首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸
 トップ会議等一覧知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会 [印刷用(PDF)]


コンテンツ専門調査会

企画ワーキンググループ(第4回)議事録


1.日 時:平成19年1月22日(月)10:00〜11:30
2.場 所:霞が関東京會舘シルバースタールーム
3.出席者:【委員】牛尾会長、岡村委員、角川委員、金丸委員、久保委員、重延委員、原田委員、村上委員、中山本部員
【事務局】小川事務局長、藤田次長、吉田次長
4.議 事
(1)開会
(2)「世界最先端のコンテンツ大国の実現を目指して」について
(3)閉会


○牛尾座長 それでは、ただいまから「コンテンツ専門調査会企画ワーキンググループ(第4回)」を開催いたします。委員各位におかれましては、お忙しいところをお集まりいただき、誠にありがとうございます。
 本日は「『世界最先端のコンテンツ大国の実現を目指して』について」の検討に入りたいと思います。
 それでは、議事に入らせていただきます。まず「『世界最先端のコンテンツ大国の実現を目指して』について」、資料に基づき、事務局から説明をお願いいたします。

○小川局長 事務局長の小川でございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 それでは、資料に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。資料1、横開きのものを開けていただきたいと思います。今回のとりまとめについての資料でございます。これに基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 2ページを開けていただきたいと思います。コンテンツ大国実現に向けての基本認識と、成長を妨げている要因について掲げております。
 3ページを開けていただきたいと思います。3つの基本目標と、その具体策につきまして整理をさせていただいております。今回のとりまとめに当たりましては、世界、あるいはグローバルといったものを強く意識しておりまして、そのための基盤づくり、やるべきことという形でまとめさせていただいております。
 「3 基本目標」の1番目でございますが「目標1 世界に通用する業界となる」。
 次を開けていただきますと「目標2 世界で勝負できるジャパンコンテンツを創る」。
 5ページ「目標3 グローバルな交流を進める」。
 この各項目につきまして、目標と「具体策の例」を整理させていただいております。
 6ページと7ページでございますが「コンテンツ大国を実現するための具体策」を記載させていただいております。これらにつきましては中身でございますので、後刻、資料2で説明をさせていただきたいと思います。
 なお、資料の8〜10ページにかけまして、報告書に係る取組を官民あげて達成した場合にどんなイメージの経済社会になるかということを参考として記載させていただいております。
 それでは、もう一つの資料2に基づきまして、本体の方の御説明をさせていただきたいと思います。その資料の4ページ以下に具体的な対策を掲げております。
 4ページを開けていただきたいと思います。今回、5つの柱から対策をまとめておりますけれども「(1)海外展開を促進する」ということで「1)日本のコンテンツの強みを世界的に発揮する」。
 次のページを開けていただきますと「2)日本をクリエーションの拠点とするとともに、魅力を世界に伝える」。
 6ページの下の方でございますが「3)国際的な知的財産保護の動きに貢献する」。 それぞれについて、具体策を記載させていただいております。
 8ページで「(2)法制度・契約を改革する」という項で整理をさせていただいてございまして、具体的には「1)ビジネススキームを支える著作権制度を作る」。
 9ページ「2)クリエーターに適正な報酬がもたらされる仕組みの下で、円滑な利用を進める」。
 10ページの上から3分の1ぐらいですが「3)一般ユーザーが著作物を楽しむ機会を充実する」。
 それぞれの項目について「課題」と「解決策」ということで整理をさせていただいております。
 12ページを開けていただきますと「(3)人材育成を図る」でございます。
 ここでは「1)国際的に通用する専門人材を育成する」。
 13ページ頭からあります「2)コンテンツ分野を支える幅広い人材を育成する」。
 各項目について、整理をさせていただいております。
 14ページを開けていただきますと「(4)技術開発を推進する」。これは技術開発に関連する事柄でございます。
 具体的には「1)世界をリードするコンテンツ関連技術の開発、普及を進める」。
 「2)ハードとソフトを連携させたビジネスモデルを構築する」。
 次のページのちょうど真ん中辺でございますが「3)バランスのとれたプロテクションシステムを採用する」。
 各項目について、記載をさせていただいております。
 最後のページを開けていただきますと「(5)制作を資金面から支える」という、関連する項目ということで、資金調達、それから、流通に関わる制度改革について記載をさせていただいております。
 説明は以上でございます。

○牛尾座長 それでは、各委員からの発言に移りたいと思いますが、事前に資料の提出をちょうだいしております久保委員に、まず発言をお願いいたしたいと思います。
 資料3−1ですね。

○久保委員 資料3−1です。
 皆さん、おはようございます。東京アニメセンターの久保でございます。
 このWGがそろそろまとめの段階ということは理解しておりますが、第3回から今回の間で新しい情報が2つほどありましたので皆さんにお伝えしたいと思います。
 まず「1.次世代DVDのフォーマット問題について」ですが、ブルーレイとHD−DVDのパッケージ商品が発売になりました。実はどのコンテンツを見ても、余り芳しくない売れ行きになっているとの情報をいただいております。予想通りで大変残念ですが、この2つのフォーマットが存在し続けるということは、ソフト業界にとって大きなマイナスであると言わざる終えません。その背景となる事例をここに四つほど挙げさせていただきます。
 一番目に、店頭での販売可能コンテンツ数が半分になることを挙げたいと思います。つまり、品揃えが貧弱になる。お店に並ばないコンテンツが増えるということです。
 二番目に、ハードメーカー同士の勝負の行方を見守る買い控えユーザーが多いということです。その結果、現在のハード普及の速度が鈍く、メーカーさんで打たれている宣伝が無駄打ちになっている可能性が高いです。
 三番目に、コンパチ機が韓国メーカーからいち早く発表されました。このままでは、日本国内に勝者がいなくなる可能性があります。
 四番目に「"β vs VHS "」の事例から考えると、どちらかのハードとメディアは産業廃棄物になる運命でしょう。エネルギー・資源の無駄遣いで終わってしまうと思います。
 現状ではフォーマット戦争は民間企業間の争いという位置づけをされていますが、政府による積極的な調整作業を是非とももう一度御検討いただければと思っております。
 次は「2.英語版hpの推進とポータルサイトについて」です。
 東京アニメセンターのホームページは日英の2か国語対応をしておりますが、英語サイトのアクセス数が非常に多くなってまいりました。アニメ情報をほぼ毎日のように更新して翻訳をしている訳ですから、その翻訳コストは膨大な金額になっています。コストから考えると英語サイトは止めるという選択肢も現実味を帯びているわけですが、海外からのアクセス数が予想以上に多いということを考えますと、なかなか止められない状況です。
 海外からのアクセス数が多いという背景には、中小のコンテンツ企業がなかなか英語版のホームページをつくらないという現実があります。やらない理由といたしましては四つほど想定されます。
 一つめは、翻訳スタッフがいない。翻訳コストが高いということ。
 二番目は、英語版ホームページをつくっても、海外からの問い合わせは冷やかし的なものが増えるだけ。いちいち答えるのが面倒だという実情もあります。
 三番目として、日常的にコンテンツを売買している会社の数は限られており、新たに店を開かなくても大丈夫だろうと思われていることです。
 四番目は、コンテンツ販売益が飛行機代に満たないような国へのビジネスは、コストパフォーマンスを考えると熱心になれないという民間ならではの考えがあります。さらに、海外を見渡すと、他国は政府がその辺りをサポートしている場合も多いということが挙げられます。
 コンテンツ企業の国際展開ということについては、「コンテンツ大国へのシナリオ」の中にも大きくうたわれております。その実現のためには、国外に開いたポータルサイトづくりは必要なステップと考えます。現在、経団連さんが中心となって進めているポータルサイトづくりは各省庁からの予算が極めて少ないと言えるでしょう。結果として、サイト作りの細かな実作業が、企業規模に関係なく、個々のコンテンツ企業に託されてきております。正直な話、「ポータルサイト作りは迷惑」と思い始めた企業も少なくありません。せっかくいい企画を経団連さんで進めて頂いている訳ですから、是非とも関係省庁の皆さんには更に一歩進めたサポートをいただき、中小コンテンツ企業にしわ寄せが行かないように希望したいと思います。
 また、これは一つのアイデアですが、英語翻訳に関してもっと容易する環境づくりが必要かもしれません。コンテンツの国際化を促すためにも英語教育の観点からも、英語翻訳ソフトの進化は国民の財産となる重要なポイントです。現在、翻訳ソフトの開発は民間ベースで行われていると理解しておりますが、可能ならば政府の知財総合戦略の一つとしての関与を是非とも御検討いただきたいと希望します。
 以上でございます。ありがとうございました。

○牛尾座長 ありがとうございました。
 あと、資料3−2で、今日欠席の久保利先生からも問題提起がありますので、御参考までに申し上げておきます。
 それでは、ここで皆さんからの御意見をちょうだいしたいと思いますので、いつものように名札を立てていただいて御発言をお願いいたします。どなたか御発言ございませんか。村上さん、どうぞ。

○村上委員 それでは、私の方から、ここで出されております資料につきましての私なりの意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、資料1の「『世界最先端のコンテンツ大国の実現を目指して(案)』について」。この各項目については特に異存はないんですが、資料2の方の、いわゆる項目立ての中の具体策につきまして、こういうふうに少し直していただけたらどうだろうかということを2〜3申し上げたいと思っております。
 1つは、9ページの、まず項目として「2)クリエーターに適正な報酬がもたらされる仕組みの下で、円滑な利用を進める」という課題が提示されておりまして、その中に「解決策」がいくつか書かれておりますが、その中の「ii)放送番組のマルチユースの促進」ということで、この文章ですと「放送番組のマルチユースを促進することにより関係者全体が潤うよう、放送事業者と番組制作会社との間での契約モデルを作成し、窓口管理業務(窓口権)に関する公正な協議・契約の締結を進めるなど放送番組の制作委託に係る課題を解決する。」となっております。
 実は、放送事業者と番組制作会社との間でいろいろ、制作委託に係る契約見本であるとか、あるいは委託取引に関する自主基準、そういうものが既に策定されているという事実がまず1つ。
 それから、ここで窓口管理業務などの窓口権というものがわざわざ書かれているんですけれども、実際には、いわば慣用句として窓口権という言い方が言われていたりはしておりますが、実質的に窓口権という権利が別にあるわけではございません。何となく使われている言葉というのが独り歩きしているような気がしますので、この言葉は不適切だと考えております。
 したがって、ここの文章はこういうふうにならないかなと思っております。2行目の「放送事業者と番組制作会社との間での契約モデルを作成し」というのは既にできていることだと思いますので、むろん協議はこれからもいろいろ進めていかなければいけないということですが、ここはカットしていただきたいと思います。それから、次の「(窓口権)」は全く不要な言葉だと思います。これは切っていただきたいと思っておりまして、そうしますと「放送事業者と番組制作会社との間で、窓口管理業務などに関する公正な協議・契約の締結を進めるなど」というふうにしていただけたらどうでしょうかということが1つでございます。
 それから、15ページでございますが、やはり「解決策」の部分になるんですが、ここでは大項目が「2)ハードとソフトを連携させたビジネスモデルを構築する」ということで前のページからありまして、ここで「解決策」ということで、ここも「ii)コンテンツ・ビジネスに係るインフラ整備の促進」ということがございます。この文章は「地上デジタル放送は、デジタル・コンテンツの流通を促進するための重要な基盤である。政府としては、2011年を地上デジタル放送への全面移行の期限としているが、これを確実に実現するため官民連携した取組を進める」という文章になっております。
 実は、私、民放連の立場から、ここに一言、インフラ整備の意味で付け加えていただけないかなと思っておりますのは、最後のところで「これを確実に実現するためデジタル受信機の全世帯への普及を促進するなど」という意味で、いわゆるコンテンツ大国の恩恵をすべての国民が享受するためには、デジタル受信機の普及が極めて重要であるというふうに思っておりまして、デジタル受信機の100 %普及ということを是非目指すための一言を入れていただけると非常にありがたいと思っております。これが2番目でございます。
 同じページの「3)バランスのとれたプロテクションシステムを採用する」。「課題」がいろいろ書かれておりまして、そこでの「解決策」というところで、これはこうなっております。「地上デジタル放送のコピープロテクションシステムについて、権利者が安心してコンテンツを提供できる環境を作るとともに、ユーザーの使いやすさに配慮したルールの採用を進める。」ということで、地デジについてのコピープロテクションシステムとしっかり書いていただいたのはいいと思うんです。
 しかし、もう一つ、動画配信サービスのコピープロテクションシステムをきちっとしておくということは、やはり、今、非常に大きな課題になっておると思いますし、権利者の皆さんに多様なコンテンツを安心して提供していただくため、今後のいろんな方策は非常に重要なことだと思っておりますので、地デジだけではなくて、動画配信サービスについても述べることとして、「地上デジタル放送及び動画配信サービスのコピープロテクションシステムについて」というふうに追加をしていただければいいのではないかと思っております。
 以上、放送事業者の立場からいろんな御意見を申し上げました。

○牛尾座長 ありがとうございました。関連で御発言ございますか。
 それでは、原田さんどうぞ。

○原田委員 全体としては、大変スケールの大きい形でまとめていただいていまして、方向としてはいいのではないかと思っております。
 その中で、幾つか申し上げます。1つは資料1の「1 基本認識」のところ、また資料2の「1.経緯と現状認識」のところにも書いてございますけれども「民の活動を主体とし、官は阻害要因を排除することを基本とすべきである」という箇所です。このことは全体の精神として、本当にそのとおりだと思います。ただ、実際にそれぞれ個々の問題で申し上げますと、民でやれること、やるべきことと、それを官が後押しをしなければいけないこと、そうしなければ進まないことなどいろいろなレベルがあると思います。
 そうした観点で、各論について申し上げます。9ページ、クリエーターに適正な報酬がもたらされる仕組みをつくるということでございますが、ここの「iii )権利の集中管理の促進」には「著作権法上の共同実演に関するガイドラインを作成し、利用に関しほとんどの権利者の合意が得られるコンテンツの流通を促す。」というふうに書いてあります。
 それから、この9ページの一番上のところ、前ページからの続きでありますけれども、「C)権利者不明の場合におけるコンテンツの流通」では「また、例えば、ノンフィクション番組の利用に際し、連絡先を把握しづらい一般人などからの申し出を受け付ける機関を作り、利用者の供託金によって運営する自主的な取組を奨励する。」というふうに書いてございます。
 こうしたことはコンテンツ流通を促進させるための民の取り組みとして必要ですが、例えば最初に申し上げた「iii )権利の集中管理の促進」のところで言いますと、一部の権利者がノーだと言った場合には、やはりコンテンツは現状では出回らない。ですから、すべての権利者ではなくても、ほとんどの権利者がOKだと言ったものについては逆に流通をさせるんだということが重要です。そうしたことについては、やはり法制面からも後押しをする必要があるのではないか。
 それから、「権利者不明の場合」のところでも、権利者本人がこうした自主的な枠組みの利用を拒否した場合には実効性はないわけで、こうしたものをつくるためには、やはり何らかの法的な後ろ盾も必要ではないかと考えます。
 そうした点は、これからの課題になるかと思いますけれども、官で後押しをしていただく必要があるものがやはりあるんだということを申し上げておきます。
 その関連で、15ページ、技術開発のところであります。ここの中の「解決策」の「iii )国際標準を視野に入れた技術規格の標準化」。これは大変大事なことだと思います。放送の分野で申し上げますと、去年、ブラジルでワンセグとかハイビジョンを含むデジタルテレビの日本の規格がブラジルで導入されたということがございました。これについては、政府が大変努力をされたというふうに伺っております。先端分野で日本の規格が各国で採用されて世界標準になっていくということが大きな枠組みの中では大変重要なことであり、そうした中で、やはり政府が政府間レベルで積極的に働きかけていただくということも官の役割としては大事なのではないでしょうか。そういう認識も持っていただければということを申し上げておきたいと思います。
 それから、村上委員から御発言のあった地上デジタル放送への全面移行を官民挙げてやっていくんだ、ということはまさにそのとおりです。去年12月1日には「地上デジタル放送推進第7次行動計画」を発表いたしまして、官民挙げて積極的にやっていくということをうたっております。受信機の普及が大事であるというのは、村上委員の御発言と同じ認識でおります。
 以上です。

○牛尾座長 それでは、重延さん。その後で、事務局から若干補足する点があれば発言してください。特に、私も官の後押しの必要について若干の記載が必要ではないかという気持ちを持っております。
 それでは、重延さんどうぞ。

○重延委員 「世界最先端のコンテンツ大国の実現を目指して(案)」という全体のまとまりについては、大分具体的でもあり、進行方針がよく出ているように思っております。
 一部、この「世界最先端のコンテンツ大国の実現を目指して(案)」という中で、やはりクリエーター側から考えますと、どうしたら実現を目指せるようなコンテンツが生まれ育ち、それがサクセスストーリーとなっていくかというところがどうしても文章にはしにくいところだろうと思いますけれども、この辺の関連ということで申し上げれば、阻害にならないような形というのをできるだけ広めていただきたいということで、2点だけございます。
 1つは、既に書かれている、資料2の10ページでございますけれども、コンテンツ流通のための著作者の意思の表示というところが非常に大事であろうという具合に思いました。1つは、本当にコンテンツ流通がどんどん広がっていいというのは、実はクリエーター側からも考えていることでございまして、ある意味では余り制限なく、どうぞ、著作権の使用を進める形で促進していただきたいという考え方でやっていって結構で、これは勿論、IPマルチキャスト放送を含めて促進される部分だろうと思います。
 もう一方では、勿論、コンピュータ業界、あるいは新しい通信業界の発想の中に、著作権使用を進める一方であるという考えが強いところもありますけれども、クリエーターからすれば、どちらかというと、著作権としては十分に、大切に扱いたいという、ある意味で使用を制限することによって伝説化するという戦略もございますので、そういう意味では、ここで書かれている著作者の意思表示というのは非常に重要であろうと思うんです。
 これに関しては、はっきり、正しくはどうぞ使ってほしい、自由に使ってほしいという意見がどんどん出て、これはどんどん認めていく、あるいは無償でもいいから使ってほしい。こういう意見は、これから新しい考えとして是非お抑えください。ただ、あるものに関しては、ある価値を保つために無償に広がっていくことは困る。これは最近の個人生成コンテンツといいますか、チープコンテンツ、無償コンテンツに対抗するためには、ある意味では、このコンテンツは見せないという判断もあるという、この両面性もあると思うんです。そういう意味を柔軟に考えて、是非、これが単純な流れにならないよう、著作者の意思ということを大事にしていただきたいという具合に思います。
 それから、先ほど村上委員の方からございました9ページの「ii)放送番組のマルチユースの促進」のところでございますけれども、私も「窓口権」という言葉は余り好きではございませんので「窓口権」という言葉の使い方に関しては取るという方面で結構ではあると思います。
 ただ、現状、放送局から出ている自主基準というのは確かにございますけれども、これは両者合意ということでもない。ただ、非常に進んできた自主基準が多いということとか、進んでいる局があるということも事実でありますけれども、実際の放送業界全体で考えますと、まだまだ具体的には自主基準があっても実行されていない、あるいは自主基準の中に抽象的であるがゆえに、なかなか実際の現場では適正な形で処理されていないというようなこともございます。
 そういう意味では、言葉上ででき上がっているという背景の中に、まだまだ実際には両者の合意、両者の適正な関係にはなっていないということは言えるというような思いもありますので、今回はそこまで具体性に入らなくてもいいですけれども、その意識を持ってということで、私は「契約モデルを作成し」というのは第三者的には残した方がいいのではないか。つまり、両者、個々というよりも、第三者が契約モデルを考えるというような言葉は少し残した方がいいかなという意見を持っております。
 特に今回、流通が非常に重要だと思うんですけれども、流通に関しまして、放送局とは制作契約といいますか、あるいは放送権契約といっていいのかもしれませんけれども、ここの契約時点で放送権終了後の流通・管理権まで結ばなければいけないという契約書が非常に多うございます。これは、やはり別ではないか。制作契約、放送権契約をするに当たって、放送権終了後の権利まで入れなければいけないというのは、適正ではないという考えをしていますが、ここに書く必要はないと思いますけれども、その意識を持って言えば、慎重に文章づくりをお願いしたいという具合に思います。
 そういうことでございます。

○牛尾座長 ありがとうございました。
 岡村さん、関連でよろしいですか。

○岡村委員 全体の流れ・内容については全く異論ございませんが、1つだけはっきりさせていただいた方がいいのではないかという点がありますので、検討をお願いしたいと思います。
 まず、序文の中で「民の活動を主体とし、官は阻害要因を排除することを基本とすべきである」とありますが、これはそのとおりだと思います。
 問題は「(3)基本目標」のところに「『特別な業界』から『普通の業界』として世界に飛躍する」とありますが、この意味が少しわかりにくい。「普通の業界」というのは一体何なのかが、具体策の中に具体的に表れてこないということです。
 何が「特別な業界」で、何が「普通の業界」なのか、なかなか表現しにくいと思いますが、一つの産業として業界全体が意識することだと理解しますと、例えば、産業側として阻害要因を排除してもらおうとする政府に対して何らかのまとまった意見を述べる、そういう機関が常に存在しないと、なかなか「特別な業界」から「普通の業界」にならない。今のままでは、いつまでも「特別な業界」として、こんな形で(政府主導で)協議が進まざるを得ない。そういう意味で「特別な業界」から「普通の業界」へという意味をよく考えていくと、やはり一つの産業として業界全体のまとまりみたいなものができていいのではないか。
 この委員会でそういう提案をするかどうか、そういう性質のものかどうか私はよくわかりませんが、やはり結果として一つの産業として産業全体のまとまりを持つべきであるというようなことが報告書に組み込まれたらどうか、という気がいたします。
 そういう業界としての一つの固まりが、民間側の意見をしっかりまとめて政府への要望を明らかにし、かつ、他業界に対して連携が取れる。そういう仕組みが存在することが基本的に必要なのではないかという気がいたします。また前回申し上げたと思いますけれども、統計を一つ取ってみても、個々の業界の集計をしないと業界全体としての統計が出てこないということであれば、これは産業側の一つの責任であり、業界全体がまとまり、統計も容易に取れ、それを国全体の施策に反映できるような仕組みをつくる必要があるのではないか。関連して、そんなことを考えております。

○牛尾座長 それでは、中山さんどうぞ。

○中山本部員 まず、単純なところから、10ページの下3分の1ぐらいのところで「ii)放送番組アーカイブの活用」というところがございますけれども、これは確かに重要な問題で、ここに書いてあるとおり、著作権法上の課題を検討することは必要なんですけれども、実は著作権法の問題だけで解決するわけではないわけでして、肖像権の問題が非常に大きいだろうと思います。肖像権も解決しないと、著作権を解決しても放送は流れませんので、入れていただきたいと思います。肖像権は人格権に関係してくるので、これはかなり難しい問題ではあるんですけれども、少なくとも検討はしていただきたい。肖像権は入れていただきたいというのが第1番目。
 2番目は、9ページの下の方の「iv)契約に関する規定の整備」というのがあります。これは、この報告書全体が、民がやれることは民がやって官は弊害を除去するというトーンでできていると思いますけれども、この文章は「契約締結の促進に向けた制度として、著作権契約に関する法的な規定の必要性について検討を行う。」。これは、国によっては著作権契約法というのがあって、著作権の契約に法がかなり深く関与しているというところがあります。例えば契約を結んでも、新しい技術が出たらそれについては契約には入りませんとか、いろんな制約をしている。あるいは書面でなければ契約はできませんとか、いろんな国があるわけですけれども、私は基本的には、この問題は民の自由な契約でやるべきだと思うわけです。
 官がどうしてもやる問題は、例えば身体障害者のための便宜を図るとか、そういう最低限の必要なことは官がやるべきだと思いますけれども、この文章だけ見ると、著作権契約に介入するようにも見えますし、前半は契約を促進するようにも見える。私は、むしろ後半は要らないので、自由な契約を促進するということだけでよろしいのではないかと考えております。
 それから、11ページはコンテンツのネットの流通の促進なんですけれども、一番最後の文章「民間における自由利用促進のための取組を奨励する。」。このようにやってほしいと思いますし、文章はこれでいいと思いますけれども、私は基本的には、この問題は民がやるべき問題であって、官が金を出したり口を出したりすべき問題ではないと考えております。
 実は、この自由利用促進のためのシステムをつくるのはかなり大変でございまして、例えばクリエイティブ・コモンズを見てみますと、アメリカなどはシリコンバレーで大金持ちがいて、ぽんと億単位で寄附をしてくれる。それで検索のプログラムをつくるというようなことをやっておりますけれども、現在の我が国の、例えばクリエイティブ・コモンズ・ジャパンを見ておりますと、弁護士が手弁当で、しかも、かなり高額な手弁当でやっている。お金も全然ないというところでやっています。今日御欠席ですけれども、久保利委員が100 万円寄附してくれて、それだけが唯一の頼りというさびしい状態でやっているわけです。
 したがって、難しいので、少なくとも検索プログラムをつくるための、例えば研究資金のようなものを、当初は若干の官の援助というものがあってもよろしいのではないかと考えております。あくまでも基本は、動き出したら、これは民がやるべき問題であると思っております。
 もう一点、9ページの一番上の、先ほど原田委員のおっしゃったところなんですけれども、この文章で、一般人については利用者の供託金によって運営する自主的な組織をつくる。これは放送局辺りが金を出してつくると思うんです。
 一般人からの申し出というのがよくわからないんですけれども、一般人は芸能人ではないというような感じでできていると思うんですけれども、果たしてこんなものをつくって、普通の人がここに登録だか、申し出だかをするかどうかという実効性が私はかなりおかしいと思うので、こういう利用促進のためのシステムは必要ですけれども、例が余りよくないのではないかという感じはしております。
 以上です。

○牛尾座長 ありがとうございました。
 金丸委員、どうぞ。

○金丸委員 全体を通じてバランスよくまとまっているとは思うんですけれども、読み終わって、心の中にコンテンツ大国ができそうな気持ち、そんなに熱いものが浮かばないんです。そのことが一番、私は問題が大きいのではないかと思っています。何かブレイクスルーとか、ビッグバンだとか、ダイナミズムだとか、そんな気がどうもしないんです。
 そう言ってしまえば元も子もないんですけれども、前提条件となる一番のポイントは、潜在能力はありながら、現在の組織とか、個人だとか、商慣習を含むビジネスルール全般であるとか、そういったものの現在の延長線上では明るい未来はそれほど訪れないのではないかというところの問題意識が全体を通じて書いてあるんです。
 それでまとまった結果、先ほど、どなたかもおっしゃられたような気がしますが、要するに、だれが何をどうするかというのを、この結果、関係省庁だけの責任にするのではなくて、民間は民間で解決すべきことと、官は官で解決すべきことと、政治は政治でやっていただくことの一覧表みたいなものができればいいのではないのかという気がいたします。そして、私は、日ごろは官はよけいなことをするなというタイプですけれども、この分野に関しては、既存の、現在いらっしゃる組織の方々であるとか、あるいはいろんな方々でやっていらっしゃるいろんなことが複雑に絡まっておりますので、この分野こそ、私は、官は仕事をしていただかないといけないと思います。
 そのときの仕事のやり方に基準が必要だと思うんです。やはり新しい市場形成と新規参入者を促進するという視点は必要なのではないか。それはなぜかというと、現在の延長線上に未来はそれほどないということからすると、我々の日本の未来をこの分野で担っていただく人は、新しい個人であったり、新しい組織であるわけです。その方々の力を加えないと、私はコンテンツ大国にはなり得ないと思うんです。
 そういう意味で、官の皆様がやっていただく仕事は現在と未来と、この視点で見ると、私は未来により軸足を置いた視点でこれからのすべてのことに当たっていただきたい。そして、組織と個人というものも、もともと、このコンテンツ分野というのは個人の創意工夫によるところでできるものですから、そういう意味では、組織と個人となれば、より個人に軸足を置いたところを最初にやらないと、将来と現在に、ニュートラルなポジションにいち早く戻れないのではないかという気がしております。
 そういう意味では、資料3−3で國領先生も書いていらっしゃるような「1.全体的に新規参入を促す内容とすること」。このことは、私も加えて申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。

○牛尾座長 かなり多岐にわたって御意見が出ているようでありますけれども、特に民の活動を主体として、官は阻害要因を排除するということだけではなくて、やはり現状で官がやるべきことというのは、まだこういう点があるのではないかという議論は少し詰める必要があるのではないかという気もします。
 しかしながら、流れとしては、個人を中心とした個性が、やはり胸をわくわくさせながら、この業界に入ってくるような環境づくりというものが十分存在するかどうかということで、そのためにはどういう特別な、アファーマティブなインセンティブをこの業界にどう与えていくかということも一つのポイントであるような気がします。
 一応、今のところで事務局の方から何か御発言がありましたらお願いします。

○藤田次長 まず、いただいた御指摘で、1ページ目の「民の活動を主体とし、官は阻害要因を排除することを基本とすべきである。」、これを基本として、しかし、官もやるべきことをしっかり果たしていくという全体の流れで、そこは余り大きな御異論はないかと思います。
 そういう前提に立ちまして、3ページ目で御指摘のございました「特別な業界」「普通の業界」というところですけれども、ここは確かに、何が特別で、何が普通かというのがちょっとわかりにくいので、どういう表現ぶりにするか、更に事務局で一案をつくってお諮りをしたいと思います。
 9ページの一番上のところ、原田委員と中山本部員から御意見があったところでございますけれども、ここで書いた趣旨は、まさに芸能人ではなくて、ドキュメンタリーのような番組に出られた普通の人を後から探し出して許諾を得るというのが、事実上、非常に困難であって、貴重なコンテンツが埋もれてしまうという懸念からこういう表現にしてあるわけでございますけれども、イメージしたのは、中山先生から例がよくないという御指摘だったんですが、まさに、例えばこういう人を念頭に置いて考えているわけでございまして、プロの出演家や芸能界の方ではなくということでございますが、更にそこは詰めさせていただきたいと思います。
 2)の「ii)放送番組のマルチユースの促進」のところでございますけれども、確かに「契約モデルを作成し」と書いてあると、今まで何もないような感じがあって、やや正確を欠くという面があるかもしれませんが、実際に事務局としてもいろいろヒアリングをさせていただいたり、あるいはこの委員会での御意見やパブリック・コメントなどを拝見しておりますと、やはりまだまだここの部分が徹底していないという面があるのではないかと思われますので、こういう言い方になっているんですけれども、表現ぶりについては、もう一度、事務局で考えてみたいと思います。
 「窓口権」という言葉が適切ではないというのは、村上委員、重延委員からそういう御指摘がございましたので、これは外したいと思います。
 「iii )権利の集中管理の促進」のところで、法制面の後押しが必要であるという原田委員の御指摘でございますけれども、「流通を促す」と書いてあれば、すべて民に丸投げして、官は何もやらないという意味ではございませんので、必要であれば法制面の後押しというのもあるかと思います。表現ぶりについては検討させていただきたいと思います。
 次のiv)ですけれども、ここはさっきの「特別な業界」「普通の業界」とも関係するんですが、やはり契約の締結が大事だといっても、実際にはなかなか進んでいかないというか、普及が進まないという面がございまして、そういう意味で、強制的に契約しなければ罰則だというようなことは非現実的、不適当だと思いますけれども、何か契約を促す法的なバックアップというのは考えられないだろうかということから、こういう検討ということで入れさせていただいております。
 10ページの「ii)放送番組アーカイブの活用」でございますが、中山先生から肖像権の問題も入れるべきだ。これはおっしゃるとおりかと思いますので、加えさせていただきたいと思います。
 次の11ページの「民間における自由利用促進のための取組を奨励する。」。ここも最初の取っかかりのところで少し国の支援ができないのかという御指摘でございましたけれども、そういう方向で少し修文をしたいと思います。
 15ページのii)の受信機の普及でございますけれども、ここはいろいろ御議論があるところかと思いますが、少しデジタル受信機の普及を促すというようなトーンで表現ぶりを加える方向で考えたいと思います。
 国際標準のところは全く御指摘のとおりでございまして、官民挙げた取組みで日本のスタンダードが国際標準になるということで、これも表現ぶりを考えたいと思います。
 それから、一番下のところのコピープロテクションに動画配信サービスを加える。これは御指摘のとおり、そういう方向で修文をしたいと思います。
 とりあえず、以上でございます。

○牛尾座長 ほかに御意見ございますか。
 どうぞ、久保さん。

○久保委員 今、お話しいただいた「民の活動を主体とし、官は阻害要因を排除する」ということについてなんですが、そもそもコンテンツの業界は、官不在の時期が長く、民の力で伸びてきた業界という認識が一般的です。アニメーションに関しても、官が関与する前から、「クール・ジャパン」としての位置づけは確固としたものを持っていたと思っております。しかしこれからの新しい時代に向けては、民だけの力では問題解決が難しくなってきていると思います。例えば、放送と通信に関してもだれかの既得権益や権利を譲ったり制限したりする形で調整しなくてはならない時期に徐々に近づいて来ています。ですから、公平な立場で官の関与というものが必要不可欠だと認識しております。
 もう一つは、これは牛尾会長のお言葉ですが、「多機能携帯電話が日本の財産になった可能性がある」というお話が頭から離れないでいます。民はどうしても目先の利益を追いがちです。「そんなところでシェア争いをしていないで、もっと先を見ろ」という懐の広いアドバイスは、民の中から生まれにくいかもしれません。本来は、官からあるべきだと思いますし、そのためには阻害要因を排除しているだけでは無理だと考えます。
 以上でございます。

○牛尾座長 ありがとうございました。
 それでは、角川委員どうぞ。

○角川委員 まず、皆さんが非常にこだわっている「(1)基本認識」の4)です。「官は阻害要因を排除する」ということについて、私は、皆さんもおっしゃるとおり、基本的にはこれで結構だと思います。しかしながら、最近、非常にアップルが成功していることを思うわけです。iTune、iPhoneとか、出てきているわけですけれども、何でアップルが成功したのかと言うと、やはり基本的にはハードとソフトがバンドルされて、一体となって提供されている。従来の日本の成功モデルというのは最初にハードが出てきて、その後、ソフトがくっついてくるというものでした。
 ところが、最近になってから、先ほどの久保さんの話もそうでしたけれども、ハードが出ても、ソフトの人が懐疑的になって、なかなか付いていかなくなってきている。そういう現象の中で、日本が従来の成功モデルにこだわっているのではないか。やはり、ハードとソフトは実は発売するときに既に一体となっていなければいけない。つまり、iTuneが出たときには既に世界の260万曲みたいなものがバンドルされてきて、買えばすぐ聞ける。そういうことが必要なのだと思います。
 こういう問題は、民が努力していればいいのではないかという風に言われますけれども、やはりハードの文化とソフトの文化というものが違っていて、なかなか行われないでおり、経団連でもハードとソフトの融合と言うことを話し合っているところです。
 各業界も努力はしているのですけれども、やはり官の旗振りというのが必要なのだと思います。一事業会社、一家電メーカー、一コンテンツ業者が努力しても、なかなかそれが実現しないので、やはり官民が一体となる必要があるわけです。つまり、日本というのは官が旗振りをして、こちらの方に行こうよと言うとみんなが付いてくるというところが日本人のいいところだと思うのです。非常に国家に対する忠誠心がある。むしろ、そういうことを意識して、結論的には民が主体であり、官は阻害要因を排除するということで良いのですけれども、その前振りとして、官がコンテンツ大国推進の旗振りをすると言っていただいたら、皆さん、すごくわかりやすくなるのではないかという感じがしました。
 それから、何度か出てきている一般人という表現も含めて、これからはやはり個の時代だということをもうちょっと前に押し出していいのではないか。それが先ほど、金丸委員からダイナミズムが感じられないと言われたところの一つだと思います。私はやはり、21世紀になって、創作の分野で新しいリテラシーとか、新しい表現能力を持ってきた個人というのは澎湃として起こっているような予感がしているんです。これは活字の世界でそれを感じています。きっと、放送の世界、映像の世界でも、また映画の世界でも起こってくるのではないかと思います。去年の『TIME』の主役は"You"あなただ、大衆だ、個だといったことをもっと表に出して、そこをこの全体の論調の受け皿にしていったらいいのではないか。
 実は、個が出てくると業界に縛られない人が出てくるのだと思います。ですから、そういう点で、先ほどの「(3)基本目標」の「目標1 世界に通用する業界となる」の一番最初に「『特別な業界』から『普通の業界』として世界に飛躍する」という書かれ方をしていますけれども、私はやはり、日本のコンテンツ産業の問題点は、業界の縄張りみたいなものやしがらみみたいなものが強烈であり、だから、ここのところでも「特別な業界」から「普通の業界」として、産業化に向けて進めていく必要があるのだという風に感じています。コンテンツ産業という形になっていくには、それぞれの業界が孤立していて、そして、孤立した上で、足し算でコンテンツ産業になるというのではなくて、何か掛け算で産業化していくというイメージが、「普通の業界」として産業化に向けて飛躍するという風なことを表現するのに、今のお話を聞きまして、ふさわしいような気が致しました。
 以上です。

○牛尾会長 どうぞ。

○中山本部員 今日、御欠席の國領委員の資料3−3を読んでいて感じたんですけれども、報告書の8ページの下の方の「iii )違法複製されたコンテンツの個人による複製」の件なんですけれども、文章は「情報の流通を過渡に萎縮させることのないよう留意しながら」というところを、國領委員は「合法的で、ユーザーが利用しやすく、クリエーターへの利益還元も適切になされる個人間の情報流通手段の促進策を講ずることで、違法な複製を抑制する」というふうに直すべきだという御意見ですけれども、私も國領委員の言うとおりだと思います。
 ただ、どちらにしても、具体的に何をやったらいいのか、よくわからないんですけれども、心としては、やはり積極的な國領委員の方がよろしいのではないかと思います。
 以上です。

○牛尾座長 どうもありがとうございました。ほかに御意見ございませんか。

 どうぞ。

○藤田次長 すみません、先ほど金丸委員の御指摘に対するお答えができなかったかと思うんですけれども、まとめた事務局としては、こうした措置、あるいは官民あげた努力が実を結ぶことによって、ある種のブレイクスルーが起きて、コンテンツ産業が生まれ変わるというか、そういう姿ができていくのではないか。ただ、現時点でどういう対策・施策を講じていくべきかというと、ここにあげたようなことが今まで出てきたことかなという認識でございます。
 ちなみに、資料1の8ページをご覧いただければと思うんですけれども、これは金丸委員の御指摘も踏まえて、それではこういう施策・対策が講じられていくことによってどういう世の中になるのか。コンテンツ業界がどうなっていくことをイメージして、こういう対策を講じようとしているのかを簡単にまとめたものでございます。
 例えば「(1)国民がコンテンツを楽しむ環境」の後半ですけれども、国民が時間と場所を選ばずに、豊かなコンテンツをいつでもどこでも楽しめる。そして、1億総クリエーターというか、自らもそういう媒体を使って、自由に創作活動をして、それを流通させていくことができるという世の中。
 「(2)人材育成」ですけれども、これも先ほどからいろいろ御指摘がございましたけれども、業界の内外から多様な人材がコンテンツ産業に流入して、互いに切磋琢磨する。海外からも日本にクリエーターが集まってきて、日本がコンテンツ創作のハブとなっている。
 国際的に活躍するクリエーター、プロデューサーが日本から多数出てくる。
 海外と対等に交渉できる法律家も多数輩出されている。
 「(3)契約」ですが、コンテンツ業界全体において、言わば当たり前のように、公正な契約が結ばれるようになっている。
 マルチユースを想定して、クリエーターが適正な報酬を得る契約がしっかり結ばれるようになっている。
 次のページをご覧いただきますと「(4)ビジネスチャンス」で、日本のコンテンツが世界中で評価され、受け入れられる。あるいは海外のコンテンツが日本で自由に紹介される。
 「国際コンテンツカーニバル」。これは今年の秋から始まるものでございますが、世界的に権威を持って、各国のコンテンツが日本で紹介され、取引されている。
 国内外から多様な資金がコンテンツ産業に流れ込むという、コンテンツ産業の中だけでちまちまやるのではなくて、外からも豊富な資金が流れ込むようになっているというようなこと。
 あるいはネット上での権利処理や課金が進んで、クリエーターが適切な報酬を得ながら、多様なコンテンツが流通するビジネススキームが広がっている等々を書いてございまして、要するに、こういうコンテンツ産業になっていることを目指して、それではどういう政策・対策が必要であろうかということで、いろいろ今まで皆様からいただいた御意見を基にまとめたということでございます。
 決して未来を見据えていないわけではなくて、まとめた事務局としては、むしろ、こうした未来を目指す。外からも大いに、このコンテンツ産業に入ってくる。そういうことを想定しているわけでございます。
 それから、官の関与の在り方について、その後も更に久保委員、あるいは角川委員から御指摘いただきましたので、それも参考にさせていただきながら、また文章については考えさせていただきたいと思います。

○牛尾座長 どうもありがとうございました。
 どうぞ。

○金丸委員 特にけちを付けているわけではないんですけれども、もし、今おっしゃられたとおりなら、ゴールが「参考」ではなくて前に来た方がいいのではないですか。これをやっていったら、最後にまとめていただいているイメージになるというのが皆さんでいろんなことを議論してきたことの集約だと思います。こういうことが実現できればすごくすばらしいと思いますので、このためだというのをもっと前面に出されたらどうでしょうか。

○牛尾座長 参考が主体になったらいいわけですね。

○金丸委員 参考がゴールだという、ある意味で、メッセージとしてはこちらの方がわかりやすいのではないでしょうか。
 あと、私が未来という話を申し上げたのは、今後、官であろうと、民であろうと、いろんな話し合いがテーマごとになされていくわけです。そのときに、ある対立軸というのか、対立するシーンがいっぱいあると思いますので、そのときのジャッジメントとして、私は現在よりも未来という基準が、この専門調査会とかこういうところでオーソライズされていた方が官の皆様も今後の仕事がやりやすいのではないのかということで、私は申し上げたわけでございます。
 以上、補足でございます。

○牛尾座長 日本の改革が、官から民へ、国から地方へというふうに小泉政権時代に言われ過ぎていて、世界に開かれたということと、組織志向から個人重視へという2つの流れがまだ軽くなっているんです。
 これは、まだ政治化されていない。開かれているというのも、やはり非常に国内産業の擁護等から政治化しにくい。目標としてはあるけれども、具体化しない。
 それから、やはり組織志向から個人重視の世界というのは現実に企業などでは始まっているんですけれども、言わば、これが社会化しますと、既得権がある組織から新しいものを求める個人というような、やや脱却型の意識になりますと、やはり政治化しにくい部分があって、こういう場面ではそれを避ける傾向があります。民間の自由な活動の中では世界に開かれるということと、個人重視でこれが進んでいくという組織論というのは、組織論として既にあるわけです。
 だから、スポーツでも、やはり個人のスタープレーヤーとチームワークというふうに論議が変わってきているわけですから、そういう部分は、今、金丸さんの指摘にある、行政化・政治化するときには、まだそこまで、官から民へとか、国から地方へというほど現実化が進んでいませんけれども、まだこなれていない部分が今日の議論の中にあるような気がします。

○岡村委員 同じようなお話ですが、結局、主語、要するに、誰がやるのかという部分がはっきり見えていないので、こういう議論になるような気がします。そういう意味で、はっきりできるところの主語ははっきり表現していただいた方がわかりやすいです。

○牛尾座長 そうですね。だから、このワーキング・グループの性格から言うと、主体者は全部民間人で、しかも、これは採決を取るなどないことですから、民としてはこう思って、政府としてはこうしてほしいというのが一番わかりやすいメッセージだと思います。よく頭に入れられた方がいいのではないですか。それがなかなか、いつも都合のいいように変化するものですからね。
 恐らく、おっしゃるとおりだと思います。だから、やはり民として発言するというように、皆、委員の方も自負を持っていただければ、それはそれでいいし、最終的に目標は、やはり知財事務局で、民としては官にこうしてほしいんだというメッセージにきちっと集約している。何とか国民全体に、事務局もやはり何となく、こうしてほしいというのは怖いからね。
 だから、民の主体でやるのならいいのではないですか。

○藤田次長 はい。

○牛尾座長 どうぞ。

○原田委員 先ほどからのお話で「特別な業界」というところがわかりにくいというお話がありました。「特別な業界」というのもわかりにくいのですが、それでは「普通の業界」というのは何か。
 ソフトということを考えたときに、「普通の業界」というのは一体どういうものを指すのかということもやはりわかりにくいですね。コンテンツ大国をつくるということが最終目的であるとして、そのためにコンテンツ業界を大きな産業として強化するということも必要なことなのでしょうが、やはりコンテンツ大国というのは多様で豊かなコンテンツを生み出していくということが究極目標だと思うんです。
 だから、業界としてどういうふうに成長していくのかということが最終目標なのか、それとも多様で豊かなコンテンツを生み出していくことが目標なのか、どちらが目標なんだということははっきりさせておいた方がいいのではないかと思います。

○牛尾座長 なかなか難しい問題ですね。
 2000年代の経済の刺激になるものというのは、カロリー的で、その業界を引っ張って、全部束ねて強くなるという、自動車業界が強くなったような技術革新で、それがITの登場以来、ITというのは周辺の効率を上げていくので、それそのものは量にはならない。コンテンツも、ややそれに似ているところがあるんです。だから、ビタミン型とカロリー型の経済というのは、うまく見極める必要があります。
 それで、ハード、ソフトの問題も、物量的にはやはりハードだけれども、それを動かしていくものというのはソフトなので、その辺のところは相当、製造業でもわかってきたというか、だから、ハードで非常に強いものを持っている会社というのは変革に遅れがちになるんです。 だから、そういう点では、これは真っ最中ですけれども、今は過渡期ですから、その辺はどういうふうに成立するか。私も、今、言っているのも古い経済の中からの分析にすぎないので、未来から見ればどういうことであるかというと、大分違ってくるのではないでしょうか。
 そういう意味では、未来志向というものに個人の、特に若い人が胸をときめかせているという現実は、やはり無視してはいけないということは言えると思います。
 どうぞ。

○中山本部員 先ほどの点の蒸し返しで申し訳ないんですけれども、9ページの「iv)契約に関する規定の整備」は、藤田次長のおっしゃるとおり、確かに契約をちゃんとやってこなければいけないというのはそのとおりで、それをエンカレッジしなければいけないのはそのとおりですし、今日御欠席の久保利委員が中心になってやっているエンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワークなども努力していますし、それは大いに推奨しなければいけないと思うんですけれども、私が気になっているのは「著作権契約に関する法的な規定」という文言でして、著作権契約というのは往々にして著作権者というのはかわいそうなものである、したがって、著作権者は保護されなければないあない、という考え方も強く、著作権契約というとややますると法が著作権契約に関与し、著作権者保護の観点から契約を制限するという感じに捉えられがちです。
 したがって、これは著作権法の規定をいじくるのではなくて、それ以外の方法で何らかの意味で、藤田次長がおっしゃるように、契約を締結するようなエンカレッジをするという文章にしていただきたいと思うわけです。
 趣旨としては、藤田次長がおっしゃるとおりだと思います。

○牛尾座長 どうぞ、久保さん。

○久保委員 原田委員のお話を聞いて、そのとおりだと思いました。コンテンツ産業界が栄えれば、間違いなく、その国の文化が栄えます。文化との深い関連性を考えれば、特別な産業ということも言えると思いますし、その点は未来永劫変わらないはずです。ただ、その産業界の中で、いろいろな物事がすべて決まっていたという歴史があり、外から見えづらいという指摘を受けていることに関しては、今後は国民の全体の利益を考えるという未来志向の基に、透明度を上げる努力をしていけばいいのではないかと思いました。

○牛尾座長 そうですね。
 どうぞ。

○重延委員 私はアメリカに行ってきて、まだ帰ってきたばかりなんですけれども、ニューヨークである感慨を持ったんです。
 ちょうど、ニューヨークの5番街にアップルのアップルショップができて、今、プラザホテルが工事中で、その向かいに透明なアップルショップができて、24時間営業して、ティファニーよりもアップル。24時間営業で、みんな、ガラスの入り口から地下に入って、そういう環境になって、次第に思いがけないものがみんなの生活に入り込んできているという感じがしました。
 それで、ニューヨークの今のテーマというのは、9.11の後、みんなの生活に入っていこうという感じがするんです。例えば、MoMAというミュージアムでも、本当に美術を見せるだけではなくて、レストランとショップが一緒になって、しかもメンバーシップの人には全部に連携してお金が共通して安くなっていくようなシステムを入れて、ある空間とともに生活空間もつくって、現代アートの美術館に老若男女がみんな来ているんです。
 特に、またダウンタウンの方におりていくと、私はある種、日本人の感覚に強い思いを持ったんですけれども、例えばSOHOにユニクロの新しいお店ができて、日本のユニクロとちょっと違うんです。ものすごくすばらしいデザインを日本の4人のデザインチームがつくって、すばらしい店にしていて。感覚が全然違う、すばらしいものをつくり上げているとか、コム・デ・ギャルソンがチェルシーにすばらしいお店を持っている。
 結局、建築家では安藤さんと、MoMAも谷口さんですから、日本人がつくっている。それから、たくさんすし屋ができて、これがすばらしいデザインのすし屋なんです。こういう具合に、実は日本の感覚が入っているということと、生活に結び付いているという感じがしましたので、やはり日本の才能というのはすばらしいということを逆に思わされました。
 ただ、これからやはり、今、ここで考えていくのは、本当にある意味でハードと一緒になったものとか、大きな資本を動かして一緒に国際的になるということは何かというテーマに入っていると思いますので、日本のドメスティックな課題を超えてグローバルに、日本の才能がそういう大きな資本と組む方法論とか、あるいは本当に技術と組む方法論、ハードと組む方法論さえできれば、日本の才能は割と楽観的に明るいという印象を私はアメリカで持ったものですから、日本のドメスティックなものは早く解決をして、グローバルな目線というものを持ち込むのが、みんな若い人のためにもいいでしょう。生活に関わるというテーマが明らかにアメリカにはあるんです。その辺を見て考えて、未来につなぐ。このプロセスをこれから大切ではないかという具合に思いました。
 ですから、参考ではなくて、やはり目的でいいと思いますけれども、そこに向かっていけるはずだと思います。そういう考えを持ちましたものですから、少し明るい気持ちで、今、帰ってきているという感じでございます。

○牛尾座長 この審議会の生い立ちというのが、前半は日本の過去のしがらみをどう切るかという議論ばかりで、暗い話からスタートして、みんななかなか発言も伏し目がちに、自由にしゃべりにくいところからスタートしたものですから、それにとらわれて、まだそれを引きずっているんですが、前編はそれでいい。しかし後編はいよいよ、現在の日本の経済力というのは国際総合力になっていると思うんです。文化とか、伝統とか、チームワークとか、いろんなものがハードにくっついて強みを発揮している時代になってきています。
 確かに、コンテンツやそういうものが中心になって、実に希望に満ちた未来というものが開かれつつあるから、ここを積極的にみんなで参加しようというようなものを後編としてくっ付けていくことが大事です。暗い前編の苦しみはほぼ徹底的にまとめて、むしろこれから後編の方に今日の参考の、まだ参考というのは前編を引きずった発想なんですけれども、それをちょん切って、これが主役なんだという基準になってくると、それが初めて普通の業界だと私は思います。そういう点は非常に難しいこともあるでしょうが、今日は大変にいい御指摘だったと思いますから、今度の最終提案は非常に抜本的に変えていくというのも手なのかもしれませんね。これだけ皆さんがそうおっしゃっているんですからね。
 どうぞ。

○藤田次長 先ほどの原田委員の御指摘で、要するに「普通の業界」というのがわかりにくいというお話がございましたけれども、これは昨年のコンテンツ専門調査会でおまとめいただいた報告書の中で一番正面から打ち出したのは、それでは日本はどういうコンテンツ大国を目指していくのかというところで、クリエーター大国、ユーザー大国、ビジネス大国と3つ立てたわけです。
 まずは、クリエーターの権利がしっかり尊重され、創作の意欲がかき立てられるような社会、仕組みであること。それから、ユーザー大国ということで、日本のユーザーが豊かなコンテンツを自由に、あるいは安い価格で楽しむことができる。あるいはビジネス大国というのは、まさにクリエーター大国、ユーザー大国を前提として、コンテンツ産業というのがビジネスとしても発展して、関係者がWin−Winの関係に立って、日本のコンテンツ産業が、今はGDPの2%ぐらいで、世界の平均すら行っていないと言われているわけですけれども、日本のコンテンツ産業を、日本人にもっと経済的にも豊かに潤す、あるいは大いに外貨を稼いで日本人を食べさせてくれる、そういう産業になっていってほしいという思いで去年、そういう御提案をいただいたわけでございますけれども、それは変わっておりません。
 ただ、今年もまたクリエーター大国、ユーザー大国、ビジネス大国と立てますと、何となく去年と同じような感じになりますので、今年は少し切り口を変えて、こういうまとめ方をさせていただいているということでございます。
 それから、中山先生から再度御指摘のあった、著作権法をいじると読めないようにしようという御指摘は、ここはまだ事務局としてもよく詰めた上でこういう書き方をしているわけではございませんので、少し表現ぶりを考えたいと思います。
 先ほどの金丸委員からの御指摘で、後ろの「参考」ではなくてもう少し正面に立てたらいいではないかという御指摘がございましたので、もし委員の方々に御異論がなければ、この未来像を少し前に立てるようなことで考えさせていただきたいと思います。

○牛尾座長 やはり、クリエーター大国というのを、前回の報告のときよりも、今、いろいろと勉強していくと、日本のクリエイティブというのはまんざら捨てたものではない。事実、前回、2人の方に来てもらっても、相当成功した例なども聞くし、私自身もそう思っています。
 それから、ユーザー大国というのも、日本のクリエイティブというのは世界中にユーザーがいるんだという発想を持たないといけない。日本だけのユーザーではないということです。そういうことを絡めて、かなりスケールの大きいビジネス大国というものがこれから考えることができるというような考え方で、前回と同じ立て方だけれども、中身としては相当前へ認識が進んだという形にすることは、確かに、この業界にとっては非常に大事なことであります。
 NHKなどの特番などは、最近、ますます冴えてきて、本当にどの世界の番組を見ても関心するぐらいにいいものができていると私は思うんですが、かなり、本当に日本のこれからの競争力というのが確実に総合国力の時代に入っているので、生産の技術革新だけではなくて、あらゆる分野のイノベーションというものが日本の文化の裏打ちとしての力を総合戦略として発揮してくる時代に完全に入ってきたと思うので、その一番先端であるというのはコンテンツ部門ですから、そういうくらいの自負を持って書くということも一つの大事なことだと私は思います。
 今日は大変に皆さんから積極的、かつ革新的な議論ということで、事務局は大変に困っているんでしょうけれども、こういう短期間にやる場合はこういうこともあるべしということで、大変に申し訳ないけれども、かなり今日の御意見を加味して、とりまとめていただくと誠にありがたいと思います。
 それで、昨年の9月以来、4回にわたって会議をしてもらいました。今度は3月8日に10時から、今日の議論も十分、大幅に取り入れた最終案をまとめて、そこで結論を出したいと思っております。
 若干、今回の場合は、やはり委員の方のところを全部訪問していただいて、案についての議論をしていただいてまとめていただくということで、何とか3月8日の午前中に最終報告をつくり上げたいと思うので、御協力をお願いしたいと思います。委員の方をそれぞれ訪問することになると思います。
 それでは、企画ワーキンググループはこれが最後で、次回はこれに地方ブランドとか、ファッションなどが入った大きな委員会になるわけでございます。
 地方ブランドも大変に成功して、商標登録が100件に増えて、大変に地方の活性化にプラスになりました。これなどは本当に考えられない成功例で、私、年末は沖縄に行っていましたけれども、石垣の塩などは、ラー油もそうですけれども、全部、地方ブランドになって、全部売り切れてしまっているんです。本当にそういう意味では、知財というものは内容さえあれば、裏打ちを付ければ非常に強いものになるということを痛感しました。
 それでは、ワーキンググループはこれで最後でありまして、最後にふさわしく、いい御意見をちょうだいしました。
 3月8日10時からは親委員会を開催することになっております。
 あと、何か事務局から追加がありましたら、お願いします。

○小川局長 それでは、今日もたくさんの御意見をいただきましたけれども、企画ワーキンググループとしては、一応、今日が最終回ということでございますので、いただいた御意見を基に今日出した案文を修正して、各委員に御説明をして、御了解をいただいた上で、牛尾会長に最後のとりまとめのところは御一任をいただくということで進めさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○牛尾会長 それでよろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○牛尾会長 それでは、今日はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。