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コンテンツ・日本ブランド専門調査会ヒアリング(第2回)議事要旨 | |||||
1. | 日 時: | 平成20年11月18日(火)10:00〜12:00 | |||
2. | 場 所: | 内閣官房知財事務局会議室 | |||
3. | 出席者: | ||||
【委 員】 | 久保利会長、太田委員、木村委員、久保委員、重延委員、関本委員、高橋委員、中山委員、浜野委員、三尾委員、宮田委員、佐藤本部員 | ||||
【関係省庁等】 | 総務省、外務省、文化庁、農林水産省、経済産業省、中小企業庁、国土交通省、観光庁、独立行政法人国際交流基金、独立行政法人日本貿易振興機構、独立行政法人国際観光振興機構 | ||||
【事務局】 | 素川事務局長、内山次長、関次長、小川参事官、大路参事官 | ||||
4. | 概 要: | ||||
日本ブランドの振興に関し、関係省庁等から関連施策の現状と課題、今後の方向性等について説明を行い、引き続き、意見交換を行った。その概要は以下のとおり。(以下、「●」は委員、「○」は関係省庁等の発言) | |||||
(1)総務省 | |||||
【説明】 現在、NHKが取り組んでいる「NHKワールドTV」を2009年2月に改編し、24時間完全英語放送の国際放送を開始する。配信形態の刷新によって全世界で約3500万世帯が視聴可能となる。編成の特徴としては、ニュースを中心に24時間を6分割して世界各地のプライムタイムに合わせること、若者層もターゲットにするためファッション、ポップカルチャー、アニメ等も含めた番組編成を行うこと等が挙げられる。 |
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(2)農林水産省 | |||||
【説明】 3種類のロゴマークの展開、「WASHOKU-Try Japan's Good Food事業」と称する日本食・日本食材の海外発信事業、海外日本食優良店調査・支援事業を展開している。農林水産物の輸出について平成25年までに1兆円規模にするという目標を掲げており、日本食のファンを広げていくという戦略をもって海外展開を行う所存である。 【質疑応答】 ● 平成17年の輸出促進ロゴマーク、19年の和牛統一マーク、20年の日本産果実マークについては、もう少しデザインを工夫したほうがよいのではないか。輸出促進ロゴマークの「おいしい」は良いと思うが、漢字文化は世界を席巻しており、「美味しい」と書いたほうが世界に通用するのではないか。 ○ ひらがなを使用した理由の一つとして、例えば台湾や香港ではひらがなを使った商品のほうが売れるという調査がある。その他のマークについても、例えば富士山は日本を表すのに分かり易いという理由があり、それぞれプロセスを経て選定されたものであるとご理解いただきたい。 ● どのようなプロセスを経て選定されたのか。このようなマークを選定する機会に日本の若手デザイナーに機会を与えられればチャンスになる。 ○ 輸出促進ロゴマークの選定については、平成17年に広告代理店が作成した案の中から、農林水産省が選定。また、日本産果実マークの選定については、平成19年度に広告代理店が作成した案の中から、有識者会議(外部委員14名から構成)が選定。
【説明】 「農林水産物・食品地域ブランド化支援事業」においては、地域ブランドの取組主体等いろいろな立場の団体が参加する「食と農林水産業の地域ブランド協議会」の設立や、「ブランド化支援事業」として、各地のブランド化を推進するためのプロデューサー招聘等の支援事業や、認証基準や認証マーク作成といったブランド認証事業も実施している。 【質疑応答】 ● 平成17年の輸出促進ロゴマーク、19年の和牛統一マーク、20年の日本産果実マークについては、もう少しデザインを工夫したほうがよいのではないか。輸出促進ロゴマークの「おいしい」は良いと思うが、漢字文化は世界を席巻しており、「美味しい」と書いたほうが世界に通用するのではないか。 ○ ひらがなを使用した理由の一つとして、例えば台湾や香港ではひらがなを使った商品のほうが売れるという調査がある。その他のマークについても、例えば富士山は日本を表すのに分かり易いという理由があり、それぞれプロセスを経て選定されたものであるとご理解いただきたい。 ● どのようなプロセスを経て選定されたのか。このようなマークを選定する機会に日本の若手デザイナーに機会を与えられればチャンスになる。 ○ 輸出促進ロゴマークの選定については、平成17年に広告代理店が作成した案の中から、農林水産省が選定。また、日本産果実マークの選定については、平成19年度に広告代理店が作成した案の中から、有識者会議(外部委員14名から構成)が選定。 |
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(3)経済産業省 | |||||
【説明】 日本のコンテンツ産業は対米比較をみてもまだまだ成長余力がある。具体的な取り組みとしては「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」(コ・フェスタ)、「アジア・コンテンツ・ビジネスサミット」、「地域発コンテンツの強化」等を実施している。また、海賊版対策として自動動画検索技術の実証実験を行っている。今後は、日本のソフト力を発信する場としてコ・フェスタを拡充するなど、文化・経済一体となった取組が必要である。 【質疑応答】 ● コ・フェスタがターゲットとする育成対象の「若者」は、具体的には大学なのか、専門学校なのか、社会人の若者なのか。 ○ 明確な定義はなく反省点である。コ・フェスタのイベントの半分以上はプロ向けのイベントであるが、プロには届かないレベルのものに対してコンテストを行うなど底上げを行っている。また、人材育成の観点からは高校生や専門学校生が大きなターゲットであると認識している。 ● どのようなプロセスを経て選定されたのか。このようなマークを選定する機会に日本の若手デザイナーに機会を与えられればチャンスになる。 ○ 「若者感覚」とは若者そのものではなく「若者的感覚」ではないか。今後は日本の感性が国際的潮流になると考えており、ゲーム、アニメ、マンガ等に加えてデザイン、ファッション、グルメ、観光を含めた新しい感覚について海外の方に興味を持ってもらいたい。 また、コ・フェスタのロゴデザインは公募ではなく若手トップデザイナーの佐藤可士和氏を指名した。デザインを考えた人の哲学が重要であると考える彼の哲学に共感した。 現代の新感覚は伝統を拒否しているわけではないので、伝統は大事にしていくべきである。 ● コンテンツ産業について米国並みの輸出比率を一つの目標に国際戦略を強化するとのことだが、期限はいつか。また、我が国のファッション雑誌等の書籍の中国版輸出についてどのような事業を行っているのか。 ○ コ・フェスタ等の事業の効果は中長期に見る必要があるということで、輸出比率の目標は2015年を期限としている。地域発コンテンツについては、書籍の中国語版輸出については直接事業を行ってはいないが、中国語の翻訳エンジン開発支援事業や地域のテレビ番組制作子会社が制作したテレビ番組のプロモーション支援事業等を行っている。 ● 民間が行ってきた取組について行政の業績のように紹介するのは違和感がある。また、中国語翻訳エンジン事業のような要望は多いのか。どのように支援事業を選定しているのか。 ○ いくつか要望があり、選定方法は基本的に公募である。
【説明】 「農林水産物・食品地域ブランド化支援事業」においては、地域ブランドの取組主体等いろいろな立場の団体が参加する「食と農林水産業の地域ブランド協議会」の設立や、「ブランド化支援事業」として、各地のブランド化を推進するためのプロデューサー招聘等の支援事業や、認証基準や認証マーク作成といったブランド認証事業も実施している。 【質疑応答】 ● 平成17年の輸出促進ロゴマーク、19年の和牛統一マーク、20年の日本産果実マークについては、もう少しデザインを工夫したほうがよいのではないか。輸出促進ロゴマークの「おいしい」は良いと思うが、漢字文化は世界を席巻しており、「美味しい」と書いたほうが世界に通用するのではないか。 ○ ひらがなを使用した理由の一つとして、例えば台湾や香港ではひらがなを使った商品のほうが売れるという調査がある。その他のマークについても、例えば富士山は日本を表すのに分かり易いという理由があり、それぞれプロセスを経て選定されたものであるとご理解いただきたい。 ● どのようなプロセスを経て選定されたのか。このようなマークを選定する機会に日本の若手デザイナーに機会を与えられればチャンスになる。 ○ 輸出促進ロゴマークの選定については、平成17年に広告代理店が作成した案の中から、農林水産省が選定。また、日本産果実マークの選定については、平成19年度に広告代理店が作成した案の中から、有識者会議(外部委員14名から構成)が選定。
【説明】 ブランド力があり売れる商品をつくること及びブランドの保護の2点が重要と考える。前者については地域資源活用促進プログラムや農商工連携を実施し、後者については地域団体商標制度等保護制度を整備している。 日本ブランドの観点では「JAPANブランド育成支援事業」を実施している。海外マーケティング、商品開発、プロデューサー参画が主な特徴であり、個々の取組だけではなく全体のプロモーション支援が今後の課題である。 【質疑応答】 ● JAPANブランドにおけるトータルプロモーションは非常に大事なことであるが、どこに焦点を絞っているのか。 ○ 一般的には、日本で作ったものを海外で販売するとどうしても高い価格で売らざるを得ないので、価格相応の付加価値をとれるアメリカやヨーロッパのある程度高級な消費者市場がターゲットになる。また、これまでの取組では展示会に出展するだけで終わっていた反省があるので、海外の日本人ネットワークを利用して販路を広げる取組などを行っていきたいと考えている。
【説明】 本年度より3年間を「感性価値創造イヤー」ということで事業を重点実施する。目玉事業としては本年12月にパリのルーブル宮にある装飾美術館で日本のプロダクツを紹介する「感性フェア」を実施する。そのほかに生活関連用品の世界発信事業である「sozo_comm」事業における海外見本市への展示、「Gマーク」(グッドデザイン賞)の海外展開などを実施する。日本製品のファンを増やし、ビジネスに結びつけることが今後の課題である。 【質疑応答】 ● パリの装飾美術館は古典的な場所であり、現代の日本ブランドを発信する場として適当か疑問である。ブランドに応じた場所選びも重要なのではないか。 ○ 装飾美術館は場所は非常に良いと考えているが、格調高い美術館だけに物の販売ができないなど制約が多く残念な部分はある。来年ニューヨークで行う際にはビジネスの部分も充実させるなど、ご指摘の点も踏まえて検討していきたい。 ● 感性フェアで対象となる商品はどのような分野の商品か。例えば無印良品のMujiの商品は展示されるのか。また、服はどうか。 ○ 日本の伝統的な産品から家電製品まで主に工業デザインが対象である。無印良品も何点か対象になっている。ファッション関係は布地を利用した日用品は対象に含まれるがファッション自体は対象になっていない。 ● 装飾美術館ははっきり言って古い。このようなイベントをやるのであれば、伝統に新しい感性が加わって新しいものが生まれるようなイメージで見せ方を工夫する必要があるのではないか。また、日本の家電のデザインは格好良いと思わないので、次回はジャンルを広げて日本製のおもしろい商品を加えるなど、いつも同じデザインばかりにならないような工夫も必要なのではないか。
(コンテンツ、ファッションといった個々の項目ごとに説明) |
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(4)日本貿易振興機構 | |||||
国内36か所、海外54か国73か所の事務所を展開。対日投資の拡大、中小企業の国際ビジネス支援、開発途上国との貿易取引拡大、調査研究の4つが事業の柱であり、日本ブランドの発信については中小企業の国際ビジネス支援の中での位置づけとなっている。日本ブランドの発信に関しては、特にコンテンツ、ファッション、デザインの分野で事業展開している。また、農水産品の輸出促進、農商工連携施策を通じた地方再生も重点分野である。知的財産保護のための事業も実施。すべての事業において、経済産業省、農林水産省の政策実行機関として密接な意見交換を行っているほか、文化庁、外務省などとも関連事業で協力を行っている。 |
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(5)国土交通省及び観光庁 | |||||
【説明】 観光立国推進基本計画に基づき、2010年に訪日外国人旅行客を1000万人にする「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を行っている。重点市場に位置付けた米国、中国等12か国を対象に、観光魅力を発信する「認知度向上事業」及び訪日旅行商品の企画等の「誘客事業」の主に2つの事業を実施している。観光立国推進戦略会議において、次の目標として2020年に訪日外国人旅行客2000万人を目指すことについて検討を開始したところである。
【説明】 ビジット・ジャパン・キャンペーンの認知度向上事業においては、食文化、料理、映画、アニメ、Jポップといった日本の魅力についても情報発信している。
【説明】 具体例としては台湾向けに北陸地域を売り込んだ事例がある。現地旅行会社やジャーナリストの招聘、視察旅行等の国内での取組に加え、台北及び高雄での広告事業を実施した。平成15年から19年までの間に黒部立山アルペンルートは5倍、金沢の兼六園は4.5倍も台湾からの団体客が増加した。
【説明】 国際拠点空港における免税店については、成田国際空港株式会社等の各空港ターミナル管理会社が利用客のニーズや取扱商品、市場の状況等を勘案して経営上の判断から決定している。 【質疑応答等】 ● 国際空港の免税店は外国人旅行客のニーズとあっていないと感じるので、ニーズをしっかりと捉えていただくようお願いしたい。 ○ 国土交通省が作成した国際会議の誘致マニュアルを配布しており、また、誘致や人材育成のための研修も実施している。 |
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(7)内閣官房知的財産戦略推進事務局 | |||||
【説明】 政府調査は特許庁が行っている「模倣被害調査」があり、その中にインターネット関係の質問項目が設けられている。調査対象は産業財産権4権の出願上位8000社であり、コンテンツを有する企業と必ずしも一致していない。民間調査はコンピューターソフトウェア著作権協会、日本レコード協会等が行っている調査があり、違法利用の増加傾向が見られることや被害額が正規有料配信を上回る推計が出ていることが特徴である。 【質疑応答等】 ● ハイビジョン映像のコピーガード解除対策について、今後どのような施策がとり得るか。 ○ 法的措置について議論が行われているところであるが、摘発の実効性を上げることも課題である。少なくとも違法行為を追及するに必要な技術的手段やインフラ整備については努力が必要である。 ○ 総務省の情報通信審議会においてもデジタル放送のコンテンツ保護、コンテンツ保護を確実に担保するための手段のあり方について検討している。
【説明】 具国際的イベントを開催する必要性も含め、どのような内容で行うかについて今後議論が必要であると認識している。 |
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(8)その他 | |||||
● 日本の強みであるコンテンツ、ブランド、エコ、テクノロジー等様々な分野に関わる横断的な事業を考案した場合にどこに話を持ち込んだら良いのか。うちならできるという省庁はあるか。 ○ 現状においては各省庁がそれぞれの分野において事業を行っている状況であり、それゆえに窓口の明確化という問題が出てきていると認識している。日本ブランド戦略の成果として窓口の明確化を打ち出せるように検討してまいりたい。 ○ 少なくとも言い出した業界の所管官庁が、自らの官庁の所管事業であるか否かに関わらず話を受けるのが責任であると考える。
● 伝統芸能をベースにしたマンガ、アニメといったポップカルチャーはたくさんあるので、ポップカルチャーだけでなく伝統芸能の部分を重層的に打ち出すことが重要である。
● 戦略を立てるにも政策の効果を評価するにも統計データの集積は重要だと考えるが、各省庁でデータの集積、特に海外事情に関するデータ集積があるか伺いたい。 ○ コンテンツについては、デジタルコンテンツ白書を通じて最低限のデータ整備をしているが、海外事情に関するデータ集積はない。 ○ ファッションについては、データ自体はそれなりに集積されているが、先進国については整備されているが中国については詳細に整備されていないなど正確性等について問題もある。
● 人材育成についてはその前段階である人材確保と後段階であるものづくり環境の整備も重要なので戦略において少しでも盛り込むべきである。 また、国際広報については、「これがおもしろいですよ」というこちらから与える情報だけでなく、いろいろな情報を提供して外国のジャーナリストと一緒におもしろいものを見つけられるような自然な情報提供のあり方を分野横断的に検討すべきだと考える。
● 国際観光振興機構のウェブページの平成19年度閲覧数が5730万ページビューとのことだが少ないと感じる。外務省のウェブジャパンも約3000万ページビューで少ないが、重複する内容もあると思われるページを別々に開設することは効率が悪いのではないか。また、様々な事業を行っているのに閲覧数が少ないのは事業の方向性が間違っていて関心を持たれていないのではないかと危惧するがどうか。 ○ 国際観光振興機構のウェブのユーザーは旅行先としての日本に興味のある人達である。競合している各国の政府観光局のウェブページと比較して決して少ない閲覧数ではないが、次期中期計画では年間1億ページビューを目指すとの計画を立てている。また、最近ではウェブを広告・宣伝事業の中核に据えて、いかにウェブにアクセスさせるかをプロモーションの基本としている。 ○ ある事業のウェブページから他のウェブページへの流れができるかという課題でもある。各事業の枠を超えたウェブデザインをこれから考えなければならないと認識している。 |
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以上 |