検証・評価・企画委員会(第1回)



日 時:平成26年10月20日(月)10:00~12:00

場 所:中央合同庁舎8号館 416会議室

出席者:
【委 員】 相澤委員、荒井委員、大﨑委員、奥山委員、角川委員、喜連川委員、久夛良木委員、
後藤委員、斉藤委員、重村委員、杉村委員、瀬尾委員、妹尾委員、中村座長、野口委員、
前田委員、宮川委員、山本委員、渡部座長、奥村参考人、佐藤参考人、吉沢参考人
  
【政 務】 山口大臣
  
【事務局】 横尾局長、増田次長、作花次長、田川参事官、田口参事官、北村参事官、廣重企画官

  1. 開会
  2. 議事
    (1)構成員の紹介
    (2)「知的財産政策ビジョン」の検証について
      ①「知的財産推進計画2014」の各施策の取組状況
      ②クールジャパン戦略のこれまでの動き
      ③質疑・意見交換
  3. 閉会


○田川参事官
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回「検証・評価・企画委員会」を開催させていただきます。
 本日は、御多忙中のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。
 私は内閣官房知的財産戦略推進事務局参事官、田川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本委員会は、昨年6月7日に知的財産戦略本部において決定された知的財産政策ビジョンの実行を図るため、昨年10月25日に知的財産戦略本部本部長決定により開催されることとなりました有識者会議でございます。
 本年7月に策定いたしました「知的財産推進計画2014」の検証及び来年度の計画策定に向けて、是非有識者の皆様の優れた御知見を拝借したいと思っております。
 大臣、御到着が遅れておりますが、それでは、先に委員の方の御紹介をさせていただきたいと思います。
 新しいサイクルでの第1回の会合ということでございますので、本委員会の委員の紹介をさせていただきたいと思います。
 相澤英孝委員でいらっしゃいます。

○相澤委員
 相澤でございます。

○田川参事官
 荒井寿光委員でいらっしゃいます。

○荒井委員
 よろしくお願いします。

○田川参事官
 大﨑洋委員でいらっしゃいます。

○大﨑委員
 大﨑でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○田川参事官
 奥山尚一委員でいらっしゃいます。

○奥山委員
 奥山です。よろしくお願いします。

○田川参事官
 角川歴彦委員でいらっしゃいます。

○角川委員
 角川です。よろしくお願いいたします。

○田川参事官
 喜連川優委員でいらっしゃいます。

○喜連川委員
 喜連川です。

○田川参事官
 久夛良木健委員でいらっしゃいます。

○久夛良木委員
 久夛良木です。よろしくお願いいたします。

○田川参事官
 新しく委員に就任されました、後藤和子委員でいらっしゃいます。

○後藤委員
 後藤です。よろしくお願いいたします。

○田川参事官
 斉藤正明委員でいらっしゃいます。

○斉藤委員
 よろしくお願いします。

○田川参事官
 重村一委員でいらっしゃいます。

○重村委員
 重村でございます。

○田川参事官
 杉村純子委員でいらっしゃいます。

○杉村委員
 よろしくお願いいたします。

○田川参事官
 瀬尾太一委員でいらっしゃいます。

○瀬尾委員
 よろしくお願いします。

○田川参事官
 妹尾堅一郎委員でいらっしゃいます。

○妹尾委員
 妹尾でございます。よろしくお願いします。

○田川参事官
 中村伊知哉先生でいらっしゃいます。

○中村座長
 中村でございます。

○田川参事官
 野口祐子委員でいらっしゃいます。

○野口委員
 よろしくお願いいたします。

○田川参事官
 新しく委員に就任されました、前田裕子委員でいらっしゃいます。

○前田委員
 前田です。よろしくお願いいたします。

○田川参事官
 宮川美律子委員でいらっしゃいます。

○宮川委員
 よろしくお願いいたします。

○田川参事官
 山本貴史委員でいらっしゃいます。

○山本委員
 よろしくお願いします。

○田川参事官
 渡部俊也委員でいらっしゃいます。

○渡部座長
 よろしくお願いいたします。

○田川参事官
 なお、井上由里子委員、川上量生委員、齋藤茂委員、迫本淳一委員、竹宮惠子委員、長澤健一委員、中山元委員、松本絋委員、山田メユミ委員におかれましては、所要のため御欠席でございます。
 また、木田幸紀委員、日覺昭廣委員、長谷川閑史委員におかれましても本日御欠席でありますが、代理の参考人として佐藤公様、吉沢浩明様、奥村洋一様にそれぞれ御出席をいただいております。
 それでは、ここで大臣から一言御挨拶をいただきます。

○山口大臣
 皆さん、おはようございます。今日は大変御多忙中のところ、こうしてお集まりをいただきまして、本当にありがとうございました。
 先月、知的財産戦略担当大臣を仰せつかりました山口俊一でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 昨年6月に知的財産戦略本部におきまして、今後の10年間を展望して、世界最高水準の知財立国を実現するということを目標とした知的財産政策ビジョンを決定いたしたところでございます。その策定に当たりましては、本日ここにお集まりをいただきました有識者の皆様方に大変な御協力を賜りまして、心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 この検証・評価・企画委員会というのは、知財ビジョンの各施策の取組状況について、有識者の皆様方による客観的な評価や検証を行っていただき、PDCAサイクルを通じて各施策の着実な実行を確保し、さらに深堀りしていくべき課題を把握していただいて、次の推進計画につなげていくための会議でもございます。安倍政権が掲げております成長戦略を強力に推進していくには、イノベーションを通じて知的財産を創造して、その確実な保護と積極的な活用を図っていく。この知財のサイクルをしっかりと回していくことが重要でございます。
 皆様方におかれましては、それぞれの分野で高い知見を有しておられる方々ばかりでございますので、どうか率直な御意見、また、御提言をいただきまして、ぜひとも議論を盛り上げていっていただければと思う次第でございます。
 本部員の皆様を含め、昨年から本委員会の委員になっていただいております方々に加えまして、今回新たにお2人の方に委員に御就任をいただき、座長には産業財産権分野を代表して渡部俊哉委員、また、コンテンツ分野を代表して中村伊知哉委員に引き続いて共同座長をお願いできればと思っておる次第でございます。両座長のイニシアチブのもとに、本委員会における議論が実りある成果につながっていきますように心から期待をさせていただきまして、私からの御挨拶とさせていただきたいと思います。どうぞ委員の皆様方、よろしくお願いいたします。

○田川参事官
 委員の皆様には、お手元に大臣からの指名書を配付いたしております。御覧いただければと思います。
 続きまして、本委員会の座長に就任いただきました渡部委員、中村委員から、一言ずつ御挨拶をいただきたいと思います。

○渡部座長
 昨年に引き続きまして座長を務めさせていただきます、渡部でございます。
 昨年、皆様の御議論をいただきまして営業秘密保護法等について提言を出させていただいて、これは今まで知財部の方々の関心を超えて、経営者の方々の関心も呼んで、非常に注目される施策になったのではないかと思いますが、それゆえにますます一般の国民の方にわかりやすい、どうしてそういう施策なのかということをいろいろ検討して、わかりやすくしていくということが必要になってきていると感じております。
 今後とも、そのような観点も含めて御協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○中村座長
 中村伊知哉でございます。
 コンテンツの分野、この数年でさま変わりいたしました。スマートフォンやソーシャルメディアの普及で産業構造も激変をしております。そのデジタル対応と海外展開を強化するために、この知財の政策もメニューが充実してきましたし、前のラウンドでは音楽とアーカイブのタスクフォースもつくられまして、深堀りも行われました。さらに、東京オリンピック・パラリンピックに向けての具体的なアクションも重要になってきております。
 しかし、問題は成果だと思います。コンテンツが元気になって、クールジャパンが海外で認知されたという実態を生むことを重視していきたいと考えております。
 実は私、今朝ここに着く前に、首相官邸の前で、そんな不審な格好をしてどこへ行くのだとお巡りさんにとめられました。私は知財、クールジャパンの仕事をするようになって、4年前からこの格好をしているといいますかさせられているわけですけれども、まだまだ東京の、日本の真ん中で和服だからといってとめられるというのは、自分も努力が足りないなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○田川参事官
 ありがとうございます。
 ここからの議事進行につきましては、渡部座長にお願いをいたします。よろしくお願いいたします。

○渡部座長
 ありがとうございます。
 まず最初に、座長代理の指名についてでございますけれども、引き続き産業財産権分野については妹尾委員、コンテンツ分野については久夛良木委員に座長代理をお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 それでは、知的財産政策ビジョンの検証に早速移らせていただきたいと思います。

○山口大臣
 済みません。よろしくお願いいたします。
(山口大臣退室)

○渡部座長
 まず「知的財産推進計画2014」の各施策の取り組み状況について議論を行いたいと存じます。
 事務局において本年7月に決定された「知的財産推進計画2014」に盛り込まれた各施策の実施状況等について、関係府省よりヒアリングをして整理をしておりますので、事務局からそれについて説明をお願いいたします。

○北村参事官
 まず産業財産権分野につきまして関係省庁からヒアリングを行った結果について、資料1に基づいて、また、参考資料5の「知的財産に関する基礎資料」も随時参照しながら御説明をいたします。
 まず、資料1の構成ですが、表紙の目次にございますとおり、推進計画2014と同じ見出しとなっております。
 産業財産権分野は、第1及び第2の合計7項目でございます。
 まず1ページ目、第1の項目ですが、「『世界最速・最高品質の特許審査』の実現及び知財システムの国際化の推進」です。参考資料5の12ページもあわせて御参照いただければと思います。
 これまで特許の審査請求から1次審査までの期間を11カ月とするという目標に取り組み、それを実現したところですが、今後は権利化までの期間を半減させて、14カ月以内とすることを目標としております。あわせて品質管理もしっかり行って、その日本の審査結果を海外に発信し、海外でも強い権利をとれる知財システムを実現するというのが推進計画2014の記載でございます。
 これについての関係府省の取り組みですが、1ページ目の取組例の①に記載されていますように、現在、任期付審査官、通常審査官合わせて100名以上の定員要求をしており、また、②にございますとおり、先行文献調査の拡充として106億円を予算要求しているところであります。
 また、品質については、③にありますように、9月に品質管理省委員会を設置して品質に係る議論を開始しており、さらに④にありますとおり、特許のみならず意匠・商標についての品質向上の取り組みも開始しております。
 そして、⑤、⑥にありますように、審査・審判のサービスを地方へ展開するために、出張面接審査・テレビ面接審査を着実に実施するとともに、面接審査の拡充のためのガイドラインの改訂を10月に実施してございます。
 ⑦~⑩は特許権の権利行使に係る取り組みであります。参考資料の14ページもあわせて御参照ください。
 我が国の特許訴訟における特許権者の勝訴率は23%ということですが、その敗訴の一因である特許の無効をなくして、安定性を高めるための調査、実態分析について進めるということが⑦、⑨に記載をしてございます。
 また、⑧にありますように、標準必須特許に係る権利行使のあり方については、競争法の観点から今後調査を実施するということで進んでおるところでございます。
 日本の審査結果の海外展開については、⑪~⑬にありますようにアジア諸国への審査官派遣を拡大するということで合意し、アジアのみならずコロンビアとの協力覚書を8月に締結して、南米への展開も進めております。
 そして⑭にありますとおり、アメリカの国際特許出願、PCT出願の審査の一部を実施する審査協力につきまして、具体的な調整を現在進めているところでございます。
 次、第2の項目ですが、資料1の4ページ、「職務発明制度の抜本的な見直し」です。
 こちらについては、17日の産構審特許制度小委にて従業員への現行の法定対価請求権、またはそれと同等の権利の保障、インセンティブのためのガイドラインの策定、特許を受ける権利の法人帰属といったことを骨子とした案が提示されて、議論がなされたというところでございます。
 続いて第3の項目ですが、資料1の5ページ「営業秘密保護の総合的な評価」になります。
 推進計画2014では「国」の取り組み、「企業」の取り組み、「官民の連携」という三位一体の総合的な取り組みを進めることとされています。
 営業秘密保護法制については、①にございますように、今年9月に審議会を設置いたしまして、次期通常国会の法案提出を目指した議論が開始されました。また②にありますように、営業秘密の判例分析や、諸外国の保護法制の現状等についての調査を実施しておるところです。
 営業秘密管理指針の改訂については、④にありますとおり、特に秘密管理性要件について9月に立ち上げた審議会で議論がなされております。そして、⑤にありますように、営業秘密管理のベストプラクティスに係る調査を10月から実施しております。
 ワンストップ支援体制については、⑥にありますように、相談員の公募を実施しておるところです。
 そして、⑦にございますとおり、捜査当局との連携についても省庁間での協議が現在行われております。
 続いて、第4の項目は、7ページの「国際標準化・認証への取組」になります。
 今年5月に標準化官民戦略が策定されましたが、これを踏まえて、①にありますとおり8月には標準化官民戦略会議幹事会が設置されました。ここで今後具体的に取り組む事項を明確化して、実施やフォローアップがなされることとなります。
 また各省庁においては、②に記載されています各種事業を実施しているところです。
 そして③にありますように、JSAや特定の企業みずからが国際標準を提案できる仕組みを構築して、今年の7月から運用を開始しております。
 標準化の中小支援としては、④にありますとおり標準化活用事例の紹介などの普及啓発活動を実施して、6月には相談窓口を設置いたしました。
 5番目の項目については、9ページの「産学官連携機能の強化」になります。
 推進計画2014では、中小・ベンチャー企業が大学と連携することで、大学の知をさらなるイノベーションにつなげるための取り組みが必要であること等が記載されております。
 そのための関係府省の具体的取り組みとして、②にありますように、日本版バイ・ドールの運用の見直しのため、国の研究開発の知財マネジメントにおける具体的な論点を洗い出すための調査事業を9月から実施しております。
 ③にあるように、各大学等に散在している特許をJSTが集約して活用促進を図るべく、どの特許を集約するかを決定する知財審査委員会を9月から開始して、既に十数件の特許を集約対象として決定しており、引き続き審査委員会を実施していくということになっております。
 ④にあるように、外国出願支援のための審査委員会を数多く開催しておりまして、8月末現在で290件の大学特許の外国出願支援を決定しております。
 第6の項目ですが、11ページにございます人材育成の場の整備です。
 ①には、大企業の経営層を対象とした人材育成事業の教材開発を行ったり、②にありますように、中小・ベンチャーを対象とした各種知財研修を随時実施しております。
 ③にあるように、世界の知財人材の確保のため、英語による知財教育プログラムの予算要求を行ったり、④、⑤にある国際化に対応できる弁理士や法曹人材強化に向けて海外の知財実務研修を実施したり、国際化に対応できる法曹人材の育成に向けた検討も行われております。
 最後、7番目の項目になりますが、13ページの中小・ベンチャーの支援強化であります。
 推進計画2014では、中小・ベンチャー企業の海外展開に際して、「人材」「資金」「情報」の3つの観点から施策を講じていくこととしています。
 中小企業の現状については、参考資料5のほうもあわせて参照したいと思います。
 参考資料5の19ページを御覧いただくとおわかりですが、我が国の特許出願は、全体としては減少傾向にありますけれども、右のグラフ、中小企業による特許出願件数は、微増傾向にございます。
 参考資料の21ページになりますが、中小の海外出願率は、大企業に比べるとまだ低いというのが見て取れるかと思います。
 同じ資料の23ページを見ますと、知財の取得により融資上のメリットを受けたとする中小企業が25%程度あるということがわかります。
 次の24ページにありますように、外国出願費用の助成のニーズが高いということがおわかりいただけるかと思います。
 こういった中小企業と知財の現状を踏まえた上で、関係府省の取組例を、資料1に戻りまして御説明を申し上げます。
 資料1の13ページですが、まず①にありますように、全国47都道府県にある「知財総合支援窓口」の体制強化のための予算要求を行っており、窓口に配置する弁理士・弁護士の拡充を図る予定であります。
 ④にありますとおり、特許電子図書館のユーザーインタフェースを刷新して、中小企業にも使いやすくするよう、来年3月には新たなシステムを稼働いたします。
 そして、知財に着目した中小への融資を促進するために、⑤にあるように知財ビジネス評価書の作成支援を実施しており、知財に注目した融資活動をさらに普及啓発するための予算を要求しております。
 中小企業の海外展開を支援すべく、⑥にあるように、今年7月には海外知財アドバイザーの体制を強化したり、⑪にありますように、新興国データバンクのさらなる充実のための予算要求を実施しております。
 さらに⑫にあるような、海外進出時の成功事例並びに失敗例の収集とその開示について検討を行っております。
 ⑭に記載しましたように、海外で知財訴訟に巻き込まれるリスクに対処するため、リスク対応マニュアル作成のための調査事業を実施する予定であります。
 15ページになりますが、⑮にあるような中小支援活動の料金減免の周知の強化とか、⑰にあるような補助金の申請拠点の拡大や様式の同一化に取り組むとともに、専門家を派遣して海外進出した中小企業を支援すべく、⑲にあるように、10月から弁理士1名をジェトロバンコクに派遣したり、⑳にあるように、法曹有資格者を派遣するための予算要求を行っているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、産業財産権関係の関係省庁の取り組みの御紹介となります。

○田口参事官
 産業財産権関係に引き続きまして、コンテンツ分野について各省よりヒアリングした結果について、かいつまんで説明をさせていただきます。
 まず、コンテンツ分野に係る資料の構成でございますが、資料1の表紙をまた御覧いただきたいと思います。
 知財ビジョン及び推進計画2014の見出しと同様でございまして、第3及び第4にある合計5項目について、コンテンツ関係としては取りまとめを行っております。
 資料1の16ページを御覧いただきたいと思います。最初の「デジタル・ネットワークの発達に対応した法制度等の基盤整備」についてでございます。
 知的財産政策ビジョンにおいて、クラウドサービス等の新たな産業の創出や拡大を促進する観点から、著作権制度等のあり方について検討を行い、必要な措置を講じるとされていることを踏まえ、推進計画2014においては、クラウドサービス等の検討について加速して検討を行い、結論を得ることとされているところでございます。
 16ページの【関係府省の主な取組例】の①にあるように、著作権制度の改善に関しては、クラウドサービスを円滑に行うためのライセンシング体制の構築など制度のあり方等について、文化審議会著作権分科会の小委員会において精力的に検討が行われております。最近ですと、ほぼ月に2回程度の頻度で集中的な検討が行われているところでございまして、取りまとめに近づいている状況でございます。
 また、教育の情報化に関してでございますが、推進計画2014の策定に向けても、委員の方々からさまざまな御意見をいただいていたところでございます。
 ③、④といったところでございますが、昨年までの実証実験を踏まえつつ、26年から3カ年の計画で次のステップに向けた実証実験が関係府省により開始されております。また、学習者用デジタル教科書についての教科書検定のあり方等に係る検討課題を本年度中に整理するなど、本格的な検討に向けた準備が進められているところでございます。
 次に、18ページからの「アーカイブの利活用促進に向けた整備の加速化」についてでございます。デジタルアーカイブについては、推進計画2014の策定に向けタスクフォースを設置し、精力的に御検討いただいた分野でございます。
 推進計画2014で示された課題は、18ページの上の枠囲いにあるとおり、アーカイブの利活用の活性化を図るため、提供可能な情報の充実や、情報利用者が活用しやすくするための取り組みを加速することと、文化資産としての保存承継がおくれているメディア芸術の分野における国としての取り組みや支援を講じていくことが課題であると指摘されていたところでございます。
 これらの指摘を踏まえた関係府省の取り組みとしては、①にございますように、従前に保存の対象とされていなかった文化関係資料に係るアーカイブの仕組みについての調査研究や、従来から取り組んできたメディア芸術分野におけるデータベースの本年度中の構築ということが行われていく予定でございます。また、新たな取り組みとして「メディア芸術連携促進等事業」について予算を要求しているところでございます。
 アーカイブに係る著作権処理等の円滑化に関してでございますが、④のところになりますが、大きな制度改善に関しては、現在、著作権分科会の小委員会において鋭意検討が行われているところでございます。本日も、この会議と同じ時間帯に文化庁において検討が進められております。
 また、やれることからすぐに取り組むということで、著作権者不明の裁定制度に関しまして、探索に係る要件を緩和することや運用の改善をすることにつきまして、8月1日付で取り組みが行われているところでございます。
 次に、20ページからの「コンテンツを中心としたソフトパワーの強化」についてでございます。
 第1に「コンテンツの海外展開促進とインバウンドとの連携」についてでございます。このテーマに関しましては、推進計画2014の策定に向け、音楽産業をモデルケースとしたタスクフォースで検討を進めてきたところでございます。
 主な課題としましては、20ページの上の枠囲いにあるように、我が国のコンテンツ産業の海外収入額等が、コンテンツの我が国の市場規模に比しても小さい状況にあり、海外での売り上げの拡大や、周辺産業等への裾野の拡大といったことにつなげていくことが大きな課題であるということでございます。
 この点に関して、幾つかの資料を準備させていただいております。参考資料5の「知的財産に関する基礎資料」を御覧いただきたいと思います。
 まず、26ページを御覧ください。世界のコンテンツ市場は右上がりでの成長が予測されておりますが、日本のコンテンツ市場はここ数年横ばいの状況でございます。
 次に、28ページを御覧いただきたいと思います。海外主要都市における日本のコンテンツの視聴実態に関する調査でございますが、アジアの各都市において日本のコンテンツは一定の人気を誇っているところでございます。
 また少しページが飛びますが、36ページを御覧いただきたいと思います。我が国のコンテンツの海外輸出の状況に関する資料を用意させていただいております。
 このような現状を踏まえて、関係府省においてどのような施策が今年度推進計画2014を踏まえて行われているのかということでございますが、コンテンツの海外展開支援としては、①にございますように、J-LOP助成基金がございます。補正予算により合計155億円の基金が設けられましたが、同基金によるローカライズ、海外プロモーションの支援が現在行われております。この基金に係る助成は、来年3月までの交付決定で終了し、現実の助成金の交付は、27年12月までの予定でございます。
 政府の支援として、クールジャパン機構による支援が本格化し始めてございます。②にございますように、日本のコンテンツの海外発信と、地域産品やインバウンド需要拡大のため、プロジェクトの具体化に向けた検討というものが進んでいるところでございます。出資を通じた機構による支援は、今後次々と具体化されていくことが見込まれているところでございます。
 放送番組の海外展開に関してでございますが、③にございますように、放送コンテンツ海外展開促進機構の協力のもと、1)で放送枠を活用したコンテンツの発信といったことや、3)で地方発の産業振興・地域活性化を目的とした放送コンテンツの発信などのモデル事業を実施しているところでございます。
 総務省においては、放送コンテンツの海外展開に関しまして、予算要求も行っているところでございます。
 インバウンド施策との連携に関しましては、⑧~⑫のような施策が講じられているところでございます。21ページのところでございます。
 「(異分野との連携・官民一体となった施策推進)」の箇所でございますが、22ページの⑯を御覧いただきたいと思います。コンテンツの海外展開を図る放送コンテンツ海外展開促進機構(クールジャパン機構)、そしてインバウンド等の施策を講じている日本政府観光局は、それぞれの取り組みの連携を図るため、覚書の締結や積極的な意見交換というものを実施しているところでございます。
 23ページの「模倣品・海賊版対策」に関してでございます。
 海賊版対策等の現況に関しましては、参考資料5の42ページからのところにデータを掲載してございます。
 42ページのデータからわかるように、模倣品・海賊版により、引き続き我が国に深刻な被害が生じている状況でございます。43ページになりますが、最近ではインターネットによる被害といったものも深刻化しているところでございます。
 コンテンツの海外展開に着目しますと、その海外展開を成功させるためには、正規品が流通する環境の整備として海賊版対策が不可欠なところでございます。
 資料1の23ページにお戻りいただきたいと思います。各省の取り組みでございますが、①を御覧ください。現在、海賊版対策と正規版流通促進を一体的に促進する取り組みが、経産省の支援のもと実施されているところでございます。
 また、それ以下の項目になりますが、関係各省庁によりまして、海賊版等の摘発強化のための取り組みや、国内取り締まりの強化に向けた取り組みが、引き続き積極的に展開されているところでございます。
 最後になりますが、コンテンツ関係の人材育成に関する取り組みでございます。ページとしては、資料1の25ページからのところでございます。
 推進計画2014においても、引き続きソフトパワーを強化し経済成長につなげていくためには、海外コンテンツを視野に入れたコンテンツを制作することができる人材を育成していくことの重要性が指摘されているところでございます。
 各府省における取り組みとしては、下のほうの枠囲いのところでございますが、①の国際的に活躍するプロデューサー人材の育成に向けた取り組みが引き続き実施されておりますし、②の産業界と専門学校、大学とが協働し、プログラム開発をする取り組みについてにも引き続き支援が行われているところでございます。
 「(若手クリエーターの育成・発表の機会の提供)」といたしましては、⑤になりますが、多様な研修機会の提供の観点から、26年度からは短期研修が新設されるとともに、新たに国内外の実践家等の交流する機会を提供する事業について予算要求が行われているところでございます。
 ⑦以下の箇所ですが「(コンテンツ制作現場の環境の改善・取引の適正化)」に関しては、策定されたガイドラインに係る普及啓発の取り組みが関係府省においてとり行われてございます。
 大変駆け足になりましたが、コンテンツ関係の関係府省の取り組み状況に関しましての説明は以上でございます。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 知的財産推進計画について、産業財産権とコンテンツ関係について取り組み状況を御説明いただきました。
 関連しまして、クールジャパン戦略に関する議事という形で進めさせていただきたいと思います。
 クールジャパン戦略は、我が国の魅力あるコンテンツ・ファッション・食などを国外へ効果的に発信するための戦略ということでございますが、今回、山口大臣が知的財産戦略とクールジャパン戦略の両方を担当することとなったこともあり、両戦略の連携を図っていくことが望まれるところでございます。
 クールジャパン戦略のこれまでの動きについて、事務局から説明をお願いしたいと思います。

○廣重企画官
 資料2に基づきまして、「クールジャパン戦略のこれまでの動き」ということで御説明をさせていただきます。
 資料2、横版のものを御覧ください。1ページ目でございます。
 そもそも第2次安倍内閣におきましては、初代クールジャパン戦略担当大臣といたしまして稲田大臣が任命されました。知財計画2012までは、知財計画の1項目としてクールジャパンの推進ということが挙げられておりましたが、クールジャパン戦略担当大臣の任命ということで、大臣が分かれたことになりました。それに伴いまして、クールジャパン戦略というのは知財本部とは違う動きで検討をされてきた経緯がございます。
 資料1の1ページでは「クールジャパン推進会議」「CJムーブメント推進会議」の2つの会議ということで御紹介をさせていただきます。
 「クールジャパン推進会議」、左側の会議でございますけれども、初代のクールジャパン戦略担当大臣が任命された後、平成25年3月から5月にかけまして、計4回実施されております。クールジャパン推進会議、メンバーといたしましては各省の副大臣クラス、民間からは各分野を代表するような有識者の方7名にお集まりいただきまして、開催されております。
 その下、平成25年4月には、同推進会議の下に、ポップカルチャーに特化した形で若者の視点から提言してもらうということで、「ポップカルチャー分科会」が設置されております。
 これらの議論を踏まえまして、平成25年5月でございますけれども、2つのアウトプットが出ております。1つは「基本的考え方」というものでございまして、クールジャパンとは、端的に言えば国民参加型の社会的な運動であるという考え方を打ち出しております。
 その下「アクションプラン」というものでございますが、各省交えまして、具体的にクールジャパン戦略を推進するに当たってアクションプランというものを策定しております。発信力強化のための19の具体的な方策を提示してございます。
 これまでがクールジャパン推進会議第1期の取り組みでございます。
 次、右側の「CJムーブメント推進会議」でございますが、第1期「基本的考え方」にもありましたとおり「クールジャパンとは、国民参加型の社会的な運動である」ということを踏まえまして、クールジャパンのムーブメント、国民的な運動を盛り上げるということで「クールジャパンをデザインする」ということを副題にいたしまして、通称でございます「第2期クールジャパン推進会議」を開催いたしております。平成26年4月から8月まで、計5回開催してございます。第1期とは違いまして、この会議は稲田前戦略担当大臣の私的諮問機関という位置づけで開催されております。
 そのアウトプットといたしましては、同じく2つございまして、平成26年8月ですけれども「ミッション宣言」ということで、クールジャパンのミッションとは何かということで、クールジャパンの対象が広がってございますのでかなり広目にとりまして、「世界の課題をクリエイティブに解決する日本」ということをミッションとして提示してございます。
 その下でございますが、「クールジャパン提言」ということで、そのミッションを達成するために具体的な32のアクションというものを提案してございます。
 1枚おめくりいただけますでしょうか。それぞれの会議体につきまして、メンバーをまとめてございます。
 昨年度開催された第1期のクールジャパン推進会議でございますが、政府側からは稲田前大臣と各関係府省の副大臣クラス。それに加えまして、民間議員7名の方が参加してございます。本委員会の角川委員も、メンバーの一員として加わっていただいております。
 その下、ポップカルチャー分科会ということで、これは有識者4名の方。本委員会の中村座長も、委員の一員として加わっていただいております。
 それから、今年度行いましたCJムーブメント推進会議でございますが、これは基本的には若手の方を中心に開催しております、デザイナーの太刀川さんをコンセプト・ディレクター、委員長といたしまして、30代中心の方。タレントの方であるとか、バイオリニストの方、若手の第一線で活躍する政府関係機関あるいは民間企業の方を中心に議論を進めてまいりました。
 1枚おめくりいただけますでしょうか。
 第1期クールジャパン推進会議の成果物であります「『アクションプラン』の概要」をここに掲載しております。
 25年5月につくられましたもので「トータルコーディネート」「一緒に」あるいは「きっかけ」「みんなで」あるいは「愛され方」「ストーリー」「育てる」というようなキーワドに基づきまして、19ほど開催しております。
 例えばですが、「(1)『トータルコーディネート』、『一緒に』」ということで、食、ものづくり、コンテンツ等の幅広い分野の連携ということで発信をしていこうということでございます。
 続きまして、もう1枚めくっていただけますでしょうか。
 これは第2期クールジャパン推進会議の成果物でございます。「クールジャパン提言」というものでございまして、ミッションといたしましては「世界の課題をクリエイティブに解決する日本」ということで提案してございます。
 このミッションに基づきまして、各メンバーがそれぞれ望ましいと思う具体の施策を書いてございます。第1ステップで「国内の成長を促す」、第2ステップで「国内と海外を繋ぐ」、第3ステップで「世界の役立つ日本へ」ということで、具体のアクションを書いてございます。
 例えばですが、第1ステップでAの1「クールジャパン授業の実施」ということで、若者にクールジャパンを、子供たちにクールジャパンの魅力的な授業をやっていきたいという提言を書いてございます。あるいは第3ステップでございますが、例えばIの1「JAPAN LABOの創設」というようなことで、広く民間の方が参加できるようなクリエイティブ活動の場としてのJAPAN LABOというものを創設したらどうかということで提案されております。
 これらにつきましては、関係府省を集めまして連絡会というものを開催してございます。第1期のアクションプランにつきましては、フォローアップという形で各種の取り組みを注視しております。
 また、第2期の「クールジャパン提言」というものについては、要はアイデアの種でございますので、各省にこういったアイデアで施策を考えてくれないかということで投げかけいたしまして、今回回答が返ってきたものでございます。現在、その回答を精査しているところでございます。
 私からは以上でございます。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 それでは、ここから先は委員の皆様方の意見交換の時間にさせていただきたいと思います。ただいま事務局から説明のありました内容への質疑、御意見等を含めて、自由闊達に御議論いただければと思います。
 本日は第1回ということでございますし、今回少し委員がふえました。全体31名で、お一方2分で1時間を超えるという体制になっておりますけれども、きょう少し御欠席の方がおられますので、お一方3分以下を目安で、済みませんが御発言をいただければと思います。
 それでは、よろしくお願いします。どなたからでも結構でございますが、いかがでしょうか。
 では、大﨑先生。

○大﨑委員
 発言の機会をいただきましてありがとうございます。そして、御丁寧な説明をいただきました。感謝いたします。
 これからの日本は、ソフトパワーで勝負をしていかなければならない。経済成長も日本の再興もソフトパワーに期待されるところ大であると言われているわけでございますが、まことにそのとおりだなと、ビジネスの現場、とりわけアジアなどの海外市場と接する現場感覚でひしひしと感じております。
 まず、先ほどるる御説明をいただきましたが、このように網羅的な内容でもって、スピード感を持って対応していただいていることにも深く感謝いたしたいと思います。
 ASEAN諸国を中心に新興国との協力を進め、新興国の知財関係人材との交流の深堀りを進めることは、大変重要であると思っております。ソフトパワー関連分野では、これらの地域は日本にとって非常に有望で大きなマーケットである反面、知財保護についての特有の難しさを持っております。この動きを更に加速させていただくとともに、現実にビジネスを行っている様々な日本企業の生の声に不断に耳を傾けていただければと思っております。
 営業秘密管理のワンストップ支援体制の整備も心強く思っております。私どもの場合も、ソフトがソフト単独で成り立つケースのみならず、ハードとソフトが融合するような分野が増えてきております。例えば表情や感情表現ができるロボットの開発や、ボーカロイドのバージョンアップの拡充などの世界がそうであります。まさにハード・ソフト両面で権利化・秘匿化を含めた総合的な支援体制をお願いしたいと思います。
 アーカイブへの対応も重要であろうかと思います。先ほど御説明いただきました資料の中にもいろいろ説明をいただいておりますが、これまでのところ国としての支援しているアーカイブにはどのようなものがあるのか、抜けているものはないのか、国産アーカイブの海外展開のバックアップ、ローカライズ整備などにも続けて前向きに取り組んでいただければと思います。
 当然、放送番組の海外展開を促進するに当たっても、現在BEAJが活発に活動しておられますが、周辺産業との連携あるいは海外関係者との突っ込んだ検討などを通じて、制作者や実演家の権利処理が一段と迅速化・明確化されることを願っております。
 さらに地域でございます。地方創生に注力すべきとの政策は正にそのとおりでありまして、ソフトパワーの活用におきましても一段と頑張っていかなければならないと思っております。いただいた資料にあります「(地域を拠点としたコンテンツの創造と海外への発信)」は、私どもは沖縄において映画祭で6年を経験し、来年は第7回を行う予定でございますが、正に実感しております。
 実は昨日まで京都で国際映画祭を開催しておりましたが、外国人も大変多く、地域と事業者、そして国の上手なコラボが大切だなと実感しております。この動きを更に活性化していくべきだと思っております
 最後に人材育成でありますが、これは非常に時間が当然掛かりますし、とりわけエンタメやアート、クリエイティブの分野は、必ずしも系統立った全国的な養成プログラムが充実しているわけではありません。例えばクラウンといいますか道化の学校などでも、ヨーロッパでは200校ぐらいあるように聞いております。ここに整備の余地があるわけでございますが、ただ、これらの分野は知識を詰め込む、あるいはロジックや理論を学ばせるという以上に、感性を磨くとか発想を豊かにするとかいう表現美をビジネス化するといった、一種の「匠」の技を磨くみたいな要素も大きいと思われます。
 簡単な話ではないのですが、人材養成が重大テーマであることは間違いありません。是非建設的な議論と検討を素早く進めていただきたいと願っております。その際には、地域再生と融合させていくとか、アウトバウンド人材とインバウンド人材を有機的に養成していくとか、その過程で知財への権利感覚や知識をしっかり身に付けるようにしていただくとかいうことも大切だと思っております。
 済みません。3分半ぐらいになってしまったと思いますが、ありがとうございます。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 では、荒井委員、お願いします。

○荒井委員
 第1点は、医療関係の特許の問題です。IPS細胞を使った再生医療がいよいよ実用化に向かうということで、非常に内外、日本だけでなく世界中が関心を持っているわけです。さらに来年4月には日本版NIHが発足するということで、日本のこういう進んだ研究が人類の健康増進に貢献できるという段階に来ています。医療分野の特許について、今は無理に物質にこじつけたり、工夫してやるようになっていますので、ぜひ広く素直に研究が特許につながるように改善をしていくことが必要だと思います。
 2点目は、中小企業に対する支援です。商工会議所として、先ほどいろいろ御説明ありましたが、いろいろメニューをそろえていただいたことに心から感謝をしております。ついては中身を充実していただきたいと希望しています。具体的な内容は後日またお話しさせていただきますが、ぜひ中小企業のためにも、地方創成のためにもお願いしたいと思います。
 3点目は、知財裁判です。先ほど権利者が8割負けるというような数字の報告がございました。まさにそういう状況で、日本では知財の裁判をする人が減っているわけでございます。裁判で守られない知的財産は価値がありませんから、ぜひ知的裁判の制度について改善、改革をしていただきたいと思います。
 4点目は、営業秘密保護です。これは渡部座長のリーダーシップで方針を出していただき、現在政府で精力的に検討が進められておりますので敬意を表します。
 ただ、営業秘密の海外への流出は非常に深刻で、今も続いているわけですから、ぜひ日本の法律の体系にとらわれた議論ではなくて、アメリカやドイツ、韓国並みの法律にしていただきたいと思います。
 以上です。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 それでは、山本委員、お願いします。

○山本委員
 すみません。あちらから順番に来ると最後になると思ったので手を挙げました。
 資料1の9ページ、産学連携のところですが、そこの③のJSTのパッケージ化ですが、どの国でも国で一元管理して産学連携でうまくいったというのは余りなくて、これは悩ましいところだなという風にも思っています。
 今までは、外国出願は、JSTの予算に各大学がアプライをして認めてもらうというのが非常に助かったという大学もあれば、一方で、各大学が自分たちでどれを出願してどれを落とす、リジェクトするべきかというジャッジをする機能を奪ってしまったので、結果的に各大学の機能が弱体化したのではないかという批判もあります。
 一方で各大学の、特に地方の大学の予算ですとかマンパワーを考えると、もしかするとノーベル賞を取られた赤﨑先生の青色レーザーみたいなものを、外国出願を予算がなかったからしていなかったということも考えられるので、これは決して批判しているわけではなくて、非常に取扱いが難しい領域だと思います。
 何を申し上げたいかというと、何でもかんでもやっていくという風になるとモラルハザードが起きますし、どういう分野でどこまでを国として引き受けていくのかというのをある程度、そこの運用をよく考えていく必要があるのではないかなというのを、是非これをやっていただくというのはいいのですが、どういう運用をやっていただくのかという今後の詳細のところ、そこをしっかり詰めていただくことが重要ではなかろうかと思っております。外国出願も同様でございます。今までのように予算を国にアプライをしてということでは、結局弱体化が起こる可能性もあるので、そこを考えていただきたい。
 あとは産学連携の機能評価。10ページ目のところになるのかもしませんが、これは参考資料5の16ページのところでありますが、結局は今、各大学の産学連携を見るときに、出願件数何件ですか、共同研究が何件ですか、金額は幾らですかというのが公開されているので非常に強くて、各大学はどうしてもそれを意識してしまいます。
 経済効果というのを考えると、結局共同研究が何件というのは余り関係なくて、共同研究をした結果どんな製品・サービスが何個生まれて、それが幾ら売れていますか。ベンチャーも何社生まれて何社潰れたかは余り関係なくて、ベンチャーによってどういう製品・サービスが提供されて、それが何個でどれぐらい売れていますか。ライセンスも同様です。
 だとすると16ページの資料も、これは大学等の発明等の製品化というのは日米比較があるのですが、あとはベンチャーによる製品サービスの数がどうなのかというようなことがやはり比較されないということを考えると、この評価指標を考えるときに、これはかなりの長期にわたる定点観測が必要ですが、そこまでを想定した評価指標を作って、是非これで日本の状況が本当にどういう位置付けなのか、各国が比較できるようなところまで持っていっていただきたいと思っております。
 あとクールジャパン。余り私、専門分野でいうと関係ないのかもしれませんが、昔、国の委員会で申し上げましたけれども、やはりPRが必要だと思っていまして、私のアイデアはださいのですが、例えばドラえもんをクールジャパン大使にして、ドラえもんが日本のテクノロジーを外国で紹介して、しずかちゃんが日本のファッションを紹介して、ジャイアンが日本の食を紹介して、のび太君が日本の文化を紹介するみたいなCMを作って、どんどんそれをシリーズ化していくみたいなことをやった方が。ドラえもんが良いのかどうかというのは分かりませんが、そういうことを具体的にビジュアル化して海外に見せるということが必要ではないかなと思っております。
 以上です。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 いかがでしょう。
 そうしたら、奥山先生。

○奥山委員
 ありがとうございます。
 大変よくまとまった資料の御説明ありがとうございます。
 多岐にわたっていますので、かいつまんで強く感じたことだけ申し上げますが、本日の資料の2ページになりますけれども、権利行使のあり方、それから紛争処理のあり方にも関係してきますけれども、知的財産研究所で今年の2月に「侵害訴訟等における特許の安定性に資する特許制度・運営に関する研究報告書」という非常によくまとまったものがございまして、非常に興味深いなと拝見していました。
 同じ知財研の「知財研フォーラム」の夏号というのがございまして、そこでこの報告書が取り上げられているのですが、その中で三菱電機の加藤部長さんが、日本とヨーロッパとアメリカがあって、特許侵害訴訟をするとしたら、まず日本ではしないということをおっしゃられていて、いろいろ理由は述べられているのですが、ここまではっきりおっしゃられている。そういう意見を持たれている企業の方も個人的にかなり知っております。 実際、侵害訴訟の件数を見ても、それがはっきりあらわれているということで、特許庁の審査の質がどれほど向上したり、迅速性がアップしても、結局最後のところで、先ほどの荒井委員のお話にもあったのですけれども、侵害訴訟の勝率、あるいは損害賠償額のところで魅力のない制度であり続ける限り、特許制度全体が盛り上がることはないと思いますので、この部分での一層の努力をお願いしたいと考えています。
 4ページの職務発明制度、これは一つの論点としては、毎回お話ししているような気がするのですけれども、企業の国際競争力の向上と事業の自由度を高めるということが今回の見直しの発端だと思っています。そういう中で、発明ができて、例えば15年たってから裁判について訴訟を起こされる。それで、幾らかのお金をもらえるということになっているわけですけれども、それが発明へのインセンティブになっているのかという問題があります。
 現在の議論を拝見していると、現行の対価、あるいは報奨の水準から切り下げるというのが望ましくないという御意見がかなり出ているのですけれども、ではその現行の対価の基準が不十分なのか、十分なのか、多過ぎるのか。その辺の検証から始まっていないのではないかと聞こえます。難しい問題ではあるのですけれども、何がインセンティブなのかということから、正面から向き合う必要があるのではないかと思います。
 あと、標準化の問題ですけれども、今はニッチな分野でも、将来大化けすることも考えられるわけですから、やはり中小企業の標準化、支援の強化はぜひ進めていただきたいと思います。
 10ページになりますけれども産学連携、これは単なる私の感想なのですが、その分野の団体としてユニットというのがございまして、山本委員も関連されていますが、毎年、年次大会というのがあって、ここのところずっと参加させていただいていて、産学連携は大体ユニットができて大体10年なのですね。それで発表を聞いていますと、人材が非常に育ってきた。やはり10年の時間の蓄積というのは非常に大きいのではないかなと思いました。したがって、産学連携の分野で一層の支援をして、継続してやっていただくというのが有効ではないかと思います。
 12ページの英語による知財教育システム、予算請求していただいたということで、大変心強く思っているのですが、いろいろやり方があると思います。マスターコースというのもあると思いますし、一つの考え方としては、アメリカの大学がやっているサマーコースというのがあります。これが一つの業界標準というわけではないのですけれども、割と国際的に使われている仕組みになっていて、アメリカの大学生はそれを使って単位を取る。その中に日本の英語でやる知財教育を組み込むことができれば、アメリカの学生も来られますし、大学の先生も教えに来やすい。そこに来れば、日本の学生さんもそうですけれども、アジアの学生さんがアメリカで使える単位が取れることになるわけですから、非常に良いのではないかなと思っています。
 あと最後にちょっと済みません、いろいろになってしまったのですけれども、日本弁理士会で海外の弁理士を呼ぶということが書いてあったのですが、それはそれで大変結構だと思うのですが、教授あるいは裁判官の外国からの招聘というのもぜひ進めていただきたいと思います。
 それから、知財教育のことなのですけれども、裾野を広げることが必要だとは思いますが、その部分はやはり特許庁とそれから文科省の間にちょっとはまってしまったような部分で、ちょっと不十分なのではないかなと感じております。ただ、小学校や中学校の生徒に発明だとか言ってもなかなからちが明かないのではないかなと、私は自分の子供を見て思っておりまして、やはり高校以上、高専、大学でのそういう知財教育に力をぜひ入れていただきたいと思います。
 以上です。

○渡部座長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょう。
 では、瀬尾委員から。

○瀬尾委員
 今回、前回のタスクフォースを含めて、アーカイブについても非常によい議論ができたと思っております。また、今回の取り組みを拝見して、やっとスタートしたという感じを持っております。
 前回はこの基本コンセプト、どういう方向性があるか、大まかなところについて考えが進んだのではないかなと思います。つまり単純にデータを集めた、データの蓄積がアーカイブではなくて、社会的なインフラ、そして今後のコンテンツ流通の基本になるものが、ナショナルアーカイブシステムであるという議論が進められたのではないかと私は思っております。ただ、それは非常によい議論だったと思うのですが、難しいのはこれからで、いかに具体的な経済施策の見える施策に落とし込んでいくかというのを、かなり広範な範囲で確保論に落としていかなければいけないのではないかなと考えております。
 それにつきましては、やはり単純なネットワークなのですけれども、例えば海外へ伸ばしていって、クールジャパンの基礎インフラにする。また、国内に伸ばしていって、地域再生、地方再生の基本インフラにする。もしくは、東京の中でオリンピック・パラリンピックに向けてのインフラにしていく、いろいろな方向性が考えられると思うのですが、具体的な経済効果の見える施策に落とすということをかなり早目にしないといけないのではないかなと考えております。それが非常に大きな課題であるし、取り組んでいただきたい問題であるのではないかなと考えます。
 もう一つ、今ちょっとオリンピック・パラリンピックのお話をさせていただきましたけれども、今回タイミングというものは非常に重要かと思います。つまり2020年という、特に東京のオリンピック・パラリンピックという期限が一つ明示されているのではないか。これに向けて効果を出すというのは、一番効果の出しやすい施策になるのではないかなと考えておりますので、この時限。
 もう一つは、先ほどのTPPをトリガーにした東南アジア諸国の知財に対する非常に強い興味、そしてシステムの再構築が今、進められております。これにのっとって、きちんとしたアーカイブシステムを連携していくには大変いい時期だと私は考えておりますので、海外での連携についても積極的に今から考えて出ていくべきではないかなと考えます。
 そうしまして、アーカイブと言ったときに、どうしてもユーロピアーナ、グーグル、そういったアーカイブに非常に大義的に、グーグルが来るから日本でアーカイブとか、例えばユーロピアーナがやったから日本もアーカイブとかという議論も比較的行われがちな気がしますけれども、去年の議論はそういうことなく、アジア圏でのアーカイブ群をきちんと構築することについても検討がなされましたし、そのような深堀りと各個論について、ぜひ今年議論をし、結論を出して、そして具体的なシステムインフラに着手できるよう検討してくべきではないかなと考えておりますし、御提案させていただきたいと思います。
 去年ちょっと場が違うということで、国会図書館さんの立ち位置ということもちょっとお話をさせていただきました。ここでお話をしてどうこうなるという問題ではないということも重々承知しておりますけれども、ほかの現在稼働しているアーカイブをきちんと総ざらいをして、国としてどう連携していくかということについては、ぜひ考えてみなければいけないのではないかなと思います。ことしのアーカイブについてのより深い各個的な議論、検討に大変期待するところであります。
 以上です。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 それでは、妹尾委員。

○妹尾委員
 妹尾でございます。
 大きく2つお話しさせてください。1つは、この全体の委員会について、もう一つは人財育成についてです。
 この委員会が、やはり従来からかなり脱却してきた感じがあります。何をかと言うと、追認とホチキス留めというところからです。各省の施策の追認やホチキス留めを超えて、高所大局、長期にわたるビジョン関係を考え、これをますます進めていただきたいと、我々も微力ながら全力で貢献したいと思っています。
 その中で、従来はテクノロジー系とコンテンツ系と別々の委員会だったのが合同になっているということの意味をやはり考えたいと思うのです。
 例えば、一つは、数年前にその2つが分かれているときに合同で実施しようということを言っていて、それで書き込んだ施策があるのです(注:2007年11月の提案、「知財戦略2008」に記入された)が、それがいまだに全く手が付けられていないということがあります。これは何かと言うと、先端研究者とコンテンツクリエイターとの交流をするという企画を、経産省と文科省が書き込んでくれたにもかかわらず、一切手が付いていない。こういうことはやはりまずいので、今回こういう合同がある機会に、またそれを検討していただければと思います。
 もう一点は、先ほどの山本委員の話ではないのですけれども、やはりテクノロジーをコンテンツがサポートする、ないしは動かすということがあります。例えばですけれども、最近、製薬業界の話題の一つに、日本のある企業さんが、世界で40年ぶりに結核の新薬を出したという実態があります。これは、先進国では売れないのだけれども、新興国の生活支援、あるいは基盤向上に役立つ大変良い薬だと言われています。例えば、これをプロモートするために、先ほどの「ドラえもん」ではないですけれども、例えば、のび太くんが結核にかかっちゃった。しずかさんが看病していたらまたかかっちゃった。そしたら、ドラえもんくんが出てきて、この薬を出してくるみたいな話が描けるのではないかと私は思っています。
 いずれにせよ、日本のテクノロジーが新興国の生活基盤向上に役立つ、それをコンテンツがプロモーションするというようなスタイルを是非検討していただきたいなというのが大きな1点目です。
 2点目は人財育成なのですが、知的財産人材育成総合戦略が、実はこの知財戦略本部でできたのが2005年度であります。ということは2014年の今年は丸10年たったということになるわけです。ということで、途中、やはり状況の変容に応じて、人財育成プラン2.0というのができましたけれども、やはり大きな10年の枠組みの第2期を考えるべきではないかと思うわけであります。これはテクノロジー系での人財育成推進計画であり、ここは専門人財の育成から活用人財の育成に大きくウエートが変わったわけですけれども、次の10年を見据えて人財育成を図る、その計画を立てるべきではないかと思うわけであります。
 これに関連して、若干付け加えさせていただくと、例えば今日お話しいただいた営業秘密保護に関して、5ページに書いてありますけれども、ベストプラクティスを調査すると書いてあります。しかし、これは人財育成的に言うと、最も重要なのは、むしろワーストプラクティスからリスクマネジメントを行っていくという形ではないでしょうか。
 あるいは8ページに書かれている標準人財の育成なのですが、これは「標準化人財」であって「標準活用人財」ではないのですね。これは、例えば知財の権利化人財、専門人財に特化して、知財活用人財の育成が少し後手に回ったのと同様で、標準をできる人は育ったけれども、標準を活用する人がいないということになってもまずい。そこで、ここにも目を配って、ともにそれらを育成すべきではないか。
 9ページ、中小企業と産学連携との関係ですけれども、この関係はどうしても毎年毎年出てくるテーマなのです。これは何かと言うと、意識のずれがあるのは当たり前なのですけれども、一番大きいのは知識の格差があるということです。それは、ここに書かれている産学だから、産と学の知識の差だけではないのですね。特に地域にいますと、地域の中小企業の知識、それから県庁だとか市役所のいわゆる(商工関係の)人財の意識です。そうでないと、知識が足りないがゆえに、地域で地方大学を中心にしたある種のイノベーションの試みが行われても、実は全部共倒れするという状況がたくさんあります。これは、我々は調査していて大変あります。さらにいうと、地域の銀行です。そういうところにも、あわせて人財育成、この人財育成というのは、ビジネスモデルと知財マネジメントの知識をきちっと習得していただく、その形をとっていかなければならないのではないかと思います。
 以上、大きく分けて2点、お話をさせていただきました。どうもありがとうございます。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 それでは、後藤委員からお願いいたします。

○後藤委員
 今回初めて加えさせていただきましたので、ちょっと今までの議論を十分に踏まえていない点がありましたら、お許しいただければと思います。
 私は2点ほど申し上げたいことがあるのですけれども、1つは、このデジタルアーカイブのところなのですが、相当議論がなされたということなのですが、世界的なレベルで言うと、非常におくれている分野だと思います。
 それは全米デジタル図書館とか、ユーロピアーナとかと比べておくれているというだけではなくて、アジアの、例えばシンガポールであるとか、そういう国々に比べても非常におくれているところで、何がおくれているかと言うと、英語での発信というのが圧倒的に少ないです。
 それから、個々のところでデジタル化するということを細々とやっているのですけれども、全体としてどうネットワークを大きく構築するのかというところが、余りはっきりしていないように見受けられます。一時、国会図書館がイニシアチブをとってやるということも上がったようなのですけれども、それも何となく曖昧になっているために、ここのところの予算でこのデジタル化するとか、あるいは英訳するということのメリットが十分見出せないために、予算も少ないためになかなか進まない。
 全体としてそれをネットワーク化して、英語で発信するということが圧倒的に不足していると思いますので、やはり全体としてどこがイニシアチブをとって、どういうネットワークをつくり上げて、英語も含めていろいろな言語で発信していくのかという全体の大きな構図と、全体としてどこが予算を持って進めていくかという大きな話が必要ではないかなと強く感じました。
 もう一点ですけれども、コンテンツ市場が低迷しているということはずっと言われていて、なかなかそれが解決できないで、もうここ何年も来ているということが指摘されていましたけれども、コンテンツと言っているところが、どうしても漫画、アニメ、ゲームに偏りすぎていて、それは2000年代の初めぐらいには確かにすごく注目されたかもしれないのですけれども、実際それだけでしょうかと。特に、インバウンドと結びつけるということになりますと、海外から観光に日本にいらしている方が、本当に漫画、アニメ、ゲームに興味があって来ているのですかということを、もう一度問い直す必要があるのではないかなと思います。
 先日、東京都の観光担当のところで、シティープロモーション担当の課長さんにお話を伺ったときに、東京都で非常に詳細なアンケート調査などもやっておりまして、日本に来て訪れたいところ、特に東京で訪れたいところは「庭園である」というのが一番でした。これは東京都もびっくりしましたということで、大都市の中にこれだけ自然が残っている魅力的なところはないということで、庭園が挙がり、食文化も挙がるわけですけれども、では東京で「文化」と言ったときにどこに行っていいかわからないということで、文化に対する印象が非常に薄い。もう十何位という感じだったということで、これも東京都は非常にびっくりしたと言っていました。
 やはりインバウンドと結びつけるということであれば、海外の人から見てどう見えているのか、それから海外の人が日本に来て何に魅力を感じているのかということも客観的に調査をして、もう少しこのコンテンツの幅を広げるというか、せめてクリエイティブ産業化ができましたので、あれぐらいまではちょっと広げて、文化全体で考えてインバウンドと結びつけるということが必要ではないかと思います。
 そのことは、先ほど申し上げたアーカイブとも関係するのですけれども、やはり人文系、それから社会科学系の学術の発信が非常に弱いということを学術会議のほうでも言われておりますので、全体を含めてどういうふうに発信していけるのか、あるい英語での発信ということを考えて、そういうものを含めたネットワークを構築していく必要があるのではないかなと思います。
 以上です。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 前田委員。

○前田委員
 前田裕子です。十数年、産学連携にかかわっていまして、去年からブリヂストンに戻りましたので、産業界の目線と、産学連携のところでお話しさせていただければと思います。
 産学連携の強化については、ぜひ一層の支援をしていただきたいなと思います。山本さんもおっしゃっていらっしゃったように、JSTで今まである特許を見ていただいたり、一元化はもちろんそれはそれでいいとは思うのですけれども、大学が弱体化していって、ここ十数年かなり国の支援が入ったことで、もう自立化していいよねという形に今なってきているのですけれども、まだまだ大学は、知財本部、産学連携本部等は、組織は整ったけれども、きれいに回れるほど充実していないのが現状です。もちろん東大とか、京大とかみたいなところは別ですが、地方の大学は本当に大変な思いでやっています。そういうときに、やはりいろいろな大学を助けてあげられるのは人材だと思うのですね。奥山さんがUNITTへ参加してお感じになられたように、産学連携の人材が育ってきたと思うとおっしゃっていらして、私も同感です。ただし、雇用の安定がないと若い人がずっとい続けられないと思います。この大学で終わっても、次の大学でまた話があるよとか、いろいろな情報が共有できる、または、人材をどこかでプールしていただくことが必要と思います。さらに、育てることも大事ですけれども、若い人たちが魅力と思える職業になるような永続的な雇用ができるようなことを支援してあげないといけないのではないかなと思っています。
 繰り返しになりますが、一元化して、どこかでいろいろな大学に派遣するというのもありなのかもしれませんし、情報を教えてあげて、助けてあげるという方法もあるのかもしれないのです。優秀な人材がそこにい続けられるような施策がないとまずいのではないかなと感じています。
 また、産業界の目線なのですが、職務発明のところ、この間、中村修二さんがノーベル賞をおとりになりまして、また、けんけんごうごうホットな話題になるのではないかなと思います。私も15年ブリヂストンで研究者をやっていましたので、研究者の側の気持ちもわかっているつもりだと思いますので、この職務発明については、一番皆さんがいい姿で決まればいいなと思っています。いろいろ情報提供したいと思っています。
 さらに、荒井さんもおっしゃっていましたけれども、医療特許、ぜひ前に進めていただきたいなと思います。医療行為がグレーゾーンのところが、最近ガイドラインができまして、かなりはっきりしてきました。異分野がそこに手を出して、入っていきやすくなっていっていると思うのですね。ぜひ今までの医療機器メーカー、お薬のメーカーだけではない、大企業だったり、いろいろな企業がそこに入っていけるように特許のほうも前進していかないといけないのではないかなと思います。現在の医療特許のように、装置を主語にして、無理に特許へ持っていくというのではなくて、真っ向から医療特許の改革を、やっていただきたいなと思います。
 また、コンテンツについては、ブリヂストンは6月にIOCの世界で11社のトップスポンサーになりまして、コンテンツの幅を広げたり、強化というのはぜひやっていただきたいなと思いますし、情報提供はできる限りしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願います。

○渡部座長
 ありがとうございます。
 では宮川委員、どうぞ。

○宮川委員
 私は、前に国際弁護士及び知財弁護士という仕事をしておりまして、英語で外国の方とビジネスをしたり、あるいは英語を使う必要がある日本のクライアントのための仕事をするということをやっておりますので、その視点から2つばかりお話ししたいと思います。
 1つは、先ほど奥山委員や荒井委員から、権利侵害訴訟等の紛争処理の日本における裁判の機能はいかがなものかという御指摘があったかと思いますが、確かに勝訴率が低いという話もよく伺いますが、逆に知財裁判所等の情報発信を伺いますと、和解率も非常に高いと。原告勝訴という形の和解が非常に多数あるというデータもありますので、今回2ページに和解を含めてどういうふうに権利侵害訴訟が推移していったのかという点も調査してくださるということですので、日本の裁判の特色でもある和解率の高さというものも一つ調査の対象にしていただいて、さらに議論していただけたらと思っております。
 先ほど奥山委員がおっしゃっていたように、特許権侵害訴訟をやる場合に、日本ではやらないという声もあるということですが、私もその点をよく聞くのですが、どういうことかというと、アメリカでやると、侵害の立証、証拠収集が楽だからねと。ディスカバリーやデポジションという形で相手からごっそりと証拠を持ってこられるということで、侵害立証の部分が日本とはかなり違うという点でお話をされている権利者の方も多数おられると思います。それも権利者側にしてみればいいことでもありますし、被告側になった場合は非常に煩雑な手続に対応するということで、いい面、悪い面もありますので、そういう点も踏まえて、いろいろ議論をしていただけたらと思っております。
 もう一つは、中小企業、地方の企業の方たちが今後知財の関係で、国際的に海外で活動していく上での支援、それからその支援ができるような人材育成ということが、今回もまたしっかり対応していただいていて非常にありがたく思っております。やはり弁護士としても、大企業の方、あるいは都会の企業の方たちには、国際弁護士や知財弁護士に対するアクセス、それから資金というものは十分あると思っていますが、やはり中小企業や地方の方に、知財、または国際業務ができる弁護士というもののアクセスが少ないということであれば、それは弁護士会、それから日弁連、そして法務省、あるいは関係各省の方と共同して、何とかサポートしていきたいと思っております。
 最後になりますけれども、引き続き日本のコンテンツを売り出していく、あるいは宣伝していくという上では、やはりもう一方の大事な問題としては、模倣品対策というのがありますので、この23、24ページにも国内、国外問わず模倣品対策を進めていただいているようですが、インターネット等の事例もいろいろ考えられて、適切な処理がとれるようにさらに議論を進めていっていただきたいと思います。
 以上です。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 重村委員。

○重村委員
 私は、ちょっと具体的なお話をしたいと思います。知財の推進計画というのができて、いろいろな意味で我々放送業界のほうも個別の対応が進んできたと思います。私も「放送コンテンツ海外展開機構」の運営委員長みたいなことをやらされまして、その実体験から感じたことを少し申し上げたいと思います。「BEAJ、放送コンテンツ海外展開機構」で、この秋からアジア6カ国の放送局のプライムタイムに10本の日本作品が出ます。この件を最初に言われた際、実態と違うなと思ったのは、各現地にある日本企業がスポンサーになり放送枠を買う。その放送枠で日本のコンテンツを放送すればよいという話があったわけです。
 私は最初からそれは無理だろうと話をしました。なぜかと言いますと、ちょうどアジアの各国というのは、放送業界で言うと、日本の80~90年代ぐらいです。すなわち我々がコンテンツを海外へ出したいと思っていると同様に、彼らもコンテンツを日本に出したい、海外に出したいわけですね。なおかつ向こうのビジネスモデルはどういうことかと言うと、現在の日本と全く同じような形になっていまして、いわゆるグロス・レーティング・ポイントで料金が決まるという形ですから、放送枠を買って欲しいというより、視聴率の高い番組をつくってくれということなのです。
 ということは、コンテンツを海外に出すということは、相手国側のニーズを十分聞かなければいけないという問題です。今回、一番時間を要した部分はそこでありまして、そこのところで向こうが何を期待しているかということを理解すれば、向こう側は受け入れてくれるわけです。
 なおかつそれをやれば、放送コンテンツだけではなくて、ヴィジットジャパンとかクールジャパンと連携はできるということです。例を言いますと、マレーシアで2つの作品が出ます。1つは、日本テレビが国内で放送していた「途中下車の旅」というローカル番組で、電車に乗って途中下車してその地の産品や観光スポットを発見したりするという内容です。これを「Welcome To The Railworld」というタイトルで、日本の新幹線の旅という形で制作するわけです。日本の新幹線、九州新幹線から東北新幹線までマレーシア人がずっと乗って行って、途中下車して様々なものを発見する。日本にはこんな知らない文化や産業があったということです。実はそれだけではなくて、これは今、マレーシアに日本の新幹線システムを売り込もうとしているわけです。すなわち、放送もおもしろい、それから日本の新幹線というのはこれだけすばらしい、こういう連携になったらいいのではないか。
 同じマレーシアで、もう一つTBSが「WASABI」という番組をやりますが、これはちょっと先ほどの後藤さんの話にもつながるのですが、彼らが知りたがっている部分というのは、いわゆるディープジャパンなのです。そろそろ観光ガイドに載っているようなものでは満足しなくなっている。これはアジア3カ国の人間が、日本のシェアハウスを使って数日間ずつ旅をしながら、日本人の生活を肌身で感じ、日本の生活感のある場所というのを発見していくという番組です。こういう番組は、先方が協力してくれるという状況なのです。
 ただ、ここで一つ、現実的に我々が今回感じたことは、2月に補正予算が決まって、請負主体が決まり、具体的に動き出すというのは9月からなのです。法制度上で言いますと、年度内、今年のフィスカルイヤーでやらなければいけないという話になってしまう。 普通、番組をつくる場合、秋から1~2ヶ月で制作して、放送を3月までに終わらせる、必ず何本以上の作品をやるというのは不可能に近いです。そういう部分に関して言うと、日本側の体制や日程というものも十分考慮して直していかなければいけないということを非常に感じております。
 予算の問題にかかわると先ほどお話がありましたが、前回のこの会で音楽タスクフォースの話が出ました。さて、それでは一体予算をどこから出すのかという問題になります。我々としてはやれるところで、総務省等の御協力を得てやっていますが、これは先ほどのケースとは違って、日本の音楽シーンを向こうに展開しようということですから、放送枠を確保しなければいけないわけですね。各国の放送枠代を確保するだけでも、お金はかかるのに、制作費は更にどうやって積み上げていくのかという問題が出てくる。ここで立てられている計画というのは非常にすばらしいのですが、やはり予算の裏づけがなければできません。
 そのことで感じるのは、こういう体制ができたことによって、省庁間の横串体制というのはできたわけですが、予算は各省庁の縦割りなのですね。したがって、J-LOP等の問題でも、具体例で一つ言いますと、今週、東京国際映画祭と、我々テレビの「東京ドラマアウォード」というのが行われます。それで、アジアの各国から有名なタレントを呼んできてイベントをやるわけです。これを今回アジアの5カ国に映像配信しようと思っている。自国のタレントが日本でレッドカーペットを歩いたり表彰されるわけですから、当然その中継番組を受けてくれるのですが、問題は、この予算というのはJ-LOPの予算では出ない。すなわち、例えばイベントを放送で海外に発信するという内規がないのです。
 省庁間の横串体制ができつつあることは評価しますが、更に進めて具体論を持って、日本側の制度そのものの問題というのを変えていかないと、ある意味で、ここで議論だけ進んで、具体的実行がなかなかできないという問題がありますので、そういったことへの配慮をぜひよろしくお願いしたいと思っています。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 それでは、杉村委員、先にどうぞ。

○杉村委員
 杉村でございます。
 産学官連携と地方の活性化、それから中小企業の知財強化の3つに関連していることですが、特に、地方の大学と地方の中小企業・ベンチャー企業とが連携しやすい環境をつくることが重要であると考えております。そのために、研究開発の助成金の増加、これまでの学会発表等だけによるものではない大学の教官の評価の指標の見直し、それから特に中小企業にとって魅力的な共同研究契約モデルの見直し、こういうものに積極的に取り組んでいくべきではないかと考えております。
 先ほどから多くの委員の皆様から、資料1の2ページ目の「紛争処理機能のあり方の検討」についていろいろ御意見が出ました。この⑨と⑩を見ますと、紛争処理機能の在り方について「調査」ということが記載されておりますが、「調査」だけではなくて、海外、特に新興国の司法関係者の研修生としての受け入れ、人材派遣等の人的交流の促進を、日本の知財業界全体で図っていくべきだと考えます。これによって日本の司法ファンが増えますので、日本の中小企業も安心して海外に進出し、権利行使等ができる素地が形成できるのではないかと思っております。
 また、13ページの中小・ベンチャー企業の知財強化にも関係していることでございますが、中小企業が訴訟を提起して、自分の権利活用を図りたい場合の環境の整備、例えば、印紙代等の助成金の検討、こういうものも積極的に施策として検討すべきではないかと思っております。
 資料1の1ページの「世界最速・世界最高品質の特許審査」の実現は重要なことですので、ぜひ積極的に進めていっていただきたいと思います。資料5にもありますように、アメリカ、中国は特許出願大国になっております。世界の知財大国を日本がリードしていくためには、権利創設を否定する特許審査ではなくて、よい権利を創設しようとする特許審査にシフトしていただきたいと思っております。例えば、日本のシフト補正、発明特定事項の補正の制限等、中国、アメリカに比べると厳しい補正に関する規定が設けられ厳格な運用をしておりますので、審査の促進とのバランスを図りながら、質の高い権利を迅速に創設するという意識持っていただいて審査の向上に取り組んでいっていただきたいと思います。
 資料5の18ページでございます。この資料の数値は、いつの資料の数値かわからないのですが、例えば鳥取県は弁理士数がゼロとなっておりますが、2014年9月30日現在は8名の弁理士が鳥取県におります。同様に、島根も5名、例えば鹿児島は22名の弁理士が現在おります。日本弁理士会のホームページを見ていただきますと現在の弁理士分布の状況がわかると思います。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 では、斉藤委員。

○斉藤委員
 レコード協会を代表して一言。
 今、重村さんから音楽の話も触れていただきましたけれども、去年の2014年で音楽タスクフォースを作っていただいて、幾つか具体的な検討をさせていただいてやってきましたけれども、やはり重村さん御指摘だったと思うのですが、いざとなると、推進する際のいろいろな予算とか費用とかというものが難航しているのは事実でございまして、やはりいろいろな省庁にお願いをしたりしてやってはおりますけれども、扉がなかなか開かない、難しいということが現実にはありますので、私たち音楽団体の方は、とりあえず自分たちでできることをしていこうということで、タスクフォースで掲げられた幾つかの例で、今年も間もなく11月にインドネシアで2回目のJ-Music LABというイベントを行いますし、できればそれを拡大して、複数箇所での展開ということを考えて、タスクフォースでも掲げましたけれども、来年はこれをどうやっていくかというのが今、頭の痛いところであります。
 レコード協会内には先住の海外スタッフということで、自分たちで設けましたので、また、タスクフォースというものを考えていただいて、こういったものの具体的な施策をもう一歩進められれば、私たちは大変ありがたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○渡部座長
 ありがとうございます。
 では、久夛良木委員お願いします。

○久夛良木委員
 久夛良木です。
 現業界を代表してコメントさせていただきたいのですが、以前までの知財計画の中で、アーカイブ化の話がずっと出ていて、大変よかったと思います。ただ、この中でゲームということを考えていたときに、ゲームそのものは国立国会図書館であるとか、もしくは大学の一部でパッケージという形で、これも全部ではないですが、保存されているということはあったのですが、やはりゲームというのはその場で遊べないと、コンテンツとしてのおもしろさとか価値とか、そのクリエイターの思いが伝わらないということで、何とかこれを進めたいということで、実はことしの7月、日本のコンピュータエンターテイメント業界の方の集まる会合で、私のほうからぜひこの動きを促進しようということで、具体的な一つのボールとして、プレイステーション、これは家庭用ゲーム機のフォーマットの一つですが、これに関わるゲーム、お預かりしているゲーム全て、全てというのは日本だけではなくて海外も含めて、全部デジタルアーカイブ化し、かつ遊べる状態で未来へつなごうという御提案をさせていただきました。これについては、CESAというコンピュータ ソフトウエア アソシエーションというのがあるのですが、そこの会員企業の方々が非常に好意的に受け取っていただいて、ぜひこれを進めましょうということになりましたので、関係省庁の方々もひっくるめて御協力をよろしくお願いしたいということ。 参考資料5の中の36ページを見ていただければわかると思うのですが、特に日本のゲームコンテンツは、以前大変大きな輸出産業であったわけですが、近年激減している。こういう中で、ゲーム産業そのものが縮小しているのではないかというメディアからの発信もあるのですが、実はグローバルで見ると、そんなことは全然なくて、今一番伸びている産業の一つで、大体ソフトウエアだけで総額8兆円あります。大体映画の倍ぐらいですね。これを引っ張っているのが一つは欧米のハリウッドよりも予算をかけてゲームコンテンツをつくっているような方々、それともう一つは、最近はゲームソフトをつくるというか、エンターテイメントソフトをつくる環境整備が非常に整ったということで、我々はイームズと言っていますが、若いと言いますか、本当に1人、2人、3人のクリエイターの方が集まって、それで全世界に対してソフトをつくっていると。これが非常に強力に進んでいるという中で、このゲームのアーカイブということに関しては、喫緊の課題として我々は取り組まなければいけないと思っています。
 この中で遊べるようにするというのは、この利活用ということにもすぐにつながってしまいかねないところなのですが、その利活用のところは重要なことであるのですけれども、議論としてはまず一つ置いておいて、まずはアーカイブをするということから始めませんかと話を進めておりますので、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
 以上です。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 では、野口委員。

○野口委員
 私は、皆様のお話もお伺いをしていて、確かに限られた予算をどういうふうに有効に使うかということ、それによって、できるだけスケーラビリティーのある施策を進めるということが非常に重要だと思っております。
 そういう意味で幾つか申し上げたいのですけれども、まず産学連携につきましては、資料の16ページのところで、この特許出願件数等いろいろあるのですけれども、やはり一番重要なのは、このライセンス収入の部分でありまして、やはりそのライセンス収入で、もちろんよい研究ができて、特許を取るということも非常に重要なのですけれども、その特許を取るにもお金が要るし、そのサポートをするにも人材も必要だし、それをやはり自前で調達できるようになるということをしない限りは、国がいつまでもお金をつけ続けるということには限界があると思うので、そういう意味でやはり棒が非常に小さいのですけれども、単位がミリオンダラーですので、もしかしたら本当はこの100万倍の非常に大きな差が日本とアメリカの間にはあるはずでありまして、それを解決すればほかのいろいろなところはある程度予算のところは少なくとも自前で解決していけるようになる。それが非常に重要だと思います。
 そういう意味で以前、渡辺委員だったか山本委員だったかちょっと記憶が曖昧なのですけれども、指摘があったかと思うのですけれども、共有特許のライセンスが日本では全員の承諾が必要なのだけれども、アメリカでは単独でできると。そこをもうちょっと本腰を入れて検討しなければ、そこは根本的に解決しないのではないかという問題意識があったと思います。法律的に非常に難しいセオリティカルな問題を含んでいるということはわかってはいるのですけれども、難しいから後回しにするのではなくて、やはり高いインパクトのあるものを優先してやっていかないといけないと思いますので、そういう意味で先ほどから特許訴訟の話も出ているのですけれども、私も長く特許の弁護士をやっていて感じるのは、訴訟は本当にライセンスが進まないときに最後の切り札として非常に重要なのですよね。ですから、明らかにいい特許であったりとか、明らかに無効原因があったりするときはライセンスの話は進まないわけで、いい特許があるにもかかわらず、向こうがのらりくらりで、ごちゃごちゃごねているときに最後の切り札として、ただ、目的は訴訟で勝つことではなくて、最終的にはライセンスにこぎつけてお金をもらうということが非常に重要、もちろん過去の損害賠償も含めてですけれども、ですからその特許訴訟も最後にはライセンスの目的であると考えるならば、そもそもライセンスの制度のところを根本的に取り組まなければ意味がないのではないかと。
 もう一点、NIHがこれからできて、日本の再生医療等を含めて押していこうというお話のときに、何が日本と決定的に違うのかということをやはりデータで見ると、研究で国がつけた研究成果のローデータが、もしくはそこから出てくる論文がNIHでは全てデータベースになっていて、誰でもアクセスできるというところが、やはり研究環境として決定的に違うと思うのですね。
 なぜなのかというのは、総合科学技術会議でもかなり長い間議論があって、なかなか進んでいないと理解をしているのですけれども、その関係でこの9ページの「日本版バイ・ドール制度の運用の見直し」というところが、どのように見直されるかというのがこの資料だけでは明確ではないので何とも言えないのですけれども、逆にアメリカのバイ・ドール制度、もしくは日本のバイ・ドール制度の実際の適用のところで、日本は著作権もないようなローデータの部分も含めて、あたかも誰かが権利を持っていて外には出せないかのような運用になっているというところは、やはり日本とアメリカで決定的に違うところだと思うので、そのあたりのスケーラビリティーの問題も含めて、ぜひ間違いのないようにいっていただきたい。
 同じ意味でアーカイブ化も、権利処理の費用ですとかが非常にネックになっていて、私、昨年もその前もやはり少ない予算でアーカイブを実行的にできるようにするためには、孤児著作物を含めて権利処理の体制をつくるということが非常に重要で、旗を振るという意味では、法律の改正等の部分は知財本部にしかできないわけですから、権利処理も今、相当の努力のところを緩和するというところもあるのですけれども、例えばヨーロッパと含めて、では第三者効があるのかないのかとか、違うところがまだほかにもたくさんあって、これもそのインパクトが高いところを優先的にやっていただきたい。 同じ意味で、法律の整備という意味で、クラウドも非常に重要だと思いますので、引き続き迅速な御努力をお願いしたいと思います。
 ありがとうございます。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 済みません、お待たせしました。相澤委員どうぞ。

○相澤委員
 3分以内と言われたので紙を一応出しておきました。特許制度については、先ほどから御指摘がありますように、日本の特許庁における審査は質が高く、なおかつ日本の裁判制度そのものがよくできています。にもかかわらず、特許侵害訴訟の勝訴率が低く、それから訴訟数も少ないというのは、制度に問題があると考えられます。関係者の努力にもかかわらずうまくいっていないので、制度を改善する必要があります。そこには、損害賠償額のこともありますし、無効の抗弁、文書提出命令の範囲が限られていることなどの手続の問題もあります。これらの手続きも改善していく必要があります。
 無効の抗弁と無効審判請求というのが併存しているというのは、権利者に不利な手続で、立法例もないのではないかと思います。
 特許庁における審査の質は高いのですが、出願が減っているということには、権利取得の手続にも問題があると考えられます。近年、日本では、権利を取得しにくいような方向で今まで動いてきたので、それを見直していくことも必要だと思います。
 営業秘密の問題の背景には、やはりグローバル化があります。日本の技術が海外で不正に使用されるというのが大きな問題になっています。
 推進計画では目標達成ということが問題になるので、国際交渉は相手のある話なので、盛り込み難いというのは理解できますが、国際交渉も重要です。TPPに限らず、2国間条約も含めて、国際交渉によって確実に保護の水準を引き上げていくことが必要です。そのためには、日本の制度をきちんとしておくことも必要だと思います。
 それから、海外における侵害に対して、日本の訴訟手続がどうやって対応できるかということもあります。営業秘密の場合でも、問題になったのは海外における不正使用でありますから、これについて日本の訴訟制度がどう対応できるかということが大きな課題です。さらに、日本に入ってくる場合の水際措置で、現在御検討いただいているところだと思いますが、将来的には、その他の知的財産権についても考えていく必要があると思います。
 産学連携については、大学の本部とTLOが併存する制度となっている場合について、これまでも検討されてきたと思いますが、今後とも効率化について検討していただきたいと思います。産学連携の基本ですけれども、研究者というのが非常に重要なので、研究者とも上手く連携していただきたいと思います。
 中小企業の対策として、中小企業による特許権の取得が取り上げられてきましたが、意匠権とか商標権とかを含めて、総合的な知財戦略を考えていかなければいけないと思います。特許権は、権利も取得しにくいし、権利行使もしにくいところがあります。産業によっては、意匠権のほうが外見上も明らかで、権利行使がしやすい場合もあります。したがって、企業に応じた知財戦略を考えていただきたいと思います。
 それから、地方の中小企業の振興について、特定農林水産物を保護する制度ができたのですが、工業品については、地方の中小企業の振興のために役に立つのではないかと思いますので、検討をお願いしたいと思います。
 産学連携についても、これは地方の中小企業と地方の大学の共生という道があるのだろうと思います。地方創生の政策の一つとして、地方大学と地方の中小企業がうまく連携できるように、配慮していただきたいと思います。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 喜連川委員が最後ですね。

○喜連川委員
 3点だけお話をさせていただきます。
 1点目はこの御報告の中に1回もビッグデータという言葉が出てこなかった。昨年はいろいろ話題にはなったかと思うのですけれども、もうちょっと真正面から取り上げていただきたいということが1点。
 2点目、教育のオンライン化、IT化というものが非常に急速に進んでいる、この中での著作権の問題というのをもう少し真面目に正面から取り上げていく必要が喫緊の課題としてあるだろう。
 第3番目は、先ほど後藤委員もおっしゃられたかと思いますけれども、学術コンテンツというものも、コンテンツの中の非常に重要な役割を果たしている。野口委員もおっしゃいましたが、ローデータというものが非常に重要な意味を持っている。これこそまさにビッグデータですけれども、こういうもののための学術情報基盤というものをどういうふうに国家として整備するか、極めて重要であると考えます。
 3分より短過ぎて恐縮ですが、以上3点、よろしくお願いします。

○渡部座長
 ありがとうございました。
 ちょうど時間がまいっておりまして、御協力ありがとうございました。
 きょうは一通りお話を伺うという形でございますが、事務局のほうよろしいでしょうか。  それでは、本日の会合、皆さんの御意見をいただきましたので、今後の参考にさせていただくということで、ここで閉会をさせていただきたいと存じます。
 本日の議論の結果を踏まえて、さらに深堀りする点、大変いろいろいただいておりますので、次回以降は産業財産権分野とコンテンツ分野に分かれて会合を開催し、議論を深めていきたいと存じます。具体的なテーマについては、中村座長とも御相談の上決定してまいりたいと思います。
 今後の日程等につきましては、資料3に記載をしております。そのような形で進められればと考えております。具体的な日程については、追って事務方より御連絡をさせていただきます。
 本日は、御多忙中のところを御参加いただきまして、大変ありがとうございます。これで散会とさせていただきます。どうもありがとうございました。