コンテンツ強化専門調査会(第8回)議事録



  1. 日 時 : 平成23年3月10日(木)15:00~17:00
  2. 場 所 : 知的財産戦略推進事務局会議室
  3. 出席者 :
    【担当政務官】
    阿久津幸彦 内閣府大臣政務官
    【委 員】
    中村会長、大﨑委員、大多委員、川上委員、久夛良木委員、佐藤委員、末吉委員、杉山委員、別所委員、吉羽委員、佐藤本部員、中山本部員、三尾本部員
    【事務局】
    近藤事務局長、上田次長、芝田次長、安藤参事官、奈良参事官、内藤企画官


○中村会長
 若干遅れてこられる方もおられるようですけれども、定刻ですので、コンテンツ強化専門調査会、第8回の会合を開催いたします。
 ご多忙のところ、ご参集をいただきましてありがとうございます。
 本日、取りまとめでございます。前回までの議論を踏まえて、新たな知財計画の骨子(案)に盛り込むべき事項を議論したいと思います。
 取りまとめに向けての最後の議論ということになりますので、よろしくお願いいたします。皆さんからコメントをいただければと思っております。
 本日は、阿久津大臣政務官、ご公務の関係で後半からご出席の予定と伺っております。
 また、角川委員、それから谷口委員からご欠席の連絡をいただいておりまして、知財戦略本部員から、佐藤本部員、中山本部員、三尾本部員にご出席をいただいております。よろしくどうぞお願いいたします。
 では、早速議論に入りたいと思いますが、今回進め方ですけれども、取りまとめの回ということで、各論点ごとに時間を設けることはしないで、全体を通しての議論をいただければと考えています。また時間がありましたら最後に、3月下旬開催予定の知財戦略本部で決定される予定の知財計画2011の骨子の(案)についても議論ができればと考えているところです。
 では、配布資料の確認と、前回議論を踏まえて事務局より修正してもらった資料について説明をお願いできますでしょうか。

○奈良参事官
 それでは、配布資料の確認をさせていただきたいと思います。
 まず資料1-1でございますけれども、このコンテンツ強化専門調査会としておまとめいただく知財推進計画2011骨子に盛り込むべき事項の構成(案)でございます。これまでご一考いただきましたとおり3つの柱から構成をされております。
 それから、資料1-2でございますけれども、これがまさにおまとめいただきます知財推進計画2011に盛り込むべき事項の最終(案)でございます。本日でおまとめいただければというふうに考えております。
 それから、資料2でございますけれども、これは、前回も一部お配りしておりましたけれども、ご提言を踏まえまして、政府としてまとめます知財推進計画2011骨子(案)でございます。
 これにつきましては、前回同様事務局内で検討中のものでございますので、委員の皆様限りで席上配付のみとさせていただきたいと思います。
 それから、参考資料1でございますけれども、佐藤本部員よりご提出いただいた資料でございます。もし後ほど補足のコメント等ございましたらお願いできればと存じます。
 それから、参考資料2でございますけれども、前回第7回会議にいただいた主な意見でございます。
 配付資料の方は以上でございます。
 それでは、早速でございますけれども、資料1-2をご覧いただきたいと思いますけれども、最終(案)につきましてご説明をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、この事項でございますけれども、各省庁と調整した上で今回の施策には具体的な担当府省というものを、明記をさせていただいております。
 それから、前回幾つか目標指標をお伝えしてございましたけれども、ほとんど昨年2010計画で設定したものでございますので、この2011に盛り込むべき事項には記載をしないということにさせていただいたところでございます。
 それでは、前回との主な変更点を中心にご説明をさせていただきたいと思います。
 まず1ページをご覧いただきたいと思います。
 情勢認識のところでございますけれども、最初の○のところでは、最先端のデジタル・ネットワーク化を巡る戦いの中で、その戦略構築、基盤整備というものを官民がスピード感を持って進めなきゃいけないということを書いてございます。
 それから、2つ目の○、クールジャパンの関係でございますけれども、グローバル化の中で、日本固有のアイデンティティーへの憧れ、関心というものが非常に広がっているということで、それを我が国の新たな発展の原動力としていかなければならないということをお伝えしてございます。そのために、グローバル・ネットワーク化時代に即応したビジネスモデルを活用しながら、国際展開につなげていくことが必要だとしております。
 一方、人財を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあるということでございまして、創作機会の増大、あるいは創作基盤の強化、世界に通用する人財基盤の強化というところに取り組む必要があるとしております。
 2ページをご覧いただきたいと思います。
 以上を踏まえまして、昨年の2010を着実に実行するということでございまして、それに加えまして、更なる戦略的展開が必要としてございます。なお、ここに盛り込むべき事項といたしましては、2010の課題に加えまして、新たに取り組むべき施策、あるいは更に深く取り組むべき施策を採用しているところでございます。
 3ページをご覧いただきたいと思います。
 1つ目の大きな柱がデジタル・ネットワーク社会の先端を切り開くという観点でございます。
 情勢認識といたしまして、グローバル・ネットワーク時代の到来の中で、経済社会のあり方に大きな影響を与えるということと、そしてプラットフォームが拡大しており、海外飛躍のチャンスであるとともに、既存のメディア産業にとっては生き残りの正念場であるということ。
 それから、知のインフラを支える電子書籍ビジネス、あるいは過去の知的資産のデジタル化、アーカイブ化、またクラウド型コンテンツサービスの登場と、新たな動きも出てきているということでございます。これも前回色々ご議論いただきましたけれども、情報が集まるところに新たな情報や人や金が集まってくると、こういう考え方のもとに、情報の流れの交差点としての我が国がハブとなるということが重要であるということをしてございます。
 それから、その際に、ボーンデジタルといわれる新しいデジタルコンテンツ、それを既存のコンテンツのデジタル化と並行的に進めていくということが必要だとしてございます。
 4ページをご覧いただきたいと思います。
 具体的な施策でございますけれども、1つ目は、電子書籍をはじめとする電子配信の促進、あるいはデジタル化、アーカイブ化の活用というところでございます。
 情勢認識のところにおきましては、委員会でご指摘をいただいたところを修正してございますけれども、米国において電子書籍ビジネスが急速に拡大しておりますけれども、我が国におきましては、米国に先行いたしまして、主に携帯電話を通じたビジネスが行われてきましたけれども、世界ビジネスが急速に拡大してきているということがございます。
 また、アメリカの事業者によるデジタル化など知的資産をデジタル化し、活用する取組が加速をしている。こうしたことから、我が国として、知のインフラを更に強化していくということで、デジタル化、アーカイブ化の活用促進をすることが重要だとしてございます。
 盛り込むべき施策につきましては、大きな変化はございませんけれども、1つ目が電子書籍の市場整備の加速化ということでございまして、契約の促進でありますとか、あるいは様々な端末やプラットフォームで電子書籍の利用を図るような中間ファイルのフォーマットの作成ができるということが書いてございます。
 5ページ目にまいりまして、もう一つ、最終フォーマットのことにつきまして、日本語対応を可能とする。これはアジアを中心とする各国と連携して行うということでございます。
 また、教育の観点から、デジタル教材の円滑な導入を進めるということでございます。
 それから、知的資産のアーカイブ化とその活用促進という観点では、1件目が、国立国会図書館の有するアーカイブの活用、それから国立国会図書館への電子納本を進めるということでございます。
 それから、テレビ番組の関係では、NHK、民放、それぞれにつきましてアーカイブの拡充、あるいはインターネット配信の促進でございます。
 それから、一番下のところが、様々なコンテンツのアーカイブ化というものでございます。
 6ページに参りまして、そしてまた諸外国との連携も視野に入れながらネットワーク化するということでございます。
 更には、アーカイブのための権利処理に費用としてかかっているということがございますので、一層円滑な権利処理を促進するということでございます。
 施策の2点目といたしまして、基盤を戦略的に整備するという観点でございます。
 情勢認識のところで、コンテンツを巡る様々な急速な動きということでございますが、特にクラウド型サービスが登場しているということでございまして、我が国におきまして、場合によっては著作権侵害に該当する可能性があるという指摘もございまして、知的財産の観点から、その環境整備に向けた早急な取組が必要であるというふうにしてございます。
 また、プラットフォームに関しまして、我が国では携帯電話へのプラットフォームが発展を遂げてきたわけでございますけれども、しかしスマートフォンの普及によって、プラットフォームとの競争にさらされているということ。また既存のメディアにつきましても、その競争に巻き込まれることが予想されるということがございます。
 また、3Dコンテンツにつきましても、まだまだコンテンツの供給が不足しているという状況がございます。
 7ページに参りまして、そのための具体的な施策といたしまして、1つ目でございますけれども、クラウド型サービスの環境整備ということで、法的リスクの解消も含め、著作権制度の課題について整理し、必要な措置を講ずるというようなところでございます。
 また2点目といたしまして、プラットフォームの影響が高まる場合の懸念を踏まえまして、これも委員からご指摘いただいたものでございますけれども、国際的な動向の情報収集を図りつつ、競争の実態に注視していくということでございます。
 それから、3Dにつきまして、安全基準の策定、あるいは技術の普及、人財育成を進めるということでございます。
 それから、3点目といたしまして、著作権侵害の対応の問題でございます。
 我が国は、アニメ、漫画、あるいは有名な書籍の海賊版が横行しているということでございますが、これがグローバル展開を図る上で大きな障害となってございます。この場合に、海外のサイトが利用されるということも少なくないわけでございます。
 8ページに参りまして、海外の事業者に関与する場合には、実際の対抗措置をとるということが困難な状況でございますので、国内対策に加えまして、グローバルな対策強化を図る必要があるということでございます。
 具体的には、正当な権利者に対する情報を共有する仕組みというものを構築、それを国際的枠組みでの検討を進めるということでございます。
 また、侵害が特に多発する海外のサイトに関しまして、総合的な対策を検討し、結論を得るということでございます。
 また、二国間政府協議、あるいは官民の合同ミッション、それから民間団体を通じまして、コンテンツ対策の強化を働きかけるということでございます。
 続きまして、9ページをご覧いただきたいと思います。
 大きな施策の2点目、クールジャパンの関係でございます。
 この情勢認識といたしましては、グローバル化、ネットワーク化で、ボーダレス時代で、逆にコピー不可能な地域固有のアイデンティティーに根差した固有のものの価値が高まっているという認識でございます。
 また我々が普段当たり前と思っているものでも外国人の目には極めて新鮮かつ魅力的に映るということがございまして、新たなクールジャパンの可能性が無限に広がっているということでございます。
 それから、3つ目の○のところでは、これも議論がございましたが、クールジャパンの源泉ということで、美意識や創意工夫に基づくもの、あるいは自由な精神活動を保障される環境の中で、才能溢れるクリエーターたちが自由な発想と創造力を駆使してきたということ、原宿・渋谷の若者に関しても、アジアの、いわゆる世界の若者を引きつけているというものを書いてございます。
 それから、下から2つ目の○のところでございますけれども、一方世界に目を向ければ、韓国が官民を挙げての振興を図っているということがございますので、我が国としても、これまでの知的資産というものを生かしながら、新たな価値を創造し、国際的なビジネスにつなげていくことが求められるとしてございます。
 それから、10ページのところでございますけれども、アジアをはじめとするグローバル市場に対して総合的施策を展開する、それと同時に、観光客、あるいはビジネス客などを日本に引き寄せるということも重要だと書いてございます。
 それから、施策の1点目でございます。発掘・創造の観点でございます。
 情勢認識といたしまして、クールジャパンというものが、かなり範囲が広がってきているというところでございますけれども、日本人が想定するもの、そして外国人が考えるものというのはギャップが存在しているということがございますので、多くの試行錯誤の中で、クールジャパンを確立していくということが必要でございます。
 その際には、我が国独自の文化伝統、あるいは日本人独特のこだわりや丁寧さに基づくもの、こういった中にこそ潜んでいるという認識が重要でございます。このため、日本各地に埋もれていたものを発掘・創造、そしてグローバルにビジネス化していくことが重要であるというふうにしてございます。
 それから、11ページをご覧いただきたいと存じます。
 その中でも、特に映画、テレビといった映像は言葉の壁を超えて日本の魅力を総合的に伝える上で極めて影響力が大きいということでございますので、そのためにはすぐれたコンテンツをつくって創造していくということが重要だとしてございます。
 具体的な施策でございますけれども、映像を通じた発掘・創造ということで、地域・人々の魅力、あるいは高い技術力・企画力を生かした映像コンテンツを製作していくということ。
 それから、2010年の計画に盛り込まれてございますけれども、ファンドを通じて世界に通用する作品づくりを支援するということ。
 それから、アジア諸国をはじめとする諸外国との国際共同製作協定を締結しながら、国際共同製作を進めていくということ。
 それから、更には、アジア・コンテンツ・ビジネスサミット等の場を通じまして、アジア域内の交流の場をつくっていくということでございます。
 それから、2点目といたしまして、対象国のニーズに即した展開戦略ということで、様々な地域産品を効果的に組み合わせながら、グローバルな展開戦略を策定し、推進するということでございます。
 それから、12ページでございます。
 グローバルに発信するという観点でございますけれども、発信の際には対象国のニーズに即した展開戦略を構築していくということが重要でありますし、また単体だけではなくて、様々なアイテムを組み合わせるということによって効果的に発信する必要がある。
 また、更に、その際はイベントとともにインターネットを含めまして、様々なチャンネルを使った発信を強化することが重要であるとしてございます。
 具体的な施策としては、コ・フェスタをはじめとする様々なイベントの強化、あるいは国際的イベントの活用、また地方自治体との連携ということで発信を強化してまいりたいというふうに考えております。
 13ページでございます。
 発信のためには、イメージ戦略というのが重要でございますけれども、ポータルサイトによりまして、多言語で発信していく。あるいは、ロゴマークの作成によりまして、統一的なイメージによる発信というものを行ってまいりたいと思っております。
 それから、更にはダボス会議の文明版というものを日本で開催したいというふうに考えております。
 それから、映像や放送の海外展開という観点でございますけれども、前回議論がございました。それも含めまして、官民が連携してコンソーシアムを設置し、現地語対応も含めた民間の取組を支援する。ここにつきましては、今後の予算措置も含めて検討をさせていただきたいと思っておりますし、また海外に展開するための権利処理の円滑化という、そのためにガイドラインを含め検討の場というものを設置したいというふうに考えております。
 更には、国際放送の普及に向けた取組も進めてまいりたいと思っております。
 それから、13ページの一番下のところでは、様々なコンテンツ、国際航空路線へも提供したいというふうに考えております。
 それから14ページ、効果的な組み合わせという観点から、映像にクールジャパンを登場させるような民間の取組、これを促して参りたいと思っております。
 それから、3つ目の、クールジャパン人気の拡大という観点では、そのためには、熱心なリピーター層を形成していくということ、この際に、観光客だけでなくビジネス客も含めていくということが重要であるというふうに考えております。
 また、特に影響力が大きく中核となり得るオピニオンリーダー的な外国人のファンというものをつくっていくということも重要ですし、またクールジャパンのすぐれた取組を顕彰していくということも重要かというふうに考えております。
 それから15ページに参りまして、具体的な施策の1つ目といたしまして、これも前回から掲載させていただいておりましたけれども、クールジャパン大賞による顕彰ということでございます。これは、発掘の観点のみならず、すぐれたもの、あるいは人、団体という幅広くクールジャパンに関わる人を顕彰して、その人気を拡大したいというふうに考えております。
 また、リピーターの拡大という観点からは、訪日旅行ルートの開発、あるいは各地の資料でありますとか、あるいは伝統芸能を生かした、そういった取組を支援する。
 また、国際ビジネス客を引き寄せるという観点から、国際見本市の活性化を支援してまいりたいと考えております。
 また、海外に影響のあるオピニオンリーダーを育てるという観点から、海外プレス、著名ブロガー、クリエーターを招聘するということも進めてまいりたいと思っております。
 16ページにまいりまして、我が国のブランドを守るという観点から、例えば外国のシャンパンなどを守る仕組みがあるように、我が国でも農産物のブランドを守る制度の導入に向けた検討を行いたいと思っております。
 また、昨年合意いたしました模倣品・海賊版拡散防止条約につきまして、アジアをはじめとする諸外国に対し参加を促してまいりたいと思っております。
 それから、最後に4点目の基盤整備という観点では、諸外国におきまして、映画や放送番組に対する数量規制、あるいはゲーム機に対する輸入規制というものがございますので、これを国として撤廃に向けた働きかけをしてまいりたいと思っております。
 また、海外におけるサポート体制の強化ということも図ってまいりたいと思っております。
 16ページは、規制緩和を強く働きかけ、実現するということ。
 それから17ページに参りまして、在外公館による支援強化ということで、これも前回にも記載させていただいておりましたが、支援タスクフォースというのを現地に創設する。それに加えまして、民間が海外で活動する際に在外公館施設を提供する、あるいは外交的なプレゼンス、ネットワークを活用した支援を行ってまいりたいというふうに思っております。
 それから、ネットワーク形成という観点では、東アジア諸国の文化人・芸術家を一堂に会する会議というものを日本で開催したいと考えております。
 それから、拠点整備という観点では、農林水産品、あるいは食品の輸出に当たっての条件を満たすための検疫条件を満たすための施設の整備でありますとか、あるいは、コンテンツ、ファッション、デザイン、こういったところの流行発信地の拠点を日本に位置づかせしたい、こういうことも進めていきたいというふうに考えております。
 それから、18ページでございます。
 最後、大きな柱の3点目、人財育成の観点でございます。
 ここの人財の「財」の字でございますが、人は宝という意味で財産の「財」という字を使わせていただいております。
 人財に関しましては、制作機会が減少傾向にあって非常に厳しい競争にあるわけでございますけれども、一方で、グローバル展開のチャンスも拡大している。また、個人の創造レベルは非常に高いということがございます。特に、海外展開では、ビジネスプロデューサーの育成が重要であるということにしてございます。
 施策の1点目でございます創作基盤の強化の観点ということでは、個人の創作レベルの可能性をどんどん引き出すという観点から、二次創作の円滑化、パロディーに関する法的課題、あるいは共同創作、二次創作の権利処理のルールの明確化をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、もう一つは、デジタルコンテンツの活用促進ということで、ネット上で個人が既存のコンテンツの一部を紹介する、引用するような場合でありますとか、あるいは二次創作を円滑化するための取組というものを支援してまいりたいと思っております。
 それから、2点目といたしまして、人財基盤の強化ということでは、海外展開にはやはりプロデューサー人財が不可欠であるということ。
 それから、新たな動きといたしまして、昨年コンテンツビジネス関連の国家資格、知的資産管理技能検定のコンテンツ1級というものが設けられたところでございまして、こうした人財が増えることが期待されますけれども、まだまだ現状では十分とは言えない状況でございます。
 それから、若手クリエーターも含めた人財育成の仕組みというものも構築する必要があると考えておりますし、また、これも色々意見いただきましたが低年齢層から様々なコンテンツに触れ、その真の価値を見きわめる能力を育成していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。
 具体的な施策といたしましては、まず、プロデューサーの育成、支援ということ、それから法律家とコンテンツ関係者の交流の場を設けまして、国際的なビジネスの対応を強化していくということでございます。
 それから、やはり若手に対しましては、制作機会を与えていくということが重要でございますので、そうした施策に取り組んでいくということでございます。
 それから、20ページにまいりまして、コンテンツ分野、国は全体、横断的に専門学校、あるいは大学と、産業界が連携した学習システムの構築ということも進めてまいりたいと思っております。
 また、先ほどは海外に発信するというところがございましたけれども、海外のクリエーターを日本に呼んでくるということで、国際交流も進めてまいりたいと思っております。
 それから、最後でございますけれども、クリエーターの裾野の拡大ということで、学校訪問の機会の拡充、これもコンテンツ分野についても増やしていきたいというふうに思っておりまして、そういった様々な機会を提供していきたいというふうに考えているところでございます。
 すみません、以上でございます。
 それから、ちょっと補足をさせていただきますけれども、資料2をご覧いただきたいと思います。
 前回も若干触れさせていただきましたけれども、この知財本部のもとには、コンテンツ強化専門調査会、もう一つ競争力強化・国際標準化専門調査会、2つの専門調査会が設けられておりまして、それぞれの調査会でおまとめいただいた提言を受けまして、このように「知財計画2011」骨子という形で最終的にはまとめたいというふうに考えております。
 総論のところでは、知財戦略全般について常時今後の方向性を示しておりまして、各論におきまして、この専門調査会の提言を直接反映させていただきたいというふうに考えております。
 前回は総論のほうをお示しさせていただきましたけれども、更に各論で調査会の提言を踏まえ、第3の戦略といたしまして最先端デジタル・ネットワーク戦略、それから第2の戦略といたしましてクールジャパン戦略というふうに記載をさせていただきたいというふうに考えております。
 また、総論の部分も前回もご説明いたしましたけれども、この提言の趣旨というものを反映したいというふうに考えております。これにつきましても、ご意見がありましたらいただければ幸いでございます。
 長くなりましたけれども、以上です。よろしくお願いいたします。

○中村会長
 ありがとうございました。
 資料1-2(案)ということでございますけれども、我々のこの場での議論は、このような大きな形で数度に渡って行われてまいりまして、皆さんから出された意見、コメント等は、この中に盛り込まれているかと思いますが、もし抜けているものなどあれば、後でご指摘をいただければと思いますけれども、それ以外のこの会場にもたくさんお越しになっていると思いますが、関係省庁との間と事務局がここまで調整をされてきていまして、しかもそれはかなり熾烈な調整だと聞いておりまして、事務局の方は何夜も徹夜をしてここまでたどり着いたということは、事務局は説明をしないので私から補足をしておきます。
 で、早速ですけれども、全体を通して議論を行いたいと思います。ご意見、ご質問でも結構ですし、コメントでも結構ですので、あります方は挙手をお願いできればと思います。このシリーズのラストになりますので、皆さん一言発言をしていっていただければと思います。よろしくお願いします。
 いかがでしょうか。
 どうぞ。

○佐藤本部員
 ペーパーを出したので、ちょっとそれについてだけ触れたいと思います。
 私の資料が、参考資料1で出ておりますけれども、ここで申し上げたかったのは、今回の骨子の中で、取り上げている状況、情勢認識においては全く同じでございまして、結局、どんどんデジタルコンテンツを含めた新しいビジネスが生まれてくる、それを基盤である法律制度が妨げるような状況をつくってはいけない、そういうことをやはり十分常に意識しながらやっていかないと新しいビジネスが育たないということです。
 もう一方、やはり不法なコピーを許すということは、まさにコンテンツの知財の価値を失わしめるということであって、この2つはしっかりと常に国として対策を立ててからでなきゃならないし、検討していかなきゃいけないというのが問題意識でございます。
 その中で、前回は、私は欠席しましたけれども、いわゆるこれはクラウドコンピューティングのような新しいビジネスモデルが出てきたときに、今回出た「まねきTV事件」とか、「ロクラク」の最高裁判決、これが出たために、かえって萎縮させてしまうようなことが起こってはいけないということが議論されたと聞いています。そういう意味では、それをしっかりと前向きに検討していくべきであるというのが1点目でございます。
 2点目は、やはりコピーをする人たちをしっかりと抑え込んでいくという施策をもっと積極的にやるべきじゃないかということです。そういう意味では、プロバイダー責任制限法をしっかりとこれを精査し、育てていくという必要があるんじゃないかということでございます。
 特に、ネット上で反復継続するような悪質なコピーを取り締まるのには、もっとしっかりした新しい仕組みを考えるべきじゃないか。その点では、スリーストライクという制度を、フランスが導入し、韓国がやっているわけですけれども、このような形をもう一度しっかりと考えてみたらどうか。韓国は、結構スリーストライク制度がうまく行っているというふうに聞いておりますので、この辺も是非今後調査をし、日本としてどういう形で取り組むべきかということを考えたらいかがかというのが3点目でございます。
 4点目としては、今回の著作権法改正で、録音録画に関しては、私的ダウンロードの規制は法整備されたんですが、それ以外のコンテンツに関しては、まだ検討されている段階にあます。特にゲーム等のコンテンツのコピーを防ぐという規制はやはり今後本気で考えなきゃいけないんじゃないかということで、今回提案させていただきました。今後、2011を具体化していく段階で、これらを取り上げ、また検討していただいたらいかがかという思いがありまして提言させていただいたということでございます。

○中村会長
 どうぞ。

○吉羽委員
 今の件に関連してなんですけれども、佐藤先生非常にすばらしい形でまとめていただいて、本当に僕らも出版社としてありがたいのです。実は間接侵害の話で、自炊のところで、書籍協会が対応をとっているんですけれども、どこかの形で著作権者の方に訴訟をしていただきたいというような話を、してはいるものの、実は自炊をされる方って結構熱心な読者だったりファンだったりするというところが裏側にあって、そうすると著者の方が前面に出て訴訟というようなことになると、今度逆にファンの反感を買ってしまうみたいな側面があるんですね。片や版元は権利が基本的にないので、僕らは、お手伝いはするけれども前には立てませんというと、何だおまえら逃げるのかみたいなに言われてしまうところがありまして、非常に忸怩たる思いをしながら対応しているというところがあります。是非とも、この法整備の部分、間接侵害にかかる法整備の部分、進めていただきたいというふうに思っております。まねきTVみたいな話と、つまりクラウドサーバーに自分のコンテンツを上げるという話と、そうではなくて協力してしまうという話、もしくは、複製をして、多く頒布してしまうというような話、この辺の整理というのは、なかなか一般の方にはわかりにくい部分だと思うんですね。なので、どこがいいことなのかどこが悪いことなのかというのはわかりにくくて、やっぱり出版社としては、何か自分たちの商売を邪魔されたくないだけだろうみたいに、どこか思われがちなところがあるんですけれども、この辺の何がいいこと、いけないことみたいな部分を法的な整備と同時に広報していただけるようにお願いできればなというふうに思っておりますのでぜひよろしくお願いします。

○中村会長
 ありがとうございます。
 著作権制度を巡る話というのは、このラウンドではそんなにはしなかったんですけれども、色々と先ほどご指摘いただいた事件のようなものもあって、より複雑でややこしい問題になりつつあるということで、今回クラウド型サービスの環境整備というところに、がっと集約して入れてしまっておりますが、ほかに著作権制度、著作権法を巡る課題とか問題などについてコメントがある方はおられれば出していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
 どうぞ。

○杉山委員
 直接それにかかわるというものではないですが、今回、約1万人ぐらいのクリエーターが小学校を訪ねるというのがありますよね。ああいう中で、その人たちがせっかく行っていただくわけですから、いかにそういう彼らがつくっている知財というのは苦労していて、国も守ってくれるというのはすごい大事なことなんだよみたいなことも、クリエーターに託して小学生ぐらいから伝えていきたいなというふうについ思ったんです。
 というのは、やっぱり全体的に一般の方という話が出たとおり、そちらの方の知財に対する気持ちを上げていかない限りなかなか難しい面はたくさんあるわけです。やっぱりせっかくの機会ですから、お金を使って1万人もの人が困るであれば、何かそこに託せないですかねという感じがしました。

○芝田次長
 私のもう一つの仕事のほうで、著作権のほうで、今のご指摘本当にありがとうございます。実際学習指導要領の中にも知的財産、著作権絡みの話は出ていまして、やりましょうということになっています。教育しましょうということになっていますので、それを一つには支援するという意味でも今のクリエーターなんかの方々に自分の口で直接語ってもらうのもすごく有意義だと思います。これは、例の学校へのクリエーター派遣3,000件から4,000件に来年度予算で増えますので、その1,000件はほとんどそういうアニメですとか、そういった新しい分野にしようという方向になっておりますので、運用面でそういうことができると思います。ご指摘を踏まえて、運用できるようにやっていきたいと思います。

○杉山委員
 先生が言うよりクリエーター本人が言うと効果的ですね。

○芝田次長
 そうですね。

○杉山委員
 結構重く受け取れるものなんですね。

○芝田次長
 と思います。これがないと僕たちの仕事は成り立たないんのだと、こういうことですよね。

○中村会長
 中山本部員と三尾本部員に、著作権の制度について、今回の知財計画2011としてのメッセージとして、どのように見ておられるか、もし感想があればお聞かせいただきたいんですけれども。

○中山本部員
 前回申し上げたことと同じですけれども、フェアユース、つまり権利制限の一般規定について、一応これはこの国会で立法化される予定ですけれども、ただ報告書を見ますと、クラウドとパロディーについては先送りということになっています。今の段階で先送りでも仕方がないのですけれども、なるべく早急にやってほしいというようなことが出てくればいいなと思っております。

○三尾本部員
 私も個人的な感想なんですけれども、特にクラウドの問題については、実態を法律家と著作権側の者が余りきちんと把握していないのではないかという気がしておりまして、本当にどういうサービスをしていて、それが著作権侵害になっているのかというところを、もう少しシステム側の意見を聞きながら、整理をしていく必要があるんじゃないかなというふうに考えております。
 あと1つ、模倣品海賊版なんですけれども、これは長く言われてきてなかなか解決できない問題で、非常に忌々しいところなんですが、佐藤本部員が書いてくださった提言の中の一番最後のところで、昨年改正になった点で、故意の私的ダウンロードというところがございまして、この点に関しては、著作権侵害であるというのが明らかになり、刑事罰との関係もあるものですから、非常に関心が高くて、相談も多くあります。やっぱり非常に難しいとは思うんですけれども、刑事罰とか、そういう具体的な制裁も含めて考えないと、これは個人的な意見なんですけれども、もしかすると若い世代の模倣品、模倣してはいけないというところはなかなか解決できないのかもしないなというような気がしております。これは余り今回の計画とは関係ないんですけれども、個人的な感想です。
 以上です。

○中村会長
 ありがとうございました。
 クラウドについては、非常に早いスピードでこれからも色々なサービスが出現してくるでしょうし、だから同時に事態も厄介になっていくことが考えられますので、知財計画としての引続き遵守していくという方向で持っていきたいと思います。
 他にいかがでしょうか。他の問題何でも結構です。
 どうぞ。

○別所委員
 全体的にすごくまとまった内容になっているとは思うんですけれども、僕が今回の会議に参加させていただいて実感していることは、ボーンデジタルという言葉にシンボリックに現れているように、今回のコンテンツをどのように2011年も骨子として国が取りまとめて動いていくべきかという方向性の中で、どこにプライオリティーがあるのかということは整理はされたんだと思うんですが、じゃ今回の骨子の中で、これは第一優先的に進行するものだという優先順位みたいなものが皆さんの中で、私たちの中であるものであれば、もちろんすべてが最優先なんだということなんでしょうが、中山本部員からもあったように、佐藤本部員からもあるように、先送りに国会でなっているような法案もあるようですし、じゃ全体像の中でここはこの委員会の中で最優先されるべき課題なんだというところがプライオタライズされていくと、更に効果測定という意味では、翌年、2012年になったときにどこまで何が達成されていたのかということが見やすいのではないかなと感じています。実際、著作権問題に関しても、過去の既得権者である20世紀に花開いた映像文化であるとか、印刷に考えたら、18世紀、19世紀に遡るんだと思うんですけれども、そういったところから積み重ねられてきた権利関係というものがもう急速に変わっているわけで、それは情勢認識で書かれているんですけれども、日本国内でも過去に貸しレコードであるとか、レンタルビデオとか、色々な形で議論が重ねられてきたわけで、新たな事業というのは必ず新規性と同時に違法性というものが伴ってしまうわけですから、そこをどれぐらい度量を大きく、国が守ってボーンデジタルな世界を推進するかというところがもっと文言の中に見えてくるといいのかなと思いました。

○芝田次長
 優先順位を決めて、評価がきちんとできるようにしようという最初のご指摘だと思いますけれども、実はこれは色々な課題の中から大きく3つ柱を取り出して書いたという意味では、どれも実際きちんとやっていかなければいけないという意味で、優先順位が非常に高いものばかりと言っていいんだろうと思います。
 それから、もう1点は、アイテムごとに担当省、府省が異なりますので、何省のこれがこの中で一番大事なんだということではなくて、各省それぞれに自分の担当の部分はしっかりやってもらわなくてはいけないというふうに、このペーパーは整理してあるというふうに理解していただければありがたいと思います。
 いずれにしましても、委員のおっしゃる評価のところをしっかりやるということが大事だろうと思いますので、今後、昨年も各省のヒアリングをやりましたけれども、またああいったプロセスを通じて進捗状況はしっかり評価していくことになると思っています。
 それから、今のおっしゃっておりましたボーンデジタルの問題を含めて、今回も電子書籍の課題、あるいは今のクラウドコンピューティングなどの著作権絡みの課題につきまして、これはしっかりやっていきたいというふうに思っております。

○上田次長
 今の点で1点だけ補足させていただきますけれども、プライオリティーにつきましては、3月の段階ではこのように情勢認識と、それからその施策についてですね。骨子として書かせていただきまして、去年もそうだったわけですけれども、5月に知財計画としてまとめる段階では、そういう中で特にどういうところが重要なところだというのを、前の部分に更に整理させていただきました。そういうところの形式を今後はご意見も踏まえて考えていきたいと思います。

○中村会長
 この場で、これを1番、これ2番、これ3番とつけることは難しいかもしれませんけれども、委員の皆さんからもこれはちょっとしっかりやってくれよみたいなのがあれば、そういったコメントも出していただければと思います。
 他にいかがでしょうか。
 どうぞ。

○大多委員
 今、別所さんから出たとおりのことを僕も言おうと思っていて、今回こうやって色々話をさせていただいたり聞いたりして、ちょっと項目が多過ぎるなと、どれかやっぱり確かにプライオリティーは非常に難しいと思いますけれども、これだけ見ていても100とか、下手すると200ぐらいあるんじゃないかなというぐらいあって、読むだけでも大変だということ。それはやればすべてうまくいけばいいでしょうけれども、まあ項目が多過ぎるなという印象を、今後どうしていったらいいのだろうかというように感想として思いました。
 それから、もう一つ、クールジャパンの推進のところで、クールジャパンをグローバルに発信するという部分、この資料の1でいうと13ページのところですけれども、これは数日前に私が聞いた話なんで、かなり内容的に不正確だったり、認識が間違っていたら申しわけないんですけれども、テレビ各局今海外展開ということで、非常にドラマ、バラエティーを中心に色々なところに売りに行っております。特にタイとかバンコクとか、そういう例えばドラマの一話を売ってもそんなに大きなお金にはならないんだけれども、とにかく行ってみようというようなことで行っているんですけれども、その辺の国に行くと、まず日本ってドラマをつくっていたんですかと、「おしん」以来知らないというふうに言われたそうなんです。それも衝撃なんですけれども、韓流は花盛りでありまして、それがまずきちんと韓国の方たちは売りに行っているんです。それでプラスその中でやっぱり放送権を売るんですけれども、同時に配信権も欲しい、というような話が必ず出るそうです。韓国のドラマはほぼ配信もOKなんですけれども、我々売りに行くと、じゃ放送は買います。でも配信に関しては、というのでネックが1つあるのは音楽なんです。例えば、ドラマでそれじゃ買いますとなったときに、最後主題歌がかかっている。こういう洋楽だと全然ビートルズやマイケルジャクソンだったら替えるのはいいんですけれども、邦楽のアーチストでも、今、配信権がなかなか許諾が取れずにだめなんです。そうすると、著作権フリーの曲に差しかえて配信するということになるケースが多分これから出てくるんですが、そうすると、違法で出ているほうが、ちゃんとした主題歌がかかっていて、盛り上がって質が高い。正規で出たほうが差しかえられてしまい、粗悪とは言いませんけれども、つくり手の思いが伝わらないまま配信されていくというのがあって、この辺はジャスラックさんなのかレコード協会さんなのか、これ、今日谷口さんがいらっしゃらないんでちょっと不正確だったら申しわけないんですけれども、今後、権利処理を円滑にするためガイドラインの策定を組む、検討の場を設置するというようなものもありますので、少しその辺のところも今後進めて持っていってもらいたいなというふうに思っております。

○芝田次長
 最初のご指摘でアイテムが多過ぎるんじゃないかというご指摘のようですけれども、大体見ていると日本人ってこういうのをやり出すともう細かくなってしまう傾向があるのかなというふうに思います。そのおかげで、私の隣の人なんかもう5キロぐらい痩せて、顔が細ってしまっているんですけれども、今のご指摘は我々にとってはありがたいなという面もありますけれども、来年度の宿題として、アイテムが整理できるのかどうかというような面も含めて宿題にさせていただければというふうに思います。

○中村会長
 プライオリティーづけ重点事項づけというのは、今後の作業としてあるということでもありますので、委員の皆様にもご意見をまたお聞きする場面があろうかと思います。よろしくお願いいたします。
 他にいかがでしょうか。

○中山本部員
 ただいまの項目が多過ぎるという点は、私もそう思います。実は戦略会議の段階から数が物すごく多くて、これでもかなり絞っている感じがします。でもやはり、余り多過ぎると、1本1本のインパクトがなくなるんで、私も次に向けては減らすような努力をしたほうがよろしいと思います。
 それから、先ほどの音楽がちょっとという話ですけれども、これは恐らく音楽に限らず色々な面での権利処理がうまくいってないということはあろうと思います。それは契約でやるのがいいのか、法でやるのがいいのか、色々ありますけれども、うまく著作物が流れるようなシステムというものをこれからは構築していかなければいけないと思います。そういう点を強調すべきではないかと思います。

○中村会長
 どうぞ。

○久夛良木委員
 今の件に関連して、6ページのところで「一定期間を経過した著作物に関し、一層円滑な権利処理を推進する」とあり、これは私も是非進めていただきたいと思います。もう一つ、その次のページの法的リスクの解消の上の方ですね、「法的リスクの解消の著作権制度上の課題について整理し」かつ「必要な措置を講じる」とある。これらは両方とも短期となっているんですが、短期の定義は確か一、二年内ですよね。一、二年のうちに実現をするというのは、相当具体的なものが決まっていなくてはいけないはずなのに、先ほど佐藤本部員からは実態としては先送りとなっているという事もあるというで、何が本当で何が本当じゃないかよくわからなくて、ただ「前向きに進めます」としかこれは見えないんですが、ここに書いてあることの具体性というのは、実際どういうふうなものになるのでしょうか? という質問と、我が国がこれらの施策をやるとかやらないとかいう事にかかわらず、情報ネットワーク自体には本来国境というものがないので、今もどんどん海外から新しい動きが我が国に流れてきています。現在のスピードでは後手後手に回る可能性があると思いますから、是非もうちょっと絞り込んででもいいですから、具体性を持ったところを是非出していただきたいというふうに思います。

○中村会長
 はい考えてみましょう。

○芝田次長
 ご指摘ありがとうございます。
 今の時点で、実を言うと具体的にどっちの方向に進むのだろうかというのは、なかなか我々自体、今はまだ無い状況でして、むしろ中山先生に教えてもらわないかんなと思っているんですけれども。いずれにしても、今この点、クラウドのサービスがどんどん世界で進展していく中で、遅れをとらないためには、短期でやらないかんということは我々認識として持っているので、内容の検討及び必要な場合には法的措置ということまで含めると、2年、短期というのは一応フィージブルな期間かなというふうに思ってここに書き込まれていると承知しています。少し回りくどい感じがするかもしれませんが。

○中村会長
 はいお願いします。

○佐藤本部員
 今日は、阿久津政務官がおいでになったんで、結局コンテンツ絡みの法制度、環境整備がうまくいかないのは、コンテンツホルダーとプロバイダーとユーザーと、この利害が完全に対立するという構造にあって、その調整がつかないから進まないというのが実態だと思います。それをやっぱり引っ張ってくるのが政治主導だと思うんですね。三者ともそれぞれ利害を持っているのでなかなか引いてくれない。そうすると結局は審議会で議論しても、結局三者が何とかいいかな程度しか改革が進まないというのが現実だと思っています。それが現状だと思います。そこは、やはり、しっかり国の方針を立てる政治家の先生方が引っ張っていただかないと、この状況は変わらないんじゃないかと非常に強く思っています。そういう意味で、是非政治家の先生方が国民の利益全体を考えて、日本の将来を考えてどっちに行くんだということを本気で議論していただきたい、お願いをしたいと思います。

○中村会長
 ありがとうございます。

○川上委員
 これまでの議論の過程で、色々な件について、この中に反映されていると思います。色々調整されているということですので、来年度以降の要望ということで発言させていただきたいんですが、この人財育成のところについて、一番最後の19ページ、若手を育成、海外クリエーターの招聘に続き、クリエーターの開発を促進する。例えばなりたい人についてはたくさんいるんですね。たくさんいるのでそこは不足しているとは思わない。で、どちらかというと、ビジネスが今儲からないので人が集まらないというのが本質の問題だと思うんですが、それとは切り離して、どうせ国際交流をするのであれば、若手のクリエーターという段階で、やっぱりこれビジネスがある程度回らないとなかなか1回やったとしてもイベントとして終わってしまって、長続きはしないと思うんですよね。長続きをさせるものであれば、もはやビジネスとか関係のない、もっと若い人たち、例えば小学生、中学生、高校生のそういう普通の子供たちの国際交流を是非やっていただきたい。これは長期的にはすごく役に立つと思います。昔から、ペンパルみたいなものとかで国際交流やっていると思いますけれども、もうネット時代ですから、ネットで友達をたくさんつくってほしい。ネットで友達をたくさんつくれば、何が起こるのかというと、ネットで例えば我々とかというのは動画サイトとかでも、見知らぬ人同士が今、見知らぬ日本人がコラボレーションで作品をつくっているんです。それが国境を越えた人たち同士で友達ができれば、そういう人たち同士でもコラボレーションができると思うんです。これは、別にそんなビジネスが回らなくっても、草の根から日本の文化というのがどんどん広がっていきますし、そういった中で、実際プロの人たちとかが生まれていけば長期的にはすごく意味のあることになると思います。
 どちらかというと、人財育成というのは、かなり上から見た偉い人同士のコミュニケーションという側面が強いと思うんですけれども、来年度以降は、もっと普通のクリエーターにならない子供たちの国際交流というのを是非入れていただきたいなと思います。

○中村会長
 はい。

○芝田次長
 ご指摘ごもっともな点だろうと思います。実際色々聞いてみますと、海外との間で姉妹校の関係を結んで、その中でインターネットを通じて色々な活動をしているというのはもうかなり出てきているようです。なので、それがもう一つクリエイティブな活動につながっていけばいいということだろうと思いますので、実態面としては、徐々に進んでいるのかなというふうに思います。
 いずれにしても、実態面としてはそういうことをやりながら、また、一段とステップアップした施策が必要であるということであれば、今おっしゃっていただいたように、次回以降の宿題とさせていただければありがたいと思います。

○中村会長
 はいどうぞ。

○久夛良木委員
 3ページ目の下から4行目ですが、細かいことなんですけれども、「情報の流れの交差点としてのハブとなることが重要である」と、まさにそうだと思うんですけれども、外から見ると、ちょっと強い言い方かも知れない。つまりこの地域での唯一のハブとなる?とも受取られかねない。結構文化侵略的な印象も与えるかもしれないので、例えば「主要なハブの1つになる」とか、そういうような言葉を加えたほうがいいのではないか。つまりハブは1個ではなくて幾つもハブがある。それらがネットワークでつながっている、というイメージである、というふうに出されたほうがいいと思います。

○別所委員
 具体的に教えてほしいんですけれども、7ページ目のプラットフォームの競争環境整備で、これ全体的な昼夜を徹して各省庁さんとの役割分担で主語、目的語が見えてきて、誰が何をするというのが明解なのは大変すばらしいところなんですが、この公正取引委員会がこれを実態を注視する短期、中期というのは、具体的にどういうイメージになるんでしょうかというのが1つ目の質問です。
 2つ目は、11ページの真ん中にありますファンド、これは角川委員などからも10年度も、今年11年度もお話しがありましたけれども、映像コンテンツを支援するファンドのあり方というのが、私たちも、色々な形、ファンドとは異なる形で、例えば助成金であるとか、奨学金というような制度があったり、あるいはファンドとなりますともうちょっと金融商品的な世界観がありますので、どういう構図で、これを経産省と組み立てていこうかというのが具体的なビジョンがあるのであればお聞きしたいなと思いました。
 それから、私が言ったことで、20ページ目の最後に加えられました文科省の管轄になると思われる、コンテンツをより学校訪問で小学生、中学生に見せていこうという、小さいときからという話なんですけれども、これ川上委員からも今話がありましたけれども、僕の意図はいいコンテンツ、悪いコンテンツというコンテンツ評価という以上にメディアリテラシー的な、要するにメディアに対する体力をつけるというような授業であるとか、セミナーというようなものができないということ。小さいうちから色々なコンテンツ、特にこれから1つのガイドラインがない、インターネット上で様々な映像や音楽に触れることが自由になったときに、それを規制するというのは限界があると思いますので、自ら子供たちの目で議論をし、選別できるような体力をつけるようにという意味でのご提案でしたので、ちょっとこの文章を読みますと、何となくより芸術文化の表現の体験ということになって、そちらに軸足があるように見えるんですが、それは今までも多分やっていらっしゃったことだと思うんで、更にメディアに対して抗体力をつけるというような表現が加わっていただけたらうれしいなと思いました。
 以上です。
 一応19ページの情勢認識のところにはその部分が今書いてあるとご指摘を受けましたけれども。

○中村会長
 どうぞお願いします。

○奈良参事官
 それでは、まず7ページのプラットフォームの競争環境整備のことでございます。これは、委員の方からもかなりご指摘をいただいていたかと思いますけれども、特定のプラットフォームはかなり影響力が強くなってしまうので、例えば課金システムが限られてくるだとか、あるいは特定のコンテンツしか載せられないようになってくるといったことだとか、あるいは顧客情報が伝わっていかない。こういうような様々なことが将来的には懸念されるんじゃないか。これについて、公正取引委員会は実際にそういった不正なことが行われた時に、適正した措置を講ずるということだとは思いますけれども、事前にもアメリカ等の国際的な動向というものも十分に収集しながら、そして、その状況をちゃんと見ていくと。そして何か起こった時にはきちんと対応できるようにしようということでありまして、公正取引委員会として1つのルールをきちんと注視していくというメッセージを出していくということが、ある意味でそういったプラットフォームに対する1つの抑止力になっていくのかなというふうには思っているところでございます。
 それから、2点目の11ページのファンドのところでございます。これは、知財計画2010にも記載させていただいたところでございまして、何度もご説明をさせていただいているところで恐縮でございますけれども、現在3月の組成ということに向けて今必死に調整を進めているところでございます。ひとつ、国と民間から抽出した産業革新機構ということがございまして、これをひとつ想定しながらやっているところでございまして、今鋭意努力をしているところだというふうに伺っているところでございます。早期に組成をしていただきまして、来年度に向けましても、このファンドというのも通じて、作品がどんどん海外に発信できるように、我々としても働きかけをしていきたいというふうに考えているところでございます。

○中村会長
 はいどうぞ。

○近藤局長
 今日はしゃべるつもりなかったんですけれども、ちょっと公取のところは特にお話しを少ししたいと思ってマイクを取りました。
 公正取引委員会というほかの行政機関とちょっと性格が違う組織でありまして、悪い者がいると、とっつかまえる組織なんです。従って、悪い者が出たらとっつかまえるぞというのを公正取引委員会はここに書くというのは、普通は余りしないことなんです。ただ、これは、あえて、ここに書いたのは、特定のプラットフォーム業者が排他的に独占をした形で、マーケットを恣意的に動かしていくといったことがあったら公取は許しませんよというのをこういう形で書いた文章でありまして、そういう意味で言うと、いつまでにだれが何をするかをはっきり書くんだと、私は繰り返し申し上げてきましたけれども。ここはわっと書いてあるでしょう。これは、公正取引委員会というやや特殊な機関であることをご理解いただいて、公取が見ますよと言っているというのは、これは大変なことでありまして、どこを見ますよというのは、普通は、警察は言わないんですよね。公取も言わないんです。おまえのところを見るぞとは言わないところでありながら、プラットフォームに関しては国際的な情報を取りながら、競争の実態、あるいは目指してもらいますよと言ってくれているというのは、これは大変な進展でありますので、これは既に傷のある人はどきっとして、こういうことだろうと思いますので、そうご理解をいただけたらと思います。
 それから、コンテンツファンドのところは、本当になかなか最終的にこうなりましたというのが言えなくて申しわけないんですが、昨日も担当局長と私は話をしましたけれども、まあ状況は非常に簡単に言うとファンドをつくり上げて42.195キロ走り切るという状況の中で、今、最後の競技場に戻ってきたところ、あと数100メートル走らないとまだ完成しないというような状況でありまして、3月末というのが大分厳しい状況になっておりますけれども、仮に3月末を超えることがあっても、そう遠くないうちにはでき上がるという、でき上がったら、それをしっかり使ってやろうじゃないかというのをここに書かせていただいたと。これは、関係者は今必死になって具体的にどう節約するか、どういう人財を正規に確保するかといったことを今調整しておりますので、そこの点はもう少しお許しをいただければ、これが最終的に5、6月ごろにまとめる計画のときには、もうでき上がって皆さんにもう少し具体的にお示しができるようになっているだろうと、こんなふうに思っておるところでございます。

○中村会長
 はい。

○芝田次長
 ご意見ありがとうございました。
 最後におっしゃいました、子供のときからメディアリテラシー、抵抗力をつけるべきじゃないかということで、これは、前回もご意見いただいていると思いますけれども、性的なもの、あるいは暴力的なものも、フランスなんかでは子供に見せてむしろ抵抗力をつけているんだというようお話しだったかと思います。で、おっしゃるような趣旨も十分理解できるところでありまして、そういう意味では、このクリエーターの、さっき言いましたような、1,000件増加するという中では、そうしたメディアリテラシーをつけるといったような趣旨も運用上実現できるように、これは文化庁でやっておる事業なので、私のほうからもその点は確認したいと思いますが、一方で、ここに、きちんとそういうことを書けというのはなかなかこれはしんどい話だと思っています。というのは、これは、担当は文部科学省になるわけですけれども、文部科学省でそれを責任を持ってやるということになると、恐らく全国の学校もそっちのほうを向かないといかんだろうなと、こう思うわけです。そうすると、必ずこういう問題は、賛成派、反対派がわっと出てくると思います。特に、子供の教育については、抵抗力がまだない段階で、やっぱり成長に従ってそういう批判的な精神とか能力というのは出てくるんじゃないですかと、そうすると、余りに小さいときに無防備な状態で見せて、それで病気になって死んじゃったらどうするのという議論が必ず出てくると思います。そこは、反対意見も多分お持ちだと思います。それを論破するだけの恐らく意見もお持ちだと思いますが、実態としては、世間はそういう意見は割れるところだろうと思いますので、一挙にここに具体論を書くというのはなかなか難しいというふうに思います。そこはひとつご理解をいただければありがたいと思います。

○別所委員
 誤解をされないように申し上げておくと、僕が小学生、中学生に見せて体力をつけるべきだと申し上げたのは、過激な暴力描写や性描写を見せろということを言っているわけではなくて、そういったものでないものでもつくられているコンテンツ、あるいはつくられているニュース、つくられたドキュメンタリーを私たちは見て、そのことで情報判断をしているんだ。インターネットには、うそも入っているんだ。本当だと思って考えて受けとめている情報や、エンターテイメントもつくりものであるという前提で楽しむ能力、それを批評する能力をつけるという意味であって、過激な性描写をどんどん、あるいは暴力描写を見せなさいという意味ではございませんので、ただこの文章を読みますと、どうしても解釈論としては、主観であるいい悪いという作品論で、物を見ると、そしてそれを評価するという読書感想文のような人が映像を評価ということに軸足があるように見えてしまうので、これがどのようにつくられたか、あるいはつくりものであるということが伝わるような、そういう教育が必要なのではないかという意味でございました。

○芝田次長
 ありがとうございました。
 私も小学校6年生の息子の親として少し安心しました。
 というわけですが、もし文書上の表現で何かそういう意図が少し加えるのであれば、ちょっと工夫してみたいと思いますが、ちょっとできるかどうかこれもぎりぎり詰めた表現でございますので、そこは中村先生とも相談しながら決めさせていただければありがたいと思います。

○中村会長
 情報リテラシーについては、新学習指導要領にも入っている話でもありますので、政府として近いうちやっていきましょうという立場にありましょうか。そこは自分で何かメッセージを込められるかどうか今後させていただきたいと思いますが。
 ○吉羽委員
 18ページの、人財育成の話で、何度か申し上げていて大変申しわけないんですけれども、あと佐藤委員なんかのほうがもっとお詳しいので、補足していただければと思うんですけれども、何となくクールジャパンとも絡んで、日本のクリエーター、コンテンツが外に出ていけばいいという感じの受けとめになってしまうような書かれ方をしているんですけれども、海外から様々なもの、去年の映像特区というか、映画特区みたいな話があったかと思うんですけれども、ロケを受け入れるための基盤整備みたいな話がありました。ロケーションを受けることによって、日本の映画を制作されている方は潤ったりするんだろうと思うんです。それと同じように、例えばアニメーションにしてもそうですし、海外からの受注を受けられるような何か仕組みというのが必要なんじゃないかというふうに思うんです。このまま行くと日本の中でクリエーターは育ちました、でもみんな仕事は海外に行ってやっちゃいます。日本の中は空洞化ですというふうになってしまわないのかなというところをすごく危機意識として感じるんですね。空洞化というのはほかの産業でも、非常に問題視されていて、ただ日本の素材メーカーというのは非常に強くて、海外からの受注や発注がたくさんあって、スマートフォンの中身って、結構日本製じゃないの、というようなことがあるわけです。こういったことをコンテンツ業界の中でもきちんとできないと、やっぱり競争力の強化にはつながっていかないだろうと思うし、日本から人財が出ていってしまっては結局もともこもないんじゃないかなと思うんで、このあたりをもう少し外のお金を引っ張り込んでくるというような観点がなんか取り込めないのかなというふうには感じています。

○中村会長
 情勢認識のところの扱いになると思いますね。

○芝田次長
 そうですね。今、局長から書いたらいいよというご指示もございますので、ちょっと情勢認識あたりでもしかしたらちょっと今回は各論となるとなかなか、どこの省にやってもらうのかというのはなかなか厳しいものがありますので、補足をさせていただきたいと思います。

○近藤局長
 文化庁でアーティストインレジデンスというのをやっているじゃない。ああいうのも含めて、外から人を呼び込んでいるから。そういう人を入れたりするものも含めて、外の人が、物が入っているんだということを考えれば。

○佐藤委員
 前回欠席していたものですから、多少の遠慮もあって発言は控えていたのですが、当初、この項目に関して、実は税制の優遇措置を含めたところでの話がありました。と同時に、にファンドと連携した話でもありました。その目的もコンテンツで外貨を獲得するというような話だったと記憶をしています。
 私自身としては、今回いただいた盛り込むべき事項(案)の中で、17ページのクールジャパンに関する拠点の整備という項目の2項目、日本をコンテンツ、ファッション、デザインの流行発信地とするための拠点を整備するということがありました。実は、拠点を整備するためには、いかにしてプロダクト機能を整備していくのかということが重要であり競争力の強化につながるとイメージしております。
この拠点の整備というところに関して、2項目の経済産業省という項目になっているところが、どのようなイメージを持たれているのか、そこの中に私が先ほど申し上げたような、外貨を獲得して日本でプロダクツをし、日本のIPホルダーと日本のプロダクトチームが連携して効率的に外貨を獲得していこうというようなプロジェクトが反映されているような表現になれば、なお望ましいなというふうに思った次第です。

○芝田次長
 ご発言ありがとうございました。
 先ほどの件も含めてちょっと一言コメントさせていただきたいと思います。
 これは、今経済産業省で、クールジャパンについて有識者懇談会というのがつくられて、議論が進められております。そこの中の議論からここは踏み込ませていただいています。多分夏の概算要求の前までには結論が出されると思います。ここに書いてあるようなコンテンツ、ファッション、デザインについては、日本の中に拠点をつくるというところまで伺っておるんですけれども、その中身については、今の段階ではまだ具体化していないということで、細かいことはなかなか書いておりません……ということなので、今のようなご意見があったということはお伝えしつつ、もう少し見守っていく必要があるかなというふうに思っています。
 そういう意味では、資金も含めて、こういう拠点に呼び込めるようなものができるのかどうか、もう少し待ってみる必要があるかと思います。

○川上委員
 先ほど、近藤局長のほうからも公取に関してこれはかなり踏み込んだ表現だということを聞きましたので、もう少しニュアンスについて確認させていただきたいんですが。というのは、将来的なプラットフォームの、ちょっと横暴的になる危険性について憂慮されているところだと思うんですけれども、現時点でも、相当なことを、例えば、アップル社だとかは言っていまして、これつい先ごろ報道された話ですけれども、例えばアップル社の課金は常にオプションとして提供しなければいけない。そのときの条件の1つとして、値段がアップルより高くてはいけないと。アップルが同じか低い値段じゃなければいけないという情報があるんですが、実はアップル社のほうというのは、つけられる値段というのが決まっていまして、例えば500円という値段はないので、500円に一番近いのは450円だというふうな形、段階的になっていまして、実質的にたまたまアップル社のものを階段にあわない商品は、ほとんどの商品だと思うんですけれども、強制的にアップル社が一番安いか、もしくは価格だけゼロが変えなきゃいけないみたいな、そういうような条件なんです。もうこの段階で、僕はかなり問題があるものだと思うんですけれども、そのあたりは問題じゃなくて、これからのものについて色々やられているのか。つまりこれの記述というのは、将来的な未来形なのか、それとも現実上も憂慮されているのか、そのあたりのニュアンスについてぜひ。

○近藤局長
 これは当然今も入っていまして、恐らくこの文章をアップル社に公取はこういっているよと言ってお見せいただくと、公取ならどきっとする、アップル社もどきっとすると思います。これは決して将来だけをやるのではなくて、現時点のものも含めて、こういうことをしっかりやりますということを公正取引委員会が宣言をしてくれたわけでありまして、これはまさに公取の独占禁止法の概念、思想に基づいて、優越的な地位を濫用してはいけないと、どれが優越的な地位なのか、それが濫用しているのかどうか、それは個別の判断になりますから、そういうのはもちろん公取は責任を持って毎回ケース・バイ・ケースで判断をいたします。従って、我々がここに対して公取にやるべきだとは言いませんが、私どもも公取とは頻繁に情報交換をして、こういう事実がありますよと。こういうことが行われていますよという情報交換はしょっちゅうしておりますので、こういったことはこれから今の瞬間も、これから起こることだけではなくて、今の瞬間でもこういうことについてしっかり見てもらうということです。

○中村会長
 杉山さんお願いします。

○杉山委員
 ちょっと小舅みたいな意見なんだけれども、13ページに、例の文部科学省さんの国際会議。これいいことだと思うんですね。いいことなんですけれども、内々で、これは文化文明版ダボス会議だとかと言ってもいいんだけれども、それは余り前面に出ちゃうと、短期で書いたもので、ダボス会議も確か1971年からもう40年やっていて、このブランド力、地位なんです。だから、余りそれをやるぞと言って2回か3回で終わるとああだから日本はねって、最悪な評価になってしまうので、会議自体は良くて、マスコミの方が、これはダボス会議のようですねって、外から言ってくださるのはいいんですけれども、自分たちから余り言わないほうがよろしいんではないかという気がしました。小舅だな、これ、すみません。

○芝田次長
 小舅の意見は大切なんで、ありがとうございます。これは、短期というのは、期限を切らないと始まりの時期がわからないじゃないかということで書いてあります。なので、これもダボス会議並みに長くやりたいというふうに思っています。
 まだ今ちょっと注意していただいた点については、有識者を集めて準備会議的なものも始めようと思っておりますので、そういうところでもちょっと議論してみたいと思います。ありがとうございました。

○久夛良木委員
 今度は小舅よりか爺様のような発言なんですが、同じ1つ上で、イメージ戦略の一環としてポータルサイトとかロゴマークを作成するとある。これはみんなのイメージを結集するという意味で非常にいいと思うんですが、これを限られた時間でやるとすると、ひょっとしたらどこかに外注されるとかされて、キャッシュアウトというかタックスアウトしてしまうので、是非こういったことに賛同するような方々に公募をするとか、もしくは、ボランティアでホームページをつくってもらうとか、それはそれでクールジャパンを紹介するプロデュースの1つにもなるので、是非そういったこともお考えになっていただきたいというふうに思います。

○中村会長
 ありがとうございます。
 はいどうぞ。

○三尾本部員
 11ページなんですけれども、対象国が入国に即した戦略の策定という点で、色々な分野の内容が書かれておりまして、各省がやるということになると思うんですけれども、韓流ブームを見ても、韓国は国として統一的なビジョンを明確に打ち出して対外的に策定していると思うんです。ですので、日本が少し日本としての強烈な国としてのビジョンというのが欠けているところが問題だというふうに私は思いますので、11ページのこの部分のところに、国として、統一的なビジョンを確定した上で、各省連携の上とか、統一的な策定のもとで色々な分野の日本文化、クールジャパンを推進していくというような、国としてこれだというようなものを、ビジョンをつくるということから始めて戦略をつくるというようなところを入れていただければいいんじゃないかなと思うんですけれども。

○奈良参事官
 ご指摘ありがとうございます。
 ここのコンテンツ、ファッションの展開戦略のところでございますけれども、例えば南米のある国でありますと、そこにコンテンツと家電をセットでやっていきましょうとか、あるいはアジアのある国でありますと、ファッションと日用品、あるいは食を組み合わせていきましょうと。特定の国、あるいは地域を幾つか定めて、そこでの個別の戦略、国ごとの戦略をつくっていきましょうということをイメージしておりまして、そこをまさに今、経済産業省の方で民間有識者の会議の意見も踏まえながら、今策定をしているところでございます。個別の施策ということで理解していただければと思います。
 その際には、後ろに並んでいます総務省、外務省、文科省、農水省、国土省、色々な形で連携をして、それは観光の面もあると思いますし、そういったイメージ的なものもあるでしょうし、各省が持っているリソースを使って、地域、都市のニーズにあわせたものを展開していきましょう。こういうようなイメージで考えておりまして、全体の施策の国としての方針ということは、我が国のクールジャパンというフロンティアを拡大しているんで、これは発掘して育てていきましょう、そういう大きなコンセプトのもとに、個別の国ごとについては個別ニーズに応じたものをきちんと定めていきましょうと、こういうような組み立てになっているということでご理解いただければと思っております。趣旨はそういうことで十分と踏まえてやりたいというふうに思っております。

○上田次長
 今の話ちょっとだけ補足させていただきますと、この専門調査会と並行して、まさに阿久津政務官に議長をしていただいています局長会議というのを関係省庁でクールジャパンに関して設けております。そこのところでも、まさにこちらの専門調査会でこのクールジャパンとはどういうものかと。今の時代にどういうところを日本として伸ばしていくのかと。動向を見ながらどうしていくべきかというところに問題意識をたくさんいただいて、それをだんだんこういう形で整理してきておりますが、それをアクションプランの方でも、全体の考え方として、まさにそこのところを当てはめて、アクションプランの中でもきちんと位置づけて、その中で、各施策の方を設けさせていただくという形をとっていっております。これも、今度は本部に向けて、これがきちんと最終的に政府としてのアクションプランとしてまとまって、それを発表するような形になりますけれども、それを見ればちょっとまだ発表の段階に行き届いておりませんけれども、今は、おっしゃられたような、まさに専門調査会で今まで議論してきたところを政府の行動としても当てはめさせていただいているというところを是非ご理解いただきたいと思っております。

○中村会長
 文言について何か報告できるところがあるかどうか、ちょっと調整をしてください。言葉としてですね。

○三尾本部員
 文言としては違うんですけれども、私としては、国としても、コンテンツ振興策を明確なビジョンを早期に策定するという文言を一言入れてもらえれば。
 何となく、抽象的に細かいことはすべてすばらしいと思うんですけれども、国としてはこれがこういう形でコンテンツやクールジャパンを推進していくというビジョンをまずつくるというところをアクションプランとしてその文言を入れてほしいなという気がします。

○芝田次長
 すみません。今は、クールジャパンのアクションプランをつくっていること自体がある意味そういうビジョンづくりの一環だというふうに我々は思って一生懸命やっておりまして。あと、それに加えて今先ほどご紹介したような個別の、特に産業に連携の分野については経済産業省でも有識者懇談会で検討されているという状況なんでございます。

○三尾本部員
 私の誤解なのかもしないんですけれども、何かやっぱり韓国と比べると、コンテンツ振興院があるということも大きいと思うんですけれども、コンテンツに関して言えば、韓国はこうやっていくんだというような、割と明確だと思うんです。それにちょっと比較すると、日本は各省庁に分かれているということもありますし、その辺がはっきりしていないというのがやっぱりそのままでは韓流と比べて日本文化がなかなか浸透していかなかった原因ではないのかなというふうには思うものですから、統一的に何かして、そういうものをつくったほうが早いというかいいんじゃないかなというふうに思ったので、この計画で1つずつ積み上げていくというのでもいいと思うんですけれども、もう少し統一的なもの、強いものがあったほうがいいんじゃないかなと思って申し上げました。

○近藤局長
 今ご指摘いただいた統一的に何かをつくってどうのというのはちょうどクールジャパンを定義するかどうかの議論ともつながってくるんですが、何がクールかというのは相手によっても違うと思うんです。それから、こちら側でも感じが違うと思うんです。従って、何がクールジャパンなのかという定義は非常にしにくくて、しかもむしろしないで広がりがあった方がいいような気がして、色々なクールジャパン、例えば日本固有の何か伝統的な技術が格好いい。これがクールだという展開もあるし、江ノ電がクールだという人もいるし、日本のトイレのウオッシュレットがクールだという人もいる。つまり色々なのがあってよくて、それをどうやってリンクさせながらやっていくのか。映画は映画で売りに行くだけじゃなくて、せっかく映画をつくるんだったら、映画の中で食べたまんじゅうを食べてもらうし、その映画で出てきたシーンのところに来てももらうし、そういうことを総合的にみんなで戦略を持って、集中的に統一的にやっていこうじゃないかというのはやっていきますけれども、これがクールで、これを映画だけはやるんですとか、映画を中心にやりますなんていうのは、今のところ決める気はないんです。そういう意味で言うと、個別にばらばらだとおっしゃる点は、私は必ずしもそうではないと思っていて、今日、この場面ではまだお配りできないんですけれども、例えば諸外国でどういうプロモーションがあるのか、例えば食の国際的な交流の場に、いやいやそれなら食の場と同時にそれをつくっている場所の案内をして、そして観光に来てもらう。そこで食のところでは、実は食もいいんだけれども、別所さんがしているこういうのがあるんですという、ああいうしゃれたのがあるんですと、そこもついでに買って帰ってくださいと言って一緒に広告する。そういうオーガナイズをしていくようなことはやっていきたいと思っております。
 ちょっとすみません。先生がおっしゃることと私が言っていることが若干違う気はしますが、まあそういう意味では、決してばらばらにならないように各省をまとめて知財本部でまとめていくと。したがって、今次長が申し上げたように、阿久津政務官が議長で私が副議長なんですけれども、各省を束ねてクールジャパンの連絡会議をまとめていこうと、そんなコンセプトでまずはやり始めると、こんなことを考えてございます。

○中村会長
 恐らくクールジャパンというよりもコンテンツ制作が韓国はお顔が見えているということであるとすると、それに対応して我々がつくらなきゃいけないのは、多分知財計画だと。この知財計画のメッセージ性が弱いというようなことであれば、つまり韓国のようなエッジが立っていないということであれば、来年以降どうするかということを根本的に考え直さなきゃいけないと思いますし、これはこれで政府の計画としてまとまったということであれば、問題は情報発信力といいますか、これを持ってどうしていくんだと、そっちの場面になると思いますので、そのあたりのこれまとめた後どうしましょうかねということをまた考えさせていただければと思います。
 他にお願いいたします。

○末吉委員
 私は、この盛り込むべき事項について特に異論はないんですけれども、3点ほど申し上げようかと思って手を挙げました。
 1点目は、著作権の改正をやっている委員会の委員のメンバーでもあるんですが、色々遅々として進まない部分もあるんですが、ご指摘のとおり、私は、今回の2011からは電子書籍の問題とクラウドの問題については迅速に対応すべしというメッセージを受けとめたつもりでございます。
 あと2点なんですけれども、これはお願いなんですけれども、1つは、19ページのところに、エンターテイメントロイヤーズネットワークという弁護士の団体があります。もう一つ我々は弁護士知財ネットという団体もございます。たまたまですが、三尾本部員も私も両方ともメンバーなんでございますが、色々なところで申し上げているんですが、色々なところで活用してもらいたいというふうに思っています。時としてボランタリーな、ボランティアとして動く場合もございますので、先ほどの杉山委員のご意見の、例えば知財教育ということで、全国におります弁護士を色々なところで活用せよ、というご指摘をいただければ、その点について色々ご協力もできるのではないかというのがこのお願いの1点目でございます。
 もう一つお願いがありまして、今回の2011のパブコメというのをちょっと読んでみたんですね。なかなかいいんですね、あれ。すごくいい意見がたくさん、細かい話としてこの場では余り紹介されなかったと思いますが、皆さんまじめに色々考えてくださっていることに私は大変びっくりしました。
 どういうお願いかというと、中間的な時期に、パブコメをとっていないというのも、何かもったいない感じがしまして、せっかくなので、国民の皆さんにこの2011の進捗状況について、どこかしかるべき時にパブコメというか、どんどん意見をもらうということは、私なんかにとっても大いに励みになるし、本部としても色々参考になるんじゃないか。そういうことがもし可能であれば、中間総括というか、しかるべき時期にパブコメだけではなく、ちょうどフィードバックという意味で、国民の皆さんからも色々声を集めるという機会が私はあってもいいんじゃないかなというように思いました。これはお願いでございます。ご検討いただければと思います。 以上です。

○上田次長
 最初の件は、私どものほうで是非また検討させていただきたいと思います。
 それから、まさに知財ネット、あるいはエンターテイメントロイヤーズ、こういう名前のところ、書かせていただきましたのは、是非そういうところで具体的な活動を政府の方と連携して具体的なものをやっていきたかったという思いでコピー化させていただいているということでございます。

○近藤局長
 今のパブコメの話は、パブコメをいただいた意見を整理して前回お配りをしたんでしたっけね。相当パブコメを真剣に読み込んでいまして、それからできるだけパブコメでいただいた意見は取り入れるというつもりで書いています。
 恐らく色々なこういう委員会の中で、最もパブコメを取り入れた本文になるようにやっておりますので、これは引続きやります。
 ご議論いただいた後、これを決定する前にもう一回というのは、これはなかなかちょっとタイミング的に厳しいものがありまして、恐らくちょっとそれだけの時間は、これをやるともう一回この会議をある意味、これをもう一回かけてそれについての意見が出てきたらそれをどうするかでもう一回やると、もう一回このシリーズをやらなきゃいけなくなるので、それはちょっと若干難しいような気がいたします。

○末吉委員
 いやそうではなく、中間で何かできないかなと思っただけです。フィードバックという話しがちょっとございました。中間、終わりでもいいんですけれども。2011について、つくる前にパブコメがあった。終わるころにでもいいし、真ん中でもいいんですけれども、何か皆さんの声も集約するともっと色々なフィードバックがあるんじゃないかなと申し上げました。こういうことができていいとか、まだできないじゃないかとか。そういう趣旨でございます。

○近藤局長
 ちょっとすみません。私の理解力が悪いのですが、相当このいただいた意見を取り入れてつくったし、恐らく人後に落ちないぐらい皆さんからの意見を取り入れた形で対応しているつもりなんですが。

○末吉委員
 そうです、そういう趣旨です。
 あとお願いなので、この場でなくて結構です。

○上田次長
 どういう方向、やり方がいいかというのは検討しますけれども、そういった途中段階で、世の中の声を聞いていくということは今後検討していきたいと思います。

○中村会長
 他にいかがでしょう。
 資料2にわたる意見でも結構ですのでもしまだ言い足りないことがありましたら、はいどうぞ。

○吉羽委員
 ちょっと話が戻っちゃって申しわけないんですけれども、さっきの、国としてのというところで、ニュアンスが違うんですけれども、しかもジャストアイデアで申し訳ないんですけれども、何かわかりにくいというところがつきまとっているのは、知財計画に関するとか、クールジャパンに関するアイコンが存在していないからではないか。それはどういうことかというと、例えば良い悪いは別として、石原都知事は、何だかアニメーションの振興をしていますよねというイメージが結構前面に出る。それから東国原前知事は、宮崎の様々なものをPRしてくるというようなことで、非常にわかりやすい形のアピールができている。それから韓流でいうと多分最初ペ・ヨンジュンで、ペ・ヨンジュンは別にその役割を自ら買って出たわけではないと思うんですけれども、何かある種アイコンみたいなものがはっきりしていて、そのメッセージがすごく外にも内にも伝わりやすいということがわかりやすさにつながっていたのかなという気はしているんですよね。たけしさんがいいのか、吉本のどなたがいいのかよくわからないんですけれども、例えば何か非常にわかりやすい日本の情報発信というようなアイコンがもし明解になるとすごく整理がつきやすい、受けとめ方の整理もつきやすいのかなという気がしました。すみません。思いつきで申しわけないですけれども。

○中村会長
 そのあたりプロデュースの違いがありそうですね。
 はいどうぞ。

○川上委員
 最後に感想的なことを言いたいのですが、先ほど近藤局長がクールジャパンというものの定義はしないというようなことを言われていましたけれども、この会議に参加して、日本で官僚というのは汚職ばかりやっている人たちじゃないかと思っていましたが、何か非常に公平に公正に忠実にやられているんだなと思いまして、少なくともこの中を見る限り、コンテンツ業界に関しては少なくとも癒着はないという感じがしたんですが、逆にそれが問題かなと、逆にそういう思いもしまして、例えば韓国がはっきりとした明解な戦略にさせるというのは、多分そういう日本に比べてきっと、ある意味きっと癒着しても平気な世の中なんだろうなというところがあると思うんですね。日本だと批判されることもきっと可能なんだなと思いまして、ちょっとそれは悲しいなということを一言……、そういうのを恐れない勇気というのも実効のある内閣ということを逆に思ったということです。

中村会長
 ありがとうございます。
 はい。

○大多委員
 今の色々な発言に続くんですけれども、特に韓国ではエンターテイメント等のこういうものに対してはある顔があるというようなご発言がありましたけれども、もし本当に韓国の政府は、エンターテイメントに対して、何か一つそういうビジョンを持ってこういうものをつくっていきなさいと言っているんだったら、僕は逆に知りたい。本当にあるとすると非常につくり手としてはやりづらい、もしこちらで今後韓国はラブストーリーが受けるんでテレビ局はなるべくラブストーリーをつくってくださいと言われたら非常に困るんですよね。先ほど吉羽さんが言ったとおり、まさにアイコン的なヒットが必要で、先ほど僕も言いましたけれども、ある東南アジアの国なんかでは、「おしん」以外日本のドラマは見たことないと言っているわけです。でも「おしん」は見ているということは「おしん」がまさにアイコンになって広がってくる。中国では、トレンディードラマというのがありましたけれども、何かそういうちゃんと行って、きちんと見てもらったら自然に日本の文化はそこに伝わる、特にドラマは強いと思いますけれども、そこが弱いというのは最大のポイントだと思うので、それはもしかしたらラブストーリーかもしれないし、もしかしたら戦争ものかもしれないし、刑事ものかもしれない。これはもう各国本当に逆に先方の国にあわせてつくって大体失敗するんで、その辺のことはちょっとよく考えたほうがいいというふうに今お話を聞いていて思いました。

○中村会長
 ありがとうございます。
 他にいかがでしょうか。
 どうぞ。

○大﨑委員
 すばらしくよくまとめていただいたと思っています。そういう意味では感動すら覚えるぐらいまとめていただいたと思います。
 アイコンのお話だとか、ちょっとアイテムが多すぎるとか、優先順位をというのもそうだなと思って聞いていました。今アイコンに関しては、いわゆる自然発生的にというか、キットが出て、その流れの中で出てくるのかなと思ったりもしています。
 雑感で申しわけないんですけれども、たまたま先週フジテレビさんの経理のセクションの方とちょっとお話ししていて依頼を受けて、中国のネットでフジテレビの番組がすべて流れていると、北京に行っても会ってはもらえなかった、どうしたものかと。
 もう一つは、ソフトバンクさんが、ネットですべての番組が見られるという会社に200億だか250億だか投資なさって、これは中国政府の背景もないところで、今後どうしたものかという対策会議をさせていただいて、両方ともそれなりの提案をさせていただいて、ああいいねというふうにおっしゃっていただいて、進められそうなんですけれども、そういうときに、先ほどの韓国のことも含めて、もちろん中国なんかはそのままなんですけれども、やっぱり官民一体でという風に前に進んできているので、官民一体でそういう事件といいますか案件を、たくさんやろうということですけれども、ポイントになる、もとから振り返れば特区になるような案件は官民一体で対応するというか、出掛けていって対応するのでというようなことを、そういうことがあると、このとおりなんだけれども、はてさてどうなんだろうなという言葉の中にずっと前回も、今回も、どこか欠けているところというか、があるような気がしていて、そういう案件があったときに、じゃ実際、官民でどう解決できるんだろうというようなチームを支えるというか、支える覚悟もあるよみたいなことが何か伝わると、ああ日本がやっと本気で戦おう、クールジャパンを輸出もするんだけれども守るんだということも含めて現れるんじゃないかなとか思ったりしました。

○中村会長
 ありがとうございます。

○芝田次長
 ご発言ありがとうございます。誠にもっともなご発言だと思います。
 実は、表立って官民一体的に戦うぞという宣言は実はしていないように見えますが、アイテムとしては、海外展開するために、予算要求も含めて先ほどご説明いたしましたけれども、ドラマとか、中の映像を海外展開するために、予算要求も含めて検討する、アイテムとしては、官民一体的にやるというものはかなり入っているというふうに私は理解しています。
 ここは、戦略になるのかもしれませんけれども、諸外国に対して、日本はこれから官民一体で戦いますからと言わなくても、事実上、そういう方向に向かっていればいいのかなというふうにも思いますので、その辺は、この中身で勝負させていただければありがたいなというふうに思います。

○中村会長
 他にいかがでしょうか。
 そろそろよろしいでしょうか。
 では、これぐらいにしておきましょうか。
 非常に貴重なご意見を皆さんからいただきましたありがとうございました。今日までの議論で報告書の取りまとめについて概ね意見の集約は諮られたと思うんですけれども、今日の議論たくさんご指摘いただきました。やはりしゃんしゃんと行きませんけれども、そうした議論を踏まえた最終的な取りまとめをこれからやっていきますが、その取りまとめは会長である私に一任いただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

○中村会長
 では、必要な修正を行った上でこの専門調査会としての報告書取りまとめて、それで次回の知財戦略本部の方に提出をしたいと思います。
 私からの感想なんてすけれども、このメンバーによる2回目の計画の取りまとめということになりますが、今回、デジタルネットへの集中、それからクールジャパンでの海外展開、それらを支える人財という、そういう柱を立てて、めり張りがきいてバランスのとれる施策というのがまた出てきたと思いますし、同時に、昨年からの宿題、特区ですとか、それからファンドといったようなものも引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、官民一体という話も出ましたけれども、そういったことは非常に重要で、かつそれはもう議論というよりもアクションの問題になってきているだろうと思いますので、是非とも次のステップに進んでいきたい。ちょうど、スマート端末とか、クラウドとか、ソーシャルメディアとか、この会議の中でも非常に新しい大きなメディアの刷新と言いますか、波が来ているという状況での今年の計画の取りまとめでしたので、そういった状況を見据えての施策に見ていただければと思います。どうもありがとうございました。
 では、事務局から、知財計画2010の評価の取り扱いということについて説明をお願いいたします。

○芝田次長
 前回のこの会合でご紹介いたしました知財計画2010の進捗状況、○、△、×で評価しておるというものでごさいますけれども、これの評価につきましては、今、各府省で調整中でございます。3月17日に予定されております知財本部の企画委員会で取りまとめまして、最終的に知的財産戦略本部会合に報告する予定です。
 よろしくお願いいたします。

○中村会長
 では、閉会に当たりまして、阿久津大臣政務官からご挨拶をお願いいたします。

○阿久津政務官
 皆さん本当にありがとうございました。
 特にお忙しい中昨年から合計8回にわたりまして熱心な議論をいただきまして本当に心から感謝申し上げます。
 少し感想めいたことを挟ませていただきますと、私自身は、日本は非常に懐が深いというか、広がりがあって、深みがあって、可能性がいっぱい散らばっている潜在力を持った国だと思っていて、それだけになかなか色々な面があるので、アピールの仕方が難しい部分はあるんだと思うんです。
 それで、ちょっと後半の皆様の議論を伺っていて、意外にめり張りをつけろと、エッジを立てろというような意見が多かったのは、ある意味政治の側からすると、運用面において少し専制的になっても思い切ってやれよというエールにも聞こえましたので、本当に性根を入れて頑張りたいというふうに思っております。
 いずれにせよ、日本の未来はクールジャパンにかかっていると言っても過言ではないというふうに思っています。また最先端のデジタル・ネットワークを巡っては、世界的な戦いが息をもつかない速さで進んでおりまして、こうした状況の中で、人財育成も含めて、先を見越した戦略をスピード感を持って進めなければならないというふうに考えております。その意味では、非常にタイムリーに、実践的な提言をまとめていただいたというふうに考えております。
 この提言は、先ほどご報告もありましたとおり、総理のご出席のもとで、3月下旬に開催予定の知的財産戦略本部において中村会長からご報告をいただきます。その上で、知的財産推進計画2011骨子として決定する予定でございます。
 政府といたしましても、今後とも知財計画を強力に、かつスピード感を持って進めていきたいと考えております。4月以降も引続き計画本体の取りまとめに向けご指導いただきますようお願い申し上げまして、感謝のご挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございます。

○中村会長
 ありがとうございました。
 事務局から連絡事項があれば。

○奈良参事官
 ありがとうございました。
 4月以降の日程につきましては、また調整次第改めてお知らせいたしますのでまたよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○中村会長
 では、本日の会議を閉会いたします。合計8回、熱心にご議論をいただきましてどうもありがとうございました。