで競争することに比べて負荷が高いような部分があるのであれば、そこを積極的に直していくというようなことが根本的に必要なのではないかと日ごろから思っております。
 そういう意味で、恐らくそういう認識で過去も議論しているとは思うのですけれども、必ずしも日本で今どう困っているという観点からだけではなくて、実は、これは省庁のレベルにいきますと、文化庁さんでも経済産業省さんでも総務省さんでも、海外との比較、調査研究等たくさんされていると思うのですけれども、そういう話が余りここまで上がってきていないというか、むしろ日本では今こうだというような話ばかりに終始しがちでありまして、では、アドバンテージを生んでいるのはどこなのか、だから、それを追い越せ、追い越すためには日本をどう直していけばいいのかというような国際的な視点に基づいた議論というのが従来あまりされていなかったのではないかという漠然とした印象がございまして、そういう意味で、これからの議論なり政策、企画をする点において、国際的視点を持つというときに、必ずしも特定の国際企業を攻撃するというわけではないですが、差を生んでいるものがどこなのかという制度的なところを議論するということも重要ではないかと思います。
 もう一点、例えば知財高裁のお話が先ほど出まして、例えば訴訟の敗訴率が非常に高い、勝訴率が低いというのは、私も例えば海外の弁護士と議論していると非常に驚かれるわけですけれども、ただ、例えば完全勝訴率が10%、15%であるとか、一部勝訴も含めて25%だという数字がひとり歩きしているのではないかという印象も個人的には持っておりまして、確かにアメリカでは特許が非常に高く理解されているのですけれども、その背景にあるのは、皆様御案内のとおり、ノンプラクティスエンティティと言われている特許ポートフォリオ会社、権利行使会社に多大な投資マネーが流入しておりまして、その投資マネーに基づいた特許訴訟ビジネスが実にアメリカの特許訴訟の62%を占めているというような統計が出てきておりまして、では日本もそのような訴訟社会を目指すことがいいのかどうかというのは、私は実は懐疑的な面もございます。
 確かに判決という意味でいうと勝訴率は全然違いがあるのですけれども、全体の中でアメリカは判決に行くものが10%未満でありますし、日本はそれに比べて和解が50%ございまして、その50%和解したもののうち、多くが原告側に有利な案件ではないかと個人的な経験としては思っているところもありますので、もし50%和解しているもののうちのある程度の部分が勝訴案件なのであるとすれば、本当にそこまで日本の知財制度が健全であるのかないのか、確かに特許が無効になる恐怖というのはどのクライアントさんもお持ちでいらっしゃるので、そこには非常に共感する面もあるのですけれども、数字だけがひとり歩きしているのではないかという個人的な印象も多少ございます。
 そういう意味で、もう一点、私が最近感じるのは、今まで司法については、執行の部分、例えば損害賠償額を上げるですとか、そういう法制度の部分では議論しているのですけれども、実際に司法の運用の面については、初期の頃、かなり大きな議論があったと思うのですが、近年は余りそういうところで議論がなく、私が実務をしている中で常に議論されることの1つとして、やはり裁判官の方の非常に動きの早い世の中の動き、流れ、特に先ほどから御指摘があるように、例えばオープン、クローズドのバランスとか、そういうものについて、どこまで現場と裁判官の方の認識が追いついているのかというような点に、時々、事業会社の方とお話をしたり、学者の方と情報交換をさせていただくとそういう話が出てくることがありますので、思いつきではありますが、論点として提出させていただきました。
 以上です。

○中村座長
 ありがとうございました。
 非常に多岐にわたる御意見をいただいておりますけれども、私、数えておりまして11人の委員の方々から意見をいただいておりますが、あと12人おられます。初回、できれば皆さんにコメントいただきたいと思っておりまして、産業分野、コンテンツ分野を問わず、あるいは各論に踏み込んでいただいても結構ですので、コメントいただきたいと思います。
 角川委員、お願いします。

○角川委員
 せっかくアジェンダが出ておりますので、それに沿って発言させていただきます。
 デジタル社会に対応した新産業創出と環境整備という点では、電子書籍を取り上げていただいて大変結構だと思うのですけれども、電子図書館サービス、電子書籍をどうやって図書館で利用していくか、小中高等学校あるいは大学、公共図書館、いずれについても非常に重要なテーマになっていくと思います。
 とりわけ、意外に盲点に思われるでしょうけれども、全国の書店の数よりも小中学校の図書館の数を入れると、図書館のほうが書店より多いのです。ですから、図書館整備とすることが電子書籍については非常に重要ではないかと思います。
 国からせっかく図書館に援助しても、県ではそれを図書館の費用に使わないで体育館の器具に転用されてしまうとか、そういう情報も聞いております。また一方で、身障者の人、難聴の人あるいは見ることに対して支障を来している人なども、電子書籍というのは非常に有効です。そういった点も含めて、電子書籍の図書館利用をどうするかということを国として考えていただくことは非常に重要ではないかと思います。
 また、デジタルアーカイブの促進については、今、御存知のとおり4K、8Kの放送ということ、あるいは4k、8kのインターネットの高度化、画像の高度化ということが非常に問題になっている、大きなテーマになっていますが、実は放送よりもインターネットのほうが4k、8kは先に実現するのではないかと、今、言われております。ソチオリンピックから4kインターネットが始まりますし、恐らく東京オリンピックの時には、放送は今いろんな問題を抱えていて、合言葉で放送の8kとかと言っておりますけれども、現実としてははるかにインターネットの8k通信のほうが先端を行く、先に行くと思います。そういった点をどういうように考えるか。
 今、放送局が持っている映像コンテンツあるいは映画会社が持っているコンテンツは、デジタルマスターは4kでつくればいいのか、8kでつくればいいのか、そこら辺の議論が非常に曖昧なものですから、困っております。角川大映なども1,800本の映画フィルムを持っているわけですけれども、これを8kのデジタルデータベースにするためには、1本2,000万~4,000万円と膨大な費用がかかりますので、どうかその費用をどうするかという次の問題の前に、デジタルアーカイブを4kで保存するのか、8kで保存するのかを決めていただきたいと思います。これは恐らく日本の古典、芸術を保存する場合でも、どちらで保存するべきかを決めていただくことが文化行政にとって大きな課題になると思います。
 コンテンツが儲かるか儲からないかという話がかなり出ていて、コンテンツの海外展開支援をどうするのだという話がありましたけれども、今、電子書籍の権利の問題、出版者の権利の問題について、出版者に対して一体的に与えるべきか、それとも電子出版に関しては別個に与えても良いのではないか、つまり、一体か別個にするかという議論が行われているわけですけれども、これも実はコンテンツ海外展開に関係することだと私は思います。コンテンツが儲からないか儲かるかというのは、原作者が儲かっているのか、事業者が儲かっているかということを見極めないと、議論が深まらないと思います。
 実際には、コンテンツを広めるのは著作者個人ができるはずはなくて、出版社が広めるとか事業者が広めるわけですけれども、それに対して利益保証というのは全くされていないで、儲からなければ事業者がただ働きをするというのが実態だと思います。そういった点で、電子書籍について事業者に電子出版権を与えるのと同じように、海外へのコンテンツ輸出に関して、出版社に、あるいは映画会社にどういう権利を与えているか、利益のモチベーションを与えるかということが重要だと思います。
 また、私はそろそろ日本のコンテンツを向こうに持っていくことで利益を上げるというだけではなくて、コンテンツのつくり方を輸出して、その地元の国のコンテンツ創造を支援するという視点が必要になってきているのではないかと思います。実は、もうアメリカなどは、海賊版が全く普及してしまって、MANGAというのは日本語ではない、英語だと思っている若者たちが圧倒的に多くなってきております。
 つまり、日本のマンガが海賊版として流通している間にアメリカのものだと思われてしまったという、これが世界的に広がりつつありまして、MANGAという言葉が国際語になっているというのは自己満足で、英語になっている、あるいは中国語になっているということを考えると、今やらなければいけないことは、日本のマンガのつくり方、日本のアニメのつくり方、あるいは初音ミクのつくり方みたいなものを海外に輸出していって、そして地元の人たちと一緒になってコンテンツをつくっていく。それによって本当は日本のオリジナルコンテンツはこういうものだということを認識してもらうような、そういう懐の深い支援の仕方をしなければいけないのではないかと思います。
 そんな点で、少し話が長くなりましたけれども、著作権を産業著作権という視点で捉えていくようなことを含めて、3点申し上げました。

○中村座長
 ありがとうございました。
 他にいかがでしょうか。
 久夛良木さん、お願いします。

○久夛良木委員
 久夛良木です。
 コンテンツの立場からコメントさせていただきたいのです。
 机上配布資料2の1ポツのところで新産業創出と環境整備と最初に出てきたのは非常に心強いと思っています。理由として、今までの20世紀型のコンテンツ、例えば書籍に限らず、20世紀型を別に揶揄しているわけではないのですが、クライアント機器上で、つまりユーザーの手元の機器で楽しむことができるコンテンツ、それは音楽であったり、映画であったり、書籍であったり、こういったものはさまざまな法整備であるとか、競争力強化のための様々な施策について皆さんと議論してきて、相当なところまで話がシェアされたと思うのですが、実は議論されている間、直近の1年の中でネットワークサービスがここまでどんどん変わっているということについて、皆さん、多分実感としてお持ちになっていると思うのです。
 このネットワークにおけるコミュニケーションで、今までなかったことが起きているというわけで、結局、それはスマートフォンに代表されるようなネットワーク機器、今や年間数億台から間もなく10億台になろうとしている、それをサポートするクラウドシステムがものすごい勢いで今パワーをつけつつあるという中で、実はここで生まれるコンテンツ、ここで生まれる産業、というのがものすごくリアリティを持ってみんなのイメージの中に入ってきたと思います。
 例えばこの間、何かの調査があったらしいですが、大学生ぐらいの人間に、この1年間で何冊本を読みましたかと聞いたところ、残念なことに1カ月で1冊も読んでいないとか、そういうような数字も出てきていますし、映画であるとか音楽であるとか、実際今までのパッケージをどれぐらい皆さん購入されているか、もしくは持っているコンテンツをどのぐらい聞いているか、見ているかということについても、電車に乗っているとしょっちゅう歩きながらでもスマホをいじっているというほうがはるかに多くて、つまり、そちらのほうのコンテンツの面白さというものに、皆、世界中の人たちが気づいてしまったわけです。ですから、既存型のコンテンツだけを話しているのではなくて、より新しいコンテンツをどんどん生み出していくという方向の議論をぜひPDCAのループの中だけではなくて、もう一回考えて何かしらの施策を打たないといけないのではと思います。
 今、我が国ではベンチャーが育ちにくいと言われているではないですか。コンテンツも多分似たような状況になりつつあるのではないかと思っています。例えば私が元所属していたゲーム関係も、最近では作品としてのソフト制作よりはマネタイズのほうに経営者はどうしても目がいきがちです。そうなると、先ほど川上委員がお話になったように、Googleであるとか、Appleであるとか、Amazonであるとか、それぞれのプラットフォームの比較をして、これはけしからんとか、こちらのほうが儲かりそうだとかという話になってしまうのですが、よく考えてもらいたいのですが、GoogleとかAmazonとかAppleは、コンテンツを生み出していないのです。彼らは仕組みを提供しているのであって、そもそもコンテンツを生み出す人たちの最近のマインドセット自体が問題かな、と自己反省も含めて思うこともあるので、こういった議論の中では、やはり仕組み仕組みと、ともすれば日本の仕組みをまたつくろうという話だけではなくて、どうやったら日本の若者が、新しいメディアの中で、より新しいチャレンジがどんどんできてくるか、できるかということに、ぜひサポーティブで前向きな御意見とか施策を、皆さんの中からいただきたいと思います。
 以上です。

○中村座長
 ありがとうございました。
 他にいかがでしょうか。2回り目になっても結構ですけれども、ございませんでしょうか。
 杉村委員、お願いします。

○杉村委員
 杉村でございます。
 産業競争力の面からアジェンダに1点追加していただきたい面がございますので、その点を申し上げたいと思います。
 知的財産政策ビジョンの「1.産業競争力強化のためのグローバル知財システムの構築」の中で、日本の審査システムをグローバルスタンダード化するために審査官をアジア新興国知財庁へ派遣する施策が記載されております。これに関しましては、机上配付資料1の(1)にありますとおり、第2回目以降の委員会で、戦略的なロードマップはどうあるべきかが具体的に議論されるかと思います。
 これに加えまして、知的財産政策ビジョンの中では、企業OB、弁理士などの多様な経歴を有する知財専門家を海外に配置して、海外における日本企業、特に中小企業がこれからグローバルに事業を展開するにあたっての知的財産活用等の支援をしていくために、海外において官民一体となって日本企業、中小企業を支援することも議論されたかと思いますので、具体的にどういうようなスキームで実現すべきかという点を次回以降の委員会のアジェンダに加えていただければと思っております。
 日本弁理士会といたしましては、このような多様な経験を持つ弁理士を現地に派遣いたしまして、そちらで日本企業、特に中小企業を支援したいという用意もあります。この点も含めまして、官民一体のスキームの構築というものを議論させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○中村座長
 ありがとうございます。
 他に。
 竹宮委員、お願いします。

○竹宮委員
 竹宮です。
 最初に妹尾委員からお話がありましたが、今の状況というのは大分変わってきまして、コンテンツと一言に言っても、アナログとデジタルが両方とも存在する形で考えていかなければと仰られましたが、今あるコンテンツ、私は漫画家ですので漫画のほうについてのことから申しますと、生み出しているものは非常にアナログの部分で生み出されております。それがコンテンツという形になりましてデジタルに変化していくわけですけれども、それをアナログに戻せるようにしてほしい。双方の影響力を高めたいと考えております。
 もし、こういう場所で方針を決めていくのであれば、コンテンツ利用ということだけではなく、アナログの方面への戻し方。簡単に申し上げれば、例えば角川委員が言われましたように、図書館でデジタルコンテンツを読む、電子図書館で読むというようなことをした後に、アナログの本が欲しいというような事態も起こり得るわけです。しかし、だんだんデジタル化していきましてアナログのものが減っていくという状況を考えると、生み出す過程というのは非常にアナログな部分があって、それが大事な土壌になっているということもありますので、それが戻るようなシステムをつくっていきたいなと思います。それが十分に働くような形をつくっていきたいと思っているのですけれども、御検討をお願いいたします。

○中村座長
 ありがとうございます。
 他はいかがでしょう。
 どうぞ、お願いします。

○山田委員
 いろいろな先生方がおっしゃっておられますので、少し。PDCAを回すという部分で気になっていた点ですけれども、例えば中小ベンチャー企業の知財マネジメント強化支援ということで、いろいろな総合支援窓口の強化であったり、国策として支援がなされている中で、件数だけではなくてぜひ成功事例の共有みたいなものをしていただけると、後に続く若者ですとか、私どもベンチャー企業ですとかが参考にしてそれを生かしていきやすいのではないかと感じております。ですので、件数だけでなく、成功事例の可視化というようなところの視点を持っていただけたらと考えております。
 以上です。

○中村座長
 ありがとうございました。
 他にどうでしょう。よろしいでしょうか。
 喜連川委員、お願いします。

○喜連川委員
 机上配布資料1の2.(4)に大学というのを入れていただきましたが、大学の一研究者として申し上げますと、こういう権利とかというのは非常に得意ではないのです。大学というのはそもそも素朴に研究することが国民からの負託でもございますので、一体どういうようにして大学が生み出した知恵を企業化していくかみたいななのはほとんど素人の集団です。冒頭に御案内のあった、オープンにするのか、クローズドにするのか、その中間をやれとか仰っていただいても、外形的には分かるのですけれども、具体的にどうすれば良いのか分かる人はほとんどいない。しかも、大学から企業への成功事例というのも今回叙勲をなされましたような東北大学の垂直磁気記録方式みたいな例は幾つかありますけれども、極度に成功事例が少ない。そういう中で、ぜひここの(4)は丁寧に御指導いただけるとありがたいなと思っています。
 今、大学に何が起こっているか申し上げますと、法人化というのでみんな大学がばらばらなのです。それぞれの大学にスキルの高い知財の専門家を分配するほどの余力があるわけがないので、オールジャパンで分野ごとぐらいに知財をまとめるような、そんなお助け相談室みたいなものをぜひつくっていただけるともう少し機能するのではないかと思います。特にITは弱いということで、よろしくお願いしたいと思います。
 コンテンツの方は、机上配布資料2の1にビッグデータという言葉を入れていただきまして大変ありがたいのですけれども、米国でもビッグデータは7領域挙げていまして、環境とヘルスとディザスターとものづくり、セキュリティ、エネルギー、教育と、ほぼ全ての領域がその対象になるように、とても厚みの広い施策になっておるのです。これはビッグですので、スモールではありませんので、すごい規模感を大きくして動かさないといけないという中で、なかなか大学や中小の方にとってみると参入障壁が非常に大きなセグメントになってきているのではないかと思いますので、プラットフォーム等ぜひ機動的にいろいろな施策を前向きに打っていただくことがありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上、希望を述べさせていただきました。

○中村座長
 ありがとうございました。
 他によろしいでしょうか。
 では、井上委員、お願いします。

○井上委員
 もう時間も迫っておりますので、簡単に述べます。
 きょう、妹尾委員の方から産業生態系も変わってきている、長澤委員の方からオープンですとかクローズド、そういったものが今までと違う形のものになっているというようなお話がございました。
 そういった側面が一番出てきているのがデジタル化に伴う問題だと思うわけですけれども、コンテンツ分野において、デジタル化社会に対応した新産業創出と環境整備ですとか、デジタルアーカイブ化の促進といったような項目が上がっているわけですけれども、どうしても、例えばこの場に参加している関係の産業界ですとか、分野の方の声は反映しやすいわけですが、そこからこぼれてしまうものも出てくるのではないかと考えております。
 新しい産業がどういった面から出てくるかわかりませんので、あまり個別のものにばかり注力し過ぎて取りこぼしてしまうものが出ないように、常にここに参加されていない他の業界あるいは分野の方からの声も吸い上げられるようにしていただければと考えております。

○中村座長
 ありがとうございました。
 時間が迫ってまいりましたけれども、よろしゅうございますか。
 渡部座長、我慢して聞いておられましたけれども、コメントはないでしょうか。

○渡部座長
 コンテンツのほうの話を聞かせていただいて非常に勉強になったのと、先ほどのグローバルプラットフォームの話などは、実はコンテンツと産業財産権的なものを二面市場でプラットフォームビジネスをつくるとか、そういうのが最も大きな流れですね。だから、別々にやっているとそういうのが見えないこともあるので、こういうものをどうやって取り組んでいくかという話があるなと思いました。
 もう一つは、産業財産権の方で特にそうですが、結構長い間議論していて方向性がまだなかなか出ていないものがありまして、何らかの切り口を決めて方向性を出さないといけない。そこは今回、知財ビジョンということでグローバルという視点で1回出してまとめたわけですから、そういう視点で切り口を決めて少し方向性が出せればというか、出せないといけないのだと思います。その点は検討課題かなと思いました。
 以上でございます。

○中村座長
 いただいた時間はほぼ迫ってまいりました。
 最後に、大臣にコメントいただければと思います。

○山本大臣
 大変活発な御意見、ありがとうございました。私も大変勉強になりました。
 検証・評価・企画するだけではなくて、しっかりこの結果が反映されるように担当大臣としても努力させていただきたいと思います。
 司法試験の話は今、調べていますので、場合によっては、直接こちらの方で申し入れるということもできると思います。
 職務発明制度の話は3回検討会をやりまして、2万人近い人からアンケートをやることになって、今、特許庁の方で準備しておりますので、これもこれまでの議論を含めて法律改正に結びつけられるように努力したいと思います。いずれにせよ、できるだけこの場に出させていただいて、その議論をフォローできるようにしたいと思います。

○中村座長
 ありがとうございました。
 グローバル化ですとか人財育成といった多岐にわたる論点を今日提示いただきました。  毎年、この時期、これは大変だなと思うのですけれども、私もこれからも皆さんと前のめりに取り組んでまいりたいと思います。
 ということで時間が参りましたので、今日の会合はここで閉会をしたいと思います。次回の委員会は、産業財産権分野の会合を予定しておりまして、11月14日の15時から開催。そして、コンテンツ分野の関係の皆さんには、次回の開催は12月4日ということになります。追って事務方より、詳細は連絡させていただきます。
 本日は、御多忙のところ、ありがとうございました。これにて閉会といたします。