検証・評価・企画委員会(第10回)日 時:平成27年4月7日(火)14:00〜16:00 場 所:中央合同庁舎4号館 1208特別会議室 出席者:
○中村座長 では、ただいまから第10回「検証・評価・企画委員会」を開催いたします。御多忙のところ、お集まりをいただきまして、どうもありがとうございます。年度も改まりました。 本日は、前回に引き続きまして、コンテンツの海外展開をテーマに議論を行います。 平副大臣に御出席いただいておりますし、松本政務官にもお越しいただいております。どうもありがとうございます。 では、早速ですけれども、開会に当たって平副大臣から御挨拶をいただきたいと存じます。お願いいたします。 ○平副大臣 本日は、御多忙の中、有識者の皆様、関係省庁の皆様、お集まりいただきましてありがとうございます。 山口大臣は、国会対応のため欠席でございます。御容赦いただきたいと思います。 本日は、前回に引き続き「コンテンツ産業の海外展開」について御議論をいただければと存じます。 前回の委員会では、コンテンツの海外展開における前提として、コンテンツそのものの売り上げ増加だけを目指すのではなく、コンテンツイメージを活用した製品の販売促進や、関連産業への波及効果を実現し、日本ブランドそのものを向上していくことが必要との認識や、そのための解決すべき課題について共有させていただきました。 また、前回の委員会以降、コンテンツの海外展開に関しては、クールジャパン機構の新たな出資案件として、海外におけるクリエーター人材育成スクール事業を運営するKADOKAWA Contents Academyに対する出資が決定するとともに、ローカライズやプロモーションを支援するJ-LOPを拡充したJ-LOP+も立ち上がりました。 今回は、こうした共通認識のもと、コンテンツの海外展開を図るために取り組むべき具体案や政府の取組について御意見をいただければと思います。 本日の議論により、知的財産推進計画2015や成長戦略に盛り込まれるすばらしい成果が得られることを期待し、中村座長のイニシアチブのもと、皆様の活発な御議論をどうぞよろしくお願いいたします。 ○中村座長 ありがとうございました。 今日御出席いただいている委員・有識者の方は、座席表のとおりでございますけれども、今年の3月に、知的財産戦略本部の本部員に就任なさった原山様に、今回から御参加いただいております。よろしくどうぞお願いいたします。 また、事務局として、4月1日付で着任された磯谷次長にも今回から御参加いただいております。よろしくお願いいたします。 なお、日本放送協会木田委員の代理で加藤様に、参考人として御出席いただいております。よろしくどうぞお願いいたします。 では、議論に移ります前に、事務局から配付資料の確認をお願いします。 ○中野参事官補佐 事務局でございます。 本日の資料として、お手元にパワーポイントで7種類の資料を御用意しております。 資料1としまして「コンテンツ海外展開に関する今後の取組の方向性について」。その後、参考資料として1から6までで、計7種類でございます。 不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。 ○中村座長 よろしいでしょうか。 では、議論に入りますが、最初に今日の議論の狙いと進め方について若干前振りをさせてください。 第1回、前回の集中討議で、事務局から提示した課題については、一定程度、皆さんで共有されたと考えております。したがいまして、今日は、前回共有された課題に対して、具体的にどういう取組を進めるべきか、その実施主体は誰なのかとか、官民の役割分担はどうするのかといった対応のあり方、戦略に載せる対応のあり方について、御意見・御議論を頂戴できればと思っています。 今回も、事務局の資料としまして、関係省庁での検討状況を踏まえた今後の取組の方向性というものを用意してもらいました。この資料をたたき台にしまして、今年度、あるいは来年度以降の施策の具体化に向けて、さらに深掘りするところは何か、追加すべき取組は何かといった提案を前向きにどんどんいただけるとありがたいと思っています。 議論の進め方ですけれども、今日は3つに分けたいと思っています。テーマごとにまとまった議論を可能にするために、最初に、「コンテンツの制作・確保」、2つ目に、「海外市場への継続的な展開」、3つ目に、「関連産業との横連携」といった分野に分けて、それぞれのテーマで討議を行って、最後に、時間がありましたら、全体を通しての自由討議に移れればと思っております。 では、事務局からコンテンツの制作・確保に関する取組の方向性について説明をお願いできますでしょうか。 ○中野参事官補佐 それでは、お手元の資料1をご覧ください。こちらに沿って説明させていただきます。 資料1をめくっていただきまして、1ページ目は3月に行いました第1回集中討議で出された主な意見を整理してございます。 上の3つは事務局で前回提示した大きな論点で、それに対して前回議論で1つ、政府の役割というところも御意見がありましたので、それをつけ加えて、大きく4つの箱で整理させていただいております。 その4つの箱について、図式化したようなものが2ページ目になります。 今後、映像コンテンツを中核としたコンテンツ海外展開促進の大きな方向性ということで、前回もお示しした真ん中の三角形、海外展開しやすいコンテンツを制作し、確保していくということ、それを継続的に海外に展開させて、浸透させていくということ、さらに、関連産業と連携して経済効果を波及させていくという3つの大きな取組。 さらに、それに追加して、右上に雲で書かせていただいておりますが、共通的な課題として、支援策全体としての説明不足、あるいは政策達成目標をどうするのかといった共通的な課題と、大きな4つの取組ということを整理させていただいております。 次のページから、この3つの柱と共通の部分というところについて、具体的な課題は何か、それをどう進めていくのかというところを、これまでの政府の取組、あるいは現在考えているところをもとに整理させていただいております。 めくっていただきまして、3〜4ページ目が最初のテーマに関する部分の御説明になります。 まず、海外展開しやすいコンテンツ制作・確保の段階での課題として大きく3つ整理させていただいております。 1点目として、現地が受け入れやすい内容にする、あるいは共同制作を経験する等、海外を意識したコンテンツがつくられることがより重要ではないかという課題でございます。 2点目として、やはり言語の壁というところがある中で、その言語の壁を乗り越えて、スピーディーに海外に出ていくといったところについて、引き続き公的支援も含めて体系的にやっていくことが必要ではないかという課題。 3点目として、特に放送コンテンツについて、スピードということも含めて、権利処理というところを一層迅速化、効率化することが必要ではないか。こういう大きく3つの課題で整理させていただきました。 これに対して、既存の取組も含めて今後とも重要な取組というものを整理したものが矢印の下になります。 「①現地ニーズに即したコンテンツの制作」に関しては、3つ書いてございます。 1つ目として、現地が受け入れやすい放送コンテンツを制作するための国際共同制作の支援、あるいは日本のメディアと海外のメディアがマッチングする機会の提供を引き続き行っていくという考えでございます。 2点目として、現地ニーズに即したコンテンツ、あるいは現地に出ていくコンテンツを現地化するといったときに、その担い手となる人材の育成も重要でございまして、国際的に通用するクリエーター・プロデューサーの育成、さらには、先ほど副大臣の御挨拶でも御紹介がありましたが、クールジャパン機構が出資するクリエーター人材育成スクールというところを通じて、日本のコンテンツのよさをわかってローカライズできるような人材を育成していく場をつくっていくことを考えております。 3つ目のポツとして、そもそも海外に出る前提のコンテンツをつくるということについて、それがしっかりできるような国内での環境整備も引き続き重要であるということで記載させていただいております。 ②ということで、現地化の支援でございます。 こちらについては、J-LOPのローカライズ事業ということでこれまでやってきておりまして、大きく取組が進んだという御意見も前回いただいておりますが、これまでの議論でなかなか使い勝手についても御意見もいただいておりました。これについて、申請書類の簡素化ですとか、あるいは審査基準の公開等ということで使い勝手を向上させつつ、継続的に民間が取り組むことができるように、政府の支援についても継続できるようにということを考えていきたいと思っております。 また、J-LOPだけでなく、クールジャパン機構が今年の2月にアメリカのSDIメディアというローカライズの専門企業を買収いたしました。こういった企業を通じて、こういった企業が持つ全世界の主要メディアへのネットワーク、多様な言語のローカライズのノウハウといったところを使って、より早く、広い地域に日本のコンテンツが出やすいという環境を整備していくということも進めていきたいと考えております。 「③権利処理の一層の迅速化、効率化」については、放送コンテンツについて、これまでも実証実験ということで、どういうふうにやるかというものをやってきていただいているわけですが、その成果も踏まえつつ、さらに全体の期間を短縮化するということを、今後検討を進めていただくというふうに整理をさせていただいております。 第1のテーマについて、政府の取組状況は以上でございます。 ○中村座長 では、ひとまずここまでということで、第1ラウンドの「コンテンツの制作・確保」に関する討議なのですが、それぞれ3つのラウンドで2名ずつ指名をさせていただいて発言をお願いしようと思っています。その後で議論に移れればと思っておりますが、まずここは迫本委員からコンテンツ海外展開の際の官民の役割分担等について、続いて椎名参考人から放送コンテンツの権利処理に関する展望について、御発言をお願いできればと思っております。 大変恐縮でございますけれども、委員・有識者の方々から多くの意見をいただくという観点から、前回と同様に、御発言は5分程度でまとめていただければと思っておりまして、今回も5分のところでベルが鳴るそうでございます。 では、まず迫本委員から御発言をお願いできますでしょうか。 ○迫本委員 前回出席できませんでしたが、議論を伺いまして、非常にいい議論をされたのではないかなと思っております。コンテンツ業界にとってもありがたい議論であったと考えております。 そもそも、また繰り返しになるかもしれませんけれども、国がなぜコンテンツを支援するかということを考えたときに、文化財であることとか、経済的波及効果があることもあるわけですが、日本のコンテンツが海外に出ていくこと自体が日本の国益に資するという点があるのではないかなと思います。それゆえに、貴重な国の財源を使ってここを支援することが、業界を盛り上げるということだけではなくて、日本のためになるという意味で正当化されるのではないかなと考えております。 そうして考えた場合に、では、国はどういうものに支援し、どういうものを民間に任せるべきか、ということを考えるべきではないかと思っておりまして、私はマーケットメカニズムの働くところは極力民間に委ねて、やはり民間の自助努力でおもしろいものをつくっていくことがコンテンツを活性化させることになると思いますし、そこが働かないところは文化財として保護していくということをやる必要があるのではないかなと考えます。 そういう観点から考えたときに、マーケットメカニズムが働くところに関しては極力、国の立場というものはそれがうまく働くように、活性化するようにという仕組みづくりに重点を置くべきではないかなと思っています。前回、議論が出なかったかもしれませんけれども、そういう意味では本来的には税制とか会計上の制度によって、あまねく平等に誰にでも、小さい会社でも大きい会社でも個人でも、特にネットが出てきますと個人の人たちのあれも出てきますので、そういう人たちが活動しやすいように、税制上の優遇を認めるとか会計上の繰り延べを認めることが必要であると思いますし、それから、寄附ということも税制で優遇していくこともあるのではないかなと思います。 今、どこも日本における劇場経営というものは非常に厳しいのが現実なのですけれども、例えば非常に成功した方が、その冠で劇場を持てるような形になったら、そこは寄附でつくる。そうすると、初期投資の費用がないわけですから、オペレーションだけで回っていけるような形にすればいいわけで、そういう劇場を使って内外のコンテンツを発表していくとか、そういうこともできますので、ぜひ税制・会計上の制度というものをやっていただければと思っております。 やはりスポットで支援していくことも活性化させるという意味では大切なことでありますが、これが継続する形になりますと、そのものをどうやってうまく選ぶかという問題になってくるのです。うまくいかなければ、国の貴重な財源を使って何でそれを選んだのかという話になりますし、うまくいったとしても、それがずっと続くと、選ばれなかった人たちにとっての民業圧迫という形になると思いますので、そういう意味では全員に、あまねく平等という意味では制度的にやっていくことが必要なのではないかなと思います。ですから、今後の海外展開を考えるときも、そういう視点からの国の役割のあり方も一つ観点として置けばいいのではないかなと思うわけです。 海外展開というふうに考えた場合に、私は継続性と多様性と双方向性が重要ではないかなと思っておりまして、やはりコンテンツとか文化というものは多様な各国があるわけですから、それを尊重する、双方向で理解し合うことが必要ではないかなと思っております。オリンピック・パラリンピックに関しましてもよく議論されるわけですけれども、オリンピックも全人類の友好と平和というものは建前になっているわけですが、どうしてもオリンピックは国威の発揚みたいな形になってしまい、オープニングにしても、その国の文化の発信ということでそこに徹している感じがする。ですから、今度の東京オリンピックのときは、私は文化の共同制作みたいなことがあっていいのではないか。 オリンピックで考えますと、共同事業というものは聖火リレーぐらいしかないので、例えば文化のイベントをリレーしていく。各国で代表するようなクリエーターとかプレーヤーに、アーティストにイベントをやって、最後は日本に来るとか、それから、オープニングを各国で共同して、最近はネットとかもありますので、ソーシャルメディア等を通じてちょっとずつつくってもらって、共同で何か物をつくっていくということをすると、非常に日本が多様な文化を尊重しているのだという、それ自身で日本のステータスというものを上げることができるのではないかなと思います。 やはり自国の文化を主張し過ぎると、極端に言いますと、それが相手に対する押しつけになり、戦争になり、みたいなことになるわけですから、日本というものは多様な文化を認める国なのだという発想で考えていくことが、平和を愛する日本として必要なのではないかなと思います。 そういう点からしますと、今、お話のあった具体策も、先ほど言いました官民でどういうふうに振り分けていくかという視点とともに、向こう側の文化・コンテンツを受け入れることもやったほうがいいのではないか。そういう視点も入れたほうがいいのではないか。そういう意味で、多様性・双方向性・継続性ということを考えていかれる。 それから、先ほどの官民の役割分担のときに、仕組みに徹するべきであるというふうになりましたけれども、やはり弱いところはある程度、J-LOPとかを使って、中長期的に期間を限定して支援していって活性化に導いていくことは、これはこれでやる意味があるのではないかなと思っております。 もう一つの視点として、イベントと仕組みというものがあると思うのです。それで、イベントで活性化させることもあるわけですけれども、コンテンツでのイベント、例えば「コ・フェスタ」にしても映画祭にしても、そのことで直接業界がもうかる形にならないので、その人材確保が非常に重要になってきますので、この点は少し考えなくてはいけないのではないかなと思います。 いずれにしても、単年度予算、省庁縦割ということで限界がある中で、こういう知財の果たすべき役割は大きいものであると思っておりますので、大いに期待しておりますので、我々も協力できることがあれば協力できればと思っております。 以上です。 ○中村座長 ありがとうございました。 続いて、椎名参考人からお願いいたします。 ○椎名参考人 映像コンテンツ権利処理機構の椎名と申します。 お手元の参考資料3「aRmaのこれまでの取組みと早期海外番販の課題について」というものを使いまして御説明したいと思います。 コンテンツが流れないというときに、その理由として実演家の権利処理が問題であるということが常套句として使われることが非常に多い。例えば事務局の作成していただいた資料1を拝見しますと、4ページ目に「③権利処理の一層の迅速化、効率化」ということがあがっておりますが、海外展開の早期化という目的で行われた実証実験では、我々実演家だけではなく、レコード原盤の集中管理とか、レコード協会でも一生懸命御努力されて、そういうことをやってきているわけですが、どうも課題として上がってくるのは、いつも実演家の権利処理が大変であるという話になってくるという背景がなぜかございます。そういった背景もありまして、従来、一任型の芸団協CPRA、それから、非一任型の音事協、これら2カ所で行ってまいりました権利処理を1カ所に統合するという努力を2010年から取り組んできております。 それで設立をいたしましたのが、1ページ目ですが、2009年6月に設立いたしました。社員としては一般社団法人日本音楽事業者協会、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会、一般社団法人日本音楽制作者連盟、一般社団法人映像実演権利者合同機構、一般社団法人演奏家権利処理合同機構MPN。これらの5社員により構成されておりまして、カバーしている実演家の数は7万人程度ということになります。 役員には、ホリプロダクションの堀義貴さんが理事長をお務めいただいておりまして、顧問といたしまして芸団協の野村会長、音制連の大石理事長。理事といたしましてはそれぞれの団体からこれらの方々が参加されておりまして、定款上の目的と事業といたしましては、ここにある6項目を掲げて活動してきております。 5年間にわたる権利処理業務円滑化の取組の成果でございますが、2010年4月から始まりまして、2015年3月までの5年間、総務省の実証実験に協力する形で、権利処理業務の円滑化に取り組んでまいっております。 権利処理業務を円滑化するためには、権利処理窓口の一元化と権利処理業務の迅速化という2つの要素があるということで、この2点を中心に取り組んでまいりました。 まず、権利処理窓口の一元化というものは、先ほども申し上げました音事協と芸団協CPRAでそれぞれ行ってきた非一任型と一任型の業務フローを1つにするということでございまして、これは段階的に業務を移行するということでやってまいりましたが、本年4月1日より著作権等管理事業者というポジションを得まして、非一任型と一任型の業務をあわせて行う著作権等管理事業者として業務を開始してございます。 それから、権利処理の中身の話ですけれども、実演家の権利処理に必要な情報とか形式とかの申請許諾にまつわるさまざまなフォームの標準化、統一化ということを推進しています。また、許諾のプロセスをシステム化することによりまして、権利処理業務を省力化することに取り組んでおります。現在ではaRmaに利用申請する利用者の100%が、ARMsと呼ばれるシステムを利用していただいているということになります。 この4月以降の形としては、放送局さんがaRmaに許諾の申請を出していただきますと、非一任型と一任型にそれぞれ業務フローが分かれまして、許諾の回答をする、徴収を行う、分配をするということになりますが、基本的にそれらの全てのプロセスについて、ワンストップの窓口としてaRmaが機能するということでございます。 こうした窓口一元化、迅速化の実現によりまして非常に処理が円滑になったということをお聞きしておりまして、報告書によりますと、36.9%円滑化が図られたということでございます。 時間がありませんので最後のページに飛びますが、前回のこの会議の中で、それでもまだ権利処理に3週間程度かかっている、というお話が出ておりましたが、この図は、標準的な実際の権利処理のタイムチャートをあらわしたものでして、これをご覧いただきますと、実際にドラマが放送開始されて、放送が終了して、実はそれからようやく放送番組に関する出演契約が行われるという実態があります。そこではじめて出演料が決まったりする。ここにありますとおり、aRmaが申請を受けて許諾を行う以前に、放送局さん側でかなりの日数がかかっている実態がございます。 この部分については、前回も話が出ていましたけれども、契約慣行の徹底で、つまり最初からある程度取り決めておくことによりいろいろなことがスムーズに回る。なおかつ、それらによって、権利処理を誰についてしなければいけないのかということも非常にスムーズにわかっていくということで、改善の余地があるのではないかと思います。もちろん、我々がお預かりしている3週間についてもさらなる円滑化の努力を行っていきたいと思いますが、まずはこのフロー全体の中で放送局さんも御努力いただいて、全体を短くしていく取組が必要なのではないか。 現在、我々のARMsというものはこの標準的な仕組みを前提に組み立てておりますので、さらなる早期化ということで、また違う仕組みを考えていくことになりますと、新たな開発ということも伴ってまいると思いますが、その点はまた粛々とお話し合いをしながら進めていきたいと思います。 以上でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 事務局から提示のあった取組の方向性と、今、お二方の発言も踏まえまして、もし質問・コメント等がありましたら、挙手の上、お願いできればと思います。いかがでしょうか。 瀬尾委員、どうぞ。 ○瀬尾委員 また後ほど「JAPACON」という情報のシステムについてお話ししますけれども、先ほど迫本委員のおっしゃられた双方向性というものが実はクールジャパンを実現する意味では非常に大きいキーポイントかなというのは情報の面からも考えています。つまり、いかに輸出するかということだけではなくて、現場で育てた情報をいかにフィードバックして、そして逆に、これを国内にも還元するような双方向性、完全に文化の交流というシステムがないと、一方的にこちらからやったものは結構息切れしてしまうという感じがいたします。 今、現に韓国のコンテンツが非常に強うございますけれども、やはり息切れ感が出ている部分も出てきております。それははっきり言って、かなり一方からの押しつけに近いと私は思いますし、それについて、現地とのコラボレーションの中で生まれてくるようなクールジャパンを考えていかないと、長く息が続かない。それで、息が続かないと後に続く、いわゆるコンテンツに続く企業とか、実際に利益の出る部分の進出に行く前にトーンダウンしてしまう。 ですので、単純に現場の情報とかイベントとかコンテンツだけではなくて、今、非常にアジアの国々で日本ライク、要するに日本イベントが独自に行われていたり、いろいろな情報があります。こういうことをもっと総合的に現地の人たちの意を酌んだり、また、現地の文化と融合させたりしていくことがかなり重要なテーマになってきて、これまで余りそこの部分について具体的な施策が少なかったように思いますので、今後の大きなポイントになるのではないかなと私も非常に思います。ぜひ進めていただきたいと思います。 ○中村座長 他にいかがでしょうか。 事務局が出した、この課題と具体的な取組の中には、先ほど来も話に出ていますけれども、クールジャパン機構、J-LOP、BEAJという組織の名前、あるいはキーワードとして共同制作、ローカライズ、権利処理といったものが出てきていますが、このあたりで総務省あるいは経産省、他、政府の方から何か補足等はありませんでしょうか。 ○総務省湯本課長 総務省でございます。権利処理につきまして、若干補足させていただければと思います。 先ほど椎名様からのお話にありましたように、私ども権利者団体または放送局と話し合いをした上で、実証実験という形でこれまでやってまいりました。それで一定の成果が出て、今後、自走化に向けて本年度、4月からまたスタートしたわけでございますが、先ほど来お話がありましたように、全体の権利処理の期間短縮化を図っていくことになりますと、また改めていろいろな関係者とこれからまめに調整した上で、さらにこういったことにつきまして総務省としても汗をかいて、何とか全体としてコンテンツを海外展開していくことにつなげていきたいと考えているということでございますので、よろしくお願いいたします。 ○経済産業省柏原課長 経済産業省でございます。 先ほどの平副大臣からの冒頭の御挨拶でも御紹介がありましたけれども、私ども先月からJ-LOP+という事業を始めさせていただいたところでございます。これまで2年間、J-LOPをやってまいりました。その成果を今日、お手元に参考資料としても配付させていただいていますけれども、今般のJ-LOP+では、特に地域のコンテンツ、地域活性化にどうつなげていくかというところを重視していくということ。また、コンテンツ産業の海外展開を直接的には支援するわけですが、その中で非コンテンツの企業とどういうふうに連携をとっていくかというところを重点的にJ-LOP+として支援していきたいと思っていますので、ぜひ皆様に御活用いただければと思いますし、その活用状況を私どもとして注視していきたいと思っております。 以上です。 ○中村座長 他にいかがでしょうか。 よろしいですか。 では、次のラウンドに進みたいと思います。次は、海外市場への継続的な展開に関する討議です。これも事務局からまず説明をお願いします。 ○中野参事官補佐 それでは、資料1の5〜6ページ目のところで説明させていただきたいと思います。 継続的な展開という観点で、これも大きく3つの課題があるというふうに整理をさせていただいております。 ①として、海外市場に出ていくときに、なかなかその効果が目に見えてこないところで、民間だけではなかなか取組が進まない構造があるのではないか。それについて後押しという観点から、初期投資の一部について公的支援を引き続き実施することが必要ではないかということが1つ目でございます。 2つ目として、いずれ産業化ということは、時間軸の問題はあるのでしょうけれども、どこの国もある中で、やはりそれがかなり先になるアフリカ、中南米、中東等の国についてどうするのかといったときに、日本というブランド・文化を構築・発信していく取組の一環として、こちらについては国がより主体となってやっていくことが重要ではないかという視点でございます。 ③として、民間が海外展開を進めていくときに、特に中小企業等、海外市場にどういうふうに出ていくのか。情報をどう集め、海外企業とどういうふうに取引をするのかといったところについて、なかなか知見がないものに対して、どういうふうに助言等を受けられるように支援をしていくのか、枠組みをつくっていくのかという、大きく3つの課題というふうに整理させていただいております。 矢印の下からが、それに対する政府として考えている、あるいはこれまでも行ってきている取組を整理したものになります。 まず①の、海外でのプロモーションを、民間を支援しつつ、政府も一体でやっていくというところについてでございます。 1つ目のポツとして、継続的に海外に日本のコンテンツを出していく基盤として、海外におけるテレビ放送枠の確保というところを支援していく。いろいろな国もありますが、現在のところ、ターゲットを明確にしてというところで、ASEANを重点地域として放送枠の確保をやっていくということを進めております。 2点目として、放送枠を確保してコンテンツを流してというところと、あるいはさまざまな形でコンテンツを提供してというところで、ただ、流すだけではなかなか見てもらえないというところについて、しっかり宣伝もやっていく。イベントを実施するとかコマーシャルを出すとか、そういった宣伝活動に対しても国としてJ-LOPという形で支援を実施していくということでございます。 3つ目として、現地の放送、あるいはイベントといったリアルでのプロモーションに加えて、インターネット上でのプロモーション、マッチングといったところの機能強化という視点でございますが、後ほど御説明があると思いますが「JAPACON」というコンテンツ提供プラットフォームにB to Bで情報共有できるような仕組みをつくり、そこでもコンテンツの発信、その後の商談といったことができるような仕組みをつくっていくという取組でございます。 4つ目として、これは現地での取組になりますが、在外公館あるいは国際交流基金等、海外の拠点を使って日本の文化を発信する観点から、コンテンツの発信も実施していく方向性もあるということで書かせていただいております。 6ページ目に行きまして、②ということで、市場性が低い国における日本コンテンツの露出をどうするかという観点でございます。 こちらについては、やはり映像コンテンツ、広範な視聴者層に対して影響力があるというところを考えまして、そういった映像コンテンツについて、外務省・国際交流基金が主体となって、途上国等のテレビ局に素材を提供し、テレビ放送をしてもらっていくという下地づくりも進めていくことが重要であるということで「実施する」と書いてございます。 ③としまして、特に中小企業の海外展開を助言という意味で支援するという観点でございます。 まず1つ目のポツとして、こちらはJ-LOPの中での対応になりますが、実際に海外展開をする際に助言を受けられるような、プロデューサーの方をマッチングして、相談できるようにしていくということが一つ取組として挙げております。 また2つ目は、J-LOPを実際に執行してきたVIPO等の団体に海外展開に関するノウハウがたまってきているということで、そういったノウハウをもとに、中小企業等に対する助言のサービスをするということも考えてございます。 3つ目として、JETROや在外公館等、既存の在外機関を使いながら御相談に応じていくというところ。あるいは海外展開を目指す中小企業に対して、見本市の出展を支援するといったところも引き続き実施していくということを考えてございます。 海外市場への継続的な展開についての、政府で検討している取組というところについては以上になります。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、こちらは最初に篠田参考人から海外展開におけるプロモーションの重要性について、続いて瀬尾委員から「JAPACON」の機能強化による海外展開促進策について、御発言をお願いできればと思っております。 まず、篠田さんお願いします。 ○篠田参考人 藤子プロの篠田でございます。 私ども、ドラえもんで有名な藤子プロなのでございますが、特にアジアに関しましてはほぼ津々浦々、20年以上にわたってテレビ及びマンガ、あと、商品化についても相当浸透しております。前回の委員会でもお話しいたしましたのですが、台湾におきましては170万人もイベントで人を集め、これは台湾の中でのインバウンドという形をとっているわけなのですが、他方、北米に関しましては私ども一昨年、マンガの電子出版を始め、昨年からディズニーXDにおきましてアニメの放送を始めたわけなのですが、現状、いまだにそれほど人気がない。これも局のペネトレーションの問題もあるのでしょうけれども、やはり認知あるいは露出が非常に少ないということがございますので、なかなか他の国のように人気が出てこないということがございます。 ドラえもんだけではないとは思うのですけれども、やはりコンテンツ、特にアニメに関して、今、日本のアニメが北米におきまして一番問題となっておりますのが放送枠の問題でございます。先ほど事務局のほうからもお話がありましたように、J-LOPなりでプロモーション、広告枠という費用の捻出も補助をいただいたりはしているのですけれども、実際、アメリカにおきましてドラえもんの番組にドラえもんの広告は打つことができない。これはスワップしなければいけないのです。他の枠に入れる。そのかわり、その広告枠をギャランティーすることによって枠を確保するやり方をしております。1年間で300万ドルぐらいを捻出しないとなかなか枠がとれないということがございます。 ですから、特にゲーム系のアニメ、私どものものではないのですが、例えばポケットモンスターや遊戯王といったものに関しましてはメインのライセンシーである任天堂さんやコナミさんがそういう費用を捻出して出されておりますけれども、そういうコンテンツばかりではない。例えば私どものドラえもんに関しましては、そういった商品が実を言うと余りないものですから、入れたくてもなかなか広告が出ない。それで現在、ライセンシーをゼロにしても、とにかく商品を出して欲しいということで、今、動いておるのですけれども、それでもやはり露出が少ないものですから、アメリカの企業さんはなかなかドラえもんの商品を出していただけないということになっております。 ですから今後、そういった一つの作品ではなくて、例えばクールジャパン枠という枠をつくっていただく。そしてそこの中には、その番組のライセンシーだけではなくて、例えばインバウンドの広告を入れるとか、より日系の普通のスポンサーを、あるいはこれから進出しようとするような日系の企業の広告を入れていただくことによって、コンテンツだけではなく、広告に関してもクールジャパンであるという形で援助していただけると非常にありがたいなと思う次第でございます。 現在、J-LOP+のほうでは地域還元ということでいろいろな施策をしていただいております。それに関しましては、私ども藤子プロ並びに他のコンテンツホルダーも大変ありがたく思っておりますが、より柔軟なそういう運用の仕方を切に願う次第でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、瀬尾委員お願いいたします。 ○瀬尾委員 今日は「JAPACON」という、これまでもいろいろ、こちらの本文のペーパーでも出ておりましたが、その機構について御説明させていただきたいと思います。これまでも「JAPACON」についてはいろいろ名前が出てきたのですが、実際、何をやっているところなのかということについては御説明をさせていただく機会がこれまでございませんでしたので、この機会にそちらの御説明と、それから全体の施策について、この情報インフラを運営していく中で行っていったことについてお話をさせていただきたいと思います。 まず、この「JAPACON」と申しますのは、もともと経団連の流通促進分科会というところで海外への展開を検討してきた中で生まれてきたものです。もともと、知的財産推進計画2006における位置づけとして、インフラとしてこういうものをつくりましょう。それで、この時点で既に個人のクリエーターや中小企業の作品の流通の円滑化ということを当初から目的として入れています。つまり、情報によってこれを掘り起こすというコンセプトが基本的にございました。ただ、目指すものはコンテンツの情報センターとして情報を蓄積しようということがそのときの目的になります。 運用体制なのですが、今、こちらにいらっしゃるレコード協会の斉藤委員に会長をお願いしており、あとは経団連の皆様に顧問等におつきいただいて、御相談をさせていただきながら進めております。主査として私が実務の運用に当たっているということで、会員はこちらにございますような企業・団体が会員になってございます。 次の4ページに行きまして、目的と基本方針なのですが、これは現在、大分いろいろなことを、紆余曲折を経て、現在こういうことになっています。色がかなりカラフルで、目がちかちかして申しわけないのですけれども、決して文字をごまかす意図ではございませんので、一応、内容はあります。 現在の施策としましては、海外へのコンテンツ流通を促進するツールとして、後で御説明しますようなインターネットのツールというものは、オフィシャルで継続的なものは意外と少ないです。それを継続的にやることで蓄積しようということを考えました。 もう一つは、クールジャパン情報の集積と海外発信。このクールジャパン情報につきましても、たくさんの施策はこれまでもなされてきて、効果が上がっていますが、実はその情報というものを蓄積する場所は大変少ないです。これがそのときの施策で独立してしまうことの弱さはあるかと思いますし、また、このクールジャパン情報の集積をした上で、ここには広く、単純なコンテンツだけではない情報も発信していこうということがあります。 それから、全国の良質なコンテンツ収集と海外への発信ですが、今、やっている放送のツールとして、プロ用のツールとして使うということもあるのですけれども、海外のイベント、コンテンツ、行事、それから、食、いわゆる今のジャパンブランド、クールジャパンと言われているもの全てに対して、この情報を掘り起こして、集積して、海外に出す仕組みが必要ではないかと考えました。これはかなりいろいろなものがあることが現在わかってきています。 これが具体的な3つの施策なのですが「ビジョン」と書いてありますが、これは我々、数人で実は運営しているものでして、ここは余り大上段に書き過ぎているのですが、志はこういうことであるということなのです。 JAPACONの現在の目的は、映像を始めとしたコンテンツ情報を収集・蓄積し、海外に発信することである。 また、食やファッション等海外に紹介していきたい日本文化の情報について、情報発信のパートナーを増やしつつ、取り込んでいくことが必要である。このような機能は、日本の各地において制作される良質な情報を直接海外に発信することも可能とする。 総じてJAPACONの現状と展望を簡潔に示せば、地方創生からクールジャパンまでの施策を情報という側面からひとつの流れにまとめて、日本をプレゼンテーションするインフラとして機能することである。 これによって、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた経済政策を強く補助するとともに、2020年以降の持続的な発展、日本とアジアの経済連携の強化に寄与することを現在のビジョンとする。 心意気は高いということで、数人でどこまでできるのかと言われるとあれなのですが、一応、情報というものは大きな目的を持たないとまとまっていきませんので、こういう方向性を持っています。 次の6ページは設立の経緯ですので、この内容が、日付に着目していただきたいのですが、2003年にエンターテインメント・コンテンツ産業部会というものが経団連に発足して、そして、このときからこの議論が始まっているのです。つまり、かなり早い時期から始まっています。 しかし、それがやっと今、こういう方向性を持ったのですけれども、後で「JAPACON」の過去の教訓というものを一言お話ししたいと思いますが、かなり紆余曲折がありました。ただ、この長い期間を経て現在も持続しているものは大変少ないと思います。 主な活動内容としては、ウエブサイトとSNSを2つ持っています。 ウエブサイトはB to B中心で、いわゆるプロのツールとして機能するもので、ここの特色というものはスマートフォンとかタブレットにもきちんと対応していることです。これが意外となされていない場合が多い。 SNSはfacebookなのですけれども、これは次の7ページをおめくりいただいて、ウエブサイトとSNSをご覧いただければわかりますが、このfacebookはオフィシャルなサイトとして44万いいね!を得ていますし、この2年間でそれを得たのです。それが継続して伸びています。ここら辺のところは、SNSの活用については特色というふうに言えるかと思います。 ちょっと巻いてしまいますが、次の10〜11ページ目に関しましては、先ほど考えていましたプロのためのツールとしての機能です。これは実際にプロのバイヤーさんとセラーさんが取引をするときに、このサイトの上でデモをしたりして利用できるような仕組みを考えています。 これが重要なのは、特に資本のある大きい皆さんではなくて、小さなコンテンツ制作の局や会社がここで海外に向けて発信できるという、お金をかけないツールとして使えることが重要かなと思います。 時間も迫っていますので、最後に一言申し上げますと「JAPACON」は情報を中心にしていろいろなことを見てきました。先ほどの双方向性も非常に重要であるというのは、情報と現地の視察によって理解しましたし、情報が受ける受けないというのは非常に大きなポイントです。 それと同時に、ここですごく強く感じることは、連携が必要であるということです。これまでの施策の中で、情報は連携をさせるように「JAPACON」で比較的いろいろなものを集めるように頑張ってきましたけれども、どうしても施策1つずつが独立している傾向があると私は感じます。これをより強く情報で連携させていくことでグランドデザインが描け、強い戦略ができるのではないかなと思います。 例えば組織としても、先ほど出ましたJETROとコンテンツ業界の取組というものをもっと強力にカップリングさせていくことで、先ほどの非コンテンツ系の企業とコンテンツが一緒になっていくのではないかなと思います。 最後に「JAPACON」の教訓と言いましたのは、これは今日の話ではなくてデータベースの話ですが、最初に大きなデータベースをつくろうとしたのです。それで、全部入れようとしたのです。やはりお金がなくなって、その計画はこういう形のほうが効率的であるという形で今の形になりました。 ですので、データベースの重要性は非常に重要であると今でも思いますが、そのつくり方と趣旨、内容については非常に最新のものを持たないと後で大変なことになるというのが「JAPACON」の経験でもございます。 以上でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、自由に御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。 どうぞ。 ○宮野参考人 シンガポールから参りました宮野です。よろしくお願いします。 弊社は、私がもともと前の広告代理店にいるときに「ANIME FESTIVAL ASIA」というイベントをシンガポールで立ち上げ、その関係でいろいろな日本のアーティストさんのライブなんかをシンガポールに呼ぶということをどんどん促進していって、会社から帰任辞令が出たときにそのまま残って、自分の会社でそういうクールジャパンを受け入れるという仕事をやっております。 「ANIME FESTIVAL ASIA」は、今、マレーシア、インドネシアで、今年、5月にタイでも初めて行われます。やはりああいうイベントを企業としてきちんと会社として収益を上げようとしますとなかなか大変なもので、実は「ANIME FESTIVAL」は2年前から黒字化されたのですけれども、それまでに6年かかっていました。 今年、ブシロードさんと弊社で新しいイベントをシンガポールで立ち上げます。6月にキャラエクスポというものをやるのですけれども、やはりAFAが年に1回だけですと、情報発信の場として日本のコンテンツ企業さんが年に1回に、ちょうど発表が間に合わないとかいいタイミングではないという方がいらっしゃるので、1年の反対側にもう一個つくろうというふうに考えて、ブシロードさんと一緒に、今、日本のコンテンツ企業の出展を集めているところです。 こういうことをやっていて、何で長年かかって、今、6回目から黒字化されてきたかといいますと、やはり日本のコンテンツ業界の皆様が、J-LOPさんの補助金もあったりして、どんどん積極的に出てこられていますので、やはり出展料での収入というものが非常に多くなりました。それまでお客様からのお金、入場料だけですと、アジアの入場料はそんなに高く取れないので、特に前回もトーセの齋藤様がおっしゃっていましたけれども、やはりバンコクでの入場料等というものは本当にお客様から500円取れるかどうかみたいな話ですので、それで日本から大挙して押し寄せてきた日本のアーティストとかコンテンツホルダーの方々のフィーを払うのは非常に難しいのです。 でも、そういうことで今、日本のコンテンツ業界の方がどんどんアジアを積極的に見ていただいて、どんどん来ていただいている中で、我々のイベントに出展された方がそのままそこに、シンガポールに拠点を構えたりとか、シンガポールのテレビ局とマッチングがうまくいったりという具体的な例は出ておりますので、やはりプロモーションには成果はあると思っています。 現在の課題が、私も今度、J-LOP+のプロデューサーになる名誉をいただいているのですけれども、日本のクライアントさんがどうしても現地で、今、日本のコンテンツを使っておられない現状がありまして、日本のクライアントさんから見たら、まさに自分たちの企業を、バリューを上げるというものに日本のコンテンツがそれぞれの国で本当に大人気になっているかというところにまだダウトなクライアントさんもいらっしゃいます。 ですので、そのクライアントさんへのアタックというところでJETROや国際交流基金の、シンガポールでは私はいつもお話しさせていただいて、JETROの会議で「ANIME FESTIVAL」とかそういうイベントを紹介させていただいていますけれども、そういうことをやるプロデューサー的な人がそれぞれの国で頑張って、一般企業の方々とマッチングをしていくことがこれから越えなければいけない大きなハードルかなと思っております。 ありがとうございました。 ○中村座長 ありがとうございます。 他にいかがでしょうか。 角川委員、お願いします。 ○角川委員 今日は経団連のコンテンツの取組として、2003年に始まったジャパンコンテンツショーケース、「JAPACON」の報告を久しぶりに受けたなという感じがしております。この「JAPACON」は今、VIPOという形で成果も出したのですけれども、瀬尾さんがおっしゃったとおり、本来の目的というものは日本のコンテンツの総合データベースをつくろうということであったと思うのです。そこら辺でやはり、今、資金がなく、続かなくて中断しているのだというお話自身が実は非常に参考になるといいますか、教訓にすべきことではないかと思うのです。そういうデータベースは今でも必要とされているのですけれども、現実には実現していない。そのことをどうするかということも、この知財本部の次の、今年度以降のテーマにしてもらいたいなと思います。 一方で、私も経団連の委員でもありますので「JAPACON」もここでもう一回、経団連として今後の日本のコンテンツ産業の育成のために何ができるか。特に今、お話がありましたように、日本のコンテンツが出てくるに当たって、日本のクライアントと一緒になって、日本の産業進出とキャラクターとのハーモニーみたいなことも経団連なら旗振りができるわけです。そういうことで、経団連には新規に巻き直してもらいたいなということを、期待を込めて申し上げたいと思います。 ○中村座長 ありがとうございます。 他にいかがでしょうか。 どうぞ。お願いします。 ○加藤参考人 重要なのは、先ほど瀬尾委員からお話がありましたけれども、「双方向性」、それから「共有」ということであると思います。今回のこのパートのテーマは「継続的な展開」ということですが、そういう意味では、いかに精査な市場調査、マーケティングができて、それぞれに非常に深く掘った調査をして、それをさらに日本の関係者の間で共有できるということが鍵だと思っております。 NHKでも、いいものをつくればそれだけで売れるとは思っておりません。海外でどういうものが求められているかということに対しては、やはりもっと敏感になる必要がある。2年前からそういう取組を始めて、やっと来週から火曜日の22時に「美女と男子」というドラマを放送するのですけれども、これは20回シリーズです。海外から必ず言われることは、日本のドラマは本数が少な過ぎるということです。NHKでも、100本ある朝ドラか、50本ある大河ドラマが一番売れています。それ以外のドラマは10〜13本なものですから、これでは困るのだと必ず言われるのです。今回は2年がかりでやっと完成しました。やはりドラマは2年かかるのです。リソース、ヒト・モノ・カネを準備するのにそれだけの時間がかかったのですが、やっと20本というシリーズを来週火曜日の22時から放送いたしますので、ぜひご覧いただければと思います。このドラマには海外の視聴者のことも考えて、非常にシンプルでわかりやすいストーリー展開であるということもありますし、いろいろと海外の視聴者に好まれるだろうということを盛り込みながらやっているのですが、今度それを出したときに、フィリピンの方、またはシンガポールの方はどういうふうに受けとめられたかという、その反応を知ることが大事なのです。ここはよくなかったからここは直さなければいけないとか、ここが大変喜ばれたらしいということを次に生かしていくという、いわゆるPDCAが非常に重要であると思います。反応を知る「双方向性」と、それを「共有」していくシステムがこういう場などでつくり上げられればいいのではないかと思っております。 ○中村座長 ありがとうございます。 瀬尾委員、どうぞ。 ○瀬尾委員 先ほどの説明の中でちょっと補足的な部分なのですけれども、facebook、SNSを使って、実際にビジネスとこういうものに生かしているオフィシャルなサイトというものは、先ほど少ないと申し上げましたけれども、非常に強い力を持っているということの一つとして、実は今、BEAJの展開されている、日本のコンテンツを共同制作する国々とか、その国々と「JAPACON」のSNSは98%以上、海外の人たちです。その人たちが多い順に行くと、ほぼBEAJの展開された、今回採択した番組の国と合致します。 つまり、日本が好きな国という優先順位とかがあるのですよ。要するに、こういう効率のよい展開をするためのツールとか、またはその検証で、例えばそこに記事を載せるとばっと、それこそ1万ぐらいのビューと数千のいいね!というのがついたりする記事はたくさんあります。それによって受ける受けないとか、そういうリサーチのものになったりもします。 先ほど宮野さんのAFAにも、実は少ないリソースを無理やり割いて参加させていただいて、現場の熱とか、やはり非常に参考になりました。ですから、そういう現場からのフィードバックをいかにして集めるかということについては、SNSを使ったり現場のイベントに参加したりして、ぜひもっと酌み上げて、それをフィードバックしていかないと多分、今あるものをただ売りましょうだけでは続きませんし、うまくいかないのではないかと思います。 SNSの使い方については、かなりノウハウも蓄積されてきましたので、ぜひ「JAPACON」のSNSについては本当に御利用いただいたほうがいいと思いますので、何かのときにはまたこれを御参考にされていただければと思います。 ちょっと補足的な話でした。 ○中村座長 他にいかがでしょうか。 今日は、先ほど来、双方向性あるいは共有という、この場では新しいキーワードが出ておりますけれども、これまで共同制作というような議論をされてきましたが、外にどう売っていくかだけではなくて、次の政策としてのステージに入るということかなと思っているのです。 事務局から出していただいている資料の中には、在外公館あるいは国際交流基金等々の組織の名前も出てきておりますけれども、こういったことについて外務省他政府から何か追加コメントというものはないでしょうか。 お願いします。 ○外務省渡邉首席事務官 外務省でございます。 資料1の「具体的な取組み」のところに書いていただいておりますが、在外公館や国際交流基金の海外拠点は文化事業をかなり幅広く展開しております。これは単に文化を紹介するということではなくて、日本とその国との相互理解を深める上で非常に重要なツールとして展開しております。これは外交政策を遂行するため、また、日本に対する理解を深めることによって、そこに進出されて来られる方々、企業の方も含め、邦人の方、留学生の方に対する、その国からのサポートを得やすくするという意味もございます。 その中で展開する事業としましては、伝統文化からポップカルチャーまで、ときには武道、パフォーマンスもあれば展示もあれば映像もございます。コンテンツといいますのは文字どおり中身のあるものでもございますが、そこの中には技術ですとか日本の文化、そして日本人の物の考え方が凝縮されたものもあり、そういったものを幅広く紹介するという活動を外務省または国際交流基金では展開しており、今後も幅広く拡充して続けていきたいと考えております。 その後にまた書いていただいておりますけれども「A市場性が低い国における日本コンテンツの露出」でございますが、これは先ほど迫本委員からも、マーケットメカニズムが働く国、働かない国での役割分担という話がございました。私どもとしましては、特に国際交流基金を通じてですが、マーケットメカニズムが働かず、なかなか商業性がない国におきまして、テレビ番組ですとかコンテンツを先方に提供することによって日本に対する理解を深めてもらうということもございますし、その後に一般的な商業ベースのものとして進出できるのかどうかという、いわば種まきのような事業を細々と展開しておりましたが、今後拡充してやっていきたいと考えております。 以上です。 ○中村座長 どうぞ。 ○迫本委員 今の補足なのですけれども、国際交流基金はそれだけではなくて、アジアセンターをつくられて、7年間で300億円という予算を取られて、本当に継続性という意味では画期的なスキームになっています。 それから、今の海外展開だけではなくて、東京国際映画祭等と連携しながらアジアのものを紹介していこうということもされていますので、そういう意味では本当に継続性・双方向性という点から評価できる活動をされているのではないかなと思います。 ○中村座長 ありがとうございます。 他にいかがでしょうか。 よろしいですか。 では、次の3つ目のテーマに移ります。関連産業との連携です。これも事務局から説明をお願いします。 ○中野参事官補佐 それでは、また資料1に戻っていただきまして、7ページ目以降について御説明させていただきます。 関連産業との連携というところでございます。課題を整理してございますが、こちらについては4つということで、4つを2つずつに分けております。 上2つは、コンテンツ業界同士の連携もさらに進める余地があるのではないかというところでございます。海外でのイベント、国際見本市等、もろもろやっている取組を連携させてやっていくことが必要ではないかという課題と、あとはコンテンツが出ていくところに連動させて、よりコンテンツのブランド化といいますか、わかりやすいアイコンとしての、歌手や演奏家や俳優等、そういったタレントの方が海外に出ていくことも重要ではないかというふうにこれまでの議論を踏まえて課題として書いてございます。 また、コンテンツと非コンテンツの連携について、これも繰り返し委員会の場で御意見をいただいており、今もいただいておりましたが、コンテンツの制作者と、それに連動した製品販売等を考える想定スポンサー企業というところがマッチングをしていく、一緒のプロジェクトをつくっていくというところの仕組みが必要ではないかという課題。あとは、もう少し地域の経済活性化という視点で、よりコンテンツを使っていけないかというところで、地域を活性化するようなコンテンツ制作を促すための情報のわかりやすさを確保するとか、そういったところも重要ではないかという整理をしております。 この4つについて、それぞれ政府として何をしていくかというところで具体的な取組を整理させていただいております。 まず「①コンテンツ関連施策・取組間の連携促進」で3つ書いてございます。 1つ目は、関係省庁、関係機関、政府の内部での連携をより高めていくというところでございます。縦割ではなく、横目で連携するところを見ながらやっていくというところで、実際に平成26年度の補正予算においては、総務省、経産省、国交省、外務省と、4省庁が連携した形で予算要求し、これから執行も連携してやっていくということを聞いております。こういった取組を一過性のものにせず、継続してやっていく。一般論としての連携をしっかりやっていくことが取組の方向性として一つ書かせていただいているものでございます。 2点目として、時間軸での連携のイメージで書いているものでございますが、先ほども外務省さんから補足がありました、国際交流基金による取組をその後にどういうふうにつなげていくかというところでございます。単に放送して終わりではなくて、現地でのコンテンツの反響等を捕捉して、もともとのコンテンツをつくった方に提供するということで、その後の民間主導でのコンテンツ展開に結びつけていくという取組でございます。 3つ目として、これは民間コンテンツ業界同士の連携促進という観点で、民間団体とも連携しつつ、コンテンツに関する国内外のイベント情報を収集して、より一緒にできるようなコーディネート機能を整備していくということを考えてございます。 次のページに行きまして「②実演家、アーティストの海外派遣の推進」でございます。 国際的に通用する人材として育成するために、海外に研修生として派遣するというところを、これも文科省でこれまでもやっていただいておりますが、引き続き実施していくということで考えてございます。 ③として、コンテンツと非コンテンツ分野の連携促進というところでございます。 1つ目のポツで、イベントでの連携というイメージでございます。J-LOPの事業の中で、コンテンツ以外の見本市、例えば観光の博覧会ですとか、そういった場においてコンテンツを活用したプロモーションを行っていただく。それによって、J-LOPでの連携要件ということで支援できることがきっかけになって、コンテンツ、非コンテンツのところが一緒にやっていくことの推進をしていくというものでございます。 また、2つ目のポツとして、海外展開する際に国内の他の企業、コンテンツ以外の企業、あるいは海外企業とのマッチングを促進する場をつくっていくということ。さらに、これも本日の議論でも御意見が出ましたが、想定スポンサー企業、非コンテンツ産業に対して、どういうふうにやると成功するのか、どういう効果があるのかといったところの実施事例の発信を行っていくことも必要であろうということで、取組として書かせていただいております。 「④地域との連携」でございます。 地域経済活性化の観点から、地方が主体となって放送コンテンツをつくる。それを海外に発信することを支援していくというところ。 さらに、そういったもののローカライズ、プロモーションについてJ-LOPを通じてより手厚い支援を行うということも進めてございます。 また、国内外からの地方の撮影というところを活性化する観点から、全国各地のロケ地情報の集約、国内外の発信ということも引き続き実施していく考えでございます。 続けて、最後の9ページについても御紹介させていただきます。前回、第1回の集中討議を踏まえて、共通的な課題として出てきたところについて、課題と何をしていくかということも今回整理してございます。 課題として2つあるかなと考えてございます。1つ目は、ツール・施策はたくさんある中で、それぞれがどういう意味があって、どういうふうに使えるのか、なかなか情報提供がうまくなされていないのではないかというところと、あとはその政策の効果をどういうふうにはかっていくのかというところの可視化ができていないという課題があるかと思います。 これに対して、政府として何をやっていくかというところで2つ書いてございます。 ①については、施策を体系的に理解できるような、ある意味、整理をした資料をしっかりつくって発信していくということを進めていきたいと考えております。 また、達成目標や指標については、これは統計的にとるとなりますとなかなか費用もかかりますので、急にどこまでできるかというところはございますが、まず考え方は整理をしていく。その上で、どういうふうに捕捉するかといったところの仕組みのあり方も検討していくというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○中村座長 ありがとうございます。 では、最初に重村委員から企業・業種横断的な取組としての「国際ドラマフェスティバル」から見えてくる課題について、それから橋谷参考人から地方振興に資するコンテンツ制作と海外展開について、御発言をお願いしたいと思います。 まず、重村委員お願いします。 ○重村委員 「国際ドラマフェスティバル」は2007年に創設されまして、もう8年間にわたって続いてきております。いろいろと厳しい条件があったわけですけれども、何とか続けてこられた要因を抽象論ではなくて具体論で申し上げていきたいと思います。 まず、こういう事業を展開する場合、運営基盤となる財源を民間の資金を中心に調達しなければいけない。第2点として、第2点と第3点は非常に近いように感じるのですけれども、ちょっと違うのは、いわゆるオールジャパン体制をつくる場合、参加する団体・企業の目的は一致したとしても、形式的にではなく具体性を持って行動してもらわないといけない。 1つには、運営主体になる幹事団というものが非常に重要なのですが、各社参加するとは言っても、エース級の人間は絶対に出してこない。ところが、この「国際ドラマフェスティバル」に関しては、NHKも民放も権利団体も第一級の人間を常時繰り出してくれていることです。 もう一つは、企業や業界の利益だけでなく、日本のコンテンツ全体の底上げということでの意思統一があったということです。「国際ドラマフェスティバル」立ち上げの2007年はちょうど韓流が伸びてきた時期です。それで民放連の中にも非常に危機感がありまして、海賊版を取り締まる問題もあるが、それより日本のコンテンツへのなじみということがアジアで非常に落ちてきているのではないか。プロモーションも足りないのではないか。そういう現場の危機感があり、この「国際ドラマフェスティバル」みたいなものをつくろうということが検討されていました。 そこに、経産省が「コ・フェスタ」をやる。その「コ・フェスタ」に関しては、アニメとかゲームとか、映画というものは国際的な日本のイベントはあるわけですけれども、テレビには一つもない。ここにテレビ業界も参加して欲しいという話が経産省からございまして、それであれば、我々が考えているイベントを展開しようではないかというところから始まっているわけです。 この中で一番大事だなと感じたのは、仕組みづくりをしっかり行ったということです。1年目はトライアルという形でやりましたが、NHKと民放が一緒になって、いわゆるコンテンツのイベントを行う。これは普通のように思われるかもしれませんけれども、NHKと民放が一緒にコンテンツのイベントをやるケースは他にはないのです。他にあるのはオリンピックとワールドカップのジャパンプールぐらいです。 もう一つは、すぐ権利者団体に要請して、権利者との間で目的を理解してもらう形をつくり上げました。それでトライアルをやりまして、それなりに効果があるということがわかったことから、翌年、2008年から新たに「東京ドラマアウォード」というものを創設したのです。 トライアルをやったときに我々が感じたのは、まず日本の放送局の制作者の意識を変えなければだめなのではないか。アウォードというものは日本にたくさんありますが、芸術祭にしろ、民放祭にしろ、放送文化基金にしろ、クオリティーを問うものはあるわけですけれども、市場性とか商業性とか、あるいは海外で売れるという視点でもってのアウォードというものは一つもないわけです。この「東京ドラマアウォード」というものはともかく海外で売れる、商業性があるものを表彰する形にしたわけです。 最初、その仕組みづくりを考えた時点では、今、ここで議論されているような、放送コンテンツ全体を対象にしていきたいということでつくられました。アニメ、ドキュメンタリー、バラエティーという、分野ごとにこういうものをつくってやっていこうと考えていたわけです。なかなか資金的な問題で進まなかったのですが、そういう狙いでドラマ以外はスタートしていたということです。 もう一つは「3年1クール」で展開していこうということをやったわけです。1年ごとにいわゆる検証、見直しを行って、3年たって民間参加団体が「意味がない」と思ったら、お金を出しているわけですから、やめましょうということです。それがもう3クール目まで来ているということになります。 あと、最初に民間のお金でやるべきであるというふうに申し上げた理由は、国の支援というものは5ページに書いてありますように、単年度ごとに変わるわけです。 もう一つ、双方向性の部分では、最初から海外のコンテンツを日本に入れる窓口を開けておく形をとったわけです。それで、今までに毎年、3カ国以上の作品を「東京ドラマアウォード」に持ってきて表彰している。したがって、今までベトナム、マレーシア、タイ、インド、シンガポール等の作品を招待して、NHKの千代田放送会館で日本の放送制作者・編成担当者に見せるという形をとってきています。 そういう形の中で、日本国内にバイヤーを呼んでやっていくという展開だけではだめなのではないか。我々が出ていくべきなのではないかということで始めたのがJ Seriesで、これをタイのバンコクに持っていったわけです。そのときに、放送だけではなくて、音楽業界やアーティスト関連団体と協力関係をつくって展開した。 先ほど篠田さんからも話が出ましたが、一方的に売るのではなくて、我々はタイで日本のドラマを買ってくれた局に関しては番組PRのスポット枠を我々がお金を出して買いました。すなわち日本の番組を買ってくれれば、番組PRのスポット枠を日本が買うわけですから、先方の局の売り上げに貢献するし、レーティングも上がるという形なのです。今、アジアでもGRPで各局は経営が成り立っていますから、日本の放送をやっても、視聴率が悪いのでは後が続かないわけです。ですから、視聴率を上げるために協力するという形で資金を使っております。 最後に2枚、8ページと9ページは同じような部分があると思うのですが、他国の国情というものをよく理解しなければいけない。例えば、6月6日に、これはBEAJの協力も得て、インドネシアでJ Seriesのイベントをやるのですが、タイとインドネシアでは状況は全く違います。タイもインドネシアも日本の商品があふれ返っているところは同じなのですが、コンテンツに関しては、タイは日本のコンテンツに対する許容度が非常に強いのですが、インドネシアは全くありません。そういう部分に関して十分、きちんとしたマーケティングが必要であると考えております。相手国の実情に応じた形でいろいろな展開をやっていかなければいけないだろうと考えています。 それと同時に、タイでやって成果があったのは、経産省、観光庁(JNTO)と一緒になりまして「JAPAN WEEKEND」という形で、同じホテルと隣のホテルでJETROやJNTOと我々のイベントを同時期に開催したことです。そうすることによって、我々のイベントでタレントがいろいろ行きますものですから、JNTOとかJETROの集客力が上がる構造になるわけです。BEAJができましたので、各関係省庁間が連携して、放送コンテンツというものをベースにしながら他省庁の分野の事業にも寄与していく形が日本ブランドを上げていく重要なポイントになるのではないかと思っております。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、橋谷さんお願いします。 ○橋谷参考人 HTB北海道テレビの橋谷でございます。 コンテンツの海外展開、地方から見た課題を御報告いたしますけれども、その前に、前回の会議で私どもの「LOVE HOKKAIDO」という番組の展開につきまして御報告をさせていただきましたが、本日、4月7日に、中国のCNTVでVOD配信がスタートいたしました。これは先々週、3月末ですか、北京に行きまして、先方と話をして、調整の結果、本日からスタートということになりました。 これはJ-LOPの支援を受けて、上海メディアグループのICSで放送した簡体字字幕版の素材を再活用して展開しているものでございます。これは、直接的にJ-LOPの支援を受けた案件ではございませんけれども、J-LOPの支援を受けて簡体字字幕版のローカライゼーションをした素材を再活用して展開ができたものですので、この展開はJ-LOPの継続的な支援がなくては組み立ても継続も難しい案件ではないかと思っております。 そういうことで、このCNTVでの配信は、今後ウェブキャスティングも予定しているのですけれども、政府、J-LOP事務局の皆様をはじめ「LOVE HOKKAIDO」の海外展開を御支援くださっている御関係の皆様に御礼申し上げたいと思います。引き続き、サポートのほうをぜひよろしくお願いしたいと思います。 課題は3点御報告いたします。 1つ目は、地域ブランドの海外展開、そのPR活動の奨励、その支援。これを申し上げることができるかと思います。政令指定都市とか大企業ではない地方自治体あるいは地元企業様に、小さくてもきらりと光る、各地域の誇る商品とかサービスといったもの。これが地域ブランドなのかもしれませんけれども、こういったものをもっと積極的に海外展開してくださいということを政府が奨励して、それを具体化するための展開の組み立て、あるいはその国際的なPR活動にかかる費用を政府として支援することをぜひお願いしたいと思います。 海外における日本コンテンツと他産業、非コンテンツ産業との連携で総合的な輸出拡大につなげるためには、地元企業あるいは地方自治体の海外展開も促進していかないことにはなかなか広がらないのではないか。他方で地方自治体あるいは地元企業の展開ですから、ビジネスの規模も大きくありませんので、ハードルを1段とか2段とか下げて、低くした形で地方が利用しやすい支援の拡充といったものが望まれるように思われます。 2点目が、人材の育成です。知財推進計画の一つに、人材の育成もうたわれておりますけれども、特に、地方においてコンテンツ人材、コンテンツ知財をマネジメントして展開していく人材は圧倒的に不足していると思います。地方においてコンテンツ知財の人材をどうやって育成していくかという視点は、ひょっとしたら知財推進計画にまだ少し足りないのかもしれません。 人材育成では、よくクリエーターの支援とかクリエーターの育成とか、あるいは制作に軸足を置いたプロデューサーの育成ということはよく言われるのですけれども、展開に軸足を置いたプロデューサーとか、契約書を読んだり書いたり、権利者団体の皆様とお話をしたり、海外のメディアの方と交渉をしたりとか、あるいは政府の皆様にお願いしたりお話をしたりという仕事。こういったことができる方が、東京にはたくさんいらっしゃるわけですけれども、地方にはどのくらいいるかといいますと、若干心もとないと思います。 ではこういった人材育成を地方の会社に任せておいてよいのかと言いますと、なかなかそれだけでは増えていかないのではないか。やはりこれは、ユニジャパンさんでは既に国際プロデューサーの育成のお仕事をしてくださっているわけですが、地方でどうやって人材を増やすかといった視点で施策を広げる、あるいはハードルを下げるということがあるといいなと思います。そのときに、地方での産学連携を官が支援する。地方の大学では知的財産法の講座を持っている大学もありますし、そういったところを活用するとか、いろいろなやり方はあると思われますけれども、地方におけるコンテンツの知財人材をどうやって育成するかということが課題と言えるかと思います。 3点目は、留学生人材の活用。これも人材の育成・活用なのですけれども、地方の大学や大学院で学んでいる、言語能力とかコミュニケーション能力の高い留学生を日本コンテンツ・地方コンテンツの海外展開にどうやって参画してもらうのか、力を貸してもらうか、巻き込んでいくか。もっと言いますと、チームに引き込んでいくといいますか、チームに入ってもらうといいますか、そういった視点が必要なのかなと思います。 私どもの「LOVE HOKKAIDO」のMC、出演者2名は、リさんは札幌に住んで17年間、アイシスさんは7年間で、日本語はほとんど母国語並みにお話しになります。お二人には単に出演者としてのお仕事だけではなくて、諸外国とのやりとり、もちろん、中国との交渉はリさんにも大変お世話になりながら進めてきているわけですけれども、彼らは日本と諸外国との間の、言語とか文化とか習慣のギャップをブリッジする役割を担うことのできる国際人材です。地方のコンテンツ産業あるいは非コンテンツ産業との連携による海外展開にこういった国際人材をどうやって活用していくかということ。これを国の政策として支援していくことも、知財戦略の一つとして検討すべき課題なのではないかということを申し上げたいと思います。 以上でございます。 ○中村座長 ありがとうございました。 では、自由に御発言をお願いできればと思います。いかがでしょうか。 宮野さん、お願いします。 ○宮野参考人 今、おっしゃられていたことにちょっと補足といいますか、私も考えていることがありまして、実は海外で日本のコンテンツを発信したり応援したりという人たちの中に物すごい数の海外の日本オタクの人たちがいらっしゃって、ほとんどのコスプレイベントとかアニメイベントとか、いろいろなイベントが、そういう現地の日本語が堪能な、日本大好きで、年に何回も日本に来ておられるような方が非常に旗振り役になっておられます。 先日も一橋大学の教授の方がシンガポールにいらっしゃって、海外のそれぞれの国のゲートキーパーの方のインタビューをされているということだったのですけれども、食の分野とか旅の分野とかコンテンツの分野で物すごい情報発信力、影響力のある方がどの国にもいらっしゃいまして、そういう方たちを我々が重点国と思う国でどれぐらいいらっしゃるのかを把握して、これからその人たちの活動をもっと支援していくことも重要なのかなと思いました。 ○中村座長 どうぞ。 ○瀬尾委員 このことは、今、留学生のお話が出ましたのでつけ加えれば、これは最後の自由討議のときに実は私も出そうと思ったのですけれども、コンテンツ人材を育てる、プロデューサーを育てるということと、あと、コンテンツをつくる人を育てる。こういう中向きの人材育成というものは、でこぼこはこれまでもあったかもしれないのですが、実は「JAPACON」で経産省さんの施策の中でアンバサダーという事業がありまして、日本好きな留学生をいろいろなイベントに参加させたりして「コ・フェスタ」の中でそれを広めてもらったり、いろいろ情報をフィードバックしたり、情報を発信したりという事業がありまして、そのプロモーションをお手伝いさせていただきました。 その中で、他にもいろいろな可能性はあるのですけれども、この事業は非常に私は可能性がある事業だなと思いました。これはなぜかといいますと、日本に来ている留学生は、先ほどのお話もあるとおり、優秀な、ある意味で言いますと、帰ったらそれこそかなり重要なポジションにおられるような人たちの子弟が来ているわけですよ。その人たちが日本は好きだと言ってくれているのに、それをただ帰すのではなくて、ちゃんとその興味を育てて、そして逆にこちらからいろいろなものを発信してもらう。または国へ帰ってからも発信してもらう。もしくはそこで受信をして、拡散してもらう。非常に日本好きなネットワークの一端になっていくということが可能性としてあると思います。 ですので、広く日本に来ている外国人留学生たちをどのようにこの日本文化の発信のところに参加してもらうか。これは言い方が非常に難しくて、利用とかそういうものではなくて、一緒に楽しんでもらうということで、参加してクールジャパンをしてもらうことが重要かなと私は物すごく思っています。 先ほど申し上げましたけれども、現場でも人の感覚とか肌感覚というものがコンテンツ自体を支えていますし、意外と直感しかわからない若い人たちの情熱みたいなものがコンテンツを本当に持ち上げるとしますと、きちんとそういったインテリジェンスもあり、また、日本が好きだと言って、日本で学んでいる人たちを大きくクローズアップするのは、私は今後の施策の中で小さからぬ部分を占めていってもいいのではないかなということをすごく思っていますので、ぜひそれについては何かの御検討をいただければと思います。 ○中村座長 ありがとうございます。 では、竹宮委員お願いします。 ○竹宮委員 ずっとお話を聞いていまして、せっかく生まれている、日本のコンテンツに関するファンの人たちのコミュニティーづくりがまだまだ足りないので、双方向ということを言うのであれば、やはりその場をつくっていかなければいけないのではないか。例えば、ドラえもんが大好きになった。そういう小さい子供は、やはりドラえもんのついた運動靴が欲しいと思うわけですが、ない。私たちの子供のときはそういうことが多々ありましたし、そういうものを逆に現地の産業の人々と一緒につくることも必要ではないか。 そこには、変なふうに使われたら困りますから、申し込みをして、許可だけはとって欲しいけれども、それにお金を求めない。パブリックドメインの絵柄とかを提供するようなことも必要なのではないかなと思います。そこは著作権の処理次第であると思いますので、全部が全部、全ての絵をということではなく、1種類、2種類の絵を提供する形でそういうものを広げていくのもいいのではないかなと思います。 ○中村座長 ありがとうございます。 奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員 大変興味深いプレゼンテーションをありがとうございます。 感じたことは、1つはベンチマーキングがどうなっているのかなというのがふと思いまして、韓国の話とかが出てきたわけですけれども、これまでアメリカとかヨーロッパがどういうことをしてきて、それと日本の施策の対比。それはアメリカのディズニーのやり方でもいいのですが、何かあってもよかったのではないかなという気が1つしました。 もう一点は、これは重村委員がおっしゃっていたことと重なるのですけれども、アジアでのコンテンツ産業が伸びているとすれば、それを日本に取り込むことを、こういう場、あるいは政府の取組として議論してもいいのではないかなと思いました。制作者や作家の方に日本のほうを向いてもらえれば、それは役に立つのではないかなという気もいたしますし、アジアのコンテンツが日本で受け入れられないのか、受け入れられるのか、チャンスを与えることも可能性があるのではないかなと思います。向こうの人たちにとってみれば日本のマーケットは大きく見えるはずですから、非常に魅力的な提案に映るのではないかなと思います。 例えば、アジアの放送局に日本で取材して番組をつくってもらって、日本で放送するのを手伝うとか、当然、それは母国でも第三国でも放送されるかもしれないのですけれども、そういうことを支援することまで考えてもいい時期に来ているのではないかなと感じました。 以上です。 ○中村座長 ありがとうございます。 どうぞ。 ○重村委員 今のお話に関連して言いますと、実は今、おっしゃっていたようなことをやっているのがBEAJの取組でありまして、日本のコンテンツをそのまま向こうへ持っていって放送してくれということではなくて、先方の国の放送局の側が望む、日本を知るためのコンテンツをつくる。それも基本的には日本側がつくるのではなくて、先方の国のディレクターやプロデューサーに来てもらって、それに対して日本の放送局が協力して作品をつくっていくというやり方です。今回のBEAJの6カ国10作品というものはほとんどそうなっています。 アジアの各国は今、ちょうど1980年代ぐらいの日本であるというふうに思います。その頃は我々自身がそうであったように、単純にアメリカの作品を日本に持ってきて放送するのではなくて、我々の側がよそに出ていって向こうと協力してつくろうという意識が強かったわけですから、今、アジアの国もそういう状況にある。そういう理解の上でもって、我々自身、日本のコンテンツの海外展開というものを考えていきませんと、この事業が成功していかないと思います。 ○中村座長 他にいかがでしょうか。 これまで3つのテーマについて議論をしてきていただいているのですけれども、その枠を取り払って、コンテンツ海外展開という全体に通じるテーマ、あるいは先ほど言い残したこと等があれば自由にお出しいただければと思います。 どうぞ。 ○横尾局長 重村委員に質問をさせていただきたいのですけれども、この「国際ドラマフェスティバル」の海外展開を踏まえて、最後に例えばBEAJと各関係省庁が壁を越えて密接に連携すべきということなのですが、事務局の資料にもありましたように、コンテンツの中での連携と、コンテンツとそれ以外の他産業との連携と、両方あるのですが、この9ページはある種、サクセスケースとして書いてあるのです。これをもうちょっとシステマチックにやっていくためにはどうしたらいいかということで、もしお知恵があればお願いしたいと思います。 ○重村委員 まだ、いわゆるトライアル段階であるわけですから、これから先、どんどん進めていかなければいけないわけですけれども、例えばJETROであるとかJNTOであるとかがビジット・ジャパンやクールジャパンのイベントを海外で開くときに、みんな個別にやっていても意味がないであろう。 なおかつ、海外でイベントをやる場合は集客力というものが非常に重要になってくるわけですが、放送コンテンツとか音楽コンテンツとかをメインに据えてやる場合というのは集客力を持ってくるわけです。当然、その場所に集まってきた人間は、ある意味で日本のイベントに関心を持ってきたわけですから、例えば会場近くとかホテルとかで日本関係のイベントをやっていれば非常に効果が出てくるのではないか。 これは観光庁の方がおっしゃっていたのですけれども、前回バンコクでやったときには、今まで単独で日本観光展をやっていたときに比べて、1日で3倍ぐらいの客が来たと言っていました。それは上の階でイベントをやっているわけですから、降りてくれば当然、日本の観光展を見ていこうという形で出てくるというのが一つあります。 もう一つは、これは韓国なんかがうまくやっていますけれども、やはり日本のコンテンツを出した場合、そのコンテンツのロケ地とか舞台になっている部分の土地のPRであるとか、それから商品、そこで扱っている産品をプロモートするようなことも協力してやっていくべきでしょう。 BEAJのいろいろな取組の中で言いますと、地方の活性化に寄与するという形もあります。インドネシアにJKT48というAKB48の姉妹グループのようなタレントがいるわけですけれども、そこの人間を日本に呼んできて、日本の伝統産業のつくり方の勉強をするとか、それにトライするみたいな番組をやっていたわけなのですが、その地方の特産品、伝統的な日本の工業品、先端商品をその放送と同時に向こうで紹介していくような物産展を開くことはできるはずですから、各省庁や団体が速やかに連絡できる構造があればいろいろできるのではないかと思っています。 ですから、常に何かをやるときに、これはいわゆる他の産業分野にも活用できるのではないかという意識をみんなが持つことが大事なのではないかと私は思っています。 ○中村座長 原山委員、どうぞ。 ○原山委員 初めて参加させていただいて、自分の体験からお話しさせていただきます。 ヨーロッパとかに長くいたときなのですが、1つはやはり日本に興味を持って留学生が日本に来て、昔は日本の文化とかはかなりトラディショナルな考え方で来ているのですけれども、今の子供たちはいわゆる専門性を高めると同時に、日本のポップカルチャーが好きなので日本に来ましたという、モチベーションの大きな一つになっていることが確かで、それをうまく活用していくのかなというのがあります。 それから、今度は外の話なのですけれども、ヨーロッパなんかを見ていますと、今、セカンドジェネレーションの子供たちが、日本のアニメとかにお父さんの代で親しんだのが、子供たちが親しんで、親子で楽しんでいる時代になっているのです。その辺をうまく活用していきますとおもしろい。 もう一つは、先ほどの議論の中に、相手国に合わせていくという考え方があるのですけれども、同時に、どうして日本のアニメが好きなのかといいますと、全く自分たちのカルチャーと異なる次元の話が出てきていまして、日本的なものがおもしろくてというところがありますので、そのバランスをどうやってとっていくかが一つ課題になるのかなというのを問題提起させていただきました。 ○中村座長 ありがとうございます。 他にいかがでしょうか。 どうぞ。 ○重村委員 1つだけ、宮野さんなんかはよくおわかりなのだと思うのですけれども、私どもが非常に危機感を持っている部分は、多分インドネシアは日本のコンテンツは受けないと言いましたが、アニメではマレーシアのコンテンツが物すごく受けているのです。それからドラマに関しては、最近の視聴率調査を見ますと、インドの劇映画がベスト10の中に5本ぐらい入っているのだそうです。 ですから、我々が油断しているうちに、アジアの中でもマレーシアとかインドとか、タイなんかもそうですけれども、どんどん力を蓄えてきているということは常に意識していかなければいけない問題であろうと私は思っております。 ○中村座長 よろしいでしょうか。 いろいろ議論を深めていただきまして、大ざっぱに事務局が出してくれた中身で言いますと、まずコンテンツをつくるということと、コンテンツを売るということと、横連携をするという、そういった方向でまとめていただいています。それで今日の資料の中にも、それを担うべきプレーヤーとしてクールジャパン機構とかBEAJ、J-LOP、VIPO、JETRO、国際交流基金、そして各省庁と、いろいろプレーヤーがいて、それぞれ頑張りましょうと。やるべきこととしても、権利処理とか双方向化、放送枠の確保、あるいは人材育成、いろいろと、これをやれという項目を出していただいたと思います。 認識としては、施策は増えてきてはいますけれども、危機感を持てという御発言もありましたので、そういった項目を軸にしながら次の計画の記述をまずは事務局で進めていただくことになろうかと思いますが、もし皆さんで今日言い残したこと、あるいはこういったことももっと追加すべきではないかということがありましたら事務局のほうに、メールでも何でも結構ですので、お寄せいただきたいと思います。 そういうことで、議論としてはこのあたりにしたいと思いますが、今日の議論について、副大臣、ずっとお聞きいただきましたけれども、ぜひとも総括をいただければと思います。 ○平副大臣 ありがとうございました。 役所とか公的な機関のところは、いろいろな御指摘をいただきましたけれども、やはり情報共有をして、ビジネスマインドを持ってやるところが少し欠けているかなと思います。特にイベント等は、これは仕組みをつくりたいと思います。ばらばらやっていたり、日本の主体自体が同じイベント会場をとり合っていたりというお話も聞いておりますので、しっかりやっていきたいと思います。また、補助金なのか、ファンドなのかという、お金の種類によって組み立て方が違うと思いますので、そういうビジネスを組み立てていく中で何が足りないのかといったところもしっかり埋められるようにしてまいりたいと思いました。 また、アジアで結局、SNS等があって、影響力を持つ人の種類といいますか、タイプが変わってきているというのは本当に痛感します。一方で、ファンの人がたくさんいるにもかかわらず、そのネットワークをうまくアクセスできていない、活用できていない、コミュニティーができていないというのはまさにそのとおりだと思います。これから地方創生やビジット・ジャパン、そういうところの活用といいますか、うまくアクセスする必要があると思いますので、問題意識としてしっかり持って帰りたいと思っております。 また次回の議論を経て知的財産推進計画2015や成長戦略の策定に生かしてまいりたいと思います。今日は本当にありがとうございました。 ○中村座長 では、次回の会合について、事務局からお願いします。 ○中野参事官補佐 次回の委員会は、4月27日月曜日の午後1時からということで、今年に入ってアーカイブ及びコンテンツ海外展開に関する集中討議をいただいたところの取りまとめということで開催したいと考えてございます。詳細は、決まり次第、事務局よりまた御連絡させていただきます。 ○中村座長 では、閉会といたします。 どうもありがとうございました。 |