コンテンツ強化専門調査会(第3回)議事録



  1. 日 時:平成25年3月18日(月)15:00~17:05
  2. 場 所:知的財産戦略推進事務局会議室
  3. 出席者:
    【担当大臣】 山本一太 内閣府特命担当大臣
      
    【担当大臣政務官】島尻安伊子 内閣府大臣政務官
      
    【委員】 中村会長、井上委員、岡田委員、川上委員、川崎委員、久夛良木委員、
    國領委員、新山委員、杉山委員、妹尾委員、谷口委員、野口委員、
    野間委員、平澤委員、別所委員、中島本部員
      
    【事務局】内山事務局長、山根次長、作花次長、畑野参事官、木村参事官、林企画官
      
    【担当府省】 内閣官房国際広報室 加治参事官
    内閣官房IT担当室 中島企画官
    総務省情報流通行政局情報通信作品振興課 竹村課長
    外務省経済局国際貿易課知的財産室 彦田室長
    財務省関税局業務課知的財産調査室 伊藤室長
    文化庁長官官房政策課 山﨑課長
    文化庁長官官房著作権課 田口課長
    農林水産省食料産業局新事業創出課 遠藤課長
    経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課 須賀課長補佐
    観光庁観光地域振興部国際交流推進課 中澤観光渉外官


○中村会長
 では、ただいまから「コンテンツ強化専門調査会」第3回目の会合を開催いたします。御多忙のところ、お越しいただきましてどうもありがとうございます。
 本日、知的財産戦略担当の山本大臣に御参加をいただいておりますので、冒頭、御挨拶を賜りたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

○山本大臣
 知的財産権担当の内閣府特命大臣の山本一太でございます。きょうも本当は1時間ぐらいここにいて議論をお聞きしようと思っていたのですが、ほとんど時間がないので、冒頭、こういう短い原稿ではなくて、担当大臣として少しお話しさせていただいてよろしいでしょうか。
 きょうは、中村会長を初め、これだけのメンバーの方々にまたお集まりをいただいているので、私の考えていることを少しお話しさせていただきたいと思っています。
 まず初めに、皆さんがこうしてお忙しい中お集まりいただいて、この知的財産権、知的戦略ビジョンのために議論をしていただいていることを、担当大臣として心からお礼を申し上げたいと思っております。
 横に座っている内山局長が、多分、きょうも何を言うのかなと心配そうな顔をして私のスピーチを聞いておられると思うのですが、いつも内山局長と木村参事官と松木さんという若い人と3人で来ては丁寧に大臣レクをしていただけるので、この専門調査会でどういう議論があったかということは細かくお聞きしております。
 4月下旬の知的財産ビジョンは、10年間の知的財産権のビジョンを決める、安倍内閣で初めての大きな方向性を示すビジョンになるわけですけれども、そこに向けて、例の特許審査官の海外派遣の話とか、国際標準化戦略の話とか、中小企業ベンチャーに対する支援の話とか、いろいろな議論がありますというお話も伺っています。私はよく知らなかったのですが、孤児著作権というものが非常に問題になっていて、なるほど、NHKオンデマンドも昔の大河ドラマとかをやるときに相当苦労しているのだなということもよくわかりました。
 私はIT担当大臣もやっていまして、オープンデータ、ビッグデータについても実は大変関心があるのですけれども、こういうことについてもいろいろ議論されているというお話も伺いました。
 国際標準化戦略については、先般、世界でも非常に進んでいる日本の鉄道技術、鉄道システムの輸送について、この間まで日本に認証機関がなかったということがわかりまして、実は、今度新しくできた認証機関も視察させていただこうと考えております。
 先般、この専門調査会でもずっと議論していただいたクールジャパンについては、経産省がクールジャパン推進のための基金をつくりました。これは、自民党の中でもいろいろ意見があったのです。私は、知的財産担当大臣としてこの経産省のクールジャパン推進ファンドを全面的に応援しておりまして、万一、異論が出たら、石破幹事長と高市政調会長と野田総務会長、みんな仲よしなので直談判に行こうと思ったのですが、何とか自民党を通って、閣議も通って、500億のクールジャパン推進のための基金ができる。これは非常に画期的だと思っていまして、知的財産権担当大臣としてもしっかりバックアップしていかなければいけないと思っております。
 実は、先般ここにちらっと出させていただいたときに、中村会長も覚えていらっしゃると思うのですが、「安倍総理に『コンテンツ振興立国宣言』をやっていただきたいと思っている」というお話をさせていただきました。安倍総理には直訴いたしました。クールジャパン担当の稲田大臣にもお話をいたしました。例えば、私、科学技術振興担当の大臣なのですが、科学技術基本法に基づいて5年間で科学技術予算に10兆円、十何兆円を振り向けるみたいな具体的な話ではなくても、例えば、安倍総理がコンテンツ振興、文化振興立国、日本はこういう戦略でやっていくのだということを宣言していただくだけでも、知財戦略のプライオリティーが上がると思っています。残念ながら、この話が進まないので、ちょっといらいらしておりまして、ぜひ皆さんにも応援していただきたいと思っております。
 実は今、そこに関係者の方が1人おられますけれども、私は大臣になった後も、ニコニコ生放送で、大臣がキャスターを務める「直滑降ストリーム」という番組をやっていまして、大臣がキャスターで大臣を呼ぶという極めて危険な企画をやっております。今まで大臣を2人呼びました。最初が厚労大臣、2人目が総務大臣、3人目が、これも非常に危ないのですけれども、あした、小野寺防衛大臣とガチンコの議論をやって、その次、4月になったら茂木経産大臣もお招きしようと思っていまして、そこで茂木大臣に直訴しようと思っているのですが、やはり総理自らが「知的財産権がこれから日本経済再生のための一つの大きなキーになっていく」という宣言を、文書でもいいし、記者会見でもいいのですが、何らかの形で発信していただくということが大事だと思っています。
 先般、ある有名な有識者の方とターゲティングポリシーについて議論をいたしました。確かに、政府ができることは実は限られていて、経済再生についてターゲットポリシーといっても、主役はやはり規制改革であって、民間の方々が活躍できるグラウンドを整備することだということはわかっていますが、皆さん御存じのとおり、私がずっと専門としてやってきた韓国は、この金大中大統領の文化大統領宣言、コンテンツ振興宣言が間違いなく韓国のクールコリア戦略に効いているということなので、ぜひともこれを実現させていただきたいと思っています。
 いつも内山局長が心配そうな顔で来るのですが、ぜひ内山さんからも知恵をいただいて、何とか安倍総理からこのコンテンツ振興立国宣言を発信していただけるような仕組みを考えたいと思います。本当はきょう時間があれば、皆さんから御異論があるところもいろいろとお聞きしたいと思うのですが、ぜひ皆さんにも応援していただいて、そういう形で、知的財産戦略が今の安倍政権の中でもプライオリティーが高くなるような仕組みを後押ししていただければと思っております。
 本部員、知的財産権の本部有識者、本部とそうではないところの違いが依然としてわからないのですが、その本部有識者のメンバーも実は新しくかわられまして、10人のうち6人が新しい方で、女性も3人入っているということです。この有識者のグループもいよいよ立ち上がって、皆さんのお力もかりながら、4月の下旬には、安倍内閣の初めての10年間の知的戦略ビジョンの策定に向けて進んでいくことになりますので、場合によっては、この知的ビジョンのところで立国宣言をやっていただくのがいいのかどうか、また皆さんのお知恵もいろいろと借りながら進めていければと思います。今後とも御協力をお願いしたいと思います。
 前回お話ししたとおり、8つの担当分野があるものですから、きょうもまたこのまま次の日程にまいりますけれども、ここで議論していただいたことは、内山さんと木村さんと松木さんがまた必ず来ていただけると思うので、細かくお話を聞きながら、私も担当大臣としてこれから知的ビジョンについていろいろインプットさせていただくことを考えさせていただければと思っております。
 いろいろかんだりしてちょっと済みません。大臣になって以来、発言に本当に気をつけなければいけないので、表現をものすごく考えなくてはいけなくてなかなか苦労していますが、きょうも引き続き皆さんの闊達な御議論をいただいて、安倍内閣経済再生の1つのキーは、知的財産ビジョンをきちっとつくることであるということをぜひとも発信していただきますようにお願い申し上げまして、申しわけございませんが、次の日程にこのまま行かせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

○中村会長
 大臣、どうもありがとうございました。非常に力強いお言葉をいただきました。
 この知財政策、知財の戦略を政府の政策の中でプライオリティーを上げていくということは、我々にとっても非常に重要な課題だと思います。その方向に向けて議論を進めさせていただければと思います。
 この専門調査会では、今回、知財本部に提言する知財計画2013の骨子に盛り込むべき事項に関する議論を行うということにしています。また、今月の4日にクールジャパン推進会議が開催されまして、クールジャパンの推進方策及び発信力の強化について検討することになっています。これらに伴いまして、コンテンツの総合戦略の2つの柱のうち「クールジャパンの戦略的展開」という事項については、我々の議論の上では「コンテンツを中心としたソフトパワーの強化」という方向に変更させていただいて、その中のソフトパワー関連の施策を幅広くカバーするということにしています。
 なお、本日は、大﨑委員、齋藤委員から御欠席の連絡をいただいております。また、知財戦略本部員からは中島本部員に御出席をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 では「知的財産推進計画2013」骨子に盛り込むべき事項について議論をしたいと思いますので、まず、事務局から説明をお願いします。

○木村参事官
 まず、配付資料について確認させていただきたいと思います。資料1と3、参考資料1と2が事務局から用意した資料でございます。また、資料2と、A3で一番下に置いてあります机上配付の資料が委員から御提出のあった資料となっております。漏れがありましたら事務局までお申しつけ願います。
 今後のスケジュールについては、参考資料2にございますように、本日を含めまして、あと2回ということになっておるところでございます。4月には「知的財産推進計画2013」の骨子に盛り込むべき事項をおまとめいただくというふうに考えているところでございます。
 それでは、本日の主な議題でございます知財計画2013骨子に盛り込むべき事項について御説明したいと思います。
 資料1をごらんいただきたいと思います。これまでの御議論などを踏まえまして、次期の知財計画に向けました検討の方向性について、事務局で検討用の材料ということで御用意させていただいたものでございます。委員の皆様方には事前に資料を送付させていただいておりますので、ポイントだけ御説明、御紹介させていただきたいと思います。
 情勢認識といたしましては、1ページから4ページまでにかけての部分でございます。グローバルネットワーク時代が到来する中で、従来の見方だけではカバーできない創造的な変革が起こっている、そして、コンテンツ強化に向けた総合戦略はグローバルに次世代産業生態系の変容を見通して先手を打ったものに変わっていく必要があるのだということを示した上で、戦略の柱を、デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備と、コンテンツを中心としたソフトパワーの強化、この2つで整理しているところでございます。
 5ページ以降が、具体的な施策の例ということで取り上げているところでございます。
 1つの柱につきましては、デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備ということでございます。ユーザーがつくり出すコンテンツの創造、あるいは自由利用を促進していこうという施策や、公共データの二次利用促進といったコンテンツの生態系変化といったものにいかに対応していくのかということでございます。
 また、クラウドサービスといった新しいサービス形態にいかに対応していくのかということ、そのための産業創出支援として、制度的な見直し等を行っていくということでございます。あるいは、クリエーターへの適切な対価還元に向けた制度を構築していくことにつきましても書かせていただいております。
 また、先ほどの大臣のお話にもございましたように、孤児著作物を含むコンテンツ資産の権利処理をいかに円滑化していくのかということで、これも既存の裁定制度のあり方を見直していこうということについても取り上げております。あわせて、新しい産業や文化の発展の基盤となるような各分野のデジタルアーカイブ化の促進でございますとか、教育の情報化の本格的な展開に向けた著作権制度などのあり方の検討といったところ、これが1つ目の柱のデジタル・ネットワーク化のところでございます。
 8ページ目以降につきましては、2つ目の柱でございます「コンテンツを中心としたソフトパワーの強化」ということでございます。
 地域のすぐれた産品、あるいは文化財といったような文化資産を世界に通用するブランドとして確立するといったようなソフトパワーの発掘・創造ということ。
 また、日本のコンテンツの放送枠の確保といったような継続的な発信などにより、日本ブランドをグローバルに発信していくということ。
 先ほど大臣のほうからお話がございました、産業化に向けたリスクマネー供給を行っていくというような取り組み、戦略的な海外展開を推進していこうということでありますとか、ロケ撮影の受け入れ体制の整備といったインバウンドの推進ということ、さらには、模倣品・海賊版対策や若手クリエーター支援などのコンテンツ人財の育成というような点を取り上げておるものでございます。
 骨子に盛り込むべき事項の主なものとしては以上でございますが、本日の議題に関連いたしまして、本日御欠席の三尾本部員から資料が提出されてございます。資料2でございます。
 こちらにつきましては、権利者に対する適切な対価の還元を行うと同時に、コンテンツの充実、あるいは新規ビジネスの立ち上げを促進する仕組みといたしまして、公益的な、あるいは公開的なコンテンツデータベースを有するデジタルコンテンツのプラットフォームの構築について御提言いただいているものでございますので、御確認いただければと思っております。
 事務局からの説明は以上でございます。

○中村会長
 ありがとうございました。
 では、議論を進めてまいりましょう。
 先ほど事務局から説明がありましたように、きょうを含めて、あと2回、この骨子についての議論ということでございますので、きょうは皆さんに出せる論点を全部テーブルの上に出していただいて、次回まとめにかかるという段取りかと思います。今説明がありましたように、この資料1を煮詰めていくわけですが、全体の構成が「情勢認識」という総論、それから「デジタル・ネットワーク社会」と「ソフトパワー」という各論2個に分かれております。この3つに分けて議論をいただければと思います。
 最初に、1ページ目から4ページ目の総論部分、「情勢認識」について御意見のある方はお出しいただければと思います。
 今の説明にありましたように、この情勢認識の部分だけ拝読いたしましても、「デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備」のところには、ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツであるとか、教育コンテンツ、あるいはビッグデータ、あるいは機械と機械といった、これまでにない視点が盛り込まれておりますし、ソフトパワーのところも、文化力と技術力の総合力でありますとか、国民みんなの創造力といった、これもこれまでと少し視点が変わるといいますか、政策転換と言ってもよいと思いますが、そのような指摘がなされています。その後に出てくる個別の項目を見ましても、私、今、数えてみたところ、去年までなかった新規の施策が15、16個並んでいます。これまでとはちょっとトーンが違ったものを出そうという事務局案でもございますので、そのあたりも含めてお出しいただければと思います。
 まず、総論についていかがでしょうか。では、川上委員から。

○川上委員
 昨年もこの件については発言したような気がするのですが、日本のコンテンツサブカルチャーが世界的にも競争力を持っている理由の一つとして、自由なコンテンツの制作環境が担保されているというところが非常に大きいです。これは、言い方を変えると、余りうるさいことを言わずにものづくりができる環境が世界の中でも日本は強いというのがあるのですね。これは言い方を変えると、モラルの低いものができたり、そういうことと背中合わせのことなのですが、ただ、結果として、もしコンテンツ産業を振興するという観点であれば、この表現の自由というものをできるだけ確保する。表現もそうですし、制作とかにおいても、別にこれは「表現の自由」というような精神的な格好いい言葉でなくても、例えばものづくりをする上でのいろいろな規定だったり、そういった自由を確保するという観点をぜひ盛り込んでいただきたいなと思います。
 以上です。

○中村会長
 ありがとうございます。
 ほかに。野口委員。

○野口委員
 非常によくまとめていただいていると思うのですけれども、最近、諸外国を見ていますと、かつてよく言われていて、今回、トーンが低くなってしまったキーワードの1つに、イノベーションみたいなものがあると思います。ビックデータにしても、クラウドにしても、産業活性化という意味でいうと、イノベーションを支援するという視点から知的財産制度を捉えるというような視点が、アメリカ、ヨーロッパ、あと新興国の中国とかブラジルなどでも最近盛んに議論されているというふうに認識をしております。先ほどの山本大臣のお話で、知的財産を大々的に打ち出すということが、ともすると一昔前だと、著作権の期間を延ばすとか著作権を強化するというふうな発想に行きがちなのですけれども、それをやり過ぎることによって、例えば競争力のあるプラットフォームができなかったり、将来的にどんどん生まれてくるポテンシャルを事業者が迅速に取り込むことができなかったりというような弊害を生じる危険性があると思うのです。
 そういう意味で、総合力を生かすという点から、知的財産の制度を総合的に日本によいものにするということが重要だと思います。政府のデータなどを出していったり、ビッグデータを出していったりというようなことが後ろのほうにも出ているのですけれども、ヨーロッパやアメリカでも科学データを全て公開するというような方向にすごく大きな流れが来ていますので、そういう観点から、イノベーションを日本の国でも支援していくというようなことがもう少し触れられるとよいのかなと思いました。
 感想レベルですが、よろしくお願いいたします。

○中村会長
 ありがとうございます。
 別所委員。

○別所委員
 前回休ませていただいたので、そこで議論がされているかもしれないのですけれども、改めまして。
 これは「情勢認識」に入るべきなのかどうかわからないのですが、ここ数年かかわらせていただいて、過去重ねてきた議論の効果測定というか。例えば、具体的に言いますと、ここで説明をしていただいた経産省管轄になるのでしょうか、ANEWという団体がございます。そちらが予算がついて、1年間どういう活動をして、何が成果としてあったのかであるとか、ここでも非常に熱く議論された「コンテンツ特区」という言葉がありましたが、今の中からは、私が読み落としているのかもしれませんが、特区制度で大々的に何かやるのだと話していた議論はどこに消えたのか。
 つまり、継続的に議論をしていることが、年度ごとに新しい言葉や新しいことが加わることは確かにすばらしいことなのですが、情勢認識の前なのか何なのか、この前年度までに具体的になし得たこと、あるいは継続的にこの先やること、3年計画ぐらいになっていたようなことが各省庁であったと思うのですけれども、そういったことの議論がどう継続的にされていて、何が成果として出たのか。具体的な例は今2つ申し上げましたが、それ以外にもたくさんあったと思います。それをぜひ大臣にも伝えていただき、コンテンツ特区、ANEWというのがあったのかということでなく、それは何を求めどうなったのか、ぜひ何らかの形で加えていただきたいなと思います。
 それから、クールジャパン推進会議というものが500億円の予算がついて、別途会議が立ち上がったと。3月4日ですか、先日出た会議ですけれども、僕が単純に新聞を読んだり、ほかの方々から聞いてもわからないのが、この会議とはどういう関係、位置づけにあるのでしょうか。ここで議論していたクールジャパンがごっそり抜けた。まあ、抜けたのではないと。ソフトパワー、スマートパワーですか、あるいは違う形であるのだということなのかもしれないのですけれども、その関係性が僕にはいまひとつ理解できない。ソフトパワーの強化とクールジャパンはどういう関係性にあるのか。そちらの会議に角川委員とかいらっしゃいました。私が知っている人も何人もいらっしゃるのですが、そちらには予算がついて、具体的に何か実現化していく機関であって、こことはどういう関係性にあるのか、ここの施策はそこで具現化されるのか、その辺がこの骨子の中にも盛り込まれるべき事案なのではないかなと考えました。
 もう一点は、この中にコンテンツの議論がされているのですが、コンテンツの国籍主義みたいなものはどうなっているのか。著作権の問題もあるでしょうけれども、今、日本人でシンガポールにいてコンテンツをつくって発信をするという人はたくさんいると思うのです。そういった方々、国籍が日本であればこういった議論の対象になるのか。あるいは、日本にいて、ブラジル国籍であろうが、韓国籍であろうが、いろいろな外国の方々がいろいろな形で作品を発表する。映画の世界でも、言語主義、使われている言葉であったり、製作委員会の製作出資の比率であったり、世界的にも多国籍化しているコンテンツのあり方というのがあると思うのですが、今回ここで言うコンテンツ強化の対象は、国籍上は皆さんどうお考えになっているのか、少し輪郭をはっきりさせたほうがよろしいのかなと思いました。

○中村会長
 今、3点指摘と質問をいただいたので、ちょっと議論をさせていただければと思います。  最初、別所委員がおっしゃった、これまでの知財本部の活動の検証とそれを踏まえての次の展開をどのように整理するのか。今、知財本部ができてちょうど10年ということで、過去10年をどう検証し、次の10年のビジョンをどうつくるかというのは別途議論をしているところですけれども、この計画2013にどのように盛り込んでいくのかという御指摘だったと思います。この点については、別所委員が以前から繰り返し指摘をされているところでもありますので、その考え方を事務局からお教えいただきたいというのが1点目。
 2つ目は、クールジャパンが別途立ち上がったということと、この会議との位置づけをどう考えるか。これは事務局から少し説明なりコメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。

○木村参事官
 それでは、御質問いただきました、これまでの議論で出ておりましたANEWのこと、またコンテンツ特区の成果といった、これまでの取り組みについての成果をどう踏まえて進めていくのかということでございますが、本日配付している資料の中に参考資料1「知的財産戦略に関する論点整理」という資料がございます。この中にもこれまでの成果を参考に書かせていただいているわけでございまして、こういったものを踏まえて、足らないところも含め、これをどう進めていくのかということを見ていただくということかと思っております。
 例えば、先ほどありましたANEWにつきましては、26ページのところでございます。「グローバル市場向けコンテンツの企画開発」ということで、60億円の出資を受けて、このANEWというのが2011年10月に設立し、今まさしく企画開発などを進めているということでございます。本日、経済産業省の方もおられますので、不足等があれば後で御説明いただければと思いますが、昨年の12月には第1の案件ということで、東映アニメーションとハリウッドのグループと共同いたしまして、ハリウッドの実写映画化の企画開発。これは「ガイキング」という東映のコンテンツでございますが、そういったものの企画開発を決定したというような取り組みの第一歩が進んできているというところでございます。引き続き、この企画開発についてANEWのほうで取り組まれているというものでございます。
 また、コンテンツ特区につきましては、38ページに関係記述がございます。
 札幌コンテンツ特区におきましては、海外からのロケ撮影隊をワンストップで支援する札幌映像機構というものが札幌で設置されまして、ここを中心に窓口の一元化ということを図りながら、ロケ撮影の支援をまさしく今進めているところでございます。関連の映画祭の見本市でのプロモーションでありますとか、そういった取り組みもあわせて進められているということでございますし、規制の特例措置につきましても、特区構想の実現に向けて、今、関係部署のほうと検討を進めておるところでございます。そういう意味では、オンゴーイングで取り組みを進めているという内容でございます。こういった成果を踏まえながら、知財計画につきましても御議論いただきたいという流れになっているところでございます。
 また、クールジャパン推進会議とここで議論していたことの関係はどうかということでございます。クールジャパン推進会議におきましては、クールジャパンの推進方策と発信力の強化ということを議論されているということで、特に具体的な戦略について提言するということで、今、議論が進みつつあると考えておるところでございます。
 また、こちらの知財本部のコンテンツセッションのほうの議論におきましては、今までの御議論を変更しようということではございませんで、コンテンツの強化ということ、これまで議論されていただいた中から広がっていって、コンテンツだけではなくて、ファッションでございますとか、観光であるとか、食であるとか、そういった広い意味での日本のソフトパワーということをいかに強めていって、海外展開し、また、インバウンドということで、国内にそういったもので外国人の方を引きつけられるのかという取り組みを進めていくという意味で、クールジャパンを支えていくような姿についても御議論いただくということで、両方が連携しながら施策を進めていくというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

○中村会長
 毎年の知財計画、今度は2013をつくろうとしているのですが、これは去年、おととしも随分議論になったのですけれども、差分をつくっているわけですね。ですから、昨年度までにでき上がったもののうち、新規施策と、継続だけれども変更がある部分というのがここに載ってきます。継続で変わりがないものはここに載ってこなくて粛々と進められているということであります。
 もちろん、これまでの10年間に提言がなされ、実際に政策として発動されたものもあれば、うまく進んでいないというものもあって、次に2013をつくるときに、それをどうやって検証してここに盛り込んでいくかということは、我々も過去のものをチェックして、今回、差分として盛り込めるものはここに盛り込んでいくということをお願いしたいと思いますので、ここにそういった視点をもっと入れるべきだということがあれば、後ほどでも結構ですので、事務局にお届けいただければと思います。
 それから、クールジャパンのところは、私自身も切り分けがよくわかっていないのですが、基本的に我々がこれまでやってきたここの場での考え方、進め方というのは変える必要はないということでよろしいのでしょうか。我々としても、新しく別の場ができて、そこも強力なエンジンを持って、予算もつけてやってくれるということですので、そちらのほうにも提案をするとか。こっちはこっちでこの計画の中にどんどん盛り込んでいって、政府の計画になって、全省庁関連で進めていきますので、それはそれでできることがあったらやっていくという理解でよろしいでしょうか。

○経済産業省須賀課長補佐
 済みません。経済産業省の須賀と申します。
 別所委員から御指摘がありましたクールジャパンの500億の話なのですけれども、実は、あれは会議に予算がついたということではございませんで、今国会に法案を提出してファンドをつくっていくという話で、実は10ページの一番上にこちらの施策としても書き込ませていただいておりまして、同じツールをいろいろな側面から活用していくということで考えておりますので、アイデアなどをいただければと思っております。

○別所委員
 私の質問は、もちろん仕組みはわかっているのですが、先ほど説明があったように、提言をクールジャパンの推進会議に差し上げていいという前提でここで議論していいということであれば、なぜ「クールジャパン」という言葉がここの議論から抜けていくのか。包括的にその上に「ソフトパワーの強化」という言葉があるのか、その辺の意思決定の流れがどういうことなのかなと。決して否定しているわけではないのです。現実に、多分、それが進化をして、さらに新たなる会議ができて、より具現的なアクションプランが立つのだという理解をしていますし、そのファンドの予算が具体的なものについていくのだという理解をしているのですが、ここまで積み上げたクールジャパンの議論がこちらからすることが差し出がましいことになるのか。「クールジャパン」という言葉が全て抜けましたので、コンセンサスと言うか、そこら辺の認識を共にしておいたほうがよろしいかなと。
 先ほどの情勢認識の話に関しては、ぜひ参考資料にあるようなことも含めて、確かに10ページなどでも1行程度「コンテンツ特区を踏まえて」とか書かれているのですが、中村会長がおっしゃったように、実際に今取り組まれていること、そして、トライしたのだけれども遅々として進まないこと、別に失敗していてもいいと僕は思うのです。失敗したのはなぜかということが議論されればノウハウだと思いますので、そちらが何らかの形で、少なくとも情勢認識の中に盛り込まれてしかるべきかなという提案です。

○中村会長
 ありがとうございます。
 先にこちら。

○畑野参事官
 総括の参事官をしております畑野でございます。
 クールジャパン推進会議とこの専門調査会との関係ということで、先ほど別所委員がおっしゃいましたように、また、中村会長からも御発言していただきましたように、これまでのこの専門調査会での議論が、クールジャパン推進会議が発足したことによって制約されるとか、ディスターブされるといったことは全くございません。これまでのこの専門調査会での議論といったものを前提にして、今後とも積極的な御議論をしていただければと思います。この専門調査会での議論の成果といったものをクールジャパン推進会議のほうでも酌み取っていただいて、あちらのほうの会議では、先ほど木村参事官のほうからお話がありましたように、この個別の策をいかに海外の人にわかってもらうのか、発信力の強化といったところを中心に御議論していただいております。ここでの議論が土台となって推進会議のほうに反映されるとお考えいただければと思います。
 その上で、なぜ「クールジャパン」という言葉がこの専門調査会で触れられなくなったかということでございますけれども、これは、今から申し上げるような考え方の整理でございます。
 この資料1でございますと、特徴的なのは11ページの「模倣品・海賊版対策の推進」、その下の「コンテンツ人財の育成」といったような項目がいい例かと思います。こういった施策につきましても、先般の調査会まではクールジャパン推進の構成する要素だというふうに御説明申し上げてきましたけれども、翻って考えますと、模倣品・海賊版対策、クールジャパン人財の育成、むしろソフトパワーの強化、コンテンツの強化策といったような、クールジャパンというよりも少し上位概念でくくったほうがより理解かつ正しいリストリクションではないかというようなこと、これはクールジャパン推進会議ができたということを踏まえて、この専門調査会での議論を整理しようという中で、中村会長とも御相談させていただきながら、こういう整理をしたわけでございます。コンテンツ、あるいはソフトパワーの強化といったような立て方のほうが、ここでの施策をより正確にあらわしているのではないかといったような反省・分析で、本日の会議からはこういう柱立てとさせていただいたということでございます。「クールジャパン」という言葉は字面上消えておりますけれども、議論の継続性といったことにおいては前回までと何ら変わりはないというところで、今後とも議論をさせていただければと思っております。

○中村会長
 妹尾委員から手が挙がっていました。

○妹尾委員
 メインのお話は後でもう一回させていただくことにして、別所委員からの発言について、僕は大変共感を持って聞かせてもらいました。例えば、「コンテンツ特区」とおっしゃっていましたよね。どこへ行ってしまったのでしょうかということだけれども、この参考資料の38ページのこういうのがまだ生きていますというお答えは、確かにそうだと思うのです。しかし、それだけでしょうか。
 例えば別所委員などがやられているショートショートフィルムフェスティバルなどというのは大変良い試みだと思うのだけれども、あれも随分変容してきました。
 例えば、従来、あれにフィルムで応募していたのが、次は、CDや円盤に入って応募作品が送られてきた。しかし、今は多分、ネットワークを通じて作品が応募されてきているだろうと思います。
 これは、私が何年か前まで「デジタルコンテンツグランプリ」の審査委員長をやっていたときにも、デジタルコンテンツグランプリで表彰されるものが、コンテンツ自体というよりはコンテンツ流通のプラットフォームを形成するテクノロジーのほうにむしろ主軸が移ってきたというようなことと関係します。
 こういうことは何を意味するかと言ったら、コンテンツ特区というのがコンテンツ制作だけなのだろうか、という問いにつながります。これからの10年を見通した中で2013をやるのだとしたら、コンテンツ制作の特区という概念ではなくて、むしろコンテンツとテクノロジーが一緒に合わさるような特区形成をしたら良いのではないか。そういう新しい方向性を持ち出してもらったほうが多分良いのだろうと思うのです。
 ここで、ソフトパワーと書いてあります。これは詳しくは後で御質問しようと思っていますけれども、ソフトパワーを強化するなら、コンテンツということに限らず、むしろソフトパワー特区みたいな、コンテンツとテクノロジーがくっつくような形を形成するとかはいかがでしょうか。それも、例えば別所委員がやられているようなものを生かしながらやっていくような、そういう新機軸をもうそろそろ出しても良いのではないでしょうか。コンテンツ特区イコール制作特区というのは今までの話であって、ここで方向を変えるのだとしたら、それの先出しを少しやっていただきたい。
 前もお話ししたとおり、このコンテンツ強化ということが単なる著作権の保護何とかという話だけでは終わらなくなっている時代だという認識がこの情勢認識の中に入っているわけだから、特区についても従来から継続しているものについて新しい見直しをしていくというような形が織り込まれたほうが良いと思うのですね。
 そういう意味で、今、僕は別所委員の応援をすることになると思うのです。例えば隣に杉山先生もいらっしゃっていますが、杉山先生などが秋葉原で一生懸命コンテンツ制作をやっていても、そこのテクノロジーは基本的に欧米で全部占められているみたいな話がいつまでも続いています。それでは全体としてのスマートパワーにならない話です。だから、そういうところを見込んだ中の個々の施策への展開をもう少し織り込んでいただきたいなという感じがしました。
 メインの質問は後でもう一回させてください。

○内山局長
 別所委員、それから妹尾委員からも、過去にやった施策について、どういう状況でやれたのかやれなかったのか、その部分はどうなのかと。そういう問題意識はもちろん大事でございまして、それぞれの計画を出すときも、これまでも、その前の年の計画の執行状況、できたのかできなかったのか、できない場合にはなぜできなかったのか、事情変更があったのか、あるいは、ここがうまくいかなかったのかというようなところは検証してもらうということで、それを含めて新しい計画として出していくということでございます。本日の時点でそういったものを出しておりませんけれども、今後の2013の計画策定までの間に、2012の計画においての執行状況については各委員に御説明して、その上で2013の計画を取りまとめていくということにいたしますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

○中村会長
 先ほどそちらから手が挙がっていましたね。お願いします。

○新山委員
 さまざまなステージでいろいろ議論が行われることは非常にすばらしいことだと思うのですけれども、大きく欠けていることは、それぞれの議論が連携し合っているかどうかということのチェックだと思うのです。次のステージは、日本のブランド力は潜在的にすばらしいものがあるということは皆さんもう御存じなのだけれども、個別にやっているステージから、しなやかな連携をしながら、それをつなぎ合わせて、1つの地図のもとで戦略を立てて文化外交までつなげていくという1つの流れが必要なのです。それをぜひ「情報分析」の中に盛り込んでいかないと、例えば、以前、別所委員から出ていましたけれども、ある国はこういうターゲットを目指して、まずどういうコンテンツから入って、これをどうつないでいくというような縦軸の戦略ができ上がってこないと思うのですね。ぜひしなやかな連携を各省庁、いろいろなコンテンツの現場がしていくのだというような宣言をぜひ盛り込むべきではないかというのは、個人的に強く思います。

○中村会長
 ありがとうございます。
 では、野口委員。

○野口委員
 今の別所委員からの一連の話で、具体的に私もフォローアップさせていただきたいと思います。
 この参考資料1の26ページに出てきたANEWなのですけれども、私も興味があって実は一度調べたことがあります。彼らがやっていることというのは、日本から外に売り出したいコンテンツをいろいろ探して、ピックアップして海外に売り出そうということだと理解しております。その過程で、一番難しかったことの1つは、やはりハリウッドというのは権利がクリアになっていて、リスクがないものでないとそもそも受け入れてもらえない。ところが、コンテンツとしては非常に魅力があるのだけれども、「これは、権利は100%クリアになっていますか」と言われると、不安な材料があるもののほうが多くて、なかなか具体的な案件に結びつかないというような話を聞いています。それが悪かったということではなくて、そういうことがわかったということはすばらしいことだと思うのです。それをどういうふうに解決すれば次に進めるのかという意味で、例えば孤児著作物の問題とか、二次利用を促進するための権利処理の仕組みについてというようなことがここに書いてあるのですけれども、実は集中権利処理の話も過去10年の中で何度か出てきているわけです。それなりに取り組んでいて進んではいるのだけれども、完全になっていない。それでは、プラスアルファでどこをどのように取り組めばいいのかというところは、先ほどから議論が出ていると思うのですけれども、もっと具体的に掘り下げて、こういう課題があったので、その解決策としてこの施策に結びついていますということがリアルにわかるようにしていただけると、議論が前に進むのかなと思いました。

○中村会長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 先ほど別所委員から3つ質問があって、3つ目のことにまだ触れていないですね。コンテンツの国籍といいますか、我々が強化すべきコンテンツというもののイメージがここでできているかどうか。もちろん、日本人、日本企業が日本でつくるコンテンツもあるでしょうし、ここでもよく議論になりましたインバウンド、外国人が日本でつくるコンテンツもあるでしょう。あるいは、アウトバウンド、日本人が外に出ていってつくるコンテンツというのもあるでしょう。あるいは、ここで何度も議論になりましたアウトバウンド、インバウンド、あわせて、共同制作を強化していくべきではないかということもありました。そのあたり、皆さん、このようにクリアにすべきではないかというコメントなどがあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。そんなにずれはないのでしょうか。
 もし総論のところへ戻ってきて議論する時間があればさせていただければと思いますけれども、ほかに総論でコメントはございますでしょうか。どうぞ。

○平澤委員
 いずれにしても、また各論でも出てくると思うのですけれども、さっきテクノロジーの話がちょっと出たのですが、やはり産業と文化というのはセットで考える必要があると私は思っているのです。例えば、各論のところで出てきますけれども、いわゆるデジタル教科書があります。これはずっと前から進められていると思うのですけれども、例えば韓国は恐らく2014年から2015年ぐらいにできると思います。私が危惧しているのは、韓国で考えられたデジタル教科書のプラットフォームというのは、結局、テクノロジーとコンテンツのセット。これがアジアに展開されるとどうなるかということをかなり考えないといけなくて、さっき別所さんがおっしゃった国籍もそうなのですけれども、デジタルプラットフォームというものにどうやって取り組んでいくのかということをかなり厳しく考えていかないと、非常にまずいことになるなと思いますので、総論の中であえて発言させていただきました。産業と文化のセットということはかなり強く出していかないといけないかなと思っています。

○中村会長
 ありがとうございます。
 どうぞ。

○野間委員
 先ほど中村会長がおっしゃられたところで申し上げますと、国籍の話の部分において、我々はもう既にアニメーションなどで海外との共同制作というのは数多く進めています。製作委員会に入るなどして、もちろん、収益が入ってくる仕組みにはなっているのですけれども、制作自体は海外で行っているというケースが少なくない。加えて申し上げれば、技術は向こう(海外)に蓄積される。さらに、ノウハウも蓄積される。そういった状況になりつつある部分というのはあると思います。では、この議論の中で、今後もそれを推進していきましょうということなのか。あるいは、なるべく日本国内でのノウハウ、技術を流出させないということなのか。確かにそこのところは我々としても非常にわかりにくいところではあります。

○中村会長
 どうぞ。

○妹尾委員
 今、御発言が続いたので、またしゃしゃり出て申しわけありません。
 メイド・イン・ジャパンかどうかと。これは、今、農林水産関係が言われていますね。メイド・イン・ジャパンかメイド・バイ・ジャパンか。経済産業省系が農林水産へ入っていく場合は、メイド・バイ・ジャパンを指向して、農水省の場合はメイド・イン・ジャパンを指向するということの組み合わせになっている。コンテンツ系を考えてみると、日本の制作者がやっていることは、メイド・イン・ジャパンなのかメイド・バイ・ジャパンなのか。先ほどからの議論の中で一番問題になるのは、ほとんどがメイド・バイ・USテクノロジーということなのです。USだけには限らないですね。イスラエルもありますけれども。要するに、フォーリンテクノロジーで全部やられているということについて、要素技術をたくさん持っている日本がこのまま手をこまねいていて良いのかという話です。
 それから、先ほど川上委員もちょっと触れたかもしれませんけれども、フォーリンプラットフォームだと。つまり、海外のプラットフォームでコンテンツが全部制作される。テクノロジーとプラットフォームが全部海外でつくられているというのは、いけないとは言いませんけれども、手をこまねいていて良いのでしょうか。だって、コンテンツとそういうテクノロジーやプラットフォームは不可分になってきているではないですか。そのときにコンテンツの中身だけをこういう形で議論していることは、もう時代的にどうなのでしょうか。もう、そっち側の方向も考えましょうねという話かと思うのです。これがよくないとかよいとか言っているのではないですけれども。もう少しトーンをどっちに合わせるかということを主軸にしっかりと置いておいてほしいなというのが1点目です。
 もう一つは、資料1の総論のところ、少し後ろの各論に入るのですが、これを読んでいてわからなくなるところがあります。この中身そのものについては、私の議論を大分入れていただいて大変うれしく思っていますが、ただ、資料1の3ページを見てください。「ハードとソフトの対立といった構造」というのはどういう意味かちょっとよくわからない。ここで言っている「ソフト」と「ソフトパワー」と「ソフトウエア」、これらがみんなごちゃごちゃに書かれている気がするのです。その後のほう、各論の5番とか6番のところに「ソフトパワー」とか書いてあり、「ソフトの制作」などという言葉も出てきます。「ソフトの制作」と「コンテンツの制作」とは違うのかとか、「ソフト」と言っているのはソフトウエアのことなのか、アルゴリズムのことなのかとか。「ソフトパワー」と言っているのは、恐らく、ジョセフ・ナイの言っているハードパワーとソフトパワーの議論を引用しているのだろうと思うのですけれども、そのことなのか。そういう用語法などがもう少し整理されないと、多分、我々自身の議論がごちゃごちゃになってしまう可能性があるのです。その辺はもう1回整理をし直していただいたほうが良いのではないでしょうか。
 「ソフト」とか、「ソフトパワー」とか「ソフトウエア」とか「コンテンツ」とか「サービス」とか言っていることが何か曖昧なままに使われて、みんながみんなの解釈のままで何となく進んでしまう結果、訳がわからなくなってしまうということがあり得るので、その辺はぜひ事務局のほうで整理をしていただければと思います。

○中村会長
 こちらで手が挙がっていますね。どうぞ。

○農林水産省遠藤課長
 農林水産省でございます。
 今、妹尾委員からメイド・イン・ジャパンとメイド・バイ・ジャパンというお話をいただきましたので、ちょっと補足させていただきます。
 今、農林水産省で「攻めの農林水産業」を展開するに当たりまして、日本の食、日本の農林水産業の海外展開というものを図っております。いわゆる日本でつくった農林水産物・食品を海外に輸出するというのがメイド・イン・ジャパンでございまして、メイド・バイ・ジャパンといいますのは、日本の食文化とか料理方法を海外に広めまして、その文化なり料理方法で現地の食材を使って日本の料理をつくってもらう。そのつくり方とかやり方につきましては、場合によってはブラックボックス化したりする場合もあるのですけれども、このメイド・イン・ジャパンと食文化も含めたメイド・バイ・ジャパンをあわせまして、日本の食と農林水産業の海外展開を図るべく、今、いろいろ検討を進めているところでございます。
 以上でございます。

○中村会長
 ありがとうございました。
 では、そろそろ各論に移りたいと思います。残りの時間で、「1.デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備」「2.コンテンツを中心としたソフトパワーの強化」をこなしていきたいと思います。
 まず、「1.デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備」についてコメントなどありましたら、お出しいただきたいと思います。どちらからでも結構です。
 これも、生態系の変化への対応ということで、ユーザー作成コンテンツ、あるいは公共データというものがトップの項目に据えられてきました。このあたりもこれまでとは違う非常に大きな変換を意味していると思いますけれども、いかがでしょう。
 では、先に井上さんから。

○井上委員
 今の情報生態系の変化ということとも関係しますが、公共データに関する問題について、お話しさせていただきたいと思います。
 まず、言葉の問題ですが、さきほど別所委員から「クールジャパン」から「ソフトパワー」へと、急に言葉が変わってしまってどうなっているのだというお話がありました。「公共データ」についても似たような話があって、内閣府のIT戦略本部は「オープンデータ戦略」という言葉を使っています。IT戦略本部と連携して知財戦略でも「オープンデータを進めてはどうか」と提案したのですが、この資料の中には「オープンデータ」という言葉は一つも使われておらず、内容は同じなのですが、「公共データ」ですとか「オープンガバメント」という言葉が使われています。なぜかなと私は素朴に不思議に思っていたのですが、政策を担当する官庁の間で重複が生じないようにということで、同じ言葉は出さないということなのかなと先ほどの議論を聞いて感じました。違うかもしれませんけれども。
 情報生態系の変化というお話が妹尾委員からありました。結局、さまざまな問題がオーバーラップしていると思うのです。IT戦略本部でも知財戦略本部でも取り扱うべき問題であれば、オーバーラップしていて構わないと思うのです。わざわざ言葉を分けて、一方はこちらの問題を扱い、他方は別の問題を扱うというふうに重複を回避しようとすると言葉も違いますし、政策全体が見えづらくなる。多分、霞が関の方には見えているのだけれども、私のような外部の者から見ると、よくわからないということになる。私は、用語の問題も含め、政策全体がわかりやすくみえるように可視化してほしいと思います。
 内容面ですけれども、オープンデータ戦略では、これまでの映像ですとか、ゲームですとか、そういうコンテンツで議論されてきたものとちょっと毛色の違うデータ系のものも知財戦略に入れていただいて、政策を推進していくというのは非常によいことだと思います。資料1では、まず、「利用ルールの明確化」という項目が入っており、例えば国は著作権を一応持っているわけですけれども、そういうものについて権利をどうするのかということを明らかにして利用しやすくしましょうということが書いてあります。そのほかに、オープンデータ戦略、あるいは公共データに絡む施策としては、技術面について、資料1にプラットフォームの関係の話ですとか、ビッグデータでのデータ収集・蓄積のための共有情報システムですとか、そういう項目も関係していると思います。ただ、オープンデータとの関連性がそれほどはっきりしないので、もうちょっと明確化していただけたらと思います。
 技術面だけでなく、公共データの利活用促進の側面についても、IT戦略本部でやるからいいということなのかもしれませんが、知財戦略に盛り込むということも考えられると思います。
 関連して申し上げたいのは、教育への活用です。教育面で、公共データを、教育の現場で教材として活用していくということです。中等教育の段階でも、また、高等教育、大学ですとか大学院でも様々な活用が考えられるのではないかと考えています。例えば大学とか大学院で、アイデアを出し合って公共データを使って価値のあるコンテンツを生み出すかというアイデアを出し合って、価値あるコンテンツを作り出し、それを事業化するところまで学生にやらせるといったことが考えられると思います。文理融合を進め、産業界ですとか社会とのつながりをしっかり持ったような学生を育てていこうという動きにもマッチすると思います。資料1には、教育の情報化ですとか、ソフトパワーの人財育成の項目がありますが、そのようなことをぜひ積極的に進めていただきたいと思います。

○中村会長
 ありがとうございます。
 このオープンデータの話も教育情報化の話もそうなのですけれども、IT本部、知財本部の両方でプッシュしていくというような案件だろうと思います。先ほど妹尾さんのおっしゃったハード、ソフト、プラットフォーム一致の戦略というのは、多分、そういう方向でやっていかなければいけない話でありまして、その際に気にかかる用語の問題などは、ひとまず、委員の皆さんは霞が関の切り分けなどを余り気にせずに修正意見などをお出しいただいて、あとは中で調整していただくということにさせていただければと思います。
 ほかにいかがでしょう。野口委員。

○野口委員
 今の井上委員のお話に関連するところなので、一言申し上げさせていただきます。
 公共データの二次利用促進については、先日、井上委員から提供いただいた資料では、政府の著作権をアメリカ型でなくするというところも含めて、あり方について検討するというような御提言があったかと思うのです。そこについては現在は具体的に書かれていないですけれども、そこについてはどうなったのかということについて議論をできればと思いました。
 あともう1つ、この公共データと次の6ページの一番下、今も触れていただいたビッグデータのお話です。IT戦略本部とここだけではなくて、ビッグデータにかかわるような公共データとしては科学技術データがありまして、これは総合科学技術会議で長らく取り組んでいる課題と認識していますので、この総合科学技術会議において議論をされている政府資金提供の科学データとこの公共データとビッグデータをぜひ連携を持って議論していただきたい。特にここは、欧州でも、ホライゾン2020、アメリカでも従来NIHだけだったものがほかのファンディングエージェンシーにもオープン・アクセス・ポリシーを拡大するというようなニュースが入ってきていまして、今、国の科学技術の競争力を決める意味で欧米が非常に力を入れてやっているところなので、日本も乗りおくれないように、そのあたり、知的財産という観点からもよく連携をとってやっていただければ大変ありがたいのかなと思いました。
 あと、全然違うトピックなのですけれども、(2)のクリエーターへの適切な対価還元に関する私的録音録画補償金の制度についてです。
 これは、確かにいろいろな意見があって、検討することは必要なのかなと思うのですが、方向性としては、世界的に見ると大きく2つに分かれていて、アメリカ的にビジネスDRMでやっていて、録音録画補償金的な発想ではなく、技術、マーケットでクリエーターへの還元を解決するのだというふうに振り切っているマーケットと、ヨーロッパの一部の国のように録音録画補償金をどんどん拡大していく方向性と、世界的に潮流は2つあると思うのです。日本として、コンテンツ、それから、最近すごく疲弊しているとニュースでさんざん言われている電機メーカーとのバランスを見たときに、どちらの方向性に行くのが日本にとっていいのか、ぜひ根本のところから議論していただけるといいのかなと思いました。
 以上でございます。

○中村会長
 では、國領委員。

○國領委員
 データというものに大きく踏み出されたというところが、今回の大きいポイントの1つかと思っておりまして、それをぜひ成功させたいという思いがあるのです。それにしてはというと変なのですけれども、施策のほうが今までと余り変わらないかなみたいな感じがいたしました。
 指名してごめんなさい。野口委員、違っていたら直していただきたいのですけれども、データというのは特許権でも著作権でもないですよね。

○野口委員
 そうですね。著作権はないですし、データそのものだけでは確かに特許にはならないと思います。

○國領委員
 今そういう巨大な領域に一歩を踏み出そうとしていて、ただし、そこに集積される膨大なデータというのは大変な知的資産価値があるはずなのですね。そこをどうやって我々としてちゃんと物にしていくのか。データというのは一体誰のものなのか。そもそもデータベースという言い方が古いようになってくるのかもしれないですけれども、データというのは一体誰のものなのか、データ全体として一体誰のものなのか。公共データというのは、ある意味で割と簡単といえば簡単で、税金でつくったものは全部公共だからそれをオープンにしろと、そこまでは割と簡単だったのですけれども、これから農林・農水みたいなところでいろいろな魚群探知をしていたり、農業でいろいろなセンサーからデータからどんどん上がってくるようなもの、それによって、日本の土地単位面積当たりでは生産性の非常に高い農業というのを、そのノウハウまで含めてどうやって産業化していくのか、そういうことを考えていきたいだろうと思うのであります。
 6ページの下のほうに「プラットフォームの形成」とちらっと書いてはあるのですけれども、やはりプライバシーとかというのが課題になってきて、この辺の処理をどうクリアリングしていきながら、どう活用可能な状態にして、どう産業に結びつけていくのかというようなことについて、頭出しぐらいはしておきたいのではないかという気がいたします。

○中村会長
 ぜひお願いします。
 例えばですが、7ページの下の「教育の情報化の推進」は、先ほど平澤委員からも指摘がありましたけれども、この中の最後の一文のところに「課題を検討し、必要な措置を講じる」とあります。去年、この知財計画の中で「課題を検討する」という文言が入りまして、実は私もこの教育情報化の運動に携わっているのですけれども、関係者、あるいは業界にとっては非常に大きなニュースでありました。刺激になりました。今、大きく動いております。ただ、政府部内での検討というのはまだ始まっていないのですが、今年度、またここに「必要な措置を講じる」と書いていただきますと、実は非常に大きな進歩になります。つまり、具体的にここでどう書かれるかというのは、政府だけではなく、関係する民間の方々、あるいは個人にとっても大事なことになってまいりますので、そのあたりも踏み込んでチェックをいただいて、意見をお出しいただければと思います。実は、この文言を変えていこうとすると、事務局の方々と、あちらにおられる10名ぐらいの方々との間の熾烈な協議調整のあるのは私も重々承知しておるのですけれども、大事な仕事ですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 ほかに。では、久夛良木委員、お願いします。

○久夛良木委員
 1ページ目で、今回はユーザーが作成するコンテンツと、先ほど言われたように公共機関が生成するデータ、それからビッグデータ、この3つが今までの議論に加えて入ってきたというのは画期的だと思うのですが、國領先生のお話にもありましたけれども、データそのものは、それがオープンデータになっただけでは、知でもなければ知見でもないというふうに思うのですね。それを知にして知見にするためには情報処理をしなくてはいけない。その情報処理をするプラットフォームと、そこに知見を得ようとする試みとか企ては一体誰が負っているのかということが全然議論されていない。データが集まったら、それが知であって財産である、もしくは知財であるというような議論では非常にミスリーディングだと思います。先ほど妹尾委員がおっしゃられたように、ひょっとしたらテクノロジーであるとか、プラットフォームだということに関しては、我が国は大したことと思っていない可能性がある。ひょっとしてそういうような危惧があるとするならば、ぜひそこを一歩か二歩でも踏み込む。特にこの1ページの最後の行に「先手を打って」という言葉がありますが、何をどういうふうに先手を打つのか。そのターゲットとシナリオということについてもっと踏み込んだ議論をしていただきたい。
 ということと、ユーザーが作成するコンテンツというのは、今まではどちらかというとサブカル的な扱いであったものが、一歩表に出て、実はユーザーが作成するコンテンツというのは、4ページにもありますが、世界で最もクリエイティブな国は日本だと言われるように、ソーシャルなコミュニケーションが育む新たな力、その大きな牽引力というのはユーザーがつくるコンテンツだと思うのですが、それを一歩踏み込んでというところに関して具体的な施策が全然見えない。まず半歩先としてクリエイティブコモンズも検討しようというのは良いとして、それだけですから。ここは、十年の計を考えるのであれば、もうちょっと具体的なターゲティングをしたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。

○中村会長
 では、先に別所委員、お願いします。

○別所委員
 ちょっと目先を変えて話をしますが、ここには間違ったことは何一つ書いていないと思うのですけれども、まず、その順番です。僕が気になったのは「(1)コンテンツ産業を巡る生態系変化への対応」、(2)(3)とあります。去年も同じようなことを言ったと思いますが、私たちの総意として、事務局としても、全員の委員としても、この順番を優先順位として捉えていく。重要課題の順番がこういう順番であるのかということ。私は、こういう情報とか資料をいただきますと、1に書いてあることから優先順位の高いものだと捉えて読むたちなのですが、皆さん、そういう理解でよろしかったでしょうかということ。僕自身は、デジタル教科書というのは本当に急務だと思っていますので、これが3番目に来ているのは、もう手をつけているからこれでいいのか、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスといったことは新たに加わった新しいことなので1番に出しているのか、この重要課題の重要度の表現というか、文章での出し方についてもう一度御議論いただけたらなという気がします。
 私個人は、教科書自体をさらに加速度を上げてトップ項目にするというような、この会議での何らかのメッセージを総理大臣なり担当大臣に伝えるという役割があるのであれば、表現がちょっと失礼かもしれませんが、こういうおっとりとした文章ではなくて、もうちょっと過激な言葉で、「急務である」とか「100年おくれている」とか「このままでいけばアジア隣国に確実におくれをとる」とか「頭脳流出が確実に起きる」とか。現実に起きています。前々回も申し上げましたが、ゲームの世界も、映画の世界も、能力のある人はどんどん海外に出ています。ですから、先ほどもコンテンツの国籍主義について改めてお伝えしたのですけれども、私個人の意見としては、国籍はどこであれ、言語主義にのっとるのか何であるか議論をした上で、世界中が日本に行こうと。かつて画家がパリを目指したように、音楽家がウィーンを目指したように、とにかく日本へ行こうと思えるような国づくりと発信をしなければ、これもあえて言うならば、自分たちの内向きな議論とそのままの提言になってしまうような気がしております。これは2点目になりますけれども、1点目は、とにかくその順番と流れについて改めて議論が必要なのではないか。事務局としては、(1)(2)(3)の序列でと私は理解しているのですが、それでよろしかったでしょうか。

○中村会長
 先ほど来、内容についてパンチを効かせろという御指摘、それから、今出ましたような言葉のめり張りの話、それから、優先順位、プライオリティー、我々としての見せ方をどうするのかというものの再整理といいますか、確認といいますか、そういうのは必要かもしれません。このあたりで何かコメントがある方はおられますでしょうか。
 では、杉山委員から。

○杉山委員
 僕は大学をやっていて、中国の子たちが非常に多く留学してくるのですが、それは何かというと、基本的に日本のアニメで育ったので本場で習いたいということなのです。中国にも国策で大学にアニメ学科ができたのですね。でも、なぜ日本に来るか。というのは、日本でしか許されないストーリー、文化があるからなのです。技術を学ぶだけではないのです。技術は、御存じのように、お金を減らすために1秒間8枚描いたり、12枚描いたり、そういうことなので、リミテッドで、やってしまえばこういうことだとわかってしまうのだけれども、それでもなぜ来るかというのは、制作技術とか方法を学ぶのではなくて、日本だから許されている表現なのです。日本だからこそこれがつくれるというところが物すごく魅力であって、そこなどが何も書いていないと思ったのです。中国の文化の中でもつくってはいけない、アメリカの中でもつくれない、ヨーロッパでもつくれない、そういうモラルみたいなものがすごく違う。そういうものに対しての未来へのアプローチが違うといいますか。そこが案外魅力になっていて、制作に少しもお金がないではないですか。下手したら、ハリウッドの100分の1ぐらいのお金でつくるわけです。当然、クリエーターのもらいも少ないのだけれども、そこで表現できているものの文化が違うというか物が違うのです。ここならつくれるというのをちょっと書いてほしい。そこが世界の子にとって魅力なのです。
 ファッションもそうなのです。それぞれの国でいったら、女の子があの格好をして歩いたらみんなに石を投げられてしまうのです。とんでもないではないですか。足はびゃーっと見えているし、すごい格好をしているわけです。カナダでも、ヨーロッパでも、自分の街でこの格好をしたら大変だと。怒られてしまう。でも、東京なら自由に歩ける。みんなオーケー。問題もない。そこが世界中からすごく魅力なわけですね。そういうことにちょっと触れられないのかなとちょっと思ってしまいました。

○中村会長
 多分、冒頭、川上さんが御指摘いただいたことと同じようなことだと思いますので、総論で引き取るなり、施策が出るなりということで工夫をさせていただければと思います。
 川崎委員。

○川崎委員
 その中か、環境整備のほうなのかちょっとわからないのですが、全体的に見させていただいて、やはり重要なキーワードというのが、なかなかニュアンスが伝わってこないのかなと思ったことがあります。1つには、これまでの10年、これから先の10年を考えると、いかに臨機応変に対応していくのかというのがどの産業でも重要なことだと思っていますので、臨機応変に対応できるような制度とか環境づくりにもう一度目を向けないと、ただ単に対応していくというだけだと、現状をそのまま置いてそのまま行くというニュアンスになるのではないかと感じます。
 それはなぜ感じるかというと、コンテンツ立国というお話がありましたけれども、コンテンツ立国で生き残っていこうとすると、これからの若者たちの発想を実現化させてあげられるような制度環境づくりというのが最も重要だと思っていますので、その部分のニュアンスを強めたほうがいいのではないかと私は思います。

○中村会長
 ありがとうございます。
 そろそろ次のソフトパワーのほうに行きたいと思うのですが、1点だけ、意見が出ませんでした。今回、6ページ目の上のところで、先ほど大臣もコメントなさった孤児著作物の問題が出てきております。これは新しいテーマかと思います。これについて何かコメントある方はおられませんか。どうぞ。

○野口委員
 こちらも昨年ヨーロッパがディレクティブを出して、今、アメリカもパブコメをやっているところで、非常に重要な論点です。前回、私もペーパーを出させていただいたのですが、今、著作権期間にあるものの約半数が権利者不明著作物と言われていますので、その権利者の方をリスペクトしてできるだけ適切に還元してやっていくということは重要なのですけれども、どんなに探してもわからないものについては、適切に利用できる仕組みをつくるということが、今後のアーカイブ化や文化の発展、もしくは先ほどの外にコンテンツを出していくというような産業化の観点など、いろいろ考えますと、きっと今後非常に大きなキーになっていくと思いますので、ぜひ強力に推し進めていただければと思っております。

○中村会長
 どうぞ。

○川上委員
 6ページの「プラットフォームの形成の推進」というところです。「プラットフォーム事業者とコンテンツ事業者間の取り決めの透明化やルールづくりの必要性」という前段の部分と、「プラットフォームに関し、対外的に日本企業が不利になるような自主規制や契約慣行」ということなのですけれども、できればこれは2つに分けて書いていただきたいと思います。
 1つは、プラットフォーム間の競争において、国内企業と海外企業というのが不利にならないようにやるということと、それとは別に、プラットフォームに提供しているコンテンツの事業者が、プラットフォームのほうが基本的には立場が強いものですから、透明化というのもその1つなのですけれども、何らかの配慮をしてあげないと、コンテンツをつくるだけの人の立場が今後どんどんどんどん弱くなって利潤が減っていくというのがあると思います。この2つは別のことだと思いますので、これは別にしていただきたいと思います。

○中村会長
 ありがとうございます。
 では、「2.コンテンツを中心としたソフトパワーの強化」。8ページから12ページまでのところでコメント、御意見、御質問などある方はお出しいただければと思います。お願いいたします。どうぞ。

○新山委員
 先ほど農水省の方から、攻めの農業で農業の海外展開という話がありました。非常にわかりやすい旗だと思うのですけれども、問題は、その旗が全体としてどう統合されていくかということだと思うのです。例えば、放送業界も食に関してのコンテンツが山のようにある。それから、我々、JAさんなどと日本農業賞というのを42回ぐらいやっていて、すばらしい日本の農業経営の蓄積がある。そういったものをどう1つに束ねて戦略的に出ていくかというところが一番欠けているのだと思います。食の話は農水省だけの話ではなくて日本全体の話だと意識してコンテンツを出し合ったり、それを次にどうつないでいくかという全体の地図をつくっていくという作業が、今、一番欠けているのだと思います。
 先ほど臨機応変にスピーディーに対応することが必要だとありましたけれども、いろいろなコンテンツがある中で、その全体のスキームづくりと、最終的に文化へつないでいくという決意が今一番欠けているのだと思うのです。個別のいろいろな項目が挙がっていますけれども、各ジャンル別、ターゲット、いろいろなところにある既成の仕組みをどう統合していくかといったところを、ぜひ各省庁の皆さん、連携して検討していただきたいと思います。

○中村会長
 ありがとうございます。
 どなたか。どうぞ。

○農林水産省遠藤課長
 農林水産省でございます。
 今まさに農林水産省を挙げまして「攻めの農林水産業推進本部」というのを大臣のもとに立ち上げまして、先ほど言いました輸出戦略、それは食文化と日本の農産品・食品を合わせて輸出する戦略ということと、まさに海外展開の際にどういう規制なり商慣行が問題になっているかということも全部含めて、トータルでどのように輸出なり「攻めの農林水産業」を展開していくか、今検討しているところでございますので、またよろしくお願いしたいと思います。

○新山委員
 言いたかったのは、そういった政策の背景にコンテンツというものの理解があって、そこは日本の文化を理解していくというのと同時並行で進んでいく必要があると思うのですね。それは個別ではないということだと思うのです。
 例えば、NHKで「カーネーション」という連続ドラマがありまして、JICAさんがお金を出してくれて、ODAとして各国へ無償で配付するのですが、これはファッションですね。「カーネーション」がある国の時間帯に100話近く出ていったときに、その次に何を出していくか、その次にどういうコンテンツを出していくか、そして、どういうファッション界のスキームをつくっていくか、そういう流れをつくっていく連携が必要だと思うのです。そこは、1つのものを個別に出していかないで、単品の時代ではないということで、ぜひ運動体にしていただければと思うのです。

○中村会長
 では、杉山委員、お願いします。

○杉山委員
 最後のページ、12ページの「クリエーターの裾野の拡大」というところです。ここで書いてあることは、僕の読み方だと、これまでのクラシック音楽とか、クラシックバレエとか、シェイクスピアとか、そういうものに見る部分というのがまだ入っていると思うのです。それはよろしいのですけれども、今、若い人が夢中になっている芸術文化表現のクリエーターたちというのは、多分、文化庁とかに把握されていないような人、特にニコ動でのスターとかは、彼らにとってはクリエーターとしてのものすごいスターなのですけれども、そういう身近な人たちがやってくれるワークショップにしてほしい。もしそうであれば。その人選というのが見えないので。僕は、これまでの教養的なものも重要だと思います。ここに「真の価値を見極める能力を涵養する」と書いてあるのですけれども、作品の価値ですね。これというのは大人でも恐ろしく難しいことだと思うのです。子供たちが「このクリエーター、好きだったんだ。その人が来てくれた」みたいな身近な人を呼ぶというようなことをしてあげないと、やはり遠くなってしまうのではないかと思うのです。
 それから、ここに「伝統文化の後継者」とも書いてあるのですけれども、全体の知財の話とパズルがぴったり合っていないような気がするのです。というのが1個です。
 それから、次の「グローバル人財の育成」です。勉強してくるのはいいのですけれども、それを日本にそのまま生かせないということが続いているわけです。海外と言ったときに、例えば映像系であればどうしてもハリウッド系のところに勉強しに行ってしまうのです。僕は18年近く専門スクールで大人相手にCGとかを教えてきたのです。今、海外のCGプロダクション、VFXのプロダクションで100人近く働いているのですけれども、彼らはそこで10年ぐらいやって、テクニカルディレクターぐらいまできているのですね。子供もそれなりに大きくなってきたから、そろそろ日本に戻りたいというときに、全く戻れないのですね。条件も違い過ぎるし、彼らが持っている能力を生かすような職場もないのです。なので、勉強させてしまうと、結局、ハリウッド系の仕事がいいなと。ニュージーランドでもロンドンでもいいのですけれども、結局、みんなハリウッドメジャーの仕事をしているのですね。なので、ここもぴったりこない。
 プロデューサーとして日本の作品を世界の流通にいかに乗せていくかというふうに考えるANEWみたいなスタイルですね。そこの部分はやり方としては1つはあるのだろうなと思ったのですけれども、単純にここで読んでしまうと、いまだに海外のほうが技能も知識もあると読めてしまうのです。現実には、日本のゲーム会社のクリエーターとかが海外ですごく重宝されるのは、日本というのは分業化をちゃんとやってこなかったから、一通り流れを知っている上でどれか強いのです。こういう人はいいのです。向こうはクリエーターというのは1個しかできないのです。いわゆる産業の中のクリエーターです。技能はかなりあるのです。ただ、全体的にシステマティックにさらに日本的な環境の中で効率を上げられるようなワークフローとかが研究されているかというと、されていない。ここは逆に海外のワークフローを勉強してもだめなのです。お金がかかり過ぎてしまうのです。全然ビジネスにならないです。もし助成してくれるとしたら、日本の環境の中でいかにいいワークフローをつくっていくか。日本のテレビアニメというのはその1個の答えだと思うのです。ディズニーのようなつくり方をしない。でも、ビジネスとして成り立つやり方があれになったのですから、そういうようなところに助成をしてほしい。単純にあちらのほうがきちっとやっている、すごい、勉強しましたと言ったら、わかってしまったら、やはり向こうで働こうと思ってしまうのです。で、カントリーで働くと帰ってこられないです。年収で3倍は必ず違うのです。あと、環境も違い過ぎます。僕の体験からいくと、ここもぴったりこないです。

○中村会長
 ほかに。どうぞ。

○岡田委員
 先ほどからいろいろ御議論されているのを聞いていて、それぞれの専門分野、自分がやりたいこと、興味があることというのはいろいろおありになると思うのです。先ほどの別所委員ではないですが、優先順位を内閣なり各省庁がお決めになっていくべきではないかと思っているのです。
 前から申していますとおり、映画界とテレビ局、そしてNHKさんはどういうお考えかは難しいところですが、民放を含めて、海外にテレビ局を持つべきであるというのは一致した意見なのです。コンテンツとして、我々は協力しようと。どこかの国に放送局をきちっと買ってもらって、韓国、中国に負けないある種のきちっとした放送網をつくるべきであると。こちらにインターネット専門家もいらっしゃいますけれども、僕は、東南アジアはまだインターネットの時代ではない、それよりはちゃんとした放送局を持つべきだという意見を持っている人間なのですね。これが映画界とテレビの民放の大きな総意です。
 国として、予算をつけていくという話ばかりではなくて、僕らのコンテンツを利用して儲けてもらう。つまり、国でチャンネルを買ったら、そこを経由して、そこで儲けていった金は国がこれだけ持っていくよという話で全然構わないと僕は思うのです。そういう中でやっていくべきである。
 これは韓国などを見習ったほうがいいと思うのです。韓国はそこは非常にしっかりしています。例えばミャンマーなどに行きますと、韓国のスターというのはみんな知っています。イ・ビョンホンだとか、有名な人はみんな知っています。日本の俳優は誰一人知らないです。これは何かといったら、テレビ局があるかないかの違いなのです。ある種、そこを成り立たせていくには、例えばミャンマーがいいとは言いませんが、そういうのも全部国が決めてくれたらいいのです。この国が政府間レベルで交渉しやすい国だったら、交渉しやすい国からどんどんやっていく。ちゃんとできる国と現実に1つやってみてモデル地域をつくっていくというのが私どもの基本的な考え方なのです。これ以外はないのです。
 こういうことに関しましても、それはできないとか、それは優先順位でこうであるとか、そういうことをちゃんと結論を出してほしいのです。やらないならやらないで、民間としてもっとやらなければいけないことが出てくるわけです。中途半端な、何か聞いただけで、留め置くとか…こういうものを提言すると、提言したのはいいけれども、それに関しての回答が何月にあるとか、何か具体的な対応がないと、非常に無意味なように感じてどうしようもないところがあるのです。ここら辺に関しては御意見を伺わせていただきたい。

○中村会長
 ありがとうございます。
 今、御指摘いただいた項目、ぴったりそのまま項目として挙がっているかどうかは別として、9ページの(2)の最初のところに「各国放送枠の確保」と新規施策で。私は、これがここに載ってきているのは非常に画期的なことだと思いますけれども、載ってきました。ここからはこれまでもいろいろ御指摘いただいているように、この言葉でパンチ力があるのか、優先順位はここでいいのか、あるいは、総論部分のあたりでももっと強く打ち出すべきかどうかということについても、皆さんの御指摘をいただきながら調整をいただければと思います。
 その他、今のに関連するような御指摘がございましたら、出していただければと思います。どうぞ。

○平澤委員
 先ほどの繰り返しなのですけれども、僕は、やはりプラットフォームとコンテンツというのはセットだと、産業と文化はセットだと思っています。例えば、うちはレコード会社でありますけれども、昔はレコードというのはオーディオを売るための1つのツール。だから、必ずオーディオメーカーの子会社にレコード会社があった。例えばゲーム会社にしても、任天堂もプラットフォームとコンテンツがセットになって海外に広がっていったというのが1つあるように、さっきのデジタル教科書もそうなのですけれども、個別で考えて、コンテンツはコンテンツ、それ以外はそれなりにというふうになっていると、載せていくコンテンツのプラットフォームというのが非常に曖昧になってくると思っています。先ほど岡田さんがおっしゃいましたけれども、例えばテレビ局というのも1つのプラットフォームだと思っています。個別論というのももちろん重要だし、ここに書いてあること全て異論はないのですけれども、整理していかないといけないなと思っています。例えば、杉山さんが例の番組のことでおっしゃっておられました。もちろん、私、クールジャパンのことを否定するわけではないのだけれども、ミニ万博みたいなことをやっていても、そこで日本酒を振る舞ったところで、おもてなしということは結局わからず、それを疑似体験していただくには、やはり料理番組というのを継続して、いわゆる点を線にしていって伝えないと、結局、そこで日本酒を飲んだだけだと線にならない。そういうコンテンツ、プラットフォームというものもセットで考えていかないと、点が線になり、それが面にならないので、その辺を提言していただく中ではいいのですけれども、プラットフォームの優先順位も含めてそこをちょっと整理しないと、個別ではいいのだけれども、それが具体的な施策になって出てこないような気がしますので、私はこれを見てそこは非常に危惧するところです。
 また繰り返しになりますけれども、その中で、国がもしやろうとして唯一できるかなと思うのは、やはりデジタル教科書だと思っていて、非常に重要な小・中学校のプラットフォームに関して、僕は国産が出ればいいと思っているのですけれども、そこで1人1端末を小・中学生に持ってもらうということは、さっきの個別論の、例えば個人の著作権の管理、要するに生徒が発信するものに関する著作権というものの啓蒙・教育にもなりますので、こういうところがプラットフォームが成り立たないようなこと、はっきり言うと、韓国とか、そういうプラットフォームにやられてしまうと、我々のコンテンツを発信していく手だてがなくなってくる可能性があります。そのプラットフォームというものに関しては、僕は改めて重要なポイントとして打ち出していただきたいと思っております。

○中村会長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょう。川崎委員、お願いします。

○川崎委員
 2点ございまして、ソフトパワーの強化のところです。
 まず1点目は、そういうニュアンスをぜひ入れていただきたいという意味なのですが、やはり世界のコンテンツ産業の中でどう生き残っていくのかという視点で、いい機会なので文言的に訴えていただきたいということ。
 その点でいうと、先ほども言いましたように、一番難しいのかもしれませんが、決意表明的なニュアンスはやはり必要なのかなと思っています。言い方を考えると産業維持なのですけれども、いろいろな意味の産業維持です。例えば、共同制作の話にしても、共同制作というのは、つくって、それがゴールではなくて、ある意味、それで得たノウハウを今度は日本のアニメ産業の人たちに戻す。ほかの産業もそうですけれども、それで日本の産業が食べられるようにするというのがゴールだと思っていますので、その部分を明確にしたいということが1つ。
 もう1つは、全く関係がないところなのですけれども、共同制作にしても、海外で裁判とかを通じて思っていることは、例えばブラジルにしてもロシアにしてもそうなのですが、これから特に配信の時代、いろいろな国での商売が可能になっている。共同制作もそうです。日本のノウハウが欲しがられている。そういった意味で、我々が一番リスクなのは、例えば、海外作品に対する現地での裁判での扱いとか、いわゆる判例までいかないにしても、この国ではこういう事件があってこういうことが起きましたというような調査といいますか、一企業なり一産業ではなかなか難しいので、そういった面に力を入れていただければいいのかなと思っております。
 以上です。

○中村会長
 お願いします。

○別所委員
 このソフトパワーの強化の部分なのですけれども、この提案、ぜひやっていただきたいのですが、8ページの(1)の「世界のコンテンツ供給国としての人財・開発拠点整備」も大賛成だし、基本的に全部大賛成でごもっともなのですが、こういうものにある程度数値目標を盛り込めないでしょうか。例えば、年内に頑張って10か所。岡田委員もおっしゃっていたように、その優先順位は、実施をすべき政治家であり、行政であり、国を動かす方々がやっていただけたらいいと思うのですが、例えば、文部科学省と経済産業省の方々と内山局長とお話しいただいて、最低でも5か所、この年度で当たりをつけるとか。当たりをつけるという言葉は入れられないでしょうが、何が欠けているのかなと思うと、やはり数値目標であるとか、効果測定であるとか、民間で当たり前のようにやるべきことが、何となく輪郭がほわっとしている感じがしまして、高らかにうたっていることは全く異論ありませんが、そこに対してどういうゴールを設定するかというぐらいのところまでは踏み込めないものかなと思います。
 それから、先ほどの優先順位の議論で、こちらの部分でも、(1)(2)(3)という順位で、私たち、事務局の皆さんとともに総意でこれを総理大臣に提言するという理解でよろしいのかどうか。私としては、「(4)国内外から人を日本に呼び込むインバウンドの推進」、それから、それよりも更に(6)。こういう順番ですと、私は(6)に追いやられているという意味合いを感じるのですけれども、「コンテンツ人財の育成」。ずっと言っておられるのですが、こういったことが何らかの形で、順位設定があるべきなのか、あるいは冒頭に、私たちはこういう優先順位で考えました、優先順位は総理大臣のもとでお決めください。決めた上で回答をくださいとか、何らかのアンサーのあるような提言であったり、こういった文章ができないものかという気がします。そういった進歩がありますと、何らかの具体的な成果を確認できる環境ができるのではないか。
 それから、これはお願いなのですが、次回なのか次々回なのか、先ほどもちょっと話に出ているANEWとコンテンツ特区のどなたかに現状の御説明と、ここだけではなくてもいいと思うのですが、過去やってきたものの具体的な事例の中間報告として、何が必要かといいますと、昨年もたしか大臣のところに過去3年間分ぐらいの資料を持っていくので、そこで比較検証できると思いますということだったと思うのですけれども、私が必要だと思うのは、この会議でそれにどうコメントをつけて中村会長がお出しするのかということが非常に重要だと思っています。昨年度、私たちはこう考え、評価をしているというコメント付きで、担当される方々がその意見に対して何らかの反論、あるいはお考えを示していただけるような環境が重要なのではないか。比較資料を参考資料でお出しすればいいというものではなくて、担当の大臣がそこから何か回答していってくれるような設問なのかな、そういった環境があるといいなと。
 それから、僕は3年間言い続けていて、ここに盛り込まれないので、盛り込まれていたらごめんなさい。インターネット上のコンテンツ強化の中で、インターネット上のポイント制度であるとか、金融にかかわるプリペイドカードの制度とか、ネットバンクとか、ネット保険とか、こういったものもアプリ化していたり、ゲーミフィケーション化していたり、いわゆる非常に重要なコンテンツ強化における、ひょっとしたら日本が持っているスキームの資産なのかな、プラットフォームの資産なのかなとも思ったりするのですが、これは永遠に盛り込まれないのは何か意図があるのか。管轄が違うのか。省庁の方も、それに関連した方が、勝手な類推解釈では経済産業省なのか、違う省なのかと思ったりもするのですけれども、こういったこともネットで盛んに事業が展開され、新規のモデルが生まれているにもかかわらず、具体的な言葉で出てきているように捉えられないのですが、これも海外では着実にやっております。クレジットカードの世界、ペーパーでもそうですけれども、ポイント制度の世界、プリペイドのカードの世界、ネットだけで流通する金融システム、これはどうして盛り込まれないのかなと考えました。
 最後にもう1点。先ほど参事官もおっしゃったように、もしこの言葉を変えるのであれば、「ソフトパワーの強化」というのが「クールジャパン」の上位概念であると。その上で、意思決定の流れがこういう形であるというような文言が、冒頭もしくはこの2の項に高らかにうたわれるとわかりやすいかと思いました。

○中村会長
 ありがとうございます。
 優先順位については、皆さん、意見があろうかと思いますので、これも、後ほど事務局にお届けいただく形でも結構ですので、コメントがあったらいただければ、取りまとめに向けてそのあたりも議論させていただければと思います。
 数値目標については、つけられるもの、つけられないものもあろうかと思いますし、過去にも何度か、幾つか数値目標をつけたものもあります。そのあたり、もし事務局からコメントがあったら、後ほどいただけたらと思います。
 金融などのポイントものについて何かありましたか。事務局から何かコメントありますか。

○木村参事官
 本件についても、今回の専門調査会で別所委員からまた御意見をいただいたところでございますので、文章も含めて、改めてまた関係府省と相談しながら考えてみたいと思っております。

○中村会長
 今回、ビッグデータなどを扱うということになったので、コンテンツの外延が一気に広がっているところもありますので、IT本部その他のところでも検討されているようなことだとは思いますけれども、そのあたり、オーバーラップしてもいいという話も先ほど来ありますから、こちらで書けることは書いていきたいと思います。
 それから、「ソフトパワー」、「クールジャパン」の言葉の整理というのも、皆さん気になっておられることだということがきょうわかりましたので、その整理もまたさせていただければと思います。
 ほかにいかがでしょうか。では、4人の方から手が挙がりました。では、野間さんから順番に。

○野間委員
 「コンテンツを中心としたソフトパワーの強化」ということで、私も社内で「コンテンツの強化」みたいなことは言うのですけれども、どうやったらコンテンツは強化されるのだろうとそもそも論で考えると、厳しい競争環境の中でどれだけ新しいさまざまなトライをさせられるか。その中で出てきたものは、強いものは強い、その中で生まれてきても弱いものは弱いということになるのですけれども、要はいろいろやってみないとわからないということ。先ほど川上さんがおっしゃっていたような自由な表現とかそういったことにもつながるのですけれども、結局、そういった競争環境の中で人財も育成されるし、いいコンテンツ、強いコンテンツというのは出てくるのかなと思っております。多分、それを阻害しかねないのが、これも先ほどから議論で出ているプラットフォームによる支配を非常に懸念しているところでございます。
 これまでのコンテンツというところで言うと、その環境とそういった状況が維持できれば、そこそこ強いコンテンツというのは出てくるのではないかと思っているのですけれども、9ページ目にも書いてあります「日本の高度な技術力を生かしたコンテンツ制作の促進」。先ほど妹尾委員も「コンテンツテクノロジー」とおっしゃっていましたけれども、ここのところというのは、正直、我々も取り組みたいとは思っているのですが、金にならない、だからやらない、金がかかる、だからやらない。ちょぼちょぼはやっているのですけれども、なかなか本腰を入れてできない。そういった意味では、民間でできるような競争環境の維持だとか、そういったところから人を育成していくということは引き続きやっていきますけれども、こういった新しい部分にぜひ取り組んでいきたいと思いますので、ここのところに予算などをつけていただくとか、そういった民間ではできないところにぜひ協力をお願いしたいと思いました。

○中村会長
 では、妹尾さん、お願いします。

○妹尾委員
 済みません。幾つか申し上げます。
 第1点は、先ほどの項目で教育の情報化がありますね。これは中村先生が随分やられていますけれども、私もコンピュータ利用普及学会の会長なものですから、これについて非常に関心があります。
 7ページの「教育の情報化の推進」のところと、その後の「クリエーターの人財育成」というところが分かれているのですが、これらをどう連動させていくのかということだと思うのです。つまり、7ページの「教育の情報化」というのは、何となく今ある教科書をどうやって教えますかみたいな話にかなり近い。そのときにどうやって著作権がクリアできますかみたいな話に近い。ですが、我々は「知財立国」と言っている以上は、知というもので創意工夫をやって、何かクリエイティブなものをやろうということを言っているわけですから、後のクリエーターの人財と密接に関連するわけです。これを縦割りにしてしまって、教科書が単に電子化されるという話だけではなくて、クリエイティブなものとの連動を考えていく。それは別にコンテンツだけに限らず、いろいろなものでクリエイティブにやっていく。だから、教育として、これは単に教わる側の話だけではない。教える側のクリエイティビティーの話にもなる。そういうようなことが示されるような連動の仕方を工夫していくことになるのではないかなと思います。
 書きようは、確かに縦割りになるのですけれども、その背景にある考え方というのは、これを総論で引き受けるのかどうかわかりませんが、そこをしっかり考えていただければと思います。
 ちなみに、お手元に資料が配られています。席上配付だけにさせていただいていますが、きょう出た私の雑誌の連載記事がコピーしてあります。これは著作権上ぎりぎりですので委員配付しかしていません。この中の左側に「ガラパゴス化する日本の教育コンテンツ」と書いてありますとおり、欧米系の知的な体系が主として新興国の教育のベースになりつつあります。そのときに、日本がどういう形でそれと連動しながら、あるいはそれに対抗しながら、教育というものを考えていくか。今は瀬戸際のチャンスだろうと私は思っています。そういう意味で、7ページと、その後のクリエーターとの話をかみ合わせたような認識を総論かどこかで入れておいていただければと強く思います。
 2番目、細かいことをちょっとお話しします。
 10ページ。書きぶりについてです。施策例のちょうど真ん中あたりです。「コンテンツ規制の撤廃・緩和の働きかけ強化」というときに、必ず「映画・放送番組・マンガ・アニメ」という書き方なのですね。前も申し上げたのですけれども、写真が入っていないのです。これは恐らく、文化庁がやったメディア芸術振興の法律で写真を落としてしまったということがいまだに響いているのだろうと思うのです。私は写真業界出身ですからどうしても気になってしようがない。日本はデジカメについてもいまだ世界でトップだし、写真の文化についても世界でトップクラスなのですけれども、メディア芸術でなぜか写真が入っていない。法律でそうしてしまったということからこういう事態になってきているので、こういうところでぜひリカバリーをしていただきたいなという感じがしてなりません。
 それから3番目です。一番関係するのは11ページなのですけれども、「模倣品・海賊版対策の推進」。これは確かに重要ですが、こういうものが必ず知財権の問題だとすると、エンフォースメントとポリスファンクションの連動が問われます。ポリスファンクションが国内取締りの強化という書き方をされていますけれども、コンテンツは別に国内・国外関係なくなってきているので、ここでどういうふうにポリスファンクションを効かせるのかということについてが重要です。だから、ここの短期にこうやろうねと書いてあるだけではちょっと物足りないなというのが一方であります。
 その一方で、だけれども、我々がもう少し長期を見たらどうなるか。初音ミクではないですけれども、そもそも模倣品とか海賊版ということが言われない状況、そういう概念が通用しない状況に今コンテンツの世界が入りかけているわけです。それをどういうふうにとらえるのかという話と、この対策とがどう関係するのか。これを考えないといけない。一方で「モグラたたきを一生懸命やろうね」と言っているだけではなくて、「モグラがあってもいいじゃん」という時代に入ってきている。そのときに、これらを長期的にどう見るかという話との整合性をとらなければいけない。ですので、これを縦割りだけではなくて、どういうふうに書くかというところをもう1つ踏み込みたいなと、そんな気がします。
 最後に、先ほどから皆さんがハードパワー、ソフトパワーみたいなものに非常に関心を持たれていることが分かりました。これは私と中村先生が共同議長をやっています政策ビジョンワーキングのほうでどういうふうに考えるか、です。中村先生、それから局長さんとご一緒に考えていきたいと思います。
 私が今、大分類で考えていることは何かを申し上げます。私はテクノロジーの専門調査会の座長を拝命しておりますけれども、こちらはどちらかというとハード系のハードパワーですね。製品、それからテクノロジーという意味です。一方、こちらの専門調査会はコンテンツでソフトパワーですね。
 ジョセフ・ナイの議論を引用するのもちょっとしゃくなのですけれども、ハードパワーとソフトパワーのベストミックスを「スマートパワー」と呼ぼうというのが彼のハーバード流の議論です。我々はそれを超えるような形でどういうふうにこれをビジョンに織り込むか。私と中村先生、それから事務局とでちょっと考えてみたいと思います。それを考えてみますと皆さんにここで申し上げておきます。ただし、考えたらどうなるかについては期待を余り高く持たないでいただきたいのですが、一生懸命頑張ってみます。以上です。

○中村会長
 ありがとうございます。
 では、杉山委員、お願いします。

○杉山委員
 12ページの最後のところです。細かい話なのですけれども、ちょっと現状をお伝えしたいのです。
 国際的に平等に競争したいという話で、平等ではないことがちょっとあるなと僕は思っています。というのは、先ほど申し上げたように、日本のVFXスタジオとか、CGプロダクションというのは、実は非常に優秀なのですね。コストが高いとか言いますけれども、欧米に比べても、1人当たり3倍、4倍、5倍ぐらい働くので、実はすごい能力があるのですね。では、なぜアメリカとかそういうところからの受注がないかというと、これまでの日本の慣習ですね。下請としてスタジオがつくった映像というのは、基本的に彼らのウエブサイトでは公開しないのです。作品名だけが出ています。こういう作品にうちのプロダクションはかかわりましたと。その作品のどこのどの部分かは全くわからないのです。慣習的に映像を下請に出してはいけないと。それで出したいというと、何かうるさいことを言うプロダクションだなみたいなことが本当にあるのです。
 ところが、東南アジアのプロダクションでも、もちろん欧米のを見ていただいてもわかるように、下請でかかわったプロダクションというのは、全て自分がかかわった部分、1分、30秒、全部ウエブサイトで見られます。そこにハリウッドの映画スターが出ていてもそのまま出せています。そういう文化なのですね。
 つまり、「クリエーターたち、頑張れよ」と。そこは、どっちかというと、それぞれのプロダクションがやったところは見せていいよという文化なのです。ところが、日本は見せてはいけない。面倒くさいことが起きるし、そこに芸能人の方とかが移っていると、また許諾も大変だという話だと僕は思うのですね。
 でも、今みたいな世の中で、日本に優秀なプロダクションがあるらしいよといってウエブサイトを見に行ったとき、映像が出ていなかったら頼まないです。どんなことができるかわからない。こんなことが実際には起きているのです。それで、VFXジャパンといって、やっと小さな会社が集まって組織をつくろうとして今頑張っているのですけれども、公正に競争できる立場にも立てない。それは日本のそういう習慣なのではないかと僕は思うのです。
 そういうこともあるということを、最後のところ、改善というところで認識していただければと思います。

○中村会長
 川上さんから手が挙がっていました。

○川上委員
 では、手短に。
 このソフトパワーの話になると、いきなり全体的にアナログになるのですけれども、その中でも「コンテンツ人財の育成」の各項目というのは、旧来の、簡単に言うとネットの活用とかそういうのを入れてほしい。ネットとかの概念が全く入っていないわけですね。例えば人の交流とかで言っても、例えば、今、ニコニコ動画で起こっていることなのですけれども、素人がつくった初音ミクの曲が世界中で人気になって、勝手に素人が台湾とかシンガポールへ行ってライブをやっているのです。で、お客さんが入っているのです。これこそがグローバル人財の育成なのではないかと思うのです。つまり、今まで育成とかといって人を送り込んでも、その人だけの留学経験にしかなりません。日本に海外のクリエーターを呼んできて講演をさせても、その講演会場にいる人しかできないわけです。
 ところが、ネットを使ったら、今だったら日本でも予備校の人気講師の授業とかは、大阪とか名古屋はサテライトでみんな聞いています。サテライトで聞いていて、本人がいなくて意味があるのかなと思っていたら、最近はビデオで流しているだけらしいのです。それをみんなで一緒に聞いている。そんなのを喜んでありがたがって聞いている日本の子供たちの将来というのは一体どうなるのだろうという疑問もあるのですけれども、実際、例えば海外からクリエーターを呼んで授業をするのも、それはネットでいいのです。ネットで来てもらえばいい。そして、それを録画したものをもう一回見てもらえばいい。
 国際交流のあり方というのはネットとかデジタル技術を使うとすごく進みやすくなるのです。やはり子供たちが一番洗脳が楽ですから、小さいときに日本文化に触れていただいて、日本文化ファンをつくるというのは、これはすごく理にかなっていると思うのです。
 例えば、小学校、中学校レベルでも、姉妹校とかがんがん世界中につくって、その子たちとネットを通じてつき合う、話し合う。そして、その国のテレビでは、岡田さんがおっしゃるように、日本のテレビ番組が流れる。子供たちが向こうの子たちと仲よくなって、その話題をする。そうしたら、アニメも売れるし、漫画も売れるし、任天堂のDSも売れる。そういうようなループがつくれると思います。ということで、ぜひこういうグローバル人財というか、コンテンツをつくるのに、ネットを使った世界との交流という視点を入れていただきたいと思います。

○中村会長
 ありがとうございました。
 時間がまいりましたが、これだけはという方、いらっしゃいますか。野口さん、どうぞ。

○野口委員
 済みません。手短に。
 プライオリティーという話があったのですけれども、ぜひマーケットニーズも見ていただきたいなと思いました。たとえば、数年前から、3Dテレビなども開発して一生懸命売ったりしていますけれども、なかなか3D対応のコンテンツも出てこないし、結果として、買う人も少ない、というようなマーケット状況のところに、たくさんのお金を入れるということが本当に効率的な政策なのかどうか、マーケットニーズで、みんなが求めているものに優先的にお金を入れていくというのもあるのではないかという視点もあるということで、決して先端技術を支援することを否定するわけではないのですけれども、そのような視点もあわせて考えてはどうか、というご提案が1点。
 あともう1点は、オープン・クローズ戦略についてです。海外において日本を売っていくというのはとても重要なのですけれども、工業標準技術調査会などでも議論はされていますが、何でもかんでも全部見せてしまうと逆に競争力を殺ぐというところもありますので、どこをクローズにしてどこを見せていくかについては、賢い戦略が必要です。日本でしか手に入らない(または、日本でしか作れない)からこそ価値が高くなるというようなものもあったりするので、そのあたりを踏まえた上で、ノウハウは簡単には外に出さない、といったクローズ視点と、良さをアピールするというPRの側面を上手に組み合わせて、日本発のものの価値を高めるような戦略をとっていただければ、と思いました。
 以上です。

○中村会長
 ありがとうございました。
 TPPへの参加表明もありましたので、実は、きょう議論していただきたいとも思っていたのですけれども、私の回しが悪くて時間になってしまいましたので、持ち越しとさせていただきたいと思います。
 きょうはさまざまな意見をいただきましたけれども、それ以外に追加の御意見などがありましたら、事務局までお寄せいただきたいと思います。
 では、次回の会合でこれをまとめにかかるということです。まとまるかどうか全く不安な限りでございますけれども、連絡事項をお願いします。

○木村参事官
 次回の専門調査会でございます。4月17日水曜日の10時から12時にここの知財事務局会議室で開催する予定でございます。本日の議論を踏まえまして知財計画2013に盛り込むべき事項について取りまとめいただくということを予定しているところでございます。
 以上でございます。

○中村会長
 では、閉会いたします。どうもありがとうございました。