コンテンツ強化専門調査会(第4回) 議事録
○中村会長 では、ただいまから「コンテンツ強化専門調査会第4回会合」を開催します。よろしくどうぞお願いいたします。皆さんとはたびたびお目にかかっているのですけれども、この専門調査会としては今年初の会合ということでございます。明けましておめでとうございます。 今日は、会場が非常に広く見えますのは、非常にたくさんの7つの府省の方にもお越しいただいているということでございまして、第4回になりますが、第2回から今回の第4回までの会合では、知財計画2011の進捗状況に関する担当府省ヒアリングを行うことになっておりまして、前回は「デジタル化・ネットワーク化」についてヒアリングを行いました。今日は、「クールジャパン」についてヒアリングする予定になっております。 なお、今日は、大ア委員、大多委員、角川委員、川上委員、佐藤委員、吉羽委員から欠席の連絡をいただいております。 また、知財戦略本部員から、中島本部員、中山本部員、三尾本部員に御出席いただいております。ありがとうございました。 さらに、担当府省から、順に読み上げてまいりますが、内閣広報室の加治内閣参事官、国家戦略室の小田企画調整官。 総務省の情報通信作品振興課竹村課長、国際放送推進室島村室長、事業政策課古市課長。 外務省の総合計画課小野課長、知的財産室彦田室長。 文化庁の著作権課永山課長、国際課佐藤課長、芸術文化課舟橋課長。 農林水産省の新事業創出課遠藤課長、輸出促進グループ西村課長補佐。 経済産業省生活文化創造産業課渡辺課長、少し遅れておられるようです。文化情報関連産業課伊吹課長。 観光庁の国際交流推進課貴田観光渉外官に御出席いただいております。ありがとうございます。 担当府省の方も、所管の枠を超えて自由にここで発言いただければと思います。 では、まず近藤局長にごあいさついただきたいと思います。 ○近藤局長 皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。本日は、委員の皆様は、お忙しい中、お集まりいただきまして本当にありがとうございます。これが今年に入ってから1回目の専門調査会でございます。いよいよ知財計画2012に向けて、コンテンツで輝ける国に日本がなれるように、しっかりと議論していきたいと思います。 今日は、これだけの省庁の課長の方が来ておられます。これだけの省庁の方々に来ていただくということは非常に珍しいことでありまして、各省の方々にも心から感謝を申し上げます。あわせて、この会議は各省がやっていることにケチをつけたり、もうやめろとか、どこかの会議みたいなものではないのでありまして、むしろ皆さんがおやりになることをしっかりと応援し、それをバックアップしていく、そのお手伝いをしていくというのが主目的でありますので、是非忌憚のない意見交換をさせていただけたらと思います。 昨年はなかなか厳しい年でございました。今年は何とかいい年になれるように、皆さんと力をあわせて前進していきたいと思っておりますので、今日は委員の先生方とあわせて、各省の皆さんにも自由に御発言いただいて意見交換していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。 ○中村会長 では、事務局から資料の確認をお願いします。 ○木村参事官 それでは、資料の確認をさせていただきます。 議事次第に続きまして、資料1といたしまして、「著作権制度上の課題の総合的な検討に関する追加報告」でございます。 また、資料2−1といたしまして、「クールジャパン戦略」。 また、資料2−1(参考)といたしまして、席上配付・委員のみでございますが、「クールジャパン海外イベント(概要)」。 資料2−2といたしまして、「総務省のクールジャパン施策」。 資料2−3は、「外務省のクールジャパン施策」。 資料2−4は、「文部科学省のクールジャパン施策」。 資料2−5は、「農林水産省のクールジャパン施策」。 資料2−6は、「経済産業省のクールジャパン施策」。 資料2−7は、「国土交通省のクールジャパン施策」でございます。 また、資料3−1といたしまして、専門調査会の準備会議の議論の整理(概要)。 資料3−2といたしまして、準備会議の議論の整理。 また、参考資料1といたしまして、前回の主な意見。 参考資料2といたしまして、専門調査会の担当府省出席者。 参考資料3といたしまして、知財計画2012に向けた専門調査会の進め方について。 参考資料4といたしまして、今後のスケジュールでございます。 また、資料番号を振ってございませんが、「『知的財産推進計画2012』の策定に向けた意見募集」という資料も御用意してございます。こちらの方につきましては、現在、知財計画2012に向けまして、広く国民の皆様から御意見を募集してございまして、一昨日から来月6日まで、御意見を募集しているところでございます。本日、御出席の関係者の皆様方、また本日、傍聴に来ていただいておる方々も含めまして、積極的に御意見をいただければと思っているところでございますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○中村会長 ありがとうございます。よろしゅうございますか。 今日は、アジェンダが3つありまして、1つがコンテンツ政策の非常に重要な柱の一つである著作権について、著作権制度上の課題の総合的な検討についての追加報告を文化庁からいただく。2つ目が、知財計画2011のクールジャパンに関するフォローアップ。これは、各府省から御報告いただいた上で議論する。3つ目が、コンテンツ強化専門調査会の準備会議をこれまで開いてまいりました。そこにおける検討の整理。つまり、2012に向けての方向性を議論する。この3つでございます。 まず最初に、「著作権制度上の課題の総合的な検討に関する追加報告」を文化庁からお願いしたいと思います。よろしくどうぞ。 ○文化庁永山課長 それでは、著作権課でございます。お手元の資料1に基づきまして、著作権制度について、これまで知財計画などでいろいろ御指摘いただいております。その課題の幾つかにつきまして、昨年12月から今年1月にかけまして、審議会の中での議論がある程度整理された部分がございますので、その内容を中心に追加で御報告させていただきたいと思います。 資料1の中に入る前に、従前より御指摘をいただいております権利制限の一般規定、またアクセスコントロールを含めた著作権保護技術の回避機器に対する規制の見直し、この2つの事項につきましては、文化審議会におきまして昨年1月に御報告いただいているところでございます。現在は、今年開かれます通常国会への提出も視野に入れて、それを目指し現在、準備を進めているところでございます。 それでは、資料の方に基づきまして御説明させていただきたいと思います。 まず、1点目が電子書籍の関係でございます。資料の1ページからになります。 電子書籍の問題につきましては、もう一昨年になりますが、平成22年3月から6月にかけまして、いわゆる三省懇において、@からBの事項について、文化庁の方で著作権に関する課題として検討するようにという検討事項の整理がなされました。それを受けて、一昨年11月、検討会議を設置いたしまして、1年間にわたりまして検討を行った結果、昨年12月に報告書が取りまとめられたという経緯になってございます。 報告の内容でございますが、1ページめくっていただきまして、2ページになります。 1つ目の検討課題が、国会図書館の方が所蔵資料のデジタル化を進めております。そのデジタルアーカイブ資料の有効活用方策ということで検討をしてきたのが、検討事項@でございます。 時間の関係で結論の部分だけを御説明しますと、2つ目の四角囲いの2つ目の丸になりますが、国会図書館のデジタル化資料について、将来的には各家庭までの送信ということを目標としつつも、そのためには一定の条件整備が必要ということで、それに向かう第1段階として、まず国会図書館の資料を一定の範囲、条件のもとに、地域の公立図書館で利用可能になるような著作権法の改正を行うことが適当というまとめになってございます。著作権法改正というのは、権利制限により、無償・無許諾で可能にするような法改正を行うことが適当という内容になっております。 対象出版物の範囲につきましては、民間市場に対する影響も考慮いたしまして、市場において入手が困難な出版物を対象に、利用方法としては、公立図書館における閲覧とともに、一定の条件下のプリントアウトを認める内容になってございます。この点につきましては、次の著作権法改正、先ほど一般規定とアクセスコントロールの話を申し上げましたが、その中に盛り込みたいと考えております。 また、2つ目の検索サービスにつきましては、国会図書館のデジタル化資料の全体を検索対象とする本文検索サービスの提供が必要、提供するということでございます。 1枚めくっていただきまして、3ページが検討事項A、権利処理の円滑化についてでございます。これについては、上の四角囲みにありますように、中小出版社など多様な主体によるビジネス展開の実現、また権利者不明作品などの権利処理の円滑化を図るための仕組みの整備が必要ということ、具体的には下に書いてございますような3つの点を中心とした取組みにつきまして、現在、出版社を中心に出版デジタル機構の検討というものも行われておりますが、そういうものと協力・連携しながら、こういう機能、取組みというものの実現を図っていくことが重要というものでございます。 3つ目の検討事項は、4ページ、出版者への権利付与に関する事項ということになります。この問題につきましては、出版者への権利を認めることによって、流通と利用の促進の観点からは、権利を認めることによって、権利処理の進展につながるという御意見、また、権利を認めることによって、さまざまなネット上の権利侵害の対応について、出版者が主体的に取り組むことができることにつながるということから、出版社に対して著作隣接権を付与すべきという意見がございます。 一方で、真ん中の2つの四角囲みのところになりますが、そういう意見に対しては、流通と利用の促進という観点から、更に電子書籍市場に与える影響について、さまざまな検証を行う必要があるのではないか。また、右側にありますが、権利侵害の対応という観点からしても、隣接権付与というやり方以外の方策としても、幾つか考えられるのではないかという御意見がございまして、これについては、今後、更に専門的な観点から検討を行う予定にしております。 電子書籍関係は、以上にさせていただきたいと思います。 次に、5ページになります。「1 はじめに」の2つ目の黒ポツをごらんいただきたいと思います。この問題は、知財計画の中で、当時「電車男」の問題が議論になった際に、インターネットを通じて複数者が創作に関与した著作物の利用に係る課題について、立法的措置による対応可能性、契約による対応可能性、そういう面からの検討が必要であるということから、審議会の中に契約・利用ワーキングチームというものを設置いたしまして、2年間にわたりまして御検討いただいた結果の概要が、この5ページ以下の資料になってございます。 これにつきましても、時間の問題で詳細は省略させていただきたいと思いますが、まず7ページをごらんいただきます。 (1)が複数創作者関与著作物の取扱いについて、立法的な措置の対応可能性を検討した点を整理したところでございます。A、Bという2つの立法による解決の可能性を検討いたしましたが、例えばAのやり方、何らかの著作権法上のルールを設定するということでございますが、それについては、仮に立法したとしても、矢印の2つ目になりますが、個々の創作者の寄与度の把握が極めて困難であるという課題の解決にはつながらないことから、一長一短がある。 また、Bの特定者に権利を集約するとする立法措置につきましても、条約との関係など、さまざまな課題があるということから、現時点において立法的な措置による問題の解決は難しいのではないかというのが基本的な考え方になります。 一方、1枚帰っていただきますと、6ページ、今、民間事業者におきましてさまざまな創意工夫が行われております。利用規約によるさまざまな工夫、またクリエイティブ・コモンズのように、個々のサービスの枠を超えたような取組みが行われておりまして、現時点におきましては、そのような民間の創意工夫による対応を促すということが、問題の解決には合理的であるというのが、このワーキングチームの基本的な整理になってございます。 非常に簡単でございますが、この問題につきましては以上でございます。 最後に、9ページ以下に間接侵害の問題の資料を付けさせていただいております。 この問題は、(1)問題の所在のところにございますが、著作物の直接利用者、直接行為者以外の関与者、いわゆる間接行為者に対して、著作権法上の民事的な差止請求を行うことができるかどうかについて、その取扱いが現行著作権法上、明確ではないということから、間接侵害の問題として立法的な措置の必要性も含めて検討を行ってきたところでございます。 検討につきましては、文化審議会の中の法制問題小委員会司法救済ワーキングチームにおいて検討を行っていただいてまいりました。今年1月12日に、資料にございますような形で、考え方を整理したペーパーを取りまとめた段階でございまして、これから法制問題小委員会という公開の審議の場で本格的に御検討いただく予定になってございます。 考え方の整理のポイントだけ御説明したいと思います。10ページをごらんいただければと思います。 間接行為者の中で、(1)差止請求の対象についてということで、最後のところになりますが、このワーキングチームとしては、差止請求の対象は直接行為者、直接利用者に限定されるのではなくて、立法論としてということになりますが、間接行為者に対しても差止請求の対象とすべきという考え方で一致しております。 また、(2)間接侵害が成立するための前提として、そもそも直接行為者の直接侵害行為が成立しているかどうかを求めるかどうか、必要かどうかという点につきましては、一番下のところになりますが、直接行為者による侵害の成立を前提とする考え方、いわゆる従属説という考え方が適当というのが、このワーキングチームの考え方でございます。 11ページがこれから一番議論になる部分だと思いますが、具体的に間接行為者の行為の中で、差止請求の対象となる行為がどういうものかというのが、四角囲みでまとめられております。そこにあります3つの類型について、差止めの対象とすることが適当ではないかというのがワーキングチームの考え方でございます。 1つ目が侵害専用品ということになろうかと思いますが、専ら侵害の用に供される物品、プログラムも含みます。また、場の中にはウェブサイトなどが含まれます。そういう侵害専用の物品などを提供するもの。これが1つ目の類型ということになります。 2つ目の類型が、そういう侵害専用品に当たらない場合であっても、そこにありますように、侵害発生の実質的危険性を有する物品・場を、侵害発生を知り、または知るべきでありながら、その防止のための合理的な措置をとることなく提供する者、これが2つ目の類型になります。 3つ目が、そういう物品・場を積極的に誘引する態様で、提供する者。 以上、この3つの類型について、間接行為者として差止請求の対象にすることが適当ではないかというのがワーキングチームの考え方の整理でございます。ただ、これについては、さまざまな御議論が法制問題小委員会の中でも、まだある問題でございますので、今後、本格的に検討を進めていきたいと考えております。 非常に雑駁な説明で申しわけございません。私からは以上でございます。 ○中村会長 どうもありがとうございます。ただいまの説明に関して、御意見、御質問、ありましたら、お願いいたします。どうぞ。 ○中山本部員 間接侵害についてですが、私はここに書いてあることは、これでおおむねよろしいかと思います。ただ、現在のデジタルあるいはネットの発展状況を考えますと、この間接侵害規定に起因して、ネット技術あるいはネットビジネスの阻害にならないような方向で是非検討していただきたいと思います。 ○中村会長 電子書籍については、この場でも何度も議論があったところで、それについての著作権制度上の課題の整理もしていただいて、次のステップに進むということですので、どうぞひとつよろしくお願いいたします。 もし、ほかによろしければ、次に進みたいと思います。ありがとうございました。 では、続いて2つ目のアジェンダ、「クールジャパンに関する担当府省からのヒアリング」ということでございます。これは、担当府省から順にヒアリングを行いまして、最後に議論、討論を行いたいと考えております。 まず、事務局から全体の説明と、内閣官房による施策の説明をお願いします。 ○筬島企画官 内閣官房でございます。資料2−1、及び委員限りとしてございますけれども、資料2−1(参考)という2つの資料がございます。いずれもA4横でございます。これにつきまして、内閣官房のクールジャパンの取組みを御説明申し上げたいと思います。 まず、資料2−1の1ページ目でございますけれども、下に円でサイクルを書いてございますけれども、クールジャパンの発信、拡大、基盤整備、発掘・創造を行っていくという趣旨でございます。これをもちまして、日本が再び立ち上がって世界で輝く。このために関係府省と連携しまして、多様な施策を行っているところでございます。 現在推進している施策の具体的な例としまして、2ページ目でございますけれども、まず札幌コンテンツ特区の指定という項目についてでございます。 総合特別区域法に基づきまして、昨年、先月12月22日に、総理を本部長とします総合特別区域推進本部におきまして、特区の指定第一弾、33区域ございましたけれども、この1つとしまして札幌コンテンツ特区が指定されたところでございます。これは、知財計画2011に盛り込まれておりますコンテンツ特区の創設、大型映画の誘致・撮影の促進を実現するものでございます。 そういった中で、具体的にアジアのコンテンツ産業の拠点都市を目指すという目的のために、まず第1には、ロケに伴う撮影許可の規制の緩和。2つ目としましては、ワンストップで海外からのロケ撮影隊等の支援を行う体制の整備を行うということを目的にしてございます。 今後でございますけれども、申請者、札幌市でございますが、札幌市と関係府省が具体的協議を行いまして、計画を詰めてまいります。私ども内閣官房知財事務局におきましても、これらの協議が円滑に進みまして、今回は札幌でございますけれども、札幌に続く都市が名乗りを上げるような成功事例をつくるということのために、取り組んでまいる所存でございます。 続きまして、同じ資料の3ページ、クールジャパンを活用した日本ブランド復興キャンペーンでございます。今年度の2次補正、3次補正予算で復興キャンペーンを実施してございます。 まず、左上でございますけれども、ロゴ・メッセージを活用したイメージアップということでございます。今日は、事務局、委員の方々にバッジを着用いただいてございますけれども、佐藤可士和さんをデザイナーとしまして、ロゴ・メッセージ、統一的な発信のために制作してございます。まず、こういったロゴ・メッセージを中心としまして、政府のクールジャパンの統一的な発信を図っていくということでございます。また、海外メディアを活用した発信、あるいは国内外でのイベントを通しまして、クールジャパンの戦略的な浸透を行ってまいるということでございます。 特に、本日、海外イベントにつきまして具体的な御説明でございますけれども、資料2−1(参考)としまして、委員のみのクレジットを付けてございますけれども、こちらをごらんいただきたいと存じます。 全体で10の事業類型を今回選定してございます。クールジャパン、各分野がございます。このクールジャパンの各分野につきまして、相手国の関心とか相手国の中での市場動向を踏まえまして、各対象候補と目的を絞り込みまして、成功事例の実現に向けたイベント展開を行ってまいるというものでございます。各国ごとの特徴に合わせまして、分野の展開を図っていくという目的意識を持ってございます。その上で、世界全体でのイベントを俯瞰した場合には、日本としてのクールジャパンの全体像が発信できるということで、10の事業を組み立ててございます。 具体的には、例えば1ページ目の事業1.日米桜寄贈100周年にかかわる日本文化発信事業でございます。こちらはいろいろな事業がございますけれども、一番の目玉としましては、米国における日本人特許の第1号、昼花火と申しまして、落下傘花火のもう少し大きな、派手なものでございます。これがアメリカにおける日本人の第1番目の特許でございます。この再現を今回行うということでございまして、その再現を行った上で、伝統に裏付けられた日本の技術力を、米国において再度アピールしたいというものでございます。 あるいは、同じページ、事業2の中国における日中文化交流フェスティバルでございますけれども、こちらは2つの内容に分かれてございます。 まず、アニメを中心とする映像コンテンツを、中国の映像分野の名門校であります北京電影学院、日本で言う芸大に相当するようなアカデミックなところでございますけれども、こちらのホールにおいて上映を行うということでございます。中国のコンテンツ産業を今後担っていく若者の一番の名門校におきまして、アニメを中心としてコンテンツを売り込んでいくものでございます。 また、シンポジウムでございますけれども、中国科学院におきまして日中の経済分野の有識者に登壇を願うものでございます。こちらにつきましては、同じく日本のコンテンツとか産品を中国へ展開していく場合の障害の除去を含めまして、今後、日中の経済交流の活性化のための提言を行っていただくというものになってございます。 以上が事業2でございまして、おめくりいただきまして、事業3.ロシアにおけるポップカルチャーや伝統文化ステージイベント事業でございます。こちらは、特にモスクワを中心に現地の若者に人気の高い日本のポップカルチャー、ロックバンド等でございますけれども、そういった音楽を中心とするようなポップカルチャーの紹介を行っていくというものでございます。 数が多うございますので、3ページに飛んでいただきまして、事業7.インドの日印国交樹立60周年記念イベント事業でございます。特にインドにおきましては、ハイテク、日本の先端技術についての関心が高いところでございますので、日本の先端技術の紹介というものを中心としたイベントを開催いたします。 また、次の4ページでございますけれども、事業10.イギリスにおける日本の食材・飲料PR事業でございます。ロンドンの伝統行事にセント・パトリックス・デイというものがございます。これはアイルランドの祭でございますけれども、ロンドン市内でパレードを行いまして、いろいろな食糧の屋台がたくさん出るものでございます。そこに参加しまして、パレードにおきまして、日本の祭を中心とした日本の文化の紹介を行うこと。あわせまして、日本酒とか日本食材の認知の向上を目指したイベントの実施をしてまいります。 こういったように、各国の特徴、文化、関心、市場等に応じてのイベントを多面的に展開してまいるというものでございます。 最後、5ページ目でございますけれども、結果の報告として、これがプレイベントの形でございました。昨年12月24日から27日に、香港のフードフェスティバルに農水省とJETROの協力を得ましてブースを出展してございます。フードフェスティバルでございますので、日本の食の紹介ということでございましたけれども、ブースの方に約34,000名のお客さんに来ていただきました。その中で、日本の震災復興とか日本食への理解をちょうだいしたところでございます。写真をごらんになるとわかるとおり、日本の展示の方に強く関心を持ってもらったということでございます。 今後でございますけれども、2月から3月にこれら10の類型のイベントを実施してまいります。既に企画につきましては、関係府省の協力を得てございます。また、本日御出席の委員の方々につきましても、イベントへの後援等もお願い申し上げまして、御快諾等、ちょうだいしておるところでございます。引き続きまして、展示物とかイベントのゲスト等につきましての御助言等もちょうだいしまして、より充実した内容にしていきたいと思っておりますので、何とぞ今後とも御支援をちょうだいいたしたく存ずるところでございます。 以上で内閣官房のクールジャパンの取組みの御紹介とさせていただきます。ありがとうございました。 ○中村会長 ありがとうございました。 それでは、総務省、外務省、文化庁、農林水産省、経済産業省、観光庁の順に説明をお願いしたいと思います。各省から説明をいただいた後で、全体議論をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○総務省竹村課長 総務省でございます。資料2−2「総務省のクールジャパン施策」に基づきまして説明いたします。 1枚おめくりいただきまして、まず各種イベントを活用したコンテンツの海外発信ということで、いろいろなイベントへの支援等を行っております。 ATP賞テレビグランプリは、全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)が行います番組の表彰に対して支援しているということでございます。これは特に海外での評価にたえ得る個性的な演出の番組を表彰するという趣旨で開かれてございます。 それから、2番目、国際ドラマフェスティバルでございますが、今年度で5回目のイベントでございます。これは、民放連とかNHK等で構成される実行委員会が主催しているということでございます。国際的なコンテンツマーケットとしての役割を果たすことを目指しまして、海外のイベントとの連携とか、海外でのコンテンツ見本市への出展等も実施しているところでございます。 それから、3番目、東京TVフォーラムでございます。これもATPの主催でございますが、ドキュメンタリーの国際共同製作のためのビジネス・マッチング・イベントとして、去年12月に開催されたものでございます。 それから、3月に予定されておりますAsian Side of the DOCということでございます。これは、フランスのSunny Side of the DOCというところが主催しているものでございまして、ドキュメンタリー分野での国際共同製作のビジネス・マッチング・イベントでございます。これは2010年に初めて香港で開かれまして、昨年はソウルで開催されたのですけれども、3回目ということで東京に招致いたしまして、世界中からコンテンツバイヤーとかメディアの関係者が来日いたしまして、日本の番組制作者が番組の企画をプレゼンして国際共同製作のビジネスマッチングを図るイベントでございます。 毎回、世界中から500人ぐらいのメディア、バイヤーが来ているということで、国際共同製作の促進に期待しているところでございます。 それから、資料に書いてございませんけれども、知財計画2011の方でコンテンツの海外展開のプラットフォームを検討することになっておりまして、それについても今、検討しているところでございます。 それから、テレビ国際放送につきましては、国際放送推進室長の方から御説明いたします。 ○総務省島村室長 テレビ国際放送の概要という2ページ目をお開きいただきたいと思います。 テレビ国際放送につきましては、諸外国において、テレビによる対外情報発信を強化する動きが活発化する中で、我が国の放送法を平成19年に改正いたしまして、平成21年2月からNHKワールドTVという24時間英語の外国人向けテレビ国際放送をリニューアルしております。これは、我が国の文化・産業等の事情を海外に紹介し、我が国に対する正しい認識を培うことによりまして、国際親善の増進や外国との経済交流の発展等を図るものでございまして、クールジャパンと趣旨を同じくするものであると考えております。 総務省といたしましては、放送法に基づきまして、要請放送に係る費用をNHKに交付しております。平成19年度以降、テレビ国際放送に係る交付金を増額してきておりまして、平成23年度の予算額で言いますと、約24.5億円の交付金をNHKに交付しているところでございます。このような取組みなどによりまして、NHKにおいて受信環境の整備を順次進めてきた結果、直近のデータで申し上げますと、昨年11月末現在で約130の国・地域、約1億4,612万世帯でNHKワールドTVが視聴可能となっているところでございます。 簡単ではございますが、総務省からの説明は以上でございます。 ○外務省小野課長 続きまして、外務省でございます。外務省としましても、外交力の強化のみならず、関連産業の海外市場展開を支援するという観点から、クールジャパンに関する取組みを進めているところでございます。 まず、本日、お手元に配付しました資料2−3にありますクールジャパン支援現地タスクフォースの立上げについて御報告申し上げたいと思います。 こちらは、昨年、11か国、13都市で、大使館、在外公館、総領事館を核とした海外の重要拠点における関係機関、諸機関、団体の情報共有、連携の体制を整えたものでございます。より具体的には、現地にいます日本関連団体の中核としての大使館や総領事館の役割を生かす観点で、国際交流基金やJETRO、JNTOといった各分野の関係機関の海外事務所のみならず、商工会議所や日系企業、日本人会、現地の企業関係者、日本文化の関連団体に御参加いただきまして、情報共有とともに具体的な連携や協力を行っていく本部。 すでに、順次、現地での会合は開催されてきておりまして、東京でのこういった会議の議論の方向性とか各省庁の取組みを紹介しながら、各団体が実際に企画しております現地での関連事業とかイベントを情報共有したり、また今後のクールジャパン展開の方策に関する意見交換などを行ったりしているところでございます。 それ以外にも、在外公館を通じまして、外務省としてもさまざまな活動を行っているところでございますが、本日、お手元の資料はございませんけれども、この場をかりまして3点ほど御報告申し上げたいと思います。 第1点目が、今年度より実施しておりますクールジャパン発信事業でございまして、文化とビジネスと融合する試みということで、日本のクールジャパンの各分野の専門家を海外に実際に行っていただきまして、現地の関連の業界団体の方を対象としまして、講演会やネットワークでの会議など、交流会といったものに御参加いただいております。これまでにサンフランシスコにファッションブランドのデザイナー兼プロデューサーを派遣いたしまして、業界関係者を対象にファッションショーとか講演会、展示交流会などを実施しております。 また、シンガポールでは、アニメ、漫画の専門家の方に来ていただき、また北京でもアニメの関係者の方に来ていただいております。また、オーストラリアでも音楽分野の方に来ていただいて、同じような関係団体との意見交換やイベントなどを実施してきております。今後も、こういった重点地域におきまして、順次実施していく予定でございます。 2点目は、既に一部御説明がございましたけれども、周年事業等、各種イベントでの省庁連携によりますクールジャパン事業の実施への戦略でございます。例えばフランスのJapan Expoという20万人を集める非常に大きなイベントがございますけれども、そちらには関係府省とも連携のもとで、外務省としてクールジャパンを含む日本文化の発信事業を実施してきております。 昨年、2011年は、当省と経産省、農水省、観光庁、そして国際交流基金との連携のもとにExpoに出展いたしまして、共同記者会見も行って、日本の文化の魅力を総合的に発信していく機会を持ったところでございます。また、日本の食や観光につきましても、その場で風評被害対策という観点も兼ねて取組みを実施いたしました。 また、先ほども御説明がございましたけれども、今年は日米桜寄贈100周年ということで、さまざまなイベントが全米で予定されておりますが、御紹介があった内閣官房の方でのクールジャパンを活用した日本ブランド復興キャンペーンのイベントとも連携しながら、また外務省としてもイベントを行います。 また、関係省庁の連絡協議会というのも開かせていただいておりまして、できる限り各団体が有機的な連携やタイアップができるような仕組みを整えているところでございます。 3点目は、地方公共団体の連携でございまして、大使館や総領事館、また大使や総領事の公邸等におきまして、地方自治体との共催によりまして、地方の物産や観光等のプロモーション活動を実施しているところでございます。 以上、簡単でございますが、最後に1点だけ申し上げさせていただければ、既にこちらの準備会合等でも申し上げているところでございますけれども、外務省の玄葉大臣といたしましては、就任されて以来、クールジャパンを超えて日本の価値や文化を積極的に発信していきたいということも説明しております。その趣旨は、クールジャパンを否定するというよりは、むしろそういったものの背景にある日本の製品や技術、ポップカルチャーといったことの底流にある、日本が持っている価値。例えば勤勉さとか忍耐強さ、誠実さといったものを広めたいという趣旨でございます。 各省の持ち味、強みを生かすという観点でも、外務省としては大使館や総領事館といったところをベースといたしまして、できる限り現地のメディアや現地の団体を巻き込む形で、個別のクールジャパン事業の成功を、外国の現地の視点からも、ある意味自発的に高く評価してもらえるような仕掛けをつくりまして、日本を国際社会が見習うべきモデルとなるように位置付けられるよう、工夫することを今後ともやっていきたいと思っております。そういった形で、できる限り全体的な増進に努めていきたいと思っているところでございます。 以上でございます。 ○文化庁佐藤課長 文部科学省でございます。文部科学省のクールジャパン関連の主な取組みということで、計画に登録されている事業の関係について、主なものを御説明させていただきたいと思います。 1ページでございますが、全体的に一覧表にしております。適宜、それに対する文書を2ページ以降に付けているところでございます。 まず、これまで実施した主な文化庁主催事業でございます。1点目は、文化芸術の海外発信拠点形成事業ということで、23年度新規事業で、いわゆるアーティスト・イン・レジデンスへの支援ということでございます。 2ページにその概要を付けておりまして、アーティスト・イン・レジデンスへの支援というプログラムと、補助対象事業のAにあります関連事業ということで、関連イベントについて支援する形にしております。 23年度は、3ページにありますように、アーティスト・イン・レジデンス、国内関係20件、採択いたしました。それから、関連事業につきましては7件ほど採択いたしまして、特にアーティスト・イン・レジデンスにつきましては、今後、各地の文化創造と国際発展拠点をつくり、あるいは今後、ネットワークにつなげていくようにしていきたいと思っております。 24年度予算案上は、新規4件、関連事業3件ほど募集できるような形かと思っておりまして、現在、募集を開始しているところでございます。 それから、2番目、メディア芸術祭、海外展ということで、4ページでございます。 文化庁では、メディア芸術祭ということで、毎年、特に4分野、アート、エンターテインメント、アニメーション、漫画等、優れた作品を募りまして、文化庁メディア芸術祭賞を顕彰しています。特に、受賞作品を中心にしまして、下段にありますような文化庁メディア芸術祭海外展というものを実施しております。今年度は、ドイツの方で9月に行いまして、今後、メディア芸術祭につきましては、上に書いてありますように、2月以降、受賞作品の展示会等を行う予定にしているところでございます。 それから、5ページでございますが、ヨコハマトリエンナーレということで、基本的には横浜市主催で、これに対して文化庁の方から支援させていただいておりますが、8月から11月まで開催いたしました。入場者は、33万人来場されたと聞いているところでございます。 それから、国際会議関係、6ページでございます。これは文化庁主催で、東アジア共生会議ということで、今年度初めて行いました。 開催趣旨にありますように、東アジア各国が共生する未来に向けた理念を明らかにするため、特に東アジア諸国の文化人、芸術家、学識経験者、その他文化に関係する者が一堂に会する会議を持って、関係者同士のネットワークと世界の共生にも貢献する東アジアからのメッセージを発信していこうというシンポジウムを12月に開催いたしました。 プログラムといたしましては、民俗芸能公演。特に、セッションのテーマとしましては、「災害と文化」「東アジア意識の現在と共生の課題」という形で行いました。これもNHK国際放送あるいは国内放送で、下記に書いたような日程で放映していただく予定でございます。 それから、今後の主な主催事業ということで、7ページでございます。世界文明フォーラム2012ということで、これも国際会議、イベントを国内で行う予定になっております。テーマとして、「世代間の公正を実現するために」、今回の震災を踏まえて、「21世紀に我々はどのような地球環境と経済社会の姿を目指すべきか」「それに必要な人間力を養成する上で、文化芸術はいかなる役割を果たしうるか」をサブテーマに、世界各国の有識者による討論を行い、世界においてミニマムなコンセンサスを共有する、あるいはその結果を発信していくという事業を2月6日、7日に、実行委員会形式でこのようなメンバーの方に参画いただいています。 あと、プログラム等、パネリスト等、下に書いてある方々に御参加いただいて、外務省の協力も得ながら、今、準備を進めているところでございます。 それから、8ページでございます。オリンピック競技大会、ロンドンオリンピックが今年ございますが、スポーツ局の方で、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)で行う予定でございます。オリンピックの期間において日本の魅力を発信するということで、文化・観光等、日本の魅力を発信する企画の準備を進めている状況になってございます。 最後、9ページ、24年度新規予算案でございます。東アジア文化交流推進プロジェクト事業ということで、日本、中国、韓国の文化大臣会合の枠組みがございまして、そこで議論を今後進めていこうと思っております。 1つ、プロジェクトとしては、先ほど言った東アジア共生会議の開催。 2つ目で、東アジア共生文化都市開催のための準備事業ということで、今、三か国間で東アジア芸術創造都市という形の、東アジア各国の文化人・芸術家の参加を得て、さまざまな文化活動、芸術活動を開催して、三か国を始めとする東アジア各国からの参加者を得るプロジェクトを協働でやっていけないかということを議論しております。 その内容を10ページに付けております。 今後、まず日中韓で始めていって、将来的にASEANまで拡大することを目指していこうということ。 具体的なスキームは、三か国で文化都市を1つ決めるのか、あるいは同時に決めるのか。あと、テーマについては、いろいろな舞台芸術、公演、美術展、大衆芸能、オーケストラ等々、東アジアの魅力を伝えていけるような形の事業を進めていけないかということを今、検討しているところでございます。今年度は、準備事業として、国内的には調査研究費を取りまして、なるべく早い段階でできるような形で議論を進めているところでございます。 最後、1ページにありますように、その他、関係の実行委員会とかの事業に対して支援等をしているところでございます。 以上でございます。 ○農林水産省西村課長補佐 農林水産省でございます。資料2−5の最初のページをごらんいただきたいと思います。私どもの農林水産物・食品の輸出戦略ということでございまして、昨年11月25日にこういった御提案をいただいたところでございます。2020年には、農林水産物・食品の輸出を1兆円にしていこうという目標を立てております。 一番下の戦略5をごらんいただきますと、クールジャパンとの連携ということで、特に2ポツでございます。各種、いろいろなコンテンツとの組み合わせで、日本食、日本食材の魅力を強く訴えていきたいと思っております。関係府省庁、それから知的財産戦略推進事務局の御協力・御連携をいただきながら進めていきたいと思っております。 特に、先ほどお話がございましたけれども、知的財産法という意味では、ジャパンブランドの保全・公表というところで、商標権等も含めて侵害に毅然と対応していきたいと思っております。 続きまして、遠藤課長から御説明申し上げます。 ○農林水産省遠藤課長 私の方から、2ページ以降の地理的表示保護制度の導入につきまして説明させていただきます。 地理的表示の保護制度ということでございますけれども、地理的表示と言いますのは、左にありますように、鹿児島黒酢、伊勢本かぶせ茶のように、我が国には非常に高品質な地域ブランドがあります。これは、地域に由来します品質や特徴を有する地名を持った地域ブランド産品でございます。特に、我が国は御案内のとおり、非常に歴史もございますし、多様な土地条件、気象条件がございまして、全国に地域ブランド産品がたくさんございます。そういう中で、このような地理的表示を公的に保護して、その信用を高めていこうというのが、この地理的表示の保護制度でございます。 真ん中に制度の概要がございますが、地域の自然的特性を生かした方法、もしくは伝統的な方法によって生産・加工されまして、地域に固有の品質・特徴を有する産品、地域ブランドにつきまして、その品質の基準を満たしているということを公的に保証する。かつ、その基準を満たしていないものについては、そういう名称を使わせないというのが、この地理的表示の保護制度でございます。これによりまして、国内、それから国外、いわゆる輸出する農産物につきましても、そのブランド力、信用力を高めていこうということでございます。 その効果でございますが、右にありますように、高品質の産品に対する適正な評価の確保ということで、実際、この地理的表示の保護制度につきましては、EUを初めとする各国も導入しておりますので、輸出市場での有利性の確保、クールジャパンの一環といたしまして、輸出促進にも役立つということ。 それから、生産者、農業者の方の所得が増加する。 それから、6次産業化の取組みということでございます。今、農林水産省で6次産業化というのを進めておりまして、これは農林水産業、1次産業ですが、農業者が2次産業、製造・加工、それから3次産業、流通・販売まで進出いたしまして、所得の向上、付加価値の向上を図るという取組みで、加工食品やグリーンツーリズム、観光との連携等を取り組んでおります。このような取組みも推進するということの効果がございます。 さらに、海外において、同じような制度を導入している国におきまして、地域ブランドの不正使用の抑止効果が期待できるということがあります。 1枚めくっていただきまして、3ページでございますが、この地理的表示の保護制度につきましては、昨年の食料・農業・農村基本計画、それから知財計画2011に導入に向けて検討を行うと位置付けられまして、昨年10月の基本方針・行動計画により、制度を導入する。さらに、12月の取組方針におきましては、国際的な動向を踏まえ、適切な時期に制度を創設できるよう、平成23年度中に研究会を立ち上げるということで、制度の創設・実現に向けまして検討を加速化していきたいと考えております。 以上でございます。 ○経済産業省渡辺課長 続きまして、経済産業省から御説明させていただきたいと思います。渡辺と申します。資料2−6という横書きの資料をごらんいただきたいと思います。 表紙をめくっていただきますと、クールジャパンの戦略推進事業というものがございます。これは、海外への販路開拓を御支援するという事業でございます。中小企業の方、クリエーターの方、デザイナーの方、こういう方々がチーム、コンソーシアムを組んで海外の販路開拓をする。それを御支援するという事業でございます。現地でパートナー探し、商談会、B to Cのイベント、その後のフォローというのをトータルで支援するということでございます。今年度から始めさせていただいておりまして、全世界で13個やっております。 地図をごらんいただきますと、対象地域は、中国、韓国、東南アジア、シンガポール。横を見ていただきますと、新興国のインド。それから、ヨーロッパ、アメリカ、ブラジルと、各地でやっております。 対象分野でございますけれども、これもごらんいただくとわかりますように、地域の産品とかコンテンツとか生活用品、それからファッション、デザインと、いろいろな分野でやっていただいているということでございます。実際に活動を開始しましたのは、今年度の秋からでございまして、今、民間のチームの方がそれぞれの国において商談会をやったり、B to Cのイベントをやったり、実際に活動していただいているところでございます。成果もはかりながら、今年度内にしっかりやっていきたいと思います。 そういう意味では、私ども枝野大臣、9月にシンガポールに出張いたしまして、シンガポール政府とこの分野での政府間でも強力な枠組みをつくって、民間の海外開拓を政府でも後押しをしようということをやっております。冒頭にありました知財事務局がやっておられます海外ヘの情報発信、風評被害対策、それから現地で外務省を初め、関係省庁がやっておられますイベント等もあわせて、日本をトータルで発信できるようにということで、相談しながらやっております。これが海外の事業でございます。 それから、ページを1つめくっていただきますと、クールジャパンのクリエイティブディレクターということで、これは今、御説明しました、海外でいろいろなプロジェクト、それから情報発信をやるときに、全体の統一的なコンセプトのもとで統一感を持ってやった方がいいということでございまして、民間の有識者の方が中心になってチームを組んでいただいております。 松岡正剛さん、伊藤直樹さん、楠本修二郎さんの3人に御就任いただきまして、海外でのプロジェクト、それから特に力を入れるプロジェクトについて、コンセプトとか情報発信のやり方とかを御指導いただいているということでございます。これが2つ目でございます。 それから、ページをめくっていただきますと、そういう意味で、情報発信、海外販路開拓をするときに、根っことなるような、日本のよさとは何かということのパンフレットを松岡正剛先生を中心に編集していただきまして、現在のアニメから伝統芸能、それから現代のものづくりに一貫する日本のよさは何かということを、いろいろな事例を交えながら編集していただいて、簡単なパンフレットをつくらせていただいております。いろいろな機会に、関係省庁とも御相談しながら配らせていただいております。 もう1ページめくっていただきますと、Cool Japan Dailyというウェブサイトをこの1月にようやく立ち上げまして、これは広くウェブ上でクールジャパンの発信とか、どうやってビジネスにつなげていくかということのアイデアを募集していただいております。立ち上げたばかりでございますけれども、かなりいろいろなアイデアが出てきておりますので、これをネット上で審査する。それから、いろいろな有識者の方にも点を付けていただいて、いいものに対してクールジャパン大賞と言いますか、表彰するようなこともやっていきたいと思います。 それから、最後、ページをめくっていただきますと、伝統工芸の部分も私ども、大変力を入れておりまして、各地の伝統工芸品。皆さん、これからは海外が活路だと言われております。ただ、いいものをつくっているけれども、販路開拓がなかなか大変だという声をよく聞きます。そういう意味で、先ほど御説明しました世界の13プロジェクトの中に、伝統工芸を世界に売り込むプロジェクトもやっております。 6ページの下のところを見ていただきますと、昨年10月に日本全国からいいものを公募いたしまして、これもかなりの数の応募がありました。これを専門のクリエーター、デザイナーの方に選んでいただいて、これからいよいよ売り込みをしようということでございます。2月にニューヨーク、3月にパリで展示会、販売会をやらせていただく予定でございます。 以上でございます。ありがとうございます。 ○観光庁貴田観光渉外官 観光庁です。資料2−7を見ていただきたいと思います。 1枚めくっていただきまして、2011年の訪日旅客数の関係ですが、11月までですが、564.7人ということで、前年比29.1%減という状況になっております。 さらに2枚めくっていただきまして、3.11の東日本大震災があってからの状況ですけれども、前年度645万人、今年度、2011年度に関しましては約404万人ということで、3月12日から11月30日までの間に関しましては37.4%減という状況になっております。3.11の地震があった影響もございまして、日本というのはちょっと危ないのではないかというイメージが付いておりますので、その辺りを払拭するということで、どんな形でやっていこうかと考えております。 1枚めくっていただきまして、訪日需要回復に向けた震災後の取組みということで、安心・安全であるということの正確な情報を発信することが重要であろうと考えております。つきましては、今回、2011年度、観光庁に関しましては、4月から10月まではいろいろな情報発信を中心に事業を実施。10月から3月にかけましては、通常のふだん行っているプロモーションの方を実施しているところでございます。 特に、4月から10月に関しましては、どういう情報発信の仕方が一番効果があるかということで、アンケート調査等を15市場に関してかけております。特にその中で、日本に在住している、もしくは震災後に日本に行ってきた自国民の方の情報発信が非常に効果的であることを受けまして、現在、外務省とか、いろいろなところの協力をいただきまして、主要な方々や今、日本にいる外国人の方のメッセージを、日本政府観光局のホームページなどでYouTubeなどを通して流させていただいております。 2011年度に関しましては、日本ブランド、日本を観光地として、どのように発信していくかということを中心に事業を実施しておりまして、特に10月以降に関しましては、クールジャパンとかの日本の魅力を発信して、更に訪日旅行につないでいく事業を実施しているところです。 ここには載せておりませんが、今後の事業の予定ですけれども、3月1日、2日ごろ、アメリカのタイムズ・スクエアにたくさんビジョンがあるのですが、そういったところで桜寄贈100周年事業と関連しまして、ビジョンに一斉に桜の映像を流して日本のPRを行う。同時期に、ちょうど現地でフードフェアみたいなものをやっているのですけれども、そのフードフェアと連動した形で観光展みたいなものを実施して、訪日旅行のPRをしていこうと考えております。 また、3月にマレーシアでは、パビリオンというショッピングモールがあるのですけれども、そちらでTOKYO STREETという、日本のブランドとかファッションを売っているところがあります。そこのフロアで訪日旅行促進のイベントとかを行いまして、実際に日本の魅力を感じながら、実物の日本に来ていただこうということの取組みも実行していきます。 また、24年度に関しましては、各省庁とかクールジャパンの事業と連携させていただいて、そういうところで現地旅行者をどんどん増やしていければと思っております。 以上です。 ○中村会長 どうもありがとうございました。 説明は一通り終わりましたので、クールジャパンに関する、知財計画2012に向けての議論をさせていただきたいと思います。幾つかポイントはあろうかと思います。例えば、非常に分厚い施策になってまいりましたけれども、海外への情報発信をどのように今後強化していくのか。あるいは、この会議で何度か話が出ておりますが、海外の規制をどのように緩和・撤廃してもらうか。あるいは、今日もたくさんの国の名前が出ましたけれども、対象国はどこに重点を置いていけばいいのかといった、そもそもクールジャパンとは何かという議論もございました。強みは何で、どのように発掘していけばよいのか。 あるいは、たくさん今日、お集まりいただいている関係府省の連携をとうしていくか。いろいろポイントはあろうかと思いますので、どこからでも結構ですので、コメント、御発言、御質問などをいただければと思います。いかがでしょうか。どうぞ。 ○別所委員 一つひとつ、御説明ありがとうございました。私、出席していなかった会合もあるので、ひょっとしたら既に聞き逃していること、あるいは欠席した中で議論されていることなのかと思うのですが、私の確認としては、既に3年、2010、11年度の計画に関わらせていただいて、その計画に基づいて皆さんと一緒に実施していることが何なのか。そして、それを踏まえて2012年度をどうつくるのかという議論の組み立てなのではないかと理解しております。 その中で皆さんにお聞きしたいことは、クールジャパンという名のもとにおいてのオリジナルなものは、皆さんにとって何があるのでしょうか。今、聞いていますと、既存のイベントといったものの、言葉を選ばず言えば、模様替えをして、クールジャパンの装丁でやるように見えるものもあります。それを私は否定しているわけではなくて、それならば、その既存で何回も重ねてきたものを、浸透していることも含めて、どうクールジャパンという観点から活用・応用されるということなのかをお聞きしたいなと思います。 同時に、先ほど言ったように、クールジャパン・オリジナルな新規性のあるものは、顔が変わればいいとか、新しいものをやればいいと、私も思ってはいないのですけれども、それはどこに、各省庁の皆さん、あるいは束ねる国家戦略室として統合的にあるのか、まずお聞きしたいと思います。 そのほか、まだ30個ぐらい質問したいのですけれども、そこからお願いします。 ○中村会長 順番に。 ○別所委員 そうですね。 ○芝田次長 ちょっと時間がかかり過ぎるので、どなたかボランティアの方にお答えいただいたら。 ○経済産業省渡辺課長 経済産業省の渡辺と申します。 確かにオリジナルなものは何かというのは大変難しい問題でありますけれども、クールジャパンの一つの目的は、日本各地で日本人が気が付いていない、いいものを、自分たち、それから海外の方の目で発見して、しかもそれを海外に持っていくということだと思います。 それで、先ほど御紹介しましたように、Roots of Japan(s)というのを松岡正剛さんにつくっていただいたのですけれども、ジャパンはいいものがたくさんある。その宝の山にみんな昼寝をしているようなところもありますので、それを発見しようというのが第1だと思います。別所委員のおっしゃったような、新しい、これからオリジナルなものというのもあると思いますけれども、気が付かずに存在するものもあると思いますので、そういうものを幅広く発見していくというのも、クールジャパンなのかなと思います。 それから、今までとどう違うかということでございますけれども、私ども経済産業省でございますので、これを新しい産業にしていく。それから、これまで海外に出られていない方々の販路を広げていく。特にアジアの新興国を中心に広げていくということでございまして、これは今までいろいろな取組みをやっていますけれども、それが広がっていない、あるいは点が面になっていないということでありますので、そこを今回は、特に中小企業の方、デザイナーの方、クリエーターの方、個人の方、皆さん海外に出ようという感じはすごく出ていますので、それをどうやって後押しをしていくかということです。 済みません、経済の観点からはそういう話だと思っております。お答えにならなかったかもしれません。申しわけありません。 ○芝田次長 ちょっと追加で御説明いただければと思うのですけれども、今おっしゃったように、クールジャパンというのは既に地方にあったりするのだけれども、気が付いていないものを発掘するというのは、とても大事な観点です。そういう意味では、経産省で企画していただいているクールジャパン大賞というのは、すごくいい企画だと思うのです。できましたら、どういうコンセプトで、スケジューリングはどうされているとか、そういうところを少し御説明いただくといいかなと思いますので、よろしくお願いします。 ○経済産業省渡辺課長 ありがとうございます。そういう意味で、冒頭の御質問に少し戻りますけれども、クールジャパンは明らかに広がっていると思います。最初は、クールジャパンと言うと、コンテンツのことを考えられる方が多かったわけですけれども、やはり伝統工芸もクールジャパンだと。それから、自分たちが地域に根差した、昔からやっているものづくりもクールジャパンだと、皆さん、そう思ってきているし、海外の方もそういう目で見てきている。新しいものかどうかわかりませんけれども、ある意味で新しい発見が日本人にあったということだと思います。 そういう意味では、クールジャパン大賞、御質問は、幅広く、特に若い方とか、自分のアイデアを私どもに毎日のように御提案いただいています。そういうものをもうちょっと日本全国から拾い上げたいというのが私どもの考えであります。そういう意味で、ポータルサイトをようやく開きました。 ただ、続々といろいろなアイデアをいただいていますので、これをネットの上で、いろいろな仕組みで投票したり、何人か御協力をいただいているクリエーターの方とかがいらっしゃいますので、1回、それを集約して、点数を付けるというのは大変恐縮ですけれども、ランキングをして、いろいろな形で発表したいと思います。発表の仕方等につきましては、知財事務局ともよく御相談して仕組みを考えたいと思います。 ありがとうございます。 ○安藤参事官 各省庁から先にご発言いただくのも恐縮なので、内閣官房から申し上げますが、もう一度、資料2−1をごらんいただきたいと思います。別所委員からは、「サムシング・ニュー」は何かという御質問をいただきました。 第一に、対象です。従来のクールジャパンは、アニメ、漫画やコンテンツが中心だったわけですが、更にウイングを広げて、ファッション、食、観光、それからハイテクもクールジャパンではないかということで、クールジャパンの対象を広げて、日本の良いものを売り込んでいこうということが、1つ目の大きなポイントです。 第二に、今日の会議をごらんいただくと、この景色は非常に珍しいのではないかと思います。関係府省の大課長がこれだけ多く並んでおいでです。従来ですと、代表してご発言いただいた渡辺課長、経産省の課長がクールジャパンに一所懸命取り組んでこられたわけですが、これに加えて、外務省の方が在外公館を含めたサポート体制を組んでいただいたり、あるいは総務省からもいろいろなコンテンツを提供いただいたり、観光庁も一緒にやろうよということでご協力いただいています。更に、今日は会場にはおいでではありませんが、ジェトロ、日本政府観光局(JETRO)や国際交流基金という実行面で非常にサポートしてくださる方々が、一昨年秋に設けました関係府省連絡会議にご参加いただいています。局長級会議がメインですが、幹事会は課長級で、何でもいいのでよいアイデアを出して一緒にやっていこうよ、という縦割りを排した府省横断的な情報共有と協力の場ができました。それが、今日のこの景色につながっています。本来縦割りになりがちな各府省が横に連携するという、ある意味で我々の中では革命的なところがございます。これが、表には見えないところですが、「サムシング・ニュー」の1つです。 第三に、各府省連携の象徴として、この資料の3枚目に統一ロゴ「JAPAN NEXT」を作り、共通の発信をしていこうということです。 第四に、前後いたしますが、「クールジャパン大賞」を選ぶ仕掛けをしていこうということです。 何が新しいかと言いますと、各省単発であったところを横につなげていこうという取組み。それから、対象においても、アニメなどのコンテンツ中心だったところから、幅広く日本を売り込んでいこうといったところに進んでいることが新しい部分です。 ○別所委員 おっしゃるとおりだと思います。非常に革命的に前進されているのだと思うのですが、既に私が関わって3年経っている時間を考えますと、具体的に何が実施されて、どう連携されているかというのは非常に重要なことだと思っていて、まさに参事官、おっしゃったJAPAN NEXTのこともそうなのですけれども、例えば経済産業省の方がおっしゃってくれたCool Japan Dailyですか。 質問の形をどうしたらいいのでしょう。このブランドマネジメントはだれがされているのでしょうか。つまり、クールジャパンというものとJAPAN NEXTの上下関係、関係性はどうなっているのでしょうか。あるいは、Cool Japan Dailyという名のもとに行われていると、まさにクールジャパンのデイリーニュースは経済産業省が包括的に発信していると、海外の方も国内のメディアも多分とらえるのではないかと私は思います。 つまり、この専門調査会の中でも何度かクールジャパンとは何ぞやという議論を根本的にしてきたと思うのですが、実際に運営執行していく上で、そこはまず共通の認識とプラットフォームと、決裁・執行していく人の中でどういう関係性を事務局としてはお考えになり、あるいは内閣官房としてはお考えになるのかなというのが素朴な疑問です。 具体的に言えば、具体的なメディア計画、ホームページをどういうふうに、だれが取り仕切って、対国内、対国外へ向けて実際に発信・制作されていくのでしょうか。その辺がわからないと、JAPAN NEXTとクールジャパンについて、私たち委員も一人ひとり、この会議場を出た後、説明できないのではないかなという気がいたしますが、いかがでしょう。 ○筬島企画官 まず、このJAPAN NEXTのロゴ・メッセージの経緯・趣旨から御説明申し上げたいと思います。 こちらのJAPAN NEXTでございますけれども、昨年9月にコンペを経まして選定したものでございます。趣旨としましては、政府全体の統一的な発信でございますので、政府全体、各省も含めて共通的に使っていくものでございます。その下に、例えば観光庁の日本への呼び込みのVisit Japanのロゴ等もございますし、経産省のクールジャパンのロゴもございます。私どものJAPAN NEXTと、あわせて各府省にも使っていただくというマネジメントにしてございます。 あわせまして、私ども、官民共通のものとして使ってございます。そのため、JETROといった観光庁関係の団体は勿論でございますけれども、民間企業も含めまして自由に使っていただきたいということで、申請を受けて使っていただくという意味では、政府のみならず、官民共通、一体的にクールジャパンを発信するためのものとして、広くオープンに使っていただくという趣旨で考えてございます。そういった意味で、私どもと経産省のロゴが対立するものでなくて、官民共通のものの中で、各府省独自の取組みのものもあわせて使っていただくというマネジメントになっているといった趣旨でございます。 ○別所委員 そうすると、例えば提案としてですが、たくさんあるコンセプトとか、代表的なものはクールジャパン、JAPAN NEXT、それから観光庁、私、Visit Japan大使でもありますけれども、クールジャパンの中で包括されているさまざまな皆さんが取り組んでいることが、ブランド上、どういう関係性があるのかという部分は、何か1枚の紙で表現されているものがあれば、提案なのですが、その距離感、関係性、上下感、あるいは決定・意思に伴う流れが見えるのではないかと思うのです。 今、聞いていると、民間の感覚で言うと、日産という会社の企業名なのか、その企業が挙げている社是のようなものなのか、商品名なのか、サービス名なのか、アフターケアの名前のコンセプトなのか。おっしゃっているJAPAN NEXTは、ここに書いてあるとおり、あるいは過去の議事録を私も読んでいるのでわかるのですけれども、それぞれの関係性が、多分国内にいる人間もわからないだろうし、まして海外に発信したときに、それぞればらばらにしか理解されないのではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○筬島企画官 先生御指摘のとおりでございます。このJAPAN NEXTの方、特に昨年9月ですから、JAPAN NEXTの意味としまして、特に震災復興から立ち上がるという気持ちをデザイナーの方で込めていただいてございます。マークはそういった趣旨でつくってございます。 そういった中で、私ども、時期的には、たしか観光庁の後に制定したということもございましたけれども、政府統一のものと各省のものがいかにうまく提起されるか。デザイン上は、政府の場合はこういうデザインにしたいということで、そのコンセプトを示してございますけれども、各府省にも再び周知を図るとともに、対外的にもわかりやすく行っていきたいと思います。 ○内閣広報室加治参事官 内閣官房の広報参事官の加治です。御存じのように、日産が前職ですので、大変おもしろい例を挙げていただきまして、ありがとうございました。 今、筬島企画官がおっしゃられたように、この活動は途についたばかりという部分もあります。先ほども御指摘のように、正直、ここにこれだけたくさんの省庁が集まって、同じ方向を向き始めたということが物すごく重要なことで、それをきっちり調整していく会議体というのを、このクールジャパンと、それにあわせて知財事務局、国家戦略室、内閣官房。内閣官房の広報という活動というのは、消費者とつながるところですから、この3つの活動を整理・調整しようという活動を7月26日から始めています。 これは、国際的風評被害対策・日本ブランド再構築会議ということで、クールジャパンもその一環ということで整理し始めていますが、御存じのようにいろいろな課題が出てきていまして、それを何とか整理しようとなったところでございます。 ただし、経産省や外務省や、皆さんおっしゃられたように、同じ方向を向き始めたということは非常に大きな意義があります。例えばシンガポール、人口500万人、香港700万人、それに対して東京は、この近辺だけで2,800万人の人口があって、この国が力を集めて一つの方向を向き始めたときに、できることはずっと大きいと思っています。なので、この活動は引き続きどんどん進めていき、一旦進んだら物すごいスピードで進むと思っています。 次に、国家戦略室も知財との連携をとりまして、次のステップをいろいろ考えていますので、その内容を小田さんから。 ○国家戦略室小田企画調整官 国家戦略室でございます。 もう既に御紹介がございましたとおり、これまでややもすると、各省、それぞれ独自にやられていた事業というものを、こういう形で1回総ざらいをしてみて、各省のやっている事業の協力している部分もありますし、それが全貌できるような情報の整理の仕方が、ある意味クールジャパン・ポータルをつくっていて、対象地域とか対象のそれぞれの内容といった情報がすばやく見られて、受け手となる各国から見ても、日本の各省がばらばらにやっているのではなくて、これはオールジャパンでやっているものなのだなというのが、全体として発信できるような形をとっていかなければいけないなと思っているところです。 特に、今年3月、3.11から1年経つ機会をとらまえて、各省、さまざまなイベントを打っていくわけですが、そうしたものもそれぞればらばらにやるのではなくて、幾つかの共通メッセージ、1つである必要はないと思っているのですが、5つぐらい何かメッセージ、日本として世界に伝えていきたいメッセージというものを、それぞれのイベントの中で必ず1つ使ってもらうということで、そういったものの連続性を見ていけば、日本はこういうことを伝えていきたいのだということがわかるような仕掛けづくりというものをしていかなければいけないのだという議論を今、しているところです。 更に、こうしたクールジャパンの取組みの評価なのですけれども、イベントに来てくれた人にアンケート調査をして、日本に対する知識が深まりましたかと言えば、それは来た人は高まりましたということになると思いますが、多分我々がやらなければいけない段階というのは、それを超えて、その次のところに来ていると思っています。 その次に、実際にそれを通じて日本に来る人とか、あるいは日本のものを買ったり、サービスを購入したりというところにどうつながっていくのというところの、ネクストステップにつながっていくような評価の仕方をしていなければ、これらの事業の成果というものがわからないと思います。その第2ステップにきちんと到達できるような仕組みを、各省と一緒になって早期に考えていきたいと思っているところです。 ○中村会長 久夛良木委員。 ○久夛良木委員 今までの御説明で、もやもやしたのが多少は晴れたような気がするのですが、今のお話をお聞きしていると、省庁間のいろいろな連携がこれによってとりやすくなったということは、多分そうだと思うのですが、国民の関心とか海外の人が日本を見たときの関心は、そんなところには全然ないわけです。基本的には、どうやるかの前に、まず何をやるかが非常に大事で、Whatの定義のところがほとんどされていないのではないか。 勿論、個々の省庁の方がいろいろ取り組まれている多くのプログラムそれぞれが大事であると思うのですが、それは担当省庁の方も含めてしっかりやっておられるものとして認識している。それだけではなくて、我が国がみんなの力をもっと集めてやらなければならない大きな根幹があると思います。その根幹をプロデュースする主体、もしくはそれを引っ張る主体がだれなのかというところが非常によくわからない。これが委員の1人としての私のフラストレーションでもあるのです。 これは何も省庁だけの問題ではなくて、民間の問題でもあるわけですね。例えば、年末に紅白歌合戦をやっていましたが、我が国内においては視聴率が高かった。しかし、どれほど多くの方が海外から見ているのか。同じ時間にアジア・ミュージック・アワードをやっている。韓国がシンガポールに出ていってやっているわけです。これがエンターテインメント性があっておもしろい。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、世界に向けて発信しているのです。つたない英語であるかもしれないけれども、日本の演歌を日本の人にだけ聞かせるだけではなくて、ラップはある、ダンスはある。グラミー賞のような受賞者に対するエンドースメントがある。 要するに、だれを見てK-POPSを売っているかというのを見ると、この彼我の差というのは大きいなと思います。あらゆるところでそういうことがあって、この調査会というのは、各省庁のいろいろな方のお話をお聞きするだけでは、我々もやりがいがないと言いますか、誤解を恐れずに言うと時間がむだかなとも思う時もあり、もうちょっとがつんとした骨のある議論というのはできませんかというのが、委員として、私からの意見です。 ○中村会長 ありがとうございます。どうぞ。 ○別所委員 済みません、私ばかりしゃべっていてはいけないと思うのですが、先ほど言ったように、具体的な全体のマネジメントをしている上で、それぞれ関係性があるということであれば、それを一つにまとめたチャートのようなことにはならないものでしょうか。提案としては、クールジャパン・オリジナル、新規性のあるものが何か。 そして、既存のそれぞれのこれまで積み重ねてきた知あるいはノウハウを生かした、イベントあるいは活動を各省庁持ち寄りで、その中でクールジャパンをどう横断的に実現していくものが何かということが明快にならないと、せっかくこうやって一堂に会していることがすばらしいと、内向きに皆さんで自画自賛しても、対外的には、おっしゃるように、だれも、いや、そこから先のことしかわからないし、見ていないという現実が事実としてあると思う。 私は、勿論、一緒の船に乗っていると思っているので言っているのですが、是非その部分として、明快な発信力も含めて、まず、それが事務局あるいは国家戦略室にお願いできるのか。 具体的には、3.11、JAPAN NEXTということであれば、3.11のクールジャパンにおける皆さん全体とやる横断プロジェクトというのは何なのでしょうか。あるのでしょうか。あるいは、それも今までの既存のもの、あるいはそれぞれが新規で持ち寄ったものを、多様性という名のもとにやるのでしょうか。その辺、すべてがどこかで中央集権的にまとまっていればいいとは私は思わないのですが、輪郭がクリアーでないので、クールジャパンという言葉やJAPAN NEXTあるいはRoots of Japan(s)という経産省のイメージ、観光庁のVisit Japanというイメージ。 私は海外のメディアの方に、Visit Japan大使なので説明する機会が英語でもあるのですけれども、理解してもらえません。どういう関係性にあるのか、論理的に全くわからないし、コンセプトも伝わらないので、外務省の方々は御苦労されるのではないかと思います。まず、伝わらないと思います。そういう意味では、クールジャパンをやっているけれども、こっちではJAPAN NEXTをやっている、こっちでRoots of Japan(s)をやっている、こっちでVisit Japanをやっている。その関連性が全くわからない。 あるいは、どこと何を連動してやっているのかがわからないということになると、今、すごく壮大なプレゼンテーションを受けたのですけれども、個々それぞれが消耗戦になるような、私のような者が言うものではないと思いますけれども、感覚を覚えます。ですので、是非そういったものが簡単にわかるようなものに、事務局なのか、戦略室なのかにお願いしたいということ。 それから、1つ、イベントが主体で動いているのですけれども、私、これも海外の方に指摘されるのですけれども、例えばExpoで発信がありました。すばらしいと思いました。その情報をもう一回とりに行きたいと思いました。どこにとりに行っていいかわからない。それから、いいお酒をイベントで紹介していた。フランスのどこで買っていいかわからない。それから、いい漫画のイベントがありました。多分、こういったところからスタートしてやるのでしょう。やったはいいけれども、その漫画を次にどこで購入したらいいかわからない。 つまり、発信側にとっても不幸だと思うのは、一回こっきりのイベントをただ重ねるだけで、流通させるサポートをどうしようとされているのか。実際に現地でクールジャパンの商品・製品をどこで買えるのかということが全くわからないと聞きます。情報も同じです。どのウェブサイトにどうアクセスすれば、どうその情報にアクセスできるのかが、勿論Googleをやればある程度は見つけられるのですけれどもね。 そういったことの、農水省の商品もそうでしょうし、経済産業省の商品もそうでしょうし、私が関わるような映画・映像の世界もそうでしょうが、どうやったら買えるのですか、どうやったら、その国においてそれにアクセスできるのか。その先の流通サポートというのがどうあるのかということも、クールジャパンの事業としては重要なのではないかなと思うのですけれども、これだと提案・意見になってしまうのですけれども、いかがでしょうか。 ○経済産業省渡辺課長 別所委員がおっしゃったのは、私どもも全くそのとおりだと思っています。特に私どもは経済産業省ですから、どうやって稼ぐか、雇用に結び付けるかという問題意識でやっております。そういう意味では、イベントに終わらず、イベントもいろいろな意味で話題をつくる、消費者に知ってもらうという意味で大変重要だと思っていますけれども、目的は販路に結び付ける。それから、少しでも中小企業の方が海外で稼げるようにお手伝いをするという目的でやっています。 そう思っても、これは一歩一歩しかできないのですけれども、例えば私どもはシンガポールで、外務省にも御協力いただいて、小さなファッションブランドの方、15ブランドに集まっていただいて、現地で共同店舗を開きました。3か月、10月からアンテナショップを開きました。 オープニングには簡単な手づくりのファッションショーみたいなものをやりまして、大変な数の方が来られました。初日には、シンガポールの若い人が1,000人ぐらい来まして、その後もネットで販売したり、現場で販売したりしまして、売上げもこの手のものにしては順調でございます。自分たちのプロジェクトの宣伝をしているのではありません。 それから、これは難しいのは、まさにおっしゃったとおりですけれども、現地のローカルの流通とかディベロッパーとかパートナーを見つけることが大変重要です。アジアですと、いろいろな中華系のネットワークがあります。そこをどうやって手がかりでつかむか、皆さん御苦労されている。そういう中で注目が集まって、是非自分たちと組ませてくれと、現地のリテーラーから言われている。あるいは、ディベロッパーから出店してくれと、そういう話がぼちぼち出てきています。先生おっしゃったとおりで、そういうものをちょっと強力にやっていきたいと思います。 それから、全体感があるかどうかということは、これは私どもだけじゃなくて、ここ全体で御議論いただくことだと思いますけれども、クールジャパンという大きな旗、大きなメッセージの中で、個別のプログラムを一つひとつ現場で実現していくというのは大事だと思います。それで、クール・ブリタニアとか、それから、韓国は文化大統領という宣言をされて、いろいろなプログラムが実施されてきた。日本はまだまだだと思いますけれども、私どもはそういう気持ちでやっております。 ○中村会長 ありがとうございます。別所委員の提案、私も非常に重要だと思います。今日、さまざまな施策を各省庁からテーブルにお出しいただきました。それを全体としてどのようにイメージを示していくのか、あるいはブランド戦略を練っていくのか。それがチャートなのか図なのか、わかりませんけれども、その辺りの工夫を事務局の方で調整していただきたいと思います。 特に、3.11以降、この会議の場でも、どのように情報を世界に発信していくのかというのが議論になりましたけれども、まずはその情報をどう整理するのかというところをスタートさせなければいけないのかなと思いますので、検討いただいて、フィードバックをいただきたいと思います。 それから、何をやるのかという中身の話ですけれども、きょうはもう一つ、非常に密に関連するアジェンダがございます。これまでコンテンツ強化専門調査会の準備会議を重ねてまいりました。そこでの議論を整理していただいております。これが次の2012の内容に反映させていく議論になろうかと思いますので、その説明をまずしていただきたいと思います。これまで合同会議を含めて、計6回の準備会議を重ねてまいりましたので、その整理をお願いいたします。 ○木村参事官 失礼いたします。それでは、資料3−1と3−2に基づいて御説明申し上げたいと思います。昨年11月からコンテンツ強化に関する新たな課題、あるいは深掘りすべき課題ということで、委員の先生方、またはここに並んでおられます各府省の方々、あるいは有識者の方々に集まっていただいて議論を進めてきた、その準備会議の論点の整理ということでございます。 資料3−1、概要資料の1ページから御説明申し上げたいと思います。 1つ目の大きな柱といたしましては、先ほど来、話がございましたクールジャパンの推進ということでございます。特に、映画とか放送番組あるいは音楽などのコンテンツの海外展開、あるいは海外からインバウンドで呼び込んでいくことにつきまして、成功した事例が乏しいということから、官民挙げて、そのコンテンツを国内外に展開するという成功事例をモデル的に生み出していくことが必要ではないかという御意見もございました。 また、クールジャパンの発信力を強化するという観点からは、クールジャパン同士を融合させたり、先ほどもクールジャパンとして新しいものは何かという御議論もあったところでございます。そういったクールジャパンらしさということを追求していくことも必要ではないか。そういうクールジャパンの更なる深化あるいは発展を図っていくことが必要ではないかという御意見もいただいたところでございます。 こういった御意見を踏まえまして検討させていただいたのが、2ページ目の主要施策のイメージ例というところでございます。 海外展開支援につきまして、中国とかインドなどアジアの新興国に向けまして、コンテンツのみならず、アーティストも含めてモデルとして選んで、官民を挙げて成功事例を創出していくことが必要ではないかということでございます。 また、日本文化発信という観点から、特にソフトパワーということで、日本がこれから生きていくことを考えると、日本の魅力を海外にいかに浸透させていくのかということから、コンテンツの英語版をつくったり、中国とか韓国語といったアジア言語のものをつくったりして、ローカライズを進めていくという、各地域に溶け込んでいくような取組みが重要ではないかということでございます。 また、インバウンドということで、国内の方に呼び寄せるということも非常に大きなポイントであろうということでございまして、海外から映画などの国内向けの撮影の誘致に向けて、ワンストップで対応できるような窓口を一本化していくようなことが必要であろう。また、英語とかアジアの言語を使った情報発信を進めていくべきであろう。 特に、先ほども一部ありましたが、ロケ撮影を進める札幌コンテンツ特区というものがモデル地区としてございますので、これが成功事例となるように取り組んで、更に札幌市に続いていくようなものもつくっていくことが重要であろうと書かせていただいたところでございます。 また、クールジャパンらしさの追求及び強調ということでございまして、日本のコンテンツは世界中に幅広くファンがおられますので、そういった方々と連携しながら、アニメと食、ファッション、日本製品とスポーツといったいろいろなものを融合したような発信をしていくこと。 あるいは、クールジャパンの新分野といたしまして、例えば産業製品、インダストリアルデザインや建物に関するデザイン、日本らしさをあらわした産業デザインの情報発信をしていくことを更に強めていくような取組みが必要ということでございます。 また、クールジャパンらしさというのは何か、その源流を探っていこうということでございまして、日本の職人芸などの技を、暗黙知を見えるような形にして活用するような調査研究をしてはどうかということでございます。 3ページ目でございますが、こちらは2つ目の柱でございますデジタル化・ネットワーク化の基盤強化の話でございます。 こちらにつきましては、コンテンツの流通という観点に関しまして、クラウドコンピューティングなどの発展に伴いまして、非常に膨大なコンテンツ流通量のトラフィックが増えているということで、国際的な回線や携帯といった移動通信も含めて、視聴に遅延が生じるという意見がある中で、コンテンツユーザーの視点に立って、情報インフラについて、更なる整備の在り方を検討すべきではないかという御意見がございました。 また、クラウド型サービスについても、著作権侵害といった法的リスクが指摘される中で、コンテンツ強化の観点から、更に今後の課題について整理して、必要な措置を講じるということも重要だろうという御意見もいただいているところでございます。 さらに、急速に拡大している電子書籍についてでございますが、各省の取組みによって、例えばさまざまな情報端末で使えるような電子書籍の中間的な交換フォーマットもつくられているところでございますが、国内外の市場動向は加速しているところでございますので、そういったものにも対応しながら、本格的な市場形成に向けた取組みを加速化すべきではないかという御意見もいただいたところでございます。 こういった御意見を踏まえた主要施策のイメージとして、4ページ目に幾つか出しているところでございます。 情報インフラにつきましては、コンテンツユーザーの意見を聞きながら、コンテンツユーザーの立場に立って、情報通信インフラ整備の在り方を、IT戦略本部などとも連携しながら必要な調整を行っていくことがあるだろうということでございます。 また、クラウド型サービスにつきましても、著作権法の改正が必要なのか、あるいは運用改善を図っていく必要があるのかといったことを検討・対応していくことが必要だろうということでございます。それ以外のコストとかセキュリティー面といった、コンテンツ強化を図っていく観点からクラウド型サービスをめぐる課題等について整備を行って、必要な措置を講じる。これもIT戦略本部と連携しながら、必要な調整をしていくことが必要ではないかということでございます。 また、電子書籍につきましては、民間事業者による協同の取組みということ。出版デジタル機構という新たな動きもある中で、そういった取組みをいかに推進していくのか。そして、著作物のデジタル化を支援していくことが重要ではないかということでございます。 また、国会図書館のデジタル化資料については、デジタル化資料を公共的な団体を通じて有料配信して、利益を権利者に還元していくという長尾構想がございましたが、そういった取組みにつきまして、ビジネスベースで進めるための仕組みを検討してはどうかということでございます。 電子書籍につきましても、昨今の動向を踏まえながら、知財本部が総合調整しながら、関係府省が連携した取組み。課題やスケジュール、工程を整理しながら、更に加速化を図っていくことが重要ではないかということでございます。 以上、主要な施策でございます。本日は時間もございますので、詳細は省略させていただきますが、資料3−2の5ページから6ページにかけましては、主要施策以外につきましても準備会議で御議論いただきました、知財計画2011に盛り込まれた事項に関連して更に充実させる施策ということで、例えば国際プロデューサーとかエンタメロイヤーといった専門人財の育成・活用ということ。 あるいは、コンテンツ事業者に高率の課金がされるプラットフォーム側とコンテンツ事業者間の力関係の問題を取り上げて、そういった問題についても、公正な取引条件等の実態を注視する取組みが重要ではないかということもありましたので、そういう施策イメージ例も書いているところでございます。 なお、これらの御議論いただいた主要施策につきましては、例えば海外展開の成功事例に関することでございますとか、あるいはインバウンドの推進等を図るために、関係府省と連携させていただきながら、この準備会議の下に推進チームをつくりながら、施策の具体化を進めていくといった取組みもあわせて考えていこうと思っているところでございます。 以上でございます。 ○中村会長 どうもありがとうございます。ここからが2012に向けての議論のスタートということでございまして、去年も話が出ましたけれども、2011を踏まえて2012を上書きしているということでございます。3−1の中には、主要施策のイメージ例として幾つかの新しい案が出てきておりますが、これもイメージ例となっているとおり、まだイメージの段階でございますので、皆様から意見、御質問あるいは追加事項、大幅に変更すべき点などありましたら、お教えいただきたいと思います。いかがでしょうか。 ○別所委員 クールジャパンに関連してですが、これはどなたがやるべきか、外務省なのかもしれないですけれども、私たちが発信しようとするクールジャパンというのは、一方通行じゃなくて、国によって、日本を取り上げたイベントとか、クールだと考えていることはそれぞれ違うような気がするのです。 そういうものを情報集約されてクールジャパンというものを形成していこうという、まずはクールジャパンを構築していく上で、2012年に向けてなのですけれども、それぞれの国におけるクールジャパンを日本に、あるいは日本のクールジャパン発信者に情報集約するということは今、進行しているのでしょうか。国家戦略室なのか、外務省なのかわからないですけれどもね。 ○外務省小野課長 今の御質問で、特に新たにクールジャパンのために情報収集しているかというと、そういうことではございませんけれども、まさに先ほど申し上げた新機軸のタスクフォースです。我々として持っている大使館、総領事館ですとか、そういったものを通じて出ている各国としての価値観も提供させていただく中で、どういったものがその国においてのベストな戦略なのかということを考えるものであります。 私ども御説明したかったのは、我々、大使館、総領事館が持っている機能で、こういった機会に一番使っていただきたいと思っているのは、触媒機能と言いますか、オールジャパンに加えて、例えば現地の関連企業とか関連団体、または現地のメディアを巻き込むオールジャパン、プラスといった中で、一層の波及効果、そして先ほど御説明がありましたような、例えばちょっとしたイベントを通じての関心がアクションにつながっていく。それを通じて、日本に行ってみようとか、日本の産品を買ってみたい、あるいは日本語を勉強したいという将来的な日本への関心の深みをそこで持っていただくために、現地の機関を巻き込むことが大事かと思っていまして、そういった意味で大使館と総領事館が果たすことだと思っております。 私どもが今年から始めている、これは新規なのですけれども、クールジャパンの発信事業も、そういった意味で、日本らしい一つの企業体あるいは産業の方が、自分たちのやっていることのみを発信するのではなくて、それに加えて、そのベースとなっている日本の価値あるいは日本の文化といったものも、あわせて出していただくことで、単に企業体、ファッションのブランドだけではなくて、もう少し広い分野での関心あるいはアクションにつながっていくといった波及効果を出したいと思います。 ○内閣広報室加治参事官 内閣官房の広報室ですけれども、例えば戦略室と一緒に9か国を対象に、オムニコムグループというグローバルなメディアの複合企業に依頼しまして、各国における日本のアピールというのはどんなもので構成されているのかというリサーチをしています。これが3月ごろにでき上がってきますので、これを知財や戦略室、それから各省庁とシェアして、どういうふうに組み立てていくかというのをやろうと思っています。 インターネットベースで、各国300人ぐらいのものですので、ある程度代表性がある。定点で観測して、それがどう変化しているかということと、外務省がやっていらっしゃるように、メディアから吸収するような情報も大事ですけれども、一般の人たちにどう見られているのかということを知りたいということで、こういう調査を初めて、今回の2次補正予算でとってやることにいたしました。これを皆さんとシェアして、先ほどの議論につなげていけたらと思っています。 ○別所委員 そういうのは非常にすばらしいと思います。私も個人とか私たちがやっている映像関係の事業では集めきれないのですけれども、各国でどれぐらい日本のニュースやクールジャパンに関して露出があるのかというのは、民間でやっていれば広告換算報告書みたいな形で必ず出てくるものがあるわけですけれども、そういったものは何かどこかで情報収集されたものがもしあれば、クールジャパンにしても、JAPAN NEXTにしても、Visit Japanにしても、こんなふうに世界じゅうに露出があって、こう取り上げられた。そこがまず、クールジャパンを考える本格的なアクションに移るときの起点になるような気がしたので、各国それぞれが、例えばアニメなのか、それとも日本古来のお祭なのか。私が例えば映像作家で具体的に聞いたこと。日本は、非常に単調にそういうことを発信するので、花と言うと桜ばかりだ、桜しかないのかとよく言われます。それから、パスポートに書いてあるのは桜か。桜じゃないですね。ですから、発信する私たちが既存の既定概念というか、先入観というか、つくり上げられた日本のイメージを、実はクールジャパンという名のもとに押し付けようとしているのではないかという気がします。 例えば商品なども、農水省なのか、経産省なのか、農作物にしても花にしても、そのものというよりは、農作物の品種改良されたイチゴの技術がすばらしいとか、その種を持って帰りたいとか、もっとテクノロジーの分野に対してのクールなイメージを持っているのに、イチゴというと、イチゴだけ売りに行く、あるいはお米、お酒、そういうことばかりに視点があるクールジャパンをここ数年は発信しているのだと思うのですが、いろいろな国々の方々が求めているクールジャパンという意味で言えば、日本にインバウンドで来る方は別にして、それぞれの国によって思っているクールジャパンは全然違う。 そして、その背後にあるテクノロジーにむしろ興味がある。その辺が一つのヒントなのかなと、私も委員になって感じていたので、そういう情報がどうインテグレートされるのか、どなたがやるのかわからないですが、統括をお願いしたいなと、あるいはそういう情報を知ってみたいなという気がしております。 ○外務省小野課長 情報統括しますという手を挙げたわけでは、必ずしもないのですけれども、クールジャパンでは必ずしもターゲットにしていないのですけれども、3.11の1年の締めということで、これがまさに日本のブランドあるいは日本のイメージ、観光や興味にどういうふうにインパクトがあったのかにつきましては、外務省としまして世界25か国を対象にアセスメントを行うことにしておりますので、また取りまとめられましたら、皆さんに情報提供させていただいて、その中から浮かび上がるものもあろうかと思いますので、参考にしていただきたいと思います。 ○中村会長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○中島本部員 前半の方で観光客等の誘致について国交省から説明があったのですけれども、この準備会合の論点整理の中には、訪日観光客のことについては全く触れていないのですが、これは全く話がなかったということでよろしいでしょうか。 ○木村参事官 訪日観光客につきましても、インバウンドを進めていく中で、ロケを誘致することで、それが更に現地をまた見たいという観光客が訪れるという効果もあるという話もしておったところでございます。 ○中島本部員 それだけですね。ちょっと少ないような気もするのですけれども、特にここで感じましたのは、先ほど国交省の御説明にありました、ネガティブイメージの払拭、安全情報の発信ということなのです。先ほども実はお聞きしたかったのですが、安全情報を海外に発信している情報そのものは十分なのですかというところです。このコンテンツ全般について、それは言えると思うのです。 例えば我々が最近、特にテレビとか新聞で、震災後、特に原発後遺症の放射能がどうのこうのというのを見ていると、ネガティブイメージは本当に払拭できるのかと、心配になります。これは、観光客で来る人には安全だよと言うのかもしれませんけれども、それは私どもが日常、日本で生活していても不安材料はたくさんある。それにもかかわらず、海外に対してどういうふうに安全情報を発信するのだ。それは、国として統一見解をどういうふうにつくるのだ。これだからいいよということが、きちんと今あるのかないのか。それは非常に不安に感じます。 なければ、是非ともつくっていただいて、このクールジャパン全部に言えることだと思うのです。それは観光客だけでなくて、食品でもそうですし、ほかのものもイメージとして、そういうマイナスイメージが定着しているものをどうやって払拭するか。大変大事なことで、幾らいいよ、いいよと言っても、悪い面がまだあれば、どうしてもマイナスの方に引きずられてしまいます。是非それはひとつ統一したものをつくっていただきたいなという感じでございます。 ○内閣広報室加治参事官 先ほどのオムニコムの調査、これはインターブランドという会社がやっているのですけれども、9月に簡単な調査をしました。それで、日本の風評被害に関して、地域ごとにどの程度差があるのかというのを研究したのですけれども、アメリカとヨーロッパに関しては、ほぼ戻ってきております。これは、日本の信頼性が非常に高かったということで、放射能で汚染されているのではないかということは余りないですね。 一方で、韓国と中国、これは観光庁はよく御存じだと思いますけれども、かなり深刻で、これは放射線を含んだ水を出してしまったときに、事前に言っていなかったとか、そういった理由が結構ございまして、そういう意味で統一的という御指摘が今あったのですけれども、各国、かなり玉虫色です。ちなみに、ベトナムはアジアにもかかわらず、ほとんど変化がない。風評被害がない。そういう意味では、韓国、中国といった隣人の場合は、いろいろな社会的・歴史的背景もありますので、そこも含めて丁寧にやっていかなければいけないなという認識はありますので、是非アドバイスをいただければと思います。 ○中島本部員 私がお願いしたいのは、受ける国の印象ではなくて、出す方の情報の統一ということです。もし私が日本語のできる外国人でしたら、日本に来てテレビを見ていると、日本の建物は放射能の入った砂利を使って建てているのだ。これはホテルも危ないね。どこの小学校で何ベクレル出ている。これは行くだけで危ないねという印象になると思うのです。 でも、このクールジャパンを推進していくためには、いや、そんなものは問題じゃないと言うのかどうか知りませんけれども、こういう理由だから、これで安全だよというのがないと、それは風評被害がおさまるのを待っているだけということになってしまうと思うのですね。これは、国が責任を持って、安全ですから、どうぞいらしてくださいと言わない限り、国の政策にはならないような気がするのです。 以上です。 ○中村会長 どうもありがとうございます。まだまだ皆さん、御意見、コメントがあろうかと思いますけれども、ここを出発点にして、今後議論を進めてまいりたいと思います。 ということで、今日はいただいた予定の時間が参りましたので、この辺りで終了させていただきたいと思います。ほかにも御意見ございましたら、事務局の方にお届けいただければと思います。 最後に、事務局から連絡事項はありますか。 ○木村参事官 本日は、御議論いただきましてどうもありがとうございました。 次回は、2月13日の月曜日の10時から、知財計画2012策定に向けた議論を予定しているところでございます。詳細につきましては、決まり次第、また皆様に御連絡を差し上げたいと思います。 ○中村会長 では、お開きにいたします。どうもありがとうございました。 |