○中村会長 おはようございます。
では、ただいまからコンテンツ強化専門調査会第3回の会合になります。開会をいたします。皆様、お忙しいところ、週明けのところ、お集まりをいただきましてどうもありがとうございます。
本日は、前回に引き続いて、テーマごとの目標設定、あるいは施策をイメージしながら、具体的な議論を進められればと思いますが、まず初めに、津村政務官からご挨拶いただけますでしょうか。
○津村政務官 おはようございます。津村でございます。
1週間に1回、2回と、かなりハイペースで議論を進めていただいておりますが、今日で3回目ということで、前回も海外展開、人材育成等につきまして大変実り多い議論をしていただきました。そろそろ折り返しになりまして、少しまとめていくほうも必要になってまいりますけれども、毎回申し上げていることなんですが、やはり事後的にチェック可能な形での目標に最後落としていかなければ、言いっぱなしに終わるというのを非常に危惧しておりますので、そこだけ改めてお願いをできればと思います。
今日もよろしくお願いします。
○中村会長 ありがとうございます。
また、今日は大﨑洋委員が初めてご出席ですので、ご紹介をいたします。
よろしくどうぞお願いいたします。
○大﨑委員 吉本興業の大﨑と申します。
1回目、2回目、欠席で申しわけございません。やっと3回目に参加させていただきます。皆様の議論のシートを読ませていただきましたので、少し外れたような発言があるかもしれませんが、お許しください。
よろしくお願いいたします。
○中村会長 では、議論に入りたいと思います。
前回の会合では、3つの大きな論点のうち、グローバルコンテンツ大国、海外展開ですね、それからクリエーター大国、人材育成、この2つについて議論をしていただきました。今日は残る3つ目、デジタルコンテンツ大国、どちらかというとネット配信の分野について議論をしたいと思います。
まず、論点を再度確認するために、事務局から説明をお願いします。
○奈良参事官 それでは、ご説明させていただきます。資料1-1と、それから資料1-2を使いまして、ご説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料1-1をご覧ください。これは骨子に盛り込むべき事項ということで、前回と同じ資料でございますけれども、施策例、それから目標設定の例につきまして、討議に当たっての具体的なイメージをつかんでいただくための資料でございます。なお、前回の議論は反映してございませんけれども、前回そして今日の議論を反映し、骨子案として整理をしていきたいというふうに考えているところでございます。
それでは、資料の7ページをご覧いただきたいと思います。今日ご議論いただきたいのは、3つの方向性のうち3つ目の観点でございまして、デジタルコンテンツ大国の実現という観点でございます。
成果のイメージといたしましては、現在、約1.4兆円のネットコンテンツビジネスが、2010年に大幅に膨れるというようなイメージでございます。
現状認識といたしまして、電子配信、我が国は大きく遅れをとっている、あるいは外国の攻勢にさらされている状況にあるということでございまして、このため、重点分野に関する電子配信の促進でありますとか、日本発のプラットフォームづくり、あるいは著作権侵害コンテンツ対策、また、将来の知財制度の在り方ということについて、検討することが必要ではないかというふうに考えております。
成果目標のイメージといたしましては、まず(1)といたしまして、「全てのコンテンツが海外を含めてネットで購入可能となる。」ということでございまして、重点事項として、例えば(イ)といたしまして、すべての書籍の分野におきまして電子配信を実現する。このため、施策例といたしましては、民間企業が取り組む実証実験等を支援するといったようなことが考えられるのではないかというふうに思います。
それから、2番目の重点事項といたしまして、(ロ)といたしまして、すべての放送番組の電子配信を実現するという観点でございます。8ページ目にまいりまして、そのための具体的な施策例といたしまして、民間ベースでの権利処理やルールの策定の支援、あるいはIPTV、あるいは携帯機器での視聴等の普及を促進するといったことが考えられるのではないかと思います。
(ハ)といたしまして、そのほかの分野でございますけれども、施策例といたしましては、すべての映画館のデジタル化・3D化を行うということで、そのための税制、あるいは補助金制度を設けてはどうかというものでございます。
それから、(ニ)といたしまして、デジタル化・ネットワーク化時代に対応した著作権制度ということでございます。これは後ほど補足資料のほうで、またご説明をさせていただきたいと思います。
目標の2つ目といたしまして(2)、「日本発のコンテンツプラットフォームが世界標準となる。」ということでございまして、重点分野に関する取組を支援するというものでございまして、取り組むべき分野の例といたしましては、(イ)といたしましてIPTVでありますとか、あるいは9ページにまいりまして、3D映像、それから、(ハ)といたしましてデジタルサイネージの分野に取り組んではどうかというものでございまして、施策例としてはそれぞれ、国際標準活動の支援でありますとか、民間の支援でありますとか、あるいはソフトの供給体制整備、こういったことを考えてはどうかというものでございます。
最後、(3)といたしまして、著作権侵害コンテンツの激減というものでございまして、目標といたしまして、現在、ゲームについて約5,000億の被害があるというふうに言われておりますけれども、それを大幅に減らすというものでございます。ここにおきましては、(イ)といたしまして、まず、世界的に保護の輪を拡大していくという観点、それから10ページにまいりまして、国内の被害を大幅に減らすという観点、それぞれ総合的に進めていく必要があるというふうに考えておりますけれども、これも後ほど補足資料のほうでご説明をいたします。
続きまして、資料の1-2をご覧いただきたいと思います。特に今回、法的な課題でありますとか、あるいは著作権侵害コンテンツ対策ということで、補足資料を用意させていただきました。
まず、2ページ目をご覧いただきたいと思いますけれども、著作権法に関する主な法的課題ということで、デジタル化・ネットワーク化の進展の中で、権利保護と利用の円滑化のバランスというような問題をめぐりまして、さまざまな課題が出てきているという状況でございます。
例えば1億総クリエーター化の流れの中でいうと、パロディー等の2次創作について、どういった場合に認めるのかということについての問題でありますとか、あるいは活用の問題でいいますと、権利を確保しつつ活用を一層進める上でどのような対応をすべきかという点で、権利制限の一般規定の導入でありますとか、あるいは間接侵害の明確化といった問題が出てきているわけでございます。
それから、デジタル化の進展とともに著作権保護技術の進展という観点からいいますと、私的録音録画補償制度の在り方についても見直しが迫られておりますし、また、著作物を保護する手段としてのアクセスコントロールの重要性が高まっているということで、これを破るような行為について、どのように規制をしていくかという問題がございます。
また、創作のインセンティブを促進するという観点の一方で、2次創作などを促進する、あるいは国際的な調和の観点から、著作権保護期間について、どのようにあるべきかというような問題もあるわけでございます。
3ページにまいりまして、特に近年の著作権法をめぐる議論ということで、3点掲げさせていただきました。
まず、1点目が権利制限の一般規定の導入ということでございまして、いわゆるアメリカで行われておりますフェアユース規定のように、公正な利用というふうに判断される場合には、個々に限定列挙するのでなくて、包括的に著作権侵害とならない場合を規定するというものでございますけれども、これはまさに今年度、文化庁におきまして導入すべきという意見、あるいは慎重に議論すべきという意見、双方の議論を聞きつつ、慎重に今検討を進めているところでございます。
それから、2点目といたしまして私的録音録画補償金制度の在り方についてでございます。この制度自体につきましては、平成4年に始まったものでございますけれども、デジタル機器・媒体の普及に伴いましてコピーが簡単にできるという状況の中で、利用者の私的コピーによる損失を権利者に補償する制度でございます。しかしながら、最近、機器・媒体も多様化しておりますし、あるいは著作権保護技術というものが進展している中で、見直しが迫られているところでございます。これにつきましては、平成18年から文化庁のほうで検討を行ってきているわけでございますけれども、まだまとまっているという状況ではございません。また、対象となる機器をめぐりましては訴訟も起きているというような状況でございまして、これにつきましては、早急に関係者の合意を得ていくということが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
それから最後、3点目、保護期間の延長問題でございます。これは、日本では著作者の死後50年となっております著作権の保護期間でございますけれども、欧米諸国並みに70年に延長すべきだというような要望がある一方で、慎重に議論すべきというような意見があるところでございます。これにつきましても、平成19年から文化庁において検討を行ってきておりますけれども、まだ結論は得られておりません。特に50年から70年に延長すべきと言うグループは、主に権利者団体でございますけれども、欧米等におきまして死後70年とされていることとの国際調和が必要でありますとか、50年から70年ということに延長されれば著作者の創作インセンティブが高まるというような意見。一方で、慎重に議論すべきと言うグループにつきましては、これ以上の保護期間の延長というものは、その利用自体が困難になる、あるいは2次創作等に阻害するというようなことなどがございます。これにつきましても、引き続き意見集約に努めていく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
最後、4ページをご覧いただきたいと思います。
インターネット上の著作権侵害コンテンツ対策に関する課題ということでございますけれども、国内外を問わず、あらゆる種類の著作権侵害コンテンツが氾濫している状況でございまして、コンテンツ産業の健全な成長を阻害しているというふうに考えられます。これにつきましては、例えば音楽の分野でいいますと違法ダウンロードが正規配信を上回っている、あるいはゲーム業界での被害が甚大になっているというような状況がございまして、コンテンツが氾濫することによりましてビジネスが進展しない、ビジネスが進展しないとますますそのコンテンツが氾濫するというような負のサイクルに陥っているわけでございまして、これにつきましては、特効薬があるというわけではございませんので、総合的に、あらゆる角度から対策を実施していく必要があるというふうに考えております。
まず、制度的対応でいいますと、プロバイダがもう少し侵害対策措置を実施するような仕組みが考えられないのかどうか。あるいはアクセスコントロール回避規制の強化。これにつきましては現在、ワーキンググループのほうで検討をしているところでございます。
それから、海外対策ということで、新しい条約を策定いたしまして参加国を拡大していく、また、特定の国との外交的な協議による要請ということなどが考えられるわけでございます。
また、規制する一方だけではなくて、正規版流通といったようなことも考えていかなくてはならないというふうに考えておりまして、これは、例えばアニメのある特定、ある放送番組について、海外においてすぐ発信をするというようなサービスを始めたところ、違法コンテンツの7割は減少したというような例も見られるところでございまして、こうした正規配信というものも、安く、早く、そして簡便に、サービスを展開していく必要があるのではないかというふうに考えます。
あとは、デジタル著作権管理の技術、あるいは違法コンテンツを探知する技術、こうした技術等の開発についての支援も行っていく必要があると考えられますし、また、消費者啓発、あるいは取り締まりということも、官民一体となって展開していく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
以上、長くなって恐縮でございますけれども、デジタルコンテンツ大国を実現するという観点で、どのような目標設定が可能なのか、あるいは具体的に何をすべきかどうかということにつきまして、委員の先生方からご意見をいただければと思っております。
以上です。
○中村会長 ありがとうございます。
続きまして、テレビ番組のインターネット配信を促進するための民間の取組であります、映像コンテンツ大国を実現するための検討委員会の検討状況につきまして、今日議論していただくインターネット配信ビジネスの促進にも関連しますので、この検討委員会ワーキンググループの座長をお務めの末吉委員から報告をしていただきたいと思います。よろしくどうぞお願いいたします。
○末吉委員 末吉でございます。よろしくお願いいたします。
お手元の資料2というA3のペーパーをご覧いただきたいんですが、まず、前提の確認でございますが、この資料2の図がございます。「放送番組のネット配信の現状」というところでございます。
例えばテレビ番組を考えますと、そこには実演家の方々、あるいは原作者、脚本家、音楽関係の著作権者などなどがおられます。現況では、放送事業者との間で放送の許諾のみの契約関係、これが中心でございまして、したがいまして、これに基づいて制作された放送番組というものを、さらにネット配信をしようというふうに考えますと、パソコンにしても、携帯電話にしても、IPTVにしても、すべて改めて許諾が必要になるというフレームワークに、今、日本国内、なってございます。
これを言葉で言いますと、そのすぐ上の黄色の囲いでございますが、「放送番組のネット配信は円滑に進んでいるとはいえない」ということになろうかと思います。地上波テレビ番組の2次利用率は、平成18年で13%となってございます。これは結局、放送番組については一般的に2次利用に関して契約を定めていないために、ネット配信する場合に、すべての権利者に改めて許諾を得る必要があるんだと。ここで、権利者が多くてルール形成が十分できないために、許諾に膨大な時間・コストを要するということが大きな理由の1つとなってございます。
したがいまして、その下にある「課題」でございますけれども、契約ルールが確立していない分野、ここを何とかする。例えば出版、音楽、映画に関するテレビ番組のネット配信の契約ルール、これの確立。未確立なので確立することが課題であると。
そしてもう1つが、集中管理が進んでいない。JASRACと違いまして、この分野では集中管理が進んでいない分野がございますので、例えば個々の実演家一人一人に許諾を得なければいけないというところを何とかしなくてはいけないと。
これを受けて、その下の黄色枠でございますが、「映像コンテンツ大国を実現するための検討委員会」というものが昨年、平成21年4月よりスタートしてございまして、ここでは、実演家団体、放送局、レコード会社、映画会社などの方々がメンバーとなっておられまして、民間における契約ルールの確立でありますとか、権利の集中管理、これらを促進するものでございます。この検討委員会は、この知財事務局が事務局としてサポートをしているところでございます。なお、この検討委員会は、ベースとしては、この前になされてきた実演家の出演契約についてのいろんなルールづくりが基盤となっておりまして、今年度、ネット配信についての協議がいろいろ行われたわけです。つまり、民間同士の協議の場が設けられているということでございます。
それで、この3月までに合意が成立する予定のガイドライン関係が、そこに「契約ルールの確立」とあるところでございまして、小説、コミックを原作とするドラマなどを配信する際の契約ガイドライン、これは出版社と放送局間の問題でございます。それから、レコード会社と契約がある歌手の方々が出演する歌番組などをネット配信する際の契約ガイドライン、これはレコード会社と放送局間のものでございます。そして、有名な映画監督の特集番組等、映画の一部を利用した番組をネット配信する際の契約のガイドライン、これは映画会社と放送局間でございます。
ご案内のとおり、個別の契約までここで議論いたしますと、いろいろ法的な問題がございますものですから、基本的なフレームワークをガイドラインの形で協議して、ガイドラインを決めていくという作業をここまでやってまいりました。
そして、さらには「分野ごとの集中管理を促進」ということの一環として、そこにありますとおり、「映像コンテンツ権利処理機構」。これは、実演家に許諾を得る際の一元的な窓口として、いろいろ権利者情報のデータベース化などを踏まえまして、もう少し権利処理をシステム的にやろうということです。この団体が平成22年4月から運用開始されるということでございます。このような権利者団体の自主的な取組がここで表明をされました。この機構は、ちなみに、総務省の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」というものが、別途、総務省関係で立ち上げられておりまして、その場におきまして権利者側から設立が表明され、このように実行される予定となってございます。
このようにして、民間同士の話し合いの場ではございますけれども、放送番組のネット配信の促進ということにつなげていこうという努力が行われているところでございます。
以上、ご報告申し上げました。
○中村会長 ありがとうございました。
では、皆さんの意見を伺ってまいりたいと思います。今日のテーマ、デジタルコンテンツ大国ですけれども、資料1-1の7ページから10ページに沿って伺ってまいりたいと思います。
今日は、柱としては、(1)、これはインターネット配信ビジネスの促進ですね。それから(2)がコンテンツプラットフォームの世界標準化、それから(3)が著作権侵害コンテンツ対策と、内容が多岐にわたりますので、テーマごとに意見を伺っていきたいと思うのですが、まず最初に、この7ページの一番上の全体のまとめ、成果のイメージ、ここではネットコンテンツビジネス、1.4兆円を何兆円にするというようなこと等が掲げられておりますけれども、この全体のたてつけについて、意見、コメントなどありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。
○津村政務官 ご質問してもいいですか。
○中村会長 はい、どうぞ。
○津村政務官 すみません、基本的な知識のところで恐縮なんですけれども、このコンテンツの電子配信というところで、技術的な問題と法律的な問題というのをちょっと分けて知りたいなと思っていまして、その技術的なというのは、例えばここで早速、「全ての書籍の電子配信を実現する。」とあるんですが、どのぐらい、ルールさえ確立すれば配信できる状態で、もう打ち込みが終わっているというか、何かそのアーカイブをつくっていこうというのが1つのプロジェクトでやっているんだと思うんですけれども、まだ大分時間がかかっているんですか。あるいは新刊の書籍とか雑誌というのは、これ、そのつくり方にもよるんだと思うんですけれども、いつでも配信しようと思えばできるような状態になっているのですか。
○吉羽委員 イエスでもあり、ノーでもあるというところなんですけれども、ここ数年ぐらいのコミックにしろ文芸にしろ雑誌にしろ、製作過程の部分では、ほぼデジタル化されているというのは事実です。ただし、それをそのまま電子書籍の配信フォーマットに持っていけるかというと、やはりあくまで紙を印刷することを前提にした製作工程をとっているために、なかなか取り出した時にそのままデータが使えない。汚いデータで、結局もう一度手を入れなければならないというようなコスト面での障害がまだ残っていて、これはだから、卵と鶏でありまして、やはり電子配信というのが前提になってくれば当然、製作工程もそういったことを勘案して動いていくんだろうというふうに思います。ですので、まだ実態としては使い勝手のいい状態にはなっていないということがあります。
ただ、逆に電子書籍配信端末もようやっと出てきたところで、実際に配信フォーマットがまだはっきりしていなかったというのも、つい最近までの出来事ではないかというふうに思います。
ただ、むしろかなり、今のご質問でいえば、法律面、制度面で整備というのが進まないと、そういったコストを吸収してでもビジネスを前に進めるというふうにはなりにくいのかなというふうに思いますけれども。
○近藤局長 過去のものはまだまだですよね。過去の国立国会図書館にあるものは、デジタル化をしているのがとてもとても追いつかない状況で、この間の補正でも大分広げてもらったんですけれども、まだまだ全然追いつかないというのが現状だと思います。
○津村政務官 海外と比べてどうかというのも教えてください。
○近藤局長 海外も過去の文献だったら、みんな同じようなものです。日本よりは進んでいるかもしれませんけれども。海外だって決して、全部できている国はありません。
○津村政務官 例えば、アルファベットは26しかないので読み込みやすいとか、そういうのは。
○近藤局長 それはないですね。
○津村政務官 そういうのは余り関係ない。
○近藤局長 いや、今はもう過去のものは全部スキャナーで読み込むだけですから、もう一回打ち直すわけではないので。最近の本はもう既にある程度入って、電子的に処理されて出てきているものがかなり多いのではないかと。それなりではあると思うんですけれども、ちょっと定量的な説明は、必要なら調べますが。
○津村政務官 また後でも結構です。
○中山本部員 法的に見ますと、これからのものについては恐らく出版社と作者、創作者との間の契約次第で何とかなるのですけれども、過去のものにつきましては、日本の出版社は原則として権利を持っておりません。個々の作者が持っているということですから、何かやろうと思った場合は個々の作者と、映画とか放送と同じなんですけれども、過去の分についてはまた契約をし直さなければいけません。これが膨大な作業になってくるわけですね。特に、例えば百科事典などをもしやろうと思った場合には、物すごい数の作者がいますから、過去の分はなかなか処理が大変だということになると思います。
国会図書館は確かに今デジタル化していますけれども、デジタルアーカイブしているだけでして、あれは基本的にはネットで流しません。国会図書館に行って画面で見られると言うだけです。厳しい規制がかかっていまして、なかなかネットでの促進というところまではいっていなと思います。法的にはかなり難しいかと思います。
○中村会長 はい、どうぞ。
○久夛良木委員 今のご質問に技術的な面でちょっと私からコメントさせていただくと、いろいろな電子書籍のフォーマットがあります。それを、各出版社であったり印刷会社であったり、業界団体がいろんな形で電子化しているわけですが、それらをまとめて、ルール化づけをする、または特定のフォーマットで出すというのも1つのやり方だと思いますが、今起こっていることというのは、それを全部サーバー側でやってしまおうとする流れです。サーバー側で様々な異なるフォーマットを、一元的にトランスコードをしてしまうということがいとも簡単にできるようになりますので、そうなると、プラットフォームを握っている人が何でも全部やってしまえる。つまり、例えばデジタル化のコストの負担もしますよ、どんなフォーマットであっても全部受け付けますよということが、今でも技術的には問題なくできるようになってきているんですね。
1つの事例として例えばYouTubeというのがあるとすると、YouTubeには投稿者はどんな映像フォーマットで送ってもいいんです。その上でYouTube側が全部FLVという映像フォーマットに変えて、みんなに同じようにサービスして送り返す。つまり、これがやはりプラットフォームの恐ろしいところというか、ある意味では恐ろしいというよりは大きな可能性ですね。
多分ここで皆さんが、例えば出版社の方とかいろんな方が集まって、特に日本国内でこういうフォーマットにしたほうがいいんじゃないかと、例えばIPTVもそうです、そういうことを議論しているような時間よりも、もっと技術革新のスピードのほうが速いというふうに、技術的な側面でコメントできると思います。
○中村会長 ありがとうございました。
今の件、よろしゅうございますか。今の話は、すべての書籍が電子配信にいくのか、ネット化されるのかという、そういった議論に結びついている話なんですけれども、ちょっと戻させていただきますと、3.の枠組みのところ、成果イメージに、ネットコンテンツビジネス、1.4兆円を伸ばしましょうという、そういうアプローチがなされようとしているんですけれども、我々のアウトプットとして、それがよろしいかということを少し議論していただければと思います。
つまり、申し上げたいことは、1つは、こういったビジネスの規模をどうにかしようということをまずここで目指すのか。あるいは、今お話ありましたように、例えばすべての書籍、あるいは放送番組のネット配信を実現しましょうと、それを、今何%であるのを100%にしましょうというような目標の立て方もまたあろうかと思います。そういったアプローチもあるかなというふうに思いますし。
ちょっとお話させていただきますと、これまで2回、皆さんと目標についてのお話もさせていただいたんですけれども、ちょっと私自身が不安がありますのは、コンテンツのビジネスの規模を拡大しましょうという目標を掲げて、それが実現可能なのかとか、どれほどのインパクトが国民に対してあるのかということを、ちょっと確認しておいたほうがいいかなということを思いました。例えば、そのコンテンツの産業自体を成長させようという目標もあり得るんですが、同時に、コンテンツをすべての産業のインフラといいますかエンジンというふうにとらえて、それでもって家電やインターネットや、あるいは携帯のビジネスを成長させましょうという方向もあるでしょうし、これまでも何度も話に出ましたように、コンテンツとファッションとか観光といったものを組み合わせて、その全体を大きくしましょうというようなアプローチもあろうかと思うんですけれども、そのあたり、皆さんの認識、この今の立て方でいいかどうかということ、もしコメントがあればいただきたいと思います。いかがでしょう。
どうぞ。
○大﨑委員 1回目、2回目の会議に出ていないので、ちょっと散漫的に、散文的にしゃべらせていただきますが、中村会長、よろしくまとめてください。すみません。
ちょっと話が戻ったりするので恐縮なんですけれども、日本がいわゆるコンテンツに対して立ち遅れているという事実は私も全く同感で、ただ、本音のところで言いますと、多分この状況が改善されることはあっても、中国やアメリカに追いつくことはないんじゃないかなと思ってレポートを読んでいました。そうなると、せめて我が社だけでも、吉本興業だけでもアメリカや中国に取り入って生き残ろうと。それは各社、コンテンツを持っているところは生き残って少しでもいいポジションをとろうというような、民と民の中のレベルのことですけれども、そういうような争いがあるんじゃないかなと思っております。
去年、おととし、アメリカのCAAという、クリエーティブ・アーチスト・エージェンシーというアメリカ最大の、世界最大のタレントエージェンシー、日本でいうと芸能プロダクションというかエージェントのところに、日本国内における包括的な業務契約というのをしてまいりました。私たち吉本にとっては15年来の夢でありまして、密かに15年ほど前に吉本はアジアのCAAになるんだというようなことを願っていました。そのCAAに行って契約を交わしたんですが、開口一番に言われたことは、日本はハリウッドには入れさせない、入るのは無理ですよというのを開口一番、失礼なことを言われました。
そうなってきますと、結果として、私たち日本のこういうコンテンツといいますか会社は、中国や香港や韓国のアジアのマーケットに進出するための手助けをするといいますか、下請をするような状況になってくるんじゃないかなと思っています。我が社は、それでも食っていけるんならいいかなと思ったりもしております。
この2週間ほど、ばたばたと出張に行ってまいりまして、韓国へ行った時も朝鮮日報、東亜日報さんにお邪魔しまして、メディアバブルといいますか、朝鮮日報、東亜日報さんがケーブルテレビ、衛星チャンネルで総合編成をなさると。3年間で400億の国からの援助費がついているので、吉本さん、一緒に番組の制作、買い付けをやりませんかというお話をいただいたり、香港に行きますと、アジアのHBOといいますか、エンターテイメント、映画、衛星チャンネルを持ちたい、ついては日本のコンテンツの買い付けと制作を、吉本さん、やりませんか、みたいなことを言われました。
アメリカのCAAのエージェント、特にテレビの方に、先々週、東京にお招きして、1週間ほど各局を回らせていただきました。私は立ち会わなかったんですが、うちのスタッフが立ち会いました。そこでいいますと、いわゆるパッケージングフィーというのがございまして、いわゆるエージェンシー、日本でいうと芸能プロダクションみたいなところですが、番組制作はアメリカではできません、従来エージェンシーはクライアントの報酬の10%をフィーとして取っていただけだと、番組からの儲けに基づく報酬はありませんでした。ところが、番組を制作していくに当たり、エージェンシーが制作に必要な要素のほとんどを、そのエージェンシーのクライアントで―このクライアントといいますのは役者、作家、監督でありますが―まとめてしまい、それにお金と放送枠を与えられれば番組が成立してしまうところまで持っていく行為のことでありますが、そういうパッケージングフィーの説明を受けました。
うわさではいろいろ聞いておったのですが、そこでは3・3・10の法則というのがありまして、放送局から支払われる放送料の3%、例えば制作費が3億ならば、テレビ局からは2億をいただいて、2億の22話、ワンシーズン22話ですから44億、その44億の3%の1.32億がエージェントに入るということです。その番組の制作費が2次使用等でリクープできた時点で、制作費の残りの3分の1に対して3%が支払われます。1億掛ける22話の22億の3%、0.66、6,600万円です。それにバックエンドの10%、2次使用から発生する純利益ですね、そういうものを、例えば再放送だとか、DVDだとか、国際番販だとか、フォーマットだとか、そういうところでバックエンドとして10%が払われます。そうなりますと、もともとの160億の10%、16億、このシリーズがヒットを飛ばして5年、10年と続きますと、10年続きますと160億というのがエージェントに入ると。そんなような、すごく日本人がまだ余り知らないシステムになっております。
韓国もそのようなシステムに移行しようとしております。そういう認識を、日本の放送局も含めて、私たちはどうするんだというとをまず踏まえていないと、世界で闘うといいますか、番組を配信する、アジア、世界に向けて配信をするということに関してすごく、島国の中で話をしてしまっているだけになるんじゃないかなと思っています。その辺の認識を全員で、どうするかというのを再認識というか再確認というか、レポートをとらなきゃいけないんじゃないかなと思っています。
去年から沖縄で、沖縄国際映画祭というのを私たちは始めました。いわゆる総合コンテンツの器づくりといいますか、場づくりのようなものをしております。そこでは、もちろん映画の上映等もしておるんですけれども、コメディーバザールという名前で、アメリカのCAAと組みまして、CAAによるプレゼンテーション、番組の共同制作及び番組販売、海外へのフォーマットセールス、アメリカのテレビ番組の日本版を同時制作等々を、日本の放送局様と一緒に、そういうプレゼンのシートを、マーケットをつくることをしております。あとは、シンポジウムだとか、地方の活性化の子どもたちへのワークショップ等もしております。もちろん、ドワンゴさんのニコニコ動画の映画祭もやっております。
何を言いたいかといいますと、そういう、タイトルは映画祭なんですけれども、コンテンツの方々、テレビ、映画、配信、携帯の動画の方々が一堂に集まって、情報交換や共同制作をするような場づくりというのがやはり必要じゃないかなと。日本にはそういう場所がないので、そういう場所が必要じゃないかと思っています。すごく雑なイメージなんですけれども、国立の大学なり専門学校で、そういうコンテンツ産業を専門にするような大学といいますか、毎日学園祭をそういうふうにしているような大学のようなものが、まず必要じゃないかと。その全体的な枠組みをトータルで構築して、若者にそういう勉強と現場の場所を与えるというのが今の日本に欠けていることじゃないかなと思います。そういう意味で言いますと、CO2の25%削減じゃないんですけれども、国の理念みたいなものとどうマッチングさせるかというか、コンテンツ産業として国の理念をどう語るんだ、どういうキーワードでスタートさせるんだということも必要じゃないかなと思っております。
すみません、中村先生、うまくまとめていただければと思います。
○中村会長 ありがとうございました。
沖縄国際映画祭、もう今月ですね。私も参加しようと思っておりますので、もし皆さんの中でも時間がありましたらご参加ください。
総論のところ、よろしゅうございますか。取りまとめに向けて、この目標をどう立てて、それから、それぞれの施策をどうするのかという、この2つをドッキングさせながら、今後まとめ作業に入っていくわけですけれども、その2つを行き来しながらまとめに向かいたいんですが、今お話ありましたように、世界のリアリティーも見ながら情報発信をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
では、そのあたりも意見ありましたら、後ででも、いかようにでもお出しいただければと思いますけれども、個別に入ってまいりたいと思います。
(1)、すべてのコンテンツ、海外も含め、ネットで購入可能となるというネットワーク化のところ、(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)とあります。書籍、それから放送番組、その他デジタル化・ネットワーク化、著作権制度、それぞれありますが、どこからでも結構です。ご意見、コメントあれば、お願いいたします。
はい、どうぞ。
○大多委員 現状のご報告ということになってしまうんですけれども、放送番組のオンデマンドに関してお話ししますが、おととしの11月、フジテレビは地上波番組の配信を始めました。現在までに40タイトルぐらいですね、ドラマ、バラエティー合わせてやっております。今年、この1月度で初めて単月黒字というのが出ました。約1年3カ月かかっております。もう新聞等でご承知のとおり、NHKさんのほうのオンデマンドに関しては、かなりのタイトル数を出しておりまして、なかなかビジネスになっていないという状況があります。まだ単月黒字ではありますけれども、40タイトルで黒字化に一応したというのは、やはり、やみくもに、どのコンテンツ、どんな番組でも出せばいいというわけではないというのが、ちょっと証明されたかなというふうに思います。相当吟味して、これがいわゆる携帯やパソコンで見てくれるであろうという―かなりの失敗もあります―中で、一部のコンテンツがやはり非常に伸びて、特に若い人中心でありますが、伸びて、やっと黒字化したということでございます。
ただ、もうこれは何度も出ておりますが、そこまでには本当にコストと時間、手間が本当にかかっておりまして、単月黒字といいましても、すごい黒字ではないわけで、これを配信、放送番組の配信をどんどんやっていって、どれだけのビジネスになるかというのは、大変不安でございます。
ただ、先ほどちょっとこれも出ましたが、違法番組というのはたくさんいろいろ出ておりますけれども、例えば連続ドラマなんかでいいますと、ただで幾らでも見られるのに、YouTube等でも見られるのに、お金取ってやっぱり見るかというのはありましたが、結局これだけ、それなりの成果を上げたというのは、やはり正規のルートで出していくもの、そして、もともとドラマでいいますと1話300円、ワンクール見て1,500円という値付けを、ちょっとキャンペーン期間を設けて、1話100円、ワンクール見て500円というふうにしました。言ってみればTSUTAYAさん並みということですけれども、それが非常に認知度を高めることによってフジテレビのオンデマンドは少し上がってきたんですけれども、違法で見られても100円払うのかという、それですら、非常に議論があったんですが、結局、いろいろ見てみますと、違法なものに関しては映像がやはり汚い、それから、連続ドラマを見る場合ですと、1話と5話と8話はあるけれども、あとがないとか、結構ばらばらにアップロードされていたりとか、それから、韓国とかからよく来るんですけれども、字幕が入ってしまっていて非常に見にくいとか、いろんな状況があって、やはり正規なものであって映像がきちっとしていれば多少のお金は払うというような現状が今見えてきたというのが、放送番組のオンデマンドというか、ネット配信の現状でございます。
ただ、いかんせん時間とお金がやはりかかるということで、これは本当に、その著作権の問題を含めて、やっていかなきゃいけないなというのを肌で感じているという状況でございます。
○吉羽委員 先ほどお話がありましたアーカイブ化のお話ですが、まだまだ話し合いの途中というところではあるんですけれども、国立国会図書館のアーカイブ化とある程度歩調を合わせてやっていけないかというような話は出版界の中でも出てきております。
今の大多さんのお話とすごく似ているんですけれども、特にコミックを中心としたデジタル化、文芸も含めて、少しずつ進めているんですけれども、やはり、何しろロングテールなので、全体の中で売れる作品はごくごく一部になってしまって、そこの部分を回収して全体のコストを賄っているというようなところがあるんですね、やはり。だから、100%の電子配信というのは、ビジネス面からいくと、すぐになかなか実現しにくいかなとは思うのは、やはりその辺の、ネットの中で売りにくいような商品というのをどう扱っていくかということもあるので、すべて民間でできるかというと、なかなか厳しいかもしれない。
そうすると、やはり特にデジタルアーカイブ的な、なかなか人の目に触れる回数も少なくなってしまうようなところというのは、一定の予算をつけていただきつつ、技術面では共同開発を進めていって、技術的なコストが下がるようなことを一緒にやっていきながら、新しい部分については民間のほうで積極的にやって、それをビジネス化していくというような組み立て方が必要なのかなというふうには思っております。
○中村会長 どうぞ。
○別所委員 僕は俳優でもあるので、もちろん出演している側としては違法にコピーされたくない、されてほしくはないなという思いとか、そういうのも強いのですが、今の話を聞いていて、デジタル化というのは、ショートフィルムの映画祭を主催している立場でもいうと、実際、恩恵をこうむったところもあり、苦しんだところもありまして、例えば、僕が映画祭を始めたきっかけになったジョージ・ルーカスのショートフィルムに出会ったのは、南カリフォルニア大学のこういった映像データのアーカイブに私のような外国の者でもアクセスできるという、そういう自由度があったと思います。そのおかげで、丸1週間ほど、そこにある何千、もう何万タイトル以上の膨大なフィルム、あるいはデジタル化された映像にアクセスできて、それを閲覧できて、同時に、その権利者が誰なのかが具体的にわかり、その人に対して交渉できるという、非常に整備された環境がありました。それがきっかけで、あとはメール攻撃をしてジョージ・ルーカスからオーケーを取りつけたわけですけれども、そういったアメリカでは各大学の、デジタルアーカイブという意味では非常に果たしている役割は大きいと思いまして、そのおかげはあると思うんですけれども、僕が今言いたいのは、映画祭を始めてわかったのですが、日進月歩のテクノロジーによってデジタル化する世界というのは変わっていくので、果たして今の段階で国費をつけて一生懸命デジタライズしたところで、あさってアメリカが違う基準で、これはこうやるとか、新しい技術がヨーロッパで生まれたので、これが国際基準だと言われたら、その何万タイトルも、何億円も何兆円もかけたデジタルファイルが意味をなさないかもしれないという現実もあるわけで、ショートフィルムを私たちも、36ミリ、15ミリから上映をしましたが、結局、どんどんどんどんデジタルの世界は進行していて、技術論があるので、それを追いかけながらファイル化するというのは、あまり僕は意味があるのかどうかを疑問視したいなと思います。
アメリカは別途、その部分に関しては映像考古学というようなビジネスも、ビジネスというか学問が始まっていまして、具体的なアーカイブしたものを、ただ塩漬けコンテンツにせずに、ちゃんと分析するとか、あるいはファイル化したものをどのように新製品として生かすかというような作業が始まっているんですけれども、そういう別の視点を持たないと、このネットコンテンツのビジネスで1.4兆円の、このイメージというのがどういう成果イメージでイメージされたのかわからないんですが、アーカイブ、電子配信という意味では、ちょっと疑問に感じます。
この議論をする上で、私たちもいつも映像のビジネスの中で話をするのが、もう皆さんもご存じのとおりの話ですが、インプットの制作部分と、配給であるとか上映であるとか、メディアウインドウに出すアウトプットの部分と、それからファイル分析するというアーカイブ、ゆくゆくはマーケティングにつながるような、3つの世界をごちゃごちゃに議論しても余り意味がないような気もしているので、3つに分けて議論されたほうがいいと思うのと、中村会長がおっしゃったみたいに、これは、今回のミーティングに金融関係者、ファイナンスの方もいらっしゃらないのかもしれないのですが、やはりアメリカが強いのは、映像のこういったビジネスの話に、文化論に終わらせるのでないのであれば、ファイナンスのルールをつくる方とか、先ほど吉本の大﨑社長がおっしゃったみたいに、パーセンテージのくみし方のルールのつくり方を先んじてやる人がこういった座組の中でいませんと、結局、文化論とか分析で終わってしまうのではないかなと若干感じました。
僕自身は、技術の部分で日本は非常にすぐれていると思うので、有機ELとか、各民間企業の方々と一緒に、その技術的な部分のインプットする側の映像技術の、ちゃんと大国になるとか、何らかの具体的な目標値を立てて、世界の方を日本に迎え入れるというスタイルのビジネスというか、国家戦略があったほうがいいかと思っております。
○中村会長 ありがとうございます。
どうぞ。
○川上委員 この書籍の電子配信ですとか、放送番組の電子配信ですとか、これ、既存のコンテンツのネット化・デジタル化ということだと思うんですけれども、やっぱり日本が世界のコンテンツをリードしていくのであれば、既存のコンテンツは、ぶっちゃけ、どうでもいいと思うんですよ。それはビジネスモデル的にも、その世界的な競争力的にも、余り僕は発展性がないと思っていまして、そうでなくて、全く新しいフォーマットを模索するのが重要なんじゃないかなと。ここで多分、デジタル化・ネットワーク化の例で、(ハ)のところで書いていますけれども、映画館のデジタル化・3D化とかというようなことはありますけれども、もうデジタル時代なんていうのは当たり前の話だし、3D化時代とかというのも、これもコンテンツ側のコストを上げる方向の話だと思うんですけれども、多分ネット時代に重要なのは、どちらかというと、ネットを使ってコンテンツの制作コストを下げて、なおかつ魅力的な、世界でも新しいコンテンツをつくることだと思うんですよね。
例えば、ニコニコ動画で今、生放送のコンテンツをやっていまして、すごく人気高いんですけれども、これって、コストすごく安いんですよ。例えばテレビ局でつくるほうに比べて。なぜ安いかというと、まず、生放送なので編集作業は要らないので、もうここが格段に安くなる。なおかつ、ユーザーに対してリアルタイムでアンケートをとったりする機能というのをネットで自走しているんですよね。
多分、この双方向性をつくるというのがネット時代のすごく重要な要素でして、この相互性が今の例えば地デジなんかの場合とか、何か4色のボタンありますけれども、あの4色のボタンで何ができるのかという話ですよ。あんなのはもう、ネットでは10年前、20年前ぐらいに実現されているような話であって、あれが今からテレビについたところで、あれで世界をリードするコンテンツなんかできないんですね。世界をリードするようなコンテンツというのは、例えば映像コンテンツでも、これは書籍でもそうだと思うんですけれども、僕は双方向性のほうに進化すると思います。それじゃ、その双方向性をどうやってつけるのかということを考えると、既存のコンテンツのフォーマットじゃそもそもだめで、多分新しいものをつくらなきゃいけない。それで新しいものを、多分ネットを活用してつくるということを考えなきゃいけないと思います。
それと、双方向性がなぜ重要なのかということについてなんですけれども、プラットフォームが、これから多分、アマゾンとかアップルとかにとられた時に、コンテンツホルダーがどういうようなポジションに立つと力が強くなるかということなんですが、これ、簡単に言うと、僕は顧客との接点を握るということだと思います。
今、アイチューンズ・ミュージックストアに楽曲を出したとしても、そのことによってユーザーにバイラルが発生して、ヒットをアイチューンズ・ミュージックストアの中でできるということは、これないわけです。何でかというと、アイチューンズ・ミュージックストアでユーザーとのコミュニケーションも対話もできないですから。今、アップルとかアマゾンとかのサービスで、問題だなと思っているのは、そのユーザーのバイラルだったり口コミとかというものは、彼らの外で起こっているんですよ。それはリアルの世界で起きている場合もあるし、ネットの世界でも起きているし、そこでどこかで盛り上がったものがあれば、アマゾンだったりアイチューンズ・ミュージックストアのものは売れます。でも、そのプラットフォーム単体でコンテンツがヒットすることはないんですね。
これはコンテンツホルダーにとってはすごく不利な取引条件だと思っていて、お金とは関係のない不利な部分なんですけれども、要するに、自分たちのコンテンツの人気はプラットフォームホルダーに利用されますけれども、プラットフォームから自分たちのコンテンツは何ら恩恵をこうむることができない。トップページとかで運良く紹介してもらえれば恩恵をこうむるかもしれませんけれども、多分そんなもの、どんどんどんどん有料になっていきますので、基本的な仕組みとしては、コンテンツホルダーのプラットフォームホルダーから何ももらえないような構造になっているんですよ。それを、じゃ、どうやったらコンテンツホルダーの立場が強くなるかといいますと、それはユーザーとの対話の接点をコンテンツホルダーが持つことです。
例えば、アマゾンに対して、日本に楽天というところがありますけれども、楽天でもいろいろ、何かレガシーだとか、いろいろ悪口言われていますけれども、あれのすばらしくいい点というのは、全国にいろいろ小さなショップがあるんですよね。いろんなショップがあって、自分たちの客に対してはDMを送れるんですよ。一旦物を買ったユーザーに対してはそのお店が送れるんですよね。だから、とても小さな地方の小さなショップであったとしても、一生懸命マーケティングをすることによって、売り上げをどんどん増やしていくという構造ができるんですよ。これがアメリカ発のアマゾンだったりアイチューンズ・ミュージックストアというのはないです。顧客情報というのは全部彼らが握ってしまうので。
そのプラットフォームホルダーが、日本がとろうが、アメリカがとろうが、コンテンツホルダーが収益伸ばすためには、その独立性を高めて、プラットフォームホルダーに対して交渉力を持たなければいけない。交渉力の源泉は何なのかというと、コンテンツそのものの人気なんですけれども、コンテンツの人気をつくる時に、その顧客に対しての窓口をコンテンツホルダーが持つということがすごく重要なんですよね。ですから、僕は、目指すのは何かというと、そのコンテンツホルダーが直接顧客と対話できるような口というのを持たなきゃいけない。そこまでできるかどうかわかりませんけれども、僕は、これはもう何か法律で義務づけてもいいくらいじゃないかなと思うんですよね。多分、この構図がなかったら、コンテンツホルダーは奴隷になりますよ、プラットフォームホルダーの。
重要なのは、例えばアマゾンでもキンドル、何でもいいんですけれども、すごく簡単な話をすると、そこで物を買った時に、その買ってくれたお客さんに対してDMを送れるかどうか。それができれば、そのコンテンツホルダーというのはもっと立場が強くなるんですよね。例えばキンドル以外に、iPadのお客さんに対して、iPadでこういうものができたからというようなメールも送れると、なおいいですよね。そうすると、プラットフォームに対してインディペンドになりますので。
そういうような構造をつくれるというのは、僕は目標として目指してもいいんじゃないかと思います。それは、そのコンテンツホルダーがプラットフォーマーに対して独立であって、交渉力を持てるような構造をつくる。多分、そうしないと、いいものをつくったとしても、いいものは、いいものをつくって増えたお客さんのロイヤリティー、そしてユーザー、売り上げというのはプラットフォームホルダーにとられるだけです。だから、それが、コンテンツホルダーがちゃんと利益を持てる構造というのをつくるというのを目標にされたらどうかと思います。
○久夛良木委員 今の川上委員の意見にもちょっと近いのですが、資料2、見ていただけますか。この資料2で、放送番組のネット配信の現状が記されています。多分、今日ここにいらっしゃる方というのは、ある意味では旧メディア側。そういう捉え方もあると思います。そういう方もいらっしゃるので、こういう書き方もあるのかなと思うんですが、例えば放送事業者さんが、大変な予算と時間と、出演者の方々のいろいろな思いとか夢とかがこめられたすばらしいコンテンツをつくられる。それがネットに、例えばIPTVであるとかに流れていくためのいろんな仕組みは技術的にはできるんだけれども、その複雑な権利のクリアランスは大事だと認識されておられる。一方でネット側から見ると、既存の放送事業者はどうでもいいんですよね。ちょっと乱暴な見方をすると、クリエーターから見てもどうでもいいんですよね。どうでもいいというのはすごい乱暴な言い方ですよ。
つまり、何言っているかというと、今、川上委員が言われたように、今後はクリエーターとユーザーが多分ネットワークで直結するわけですよ。しかも、今までの一方向のみのブロードキャスティングに比べて双方向性があって、コスト的にも共通のインフラというものというのは皆さんが使うので安くなるということで、どんどん今ここが伸びようとしている。多分、我々が今日見えていないことでも、来年、再来年になると、とてつもないものがみんなに見えてくるというふうに思っています。
そういった時に、既存の放送事業者にとってみれば本当に何とか慣れ親しんだ既存の枠組みを守ろう守ろうということもあろうと思うんですけれども、ユーザーから見てみると、このネットという新しいメディアに対して今までにない斬新な体験を期待している。一方、クリエーターは今までにない新たなアウトレットを求めようとしているということで、この双方がネットにより加速度的に近づきつつあるというふうに思っています。
そういった時に、別所委員がおっしゃられたように、例えばいろいろな放送フォーマットとか出版のフォーマット、それから映像のフォーマットというのをある1つのものにまとめて、なるべくそれが世界の標準になればいいなということだと思うんですが、先ほど私が意見述べさせて頂いたように、今やそれは余り技術的な問題になっていない。従来は、CDとかDVDとかいう固定したフォーマット、放送でもNTACとかPALという放送フォーマットに落とさざるを得なかったので、どうしても標準化というのをみんなで考えなくてはいけなかった。ところが、今のネット時代ではそれはほとんど意味をなさなくて、どんなフォーマットであっても、どんなにレガシーフォーマットであっても、どんなに先端的なものであっても、全部サーバー側で変換してリアルタイムに再送出することができるので、コストはかからないし、クリエーター側の人にとってみれば夢のような世界が今起ころうとしているんですね。
権利処理のところで、私は今日これを言いたかったんですが、クリエーターにとってみれば、やはり自分のコンテンツをみんなに知ってもらいたい、もしくはプロデューサーにとってみれば、自分たちがつくったものをみんなに紹介したいと心から願っている。その上マネタイズの問題とか、いろんな問題もあろうかと思うんですが、まず、とにかくみんなに聞いてもらいたい観てもらいたいというのは、ロックアーチストでも誰でも一緒だと思うんですね。そういった時に、ユーザーがこの作品は素晴らしい、感動したと紹介する。例えば学者ですと既出論文を引用するということがあります。それは論文全部を紹介するわけではないですけれども、こういう論文の存在を巻末で引用する。その引用モデルをそのまま活用したのがグーグルだったわけですよね。バックリンクというものを利用して、検索の精度を上げている。
ところが、このネット上で紹介し合うというルールというのが、映像であったり、写真であったり、音楽であったり、うまくまだルール化されていない、全世界的に。この間議論が百出したアマゾンやグーグルの書籍配信のケースもそうですが、例えば本の最初の1ページを本の紹介のために載せる。もしくはニュースのヘッドラインだけをアテンションとしてネットに載せる。そうすると、これは著作権の観点からいかがなものかというような議論になってきたと思うんですね。ただ、ユーザーから見たら、クリエーターにとっても、やっぱり紹介したいということがある。これは起こることというか、今でも起こっていることだと思うんですね。
これに対して、例えば音楽ですと最初の何小節でしたっけ? 詳しいことわかりませんが、4小節か何小節かはとりあえず曲の紹介として使える。例えば歌詞の場合だと最初のちょっとした導入の部分だけは紹介していいよというふうに運用ルールがどうやら存在している。本は最初の1ページは紹介していいのではいかと。しかし映像コンテンツには、そうしたルールが未だ存在しない。例えばユーザーが面白いと思った日本の映像コンテンツが、無防備にネットにそのまま張られてしまうケースがまま多い。ユーザーはほかに方法がないし、確立したルールもないので、流れている映像をそのままコピーしてURLごとネットに張りつけてしまう。すると、どこかで、これ、ひょっとしたらコンテンツ全部だったんだという話にもなってしまうので、映画のトレーラーみたいなものがいい例かもしれませんが、この映像部分はみんなに紹介して使っていいよというような最小単位というのを、ぜひ議論していただければうれしいなと思うんですね。
例えば映画のトレーラーにしても、結構長いですよね、例えば1分とか。それだと権利の塊になってしまうと思うので、例えばもっと短い10秒とか15秒とかの映像は紹介はできるというふうにしていくと、権利制限という意味ではないですけれども、クリエーターの方にとってみれば、世界中に自分の作品の紹介のネットワークが広がっていいんだとプラスに考える。それを見たユーザーが、みんなにさらに紹介していくということができると思う。
今日は、こういうコンテンツに対するいろんな意見をまとめようということで皆さんお集まりになっていると認識しているんですが、日本、また世界でも、まだこういった具体的な動きが多分、私の知る限り、出ていないんです。その片鱗みたいなものは見えるものの、まだ具体的には議論には上っていないように思えるので、ぜひこの辺で皆さんプロアクティブに考えられて、コンテンツをどうやって世界中に、日本のコンテンツだけではなく、世界中の人のクリエーティビティーをどうやって全世界に紹介するか、また、それらをどうやってネット上に流通させるかということを議論していただければいいかと思います。
以上です。
○中村会長 これまでのところですけれども、川上さん、久夛良木さんからのコメントというのは非常に重要な論点を秘めていて、これまでのコンテンツ政策、どちらかというと既存のコンテンツをどのように流通促進するかという議論が多かったのですが、先ほどご指摘ありましたように、新しいメディア、デジタルメディアに向けての新しいコンテンツをどのようにつくっていくかと、流通政策だけではなくて生産にも力を入れましょうというようなことで、そのつくっていく環境を整備するということは、ここでは余り触れていなかったので、そういったことをひとつ柱に入れていければと思います。
また、(イ)、(ロ)のところの電子配信、「全ての書籍」とか「全ての放送番組」、先ほど末吉委員の報告によると、放送番組の2次利用は13%ということでしたが、ここで「全て」となるとどきっとするわけですけれども、こういう乱暴な表現は非常に私は好きなんですが、アウトプットを見て、ちょっと丁寧に考える必要があるかもしれません。
それから、その次のページの(ハ)や(ニ)の部分も含めてご意見があれば、もうワンラウンドお願いいたします。
○谷口委員 久夛良木さんのご意見をお借りする形になるかもしれませんけれども、音楽に関しましては、立ち読みのような、お試しのような部分、とても重要である半面、なかなかいたし返しのところがありまして、音楽の電子配信というのは、その音楽を買っていただくというよりも、その音楽をいつでも聞ける状況を買っていただくということだと思うんですね。
ご存知のように、音楽の電子配信は多分この中のいろいろなコンテンツの中では一番現実化していまして、今後どうしていくかというよりも、今それを阻害している要因としての違法配信であるとか、それをどう考えていくかというほうが大きな問題だと思いますし、もう1つは、世界標準に向けてということでいうと、保護期間の70年化、延長問題というのも大きな問題かなというふうに思います。やっぱりコンテンツ大国を目指すのであれば、少なくともコンテンツクリエーターの人たちが日本にまず集まってこられる環境をつくらなきゃいけないと思いますし、そういうことでいうと、いかにして違法配信を撲滅するか、そして、少なくとも世界標準たる70年という保護期間を実現化するかというのが大きいのかなと思います。
ちょっと話が戻りますけれども、著作権というのは、公共性と独占性という相反する2つのものを持っていなきゃいけないというふうに思いますので、それをどの部分でバランスをとっていくかというのがまず考えとしてないと、ネット上では存在、あるいは将来存在させるということが非常に難しいかなというふうに思います。
○中村会長 どうぞ。
○大﨑委員 さっき、大学、大学って何度か申し上げたんですけれども、結局のところ、川上さんがおっしゃるように、デジタルに向けて、世界に向けてということは必然でありまして、その時に学校だとか私たちのような会社という組織が全く時代に対応していないんじゃないかなと思うんです。いい悪いということではなくて、多分フジテレビさんの組織の考え方とドワンゴさんの、あるいはソニー・コンピュータさんの組織の考え方というのは全く違っていて、旧・新という言い方もないんですけれども、新しいデジタルに向けた大学なり、あるいは会社というものの組織の在り方みたいなものをどう考えるかというのが前提にないと、すごく日進月歩のところには追いつけないんじゃないか。大前提のところで、まずどう見直すかということを考えないと、国がやる意味がないんじゃないかなと思います。
そういう意味では、クリエーターとユーザーの接点をどうつくるかというところがすごく大事で、例えばiPadの下に、イメージとしてですが、フジテレビさんも講談社さんもエイベックスさんもぶら下がるんだと、ぶら下がるというか、ということがこの1年の間に例えば起こった時に、国はどうするんだ、私たちはどうするんだというところから議論を、並行してこの案件も含めて、前提のところでどうするんだよ、ということも考えておかないといけないんじゃないかなと思うんです。
多分、今の若い人たちはテレビを見なくなって、テレビ局という、いわゆるものづくり、番組というものづくりのヒエラルキーの中で、3Kと言われているADのところには誰も行かないと思うんです。でも、川上さんのところにはたくさんの若いクリエーターが、クリエーターかフリーターかわからない方たちが行くというのは、そういう違いがあって、この現実をどうとるんだというのは大事なことで、そういう意味では、その大学というのも、違う組織というか、学科科目も含めて、どうするというのは考えなきゃいけないと思うんですけれども。
○大多委員 1回目、2回目でもちょっと話しているんですけれども、クリエイティブな仕事で何をつくるかという点でいうと、もう本当に映画とかテレビとネットのつくり方って根本的に違うんですよね。放送業者、事業者はどうでもいいんだけれどもというのは、クリエーターとユーザーが直結しているからですというのは、そのとおりな部分も当然あって、テレビ局も当然、物をつくるという仕事が大きくあるわけなんですね。その中で、いつも新旧でいうと旧のほうに言われますけれども。今、大﨑さんは大学的な、クリエイティブな、ネットをつくる。映画学校ってありますよね。テレビのそういう専門学校もありますけれども、ネットのコンテンツをつくるもの、いわゆる教えるところってなくて、こんなもの教える必要はないというのも、僕はほとんどそう思っていますけれども。でも一方で、そういうことも大事かなとも思っている部分も正直言ってあります。
やっぱりテレビ局も、ネットにおけるコンテンツ、どういうふうにアプローチできるのかというのは、今いろいろなことを始めています。おまえらはテレビの番組とか、それから映画をつくっていればいいじゃないかというのはあるかもしれないんですけれども、やはりネットのコンテンツをつくることの、最終的にテレビ局が多分考えることというのは、そこでヒットを生むことがやっぱり大事で、そこでヒットが生まれることは、次に必ずそれはテレビになり映画になるという、これ、出世魚方式とよく言っていますけれども、そういうことのためにテレビ局は恐らくネットに何かコンテンツの大きな柱を立てたいと、そういうものをつくっていきたいというふうに流れていくと思います。
今、テレビ局に入ってくる若い人たちの中で、番組だけつくっていればいいよという人は実は本当に減ってきていて、ネットと組み合わせて何ができるか、いや、それだけじゃなくて、ネットでどんなものを自分たちは打ち出せるかというふうに大きく変わってきていることも事実なので、多分、テレビもそういった意味では変わっていくんじゃないかなというふうに思っております。
○中村会長 私もちょっと1つ、自分の個人の意見を申し上げたいんですけれども、この(ハ)のところ、デジタル化・ネットワーク化をさらに進めるというのがあるんですが、先ほど、新しいコンテンツをどうつくるのかという問題提起があったんですけれども、私、その新しいコンテンツをつくる前提としては新しいメディアを整備すること、これが一番大事だろうと思っておりまして、そういう意味で言いますと、ネットワーク化といいますか、そのインフラをどうつくるのかというのは、実はコンテンツ政策にとって非常に大きな課題だろうと思うんですね。そういう意味で言うと、例えば地デジの完成とか、それからブロードバンドの整備、つまり光ファイバーの全国化とか、モバイル放送の電波をちゃんと出すこととか、デジタルサイネージを整備していくこと、こういったこともここでは非常に重要な施策であって、電波の開放とか、それから融合法制の整備とか規制緩和、そういったことも、ここで考えておく必要があるかなというふうに感じました。
ほかにコメント、意見がありましたら、お願いいたします。
どうぞ。
○吉羽委員 もう1つの旧勢力からで、今の大多さんのお話と同じなんですけれども、結局、出版社って本をつくっているというか製造して出しているように、何となくこの議論の中でそうなってしまうんですけれども、役割の大きなのは、物書きと、もう1つの接点となっているクリエーターであるところの編集者の存在だろうというふうに思うんですね。
結局、携帯小説がひところちょっと騒がれて、ただ、マジョリティーには至らなかったというところがありますけれども、多分2つの側面があって、1つは、まず、マネタイズの問題というところでいうと、クリエーターがどんどんどんどん物をつくりますよと、ただし、そこをどうやってマネタイズしていくんですかという問題はなかなか解決しないと思うんですね。一部の人はいけるかもしれないけれども。
結局、これまで出版社が長々とやってきたことって何かというと、1つにはエンカレッジメントを編集者がしてきて、クリエーターの質をやっぱり学校のように高めていく作業というのは、特にマンガなんかでは大きかったかというふうに思います。
それと、もう1つはファンドなんですね。将来になって食えるであろうというか、自立するであろうという人たちに向けて先行投資を3年、5年、10年―これは音楽業界もそうだと思います―やってきて、やっとそこである種の果実が手にできるというところで、いやいや、出版社には著作権も何もないんだから、あとは俺たちが勝手にやるよという話になると、自由にネットだからクリエーターが発表できますよというふうにおっしゃるほど、僕はコンテンツは発展しないんじゃないかなというふうには思っているんですね。
だから、権利のことの話にいっちゃうわけではないのですけれども、旧のところであるところの私たちであるとか、かなりのスケール感で物をつくらなければいけないテレビ局であるとか映画会社であるというところが、必ずしもネットのCGMみたいなレベルと同じように議論されるというのは、ちょっと心外というか、問題があるような気が私はしております。
○久夛良木委員 先ほど、議論がホットになるように、ああいう言い方をしましたけれども、前回、私がお話ししたように、プロデューサーの方、編集者の方ですね、マンガ、アニメもそうですし、それから音楽もそうです。昔、ソニー・ミュージックにいらっしゃる方と一緒に仕事をしていて思ったんですが、本当にその人たちがクリエーターの一部であることは間違いなくて、地道な先行投資をして、何年も何年もかかって一人一人のアーティストを育てていたわけですよ。ただ、現在のコンテンツ業界を眺めていると、そういった辣腕編集者や名プロデューサーの方たちというのが現場のプロダクションのほうにどんどん行ってしまい、その間のメディアチャンネルのところ、特にディストリビューションのところに権力とお金が集中している。
今はまだパッケージ時代とか放送であるとか、そういうのを一体のものとして議論しているんですが、ネットの時代になると、それがひょっとしたら分かれていって、一つ一つ独立して進化する可能性がある。クリエーターの方とかプロデューサー、もしくは編集者の方が一緒になってネットワーク上で、つまり、さっきの資料2ですと、この真ん中、これは放送じゃなくてもCDでも何でもいいんですけれども、そういったファイナンスとかディストリビューションの枠組みを通り越えてダイレクトに相互がアクセスする。もしくはユーザーがそこにダイレクトにコミュニケーションするということが起こりつつあるし、もしくは起こるんじゃないかと思っている。その時に日本の強みというのは、今まで番組やコンテンツを一体として育ててきた中で、素晴らしい編集者やプロデューサーの方々の圧倒的な層の厚さである。すごい人たちがいらっしゃるから、すばらしいコンテンツがたくさん出ていって、テレビの番組のコンセプトそのものが、例えば「料理の鉄人」とかみたいに海外にも輸出されていっている。だから、ここをさらに強くしたほうがいいというふうに思うんですね、言わずもがななんですが。
この場合に、放送の場合というのは放送法の中で、やっちゃいけないこと、やっていいことなどがいろいろ決められていますが、この真ん中の放送のチャンネルを抜いてもう放送には出さない、ダイレクトにネットに出しますといった時にはもう、今までの放送法の枠組みだけでは、どうにもならない世界が出てくる。現実、ネットの上では国境がなくなってしまうわけです。
そんな時代に、先ほどの吉本委員が言われたように、幸い、新しいゲーム産業にはまだ影響力は少ないものの、例えばハリウッドのCAAのような強大なエージェンシーが放送以外のネットの利権を全部牛耳るぐらいのことになると考えたら、これは大変なことになるじゃないですか。
ですから、そういった議論もぜひ国として、何か内向きの新たな規制や法律を決めようとか、新たな運用ルールを決めようというんじゃなくて、次のネットワークのパラダイムにみんなが出ていく大きなチャンスでもあるので、ぜひそういった視点で議論していただければいいと思います。
○佐藤委員 皆さんの論議をずっとお聞きして、映像の中では多分、映画というのが旧の最たるものだと思います。著作権の考え方やルールもご存じのとおり米国と私達は違います。
申し上げたいなと思っていたのが、ずっと論議を聞きながら、2つあります。
一つは、新しい、つくるというところでは、今、映画会社の主要ビジネスの一つは版権です。もう一つはプロダクションの機能です。プロダクションの機能として、つくる場としては、川上さんのお話や大﨑さんのお話、大多さんのお話を伺っていても、ぜひ私たちもそういう枠組みに参加できるようなクリエーティブと、ものづくりの力というのを磨いていかなければと改めて思いました。と同時に、アーカイブの話なんですが。
冒頭、書籍に関してのアーカイブの話がありました。映像に関してのアーカイブ化は今、国立フィルムセンターがやっております。映画はかつて2回厳しい状況に直面する、と言われました。1回目はテレビ局が台頭した時代です、70年代。2回目はパッケージのメディアが、ビデオやDVDが台頭した時代です。その2回とも、結果としては、映画は更なる成長を果たしました。映画の出口のシェアを伸ばしていきました。言いたいことは、その時にメディアがいかに変わろうと、持っている6,000タイトルや、例えば当社であれば6,000タイトル。すぐれたタイトル群というのがすぐ商売になります。
先ほど、冒頭のところで何兆円という話の中でありましたけれども、そういった中では、書籍と違うのは、出版物をデジタライズするよりも手間暇とコストはかかります。大映時代の「羅生門」をデジタライズ化するのに大変にご苦労されたとレポートを読んだことがあります。ハリウッドはこういうところには対応しています。日本で一民間企業の努力では残念ながら、すぐ商売になるであろうというタイトルも含めて、ネットワークにも生かし切れません。なぜなら、原版はネガというアナログの最たるものだからです。これをもう一度デジタル化しないと、版権として、資産として生かしていくということができないという視点を、実はネット配信を考えるうえでも持っておいたほうがいいのではないかと思います、マーケットを形成するに当たっては、それが申し上げたかったことの一つです。
著作権のところですが、海外で外貨を獲得しようとか、人材育成に関しては前2回の議論の中でお話をさせていただいたんですが、実はプロダクションという側面と、ライブラリーを所有している側面というところでいくと、片方では権利を所有する側です、映画会社は。ただ、もう片方では、権利を持っていらっしゃる方々と交渉する側でもあります、制作プロダクション。
そういった中でいくと、今、私たちが権利をつくる側として一番直面しているのは、海外の時も申し上げたけれども、私たちの国の著作権制度というのは財産権と人格権という2つの視点があります。
特に、先ほど久夛良木さんもおっしゃっていたけれども、素材を一部抜いて、例えば裕次郎さんのシリーズがあります。裕次郎さんのシリーズのどのシリーズを見たいか、15秒だけで素材を抜きましょう。これ、人格権の同一性の保持という問題が必ず横たわってしまうんですね。ハリウッドに商売をしに行くと、彼らは全部金で買います。
ここの部分というのは、どちらがいいということは、このテーブルで私も一概には申し上げられないんですが、あるルールを決めていかないと、私は、ネットワークに対してプラットフォームがどんなものであっても、コンテンツを供給する時に障壁になると思います。外に出る時も、ネットワーク化にも障壁になると思います。この問題も整理すべきかなと思います。
以上です。
○中山本部員 先ほどからいろいろ議論を聞いておりまして、分野によって随分違うのかなと思いました。川上さんのおっしゃった話、非常によくわかりまして、新しいものも育てていかなければいけないという感じはします。ただ書籍に関しては、やはり過去のものを相当考えなければ、恐らく当分の間は新しくできるものよりも過去のものがずっと多いに決まっていますので、やはり過去のものも考えていかなければいけない。分野によって随分違うなという感じがしております。
「全ての書籍の電子配信」と、私は基本的にはそれは賛成なのですけれども、かなりの覚悟が要るわけですね。これをやると印刷要りません。トーハン、日販等の配送も要りません。小売店要りません。全部つぶれて、相当な産業のシフトが起こるという覚悟をしなければいけないのと、あと、先ほど言いました権利の問題が日本で非常に強い障害になっております。
アメリカですと、これは別に法律があるわけじゃないけれども、慣行として権利は出版社に譲渡いたします。したがって、出版社がデジタル化しようと思えば比較的簡単にできる。そこでアマゾンやグーグルなんかは、アメリカでは非常に活躍しやすいわけだけれども、日本は活躍しにくいわけです。
もし私がアマゾンの社長なら、キンドルをひっ提げて日本に来て、これは、先ほど言った印刷、配送、小売り要らないですから、非常に安くできますから、ユーザーには半値で提供します。売れる作家だけをピックアップして、印税、2倍、3倍出します。先ほど議論にでました編集ですが、私も学者として物書きですから何冊か本を出しておりました、編集というのがいかに大事かということはもうよくわかっています。しかし日本の出版社は中小が圧倒的に多いですからそれを買収します。あるいは、講談社あたりから、いい編集者を高給で引き抜きます。これ、簡単にできるわけですね。
ということは、恐らく日本の一番美味しいところだけ、このままでいきますと、外資にとられてしまい、売れないものだけが日本に残るということを一番危惧しているわけです。そのために、やはり先ほど言いました権利の処理問題が重要だと思います。先ほどの放送の件も含めて考えなければいけない。NHKはアーカイブしていますけれども、川口でやっていますが、あれは、川口に出かけていけば見られますけれども、日本中でネットで見ることはできない。先ほどの国会図書館のもそうですね。ですから、何かそこら辺のシステム、あるいは法律システムを変えて、著作権法全体をデジタル化に対応できるようにしなければいけないのではないか。
先ほどおっしゃいました人格権の問題もそうです。日本は世界一強い人格権を持っています。昭和45年に著作権法を作った頃は、人格権を世界一強く保護しているのだから、作家は作品をつくるインセンティブが湧くだろうということでしたが、世界一強い同一性保持権がネット時代になってくると、ある意味では障害になっている。
したがって、私は、著作権全体をここでちょっとネット時代に合うような変革というものも考えていかなければ、なかなか法的に進んでいかない、そのように感じております。
○中村会長 久夛良木さん、どうぞ。
○久夛良木委員 ストック型の書籍も、もちろん今いろいろ電子化しようという動きがありますが、今、疲弊しているのはフロー型の書籍、雑誌ですね。それはなぜかというと、広告料収入がどんどんどんどん減っているのと同時に、インターネット側にどんどん雑誌が扱ってきた情報がシフトしている。
ただ、もう1つの問題というのは、やはりこの雑誌というのはいろんなコンテンツを紹介しているわけですね、写真と文章で。これって著作権の塊なわけですよ。それを、雑誌という媒体では紙にプリントするという今までの慣行の中で、写真を使って紹介していいよということになっていたわけですが、これがネットに移行したら何が起こるか。もちろん双方向性を獲得して、ユーザーから見ても便利になるかもしれません。加えて動画も扱えるようになる。
しかしここで言いたいのは、現行法下ではこれらの著作権を効率的に一元的にクリアするのはほとんど不可能ということ。つまり、今は雑誌で紹介している、例えば映画の新作や写真展の案内、新店の料理やレストランの内装などのネット上の著作権を雑誌社が一個一個クリアしていくなど凡そ無理ですよね。そういう意味からしても、今後ネット上にいろんなコンテンツが出ていけるように、何らかの形で引用・紹介していい形というのをみんなで決めて、これは使っていいよというふうにしないと、ネット上における情報革命がなかなか起きない。これが私の言いたかったことの1つです。
それから、これは文化庁の出番かもしれませんが、たまたま角川会長と「羅生門」のリストレーション絡みでハリウッドに行く機会がありました。そこで、結構小さい会社、ローリーデジタル社というところが「羅生門」の修復作業をしていました。あれは「羅生門」だからよかったと思うんですよ。黒澤明監督だからよかったと。ちゃんとみんながこれは大事にしてデジタル化して残さなくちゃいけないと思うわけです。でも、そのフィルムの原版を見ていると、ぼろぼろなんですね。もうセルロイドのフィルムって、さわっただけでぼろぼろ崩れる。場合によっては、もう何巻もずっとひっついてしまっているものを一生懸命はがして、いろんなデジタル処理どころか、ピンセットとかいろんなものを使って、みんな一生懸命再生している。本は酸性紙使っていない限りは、何百年でも保存できます。だけども、こういった映像フィルムといったような新しいメディアというのは、数十年たったら、デジタル化どころか映写機にかけることもままならないようになる。
放送局にあるビデオテープも、あと何年かたったら、オメガとかUマチックとかベータカムとかを再生する機械もなくなるし、多分磁性体がぼろぼろになったものはテープをかけることすら難しくなるでしょうね。だけど、これも大事な我が国のコンテンツの一部であり資産ですから、お金を生むかどうかという話とは全然次元が違いますが、これこそ国の方たちもある程度の援助をしていただいて、大事な映画のコンテンツ、映像コンテンツ、ビデオテープにおさめられている番組コンテンツをもはや読みとれなくなる前に何とかデジタル化しなくてはいけない。これは近い将来、100%間違いなく起こってしまう悪夢なんですよ、残念ながら。だから、今のうちに手がけないといけないと心配している。
この間、映画、ハリウッドへ行った時も、アカデミーの意見もそうでしたが、あと10年ほっとくと、ほとんどの昔のフィルムは再生できなくなる、時間との戦いだという事だった。だけれども、ハリウッドですら、彼らの持っているお金であるとか時間であるとかを考えると無理でしょうと。つまり、ごくわずかなものしかサルベージできないというふうにおっしゃっているんですね。
これは我が国にとっても非常に大きな問題だと思いますから、早急に未来に向かってどうするか、ぜひ、これは真剣にちょっと予算も含めて、もしくは何らかのサポート体制も含めて、真剣に考えていただきたいと思います。
○中村会長 ありがとうございます。
今日、この(1)のところが一番議論になるだろうなと思っておりまして、予想どおりでございますが、残りの(2)、(3)についてもご意見いただきたいと思います。
(2)は、国際標準をどうしていくのか。これは、この知財本部のコンテンツとは別に走っております国際標準専門調査会のほうでも議論している中身でございますけれども、こちらもコメントありましたら。
それから(3)、著作権侵害のコンテンツをどのように減らすのか。これも別にワーキングが設けられているんですけれども、こちらについてもご意見等あれば、お願いをいたします。いかがでしょうか。
どうぞ。
○川上委員 先ほど、クリエーターの中抜き、クリエーターが直接つながるというお話ありましたけれども、どちらかというと、今のネットの時代で必要なのはパブリッシャー的存在だと思っていまして、クリエーターとプラットフォーマーが直接やるとクリエーター側に不利に働きます。それは価格交渉が弱いので。
例えばアイチューンズ・ミュージックストアとかだと、音楽の場合は、例えば70パーセント権利者がとってアップルは30パーセントという比率が、当初、その他のコンテンツ、例えば何か朗読みたいなコンテンツだと、アップルが7でコンテンツホルダーが3だとか、そういった行為をやっているんですけれども、結局、力関係で、プラットフォーマーって値段変えるわけですよ。それが音楽に関して、7割が今はコンテンツホルダーがとれるとしたら、それはコンテンツホルダーがデジタルの世界で強いからじゃなくてリアルの世界で強いから、まだ交渉力があるだけで、これが全部デジタルの世界になってしまうと、きっとアマゾンは7をとるみたいな流れになるのは、もう容易に想像ができるわけです。
それが、クリエーターと直接云々かんぬんとかというのは、ネットの中でも一般の人には支持を得ていますけれども、こういったことを許していくと、どんどんどんどんコンテンツの価格はゼロになっていって、コンテンツマーケットは縮小するというふうに思います。
ですので、どちらかというと、もっとパブリッシャー的な立場というものが、プラットフォームがいずれのところにとられた場合でも力を持てるような環境をつくることというのが、コンテンツ産業にとってはすごく重要なことだと思っていまして、それで先ほど、ユーザーと直接つながる部分というのを持つ必要があるというふうに申し上げたんですけれども。
それと、それに関連しまして、日本発のコンテンツプラットフォームのことなんですが、本当のコンテンツプラットフォーム、例えばキンドル、アイチューンズ・ミュージックストアみたいなものを日本が対抗して出して勝てるかというと、これも正直、とても厳しいと言わざるを得ません。
それで今、日本発で、例えばネット上のコンテンツでビジネスに出ているものはどういったものがあるかといいますと、1つはネットワークゲームですね。もう1つはSNS、モバゲーみたいな、アバター販売ですとか、そういったものです。ソーシャルゲームというものをそういうふうに分類されていますけれども、結局、本当に網羅的なプラットフォーム自体というのは、正直、日本が勝つのというのはとても難しいのですが、コミュニティー単位、ユーザーを持っているプラットフォーム上で何かコンテンツを販売していくということであれば、まだ可能性があります。
ですので、日本というのはちょっと、もう少しベタな、コミュニティーベースのプラットフォームというのをつくることを模索するほうが、僕は現実的じゃないかなというふうに思っています。そうした意味でも、まず、コンテンツをつくっている人たちがユーザーと直接つながるような形をつくるというのが非常に重要なことじゃないかなというふうに思っています。
それと、もう1つは、ここでコンテンツプラットフォームというのは分離して語られているのですが、例えばパッケージビジネス、今では、映画でいえば映画館での興行収入とDVDとのパッケージ販売で、あとテレビに売ったりだとか、それぞれは別のマーケットであるというふうに考えられてきたのがこれまでだと思うんですけれども、この、例えばネットのビジネスの場合、多分それが成立もしないんじゃないかというふうに思っていまして、例えば新聞とか書籍というのを、これは音楽とかもそうなんですけれども、全部の媒体でそれぞれ買うという人はもういないと思うんですよね。特に新聞みたいなものですと、ああいう消費するもの、雑誌なんかもそうだと思うんですけれども、あれは絶対に買うんだったらどれか1個選ぶと思うんです、ユーザーは。そして、ほかの媒体のものは選ばない。でも、それが本当に正しいのかどうかというところが僕は疑問に思っていまして、そのコンテンツをメディアと分離する考え方というのがやっぱり必要なんじゃないかなというふうに思います。もともとパッケージそのものを売っているわけじゃなくて、そのコンテンツというのは本当のコンテンツですから、その中身を売っているわけですから、言ってみれば媒体はもうどうでもいいと。そのコンテンツの所有者であれば、いろんな媒体でサービスを受けられるというような仕組みをつくるというのが、コンテンツ業者の立場を強くするような方向になると思います。
例えば、例を言いまして、青空文庫というものがございます。これは著作権の切れた本なんですけれども、著作権が切れているので、例えば任天堂DSで、青空文庫のものがデジタルで読めるというようなソフトはいっぱい出ています。それで、パソコンのほうでもそれを利用したサイトみたいなものもたくさん出ています。
だから、これは完全にフリーで提供されている場合なんですけれども、自由に利用できるものというがあった場合に、いろんな媒体でそれを使ってくれるところができるわけなんです。それを、例えば権利を持っている人であれば、例えば何かの雑誌を、今、例えばニューヨークタイムズをアマゾンのキンドルで読むためには、ニューヨークタイムズをキンドル上で買わなきゃいけませんけれども、そうじゃなくて、キンドルの例えば定期購読者であったら、キンドルで無料で読めるみたいな、そういう仕組みがあってもいいと思うんですよね。
そういうように、プラットフォーマーが依存した形で、そのコンテンツの権利が流通するような仕組みをつくるということが、プラットフォームホルダーのくびきからコンテンツ業者が自由になれる、すごく重要な方法だと思いますので、そうしたところからちょっと、日本発のプラットフォームが世界標準になるというのは、僕が主張したことをこの資料の中に入れていただいたんじゃないかと思うんですけれども、それともう1つ、コンテンツホルダーがコンテンツプラットフォームさんに対してやっぱり独立性を持てるようなところを、ちょっと強調していただければなというふうに思います。
○中村会長 ほかに、プラットフォーム、著作権侵害について、どうでしょうか。
はい、どうぞ。
○谷口委員 著作権侵害についてですけれども、音楽配信、ダウンロードした人も違法であるというふうに今年から制定していただきまして、これは非常に大きな進歩だというふうに思うんですけれども、罰則がないので、次はぜひそこを考えていただきたいなというふうに思っております。その罰則も、それによってコンテンツの中、どれだけの被害をこうむったかというようなことを立証する必要があるというようなものではなく、もうちょっと、駐車違反を取り締まるぐらいの軽い罰則で、それをおしなべて、それぐらいのお金を払うんだったらば正規のほうをやっといたほうがよかったなというふうに持っていけるようなルールということが考えられないかなと思います。
○吉羽委員 海賊版の話で、いい海賊版というのもちょっとあれなんですけれども、多分、音楽事業者さんは非常に深刻で、これは言語の障壁が余りないので、そのまま流通してしまうとということはありますし、私たちでもやはり、日本語のまま日本の国内での海賊版という話になると、経済的な影響は出てくるんじゃないかなというふうには思うんですけれども、片一方で、海外でのファンサブとかスキャンレーションと呼ばれる海賊版なんですけれども、このあたりが日本のコミックの紙の時代での海外進出でもそうだったのですが、海賊版の出版社は今、正規版の出版社となって、海賊版時代もあったがゆえに日本のコンテンツがかなり広く普及したというバックヤードがあったからこそ、海賊版業者同士での過当競争を避けるために正規版をとりに行ったというようなことがあるんですよね。で、非常に安定した市場に90年代は特になっていたわけなんですけれども、ファンサブはちょっと私が多少かかわっているとはいえ、やはりスキャンレーションが、かなり日本のコミックの読者のベースを支えている部分があるにはあると。やはり日本で出版されているコンテンツがそのまま、タイムラグもなく海外に出るということもあり得ないわけですよ。この部分で、待ちきれない読者たちがボランティアで翻訳を始めていって、かつ、相当クオリティーが高い翻訳が流通していて、正規版よりも翻訳が良かったりするというようなこともあるわけでね。
かつて、これを利用して日本から正規のスキャンレーション、ファンサブのようなことをやるようなサイトをつくれないかという議論をしたことがありました。もちろん、そこにはマネタイズの仕組みもつけて、ドネーション決済みたいなものもくっつけて、ファンサブをする人たちにも、ファンサブじゃないですね、スキャンレーションをして翻訳をする人たちにもお金が多少返るような仕組みをつくろうというようなことをプロジェクト化しようとしたんですけれども、やはり出版社じゃできない。というのは、当然、翻訳権もなければ、同一性保持権というところを主張されると、もうアウトになってしまう。結局、海賊版を野放しにせざるを得ないというようなところで、非常にこれもジレンマみたいなところに陥っていたんですね。
なので、海賊版の正規化というようなところというのは、ひとつうまい解決策を持てないかなというふうに思っていたりします。
○別所委員 著作権のことなどを聞いていて、思ったことが幾つかあったんですけれども、川上さんがおっしゃっていたように、結局、インターネットの時代は、日本国内といえば全員放送事業者、配信事業者であり、全員が著作権者になっているというような、そういう時代に全世界的になっているので、法体系の考え方自体も、事業者対事業者の間で何を利害調整するかというような発想で、その向こう側に当然個人である著作権者を守ろうという話があるわけなんですが、結果的に、ルールの中を見てみると、事業者同士の間の利害調整を求めた形の法律調整だったりした場合では根本的に変わらないでしょうし、クリエーターは、例えば海外の例ですけれども、タックスヘイブンのようなところに海外流出してしまって、そこに法人をつくって、成功した場合はお金をそこで取れるような、インターネットの社会というのはそういう社会ですから、そういうふうにどんどんなってしまうのではないかと思います。
逆に言えば、それを逆手にとって、日本にコンテンツタックスヘイブンなエリアをつくって、少なくとも東アジア共同体とおっしゃるのであれば、アジア圏の人たちが喜んで、国の、日本の政府の保護のもとに自由にコンテンツを開発したり、その開発費が出て、利益が出た時にタックスでの恩恵があるような、何か立体的なシステムは、国家戦略というのがないならば、民間レベルの民間会議で意味は終わってしまうのではないかなというふうに、門外漢ながら感じます。
それから、よく私たちなどもアメリカや海外の方に言われるんですが、日本はもっと開き直るべきだと。どう開き直るべきかというと、しょせん―しょせんと言うと言葉が下に見たような言い方ですが、僕はそれに誇りをもつべきだと思うんですけれども―加工文化国家で、加工産業国家なんですから、資源を持たずして人間の知恵でここまで大きくなった、あるいは技術で大きくなった国だというナショナリスティックな誇りがあるすれば、世界中のものの基準を自分たちでつくるというよりは、基準を例えば守るとか、生かすとか、アレンジするとかそういう発想に、もっといい意味で開き直って、どんどんいいものを取り入れて、加工産業国家として、このコンテンツビジネスにおいても、何かを追いかけるとか追随するとかというのではない発想が必要なのではないかなと感じています。
私がショートフィルムの映画祭をつくったのも、日本は技術や顔が見えなくて、自分たちがどういう価値づけをしているのかわからないと言われて映画祭をつくりました。大﨑さんも同じ思いだと思いますが、映画祭の意味は、単なるショーケースで、ちんどん屋、にぎやかしではなく、日本人がどういう価値で世界のコンテンツを見ているのか、あるいは私たちがどういうものをおもしろいと思うのかということを世界中が知りたいわけで、アカデミー賞をとったとか、カンヌ映画祭で何が評価されたということもすばらしいんですけれども、そこに常に追随してしまって、日本の価値観が見えないということが世界中に言われていることなので、法体系も含めて、そういうロジックで考えてほしいなというふうに思ったりして。
具体的には、例えば世界のコンテンツの著作権登録みたいなもの、国際的な法的効力とかサンクションをどう持つのかわかりませんけれども、例えば世界中のものを登録できる国際機関を日本が率先してつくって、日本が著作権ルールの登録事業、何ていうんでしょう、アーカイブと申しますか、アイデア登録先になるとか、それをインターネットで自由にできるようにしていくとか。
もっと国家戦略的なことでいうならばそういうことをやってほしいのと、やはり最終的には、僕、1回目にも言ったんですけれども、こういう1億総事業者、放送配信事業者の時代であるからこそ、メディア・リテラシーの、要するにネットで流れているものを自己判断でちゃんと峻別できる、あるいは分別を持って考えられるような教育が一番重要であって、なぜならば、日本の資源は人間でしかないということなので、そこが一番重要であって、それなくしていろんなルールを考えても、多分お金に拘泥してしまう人を増やすか、あるいは勝ち組、負け組をつくるかということになると思います。
もう1つだけ言わせていただくと、これは、僕は総スカンを食うかもしれないんですけれども、あるところで飲み会で言っていた話なんですが、国が税を取るというところは、その時代時代において、やはり広く薄く取れる場所、あるいは嗜好性の部分というのはあると思うんですけれども、インターネットがこれだけ普及した世界において、広告パイもそちらに移動しているわけですから、インターネット事業者になるのかどうかは別にして、インターネット税のような税金があって、インターネット事業者が逆に補助金を受けて広げていった世界は自由に彼らが使えるんですけれども、そこで集めた税を目的税でちゃんと、こういったデジタルコンテンツをつくるような世界にするという、動かすというような、環流するシステムを日本ではつくってほしいかなと思ったりもしました。これはまだあくまでも飲み会での席の話なんですが。(笑)
○中山本部員 著作権法の話ですけれども、これは非常に難しくて、従来は業者間の利害調整みたいなところはありました。基本的には業者間の利害調整みたいなところはあったわけですけれども、1億総クリエーター時代になると1億人に適用される。もう民法とか刑法と同じような感覚の法律になってきたわけですね。たとえば恐らくここにいる全員が著作権侵害したことあると思います。全員10年以下の懲役のはずですね。しかし、著作権法をぎりぎり詰めてゆくと弊害が生ずる。同じような問題、例えば商標法で、ブランド商品を個人で持っているのを刑罰かけてほしいという要求は非常に強いのですけれども、これもやはり1億人相手ですから、なかなか難しいわけです。
コミケ、コミックマーケットというのがあります。これはマンガの愛好家とか大学のマンガクラブが年に2回集まって、ビッグサイトで開催されているのですけれど、1回に大体100万人ぐらい集まるのですね。そこへ行ってみますと、はっきり言って著作権侵害の巣窟です。著作権侵害だらけです。しかし、100万人マンガの愛好家が世界中から100万人の人が集まっています。恐らくマンガの裾野を物すごく広げている効果があると思うんですね。あれはマーケットの中で侵害やっている分には、私は、これは多目に見るべきだと思っております。
そういうことは多々あるわけでして、これはよく、インターネットユーザの会の津田さんなどよく言うんですけれども、中学生のような子供にはお金がない、したがって違法なところから配信を受けて音楽を楽しむ。これは確かに悪いことだけれども、しかし、それを全部取り締まったら、小遣いの少ない中学生や小学生は音楽を楽しめないじゃないかと、裾野を広げられないんじゃないかという意見があるわけですね。
つまり著作権というものはどこまでぎりぎりやるかという、非常に難しい問題があります。現在、ネットに流れている違法な著作物、これは何とかしなければいけない。これは極めて重要なことですけれども、どこまでやったらいいか、あるいは、どこまで刑罰をかけたらいいか。これから慎重に検討していく必要があると思います。
○中村会長 ほかに、あとお一方、お二方ほど、何かありましたら。
○別所委員 すみません、先ほど1つ言い忘れたので、ぜひこれも。食事会の中で出た話ですけれども、僕自身もショートフィルムを広めようと思って映画祭を始めたんです。これはインターネットとちょっと離れるんですが、アナログな世界かもしれないんですが、ちょっとアーカイブと関係するので、簡単に言います。
日本の図書館制度というのを、ぜひもう一回、民主党政権になった今、考えてほしいなと思っていまして、例えば区立とか都立とか国立とか県立とか、図書館、いろいろ日本中にあるんですけれども、受験生が一生懸命使われたりとか、僕も子どものころ使いました。そういったところに、例えば書籍のアーカイブ化の事業であるとか、ショートフィルムのような映像コンテンツのアーカイブの具体的な事業の進め方というのは、国家政策的にあるのではないかなと思います。実際、区立、都立、国立、県立の違いが何なのか。あるいは無駄なように同じような書籍が同じように並んでいたり、それも多様性だと理解すればいいんですけれども、そこがまず着手してほしいことでもあり、何らかの新しい方向性なり、そこに幼稚園があったり、介護センターがあったり、もっと立体的なそういった政策になれば、コミュニティーのセンターになると思いますし。
今年は国際読書年ですけれども、そういう本の大切さと、メディアウインドウの違うテレビとか映画とか、僕もかかわっているような、そういった世界とは全く違う価値があるわけで、どなたかがおっしゃっていたとおり、メディアウインドウがどう変化しようが、物語性とかコンテンツの情報というのは変わらないので、そのハブとなるセンターをどういうふうに国内でネットワーク化するかということを、もうちょっと真剣に考えて、もちろん考えていらっしゃると思うんですが、不勉強で知らないので、お願いできないかなと思いました。
○中村会長 どうもありがとうございました。
別所さんから飲み会とか食事会でのアイデアをいただいたんですけれども、こういうのをやっぱり議論するのはそういった場がいいかもしれないなと。(笑)まとめるに当たっては飲み会をやったほうがいいかもしれないと思って拝聴しておりました。
さて、今日も非常におもしろいアイデアがたくさん出されまして、新しいコンテンツをつくろうとか、そのためのプラットフォームをつくろう、あるいは世界のコンテンツの登録の場にしようですとか、コミケのことを考えようみたいな、いろいろ出てまいりました。それらを施策にまとめていく必要があるわけですけれども、しかも、それも、今日もいろいろ話が出まして、プロデューサーとか編集者という人材の問題、あるいはファイナンス、流通のメディア、それからライツの問題、スコープを広くとって総合的な施策にしていく必要があろうかと思います。政策論としてはここからが本番になりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
それから、私から1つ、ちょっと宣伝をさせていただきたいんですが、先ほど川上さんからコンテンツと媒体を分けるというお話がありました。実は、あさって、慶應大学三田キャンパスで1つ実験をやることになっていまして、これは放送の地デジの電波を使って新聞や雑誌のコンテンツを配信するという実験を行います。放送の電波で新聞、雑誌のコンテンツを流して、それをパソコンとかゲーム機とか携帯などでも見られるよという、これは新しいプラットフォームといいますか、ビジネスモデルをつくってみようというようなことを、さまざまな業界、雑誌業界さんなどと一緒にやろうとしているんですけれども、そういった動き、今、各地でたくさんのものがありますので、そういったリアリティーも盛り込んでいければと思います。
さて、次回ですけれども、次回の会合においては、これまでの議論を踏まえて、この知財推進計画の骨子案を事務局に作成いただいて、その内容について全体の議論をしたいと考えております。めり張りをつけて、実現可能で、そして、できるだけ明るいようなものにつくっていければと思いますので、私自身も意見を出していきますが、皆さんからも意見があれば事務局のほうにお寄せいただければと思います。
ということで、予定の時間が来ましたので、本日の会合、このあたりにしたいと思いますが、最後に政務官からコメントをいただけましたらありがたいですね。
○津村政務官 今日もどうもありがとうございました。
最後の別所さんのお話が象徴的でしたけれども、やっぱり皆さんのお話の端々に、省をまたぐといいますか、ここでどこまで話せるかわからないけれども、しかし、やっぱり新政権、政治主導と言うからには、そういう省庁の垣根をまたがって、いろいろ議論していくべきテーマの萌芽があったのかな。
私、ちょっと話が違う話と言われるかもしれませんが、新政権の取組の1つで大変注目をしていると同時に末端の当事者でもあるのは納税者番号制度の議論でして、あれを、私もこれから、このITとか知財とか科学技術とかそういうものが、ゲノム情報も含めてここまで、ある意味では個人情報というものの極限のところまで技術が進歩してきている中で、「1Q84」じゃありませんけれども、良い管理社会に向かうのか、悪い管理社会に向かうのか、しかし、何らかの意味では管理社会に向かっているんだと思うんですよね、現実に。この納税者番号制度というのが、例えばITの世界と結びついて、インターネットの世界と結びつけば、場合によっては非常に、税制という意味でも、あるいは、さっき中学生の話も出ましたが、担税力とか、あるいは、その人の属性に応じた理想の税制というのが、もしかしたらあるかもしれないけれども、それは究極の恐ろしく個人情報が物すごい危険にさらされている世界でもあって、しかし、そういう中で、このITとか知財とかというのは、これから当分の間、悩み苦しんでいく世界だなということを、今日のお話の中でも改めて、その怖さと可能性を同時に感じました。
そこまで大仰な話にならなくても、例えば先ほどの幼稚園と介護と図書館制度も、全部多分、今までは担当の官庁が違うということもあって、立体的に結びついてこなかったようなテーマだと思いますし、率直に言って、3月末までにそれが立体的にすばらしい答えになるとは私もなかなか考えにくいですけれども、しかし、また飲み会の場でもまとめるかどうかは別として、何か次につながるヒントもいただけているのかなという、大変勇気づけられました。
また次回もよろしくお願いいたします。
○中村会長 ありがとうございました。
では、次回の会合について、事務局からお願いします。
○奈良参事官 次回でございますが、3月12日の金曜日、3時からということで、またこの場所で会議を開催いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○中村会長 どうもありがとうございました。
では、閉会いたします。ありがとうございました。
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