コンテンツ強化専門調査会(第6回) 議事録
○中村会長 おはようございます。若干遅れて来られる委員の方がおられるようですけれども、時間がまいりましたので、ただいまから「コンテンツ強化専門調査会」第6回会合を開催いたします。月曜の朝からお集まりをいただきまして、どうもありがとうございます。 今日は知的財産戦略担当の石田副大臣に御参加をいただいておりまして、後ほどごあいさつをいただければと思いますが、前回の会議では知財計画2012に向けた検討の方向性について、委員の皆様からいろいろと御意見をいただきました。今日の会議では2012の骨子に盛り込むべき事項について、御議論をいただく予定でございます。 大ア委員、大多委員、角川委員から御欠席の連絡をいただいているところでございます。 また、知財戦略本部員からは中島本部員、中山本部員、三尾本部員に御出席をいただいております。どうもありがとうございます。 では、まず石田副大臣にごあいさつをいただきたいと存じます。 ○石田副大臣 おはようございます。知的財産戦略担当の衆議院議員、内閣府副大臣の石田勝之と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は月曜日の早朝ということで、各先生方お忙しいところ、この会議にお集まりをいただきまして誠にありがとうございます。心から感謝を申し上げる次第でございます。 日ごろは何かとこの知的財産、コンテンツ強化のためにいろいろ貴重な御意見を賜っておりますことを、重ねて感謝を申し上げる次第でございます。 さて、コンテンツ強化は今後の我が国にとって大変重要であります。新たな経済成長の原動力となる分野でもあります。私も昨年8月に副大臣に就任してから、CofestaのグランドセレモニーやACTAの署名式にも参加をし、コンテンツの重要性、素晴らしさについて言及をいたしておりましたところであります。 また、昨年12月でありますが、総合特区の第1次指定がありまして、アジアのコンテンツ産業の拠点都市を目指す札幌コンテンツ特区が指定されるように、後押しもさせていただいたところでございます。 今後ますますソフトパワーが重要となってくる中で、日本には掘り起こせばまだまだ世界に通用する知的財産がたくさんあろうかと思っております。新しいものをつくっていくことも非常に必要でありますし、そして日本のブランドをもっと世界に発信し、アピールをしていかなければならないと思っております。 知的財産推進計画2012の策定に向けて、委員の皆様には今後とも御尽力を賜りますように、心からお願いを申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ○中村会長 ありがとうございました。 今日は石田副大臣がお越しということですので、まず冒頭20分ほど時間をいただきまして、自由討論を行いたいと思います。委員の皆様からコンテンツ強化、知財の政策に関して日ごろからお持ちになっておられる御意見あるいはコメント等、質問でも結構です。あればいただければと思います。 どなたからでも結構ですので、挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○近藤局長 今日は冒頭に、前回まで議論してきた2012に盛り込むべき事項の議論をしようと思っておったんです。資料の方はまとめておりまして、後ほど御説明しようと思いますが、今日の会議の冒頭20分間ほど副大臣も御出席が可能ということですので、我々の説明をそこでずっと聞いていても時間がもったいないので、むしろもう少しこういう具合にしてくれよとか、いろんな言いたいことを言っていただいたらどうか。そういうつもりで20分ほどお時間をちょうだいして、日ごろから言いたいことを言っていただく場面をつくろうかと思った次第でございます。 順番等もこだわりませんし、中身についても御自由に議論いただいて、あるいは各論の細かいところに入っても勿論結構です。前回まで続けてきた議論を受けたとりまとめに向けての説明は後ほど改めていたしますので、日ごろからお思いの点を御発言いただければと思っているところでございます。よろしくお願いいたします。 ○中村会長 いかがでしょうか。 冒頭、私から2つばかり要望がございまして、1つは資料1という委員限りで配られている資料をご覧いただきますと、クールジャパンの全体像というものがありまして、これを見れば一目瞭然で、このクールジャパンという1つの政策を進めていくためにも、7つの省と知財事務局、国家戦略室というものが関わって、9つぐらいの主体を調整する必要がありまして、これが何とか1つのテーブルに座って進めるというふうになってきたとは言え、まだまだばらばらな面がありますので、これをどうか1つの日本の国家政策としてきちんと束ねていただきたいというのが1つ。 もう1つは、そもそもこのクールジャパンですとか知財という政策が、国の中にさまざまな政策がある中での優先順位、プライオリティを是非とも高めていただくように、力をお貸しいただきたいと思っております。 ひとまず私からの要望2つでございます。 さて、皆さんいかがでしょうか。 ○別所委員 別所と申します。 私はこの委員に3年間関わらせていただいているんですけれども、率直な意見は非常にスピード感がない。遅い。勿論、皆さんが努力をされて、いろいろなことをとりまとめていることはこの会議で実感をしているんですが、勿論震災もありました、いろいろなことがあったんですけれども、3年間の中の進める、検討する、課題に挙がったなどなど、検討をどれぐらいの時間どうすれば前進を実効的にするのかということが、正直驚きを持って感じる部分がたくさんありました。 勿論、今、中村会長からお話があったように、各省庁を束ねてのこと、横断的にできることはいろいろあるんだと思うんですが、これが卑近な例で言うと、例えば今日も私の朝のラジオの番組で1人のミュージシャンを紹介しましたが、その方はあるゲームメーカーで働いていて、その後、音楽をつくる拠点をカナダのバンクーバーに移しています。 それから、何度もこの会議で言っているんですが、さまざまな電子書籍に関わる製作会社などクリエーターは、もう日本の中で遅々として進まない著作権問題あるいは自由にビジネスができない、クリエーションをする場がうまく与えられないということで、海外に頭脳流出しています。これはいわゆる大学院、大学レベルで博士課程をとるために出るという以上に、実際の生活をする拠点も移し、税金を落とす拠点も移し、そして産業そのものとしても空洞化していくというのは、どんどん目の前で私も俳優であったり映画祭で関わる事業以外でも実感している次第です。 先日もベルリン国際映画祭の短編部門で賞をとったアニメの和田監督。この方も現在はロンドン在住で、これは文化庁のプログラムで行っているということですが、彼なんかもお話を聞くと、やはり日本で未来が見えない。サクセスストーリーも見えないし、どういう規制緩和があるかも明確に見えない。これは私もここに関わってみてわかったんですが、やっていないのではなくて、やっていることが伝わっていない。どのように情報を私たち市民、国民がやっていることを受け止めて参画できるかということを、情報発信の意味で非常に強化してほしいなと思いました。 また、総理大臣を含め担当の大臣あるいは副大臣の皆さんが、先ほど会長のおっしゃったようにどれぐらいの危機感を持って、この分野に関して国家戦略的に臨もうと思っているのかが、全体像としては私たちはわかりにくいなと実感しています。 例えば、具体的に海外の方から言われているのは、クールジャパンにしても、こういった分野にしても、海外から情報源をとろうとしたときに、総合的に見られるホームページがない。クールジャパンは各省庁的に断片的にいろいろなイベントとしてはあるんですが、各年度の消化事業のようになってしまっていて、年度予算をそれで使っているんでしょうが、それが立体的にどう積み重なったのか表現されている場所がない。横断的に見えるものが全くないとよく言われます。 是非改善してほしいのは情報発信、そして成長戦略あるいは提言でもそうなんですが、とかく外に出ていく部分では評価を海外で受けていると思います。今日の日経に会長のコメントが出されていましたが、サンリオのやっていることとか、ハローキティのこととか、そういうことはとっととどんどん民間がやっているんですけれども、インバウンド、国のこちらに呼び込んでやる戦略が何なのかが、体系的にはわからないような気がします。 実は外に出ていく分野は、国の力を借りなくても民間が自分なりに知恵を絞ってやっていることはたくさんあるんですが、現実には世界を呼び込んで、この日本という国の中で何をするのか、どういうふうに世界を呼び込むのかという分野というか、政策がポリシーメイキングでどう提示されているのかが、コンテンツに関わっている人たち、クリエーターもプロデューサーもわかっていないという現状なのではないかという気がしております。 済みません、長くなりました。 ○中村会長 ありがとうございます。 杉山委員、どうぞ。 ○杉山委員 私も3年やらせていただいているんですけれども、ますます今年の議論でもコンテンツ産業のみを論じているのではなくて、国のIT戦略と非常に関わっている。ですからコンテンツの実はほとんどが、8割方デジタルで今できているわけですから、IT戦略とともにクールジャパンを立てないと、なかなか大きな問題が解決しにくいなというのを非常に感じています。 私も7年ぐらい前に書いた本に書いたんですけれども、コンテンツ産業のみで見ればそれほどの売上ではないわけです。ところが、このコンテンツ産業が日本のもっと大きな売上を持つ自動車であるとか家電、電子機器等に売上として与える影響は物すごく大きいわけです。それはその昔にハリウッド映画が証明していて、更に韓国が御存じのように元気な芸能人たちがアジア中で活躍すると、サムスンとヒュンダイがどんどん売れているわけです。 ですから、これも本当にエンターテイメントに近いところにありますから、国の流れの中で見ると、この部分がなくても国民は大丈夫そうに見えるところではありますけれども、実は日本の全産業に物すごく大きなインパクトを与えるんです。ですから投資額に比べて国がかなり援助したとしても、波及効果が大きいので戻ってくる。日本全体に戻ってくることが大きいので、この産業についてのみ小さくなった、大きくなったというものでは全くない。 せっかく素晴らしい日本の文化と歴史と、クリエーターたちが生んだものが世界の人たちにこれだけ受け入れられているというものを絶対にしぼませてはいけなくて、これをきちんとやることが全産業、日本の大きな産業にも大きく影響しているんだというわけです。そういう意味では、もっと省庁が真剣に関わってほしいし、IT戦略とともに知財、コンテンツをつなげてやっていただくと、もっといい成果が出るのではないかと思っています。 以上です。 ○中村会長 ほかにいかがでしょうか。 ○中山本部員 先ほど別所委員がおっしゃったのと同じなのですけれども、とにかくスピード感を持ってやってもらいたいというのが第一です。これは各個人の能力がないとかやる気がないとかの問題ではなくて、恐らく政官民全ての組織の問題に関わると思うのです。しかし、そうは言っていられないので、とにかくスピード感を持ってやってもらいたいというのが第一です。 第二に、これは知財戦略本部の問題ではないかもしれませんけれども、副大臣がお見えですからあえて申し上げたいと思うのですが、内閣法制局の問題があろうかと思います。せっかくいろんな審議会等で政策を決めて実行しようと思っても、実は内閣法制局がうんと言わなければ法改正が動かない。内閣法制局が条文の言葉がおかしいとか、あるいはこちらの条文とこちらの条文の平仄がとれない、それをチェックするのはよくわかるのですけれども、実は政策までかなり関与をしていて、審議会で決めたことも実は内閣法制局でつぶされてしまう。 例えば知的財産。現在、著作権が審議されているようですけれども、実は法制局、これは秘密でやっていますので漏れ聞くところしかわからないのです。秘密でやっているところがかなり政策に関与していて、我々が批評しようと思っても、実は批評できない。しかし、審議会で決めた政策を実行しようと思うと、それはだめだと言われる。漏れ聞くところによると、知的財産関係のやっているお役人は検事出身のようで、果たして知財のことをわかっているかどうか心配がある。わかっているかどうかもわからないというのは、つまり秘密でやっているからわからないのですけれども、内閣法制局が我々というか審議会等で決めた方針を政策としてつぶすなら、これは公開してほしい。そうでなければ文字の修正にとどめてほしい。これは是非お願いしたいと思います。 ○中村会長 ほかにございますでしょうか。 久夛良木委員、どうぞ。 ○久夛良木委員 この間もお話ししたんですけれども、今年は多分スマートテレビ元年になるだろうと言われていますが、スマートテレビになると何が変わるかというと、今までのようにネットワークを介して既存のコンテンツがデジタル化され、単にストリーミングで配信されるというだけではなくて、スマートテレビからスタートするような新しいコンテンツとか斬新なサービスとかが続々と生まれ、それらがネットワーク経由で世界中に発信されていくだろうと思っているんです。 そうなってくると、発信力の強いところ、そこに向かって強力に発信していこうとするような国であるとか企業であるとかの発言力が、今後非常に高まるのではないか。これは仕掛ける側にとっては大きなチャンスであると同時に、何もしないで見ているだけだと、将来相対的にマイナライズされてしまうリスクも大きいと思います。 そのような中で、先日の最高裁判決で、我が国のまねきTVが違法と判断された一方で、米国では連邦高裁で類似サービスが合法と判断されるなど、司法の場でも混乱が起こっている。継続的な技術革新により新しいメディアが続々誕生する中で、定まった判例がないのはしようがないかもしれませんが、これをオフェンス側とディフェンス側という観点で捉えると、特に米国ではシリコンバレーを中心にどんどん攻めよう、新しいものはとにかくやってみて、そこから問題が起きたら、その部分をみんなで調整しようというカルチャーと、問題がありそうなのでとてもやれそうにないというカルチャーや環境になっているという彼我の差は大きいと思います。まずは既存のさまざまな仕組みや権益にも配慮しつつ、それらとの共生を視野にもう少し時間をかけて議論しなくては、という考えが我が国ではまだ中心なのかなと思うんです。 どうも私が思うに、我が国の、特に政府にいらっしゃる方、もしくは既存企業の方というのは大勢としてディフェンス側が多くて、議論がどうもデジタルネイティブ側というか、ポストデジタル世代の考えている事と大幅にずれてしまっている。いささかバランスがとれていないのではないかと思うので、是非私の方からお願いしたいのは、政府の中にデジタルネイティブ世代の気持ちがよくわかって、そのいいところを徹底的に引っ張っていけるようなリーダーの方とか、もしくはそういった役割の担当官庁などがあるといいかなと思うんです。急速な変革が世界規模で起こっている中で、他国がどんどん切り拓いていくのをただ傍観しているだけではなくて、是非官民一体となって切り拓いていこう、ということを言っていただける政府側の牽引者が欲しいというのが、私の希望です。 以上です。 ○中村会長 ありがとうございます。ほかにございますか。 ○別所委員 もう副大臣がいらっしゃるので、焼き直しのようなこともどんどんお話しさせていただきますけれども、今もいろんな形で出てきています。 具体的な例で言いますと、例えば私たちがこの中でも電子書籍、教科書云々かんぬんと言っていますけれども、そこで動くインターフェース上のサービス、情報の出し方、文字の縦書きだとか横書きの技術とか、裏側で動く技術。気が付いたら全部外国のもので、日本の著作権というかパテントではないもの。自らの技術でどういうふうに組み上げるかというところの土台もしっかりしないまま、表面的に電子書籍、教科書にしようと言っても、その技術や背後に伴う日本の根幹に伴う教育に関して、すべて外国製。私は外国のものでもいいと思うんですけれども、そういうバランスをどういうふうにとるのかということを考えられる環境がなくて電子教科書を取り込んだ場合、私は電子教科書推進派というか、あるべきだと思うんですが、背後にある技術はどうなっているのか。日本がちゃんと1つの危機管理的にも支えられるものになっているのか。 そういった検証ももっと危機感を持ってやらずに、美しい言葉だけを並べた成長戦略を幾ら何年も重ねても、多分国民も市民もしらけるだけ。特に若い世代はそういう事実がわかっていますので、大変憂慮する問題ではないかと思います。 映画業界で言うと、字幕をつけて流通を飛ばして海外から通信で飛ばしてしまえばいい時代がもう来てしまっているので、日本の映画に関する流通も半製品としての字幕をつけた映画が海外でできてしまう。その課金も海外でできてしまう。前回も言いましたけれども、その前の年も言いましたが、ここの議論にはそぐわないのかもしれないんですけれども、電子マネーであるとかポイント制度であるとか、そういったいわゆる知財にも関連してくるであろう、ほかの省庁も扱うのであろう分野も、海外が日本の分野を知らない間にインターネット上で総取りするということが、もう現実には動き出してしまっていると思います。 ですから、こういうクールジャパンであるとか知財の話をしているときに、どうしてもこの会議上ではアニメの表面的なことであるとか、エンターテイメントの表層的なことのようにとらわれがちなんですが、各委員がおっしゃっているように非常に根源的な日本のこれからの在り方に関わってくる作業だと思います。 その中で、先ほども委員がおっしゃっていましたが、既得権益の20世紀にこのエンターテイメントあるいは著作権の中で権利をとった方々のための法整備だけに終始しますと、これからのボーンデジタルの世代は日本では活躍できない。ですから法規制ではなく、法整備もいいんですけれども、1回それを全部撤廃するような場所をどんどんつくって、世界を呼び込むような場所づくりを政治レベルで是非やっていただきたいと思います。 ○久夛良木委員 ゲームの世界なんですが、テレビゲームと呼ばれた時代は、主に子どもが中心の遊びという範疇に留まっていたものを、最新のコンピュータテクノロジーとの融合によって、広範なクリエーターを呼び込める新たなジャンルとして進化可能になり、大人も楽しめる、女性も楽しめるコンピュータ・エンタテインメントとして大きく拡大してきた。 それが今どこに行っているかというと、ネットワークを使ったエンターテイメントの方向に行こうとしていて、従来型のゲームというものは、ほとんど市場が縮小というか、かなり急激に落ち込み始めている。ゲームがネットワークの方に加速度的に向かっている中での問題の一つに、それらのゲームに関わったクリエーターの方々の名前が表に出てこなくなっている。昔のパッケージゲームの時代には、誰が制作に携わったか、どんなチームがそのゲームを創ったのかというのを、プレイヤーは最後にスタッフロールで知ることができたが、ネットワーク上のエンターテイメントは基本的に終わりがないですから、知る事が出来ないし、開発や制作そのものもどんどん低コストの海外のオフショアに移行しつつもある中で、もはや作り手の顔すらも見えにくくなっている。 既存の枠組みだけでいろいろな法整備であるとか著作権のことを考えていると、あっという間に世界の潮流に置いていかれると思うので、是非この新しい流れというものを我が国がきちんとドライブしていけるような議論の場を、是非皆さんで設けていただきたいと思います。 以上です。 ○中村会長 どうぞ。 ○中島本部員 これだけ皆さんすごい思い入れがあって、コンテンツ、知的財産やりましょうという意気込みですけれども、もう一つは政府の方がなかなか露出度が少ない。知的財産とかコンテンツに対して、ことあるごとに情報提供、記者会見等でどんどん出していただいて、そういうことによってなおさら関係者は、よしやるぞということに初めてなるのではないかと思います。 小泉内閣のときは所信表明にも施政方針にも知的財産という言葉が出てきまして、民主党になってからは菅さんが1回出ただけです。その後、出ていないのです。是非やるぞと、これは立派な国家戦略でございますので、是非政府の方がこれを取り上げて一生懸命重視しているのだと国民に見せる姿勢をよろしくお願いいたします。 ○中村会長 佐藤委員、どうぞ。 ○佐藤委員 今、本部員の方から知らしめるというお話も出ましたけれども、そういった知らしめる意味でも、この会議でも何度か論議になっておりましたが、具体的な成功事例というものをつくっていこうという中で、私はクールジャパンの全体像というものと、論点整理の中の20ページ目にあります札幌コンテンツ特区。これは私が言ってはいけないのかもしれないですが、ささやかな一歩かもしれないけれども、具体的な一歩だと思うんです。ようやく踏み出したささやかな具体的な一歩というものを、具体的にどう結実させていくのかというのが、ようやく踏み出したところで1つ大変大きなチャレンジになるのではないだろうかと思っています。 ここでは今までの論議をしてきたコンテンツ、クールジャパンが潜在的な国際的な競争力があるのだということを証明する意味でも、日本のコンテンツ産業が外貨を十分獲得できるのだという意味においても、また、申し上げた全体像の中における幾つかの府省をまたぐ中、例えば観光客を誘致するとか、日本産品の海外進出であったりとか、さまざまなところでコンテンツ特区という事例を活かしていけるのではないか。 しかしながら私が心配しておりましたのが、前回も各省庁から御出席をいただいていました。まさしく知財というところが取り組むところでは先ほど来、話にも出ていました横断的にさまざまな調整や要請を行えるというのが1つ目玉だと思っていましたが、実はこの特区でいくとまたぐところでいくと警察ですとか消防でありますとか、既得権という言い方は適切ではないのかもしれません。しかしながら、今までがっちりルールとして決まっていたようなものを、1つ知財が音頭をとって突破していかなければいけないような局面というのが、何度も具体的という言い方をさせていただいていますが、この具体的な局面の中で出てきているのではないかと思います。 そんな中では、この一歩というものを着実に形にする上で、私たちがどんな取組ができるのか。そのために各省庁にどういう要請を出していくべきなのかということも、しっかり取り組んでいかなければいけないことかなと思いました。 ○中村会長 ありがとうございます。 中身の問題に入ってまいりましたので、そろそろ中身の議論にさせていただきたいと思いますが、我々いつも遠慮なくこのようにわあわあ言っておりまして、事務局はかなり大変なんですけれども。 ○石田副大臣 私も短い時間で各委員の皆さん方から、貴重な御意見を拝聴させていただきました。 実は私、この内閣府の副大臣になる前に国会において財務金融委員長という職をやっており、党においては安全保障の中のソフトパワー外交の座長を実はやっておりました。その際にもこの日本としてのソフトパワー外交でどういうものという中で、知的財産の件もいろいろと議論をしてきたところであります。 そういった中で、実は私は非常に担務が多くて、昨日も先週もずっとここのところ毎週なんですが、TPPの幹事会の議長をやっておりまして、昨日はTPPで秋田に行ってきました。その前は名古屋に行き、そして来週は横浜、その次は広島と、毎週巡業をしているようなあれなんですが、このTPPの中で正直言って知的財産というのは非常に貴重な分野だと私は思っているんですけれども、そのシンポジウムに出ましても、今のところそんなたくさん出ているわけではありませんが、知財の件で質問が出たりすることが今までないんです。どちらかと言うと農業あるいは自動車、医療といったものにずっと議論が特化している中で、本来やはりこの知財というのは日本にとって本当に経済成長の原動力であって、世界に誇れるものというのは本当にたくさん、先生方がおっしゃるようにあるわけであります。そういった対応が正直政府において、今までの流れの中できちんと日本の貴重な知財という経済成長し得る財産を活かし切っていないというのが現状かなと思っております。 先生方御案内のとおり、20年前の日本は経済競争力が世界で一番であったわけでありますが、今は26位に落ち込んできているわけであります。そういう状況の中でこれからの日本ということを考え、そして、この知財を含めてコンテンツの強化によって世界の経済をリードする役割を私はやっていける素地というのは、我が国にあるというふうに思っております。 そういう意味から本当に今日は各委員の皆さん方から貴重な御意見を、短い時間だったですが、拝聴していただきました。私も政府においてそういう意見を対応できるように、法制局の話も出ましたが、なかなか一朝一夕にいかない部分もあろうかと思います。しかし、将来の成長戦略の1つであることの位置づけで、私なりに微力ながら頑張っていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○中村会長 副大臣、どうもありがとうございました。 それでは、続いて前々回の第4回会議で議論のありましたクールジャパン推進に関する政府の体制について、事務局から説明をお願いします。 ○木村参事官 それでは、まず資料の確認をさせていただきたいと思います。 資料1「クールジャパンの全体像」。 資料2−1「知的財産推進計画2012骨子に盛り込むべき事項の構成」。 資料2−2「『知的財産推進計画2012』骨子に盛り込むべき事項(素案)〜コンテンツ強化関連部分〜」。前回までの議論を踏まえまして事務局で作成したものでございます。 資料2−3は政府として知財計画2012をまとめるわけでございますけれども、骨子素案の総論部分につきまして抜粋したものでございます。これにつきましては事務局内で検討中のものでございますので、本日席上のみの配布とさせていただいているところでございます。 参考資料1は前回会議で配布いたしました論点整理(案)でございます。 参考資料2は前回御議論いただいた主な意見でございます。 参考資料3は今後のスケジュールでございまして、本日を含めましてあと3回で、知財計画2012骨子に盛り込むべき事項をおまとめいただきたいと考えているところでございます。 それでは、続きまして資料1について御説明いたします。 前々回の会議におきましてクールジャパン、各省でいろいろな取組がなされているわけでございますが、どういう関係にあるのかということで1枚の紙で整理をしたものでございます。 クールジャパンの全体像について概要をまとめたものでございますが、概略のみ申し上げますと、各省ではそれぞれの政策目標に基づきましてクールジャパンの施策を進めているということでございます。 例えば経済産業省におきましては、日本産品の海外展開のための活動を進めておりますし、外務省では対外的な文化発信あるいは在外公館を中心とした支援活動に取り組んでおります。 また、複数の省庁にまたがる政策課題に効果的に対応するということから、各省が連携してコンテンツの海外展開や模倣品・海賊版防止による日本ブランドの維持といったことも進めているところでございます。 その上で政府全体として取り組むクールジャパン戦略につきましては、知財事務局が中心となってとりまとめいたしまして、国家全体の競争力を担う国家戦略室と連携を図りながら、各省横断的にクールジャパンの施策を推進していくといったところになってございます。 簡単でございますが、以上でございます。 ○中村会長 ありがとうございます。 では、質問等ございましたら挙手をお願いできますでしょうか。 ○別所委員 これは私がお願いしたチャートの反映の部分に当たるのかなと思うのでお聞きしたい部分なんですが、できましたらここに各省庁あるいは知財の中で皆さんがされているネクストジャパンといったプロジェクトであるとか、ビジット・ジャパン大使がどうであるとか、具体的なロゴであるとかコンセプトが進行しているものが反映されて、なおかつ先ほども議論というかお話に出ていましたけれども、だれがどう情報発信しているのかということが非常に大事かと思いますので、例えばそれは知財のホームページなのか、国家戦略室になるのか、各省庁なのか。 私は先ほど申し上げたとおり各省庁に断片的にあるのでは、マスメディアに対しても海外のメディアに対しても、あるいは海外のそういったことに興味のある方にも訴求しないと思います。ですので、そこをどう統合管理するのか。これはよく言えばばらばらに多様性があってということなんでしょうが、悪く言えば非常に非効率な結果を生み出しているように思いますので、この全体像がよりどういうブランドというか、クールジャパンの傘下にあるムーブメント、プロジェクト、何と申し上げていいかわからないんですが、ミッション、プラン、アクションとどう結びついているかがわかると、より素晴らしいなと思います。 同時に、これ以外に各委員がおっしゃっているような、では2012年の優先順位のある項目は1〜100番までこうだということがもしランキングと言うと変なんですが、優先順位が立てられれば、更にわかりやすくなるのではないかと思います。 ○中村会長 ありがとうございます。 ほかにいかがでしょうか。末吉委員、どうぞ。 ○末吉委員 大きく3つの観点があるのかなと思うんですけれども、1つは国際的な折衝というものがあります。 例えばこれで言うとコンテンツの海外展開というもので、海外の方で文化政策で輸入を制限しているところに対して、国際折衝してそれを撤廃させるとか、あるいは逆にそういう国からは輸入できないようにするとか、それは国際戦略だと思うんですけれども、それから、その下に書いてある国際共同製作というのは国際的な折衝事ですね。模倣品を違法コンテンツと考えると、海外発の違法コンテンツをどういうふうにやめさせるのかという国際折衝がある。国際的な折衝の部分が1つ何か切り分けられればわかりやすいのではないかと思ったのと、基盤整備というものがあると思うんですが、一番この中で大きいのは、委員の方々が御指摘されている総務省にあるところのコンテンツの制作・流通基盤の整備というもので、例えばインターネット環境をどうするのかとか、それは国際戦略の次に来る基盤整備になって、ここで基盤整備が1つ落ちているのが法令の整備というものがあると思うんです。 著作権法とプロバイダ責任制限法というのは、なかんずく重要な法令だと思うんですけれども、これは継続的に見ていただいて委員の先生方からの御指摘もあるとおり、常に最もコンテンツ流通のために適正な制度になっていることを担保していくことが、この基盤の整備で必要なのではないかと思います。 コンテンツの制作・流通基盤の整備というのは、突き詰めると結局通信インフラの話になって、通信のコストをどうするのかとか、そういうところをどこまで突き詰められるのかというのが、実はこのクールジャパンの全体像にとって非常に重要なポイントであるということが、いろいろ指摘されているのではないかと思います。 以上であります。 ○中村会長 ありがとうございます。 佐藤委員、どうぞ。 ○佐藤委員 重ねてになってしまいますが、今お話が出ていたクールジャパンの全体像の国際共同製作の促進、海外のロケ誘致というところで、各省庁横断的に出ておりますが、申し上げたとおり一点突破ではありませんので、具体的な成功事例をつくり、それを皆さんに知らしめていく。 当然これはつくりあげたコンテンツが国民の目に触れるというところでは、プロモーション的な効果も非常に大きいと思います。知財印を背中につけたコンテンツを世界に送り出していくというところでも、ボトルネックになっていくのは実は警察ですとか消防ですとか、そういったものをこの中に網羅的に入るような形にした方がいいのではないだろうかと思いました。 ○中村会長 三尾本部員、どうぞ。 ○三尾本部員 クールジャパンの全体像は、先ほど委員の方々がおっしゃっていたように、国の政策として国民に知らしめることが非常に重要ではないかと思います。実際に国の事業として行っている支援策の全体像を、例えばホームページ上などで公開する場合に、クリエーターや実際に事業をやっている方々にどう見せるかという視点も重要ではないかと考えます。 事業者がそれぞれの省庁に相談に行ったり、例えば何かの公募事業に応募しようと思うときに、どこにアクセスすればいいのか非常にわかりにくいと思います。各省庁の行っている事業を、一つのホームページにまとめてアップする等して分かりやすく公開、宣伝することが非常に重要ではないかと思います。 事業者の話を聞いていますと、どこの窓口に行けばいいかよくわからない、一体どんな支援策があるのかわからないという声を非常によく聞きますので、もったいないなと思います。 もう一点、国際共同製作の促進のところで外務省が欠けているんですけれども、私の個人的な見解ではあるんですが、国間で国際共同製作条約を締結するということも必要なのではないかと個人的には思っておりまして、そこは外務省がやっていく分野なのかなと思いますので、外務省も入れてほしいと思います。 以上です。 ○中村会長 ありがとうございます。 ○吉羽委員 先ほど別所委員の方からスピード感がないとか、情報発信ができていない。消化事業的になっているのではないかという話がありましたけれども、組織論の問題は非常に大きいのかなと思います。 知財事務局の立ち位置として、割と調整役みたいな立ち位置になってしまうのかと思うんですけれども、こういった横串で何かをやろうというのは、トップの意思が相当強力に出ているときに働くのであって、進めるのであれば企業であれば普通は部署をつくります。部署をつくって真剣にやりましょうという形になるんですけれども、どうもそこがまだ横で相談をして、各部署が頑張ってくださいという体制だと、なかなか進まないのではないかという感想を持ってしまうんです。 ○芝田次長 幾つかのコメントに対してお答えというわけでもないんですけれども、申し上げておきたいと思いますが、1つは今も佐藤委員から制度官庁としての警察とか消防の関わりもあるでしょう。これはコンテンツ特区の関わりでもそういうことをおっしゃいました。 例えば広報という全体の政府としての広報を進める、これは内閣にも広報室というものがありますし、内閣府にもあるんですけれども、そういうこともこの表からは抜けております。 これは我々がもともと案を考えたときには、そういうものも当然入ってくるのかなと思っておったんですが、いろいろ調整した結果、それは制度官庁として当たり前に、常日ごろからやっているということで、その中に我々のクールジャパンというものが関わってくる。その局面では勿論協力してもらうし、連携もしてもらうということで、この表からは落ちておりますが、実際には常に連携と協力をしていると御理解をいただければありがたいと思います。 国際共同製作については、おっしゃるとおり外務省も入ってくるべきなのかもしれませんので、これは外務省さんともう一度お話をしてみたいと思います。 ○中村会長 私はこの紙は皆さんスルーで次に行くのかなと思ったんですけれども、かなり出てくるというのは非常にわかりやすくて、ここから論点も新たにいろいろ出てくるということなんでしょうが、いろいろと話を伺っていると、もっとわかりやすくせいということと、もっと分厚くせいということだと思います。また新たな宿題が事務局の方に出てくるようですので、ちょっと整理をさせていただきたいと思います。 この図を見ますと一番上に知財事務局の丸が一番大きいので、ここの重しがきちんと働くように頑張っていただきたい。プラス我々も頑張りましょうということかと思います。よろしくどうぞお願いいたします。 さて、次に知財計画2012の骨子に盛り込むべき事項について議論を行います。骨子に盛り込むべき事項の素案が出てまいりましたので、事務局から説明をお願いしたいと思います。 ○芝田次長 まず、資料の中身については後ほど隣の木村参事官が、いつもの早口で煙に巻く戦法で説明してくれますので、資料を見ないで私の大まかな大つかみのところを御説明したいと思います。 関連施策をご覧いただくと、いろんな細かいアイテムを含めて割と平和に並んでいるように思われるかもしれません。これは、おいしいラーメンをつくろうと思うとメンマも必要ですし、チャーシューも必要ですし、ネギも必要なので、そういうものを一通り並べてあると思っていただければありがたいと思います。今の比喩は土日で考えたんですけれども、全然うけませんでした。 大つかみなところを申しますと、3つほどハイライトがあるのではないかと思っています。 1つはデジタル化・ネットワーク化ですと、これは世の中の書籍の電子化、デジタリゼーションということで対応していくということが、1つ大きなテーマになっていると思います。これは別所委員からいつもどこまでできていて、何が頓挫したのかはっきりしろとおっしゃるので、少しだけ触れておきますと、日本語仕様のフォーマットを策定して環境を整備してきたという成果もございまして、皆さんも報道等で御存じかもしれませんけれども、民間でデジタル出版機構というものが立ち上がろうとしているというところまで進んでおります。 一方で、パブリックセクターの方では国会図書館のデジタリゼーションが今210万冊まで進んでいるということで、これを一般ユーザーが使えるようにしようということで、地方の公共図書館や大学の図書館などにこれを電子的に配信するという構想が今、出てきているわけであります。これも法制の改正も含めて検討しているところでございます。そういうところが新たな課題として出てくるんだろうと思っています。 2番目に、コンテンツの海外展開ということでございますけれども、これは1つには海外における侵害対策をしっかり進めながらやっていかなければいけません。侵害対策ということでは先ほど来、出ています模倣品、偽造品の防止条約が署名まで成果としては来たわけでございます。また、CODAというコンテンツの海外流通促進機構、民間団体による削除要請の取組が進んでいて、これは政府間で協議するときには必ず話題に出して後押しをしています。そういうものも1つ成果として考えていただけるかと思います。 一方では実際に海外でコンテンツを展開していくということで、コンテンツファンドAll Nippon Entertainment Worksが立ち上げられようということでございまして、そのほかにも映画の国際共同製作も実際に5件ほど採択されて、動きつつあるということでございます。 今後の課題としては、これを踏まえてコンテンツファンドも実際にうまく使って、皆さんおっしゃっているように成功モデルをつくらなければいけない。これはコンテンツやアーティスト、海外に出ていくには一定のリスクもありますので、まずは一遍成功してみせることが大事だろうということが大きなテーマだと思っています。 これをやるために施策の中でいろいろ出ておりますけれども、経産省の海外展開のための予算をとられておったりするので、こういうものを有効に活用していただけないかとか、今、調整を行っているところであります。 大きな3つ目のテーマはインバウンドの推進ということだと思っています。これは札幌コンテンツ特区の話もございましたけれども、これも知財計画2011でも書いてあって、実際に札幌コンテンツ特区が石田副大臣の後押しもあって、指定されたというところまで成果として進んできているわけであります。 今、我々も札幌市と先ほどおっしゃったような警察とか、いろいろな制度官庁の間に入って調整、アドバイスをしながら取り組んでおるところでございますので、これは是非成功事例の1つとして実現させたいと思っていますし、札幌を見て恐らくほかのところも出てくると思うので、我々はそれを後押ししたいし、また、やってみませんかという働きかけも、今後の課題としてやっていきたいと思っています。 インバウンドということでは、ロケを誘致するためのワンストップサービスの整備とか、いろんな情報発信の拡充といったこともやってみたいと思っています。その辺がハイライトになるのかなと思います。 だけれども、冒頭に申しましたようにそのほかの個別のアイテムで重要なものがたくさんございます。例えば地理的表示制度の導入とか、光るものも入っておりますので、どうしても総花的に見えるかもしれませんが、その辺りは御理解いただきながら、この後の説明を聞いていただければと思います。 ○木村参事官 それでは、引き続いて煙に巻かないように知財計画2012骨子に盛り込むべき事項の説明を行いたいと思っております。 本日は資料2−1〜資料2−3ということで関連の資料をお手元に配布させていただいております。 資料2−1はコンテンツ強化専門調査会といたしまして、骨子に盛り込むべき事項の素案の全体構成でございます。 1点目が、コンテンツの世界展開を支えるデジタル・ネットワーク社会の基盤整備を進めるということで、中身といたしましては著作権制度の整備やコンテンツ侵害への対応強化。先ほども話がありましたが、電子書籍の本格的な市場形成あるいはコンテンツのアーカイブ化ということでございます。また、新ビジネス創出のための環境整備が柱となってございます。 第二の柱でございます。こちらはクールジャパンを推進しソフトパワーを強化するということで、中身といたしましてはクールジャパンの発信、拡大・定着、発掘・創造、基盤の整備が柱となってございます。 こういった全体の構成の中で具体の案文でございます。資料2−2でございます。こちらはこれまでの御議論を踏まえまして事務局で整理したものでございますが、記載内容に当たりましては各省とまだ調整をしているものでございますので、若干御容赦いただければと思います。 知財計画2011との関係でございますが、この骨子に盛り込むべき事項につきましては、2011に書かれたことは引き続き着実に実施をしていくということでございますけれども、新たに追加する、更には深掘りしていくものについて取り上げているものでございますので、これに書いていないものはやらないということではございません。2011に書いたものはしっかりとやっていくという趣旨でございます。 情勢認識のところでございますが、グローバル・ネットワーク化が到来して、グローバルな競争が激化する中で、世界の変化を変革のチャンスとしてとらえて、コンテンツをめぐる国際競争に勝ち抜かなければならない。そのためには知財計画2011を着実に実行し、その成果の上に立って戦略的展開を図っていく必要があるということを書かせていただいてございます。 デジタル・ネットワーク社会の基盤整備についてでございますが、こちらは2ページ目にございますけれども、巨大なコンテンツ市場に成長する可能性を持っているアジア諸国において、日本のコンテンツをビジネスとして展開していかなければならないということ。あるいはEPAや国際機関における交渉、TPPについてはまだセンシティブな状況がありますので記載を省いてございますが、こういった交渉の中で国益を最大限に追求していくことが重要であると示してございます。 今後、世界市場の中でビジネスチャンスを失わないためには、グローバル企業のエコシステムといったものも参照しながら、我が国はどの分野で勝ち上がっていくか、戦略的な展開を進める必要があるという趣旨でございます。 主な施策といたしましては、3ページ目の上のところに書いてございます。著作権制度の整備、電子書籍の本格的な市場形成、情報通信インフラの整備やクラウドサービスの環境整備というものを主な施策例で挙げてございます。 クールジャパンを推進しソフトパワーを強化するといったことが、もう一つの柱でありますが、こちらにつきましては世界にアピールできる日本文化の魅力が詰まったクールジャパンを国内外に展開することで、我が国への興味、関心や憧れを涵養し、日本の存在感と発言力を増す強力なソフトパワーとなる。このため、クールジャパンの対象同士あるいはものづくり・サービスとの融合などを通じて、アジアを始めとする海外への展開の突破口となる成功モデルを創出することが重要である。そういうことの認識を示したものでございます。 これらのソフトパワーにつきましては外交上の影響なども踏まえて、各省と調整中のところでございます。 主な施策についてですが、4ページに書かせていただいてございます。海外展開の成功事例の創出、インバウンド、地理的表示保護制度もございます。こういったものを施策として4点掲げておるところでございます。 次に、具体的な施策についてでございます。5ページをご覧いただきたいと思います。 著作権のところでございますが、権利制度の一般規定の導入や技術的保護手段の見直しにつきましては、現在、制度改正に向けて、内閣法制局で今、準備が進められているところでございますけれども、次々と登場するクラウド型サービスなどの新たなビジネスチャンス創出のための環境整備や、権利者やユーザーの間で意見がいろいろございますが、著作権保護期間の延長の問題などの著作権制度上の課題について、検討を行う必要があるということでございます。 また、インターネット上のコンテンツ侵害対策につきましても幾つかございますが、この中で先ほど別所委員からもお話がありましたけれども、コンテンツ侵害対策としてISPの対応の問題もございますが、こういったものにつきましては現在、各省と調整しているところなので、記載をしていないところでございます。 電子書籍につきましては、出版者への権利付与について御意見があったところでございまして、法制面における検討が必要であるということを書かせていただいております。 6ページ、コンテンツのアーカイブ化のところ、国立国会図書館のデジタル化資料を公立図書館などへ配信する。そのための著作権制度上の措置や、家庭への配信に向けた著作権処理の促進について事業を実施することとしております。 6ページの最後から7ページのインフラのところでございます。コンテンツ流通を支える情報インフラの整備につきましては、コンテンツ事業者の意見を聞きながら情報通信インフラ整備の在り方を検討することといたしております。ただし、IT戦略との関係につきまして関係府省と調整中でございまして、その部分についてはまだ記載させていただいていないところでございます。 前回も御議論がございましたスマートテレビの点でございます。それにつきましてはプラットフォームの環境整備を書かせていただいておりますが、我が国が主導して技術規格を標準化して、普及促進を図るという書きぶりにしているところでございます。 前回、デジタルネイティブ世代のデジタルダボス会議ということについて御意見をいただいたところでございますが、実務的にまだ詰まっていないところでございまして、記載をしていないところでございます。 8ページ目からは、クールジャパンを推進しソフトパワーを強化するというところでございます。こちらにつきましては先ほど来話がございました官民を挙げた海外展開の成功事例の創出ということで、成功事例を生み出すことで更なる海外展開の呼び水にしようとするものでございます。 また、前回も御議論がございました海外放送メディアとインターネットを通じて、日本の文化あるいは製品も含めて、そういった魅力が詰まった映像コンテンツの発信を進めるといったことも書かせていただいております。 クールジャパン同士のものづくり、サービスなどの融合化が非常に重要な視点でございますが、施策として海外展開の成功事例の創出あるいは先ほどの海外メディアやネットでの発信の施策に付随して実施するということで整理してございます。 インバウンドのところでございます。映画ロケ地への観光などの大きな経済効果が見込まれるということで、先ほど来、各委員からも力強い御意見、御議論をいただいたところでございます。こちらにつきましてはロケ撮影誘致を促進するモデルとして、重点的な取組を推進するということで書かせていただいてございます。 9ページ、我が国の高品質な地域ブランドを保護するというものでございまして、地理的表示制度を導入するというものでございます。 また、海賊版・模倣品対策につきましては、従前御意見いただきまして、アーティストなどと協力した啓蒙活動、アウトリーチを行ってはどうかというものがございましたが、こちらも各府省と調整中ということでございまして、ここには記載していないところでございます。 10ページ、世界市場を狙うコンテンツの企画開発でございます。別所委員からも御紹介がございましたように、先日、ベルリンの国際映画祭の短編部門で、日本人の和田淳監督がアニメで最高賞に続く銀熊賞を受賞したというニュースが入ったわけでございますが、こちらはフランスの製作配給会社なのでフランス映画の扱いといったことで、必ずしも日本のビジネスにはつながっていない状況でございます。そのような日本人の創造性が世界市場で評価されて、ビジネスにつながるようにするためにも、こういったコンテンツファンドを通じて、海外展開の成功事例の創出を加速するといったことが必要ではないかということで、書かせていただいているところでございます。 11ページ、クールジャパン人財の育成といったところでございます。2つ目のポツでございますが、クールジャパンの人財育成の関係で、子どもたちがさまざまな表現手法を通じてクールジャパンを体験するワークショップを開催してはどうかということで、これも前回御議論いただいたことを踏まえての表現とさせていただいておるところでございます。 また、留学生についても日本の知財制度を正しく理解する必要があるのではないかという御意見をいただいたところでございますが、大学において留学生を含む学生が知的財産を正しく理解して、創造性の育成あるいは知的財産を尊重する態度を身に付けることができるようにするための各大学の取組を促進するといったことも書かせていただいておるところでございます。 これら特にクールジャパンのところの表現につきましては、外交的な配慮などもございまして、外務省と引き続き表現は調整してございます。 骨子案については以上でございますが、本日、委員限りの資料といたしまして資料2−3をお配りさせていただいてございます。こちらにつきましては知財本部にはコンテンツ強化専門調査会、競争力強化・国際標準化専門調査会の2つが設けられているわけでございますが、それぞれの調査会でおまとめいただいた提案を踏まえまして、政府として知財計画2012をとりまとめる予定でございまして、知財計画2012の骨子のまとめに当たりましても、この両専門調査会の提言をまとめて企画委員会で議論をして、知財本部で決定するといったものでございますが、総論部分を抜粋して御紹介しておるものでございます。 ごく簡単にコンテンツ関係部分のみ御紹介させていただきますと、2ページの最後から3ページにかけまして、情勢認識といたしまして我が国のコンテンツというのは強い国際競争力を持つ優れた知的財産である。そして、日本の文化の詰まった魅力的なクールジャパンの国内外への展開を通じて、日本の存在感と発言力を高めるソフトパワーを強化することができるということ、あるいはクラウドコンピューティングなど、次々に新たなビジネスモデルが登場していく中で、新たなビジネスチャンスを創造できるということについて記載してございます。 3ページの下の方でございますが、これまでの10年間を振り返った取組といたしまして、G8サミットでACTAを提唱し、偽造品撲滅への国際協力が始動したことや、あるいは4ページ目にありますが、最近の主な成果といたしまして、クールジャパンを政府として統一的に進める体制の構築や、コンテンツの海外展開を支援するAll Nippon Entertainment Worksの設立を決めたことなどに言及しております。 その上で6ページ目ですが、このような認識や成果を踏まえまして、知財計画2012では日本を元気にするコンテンツ総合戦略を力強く推進することを示しているところでございます。 こちらの資料2−3は御参考にお示しさせていただいておりますので、御意見等がございましたら直接事務局までお知らせいただけると幸いでございます。 長くなって恐縮でございましたが、以上でございます。 ○中村会長 ありがとうございました。 今、説明がありましたとおり、この調査会では計画2012の骨子を決定していくに当たっての骨子に盛り込むべき事項をとりまとめていく。そのための素案が資料2−2、芝田さんの言葉を借りると、これが麺とスープとネギとチャーシューということですけれども、これをちゃんと料理していくということでございます。 今、最後に説明がありましたように、資料2−3の骨子の内容も参考にしながら、デジタル化・ネットワーク化関係とクールジャパン関係、2つの柱ですけれども、この2つに大きく分けて議論を進められればと思います。 まずデジタル化・ネットワーク化関連について、情勢認識も含めてということですので、資料2−2で言うと7ページまでについて意見、コメント、質問などあればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 大きなキーワードで言いますと2ページにありますところから引っ張っていくと、キーワードとして著作権とクラウド、そのために政策のテーマとして電子書籍、デジタルアーカイブ、情報通信インフラというものがクローズアップされているというのが、本年度の特徴かと思います。 ○別所委員 基本的な質問なんですけれども、これを整理されて書かれたときに、普通の考え方で言うと、最初に書いてあるものが優先順位が高いというイメージが強いんですが、この文書上のオーダリングというか、第一、第二、1〜3、中黒という考え方に関してはどういうふうに皆さんお考えになって、意外とスルーしてしまいがちなんですが、第一に挙がっていることをやはり第一に優先してという意味なのか、並列に3つ大きな柱があるという表現なのか、私は普段、受け取る文書は最初に書いてあることがヘッドラインで重要だと理解をして受け止めるんですが、その辺が受け止める側というか、大臣も含めてでしょうが、どういうふうにお考えなのか。 次は提案なんですが、各文章で措置を実施するとか、検討するとか、流通を促進するというのが施策の具体例として挙がっているんですけれども、ここの中黒の後ろに、例えば提案ですけれども、2010年、2011年にどの省庁がどういうことに着手したとか、どういう具体的なことを現在進行中であるとか、お書きになることは可能なんでしょうか。今、現実に別のものに多分資料になるのかなと、作表されているものがあるとは思うんですが、今後のまとめ方の話なので、どういうふうに私も御提案していいかわからないんですけれども、具体的に3年間の流れをお見せするという話であれば、各中黒のそれぞれが検討していることや促進していることが、2010年はこういうことであった、2011年にそれに着手した、2012年はそれを実行に移すというイメージが伝わるような、勿論、主の目的も省庁の名前が入った方がいいと思いますけれども、こういったことは可能なんでしょうか。 ○芝田次長 後ろの方の質問から申し上げますと、今、進捗状況の点検というものを各省にお願いして、それをまとめつつあります。これは前回も皆さんにご覧いただいているので御承知いただいていると思いますけれども、最終的には○、×、△で表現されますが、その一覧表にはどこまで進んだというチェックが入っていますので、これはどうしてもアイテムが多いこともございますので、そういった別表で御理解いただいた方がいいかなというふうには思いますが、どこまで書けるのかは検討してみたいと思いますけれども、別表で総覧的にご覧いただいた方が、世の中にもわかりやすいかなと思います。 見出しというか、大項目、プライオリティ順かということでございますが、必ずしもそういうふうには思っておりませんで、どれも大事だと思っています。これは要するに今の世の中の状況から見て、大項目の中の1〜3それぞれに大事なアイテムだと思っています。 私が先ほどハイライトと申しましたのは、その中でもアイテムによっては必ずしも施策として成立しないで、むしろ民間ベースでどんどん進んでいるような話もあると思います。やはりここは知財計画ということで、どんどん施策として進められるものというのがハイライトになってくるかなということで私どもも申しましたけれども、別にここでは1〜3という程度の限られた限定的なアイテムであれば、それぞれ大事だというふうに御理解いただいた方がいいのかなと私は考えております。 ○安藤参事官 補足申し上げます。別所委員のご発言の2点目で、今後の段取りですが、実は2段階方式となります。まず3月末までにこの骨子をとりまとめます。そして、5月末から6月にかけて知財計画を作成します。3月時点は各府省にやるべきことを約束してもらいます。まずここがポイントです。次に、5月、6月時点では、幹部の御指示もあって、知財計画は政府の文書としては珍しいのですが、何年までに何を行うかという工程表を付けています。工程表では、政策のアイテムごとに、2年、4年、10年先まで見通して何を行うのか明確に書きます。また、実行できたか否かをフィードバックしながらフォローアップを行います。芝田次長から、「今まさに知財計画2011のフォローアップ作業をしている」とご説明がありましたが、○、×、△がどうなるのかチェックした上で、仮に怠けているところがあれば×を付け、所管大臣から本部会合でご説明いただく。これは霞が関ではあってはならないことですが、きっちりと進捗管理をしていきます。△の場合には、ここを改善してくださいということを明記します。この進捗管理のプロセスを、この調査会でも御議論いただきます。 したがって、「いつまでに何をやるか」というところは、2段階目のテーマとしてお考えいただければと思います。なお、芝田次長からお答えがありましたように、全アイテムに、工程を全部書き込みますと、相当煩瑣で分厚い資料になってしまいます。そうしますと、読みにくくなるといった点もありますので、従来は、計画作成段階で別紙にしています。このように御理解いただければと存じます。 ○中村会長 もう一つの点の優先順位といいますか、どういう順番にするのかということについて、もし後段の議論の中でも結構なんですけれども、もっとクローズアップすべきなのではないかとか、先に書いた方がいいのではないかという、編集した方がいいのではないかという意見があれば、それもお出しいただければと思います。 ○中島本部員 今の話題に関連して、実は私は3.のところですが、中身は環境の整備ですが、新ビジネス・新市場の創出というものがテーマではないか。別所委員の言われるような、優先順位としては新しいものをどんどん作っていく、ビジネスをどんどんやるんだ。次項でそういう環境をきちんと整備してバックアップしますよねという順序かなと私は思っております。 ここのところはともすると環境は整備する。あと、新ビジネスとか創出するのは民間の役目で知りませんというふうな冷たい感じにもなりかねないんですけれども、積極的に新ビジネス・新市場を創出するんだという施策、意気込みはここにはないのかなと。これは質問なのか意見なのかよくわからないんですが、ちょっとそんなふうに感じました。 ○芝田次長 先ほど申しましたように、知財計画として施策として掲げるわけなので、直接自分で新ビジネスをつくるということではなくて、環境を整備していくというやや直接的ではないかもしれませんけれども、例えばクラウドなんかでも、クラウドができやすいような環境を整備していくことで、新ビジネスあるいは市場をつくっていくと私は理解しておりますが、そういう意味で我々の志はそこに出ていると御理解いただけないものかなと思います。 ○川上委員 やはり新ビジネスをするのは民間だと思うんです。国の方は環境整備をやるということで、ここで逆にビジネスをつくるということが入ったとしても、私はむしろ空々しくなるのではないかと思います。 ○中島本部員 政府が、国が新ビジネスをつくるという意味ではなくて、もう政府は環境整備をしたから後は育つよねというのではなくて、積極的にどんどんつくりなさいというふうな施策が最初に必要なのではないか。ここですと環境はつくりますよ、あとは知りませんよというところが感じるニュアンスでございます。 ○中村会長 多分、思いのところはずれはないと思いますので、情勢認識、基本認識の辺りにそういう姿勢を強く書き込むということなのかもしれません。 ほかにいかがでしょうか。 ○別所委員 先ほど舌足らずだったと思うので補足をしますと、多分、今度また中村会長が総理大臣にお会いになって御説明をされる内容というのは、2012年の骨子が中心だと思うんですけれども、そこでお願いしたいのは2010年と2011年の冊子もお持ちになって、この3冊をお読みいただきたい。 なぜそう思うかというと、ここに挙げられている内容が間違っているとは思いませんし、素晴らしいんですが、結果的に締めくくられている句読点の前というのは普及促進を進めるとか、検討をするとか、やはりそれは多分3冊並べていろんな部分を読むと、同じ締めくくりで、項目の表現が変わっていても中がどう前進したかどうかというのは別表を見ないと、あるいはそれを専門的に研究比較して考えなければいけないという状況になっているのではないかと理解をしまして、私もそんなに頭がよくないので、要はそれを執行すべき人間である方々が、ここまでこうだったら、ここは重点的にやらないといけないなと思っていただけるような進言の仕方があるのではないか。 これは難しいのかもしれないですが、今おっしゃったように膨大になるので、別表にまとめた方がわかりやすいということもわかるんですが、例えば具体的な例で前回も大多委員が言っていましたし、メインディッシュが何なのか、ここに力点を置いた、北海道の特区なんだということであれば、そういう例だけでも各中黒の中に、それが不平等性に発展する、各省庁のそれぞれ違うことを、どちらかを優先したいと見えるのではないかというような悪しき平等性みたいなことで排除されるのであれば申し訳ないんですが、何らかの表現が、これは今、いみじくも皆さんがおっしゃっているように3年続いていて評価を得て、その後も中長期であるんだということだと思いますので、その辺を何らか私も関わった人間として表現されて、進行しているんだ。そして、それが具体的に成果をもうすぐ生むんだという、まやかしではなくて実態があるんだということをちゃんと伝えるべきなのではないかと思います。同時にそれを執行していく政治のレベルの方々が優先順位を理解していっていただきたいなという思いでのことでした。 ここまでが先ほどの話で、2点目はこの中にあったら教えてほしいんですが、私も何度か言っているんですけれども、インバウンドの意味が5W1Hの主語で言いますと、日本人に向けた施策、日本企業に向けた施策なのか、海外の方でもチャンスを日本でもらえるのかということが非常に不明確な気がします。 例えばベトナム人で非常に科学的な知識を持っていて、法人格を日本で起こすことを応援するんだ。ベトナム国籍であろうがタイ国籍であろうが日本はウェルカムで、もっとそういう人を、日本の中で親日派をつくる意味も含めてやるんだというインバウンドな知財政策なのか、その辺がインバウンドとかアウトとかという話をしているときに、とても私も誤解というか、勝手な解釈をして進んでいるときがあるんですけれども、一部海外の人たちのレジデンスを設けるとか、そういうことはあるんですが、外国籍の法人格あるいは人格の日本への誘致というようなインバウンドの積極的な部分というのは、どこかに盛り込んでもいいのかなという気がいたします。 ○中村会長 まず、今おっしゃった全体のところは私も肝に銘じております。先日も担当の古川大臣、石田副大臣、大串政務官、知財担当の政務三役とお話しする機会がありまして、そこで聞かれましたのが、これまで何を提言してきて、これまでどのような成果が生まれてきたのか。それで今、何を議論していてどうしようとしているのかという議論でございました。 私の方からは、これまで特区、ファンド、電子書籍のフォーマットのことですとか、ACTAですとか、さまざまな成果が生まれつつあるという状況と、ただ、道半ばであるという状況。それから、現在はデジタル化・ネットワーク化とクールジャパンの議論をしているという紹介をしてきたところなんですが、それも1つの情報発信ですけれども、情報発信を的確に強めてまいりたいと思います。 後段の御指摘のところは何かございますか。 ○安藤参事官 「インバウンド」については、訪日観光客という狭義で言うことも多いのですが、私どもは必ずしもそれに限っておりません。例えば、日本の中で、新エネルギーなど新しい技術を生み出すために、国際見本市などに世界中の人が集まってくるようにしかけていくということもあります。これは、昨年のクールジャパンのアクションプランに書き込み、知財計画にも盛り込まれています。 さらに、それを超えて研究者の方にもっと来てもらうということもあります。これは、隣接の政策領域である科学・技術・イノベーションの領域につながってまいります。世界では、優秀な頭脳の獲得競争やブレイン・サーキュレーションが相当激しく行われています。日本は蚊帳の外になりかかっており、科学技術政策の観点からは、危機感はかなり強いものがあります。しかし、そこまで「クールジャパン」かというと、ちょっと遠くなってまいります。一方で、ご指摘の視点は、政府全体としては極めて大事なポイントですので、関係者ともよく相談をしながら、我々のテリトリーでどこまで書き込むのか、それから、隣接領域でどこまで書き込んでもらうのか、こういうことをよく相談していきたいと思います。 なお、最初のご指摘の方ですが、これまでの3年間の成果は何だったのか。今日は御説明の予定はございませんが、(委員のみの配布)資料2−3は骨子素案の総論部分で、この4ページに大きな8大成果として、この3年で何ができたのかを簡潔に書いています。こういう部分に思いを書いた上で、別途、8大成果として整理していこうと考えています。未だ素案の素案ですので、正式な御紹介まで至りませんが、事務局としてはこういうアイデアを持っていると御理解いただければと存じます。 ○吉羽委員 多分これもここの枠をはみ出すんでしょうけれども、成長戦略という話になってくるのかと思うんですが、先ほどの新ビジネス・新市場の創出の話と、別所委員からありましたような、海外の優れた力を持った人に日本の中で起業してもらうという話に共通するのが、税制優遇みたいな話が1つ必要なのかなと思うんですけれども、先ほどの最初の資料1の表でも、財務省が絡む部分というのは模倣品・海賊版の水際取締みたいなところにすごく限られていて、しかしながら政策の中で税金をどう考えるのかは非常に大きな問題だと思うんです。この辺も含めて考えていく必要があるのかなというふうに、先ほどの話を伺っていて思いました。 ○中村会長 ほかにいかがでしょうか。クールジャパンの話も出ておりますので、クールジャパンも含めて全面について御意見、コメントがあればいただきます。いかがでしょうか。 ○吉羽委員 続けて済みません。 侵害対策の話がネットワーク部分5ページ目と9ページ目のブランドの保護で出てくるんです。それと8ページの上の方に官民を挙げた海外展開の成功事例の創出というものがあるんですけれども、国内の施策に関して言えば、各省庁がいろいろと頑張っていただくことでできる部分は大きいんですが、対外的な部分が事務レベルでの外交交渉だけでなかなか難しい部分もあるのではないかという感じがして、ところが、総理大臣の中でコンテンツについて触れられたのは麻生首相ぐらいしか記憶に残らないんですけれども、鉄道は売りにいきましょうというものがありましたけれども、トップとして海賊版に関する発言であるとか、コンテンツ、これはオバマ大統領が中国にハリウッドの売込みに行ったりというのも最近報道されていましたが、やはりトップがどう発言するかというのは非常に重要なんですけれども、なかなかここの書類の中でそういったことを書き込めることではないんですが、是非とも御説明されていく中で知財を重視されるということであれば、そういった部分で何らか外交の場で発言されていくということも、フィードバックが日本国内にも出てきますので、重要なのではないかという感想を持っております。 ○芝田次長 まず税制の問題は先ほど言った理由で、要するに制度官庁として当たり前に持っている制度ということで、この表の中には入っていないということと、今日は国家戦略室からも来ていただいておりますので、対外的な発信という面でも首脳外交も含めて、今おっしゃっていただいたようなこともお聞きとりいただいて、是非お考えいただければと思っております。 ○杉山委員 最初のところで情勢認識が資料2−2にも資料2−3にも書いてあるんですけれども、これは全く問題ないんですが、もう少し強い危機感を出してほしいという感じなんです。 実は少し引いてみると、今、我々の日本のコンテンツというのは確かになぜ知られたかというところは、ネットによって知られたというのがほとんどなんです。1995年以降だと思うんですけれども、日本製だというふうに強く意識されて、多くの人が日本でつくっているんだということで、そういう流れの中で要するに私の感じで言えば、サイバースペースで負けたらリアルワールドも負けるんだという感じなんです。 そのぐらい強い、これを読んでいくと情勢はだんだんこうなってきて、でも日本にはまだいいところがあるから、これを伸ばせばなんとかなるよね、ぐらいなふうに情勢認識で読めてしまうんです。もっと強い意志、ここで負けたらリアルも負けるというぐらい、なかなか皆さんがそういうふうに感じているかどうか私はわからないんですけれども、私はひしひしと感じるので、もう少し危機感を情勢認識に盛り込んでほしいなという感じはします。 ○中村会長 情勢認識のところは、我々もいろいろとそういうニュアンスをこう変えようとか、アイデアをこう盛り込もうということがしやすいところ。個々の施策になってきますと各省庁の調整があって、どこまで書けるかということなんですが、この情勢認識のところは結構書けるかと思いますので、各委員の方々具体的にこうしましょうというものを、今日でなくても結構ですので、事務局の方にお届けいただければと思います。私どもも考えてみます。 ほかにいかがでしょうか。 個別の事項で1つ質問なんですが、6〜7ページの情報通信インフラの整備のところですが、情報通信インフラの整備の在り方を検討する。これはこの場でも何度か議論になりました。「その検討結果及び民間の取組状況を踏まえ」で終わっているんですけれども、結構役所の文章には珍しい「続く」みたいな感じになっているんですが、ここは何か問題があるんでしょうか。 ○木村参事官 すみません、ここは書きぶりが必ずしも適当ではなかったところでございます。「その検討結果」以下のところは削除していただければと思いますが、その心といたしましては、本件につきましてIT戦略との連携をどうするかといったところが、非常に大きなポイントとなっている表現でございます。情報通信インフラの整備をどう進めるのかというところで、そのところがまだ調整中といったところで書き込めていないというものでございます。 ○中村会長 先ほど冒頭、杉山さんがコンテンツ戦略というのはIT戦略と一体だというお話があったんですけれども、その一体感がここに出ているかどうかというのは、なかなか難しいところがありそうですね。 ほかにどうでしょうか。 ○佐藤委員 先ほど芝田さんの説明を伺って、一度「ふむふむ」と思ったのですが、今、改めて先ほど来、各論の特区の話で、私は一点突破で具体例だというふうに、具体的な成果というのは何とかと思っているのであれなんですが、実は札幌市長とお目にかかって話す機会がありまして、こういうことなのかと思ったんです。 私自身は今回、特区の認定がある程度通ったということは、これにおいてコンテンツの製作であったりとかのさまざまな障壁というものが、少なくとも緩和されるエリアができたんだと思っていました。どうも違うようでして、これから各省庁と道路使用の申請に関して、例えば爆破等の火薬物の問題に関して、具体的に各省庁が持っている権益というか許認可の部分に関して突破していかないといけないということは、ここで1つ成果として主張したくなるものも、実はここ1か月か2か月で骨抜きという表現も適切ではないのかもしれないのですが、実は何も変わらない。 特区の申請をした、受理はされた。さあこれで国際共同製作も推進し、日本の潜在的なコンテンツ製作のポテンシャルで外貨を獲得しよう。さらに観光という部分においても先ほどインバウンド云々の話もありましたが、日本発のコンテンツで誘致をしようというのが始まる前に、既に何の実体効果も伴わないものになる可能性があるのかということに実は驚きまして、私はこのテーブルで論議しているところで、先ほども言ったとおりささやかな成果ではあるけれども、大きな一歩になり得る一歩だと思っていたのですが、それですらかかる実態なのか。なので、あえて文言として残したり、整理するに当たっては何か突破できそうな1点に関してはとことんこだわって、いつまでに成果をおさめていくのだという、ある種の気迫みたいなものを出していかなければいけないのかなと思った次第なんです。それが先ほど来の発言の背景にあるものでした。 ○木村参事官 ちょっと補足させていただきます。 今、佐藤委員から御指摘があった点はまさしくそのとおりでございまして、今、国と地方の協議会という中で、具体にどういう規制の特例措置を受けることができるのかといったことが、国側と地方側で話している。そういった中で今日も警察あるいは消防という話もありましたが、そういうことに規制緩和ができるのかどうかというのは、まさしくこれから議論を進めているところでございます。 知財事務局としてはコンテンツ特区の実現を目指し、札幌市ともお話をし、規制官庁側ともお話をして、札幌市が要望する規制緩和あるいは財政上の支援措置も含めてでございますが、1つでも2つでも実現するように進めていこうというふうに、まさしく進めているところでございます。 ○近藤局長 木村君が今、説明したのは役人答弁で、そもそも札幌の特区を認めるのは全省が了解をして通っているんです。全省庁が札幌のコンテンツ特区を認めましょうと言ってやっているんだから、今度は我々の方は火薬類に対して例えば警察がNOだと言ったら、お前、札幌の特区を認めるときにYESと言ったじゃないか。だからお前はそれを前提として相当程度これはいけるはずだということで認めたんだろう。火薬の中でも超大型のものはいけない。だけれども、粗方のものはいいですよという前提でOKと言ったんだろう。だったら早く認めろよという意味では非常に大きな一歩が進んでいるんです。 一つひとつの今スタートラインに立ったのではないと思います。これは相当大きな一歩だと思います。ただ、一個一個がどこからどこまでどうするかを決め切れていないから、まだ確定をしていないだけで、札幌の方で本当にこれから議論していけば、相当程度私は話は進むので、決してそんなに悲観されることもないと思うし、100の総論より1の各論というのは私がいつも言っていることなので、事務局の中でもまず1個やろうと言っているんです。これは札幌は私は大きな一歩だと思います。 逆に言えば札幌が映画のコンテンツの特区をつくったのに、火薬類取締法は警察ではなくて通産省かな。道路の許可だから警察ですかね。どちらかよく知りませんけれども、それについて例えばだめだと言ったら、今度はその人たちがいろいろな場面で何でだめなのかを言わなければいけなくなるんです。これは私は札幌の特区は決して何も今、指定したのが意味がなかったということはないと思います。大きな一歩だと思います。勿論、火薬類だってそれは超大型のものはいけません。だけれども、このぐらいまでならいいですよなんていうものの線引きが必ずできますから、それをまた我々は後々それでやると言ったんでしょうと。だからちゃんとやれよと言ってやりますので、これは言われるほど悪くはないと思います。 ○佐藤委員 大変心強いお話で、1つの各論だと私も思います。 ○近藤局長 役人的に正確に答えろと言うと、木村さんが答えたような答えになるんだけれども、これできっと大分違います。それで札幌ができたら今度はほかのところはすぐできます。あれと同じでどうして札幌でいいのに京都はだめなのかとすぐ言えますから、札幌にはしっかり頑張ってもらわないと、非常に大事なんです。 今回のこの我々の政策の中もいろんな諸外国で広報をやっていくのも、例えば世界10箇所ぐらいで我々もやっているんですけれども、10箇所あったら全部できるはずないんですが、それでも1個1個やっていくことで、こういうことができるのかとか、こういうことなのねというものを少しずつでも、1個ずつでも各論を進めることが先に進めていけるキーポイントだと思っているので、一つひとつを進めていく。広報のところがもう少し目に見えるようにしろよとか、情報発信が下手だというのは役人の常でありまして、なかなか下手なんです。下手なんですけれども、一生懸命やります。そういうつもりでやります。 ○上田次長 関連で、今のところは8ページのところでインバウンドを下に掲げてありますし、上の方には海外展開に向けた成功事例の創出というものがございます。 例えば上の方を見ますと短期1〜2年と書いてありますのは、何年もかかってできたかできていないかわからないというようにはしないようにしていきたいと考えています。そういう意味で短期というふうにやっておりますし、札幌の方はもう少し議論を煮詰めてどういう表現ができるかというのはありますけれども、この1〜2年でどこまでできるというところをはっきりさせていきたいと思っています。 ○杉山委員 アジアで思い出したんですけれども、先週、個別の話なんですが、うちの大学に来週タイのインラック首相がいらっしゃるとかで、コンテンツの人財育成とか自国のアニメ、ゲーム産業をもっと伸ばしたいということで、見学にいらっしゃるかもしれないという打診が入ったんです。一国の首相が動くというのは大きいなと思っていて、タイも韓国とか日本を見ていてやる気になっているのかなと。そのやる気を見せるために検討だけでも私たちのところに来るんだったら、来るかどうか考えているというだけでもすごいなと思ったんです。 その点、本当何年間か民主党になってから、そういう発言が余り大臣たちからなくて、ちょっとさびしいというか、麻生大臣のときは秋葉原で演説していただいたのもありますけれども、ああいうのは結構頑張ろうという気になるんです。産業も夜中まで毎日頑張っているクリエーターたちが。割と本当に国が取り組んでいるんだったら、そういう方々のレベルで公のところで発言してほしい。現実やっているわけですから。そう思います。なかなか官僚の方々はマスコミの前でそういうふうにパフォーマンスされることはないので、やはり大臣レベルでやってほしいと思います。 ○近藤局長 ありがとうございます。 麻生さんに秋葉原に行ってやりましょうかと言ったのは、私が商務情報政策局長のときに言いまして、更に麻生さんを引っ張り出すために漫画家の人たちと対談をして、さいとう・たかを先生と島耕作の弘兼さんと一緒に対談して、2人に漫画も描いてもらって、これをあげますから総理行きましょうよと言ったら、行くと言ってくれたんですけれども、ちょっと最近では余りないですね。でも、これは個人の好き嫌いもありますから、麻生さんを褒めてあげてください。 ○中村会長 愛読書はゴルゴ13とおっしゃっていますよね。 ほかにいかがでしょうか。 私は1点、御報告を兼ねてなんですが、11ページのクールジャパン人財の育成のところ、2つ目のポツで、子どもたちがさまざまな表現手法を通じてクールジャパンを体験するワークショップの開催を進めるとお書きいただいて、私自身もこういうものに携わっているので非常にありがたい限りなんですが、昨日おとといと私のおります慶応大学で子どもの創作イベント、ワークショップコレクションというものを開催いたしまして、今回は約100のコンテンツづくりのワークショップに集まってもらって開催したんですが、昨日1日だけで5万人来まして、もう完全キャパオーバーなんですが、これはどういうことかと言いますと、そういう子どもたちの創造力、表現力、コミュニケーション力を高めたいという親が物すごく増えている。需要が非常に大きいんですが、供給が圧倒的に少ないという状況でございまして、この全国化ですとか常設化。年に1回我々はイベントでやっているだけですので、常設化みたいなことが政策的に後押ししていただけたらなと思っています。 ほかにいかがですか。よろしいでしょうか。 では、少し時間がありますけれども、今日はこの辺りにさせていただきまして、先ほど来もいろいろな意見が出てまいりましたし、項目の優先順位のこともありますし、情勢認識、総論のところをどう書くかということもあろうかと思いますので、委員の皆様には後ほどでも結構ですので、その他コメント等ありましたら事務局までお寄せいただければと思います。 事務局から連絡事項はございますでしょうか。 ○芝田次長 次回でございますけれども、次回は3月7日水曜日の10時から、知財計画2012の骨子に盛り込むべき事項について、引き続き御議論いただく予定でございます。詳細につきましては決まり次第、また御連絡いたします。よろしくお願いいたします。 ○中村会長 これは合計あと何回ですか。 ○芝田次長 残りあと2回でございますが、予備日も設けてございます。 ○中村会長 ということでございます。まとまりますかどうか。 局長、お願いします。 ○近藤局長 今日お手元に配ってある資料2−3は、この調査会で決めることではないんですけれども、この調査会で議論いただいたこと、競争力の調査会で議論いただいたこと、全体をまとめて知財計画2012としてまとめていくわけですが、そのときの思いをかなり書き込んだつもりでございます。 先ほどもっと危機感を出せという御指摘もいただいたので、これももうちょっと考えますが、特にこれまでのこの3年間の思い、あるいは進展ぶりといったことも含めて、かなりの思いをこの総論に書き込んだつもりであります。これをもう少し今後リバイズをしていきますので、是非見ていただいて、ここはもっとこう書けよというような御指摘があったら、事務局の方に御指摘をいただくと非常にありがたいと思います。 私どもではここの総論は相当議論を重ねていまして、内部で大分議論をしながら、もっと危機感を出せよというところも、書き切れないところも少しあるんですが、皆さんと同じ思いをしながら、例えばIT本部との関連みたいなところも、私が大学の先生だったらもっと書くのになと思うようなところもあるんですけれども、行政官として書けるぎりぎりのところはこんなところかなというつもりで大分まとめたものでありますので、是非御一読いただきたいと思います。 これは素案の形で3月末にとりまとめるまでは表に出しませんので、バックシートの方にはお見せできないのは恐縮ですが、メインシートの方も取扱いには御注意をお願いしたいと思います。ありがとうございました。 ○中村会長 どうもありがとうございました。 では、閉会いたします。 |