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検証・評価・企画委員会(第7回)日 時:平成27年2月9日(月)10:00~12:00 場 所:中央合同庁舎4号館 第4特別会議室 出席者:
おはようございます。ただいまから第7回になります「検証・評価・企画委員会」を開催いたします。 お忙しいところ、朝からお集まりをいただきまして、ありがとうございます。 今日は「アーカイブの利活用促進に向けた整備の加速化」というテーマのもとで議論を進めたいと存じます。 本日、御出席いただいています委員の方は、お配りされた座席表のとおりでございますので、それで御確認をいただければと存じます。若干遅れて来られる委員の方もおられると伺っております。 なお、今日は奥山委員の代理で飯田圭様に、木田委員の代理で加藤久仁様に、参考人として御出席をいただいています。ありがとうございます。 また、参考人といたしまして、杉本重雄筑波大学図書館情報メディア研究科長、生貝直人東京大学大学院情報学環特任講師、村田良二東京国立博物館情報管理室長、野口剛根津美術館学芸第二課長に御出席をいただいております。 では、本日は松本大臣政務官に御出席をいただいていますので、御挨拶をお願いしたいと存じます。よろしくどうぞお願いいたします。 ○松本大臣政務官 どうも皆さんおはようございます。 内閣府大臣政務官の松本洋平です。本日は、お忙しい中、有識者の皆様方、また関係省庁の皆さんにおかれましてはお集まりをいただきましてありがとうございます。 文化資産等のデジタルアーカイブ化は世界的に進んでおりまして、日本でもこれまで分野ごとにアーカイブの取組が進められてきたところでございます。日本国内には、地方も含めて文化財や図書などの文化的資料や、コンテンツが数多く存在しており、その魅力を国内外に発信するためには、基盤となるデジタルアーカイブの役割が重要です。 一方、資料のデジタル化やその利用に際しましては、著作権などの権利処理が必要となる場合も多く、そのため、制度改善等が求められているところだと認識しております。 このような状況を踏まえ、昨年開催いたしました検証・評価・企画委員会におきまして、日本全体として、アーカイブの状況を俯瞰するとともに、孤児著作物を含めた権利処理の円滑化の必要性などを御指摘いただいているところでもあります。 本日の委員会では、これまでの蓄積された資料などの利用のあり方、円滑な利活用のためにどのような課題を解決すべきか、そして、それを踏まえて、アーカイブの充実に向け、どのような取組を優先して行うべきか等につきまして、御意見をいただければと思っております。 中村座長のイニシアチブのもとで、本日の議論が活発になされ、実りある成果につながることを期待いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。 どうぞよろしくお願いします。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、議論に入ります。まず、事務局から配付資料の確認をお願いします。 ○田口参事官 配付資料の確認につきまして、お手元に議事次第を配付させていただいているところでございます。 その下に、本日の配付資料、資料1から資料5まで書かせていただいているところでございます。 この資料につきまして、欠落している等ございましたら、お近くの事務局員に御指示いただければと思います。 以上でございます。 ○中村座長 では、今日のテーマに関する論点について、これも事務局からお願いします。 ○田口参事官 引き続き、事務局から説明をさせていただきます。 まず、資料1をご覧ください。 知財本部検証・評価・企画委員会「アーカイブの利活用促進に向けた整備の加速化」に関する論点と題するペーパーでございます。 この資料につきまして、まず、前半では、本年度における検証・評価・企画委員会におけるアーカイブに関する主な意見を取りまとめております。 2ページ以降は、本日の議論で取り扱う論点でございます。 まず、1ページ目でございますが、これまでの主な意見、総論としまして、まず、全体像についてしっかり議論すべきだというような御指摘。 また、既存の民間のアーカイブにコンテンツが集まりやすくなるような仕組みづくりを加速すべきだというような御指摘。 アーカイブを経済効果のある取組に落とし込むことと、そのタイミングが重要であるという御指摘があったところでございます。 また、アーカイブの整備・拡充につきましては、孤児著作物を含めて権利処理の体制をつくることが重要であるという御指摘。 裁定制度を使うという方法でずっとやっていくのは、無理があるのではないかと。事後に著作権者から申し出があった場合に、処理をするというような工夫等が必要ではないかというような指摘。 また、ゲームや放送コンテンツなど資料の滅失が懸念される分野について、民間の活動も含め支援が必要だということ。 また、アーカイブ関係の人材育成の重要性についての指摘といったところがございました。 アーカイブの利活用の促進に関しては、一元的に検索できるような大きな仕組みというものの重要性の指摘。海外での利活用促進といった課題。 ユーザー視点で利活用の仕組みを考えるべきであるという御指摘。 また、アーカイブをデジタル化するに当たって、権利者が誰なのかを付随して提供することの重要性についての指摘等があったところでございます。 2ページ目でございますが「検討すべき主な論点」、本日扱う論点でございます。 議論の対象とする資料の分野・範囲、取組の優先順位についてどのように考えていくのか。これは知財として議論の焦点をどこに当てていくべきであるのかというようなことでございます。 例として、いわゆるコンテンツといったものについて、どう考えていくのかということで例示を挙げさせていただいてございます。 また、2番目の丸でございますが、デジタルアーカイブの方向性として、どのような仕組みを目指していくのか。分野横断的に検索可能なポータルサイトの構築を目指すということや、また、博物館、図書館、公文書館といった分野ごと、独立したアーカイブシステムについて、どう考えていくのかというようなことが論点だと考えております。 3つ目の丸としては、アーカイブ充実に向けた政府の役割・体制をどのように考えるのか。 その次として、国及び関係機関(独立行政法人等)以外の主体(民間や地方公共団体)が保有している資料のデジタルデータとの連携をどう進めるのか。 次としましては、民間企業がデジタルアーカイブ化し、有償で提供している資料との連携についてどう考えるのか。 一番下の丸でございますが、アーカイブされたデジタル化資料の利活用の実態を踏まえ、どのような取組を進めていくことが有効であるのか。 本日の論点としては、以上のことを事務局では考えてございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 今日は、このアーカイブ集中討議の第1回ということでして、集中討議をもう一回予定をされているのですけれども、今、御説明いただきましたように、この資料の2ページ目に突っ込んだ論点案を用意していただきましたので、後ほどそれを中心に議論をしていただければと思いますが、本日、あわせて参考人お三方からのプレゼンテーションを予定しております。 生貝参考人から「アーカイブをめぐる国際的動向と我が国の現状と課題」を御説明いただき、村田参考人から「デジタルアーカイブの取組とアーカイブ間の連携」について御説明をいただいて、野口参考人から「民間美術館におけるアーカイブの取組」について、それぞれ10分程度で御説明をいただいたところで、全体の意見交換に移りたいと思っております。 では、初めに、生貝参考人から御発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○生貝参考人 ありがとうございます。東京大学の生貝です。 このたびは、このような機会をいただきまして、お礼を申し上げます。 私は、諸外国における情報あるいは文化芸術政策に関する法制度の研究をしている立場から、本日「アーカイブをめぐる国際的動向と我が国の現状と課題」という形で簡単にお話しをさせていただきます。 まず「デジタルアーカイブに関わる各国の動向」というところで、2ページ目でございますけれども、現在、諸外国を見てみますと、代表的なデジタルアーカイブの結節点として、Europeanaには3,000以上の文化施設が参加し、3,600万以上の文化資源デジタルアーカイブが一括で検索・閲覧・利活用可能なポータルとして成長してきています。それから、閲覧可能データ数700万を超える米国のDPLA、さらにオーストラリアのTrove、こちらは4億件程度のメタデータを一括で検索可能になっているといったようなことが進んでおります。我が国においては、特にこういった統合的なポータルという意味では、国立国会図書館サーチでは1億件以上のメタデータが検索可能となっており、文化遺産オンラインでは10万件以上の文化資源データが閲覧可能となっている中、特に実際にデータを閲覧可能、利用可能なものをいかに増やしていくか。それから、やはりいまだ分野ごとのポータルというところにとどまっているものについて、統合的に発信していく施策をいかに進めていくかが課題になっていると存じます。 こういった中で、特に、私自身研究の対象としておりますEuropeanaの構造というものを簡単に御紹介させていただきますと、このEuropeana、1つのポータルという形式はとっておりますけれども、直接ここに全ての文化施設がデータを提供しているというわけではございません。 各文化施設では、実物保存、デジタル化、メタデータ付与等を行いまして、分野ごとあるいは国ごとに150程度存在するこのアグリゲータというところが個別の文化施設のデジタル化・公開支援、メタデータ整備といったことを行う形で、Europeanaに統合的に公開可能な形でデータを集約しています。 そして統合プラットフォームとしてのEuropeanaは、ポータルであると同時に、データ基準や再利用にかかわる共通ルール策定ですとか、多言語化の対応などを行っているという形になっております。 こちら下はEuropeanaの構造を簡単に示したものでございます。 こういった中で、そのアグリゲータを通じたデータ数は日々増え続けておりまして、特にこの事業計画2014からは一括で利用可能とすることによるデータ利活用プラットフォームとしての役割に重点を当て始めているといったような段階にございます。 そして次のページに行っていただきまして、利活用のための取組については、コンテストですとか、イベントあるいはアプリケーション開発というものをEuropeanaとしても非常に積極的に推進しているわけですが、その基盤といたしましては、そのデータ自体の利用条件あるいは著作権のルールというものが利活用可能となっていなければ、やはり利活用は進まないということがあります。 Europeanaとしては、利活用可能なデータを拡大する取組というものを積極的に進めておりまして、例えば、Europeana自身の取組といたしましては、メタデータにつきましては、これは我が国では著作権の対象と必ずしもなるものではございませんけれども、参加機関とEuropeanaの間で結ばれるデータ交換協定に基づき「CC0」という完全に一切の権利を主張しないという約束を取り交わした上でデータの収集を行っている。それから作品自体のデータに関しましても、権利状態、再利用条件の明記を求める他、クリエイティブ・コモンズ等の自由利用ライセンス・権利表記マーク等の適用を推奨して、現状では登録データのうちの30%以上が出典表記のみで再利用可能だという数値が公表されております。 こういった権利記述の共通化により、例えば、第三者がメディアで利用したい、アプリケーションでそういった画像を利用したいといったときに、利用可能な作品データのみを一括で抽出することも可能になっているというところがございます。 利活用可能なデータを拡大する取組というのは、欧州委員会レベルでも進められておりまして、例えば、2011年に出された「文化財のデジタル化・オンラインアクセシビリティとデジタル保存についての勧告」という、こちらはリコメンデーションという形で、必ずしも強制力がある形ではないのですが、公的資金でデジタル化されたパブリック・ドメインの全ての資料と、パブリック・ドメインにある全ての名作を、Europeanaを通じてアクセス可能とするという指針を定めますと同時に、パブリック・ドメイン作品に関しては、アクセス向上だけではなく、営利・非営利問わない再利用を可能とするということを各国に対して求めております。 それから、欧州におきましては、オープンデータ等に関する法制度というものも存在しておりまして、こちらは2003年にもともとつくられたものではございますが、2013年に大規模な改正が行われまして、EU加盟国の公的機関によって提供・公表される情報は、第三者が権利を保有している等の例外を除いて、原則として営利・非営利問わず再利用可能としなければならないといったようなことが欧州全体レベルで定められております。 そして特に、改正前は対象外であった公的な美術館・博物館・図書館・文書館も、こういったオープンデータの義務に従わなければならないという措置がなされております。欧州では、今後、こちらの加盟国の国内法化が進む中で、より一層デジタルアーカイブの利活用が進むのではないかと考えられるところです。 最後に、去年、文化資源アーカイブにかかわる有志で「アーカイブ立国宣言」という提言を公表しまして、その原案の取りまとめに関わりました立場から、簡単な項目の御紹介をさせていただきます。 こちらウエブのほうに載っております他、書籍にも収録されております。 提言1として、「国立デジタルアーカイブ・センター(NDAC)の設立」ということで、Europeanaのような、ここから全てのデジタルアーカイブをアクセス可能とするといったような結節点をつくることです。そして、それはEuropeanaのようにデータの共通化などを行うと同時に、必ずしも単一拠点である必要はなく、地域分担・機能分担によるアグリゲータのような形、例えば地域ごとで文化資源を集約し、それを段階的に中央ポータルに統合するというような形態も考慮すべきではないか。 第2に「デジタルアーカイブを支える人材の育成」というところで、現状でこういったデジタルにかかわる人材というのは、やはり各文化施設では非常に不足しておりますところを、分野ごとの文化資源にかかわる知識というのはもちろんなのでございますが、デジタル技術や法制度などの側面にも通じる人材の育成を行うための資格制度あるいは専門職学位を創設するべきではないか。 そして、3つ目に、こちらはデジタルアーカイブのオープンデータ化ということで、EU指令等を参考に公的な文化施設が保有する文化資源を、少なくともパブリック・ドメインなものに関してはオープンな利活用を進めていくための基盤をつくるべきではないか。 そして4つ目に「抜本的な孤児作品対策」ということで、こちらの委員会でもかねがね御議論をされているところと存じますが、EU孤児作品指令型の特に文化施設・非営利アーカイブに関する条件緩和、そして民間の権利管理団体等にこの裁定の権限を移譲する拡大集中権利管理制度の導入、それから著作権以外、特に写真や動画等の場合は、その肖像権等の権利者が不明で公開できないものが数多くございますところ、それに関する何らかの手当も必要なのではないかといったような提言をさせていただいております。 以上、簡単ではございますが、私からの御発表とさせていただきます。 御清聴ありがとうございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 続きまして、村田参考人から御発言をお願いします。 ○村田参考人 東京国立博物館の村田でございます。 本日は、このような場でお話しさせていただく機会をいただきましてありがとうございます。 私のほうからは「デジタルアーカイブの取組とアーカイブ間の連携について」ということで、国立博物館で実際にデジタルアーカイブの構築、それから活用をしている現場の立場から少しお話しをさせていただきたいと思います。 まず、デジタルアーカイブ、特にデジタル画像というものが博物館のような場では中心になってくるものでございますので、そちらの利活用の現状についてお話しをさせていただきたいと思います。 まず「館内での活用」というものが最も量的には多いものになると思うのですけれども、展示室、あるいは当館には資料館といって図書館的な機能もあるのですけれども、そういった場所での利用者向けの情報提供サービスということに、まず活用しております。 それから、これは一般的な博物館、美術館どこでもやっていることだと思いますけれども、ウエブサイトでありますとか、出版物。これには展覧会図録でありますとか、収蔵品目録といったもの。それから、そういった活動の基盤になる調査研究でありますとか、保存修復といった活動をした場合に、そういった保存修復にかかわる記録、そういったところで画像の活用をしております。 また、その他、最近では、スマートフォンアプリ、当館あるいは当館も属する国立文化財機構では、e国宝というものを提供しております。こちらも後ほどもう少しお話ししますけれども、そういったデジタルアーカイブのスマートフォンアプリ、あるいは「トーハクなび」と言いまして、こちらは館内での展示案内、そういったものに使っているということで、来館者向けのサービス等にも活用しているというところでございます。 「外部への提供」としましては、こういった画像の提供には2つ大きな柱が当館の場合はございまして、1つは「TNMイメージアーカイブ」とう名前でやっているものなのですけれども、これは、窓口業務は、民間のDNPアート・コミュニケーションズに委託をしているものですけれども、商業利用やさまざまの公共利用、学術利用等に提供する窓口を設けておりまして、そちらにお申し込みをいただいて提供するという形のものでございます。 大きく、商業利用、公共利用、学術利用の枠組みがございまして、商業利用はいわゆるビジネスでの利用ですけれども、本ですとか、テレビ番組、広告等に使われているもので、こちらに関しては有償としておりまして、使い方であるとか、使うボリュームですとか、そういったものに従って、かなり細かく価格設定をして提供しているものでございまして、これは年間、それなりの収入につながっておりますので、館の自己収入の柱の1つとなっております。 それから、次に、公共利用という名前にしておりますのは、これは博物館や美術館あるいはその他の地方公共団体等に提供する場合で、博物館、美術館ということですので、所蔵品の展覧会に際して、所蔵品を貸し出しするときに、それに合わせて提供をするということが多いのですけれども、こちらはお互いさまというところもありますので、基本的に無償で行っているものでございます。 それから、学術利用、これは学術論文等に使われる場合です。 こちらは、かつては無償で提供していたこともあるのですけれども、かなり手間暇のかかることでもございますので、現在では、低価格ではありますけれども、一応有償ということで提供しております。 こういった画像の提供に際して、著作権等の処理というものが必要になってくるわけですけれども、そういった処理は原則利用者のほうで処理をしていただくということにしていただいております。 作品の著作権保護期間内、比較的最近の作品の場合は、著作権がまだ生きておりますので、そういった権利者の許諾が必要となりますし、また、これは著作権とはちょっと違うのですけれども、博物館、美術館の世界で通常行われていることなのですけれども、他館の所蔵品あるいは個人蔵の作品の画像に関しましては、所有者の許諾というものを得るようにしていただいております。 ですので、こちらもやはり同じように、利用者のほうで所蔵者にコンタクトをとっていただいて、許諾を得ていただいて、それから提供という形でやっております。 もう一つ、無償利用という枠組みを当館では用意しておりまして、こちらは当館のウエブサイトに画像を数万点、9万点ぐらいだと思いますが公開しておりますので、それをウエブサイトから直接ダウンロードして、特に申し込みをせずに利用していただけるという枠組みでございます。 先ほどの「TNMイメージアーカイブ」が有償の枠組みでございますので、これとある意味バランスをとるような形で、非商業利用あるいは個人での利用といったところで、余り高い解像度のものが必要ないようなケース、あるいはNPO等での利用などを想定しておりまして、こういった形で無償で申し込みをせずに御自由にお使いいただけるという枠組みを用意しております。 学術論文に関しましては、使った論文を当館に提供していただくというお願いをしておりまして、大体年間10件から20件程度、余り多くはありませんけれども、そういった形で利用していただいた学術的な成果は当館にいただいているというところでございます。 こちらの無償利用の枠組みなのですけれども、先ほども少し出ましたが、Creative Commonsを使うということも実は少し検討したのですけれども、当館で著作権を有さない画像というものがかなりあります。平面作品を写真におさめたものなどがそうなのですけれども、ですので、なかなかこのCreative Commonsは著作権をベースにしておりますので、そのまま使えないというところがありまして、部数でありますとか、利用条件については、当館で独自に条件を整備しました。 この条件、細かいことがいろいろあるのですけれども、こちらは海外の博物館、美術館で実際に行われている条件等を参考にして決めたものでございます。 こうした外部への提供にかかわる問題としましては、先ほども申し上げましたけれども、館が著作権を有さない画像というものがかなりございますが、一方で、こういったものを館の資産、画像が館の資産であるとして、自己収入につながるような活用というものが求められているわけですけれども、その一方で、当館で著作権を保有しない画像がありますので、そういったものについて、申し込みをいただかないと使えませんよというような制限をするというときに、余り法的な根拠というものはなかなかはっきりしたものがないという、ある種の矛盾がございます。 それから、続きまして「アーカイブ連携」に関する取組ですけれども、1つは先ほど申し上げましたe国宝というもので、これは連携といいましても、国立文化財機構という1つの組織の中でやっているものではございますけれども、博物館としてはそれぞれ歴史的に別々にやってきております4つの国立博物館、東京、京都、奈良、九州の4つの国立博物館が所蔵しております国宝と重要文化財、数は限定されます。およそ1,000件程度になりますけれども、こちらに関して、かなり高精細な画像を公開しているもので、日本語、英語、フランス語、中国語、韓国語の5言語で解説をつけて、1つのデータベースにしてまとめて公開をしているものです。 ウエブサイトが中心でありますけれども、先ほど申し上げましたようなスマートフォンアプリにも利用しておりますし、また、館内でお客様に見ていただくようなデータベースにも、同じデータベースを活用して、さまざまな形に姿を変えて提供しているというものでございます。 また、国立国会図書館サーチのほうからも、連携検索ができるような形で提供しております。 5言語で提供しているということで、海外からのアクセスもある程度期待はしておるのですけれども、なかなか認知度が余り高くないというのが実情でございまして、それほど海外からのアクセスが多いと言えるような状況にはなかなかなっておりません。 ただ、館内でのデータベース等に関しては、来館者の中でも、外国人のお客様がこういったものをよくご覧になっていただいているというのは実感としてございます。 もう一つ、これはグーグルのアートプロジェクトというものが、グーグルのカルチュラル・インスティチュートというプロジェクトの一部になっておりますけれども、グーグルが世界各地に美術館、博物館の画像を取りまとめて、展示室内を歩き回るような形で見ることができるというサービスでございます。 これに当館も参加しておりまして、当館の作品の画像ですとか、館内の様子というものを見ていただくことができるようになっております。 ただ、海外ユーザーからのアクセス増というものを期待してグーグルのこちらのサイトから当館にリンクをしていただいておりますので、そういったところからの海外からの流入というものを期待して参加したというところではございますが、実際、始めてみた結果としては、それによって海外からのユーザーのアクセスがどれぐらい増えたかというのは、ほとんどわからないぐらいのごくわずかなというか、余り大きな効果はなかったというのが実際のところでございます。 それから、こういったアーカイブ連携、この先、こういったe国宝やグーグルアートプロジェクト以上に、さまざまな形で拡大していくといったときに、博物館として、どういったメリット等があるかということなのですけれども、御承知のように、博物館や美術館は企画展などを通して、作品をお互いやりとりする機会は非常に多いですから、また、作品の関連性が強いものがあちらこちらに散らばっているということがかなりあります。 同じ作家の作品がたくさんの美術館に所蔵されていますとか、あるいは1つの遺跡から発掘された遺物が地元の博物館と当館にそれぞれあるとか、そういった関連性の深いものがあちらこちらにあるということはかなりたくさんあります。 ですので、調査研究をするような場合にも、こういった関連資料の所蔵先を確定、調査するというのは、非常に基本的な作業となりますし、こういったたくさんの所蔵先の情報が横断的に利用できるようになりますと、一般の利用者だけではなくて、博物館の現場の学芸員にとっても、かなりメリットがあるのではないかと思います。 また、そういった多数の機関のアーカイブが連携する場合には、各館で公開することが前提となりますけれども、やはり、利用する側としては高精細な精度の高い画像でありますとか、詳細な記述でありますとか、そういった非常に整備されたものというのはありがたいわけですけれども、提供する側としては、かなり手間暇がかかるものでございまして、なかなか博物館、美術館、特に地方の小さい館の場合は顕著だと思いますけれども、展覧会というものが非常に重視されている傾向が強いというところもありまして、データの整備に十分な労力を割けていないというのは実情かと思います。 博物館、美術館の場合は、データ整備が、作品が館に入ってきた後に、調査研究によって充実してくるということがございますので、調査研究やデータの整備にかなり時間がかかるという性質がございます。 とは言いましても、各館のデータをお互いに利用できるような環境が整いますと、作品の貸し出し、貸借にかかわる処理の効率化ですとか、調査研究環境を強化するということだけでなくて、例えば災害時における文化財レスキューという活動をしておりますけれども、こういった活動に役立てるですとか、あるいは来館者向けのコンテンツに関連性の深い他館の情報を提供するといったような形で、より深みのある情報提供というものができるのではないかと考えられます。 ただ、こういったデジタルアーカイブの提供を、先ほど海外からの流入が余り増えなかったということを申し上げましたけれども、まず、認知度が高まって、それからその普及が海外でもされていくということがないと、そのデジタルアーカイブをつくって公開してすぐに来館者が増えるとか、海外からのお客様が目に見えて増えるということにはなかなかつながっていきにくいという性質があろうかと思います。 以上で、私からの報告とさせていただきます。 ありがとうございました。 ○中村座長 ありがとうございました。 続きまして、野口参考人から御発言をお願いします。 ○野口参考人 根津美術館の学芸第二課長、野口と申します。 本日は、このような報告の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 とはいえ、現実、私どもの美術館がアーカイブの構築に対して、大変積極的であるかというと、甚だ心もとない状況です。 本日は、そうしたアーカイブにかかわるさまざまな作業の中の1つとして館内のデジタルデータベースの構築及びインターネット上でのデジタルデータの公開状況などを中心として、あくまで館の現状を報告するという形でお話しさせていただきます。 まず、館の概要をごく簡単にお話しさせていただきますと、当館は「鉄道王」とも評されました実業家の根津嘉一郎の遺志によって、その蒐集した美術品を保存・公開するために設立された美術館です。 財団設立が昭和15年。翌年開館です。 すぐさま戦争になりましたので、館を閉じまして、一時所蔵品を疎開、しかし戦争が終わってすぐに昭和21年には展覧会を再開するという、根津嘉一郎の展覧会への思いといったものを継承する形で館の活動が既にこのころから具体化されています。 平成2年に美術館が新しい展示棟を竣工。さらに、それから十数年後、平成18年に新たに美術館を建設するために、改築のために休館。 平成21年に、現在の新しい建物ができ上がりました。 所蔵品はそこに挙げております10分野に分かれまして、計7,414件。うち国宝が7件、重要文化財が87件、重要美術品が94件となっています。 そうした所蔵品をそもそもアーカイブ化するための1つの前提として、デジタルデータベースの構築というのを、当館も比較的早くから行っております。 ファイルメーカーという既存のデータベースソフトを使った台帳のデジタルデータベース化、これが平成2年に始まっています。 実は、これは先ほど見ました沿革において、新しい展示棟が竣工した段階で始まっておりまして、当館のこうしたさまざまなデジタル化への取組も、この建物の更新といったことと少し関わっております。 さらに、それを象徴するのが、次の平成18年~21年、これはやはり先ほど申し上げました新しい建物をつくるために、美術館を一旦閉じたのですけれども、その間に所蔵品の悉皆調査を行いまして、データを見直しするとともに、データベースも、既存のファイルメーカーではなくて、外注による新規のデータベースを構築しております。 そうした悉皆調査で得られた画像データを登録するという形になっています。 当館の所蔵品データベースは和文と英文の基本データ、展覧会歴や文献歴、受入等々、付属品や作品状態、さらに画像と解説からなっています。例えば解説は、展覧会で使ったテキストデータを全て残しておりまして、基本的には内部的な業務支援の役割が強いデジタルデータベースとなっております。 では、このようなデータのインターネット上での公開の状況ですけれども、まずは、ウエブサイトですね。ホームページのコレクションのページにおいて所蔵品の一部、100点前後の公開を行っております。 これは配付資料の2ページ目をご覧ください。 後ほどのお話にも関係しますけれども、現在、ウエブサイトの分析を行いますと、このコレクションのページはサイト上の全てのページのうち9位の閲覧実績を得ています。 さらに、このPC上でのウエブサイトとは別に、ウエブアプリと称されるものを当館では平成23年につくりました。これは携帯端末向けに、いわゆるアプリケーションの要素も持ちつつ、ホームページの機能を持たせるという、中間的なものなのですけれども、それをつくりまして、そこにデジタルギャラリーという、やはりデータを発信するベースをつくりました。 それが3ページ目です。このウエブアプリの特色は、完全に日本語と英語と、完全に2カ国語で対応していまして、コレクションのページも全て英語と日本語が完全に等価に存在しているという形になっています。 ちなみに、こちらは先ほどお話にも出てまいりました東博さんがe国宝というものをつくられて、高精細画像を見られるというものなのですけれども、その実績を踏まえて、高精細な画像をモバイルの機械で閲覧可能にするという、そうした取組でありました。 さらに、そうした当館が主体的に発信しているものとは別に、平成23年にこれもやはり先ほどもお話が出ましたけれども、文化遺産オンラインという文化庁さんがなさっている横断的なデータベースにぜひ参加してほしいという要請もあって、研究費もつけていただいて、既存のデータベースから一定のデータを切り出して、それを文化遺産オンライン用に整備するという作業をして、登録しました。 以上が現在のインターネット上の公開状況です。 とはいえ、やはり、いわゆるアーカイブという言葉から想像される検索機能であるとか、あるいは当館の所蔵品がトータルに情報を得られるようなものになっているかというと、まだまだ初歩的な段階であろうかと思います。そこにはさまざまな原因があって、先ほど申し上げた、データの加工や適正化、現状、当館のデジタルデータベースはかなり大きなものになりつつありますけれども、そこからデータを切り出して適切な量の情報をつくっていくということが難しい。小さな美術館ですので、専門の職員もいるわけではなく学芸業務の傍らでデータを管理しつつ、一方、アルバイトを雇ってデータの登録を行っているという状況で、なかなかスムーズにはいかないという状況です。 また、7,000点以上の所蔵品がありますけれども、ではこれをどこまで公開していくのかというのも、やはり小さくない課題かと思います。 文化遺産オンラインのほうでは、国が指定した文化財に限って登録をしているという状況です。美術作品の場合、美術作品としての評価あるいは学術的な評価といったものがやはり常に存在していまして、ではその所蔵品の全てを公開が可能なのかどうかというのはなかなか難しい。 ちょっと戻りますけれども、ウエブアプリのデジタルギャラリーは、展覧会で出品する作品を毎回5点ないし10点程度を日本語、英語でデータをそろえて、それを加えていくという形になっておりまして、展覧会ベースで進行しているために、割とデータの追加もしやすいのですけれども、ではそうではないアーカイブの場合どうなのかという問題。 あるいは、インターネット上でのデータの管理といった問題もあります。私どもの美術館では、画像の貸し出し、有償貸し出しが収入の中で一定の部分を占めておりまして、無償でダウンロードといったこともアーカイブの利活用の中では検討すべきことになってきますけれども、全てを無償で画像のダウンロードが可能な状況にすることが当館の運営にとって果たしてそれは適切かどうかという問題があります。とはいえ、今日的な状況の中で、美術館としても、アーカイブの構築に対して関心は高く持っています。美術館情報を広く世に発信していくということの意義は、大きく認識しているところです。 美術館情報の発信は、入館者の増加をやはりもくろむところもありまして、私立の美術館としてコレクションを1つの核として活動していますので、その情報を有効に発信していく広報的な意味合いも持った広報ツールとしてのアーカイブといったことが期待されるところであります。 作品の所在を知らしめることによって、その画像利用の促進を図る。これも現状の館の活動の中では、大きな意味を持ってくるのではないかと思っています。 以上、当館の現状についてお話しをさせていただきました。 以上です。 ○中村座長 ありがとうございました。 参考人からの御説明は以上となりますけれども、事務局から何か追加説明はありますでしょうか。 ○田口参事官 先ほど、資料2について説明しておりませんでしたので、資料2について説明をさせていただきたいと思います。 資料2、2枚目に「日本のコンテンツの主なアーカイブの現状」ということで、主として国レベル等、大規模に行われているアーカイブ活動の状況について、一覧表として整理しております。 1ページ目のほうですが、主に2ページ目にある取組について、どのぐらい経費をかけているのかということで、整備開始時から26年まで累計的にかかった費用について出しておりますが、ただ、この数字につきましては、各館にデジタルアーカイブの構築のため、資料のデジタル化、システム構築、システム運用に要した費用等について、調査を行ったもので、人件費などにおいて、通常業務等の切り分けができない費用については、この試算には算入をしてございません。 また、そもそも全体として切り分けが難しいというようなもの。例えば、国立美術館におけるフィルムセンターの事業分については、算出が難しいということですので、国立美術館の1.4億円のところに、そもそも含まれていないというような状況でございます。 大体の規模感についてのイメージとして参考の数字として考えていただければと思います。 以上でございます。 ○中村座長 では、ここから自由討議といたします。 今日のアジェンダに沿って、自由な御議論をいただければと思いますし、前回までの委員会の議論の補足などでも結構です。 とはいえ、本件議論を積み重ねてきてもおりますので、特に事務局から用意をしていただきました資料1、2ページ目について、ここでは丸の数が6個あるのですけれども、そういった論点についての方向性が出ればと考えております。こうすべきだという御意見をいただければと思いますし、今日参考人の皆様、そして関係の省庁の皆様、多数御出席をいただいていますので、皆さんからもどんどん御発言をいただければと存じます。 ですが、最初に私から1つ東京大学の生貝さんに質問をしたいのですけれども、生貝さんの資料3の5ページ目にアーカイブ立国宣言、4つの提言とあるではないですか。これは、すばらしいことが書いてあって、この会議でも連携ができるものと一緒に乗せてやれればいいと思うのですけれども、これは今後、誰がどのようにするというのは出ているのですか。 ○生貝参考人 基本的に、有志の民間の研究会でこういった施策が必要だという提言を出させていただいた形でございますので、これからこういった促進というものをまさに知財本部ですとか、政府の動きにぜひ乗せていっていただきたいと考える次第でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、皆さん、いかがでしょうか。 瀬尾さん、お願いします。 ○瀬尾委員 今のアーカイブ立国宣言が私も非常にこれは前に聞かせていただいたこともございますけれども、大変方向性が出てよいと思うのですが、現状の話を総合して聞くと、やはり、いわゆる本サービスの上に、その上で利便性をさらに増すような、いわゆる付随サービスとして、今、アーカイブ等サービスが提供されているような気がいたしました。 そのために、抜本的に大きな予算をかけることができずに何か苦労していらっしゃるというような雰囲気がちょっとにじんでいるように伺ったのですけれども、先ほどのアーカイブ立国宣言の4つの提言も、非常に大きな範囲ではあるのですが、この知財の会議では、そこで経済効果をどうやったら得られるのかという点が非常に重要かと思っています。 そして、きちんとしたお金をかけて、現在の例えば施策であるインバウンドに結びつくような活用、それからクールジャパンに利するようなアーカイブの活用。また、全体的なシェアとしては、オリンピック・パラリンピックの2020年に向けた経済効果がしっかり見える形のアーカイブ政策というものをここで決めていかなければいけないのではないかと感じています。 そして、それによって、予算を投じて経済効果を生み出して、でもそのインフラは残るわけですよね。それによって、今、非常に予算的にも、いろいろな意味で苦闘されているようなアーカイブが進むことによって、サービスも上がっていくという形になるのではないのかなと思っております。 ただ、その中で、この全体論とそれからサービスの部分については、また文化的意義についてやるということももちろん必要なのですが、ここの会議では、どうやったらこのアーカイブを連携させて、そして具体的な経済効果を得られるかということについて、やはりきちんとした議論と方向性が必要だと思います。 そのためには、単純なアーカイブをつくればいいということよりも、全体的な構成とそれからそれをつくって、何に使ってどれだけお金を稼ぐのかということ。海外に向けて情報を出すのであれば、どのぐらいの効果を見込むのか。また、それからインバウンドであれば、その情報によってどれぐらいのインバウンドを官公庁や何かとも連携して、どのようなインバウンドを見込むのか。さらに、東京をモデル地区にして、デジタルアーカイブがあるが故のすばらしい東京へたくさんの人をオリンピックで呼ぶような姿勢をつくって、きちんとした経済効果を生むことなどを具体的にこれから示していかなければいけないのかなと考えております。 ちょっとやはり経済的視点というのが、今まで足りなくて、それによって難しい部分があったように思いますので、ここでどのようにしたら経済的効果が見込めるかについては、議論すべきと思いますので、ぜひ、そのような方向を御検討いただければと思います。 以上です。 ○中村座長 ありがとうございました。 他にいかがでしょうか。 どうぞ、後藤委員、お願いします。 ○後藤委員 今の発言に続けてということになると思うのですけれども、私もやはり何か博物館などでも、展覧会の開催と集客が重視される傾向が強く、データ整備に十分な労力を割けていないという御報告があって、やはりそうかと思ったのですけれども、なぜそのアーカイブで発信するということと、集客をするということが結びつかなくて、データ整備というものがサイドワークみたいなことのなってしまうのかと感じました。 つまり、アーカイブとして、デジタルで発信することが多くのお客さんを呼ぶとつながるはずなのですけれども、なぜそこがつながらないのかと思ってお聞きしておりました。 それと、グーグルアートプロジェクトに参加しても、ほとんど効果が不明というのもちょっとどうしてかと思ったものですから、ちょっと生貝さんにお聞きしたいのですけれども、Europeanaというのは、どれぐらいの効果、またどういった分野で効果を上げていて、このグーグルアートプロジェクトなどとどのように違うのか。 つまり、プラットフォームを構築する場合に、どんなプラットフォームが効果的だと思われるか、ちょっと御意見をお聞きしたいと思いました。 ○生貝参考人 どうもありがとうございます。 Europeanaに関しましては、まずは分散したアーカイブを統合的に閲覧可能とするということをこれまで進めてきたというところでございます。それを利活用可能にするための前提として、利用条件面での整備やAPI等の整備が進められてきている段階で、これからそれを元に、経済的な目的を含めた利活用をいかに促進していくかということは、まさにEuropeanaも、現在最大の課題であると認識していると考えております。 それから、グーグルのカルチュラル・インスティチュート等との関係に関しましては、Europeanaは基本的にデジタルアーカイブを発見できるようにするということ、それをそこから利活用できるようにするというポータルな役割を果たしているものでございますけれども、グーグルのアートプロジェクト、カルチュラル・インスティチュート等では、インターフェイス面等を含めて、閲覧しやすい形で提供するプラットフォームを構築しています。そこにはEuropeana自身あるいはEuropeanaに参加する各種文化施設もデータを提供するという形で、さまざまな協力関係も見られるところです。 ですので、発見、利活用あるいはその利便性の高い閲覧など、やはり幾つか目的ごとにプラットフォームが存在することも考える必要があるのかと理解しております。 ○中村座長 他にいかがでしょう。 どうぞ。 ○田川参事官 事務局からちょっと1点ぜひ実績を教えていただければと思いますが、東博でいろいろな商業利用をしておられるということで、それがある種自己収入の柱にもなっている。 具体的に何件ぐらい毎年あって、どういう活用があって、どれぐらい収入が上がっているのか、もう少しブレイクダウンして教えていただけるとありがたいのですが、いかがでございましょうか。 ○村田参考人 ありがとうございます。 これはかなり年によってばらつきはあるのですけれども、おおよそ年間7,000~8,000件程度のお申し込みないし利用の件数がございます。 それで、金額としましては、館への収入、これもかなりばらつきがあるのですけれども、大体数千万円、5,000万円から6,000万円程度という年が比較的続いているかなと思います。 利用の内容としては、数が一番多いのは書籍でございまして、一般書籍もありますし、あとは教科書や教材等の利用もあります。あとテレビ番組や広告等にもそれなりに使われておりますが、数としては書籍のほうが一番多いですね。ちょっと済みません。割合の数字がなかなか出せないのですけれども。 ○中村座長 他にいかがでしょうか。 先ほど、瀬尾委員がお出しくださった2つの視点は非常に重要な指摘だと思っておりまして、連携と経済効果、要するにこの知財本部としてどこまでカバーするのかということと、それがどこまで効果を持つものなのかという、もっと突っ込むとしたら、それを政府として目標値を立てるのかどうかというグランドデザインがもう必要になっていると思いますし、もしそれをやろうとすると、非常にハードワークになるのですけれども、やるのだったらそこまでやるのだろうなと私は思っているのですが、そういう意味で言いますと、事務局が出した資料1、2ページ目の論点というのはまだまだ突っ込みが足りなくて、大事なポイントは3番目かなと。1つ目の論点というのが、どこまでやるのですかという美術品、博物館収蔵品等々の公的分野の文化的、歴史的資料中心で行くのか、放送番組、映画、アニメ、ゲーム等のコンテンツ分野の資料というものをポイントとして置くのか、このあたりは今日は総務省、経産省もおられるので、ぜひコメントをいただきたいと思っているのですが。そしてその次に、その方向としてどんな仕組みを目指すのか、これを横断的にやるのか、それぞれバラバラでやるのですかという論点が示されております。 それで、3つ目にその上で政府でどうするのですかという、少なくともそれぐらいまでの方向性といいますか、こうだよねということぐらいは言いたいと思っているのですけれども、このあたりいかがでしょうか。 総務省、経産省で何かお考えがあれば。これは文化庁の会議ではなくて、内閣官房の会議なので、そこをどうするのかというのが非常に重要なポイントだと思います。 いかがでしょうか。 どうぞ。 ○瀬尾委員 すごく総務省、経産省が振られると物すごく言いにくいというか、なかなか口出しして言いにくいところだと。まさに言いにくいところが問題点をあらわしていると思うのですね。つまり、総務省でも、経産省でも、文化庁でもない。誰もがこれは当事者ではないのですよね。 ですから、私、この施策を決めるときに、ここのいわゆる知財戦略本部が当然かかわる部分は大きいですけれども、これを本当に中央的に担当する部署というのが、明確にならないことが私は非常に難しいのではないかと思っています。 ですから、各省庁にきちんと分業してもらうその前がこのいわゆる文化面もあるわけなので、ちょっとアーカイブ政策は、多分、知財で決めるよりちょっと大きいのではないかと思うのですね。その経済面をここでやるのですけれども、他をひっくるめたものを、もうちょっと全体掌握をして、バランスとコントロールする上の担当部署もしくは何らかの政府内の組織が私は必要な気がしていて、そこの中で統一の意思を持って、各省庁と連携をとりながら実現するという形がないので、何となくみんなここの政策でばらけた小さなものに落ちてしまうという、そういう危険性があるような気がしますので、ちょっと今のところが本当に一番大事な肝の部分なのかなとは考えているところです。 ○中村座長 皆さん、大きな方向性としていかがでしょうか。 お願いします。 ○杉本参考人 しゃべるべきかどうかよくわからなかったのですけれども、瀬尾委員がおっしゃっていた特に経済面とか、非常に重要なポイントだと思います。 そういう意味では、デジタルアーカイブとういうものをどうしても提供者側の視点から見ているだけであるという感じがしています。 ですから、やはり使う側の視点で、どういう付加価値が可能であるのかという視点での議論というのをもっと突っ込んで行われないといけないのだろうということを以前から強く感じています。 いわゆる文化財というものは、デジタルアーカイブを考えたときに、重要なものでありますけれども、それだけではないと理解しています。 例えば、MLAに携わっている人たちがその文化財にいろいろな付加価値をしていますし、学術界の人たちも、そこにいろいろな付加価値をつけています。ですので、そういう人たちも含めて連携するという視点というのが、大事であろうと思います。もちろんそれは産業界も同じであると思うのです。 それともう一つは、アーカイブと言った場合に、ここには直接的には書かれていないのですけれども、長期にわたる視点というのがやはり必要だと思います。最近の話題で、著作権の管理、何というか、保護が70年に延びるという話題もございましたけれども、例えば、今はそのままでは公開できないけれども、今、残しておかないと、将来、消えてしまっているものというのは、いっぱいあるでしょうし、それを70年間どうやって残していくのかが問題です。特に、最近ですと、もともとボーンデジタルというか、デジタル形式でつくられるものもいっぱいありますので、それらを含めて残していくというのが、このデジタルアーカイブとしての役割であろうかと感じております。 以上です。 ○中村座長 ありがとうございます。 どうぞ。 ○瀬尾委員 今、杉本先生のおっしゃるように使い方、例えば、この会議、経団連も多分傍聴されているのですけれども、経団連がピピっと反応するようなお題かどうかというのを、やはり使う側ということがあると思って、利用の範囲が示されないで、サービスの延長をどれだけ論じていても、多分、企業とかは実際の現場の方たちは余りピピっとこないと、やはり経済効果というのは、それなりの範囲になってしまうと思うのですね。 今、まさに杉本先生のおっしゃったようなことを申し上げたかったのですが、そういう観点で、ちょっと生貝さんにどういう展開というものを何かアイデアとしてないでしょうかというのを聞いてみたいのですけれども、経済効果を生むアーカイブのあり方みたいなものを。難しいですね。 ○生貝参考人 大変難しい御質問をありがとうございます。 Europeanaについては、基本的には著作権が切れたものを中心に、無料に近い形で、デジタル空間における欧州の文化的アイデンティティーないしはその文化的影響力というものをいかにしっかり確保する基盤をつくるかという目的でつくられたものであり、これはまだ欧州のほうでも、本格的に経済的効果という側面で具体的な取組が大きく実を結んでいるという段階にないというところであると存じます。 一方で、日本におきましては、御承知のとおり、文化的影響力というところも、まだ著作権が生きている経済的価値を持っている文化財、ポップカルチャーの分野というものが非常に強いという背景があります。少なくともそれら両方を統合的に検索可能とする、過去の歴史的な日本の文化に関心を持っている人もポップカルチャーの現代のコンテンツにアクセスすることができる。また逆の流れも含め、現代と歴史のサイクルというものをいかにつくっていくかということが中核になるのかと私自身は考えております。 ○中村座長 ありがとうございます。 では、後藤委員、お願いします。 ○後藤委員 今の収益の上げ方ということなのですけれども、整理して考えなければいけないと思うのは、コンテンツから収益を上げるのか、プラットフォームから収益を上げるのかで、全然ビジネスモデルが違ってくると思うのですね。 例えば、個々のコンテンツから収益を上げるのだ。つまり、コンテンツを提供している人が収益がほしいのだという話になりますと、例えば、学術ジャーナルなどは、エルゼビアという出版社が有名ですけれども、電子ジャーナルで大学の図書館などとライセンス契約を結んで、一括して、エルゼビアのジャーナル、相当の数のジャーナルを持っているのですけれども、ライセンス料を取ることができる。そのライセンス料が年々上がって、大学のほうは困っているのですけれども、相当の収益を上げているということがあります。 それから、英語の出版社なども、そんなに紙媒体で本を普及するということに力を入れずに電子ジャーナルで各大学に入れてもらって、その大学の構成員であれば、誰でもアクセスできるという、つまり、ライセンス料で収益を上げているというところもたくさん出てきているので、つまり、コンテンツの側に収益を上げたいという場合には、そういう形が考えられると思います。 それから、プラットフォームということになりますと、これはグーグルなどがプラットフォームとして、多面市場を利用して、片方で無料でコンテンツを提供しておいて、別の市場で広告で企業から収益を上げるというビジネスモデルが既に行われていますので、つまり、コンテンツから上げるのか、プラットフォームから上げるのか、ここのところを整理しないと、なかなかビジネスモデルが考えられないのではないかと思うのです。 ○中村座長 どうぞ。 経産省、お願いします。 ○板橋経済産業省文化情報関連産業課長補佐 経済産業省メディアコンテンツ課でございます。 中村座長から御指摘いただいた点なのですが、まず、1点目、射程の件については、漫画、ゲーム、アニメ等のいわゆるコンテンツというものもデジタルアーカイブを考える上で射程に十分入ってくるものだと思います。 ですが、そのアーカイブを充実させていくことの意義は、第一義的には、文化政策の観点が強いと思っていますので、我々経済産業省としては、参考人からも御指摘がありましたが、まだまだアーカイブ自体やっていても、PRが十分でないとか、それが海外の人に認知されていないという点がありますので、その海外展開という点において、しかるべき協力をしてまいりたいと考えています。 他方で、今、議論にもありましたとおり、アーカイブ=無償提供というようなことになってしまいますと、産業界の意向とはまた相反するようなことも出てくる可能性もございますので、業界団体のニーズ等も踏まえて、我々としても協力できる点においてしかるべき役割を果たしていきたいと考えます。 ○中村座長 角川委員、お願いします。 ○角川委員 今日の運営の仕方がよくわらないのですよね。私からも見ると。 このアーカイブの問題は、もう十何年も議論してきたのです。 ですから、知財本部の事務局としては、何年に誰がこういうことを発言したとか、全部それはファイルとして残っていなければいけないことだと思うのですよね。あるいは、もしかしたら、そういうものが残っていたからこそ、こういう資料をつくってきたのかと思うのですけれども、そうであれば、やはりこれはこの段階でどういうところに事務局は持っていきたいかという意思が1つないと、また10年前からの話を繰り返しているのですよね。そこら辺の事務局の自信のなさなのか、あるいはまた事務局が持っていこうとする方向を全くつくりたくないのか、だから、ここは事務局の怠慢みたいに思うのですよね。これは、この前に私は川上君がこの問題で提案したことがあったのは、今でも昨日のように覚えているのですけれども、何をアーカイブにするのかという定義から始めなければいけないのではないかと彼は言っていたわけですね。その中に今日お集まりの美術館だとか図書館みたいなものの有体物のアーカイブなのか、あるいはまた無体物としてのゲームというものも非常に重要だと彼は何回も言っていました。 ですから、アーカイブというものは、必ず附属品みたいなもので、実際に残すべきものは何かというものがまずあって、そしてそれがアーカイブとしてデジタルデータとして存在しなければいけないのだと思うのですよ。附属品なのですよね。国がまだその今の文化遺産の中で、何を国家として残していくかということをまず決めてほしいということが実はあるのだと思うのですね。 そういうところに立ち入らないと、本当に先ほどからみんな困っている、困ったということになるのだと思うのです。これが例えば何を国家として残していくかということも知財本部が決めることなのだということを、まず、事務局がきちんと規定して、だからこそデジタルデータというものを事務局がリードしていきたいと。それで、各省庁がまたがっているところについては、自分でクリアしていくということを示さなければいけないのではないですか。 何か、民間委員に知恵を出させっ放しにしていて、それを結論も民間委員に出させようとしているような、問題意識も民間委員に出させよう、決定も民間委員に出させよう、事務局は最後の文章をつくるのだと、こういう姿勢では私は進歩しないと思いますよ。発展していかないと思いますよ。そこら辺をちょっと事務局長からお聞きしたいですね。 ○横尾局長 済みません。角川さんから大変叱咤激励を頂戴して、このアーカイブの集中討議2回で、まさにそれを出したいと思っておりますので、今日の論点の書き方はちょっとニュートラルにしていますが、そういう意味では、ここにもう少し傾斜をして説明すればよかったのかもしれませんが、まさにおっしゃる点で何を対象にすべきかと。少なくとも我々が知財基本法で求められているミッションというのは、先ほど瀬尾さんがおっしゃったように、日本の国際競争力を強化するという観点でのアーカイブへの取組でありますので、その上で何を対象にするかということで、まさに今日の論点の最初に書いてあるわけであります。 したがって、もう少しはっきり書けばよかったのかもしれませんけれども、我々として、まず最初に何を対象にするか、優先順位はというのは、この最初の論点のここがカバレッジではないかと考えております。 それから、恐らくその上で何をするかが2番目のどのような仕組みを目指すかというところになると思うのですけれども、ここもまさにどうやったら使いやすいかということから言えば、ちょっとテクニカルな点もありますけれども、この横断的な格好でということで、その上で個々のそれぞれの分野はそれぞれで、多分考える必要があろうかと思いますけれども、全体としてのカバレッジとそれの連携のさせ方、そこはそういう方向で考えるのが基本かと思っています。 ○中村座長 全体の方向性をどうするかというところの突っ込みの弱さというのは、座長の私の責任でもあると思っておりまして、アーカイブの議論は、角川委員御指摘のとおり、ずっとやってきています。議論も積み重なっております。 デジタルアーカイブを推進しましょうということは、これはコンセンサスで、この場には財務省がいないので、やりましょうということを言うと、多分、まとまってしまうのですけれども、それを具体的な施策、予算とか制度とか、そういったものに落とし込んでいかなければいけないところ我々はとうに来ていると。 私も実は、今、論点をAかBかで整理するのではなくて、もうこうだと結論を出していって、ではどうすると早く持っていきたいなと思いながら今日、司会をしているのですけれども、難しいのは、この問題は、通常の問題と違って、官があって、民もやっていて、国立国会図書館、国会も絡んでいるというところで、この場の役割は何かということをちゃんと考えておかなければいけないということだろうと思います。公的な文化財もあれば、ビジネスもあるというところに、どのようなメッセージと責任を我々は出し得るのかということを考えなければいけない。小さな施策を出していくのは、多分、そう難しくない。博物館はこうしましょう。放送番組はこうしましょう、アニメとゲームはこうしましょうというのを個別に出していって、ホッチキスにするのは、そんなにもう難しくないと思っています。毎年それは出せると思いますが、全部束ねて全体のコンセンサスを得て、大きなビジョンとして具体性を持たせるというのは、非常に大きなチャレンジングだと思いますので、ここから先、非常に刺激的な御指摘をいただきましたので、この船の動きを早めるという方向で、こうする、ああするということを具体的に出せればと思っております。 御協力よろしくお願いいたします。 角川委員、いかがでしょうか。 ○角川委員 そういう点で言えば、私も文句ばかり言っていて、降りてはいけないと思いますから申し上げますけれども、他の委員の御指摘があったように、オリンピックの、とにかく2020年という目標に向かって、このアーカイブ、日本の文化遺産をどう見せるかという視点になれば、どの方向に向かっていけばいいかということが見えてくるのではないかと思うのです。 今、知財本部は事務局はあわせてクールジャパンの事務局もやっているはずですけれども、日本に2,000万、3,000万というオリンピックのときに外国から来る人たちに、どこを見せていくかと。日本の文化のどこを見せていくかという国の意思があれば、そこのアーカイブを充実させることと、そこにアーカイブのデータをそろえていけばいいという視点が生まれてくるのではないかと思うのですね。 それについては、もう本当にこれは他の場で申し上げたことですけれども、クールジャパンをアピールして観光客が日本にやってきて、どこに行ったらいいのと言ったら、ほとんどそういうどこに行っていいよという施設がないわけです。御存じのとおり、せいぜい秋葉原に行ったらどうとか、渋谷に行ったらどうという程度です。ではクールジャパンといったときに、国会図書館に行けばいいのか。国会図書館には行きませんよね。だから、先ほど根津美術館の方がいみじくもおっしゃっていましたけれども、そういうアーカイブのデータをそろえているだけでは、せっかくそれに大きなお金を投資しても、人はそれほど来ないのだと思うのですね。人を連れていってあげることを工夫しながらそこにアーカイブ、データがあれば、それで本当にデータが生きてくるのだと思うのです。 ですから、そういう人の動きみたいなもっとデータを整備するということが一体でなければいけないと思います。 ○中村座長 このアーカイブの整備をどういう優先順位でやるのですか、公的MLA中心のところなのか、放送番組もビジネスも全部含めたところをどんとやりましょうかということ、それから独立したアーカイブでいくのか、横断的なのかという論点で出ていますけれども、そういった論点を横軸とすると、今、おっしゃったような、ではこれをクールジャパンという目で見たら、どう優先順位をつくのかとか、去年のアーカイブの議論では、対外的にクールジャパンの情報発信をしましょうということと、対内的に2020年の教育情報化、デジタル教育でもみんな使えるようにしましょうというインフラ整備だという観点もありましたので、そういった国内的な教育的な観点で見たら、どこを優先しましょうかというのが出てくると思いますし、先ほど、瀬尾委員が冒頭強調されていたように、経済的な効果で見ると、どこが優先だという、そういう縦の切り方というのがあろうかと思いますので、そのあたりの整理は、事務局、大変だと思いますけれども、改めてちょっと整理をお願いしたいと思います。 他にいかがでしょうか。 どうぞ。 ○瀬尾委員 発言が続いて申しわけありません。 先ほどの生貝参考人からのお話で、実は、他の世界中のアーカイブでもうかっているアーカイブがないと私は聞いていて、日本がアーカイブのシステムで、経済効果を生み出せるとすると、多分、世界初になるのではないかと私は思っています。ただ、そういう独自のシステムを日本がオリンピックと現状をもとにして、成し遂げることによって、これからのアジアのアーカイブシステムのいわゆる目標になるとか、そういう形の大きなものを目指していくぐらいの時期に来ていると私は思います。 それと、先ほど、後藤委員からの指摘で、システムでもうけるのか、コンテンツでもうけるのかと、私、アーカイブを山ほどつくってきたときに、それも商用ですよね。アカデミックなものではなくて。コンテンツではもうからないです。収支はとれない。コンテンツで収支がとれるほどのアーカイブというのは、なかなか存在しない。よほどキラーコンテンツが重なっていない限りなかなかできないと私は思っていて、明らかに今回はシステムとしてのナショナルアーカイブシステムだと思っています。 それと、先ほどからクールジャパンの話から来ていますけれども、私の中では非常に整合性がとれていて、地方創生と言いますけれども、地方にたくさんイベントから、物品、それから行事、伝統、それからたくさんのコンテンツが埋もれていて、これをきちんと掘り出して、地方からそういうようなコンテンツを引っ張り出した中で、それを海外に紹介する。 すると、海外は、日本はこういうものがあるのだと。それがクールジャパンであって、海外の人たちに、まず周知をさせる。それで周知をさせて、ああこんなものがあって行きたいなとか、こんなものが日本はおもしろいよねというものをまず来て、それからオリンピック、日本に来て、東京に来たらそれとあわさって非常に便利なアーカイブシステムがあって、さらに東京だけではなくて、地方にまで拡散していけるような、つまり情報を地方から海外まで、一気通貫にコントロールして、その関所関所にアーカイブをつくって制御していくというシステムがあれば、多分、日本だけのコネクトではなくて、アジア的な展開もできると私は思っていますので、これを公共的な部分というよりは、実際に海外から人が来て、いかにして地方にまで流れるのか、またその情報をいかに地方から海外まで一気通貫で出すのか、この部分に重点を置いたアーカイブシステムというのは、私は今の経済効果を生むアーカイブシステムなのではないかと思います。 ただ、そのときの関所の中で、やはり新しく全部でつくるわけにいかないので、重要となるのは、国会図書館であったり、国立博物館であったり、既存のアーカイブをコアにして、そこを膨らませていくと。そういう経済政策というものを明確に据えて、ことし、来年で始めないと、多分、オリンピックに間に合わなくなると思っていますので、ぜひこのイニシアチブをとれるチャンスを生かしていただきたいというのが、私が先ほどから発言していることの骨子になります。くどいようですけれども、もう一度発言させていただきました。 ○中村座長 瀬尾さんのおっしゃっているモデルというのを1つのモデルとしてちょっとイメージしてみると、それぞれのいろいろなアーカイブがあって、MLAもあれば、放送番組もゲームもいろいろあって、それを横断するシステムを一気通貫で横串をつくるという、そういうイメージなのですね。それを経済的に回せるようにしておくということなのですね。 ○瀬尾委員 それは横なのですけれども、横と同時に地方から海外という縦軸もございます。 ○中村座長 そのイメージはわかりました。 済みません、何度も。生貝さんに質問したいのですけれども、生貝さんのアーカイブ立国宣言の最初に出てくる国立デジタルアーカイブセンターとあるではないですか。あれはシステムのイメージですか、あるいはそのコンテンツを寄せたセンターのイメージなのですか。 ○生貝参考人 基本的にはシステムというところを中心に考えております。 ただし、一方で、それを支えるためには、そのポータルの運営、あるいはデジタル化のための標準の策定、ないしは人材育成の支援ですとか、やはり1つの標準の上にだんだんと統合していくといったようなところには、基盤となる組織というものが必要になるという認識でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 他に皆さんいかがでしょうか。 どうぞ。 ○角川委員 今日いただいた資料2のほうで、国立国会図書館は年間どのぐらい人が来館しているのか、あるいはまた、4大国立美術館が年間どのぐらいの来館者があるのか、イベントに対してどのぐらいカタログが売れているのか、そういうのはどこか白書みたいなものがありますか。 ○中村座長 それをどなたか実態をお持ちの方はおられますか。 ○大場国立国会図書館電子情報企画課長 国立国会図書館でございます。 国立国会図書館では、毎年、年報という形で入館者あるいはアクセス数も含めて公開しておりますので、そちらを見ていただければ数字は全て公開しております。 ○角川委員 ですけれども、具体的に私も国会図書館の委員の1人ですけれども、この場で言っていただきたいから言っているのです。 ○大場国立国会図書館電子情報企画課長 ちょっと手元に数字が出てこないのですけれども、1日当たり2,000人ぐらいの規模は来ておりますので、年間にすると数十万人のオーダーにはなります。 ○角川委員 私は、今度、六本木に国立新美術館ができましたよね。設備としての。あそこを私はこの間も行って驚いたのですけれども、膨大な人が何しろ見にきているのです。 それで、私はその集まった人たちを、つまり私は何が申し上げたいかというと、集客能力があるのですね。集客能力があるにもかかわらず、見たらそれで帰してしまうのです。だから、オリンピックのときにどれだけ外国から来た人に対して、経済効果を求めるかという点から見れば、こういう美術館が持っているあるいは図書館が持っているこの集客能力をどう活かすか。国会図書館の60万というのは、実は多いようで少ないのですよね。私は川口の図書館で160万人ぐらい年間来ているという話を聞いていますので、このようにするとCCCの増田君が武雄市であの5万5,000人のところで100万人の来館者があると言っています。 ですから、瀬尾さんが地方創生と言いましたけれども、人が来るということを仕掛けてという、人の来るところに経済効果を地方でもたらしていくということが起こると、そこにアーカイブをつくっていくということが、アーカイブだけで採算が合うかどうかということが問われなくなるのだと思うのです。 これは本当に私から見れば、魅力的な国立新美術館、ずっと私もイベントごとに行きますけれども、あそこで人が来て、人がイベントを見て、終わってしまうのですよね。そこの人たちがどこに行くのかといったらもう関係ないのですね。その流れが非常に私はよくないと思いますね。少なくても東博があるから、上野の経済は非常に潤っているという形をつくり出すような工夫が本当は必要なのだと思うのですけれども、それが縦割りになってしまっているということですよね。 そういうものをもっと国として真剣に考えないと、今度は国がまた東博は東博だけでもって独立採算性でやりなさいということを言いっ放しにしているわけですけれども、本当は東博にそれだけの責任を負わせるだけではなくて、国も一緒になって考えてあげるとか、孤立している行政を横串に活性化させてあげるための施策というのはどうしたらいいかということが本当は求められているのかもしれません。ちょっとアーカイブから話が大分それているように見えますけれども、実はそこにアーカイブが隠されていると考えたらどうなのでしょうか。 ○中村座長 ありがとうございます。 久夛良木委員、お願いします。 ○久夛良木委員 国立国会図書館で230億円をかけても、多分、この予算ほとんどはデジタル化をするところに使われているのではないかと思いますし、美術館でも表に出ている展示品の裏には、膨大な所蔵品があると思うのですね。 先ほど来、皆さんが議論されているように、それぞれにキュレーターの方々がいて、さまざまな企画展を美術館で開催する。これは非常にうれしいことで、我々はそれを目当てに行くわけですが、やはり時間的にも経済的にも、そこに行くという縛りを超えられないのですね。ネットを生かして、もっとたくさんのコンテンツを見ることができるという機会を、これからもっと進化させなくてはいけないのではないかと思うのですが、Europeanaの事例の中で、この膨大な所蔵品、3,600万余りの所蔵品があるわけですが、ここから目当ての作品を探し出そうとすると、なかなか検索に当たらないのですよね。どうしてかというと、各国で言語がそれぞれ違うとか、同じ国の言葉であっても表記のゆれ自体がかなり多いのです。我が国や中国でも本当にいろいろな漢字の派生文字や記述揺れがあって、普通にやってみるとわかりますが、なかなか検索に当たらない。グーグル検索でも、リコメンデーション機能がすごく整ってきて順次改善はされてきているのですが、それでもやはりなかなか当たらない。何とかここのところをうまくやるような取組等が進んでいないかというものを、お聞きしたいのですが、いかがでしょうか。 というのも、先ほどからアーカイブを巡る国際動向と我が国の現状と課題で、いろいろ御説明があったのですが、今、ここでこういう議論をしているときに、やはりユーザーとして使いにくいというか、本当になんぼのものよ?というのがなかなかわからない。実感として湧かないというのがやはり1つの大きな壁になっているのではないかと思うのです。いかがでしょうか。 ○中村座長 これはどなたか。検索の使いやすさについての知見をお持ちの方はおられますでしょうか。 ○久夛良木委員 生貝先生、いかがですか。Europeanaの取組で、検索で、なかなか行き当らないということについて、どう、今、取組が進んでいるかを教えていただけますでしょうか。 ○生貝参考人 特に欧州では、EUの公用語だけで10以上ございます関係から、検索ワードだけでは少なくともあらゆる言葉に翻訳して検索できるようにといったような対応を徐々に進めているところではございますが、こういった多分野、国際的なアーカイブとなると、ファインタビリティの向上というのは、どこの国も悩みの種だという認識でございます。 ○久夛良木委員 今のことで、メタデータを人間がつけるという作業自体が1つの障害になってはいないかと、私、時々思うことがあるのですけれども、メタデータを作成している方は、何らかの恣意や判断のもとにメタデータを抽出しているのですよね。そうすると、つけている人はこれで大丈夫だろうと思うのですが、実際、全然違う言葉や概念で検索しようとしているユーザーにとってみれば、ほとんど使いものにならない。コンテンツのアーカイブ化の議論は、角川委員がおっしゃるように、昔からずっと続けてきたテーマであるがゆえに、メタデータ生成も比較的古い技術、歴史的に言えば恐らくSQL等で書かれているのではないでしょうか?近年では検索エンジンも、グラフサーチを活用する方向に進化しつつある中で、ユーザーの使い勝手を向上するという目標から離れていっているというような気も、今、しています。 理想的に言うと、我々がこう話したり、普通にいろいろな言葉で話している言葉をAIが理解して、多分こうだよねということで、関連するようなコンテンツ、それからいろいろなアーカイブの中から、例えばこのジャンルはこうだよねというキュレ―ションも含めて持って来てくれれば、これは楽しいなということで、みんなユーザーも含めてお金を払うかもしれないと思うのですが、どうもシステムがカチカチしていて、使いにくいというのが現状ではないかと思っています。 ○中村座長 どうぞ。 ○野口委員 そういう意味では、幾つかちょっとお話をお伺いしていて、御質問なり、考えたことがあるのですが、1つには、グーグルでもヨーロッパでは、カルチュラル・インスティチュート.という取組がありまして、いろいろな美術館と組んで、会社のほうでお金を出して、そのデジタル化をして、それを見せているという取組をしているところがありまして、どれぐらいその検索の、今、久夛良木委員から御指摘があったところも含めて、どれぐらいどのような取組になっているのか、私も詳しくは知らないのですけれども、もし御興味があれば、情報提供等、いつでもできると思いますので、何か参考になることがあれば、いつでもというのが1点。 あともう一点は、ちょっと私のイメージの中で、例えば、瀬尾委員がおっしゃったことをちょっともう一歩踏み込んでお聞かせいただきたいと思っているのですけれども、例えば、国立国会図書館なり、もしくは東京の比較的デジタル化が進んでいる美術館、博物館にアーカイブが充実をしていて、そこに人が来るということと、例えば、地方にそこから人が出ていくというところのリンクがどのように実現するのかというのがちょっといまいちわからなくて、恐らく、日本人であれば、例えば、地方に行くというのは、そこの地方にしかない例えば景色であったり、温泉であったり、歴史的な場所であったり、食べ物であったり、おもてなしであったりということを求めていくのだと思うのですよね。それが、多分、外国からいらっしゃった方でも、そういうものがあって、それをすごくすばらしいのだとわかれば行くと思うのですけれども、それは国立国会図書館にあるデータアーカイブとは全然違う施設というか、コンテンツだと思うので、恐らくアーカイブなり、インターネットなりの強さはどこにいてもそれが見られて、でも最終的には、それを一定リアルに感じたいという欲求があるから、そこに人が行くわけではないですか。それのために、何ができるのかということと、その美術品というところがどう結びつくのかちょっとよくわからないというのが1点で、それを早くやらなければいけないというのもわかるのですけれども、常に弊社などのインターネットの会社でも言われているように、最初に地図なり、設計図を書いて、これでと決めて何億円というお金を投資しても、やってみたら思ったようなものと違ったということもままあると思うので、まずは小さくテスト的なところを1個始めてみて、それで課題を洗い出して、改善しながらどんどん規模を広げていくというようなアプローチがやはり必要だと思うのですよね。 だから、実際に海外からいらっしゃる方でも、どこでもいいのですけれども、例えば、どこか1つもう既にある程度進んでいるところと実証実験を1年やってみて、それでうまくいったら他のところにもどう展開していくかとか、何かそこのあたりを早めに小さく始めてみて、段階を踏んで広げていくような考え方がすごく必要ではないかと思いますので、ちょっと思いついたことを幾つか申し上げました。 ○中村座長 ありがとうございます。 どうぞ。 ○瀬尾委員 今のお話で、先ほど角川委員のおっしゃった今の集客を生かすというのは、本当にそう思うのですけれども、これはまた1つの施策で、いわゆるオリンピック・パラリンピックに向けた東京都の施策になると思うのですけれども、今、野口委員からもおっしゃられた地方というのは、これはまた全く別の話になる。ただ、日本人だと、例えば、九州に行きたいとか、関西に行きたいとか、最初に地域からするのですけれども、外国の人はそんなことは全くわからないし、大阪と東京で隣り合っていると思っているかもしれない。ただ、その全くそのかわり小さな日本では本当に目につかない小さなところの情報もピックアップすれば、外人は見てくれるという、そういう特性があるので、地方をクローズアップするという意味での私はシステムを申し上げていて、やはり東京はまたちょっと別のシステムになると思います。 東京オリンピック・パラリンピックで実現するのは、やはりデータベースをバックヤードに抱えた、いわゆる外国から人が来ても、どれだけこんなすばらしいことができるかというシステムではないかと思っていて、ちょっとこれはデータベースと合っているようで離れるのかもしれないのですけれども、先ほど久夛良木委員からおっしゃられたような言葉の話で、データベースといっても、コンテンツを入れるだけがデータベースではないので、言語のデータベースや何かで、例えば、東京の音声ガイド、Wi-Fiがあって、どこの音声ガイドを使っても、ほぼいろいろな国の言葉が音声認識で全て用が足りるとなると、外国の方たちにはすごく魅力かもしれない。 つまり、あるスポットの中で、あるアプリケーションを立ち上げると、自分の国の言葉で認識して、近くにある何かがわかるということも、非常に現時点では容認できるわけですよね。それをシステマティックにウェルカム東京の中に組み込んでいく。また、そういうことも東京ではあるでしょうし、先ほどの地方や何かも.システムの一部としては、また別の流れですけれども、組み込んでいくような形で、そして全体的につくっていくということなのですけれども、ちょっと東京の都市計画とウェルカムプランみたいなものと、地方から海外のクールジャパンは流れがちょっと違うと思うので、混同されてしまっている人はちょっと申しわけないと思います。そこはちょっと別のシステムでイメージしてということです。 ○中村座長 宮川委員、お願いします。 ○宮川委員 今の瀬尾さんや野口さんのお話と関連しているのですが、先ほどからこのアーカイブというものをユーザー目線で考えたらどうだろうかというようなお話もあったように思うのですが、ユーザーというのも、本当に商業的に書籍を出版したいという方もいれば、学術的にデータを探す人もいますし、それから、今、お話になっていますように、日本を知りたいと、まさにクールジャパンで、日本を知りたい、日本に旅行に行くときに、どんなものを見たらいいのかというところで見る、もう少し日本のことを知りたいと言っている一般の方、そのようにいろいろユーザーの方はいるかと思うので、もし日本はこんなにすてきないい国なのだよ、楽しいところだよとか、地方にはいろいろなものがあるのだよという情報を発信していくという意味では、やはり、今、議論しているデジタルアーカイブというのは、少し目的が違うのではないかと。このデジタルアーカイブという仕組みにそこまでいろいろな一般ユーザーの方の魅力的なエントランス、入口をつくるというのは、なかなか厳しいので、やはり、何か横串で大きなデジタルアーカイブをつくった場合に、それをまた違う入口で日本についての情報発信をする。その中で、こういうアーカイブがあるということを利用するというのはいいのですが、余りいろいろなユーザーの窓口として、1つのデジタルアーカイブを設計していくというのは、ちょっと難しい問題があるので、そのあたりももう少し考えていただけたらと思います。 それからもう一つは、この横串となるデジタルアーカイブですけれども、単なる各美術館、博物館あるいは地方の美術館、いろいろな団体のリンク集になるような、そのようなものになってしまっては、結局はそれぞれの各団体、機関の取り組み方もばらばらになってしまうと思いますので、やはり、単なるリンク集に終わらず、一定限度の仕組みをきちんと設計して、そこに行くと、最低限こういうデータが入るという構成になっているというのは、横串というか、とりまとめているところが一定限度、ユーザーのフレンドリーな規格をつくってあげられたらどうかと思っています。 と申しますのは、進んでいるデジタルアーカイブとまだまだこれからというところを見ると、やはり、多言語化とか、それから使い勝手の良し悪しというものもありますし、そういう意味では、ある程度の一定の基準を満たせるぐらいのサポートをしてあげたらどうかと思っております。 以上です。 ○中村座長 重村委員、お願いします。 ○重村委員 今まで、いろいろなお話が出てきたのですけれども、方向性が違う議論がたくさん出てきているような気がいたします。例えばいわゆるアーカイブの中における収集・保存の部分と経済効果を生むいわゆる利活用の部分というのは、タイムラグがあると思っています。そういう意味で言うと、その両方の要素を考えていったとき、角川さんのご発言にもあったのですが、最初に司令塔の部分というものを、まず一本化してほしいと思います。多分、いわゆる収集・保存が行われる過程においても、それの経済活動というものが行われているわけですけれども、現実的にはまず中心になるところがどこなのかという場所を決めることが大事だと思うのです。 日本の場合、わかりやすい言い方をすると、私も放送ですけれども、放送というものの中で考えたときに、放送は総務省の管轄なわけです。 しかし、放送というのは、アニメとか映画とか音楽で成り立っているのですが、それは経産省管轄という構造になる。その前提で、アーカイブの問題を考えたとき、これを一括して見ているというところが存在しないと、各担当省庁経由で話が進んでいってもまとめにくいのだろうと思うのです。したがって、まず保存作業を行いながら、例えばクールジャパンであるとか、ビジットジャパンというものにかみ合わせる形で各省庁に下ろしていくという構造に持っていかないと、いわゆる利便性というのは出てこないでしょうし、動かないだろうと思います。 もう一つ、先ほど2020年の東京オリンピック・パラリンピックの話が出ましたけれども、これはある意味で言えば、当面の目標値としておくことであって、この事業は未来永劫やっていかなければいけないことなので、オリンピックがあるからという問題に矮小化してはいけないと私は考えております。 ○中村座長 非常に貴重な御指摘をありがとうございます。 先ほど、宮川委員からリンク集ではない、言ってみればもっと深いレベルの横串が必要というお話がありました。横串というのは私もそのとおりだと思います。その上で、例えばですけれども、多言語化の御指摘もありました。多言語化というと、これはまた別の総務省の委員会で2020年に向けて例えばデジタルサイネージなどのシステムの多言語対応、そのためのクラウド化を進めましょうと。そのための予算措置を進めましょうという議論がなされています。 ですから、アーカイブだけではなくて、さまざまなそういったシステムとして連動させていって、日本全体の多言語化、おもてなしをどうするのかという方向に持っていかないと、アーカイブだけで考えてもしんどいだろうなと思います。 今の重村委員から司令塔のお話がありました。それも非常に重要な論点といいますか、今日事務局から出された論点の3つ目ですね、政府等の役割、体制をどうするのかという一番重いテーマではないかと思いました。 政府というと、全体の取りまとめといいますか、本来、司令塔たるべきこの知財本部ですけれども、政府だけではなくて、この問題、議員連盟などでも議論が進んだりしているというのも、私、承知しているのですが、これは事務局にちょっと聞きたいのですけれども、そうした例えば国会とか議員連盟などでも議論がこれは同じように進んだりしていますけれども、それとこことの議論というのは、どのように連携といいますか、関係を考えておけばいいのでしょうか。 ○田口参事官 国会そして民間等における検討状況とは連携していく必要があると考えております。 ただ一方、本日、御議論いただいておりますけれども、アーカイブそのものが社会にどう貢献しているのかどうか、社会にどう役立っているのかということについて、きっちり説明をしていくということがそういった動きと連携していく上で、より求められていくと考えております。 これまで、各館さまざまな取組ということで、データの充実等に努力いただいているところでございますけれども、それがどう社会に対して貢献しているのかということについては、やっと経済的な利用ということもなされ始めたということで、まだまだ発展の途上であるのではないかと私は捉えております。 その中で、国が司令塔としてやっていくということも含めてでございますけれども、アーカイブ自身の取組における成功事例ということを多数構築していくということがまず重要ではないか。 そういった成功事例ということを踏まえながら、どう発展させていくのかという次の段階についての議論が地に足のついた議論としていくのではないかと私は個人的に捉えております。 まさに、さまざまな活用ということについて、可能性が見えてきているというような段階だと捉えておりますが、その目を1つは2020年というところに向けて、具体的にどういうような形のものに仕上げていくのかということを1つ1つそれぞれまかれた種を大きな花が咲くように育てていく取組について、お知恵をいただければというように思います。 そういった具体的な成果というものがないと、国民全体の支援を得たような取組にしていくということについて、ハードルが高くなっていくと思いますので、まずは小さく産んでどういうところで育てていくのかということ、その分野として、どういうところが最も可能性があるのかということについて、本日、そして次回においても御意見いただければと思います。 以上でございます。 ○中村座長 他にいかがでしょうか。 よろしいですか。 今日さまざまな御指摘をいただいて、できれば、次回、ちょっと早いのかもしれませんけれども、今日いただいたようなことを、ではこういう方向性でいければとアウトプットで何らか出せればいいと思うのですけれども、事務局資料の資料1の3ページ目に、第2回集中討議で扱う論点案の中に、孤児著作物をどうするというものですとか、先ほど重村委員が御指摘いただいたものと同じことだと思うのですけれども、ゲーム、放送コンテンツ等を、つまり資料の滅失が懸念される分野をどうする。要するにためるのをどうするのだという、より重いテーマも予定されておりますので、このあたりもあらかじめ御検討いただければと思います。 ということで、もしよろしければ、ちょっと早目ですけれども、このあたりで本日の会合を閉会できればと思います。 そして次回、国立国会図書館あるいは文化庁等の関係の方々は、今日の議論を踏まえて、今日ももっとコメントをなさりたいことがたくさんあっただろうと思いますけれども、次回の対応等について、御提案がありましたら、プレゼンもお願いできればと思いますので、もう一段突っ込んで方向性が出せればと思っています。 では、最後に、今日の総括を横尾局長からいただければと思うのですが、お願いできますでしょうか。 ○横尾局長 今日はいろいろ多方面の意見をいただきまして、ありがとうございました。 先ほど角川委員から大変厳しい御指摘をいただいたのですが、我々も悩みがありまして、アーカイブをずっとやってきているのですけれども、知財本部のこの委員会は、アーカイブ全体をカバーはしないのですね。だけれども、まさにおっしゃるとおり、国として司令塔がない、これは事実なのです。かつやっかいなのは、国立国会図書館という行政ではない組織が相当アーカイブをやっていて、行政もそれぞれの機関でやっているところを一体誰が束ねるのか、何のために束ねるのかというそこが非常に悩みでもあるので、そういう意味では、なかなかうまく出せていないのですけれども、我々で去年はタスクフォースをやって、それを踏まえて、この本委員会で今回は2回の集中討議で一応終えようというつもりでありますので、今日の議論を踏まえて、先ほど中村座長からもありましたけれども、次回は、事務局としてのこの知財本部の委員会での方向性というものは事務局の案として御提示をして議論をしていただければと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。 ○中村座長 よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。 では、最後に、次回の会合について、事務局からお願いいたします。 ○田口参事官 次回委員会は、2月26日木曜日の午前10時から、本日に引き続きまして「アーカイブの利活用促進に向けた整備の加速化」というテーマのもと、会合を開催させていただきます。 よろしくお願いします。 ○中村座長 では、閉会といたします。 ありがとうございました。 |