○阿部会長 ありがとうございました。日米欧は中小企業に限らない大きい問題ですが、特に中小企業としては大学も大変ですけれども、中小企業と似ているところはあるかもしれませんね。大学は零細企業があるかもしれませんけれども、大企業でも苦労されているわけですから、そこは更に深掘りをしていく必要があると思いますが、海外特許の侵害問題も大学と似ているところが大きい。大学が一番プアーな例かもしれません。
今の紛争の事例集というのはどうですか。
○荒井事務局長 今まで体系的に勉強していませんから、海外のものはもう少し調べてみようかと思います。今のはいい御提案だと思います。
○阿部会長 ありがとうございました。それでは、吉野委員どうぞ。
○吉野委員 今、言われたこととも関係しますし、既に基本方針などにも入っていますけれども、海外との関係の中で政治だとか、あるいは政府ベースで主として発展途上国の知的財産問題をもっと推進していく。日本からの支援が必要な国もいっぱいあると思うので、そういうことをもう少し強力にやっていただきたい。
最近、中国を始めアジアの国々が経済活動が活発化するにつれて侵害問題というのは非常に多い。したがって、個別に対応していくだけではとても間に合わないという感じがいたします。したがって、もっと政府間でこういうことの認識、体制の整備、それから実際のエンフォースメントみたいなことがもう少し進むように強力にやっていただきたい。したがって、この専門部会とか知財本部でのいろいろを施策を実行していただくことは当然として、更にその上のレベルで世界の、特にアジアの状況というものを大きく変えていくような取組を是非お願いしたい。
○阿部会長 まだまだ足りないということで、そのとおりだと思います。もっと強力にということを何回かおっしゃって、これは日本としてのまさに重要な柱だと思います。
ただ、若干書かせていただいていますけれども、途上国でも模倣品をがんがんつくれるポテンシャルのある国と、模倣品もつくれないところの知財をどう考えていくか。その辺と両方ありますね。
○吉野委員 出す方と、それから受ける方で、受ける方は必ずしも技術は要らないわけですね。そういうところの認識とか、体制とか、そういうものの整備と両方必要だと思うんです。例えば、中国でつくったものがどんどんほかの国にもいってしまう。そちらでもどんどん受け入れてしまうというようなことが現実に起こっています。
○阿部会長 ありがとうございました。重要な御指摘で、日本の国の利害に非常に密接に関係あるところだと思います。
それでは、田中委員お願いします。
○田中委員 今のところにも関係しますが、今回、重点項目ということで国際的な視点での項目が幾つか整理されて挙がってきています。資料3の推進方策の中においては、T創造分野、U保護分野、そして最後のYに国際ルールの構築とうまくまとめられています。しかし、例えばリサーチツールについては、国内だけではなくて海外における問題とも絡んでくると思います。それからパテントトロールといいますか、パテントテロリストの問題に対してもどう対処していくかというのは、国内だけではなくて当然アメリカですとか海外の動向も見据えた上で国内の制度構築をしていく必要があると思います。
商標にしましても、具体的な施策のところで触れられておりますが、場合によっては世界統一商標制度みたいな形に持っていった方が案外使い勝手がいいのではないかと考えています。海賊版とか模倣品とか国際的に解決していかなければいけない課題への制度構築などは、やればやるほど増やしていく必要に迫られます。したがいまして、国際的な展開の部分、あるいはそれぞれの具体的な項目の中での国際的に解決していかなければいけない視点を整理して、また、それぞれの進展状況、あるいはどういった形でそれに対処していくのか等の観点から整理をして進めた方がいいと思います。
といいますのは、このような課題はものすごく広範にわたりますから、一社で対応するのは大変な労力が要ります。我々企業としてはアメリカのいろいろな企業と情報交換し合いながら、アメリカの制度をどのように変えればパテントロールに対抗できるか考えていくべきです。また、これはとんでもない話になるかもしれませんけれども、訴えている会社はどうせ小さいから、場合によっては皆で金を出し合ってその会社を買ってしまうとか、アメリカ人の場合にはそういうとんでもないアイデアも出して、対抗しようとしたりもします。
ですから、そういう情報交換をしながら何か対抗策を協力して考えていくべきと思うわけです。もちろんパテントトロールにしても権利行使をすること自身は特許法上許されているわけですが、ただ、プロパテントの行き過ぎみたいなものに対してどのように対処していくかという視点で考えていくべきだと思います。
いずれにしても言いたいのは、このような国際的な問題を少しマトリックス的に全部整理した上で一つひとつきちんと対処していけるようにした方がわかりやすいかなということでございます。以上でございます。
○阿部会長 ありがとうございました。御指摘のとおりだと思うんですが、田中さんのお話を伺って振り返ってみますと、やはり内向きの議論が多過ぎるかなと。内向きも大切なんですけれども、今のような整理を常にしながらやっていくのは重要なことですね。
○田中委員 基本的にはそういうこともやりながら、国内の制度整備というものを何かレファレンスを持った上で、むしろこういうふうにした方がもっといい制度になるのではないかと考えていった方が全体的にいい方向に進むのではないかと思っています。
○阿部会長 ありがとうございました。では、久保利委員お願いします。
○久保利委員 欠席が続いて、どうも申し訳ありませんでした。今、田中さんのおっしゃったことは、本当にそうだなと私は思うんです。前田先生もおっしゃっていましたけれども、要するに紛争が起きる、訴訟が起きる、リーガルという問題で、せっかく特許を取ってもそれがどうやって経済的に生きていくかというときに必ず訴訟、法律という問題があるわけです。
それで、アメリカで理科系で弁護士になる人が多いのは、ある意味で言うと経済のソフト化の中で特許を発明し、それを知的財産として生かしていくというのと、訴訟をやってもうけるということは実は産業のソフト化という点では同じことなんです。ですから、訴訟自体がビジネスなんです。そういう意味で言うと今、田中さんがおっしゃったように、小さい会社でうるさい人がいるからそれを買ってしまおうというのは当たり前の話であって、決してとんでもないことではないと私も思うんです。
そういう感覚も持たずに、法律が大変で、そのお金をどこかで助成してよということばかり考えていると、なかなかそれはアメリカには出ていけないんだろう。むしろアメリカの弁護士とジョイベンを組んで、この特許を守り切ったらおまえに権利の1/3をやるよというふうな、それ自体をビジネスにしていくような発想がないと外では通用しないのではないか。
したがって、国内では本当に過疎の地域の弁護士たちもしっかり知財をやれとか、国内の内向き部分としては当然あり得る話でありまして必要なことなんですけれども、インターナショナルに考えていったときに知的財産権というのは実は法的な部分のサポートがなければ財産たりえないんです。
だから、リーガルのそういうパワーと理系の発明というものとが常にセットでいかないと勝てない。だからこそ、逆に言うとアメリカには2万人も3万人ものパテントアトニーがいるということになって、日本には非常に数が少ない。いわばビジネスになっているリーガルというものと、日本の場合にはビジネスになっていないリーガルというものと、この違いが恐らく国内の問題と海外の問題で訴訟問題がえらく異質に見える原因ではないか。 したがって、もうグローバルな企業になっているホンダとかキヤノンとかはそれを十分経験してこられたけれども、大学はそれができるか。あるいは、わかっているか。あるいは、中小・ベンチャーはわかっているかというと、そのことがまずわかっていないのではないか。それで海外に行って大けがをして帰ってきたり、非常に無防備で行って失敗するということがある。だから防備したいとおっしゃるわけです。
しかし、そのときのリーガルの活用の仕方というのは、単なる助成ということだけではないと思います。助成も大事だし、こういうリストがあるとか、こういう事務所がいいとか、それは多分情報提供としてあり得るんだと思いますけれども、そこの活用の仕方はもうひと工夫、ふた工夫、次のこういう専門調査会でも結構ですから、中山先生の御意見などもお伺いしながら少しリファインする必要があるのかなという印象を今、受けました。
皆さんがおっしゃっているのはごもっともなんだけれども、アメリカにおける訴訟社会の在り方と日本を混同してしまうと、ちょっと違うかなという気もしたものですから、余計なことですけれども、申し上げました。
○阿部会長 では、お名前が出ましたのでどうぞ。
○中山委員 今の久保利先生のお話は全くそのとおりだと思います。特許というのは弱肉強食の世界なのです。したがって、特許の世界のプレイヤーになろうとする人間は、大学であろうが、中小企業であろうが、それなりの覚悟を持っていかなければいけない。どうも日本を見ていますと、お上の助けをくださいという部分が多すぎるように見えます。
官が出てゆくべき部分もあります。久保利さんがおっしゃったように、例えば特許情報の検索をしやすくしてやるとか、その他もろもろの一般的な情報とか、そういうものを与えるというのはもちろん大事です。
しかし、個別の具体的なケースにお金をちょうだいということはやるべきではない。やっても、それは企業体質を弱めるだけです。むしろさっき久保利さんがおっしゃったような意味で、自分の力を付ける、そちらに仕向けなければいけないです。うっかり援助をするということは、その仕向けるインセンティブをなくすことにもなりかねない。 だから、官が何をどこまでやるかということを十分議論する必要があるだろうと思います。
それから、2番目は人材問題です。これはあちこちの要求を聞いていますと、スーパーマルチ人間が欲しいとしています。法律もわかる、会計もわかる、技術もわかる、あれもこれも全てわかる、そんな人間はいるわけはないんです。そんな人間を教育できるわけもない。数年前に知的財産専門職大学院のモデルカリキュラムというものを私が委員長でつくったことがありますが、理想的なカリキュラムなどは到底できないです。法律だけやろうと言っても大変なことなのに、やれ理科系だとか、会計だとか、経営だとか、そんなことは絶対できないです。
しかし、そういうものを欲しいからいろいろ研修会をやるとか、セミナーをやるとか、盛りだくさんに書いてありまして、セミナーの開催自体は結構なことですが、本当はその前に教えることのできる人をきちんと養成して時間をかけてやる、10年は覚悟でやるということが必要だろうと思います。今、急に知財ブームになりましたので、言葉は悪いですけれども、はっきり言わせてもらうと、にわか専門家、えせ学者が満ちている。うっかり研修をやると、その不見識を拡大再生産することになりかねない。あるいは、どこにでもあるような教科書に載っているような薄っぺらい知識を伝授する。あるいは、賞味期間が極めて短い知識を教えておしまいにするということになりかねない。
今、日本で研修の先生をやっている人の中に知的財産とは何か、知的財産の本質は何かと聞いて答えられる人が何人いるか。余りいないんです。したがって、この報告書の教育についての文章はこれでいいんですけれども、やはりじっくり地道にやっていく必要があるだろうと思います。
3番目に、恐らくこれから世界の知的財産制度というものは南北問題がかなり大きな軸になっていくだろう。これは前々回に八田先生と議論した点ですけれども、経済理論的な問題は別といたしまして、南北問題というのは必ず出てくるし、なかなか経済理論どおりに進まない。これは前回議論になったフォークロアとか、TK(トラディショナル・ナレッジ)の保護等は我々から見ると不合理な制度かもしれませんけれども、途上国は何も持っていないわけですから、そういうものも含めて、一方では援助し、一方では侵害をちゃんと取り締まっているという要求をする。侵害だけ取り締まると言っても、それで食べている人に対して死ねと言うのに近いわけですから、やはり何か一緒にやらなければならないだろう。途上国問題を忘れてはならないと思います。
○阿部会長 誠にそのとおりだと思いますけれども、八田先生の名前が出ましたのでお願いします。関係ないことでも結構ですのでどうぞ。
○八田委員 以前にも申し上げたことですけれども、もう一度強調させていただきたいことが2つございます。
第1は、エイズの薬や、インフルエンザの薬のタミフルを途上国に対して優遇料金で利用してもらうかどうかに関してです。
技術とか音楽とかいった情報は、経済学でいう公共財です。すなわち、他人が消費するとしないとに関わらず、同じように消費できるというものです。この点で、ハンバーガーやアイスクリームのような普通の財と違います。公共財は、ただで誰でもが使えるようにすべきだというのが大原則です。なるべくそういう人間のつくったものを多くの人が使うことが望ましい。
しかし新作の技術や音楽を関しては、この大原則を破って、知財として守ります。その理由は、ただただ技術開発をしてもらいたい。新しい知恵をつくってもらいたいという目的のためです。従って、その目的さえ達成されれば、全部ただにするというのが大原則だと思うんです。
この視点に立つと、今までは、一律に決めていた特許料とか特許期間というものを見直す必要性が認識されます。例えば、非常に大当たりした技術や薬品について、これだけもうけたら、特許による保護を打ち止めにして、早めに無料公開するということを最初から明確にしておく事で、十分な技術開発のインセンティブを与えながら、公共性を最大限に活用することが可能になります。そういうようなことをすると、鳥インフルエンザが流行りそうなときには、タミフルからのもうけが予め決めた水準に達しない部分を国が支払い、特許権を買い上げて、あとはただで公共財にして、途上国を含めた全ての国で活用することが可能になる。このような制度の下では、国がいくら負担すべきかが予め明確になります。
ところが、今はある薬品が大当たりしたら、それを発明した製薬会社は無限にもうけられるという仕組みなわけです。このような制度改革に関しては、日本としても世界に先駆けてそういうイニシアティブを取るというようなことがあっていいのではないかと思います。
第2は、日本の技術者を国費でもって、アメリカのロースクールに留学させる制度の新設です。最先端の情報というのは文献では入らないと思うんです。先ほどいろいろな判例のリストを国が公開すべきだというお話がありました。しかし、最新のアメリカの地方裁判所の判例について、その背景を説明し、解釈が与えられていなければ、使い勝手は良くないでしょう。結局は向こうの弁護士さんがそれを商売の道具としてやるくらいのものでなければ実際には役に立たないんだろうと私は思います。ただ機械的に日本国政府がそれを調べても、ほとんど実用には役に立たないのではないか。
そうすると、その最新の情報というのは文献ではなく、結局は人的なネットワークと商売を通じて売ることになります。ところが、商売を利用しようにも人的なネットワークが厚くなければ何をどう使ったらいいのかも分からない。
このまえ、私は日本の技術者をなるべく国費でもって弁護士、アメリカのロースクールに留学させるような奨学金制度を創るべきだ。その人たちは日本に帰ってこなくていいから、向こうでさんざん働いてもらい、日本と向こうのローファームとの人的なコネクションをつくるべきだと申し上げました。今度は逆に日本のロイヤーで奇特な人がいて、エンジニアリングを向こうで勉強したいという人がいたら、それに対して奨学金を用意することも考えるべきだと思います。
何でもマーケットに任せておけと言いそうな経済学者が、奨学金については、銀行ではなく、国がやれと言う理由は、銀行は、人間以外のものへの投資に関しては、担保を取れるけれども、人間への投資に関しては担保が取れない。したがって、銀行が金を貸してくれないんです。だから、自信があって後で返せると思っても銀行は金を貸してくれない。人間に対する投資というのは非常に特殊な事情があるから、市場が失敗するわけです。市場の失敗を克服するためには、国がさまざまな形で市場に介入すべきです。それによって知財に関する厚い人的なネットワークが出来ると、日本の企業も利用できるようになりますし、日本のロースクールも活性化すると思います。
○阿部会長 ありがとうございました。八田委員の御意見は反論する方はいるかもしれませんけれども、貴重な内容を含んでいることは確かだと思います。
では、妹尾委員お願いします。
○妹尾委員 私は経営の人材育成の世界からこちらの世界に入ってたこともあり、今回人材育成に関する総合戦略がちゃんとできたのが何よりうれしいと思っています。
というのも、ここ数年、知財人材育成が一気にブーム、焦点になったのは大変いいことだと思うのですが、ただ、そのときに一番感じられたことは先ほど中山先生の御指摘にもありましたとおり、人材育成をする人材がいないということです。それがこの分野の特徴だと感じました。経営教育の世界では既に人材育成をする人材を育成するというスタイルがかなりできています。
特に知財の教育のスタイルが、前にも御指摘させていただいたように、30年前だなということがあります。それを総合戦略でどれだけリカバリーできるかということが今後の課題ですね。私もその責任を負って一生懸命やりたいと思っていますが、同時に経営教育の方法論での遅れということにも気が付きました。それは何かというと、経営教育の中に知財が全く入っていなかった、ということです。これを自覚して、先ほど久保利先生がおっしゃったような世界で通用する国際的なビジネスができる人を育てなければならないと思っています。
そういう意味では、今までの知財の世界というのは技術と法律を結ぶという部分だけだったのですが、それに経営やビジネスというものが入った三者の関係を動かせる人材を育成しなければいけないと考えます。
確かに中山先生のおっしゃるとおり、スーパースターを育てることはできない、イチローはやはり自然に出てくるものだと思いますが、裾野が充実しない限りイチローは絶対に出てきませんので、地道な努力をしていくしかないと思っています。それが第1点です。
第2点は、それをやっていくうちに困ってしまったことが幾つかあります。そのうちの1つが、先ほどから出ている事例とかについてです。知財関係の方はやはり知財をやられているだけあって口が非常に堅くていらっしゃるので、特に失敗事例というものを出していただけないのです。我々がよく、どうやれば経営と知財がうまく組み合わさって成功したか、失敗したかというお話を伺おうとしても、企業の方々はなかなかお話くださらない。
いわゆる消費財ビジネスで成功した場合は皆さん、宣伝も兼ねてたくさん雑誌に載せていただけるのですが、そうでないところは我々が教育教材をつくろうとするときに大変難しいことになります。もうそろそろ時期的にそういうことも話してくださるようになればいいと思っています。政策的にどうできるかという話ではありませんけれども、そういうような問題点があります。
3番目は若干冗談です。こういう人材育成をやっていると面白い縦割りの言葉遣いというものに随分出会います。例えば、教育という言葉はやはり文科省が中心で、厚生労働省になりますと訓練、経産省になりますと研修と言います。私は今、警察省の委員もやっていますが、警察省では教養と言います。これは先日、教養ではなくて研修というふうにようやく直していただきました。人材育成という言葉が省庁横断的に使えるようになったのでほっとしているというのが実態です。
例えば、大学に関する産学連携の場合、経済産業省がアドバイザーと言い、文部科学省はコーディネーターと呼ぶ。実際に必要なのはプロデューサーですが、そういうような用語一つで縦割りが全部見え隠れするような状況を早く超えて欲しいものです。
それから、例えば特許に関連すると、産業財産権と変えたにもかかわらずいまだに工業所有権情報・研修館と言っている問題があります。これは学生に質問されても答えようがないです。
さらに、このような言葉の違いの問題だけではありません。今後研究ノートをどうやって管理していくかが課題でだされたわけですが、大学での研究者の研究ノートの管理は文科省の管轄ですが、企業さんの研究ノートの指導は経済産業省になってしまいます。だけど、共同研究の場合はどちらがどう指導をすればいいかという話が必ず出てくるでしょう。
これは別に文句を言っているわけでもなくて、半分冗談で申し上げているわけですけれども、今後これらを推進するときに知財戦略本部が横断的なところでの指導力を是非是非発揮して、そういう違いがあってもそれを乗り越えるようにできたらと思います。
今日のことは別に提言とか、そういうことではなくて感想であります。
○阿部会長 ありがとうございました。我々もいつも苦労をしているところですから。
では、最後に下坂委員お願いします。まだもうちょっと時間はありますけれども、とりあえずの最後ということです。
○下坂委員 まず人材育成総合戦略は先回いろいろ述べさせていただきまして、会長一任にさせていただきました。今日御提出いただきましたことを大変感謝申し上げます。また、御努力いただきました事務局の皆様方にも厚く御礼申し上げます。
なお、人材に関しましては4月に産構審の方で知財政策部会に弁理士制度小委員会が設置されて、研修制度を含む弁理士資格付与の在り方というテーマだけではなくて、それを筆頭にテーマが幾つか1年間かけて行われると聞いております。今日追加修正されました1、2、3でございますが、31ページのCのところでございますけれども、その方策を総合的に御検討いただきまして、日本弁理士会が強く希望しております弁理士登録前研修制度なども含めて、幅広く御審議いただければと心から願っております。以上はお礼でございます。
2点目は、先ほど中山委員からえせプロフェッサーの不見識再生産という言葉が出たのですが、確かに知財というのはプロフェッサーが増えておられませんね。いわゆる中山流プロフェッサーでございますが、なぜ増えないのか。これは言われ続けてもう2、3年たっていると思うのですが、今度はそのことも検討していただけたらいいんじゃないか。
ただ、知財の場合にはかなり実務的な面というものも必要でございまして、産業に直結する部分がございますから、理論だけというよりは今いろいろお教えいただいている方たちの存在価値というものは非常に大きいところがあるのではないかと思います。
それから、先ほどアメリカ側のいろいろな侵害訴訟などの話も出ましたけれども、侵害訴訟とか出願の異議申立てがアメリカ人の場合などはえらく高いんです。アメリカの方で商標1件の出願に異議を申し立てられまして、アメリカの代理人がばさっと契約書を送ってまいりました。そこには、事務所のチーフがこれを扱います、と述べてあり、その料金は1時間600ドルです、それにアシスタントロイヤーを2名付けます、その料金がアワリーチャージ、いわゆる時間制で370ドル、もう一人が350ドル、それからサーチャーが付きます、それが幾らと、そういう契約書が送られてまいりまして、それでこの異議には1,000万円は覚悟してください、最初のイニシャルフィーとして100万円を入れてください、よければこの契約書にサインをして返送くださいとありました。異議申立てでここまで大きいのは初めてなんです。というのは、相手の異議申立人が大変有名な団体らしゅうございまして、それと闘うのにはこれくらい要るということです。
異議を申し立てられた日本側の会社も大きい会社ですが、1日で結論が出まして、異議を受けるのはやめた、ということになりました。アメリカの場合、非常にアワリーチャージが高いんです。ただ、反面、日本側に言えますことは、日本人がサービスというものはただだと思っているところが余りにも強過ぎる。ところが、知的財産というのはサービスの塊みたいなもので目に見えませんから、日本人は物でしたらどういう物でもお金を出すことをいといませんけれども、見えないものに対してはいといます。昔からサービスをいたしますということはイコールただでございますということでして、御近所の電器屋さんだって取り替えたヒューズの部品代は取るけれども、自分が2時間もかけて直した時間の費用はゼロで、いやいやサービスでございますとなどといいます。これが日本は徹底しております。
そうしますと、知的財産で闘おうというような場合には時間だけが費やされてまいりますので、そこに対する企業なり個人なりの理解がなければ十分な調査とか、十分な闘いとかというものができません。金額的にも大きくなるんですが、アメリカに比べれば10分の1、20分の1、30分の1というところです。
そこで私がお願いしたいのは、知的財産の効用普及、これは非常に大切なことですが、そのとき、知的財産というものは物ではない、いわゆる思想であり、サービスであるというようなことから、日本人のサービスに対する観念というものも同時に変えていただきたいと考えております。いろいろなところでしゃべるときには、電球を取り替えたらただではありません。サービス料はかかりますよ、というようなところから始めているのですけれども。日本人はかなり徹底してサービスはただという認識です。そこはアメリカなどとはすごく違います。
アメリカの高いのは、いいことか悪いことか、これは先ほど申しました事例からも、守りたくても守れないという状況が出てまいりますから、あそこまで高くなくてもいいんじゃないかという気はしております。だけれども、日本は安過ぎるんじゃないかという気もしております。
だから、いろいろそこの面もこれから検討して考えていきたいと思っているところでございます。今でも高いと言われている弁理士からいうのは恐縮ではございますけれども、意見を出させていただきました。以上です。
○阿部会長 ありがとうございました。ひと当たり御発言いただきましたけれども、自由討論ですのでもう少し時間を取らせていただきますので、是非追加的に御発言いただきたいと思います。
では、田中委員お願いします。
○田中委員 知的財産立国に向けてということで、教育ですとか、今、下坂先生のおっしゃった話ですとか、いろいろな議論がされていますが、やはり知的財産権という話と、知的財産そのものの話というものをはっきり区分けして議論していかないととんでもないことになってしまうのではないかと思います。
企業における知的財産活動というものは、知的財産権だけが対象ではないんです。今は機密漏洩についてどうだ、あるいは技術流出についてどうだ、ノウハウ管理についてどうだ、あるいはブランド力はどうだといったように、そういったものも含めて全体の知的財産、あるいは無形資産というものに対して気を配っていかなければ、企業における、本当にいい意味での知的財産活動にはなり得ないと私は思っています。
結局、企業においては知的財産をいかにハンドリングしていくかが大切なことなんです。ですから知的財産権という法律上の知識と、企業の中における知的財産活動とは、場合によったら共通点は余りなくて、法律を知らなくても知的財産活動はできる部分も実はたくさんあります。
知的財産権の話と知的財産そのものの話を、教育の場においても、今、下坂先生の言われた料金の話の場にしても、区分けして考えていかないととんでもない議論になってしまうのではないかという感じがちょっといたします。以上です。
○阿部会長 ありがとうございました。企業に限らず大学もそうでして、大学は大げさに言えばすべて知的財産を相手に仕事をしているようなものなんですが、知的財産権というものはごく一部ですので、そこはいわゆるパテントにならないような知的財産に関していろいろなことがあるわけですけれども、まずそういう人間の創造活動から生まれてくる知的財産一般に対して、もっと多とする雰囲気をつくる。大学はもともとそうでなかったら価値がないんですけれども、若干寂しい方向に時々いきそうな気がして心配になるところです。
それから、ついでに少し独断的なことを申し上げますと、中山先生がおっしゃったプロフェッサーの話ですけれども、最近は知的財産に限らず、いろいろなプロフェッサーが出てきて、これは私はある意味でいいことなんですが、ある意味で水準が下がっているんじゃないかという気も時々するんです。
ただ、例えばコンピュータにしろ、原子力工学にしろ、最初は専門家がいないわけですから、いろいろな専門家が集まってきて学科をつくったり、専攻をつくったりするわけですのでやむを得ない面もあるんですけれども、広がるということは非常にプラスでありますが、できれば水準が下がらない形を是非望みたいという気持ちも残りの半分はあるわけで、そこはいつも葛藤になるんですけれども、勝手なことを申し上げて恐縮でございます。 では、プロフェッサーが2人いますので、どうぞ。
○中山委員 私が申し上げたのは、プロフェッサーももちろん含むんですけれども、プロフェッサーだけではなくて知財の教育に携わっている人一般という意味で申し上げたのです。
プロフェッサーについてはもちろん阿部先生がおっしゃるとおり、大分インフレが起きていまして、プロフェッサーだけでははっきり言って信用できないという面もあるわけです。
それから、下坂先生がおっしゃった2、3年もたつのに何でプロフェッサーが増えないか。これは当たり前なんです。私はそれが言いたかったんです。つまり、プロフェッサーなどというものは2、3年では育たないんです。10年から15年たたなければだめです。東大法学部で言いますと、専門家になりたいという人を見つけてきて3年から5年かけてやっと助教授にして、それから5年から10年でやっと一人前の専門家になる。
私が言いたいのは、そういう息が長い教育が必要だということです。プロフェッサーが必要だから明日からすぐプロフェッサーができるかというと、それは無理ですよ。だから、今後10年間ずっと、あるいは15年間ずっとこういう運動を地道でもいいから続けていきましょうというのが私の言いたい本音で、ブームでにわか専門家が出て、それで終わってしまうというのではいけませんよ、という趣旨なんです。
○阿部会長 では、久保利委員お先にどうぞ。
○久保利委員 それはエンタメロイヤーとか、知財弁護士というのもそうなので、要するに今までこれしかいないから急に増やせと言う。勉強したいと言う人を増やすことはできるわけです。そういう意味で、関心を持つ人がたくさん増えてくれるという点では大変いいわけです。しかし、それでは昨日、今日、エンタメロイヤーズネットに入ったからそれがすぐ明日から使えるかというと、そんなことはないわけで、やはり何年もかかります。 ただし、それは始まらなければ何年待っても始まらないわけで、始まれば実はプロフェッサーがいれば育成はもっと簡単になりますから、必死で2、3年やればそれはそれなりに使えるようになっていく。それで、さっき奨学金の話も出ましたけれども、日本というのは少子化だとか、どんどん人口が減るとか言っている割には、少数でもいいから優れた人を出していこう。それから、1人でスーパーマンみたいな人はいないんですから、そうすると研究開発でも優れた人、リーガルでも優れた人、ビジネスでも優れた人というのをとにかくつくっていこうという動きになって当たり前だと思うんです。そういう意味では奨学金の話もそうで、私は日本の大学生あるいは院生を含めて低学力で低学歴だ、全国、全世界のリーダーに比べると相当力が落ちると思っているんです。
この水準を上げる必要があるのであれば、やはり相当のコストをかけなければいけない。その意味ではエンタメロイヤーズネットに皆、入ってきてくれるけれども、ではどうやってその研究をしましょう、新しい契約書のひな型をつくりましょう。皆、勉強だからそれはやりますけれども、しかし、これが全く著作権も何もなくてどこかへ差し上げてこれだけ皆で勉強しても、それがどういうリターンになって返ってくるのかということがないとインセンティブがない。やはり補助金をもらうとか、何らかの権利をいただけるとか、名前が売れるとか、そういうものがないと皆やる気にならない。
その点で、中町君という弁護士がカリフォルニアに行ってもう7、8年になります。カーク・アンド・エリスという大ローファームのパートナーになって、珍しいことですが、日本に帰ってこないでそのまま頑張っているわけです。バイオをやったり、コンピュータをやったりしてきたわけですけれども、そういう知的財産弁護士として、日本人がどんどん向こうで活躍しなければダメです。科学者は既にそうなっている。彼等がセットになってきたときに、やはりインターナショナルに認められるのではないか。そのための必要な奨学金とか、学ぶためのコスト、さまざまなインセンティブというものは、私は国が国家戦略で出すべき大事な問題ではないか。
それが結局、ひいては大学の前田先生のところにもリターンがいくでしょうし、板井先生のところにもいくだろうしというふうに私は思うので、そう短兵急に言ってもだめだけれども、始めなければ何も始まらないという点では、この3年間というのは始めたということがとても立派だ。これを続けることが大事だと私は思います。
○阿部会長 今おっしゃったことは人材育成教育一般に言える非常に重要な視点で、第3期の科学技術基本計画の基本政策の議論ともかなり重なる。エンタメロイヤーのことはやっていませんけれども。
では、順番で妹尾委員、前田委員お願いします。
○妹尾委員 今の御議論で1つ指摘させていただきたいのは、プロフェッサーと言ったときに2つの意味があるということです。1つは中山先生みたいな日本の学問の権威でいらっしゃる方がアカデミックなプロフェッサーをどうやって再生させるかという話と、もう1つはプロフェッショナル教育ができるプロフェッサーをどうするかという話です。つまり両方あるんですね。
それで、今、日本では知財アカデミックのプロフェッサーが足りないのか、知財プロフェッショナルを育てるプロフェッサーがいないのか、というと両方足りないわけです。それで、どちらかというと、今、法科大学院その他で中山先生の御努力があっていろいろ知財アカデミックの系統での教育がずっと動いていますが、一方で、本当に経営に資するような人や知財プロフェッショナルを育てるプロフェサーがいない。これが大問題だと思うんです。
知財プロを育てる人は、教える人ではなくて、むしろ学ばせる人です。そうすると、先ほど言ったようなケースなども全部ないといけないという話になる。こういった点をやはり区分けしないと、この手の議論が少しごちゃごちゃになりかねないと思います。
それからもう一つは、先ほどのインフレーションを起こしているという話ですけれども、これは実務家教員の問題です。弁理士さんだとか、特許庁の方だとか、あるいは知財協の方が大学で知財教育をやるからと講師で呼ばれるわけですけれども、そのときに教員としての授業法のトレーニングが全くできていない。で、まねごとで知財法だとか、特許法の35条の解釈をするとか、そういう話になってしまう。実務家教員の方に求められているのは実はアカデミシャンのまねごとではなくて、実務家としてプロフェッショナル教育をするということが一番なのです。そうでないと実務家教員としての価値がないわけですから、そういうところの基盤づくりや人材育成をしないといけない。
それで、政策的な誘導という意味では、先ほどの個々の案件に公的なものが入るではないのですが、基盤となる人材育成のところは国の全体の仕事なので、これは政策的なものがどんどん入ってきて応援をしていただくことが重要かと思います。
それで、教育の話で話題を1つご提供します。今回ここで御議論された中で放送大学だとか、あるいはe−ラーニングを使ったらどうかという話がありました。お陰様でそれらは動き出しておりまして、関係者の皆さんがこれに呼応してくださって、現在放送大学とe−ラーニングで全面展開の準備が始まりかけています。
ただし、ここで重要なことは、こういった動きは、いわゆる私が言う「知財民度」、国民全体の底上げの部分であって、先ほど久保利先生が強調されたトップクラスのエリートの教育ではないという点です。そこのところについてはもう一つ何か手を打たなければいけない。それが今後の課題になると思います。人材育成は時間がかかるので、まず始まったことが重要でがんがんやりますけれども、上の方を引っ張るリーダー層をどうやってつくるかという政策、施策のところが次にやはり出てこないといけないという感じを持っております。
○阿部会長 ありがとうございました。いろいろ多面的に整理してやっていかなければいけないということと、ある意味ではロールモデルが出てくるといいのかもしれません。若い人がやはり将来に対して見通しなり、夢が持てるということが欲しいわけですから。
○妹尾委員 阿部先生のご指摘のとおり、ロールモデルができて、この業界のキャリアパスが見えてきて、そしてこの知財分野はエンタメロイヤーも含めて何かすごいなと思って、若い人たちがたくさん入ってくれると嬉しいわけです。人材育成の話というのは、とかく今いる人の育成をついつい考えてしまうのですが、一番重要なのはその領域が魅力的で次の世代の優秀な人が入ってくれる状況をつくることです。なので、阿部先生のおっしゃるとおりだと思います。
○阿部会長 では、お待たせしました。どうぞ。
○前田委員 大学にたくさんお金を付けて大学が特許を取るようになりました。本当にそれは企業の製品化への貢献になっているのかという疑問の声は皆さんからあるかと思います。日々業務を行っていて感じることは、大学が最後まで特許を持っていて、企業の方が以前よりも使いにくくなるという、決してハッピーじゃないケースも存在するということです。
私は、売り切ってしまう特許もあって良いと思います。自分たちの大学で必ず特許を持っていて、ライセンスで企業に使っていただくのではなくて、特許自体をお売りしたり、もしくは半分権利を大企業に持っていただいて、リスクは企業の方に持っていただくというような方法も選択肢のひとつと考えています。
最後に、私どものように企業の人が大学に入ってきて文化をちょっとずつ変えられたのは、助成金をいただいて、このような制度ができたからだと思います。医科歯科大学というのは医学系の学校です。私のような人間が入るということは、知的財産本部整備事業のような助成がなかったら絶対あり得なかったと思います。思いのほか抵抗無く受け入れてもらえまして、医工連携が進んで、結果として数億の共同の研究などを印刷会社さんとやらせていただいたりしています。過去には論文発表等で公開になって特許として成立しなかったものでも、迅速に適切な企業と手を結ぶことで技術が有効に活かされるようになります。
また、医学系などの閉ざされたところに新しくビジネスという感覚を入れることに役立ったのではないかと思いますし、外部人材を入れていくことで、共同研究等をより活発に行えると確信しています。是非、助成を続けていただけたらと思っています。
また、今、私がいただいている人材養成の方のプログラムで、ワシントンの方にある特許弁護士の先生のところにインターンシップで1人学生さんを派遣しています。例がなかったことのようで、大変行かせることが難しかったですが、やはりいろいろなところにお金が付くからこそ新しいことがやっていけるのだと思います。大学にお金を付けたことは失敗だったのではなくて、開かれた大学、または、論文を発表してしまって本来企業の方が製品化できるものが死んでしまうことのないように、私たちは入っているというような考え方で、決してロイヤリティを増やすためだけではないということからも、是非助成をし続けていただけたらと思っています。
○阿部会長 ありがとうございました。先生のお話を伺っていて、私も今、大学ではなくてたまたま政府の末端のはしくれにいるんですけれども、研究者も含めて政府の施策のネガティブな面ばかりいろいろなところで主張されるので、プラスの面を先生のように、あのお陰でこういうことがこういうふうに変わりましたとか、そういうメッセージがもっとどんどん出てくると、政府の関係者は皆、もっと張り切ってやるんじゃないかと思うんです。新聞を見てもだめなところばかりで、だめなところはもちろん直してもらわなければいけないんですけれども。
○前田委員 今まで医大でしたら私のように立派な大学を出たわけでもないですし、お医者さんでもないのに、センター長で任せ切って好きにやっていいよということはあり得なかったと思うんです。そういうことを自由にさせてもらっている医科歯科大学に感謝でもあるし、文化は違うのでとても大変なんですけれども、やりがいもありますし、今までつながっていなかったところをつなぐというのはある意味で社会貢献ではないかと思ってやっています。
○阿部会長 ありがとうございました。もう少しお話を伺ってもいいですが、いかがでしょう。よろしゅうございますか。
それでは、たまに少し早く終わらせていただいてもいいかと思っておりましたので、今日いただいた御意見を2006の議論につなげさせていただきたいと思いますし、ある部分は2006ではなくて2007以降になるものもあろうかと思います。本日、一応先ほど申し上げましたようにひと区切りとなりますが、先生方の御意見をそういうふうにつなげさせていただきたいと思っております。お忙しいところを御協力いただきましてありがとうございました。
なお、今後は2006をつくることに専念させていただきますが、それが終わって一段落した後でまたこの専門調査会を再開することになる予定でございます。今後の予定につきましては、後日事務局を通じて御連絡をさせていただきますので、引き続きよろしくお願いします。
何か事務局でございますか。
○藤田事務局次長 特にございません。
○阿部会長 それでは、どうもありがとうございました。
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