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コンテンツ専門調査会

デジタルコンテンツ・ワーキンググループ(第3回)議事録


1.日 時:平成17年12月26日(木)10:30〜12:00
2.場 所:霞が関東京會舘シルバースタールーム
3.出席者:
【委 員】牛尾会長、荒川委員、金丸委員、國領委員、浜野委員、平澤委員、中山本部員
【参考人】土屋参考人、橋本参考人
【事務局】荒井事務局長、藤田次長、辰野次長
4.議 事:
(1) 開会
(2) デジタルコンテンツの振興戦略について
(3) 閉会


○牛尾会長 では、ただいまから「コンテンツ専門調査会第3回デジタルコンテンツ・ワーキンググループ」を開催いたします。
本日も、前回に引き続き、参考人にお越しいただいておりますので、御紹介を申し上げます。
ネット配信事業を行う「第2日テレ事業」を手がけていらっしゃる日本テレビ放送網株式会社コンテンツ事業局次長の土屋敏男参考人です。
次に、ブロードバンドケーブルテレビにコンテンツを提供しているクラビット株式会社代表取締役の橋本太郎参考人です。
後ほどお話をちょうだいしますので、よろしくお願いしたいと思います。
本日は、まず参考人の方にお話をお伺いして、質疑を行った後、後半は、とりまとめに向けて集中的に議論したいと思っております。
参考人の方には申し訳ございませんが、会議の都合上、お話は一人当たり5分程度だと思いますが、よろしく御協力をお願いしたいと思います。
それでは、土屋参考人、よろしくお願いいたします。

○土屋参考人 土屋でございます。
それでは、お時間もないようですので、簡単に私の自己紹介をさせていただきますと、現在は、今年「第2日本テレビ」というVOD事業の責任者を務めさせていただいておりますが、3年ほど前までは『電波少年』という番組をやっておりまして、いろいろこちらにいらっしゃる方にも御迷惑をかけたかと思っておりまして、非常に目を合わせるのがつらいところがございます。
というところで、いただいた資料に目を通しておりまして、いろいろ考えていたんですが、目標の2にクリエーター大国を実現するということがございますので、VOD事業を進めながらクリエーターの一人として現在考えている問題点などをお話しさせていただければと思っております。
今年、非常にいろんな場面で通信と放送の融合ということが語られたと思っておりますが、通信と放送に関しての放送側の日本テレビ側という部分で「第2日本テレビ」というのをスタートさせていただいているわけですが、とかく通信と放送の融合に関して、いわゆる収益性というものが非常にメインに語られてきたのかなと思っております。
収益性というものを軸に考えていったときに、果たして知的財産というものが発展することになるのかということをクリエーターの立場から考えてみたいと思っております。
日本のコンテンツのここ数年の状況なんですが、例えばドラマに関していいますと、アジアの中で韓流ドラマという言葉がここ数年非常に有名になったことは御存じだと思いますが、この韓流ドラマは日本でブームになる前に、アジア全域で非常に流布されたといいますか、寡占状態に入ったということもございます。
これが一つ、なぜかということになりますと、やはり二次使用のルールづくりが日本の場合遅れたということがあるかと思います。ですから韓国のドラマの場合は、テレビ局自体が二次使用の著作者といいますか、いろんな権利者の方にほとんど委託された状態で中国、それから東南アジアにドラマを販売することができました。そういう形で、日本のドラマは韓国のドラマに対して非常に出遅れたという事実があるかと思います。
韓国ドラマがアジアを席巻したということをその昔に考えてみますと、日本も戦後アメリカのテレビドラマが大変入ってまいりました。うちの局でも当然いろんなアメリカドラマをやったわけですが、そこで、いわゆる戦後の国民感情、対米意識があこがれというものに変わったという記憶も新たにすることができると思います。
そして、ここ数年の韓流ドラマブームというのが、日本と韓国の精神的位置関係というものを変えたということもあると思います。ですから、コンテンツが流通すること、簡単に言えば、日本のドラマ、ないしはコンテンツがアジアに出ていくことによって、外交面に関する影響というのも非常に大きいということを我々は見逃してはいけないと考えております。
一方、今年の特に後半ですが、アメリカのコンテンツの流通というものが、例えば当然Windowsというソフトが世界中を席巻していることは勿論ですが、iTuneが音楽配信を始め、日本でも4日間で100 万曲のダウンロードがあったと言われております。
それから、iTuneの中の動画です。ここにNBCからドラマの提供をされるという形で、アメリカでのデジタルコンテンツの流通というのが非常にスピードを増しております。
そのようなことを考えたときに、日本はコンテンツに関して非常に優れたものをクリエーターの一人として出していると考えるんですが、この中で世界マーケットに対して、やはりここでアメリカに出遅れてしまうのかという危機感を持っております。
ただ、もう一つ先ほどの収益性と関連する部分ではありますが、アメリカのコンテンツ状況、ソフト状況の中で非常に注目すべきことが1つございます。それは、今年のハリウッド映画の全体の低調化ということがございます。
このことに関して、どのように議論されているかといいますと、アメリカのハリウッド映画がそういう意味では非常にバジェットを大きくしていく中で、出資者、私が出させていただいた資料の中で「利回りコンテンツ」というような言い方をしておりますが、映画をつくる場合に、これはどれぐらいのリターンが期待できるという非常に厚い企画書を出して、そして出資を求めるという形のことが行われているかと思います。
このような収益性に考えることに寄り過ぎた場合に、今年のハリウッド映画、去年のものからも考えていただけるとわかると思いますが、いろんな大ヒットした映画の続編等々がつくられました。こういったものが今年のハリウッド映画全体の低調さを招いたのだと私は思っております。
ですから、コンテンツというものと、それから収益性、経済性みたいなものは、当然両輪となって、コンテンツを制作する上での大事な部分ではありますが、そこに寄り過ぎていった場合にコンテンツ自体の衰弱を招くと私は思うわけでございます。 ここで改めてコンテンツとは一体何かということをクリエーターの一人として思い切って考えていきたいと思っております。今年、私「第2日本テレビ」というVOD事業を始めましたが、そのときに映像コンテンツをビデオ・オン・デマンドの形で配信をするわけですが、コンテンツを分けるのに、喜怒哀楽という形で分けました。要するに、喜ぶ、怒る、泣く、そして楽しむという形の感情によってコンテンツは分類されていいのではないかという形です。あくまでコンテンツは、もともとに戻ると"感情を動かすもの"だと考えるからでございます。
感情を動かすものと考えたときに、収益性との部分の距離を考えることが非常に重要になってくるかと思います。
私は、先ほど言いましたとおり、バラエティー番組を中心に二十数年やってまいりましたので、このバラエティー番組に関してのアメリカの制作者たちと何度もいろんな形で接触をしてまいりました。そのときに感じたことですが、アメリカのテレビは御存じのとおりハードソフト分離の形でやっております。制作プロダクションがすべて番組をつくっているという形です。
そのときに、彼らがやることというのは、例えば100 万ドルでつくるよりは、150 万ドルでつくった方が同じ20%の利益を得るという場合でも20万ドルから30万ドルになるということでございます。
そのような形で収益性を求めていくことが、実はコンテンツの軸にある感情を動かすということに対しての距離が非常に微妙であるということでございます。
コンテンツをつくるということは、人の感情を動かすということで、ディレクターのセンス、それからディレクターの環境を整えるプロデューサー、この育成の急務を改めて申し上げて、私の発言とさせていただきます。
以上でございます。

○牛尾会長 大変興味深い点をありがとうございました。
では、続きまして橋本参考人からお願いします。

○橋本参考人 橋本でございます。
簡単に私がやってきたことを、まず述べさせていただきますが、もともとは衛星放送からスタートとした新しいタイプの放送に従事してまいりましたけれども、先ごろにおいては、日本で一番最初の、いわゆるIPTV(IPテレビ)と言われているBBTV(BBテレビ)というYAHOO! BB上のユーザーに対して、ビデオ・オン・デマンドあるいはIPテレビのチャンネルを提供するということをやってまいりました。
私の資料の一番最後の7ページに要点をまとめておりますので、そちらの方を中心にお話をさせていただければと思います。一番最後のページでございます。
今から数年前、4年強だと思いますけれども、現在では非常によく知られております電気通信役務利用放送法という新たな放送法の1ジャンルが制定されました。
実は、この法律自体は、既存のケーブル局がカバーする地域を拡大するときに、通信事業者の光ファイバーなどを借りて事業を行ってもいいですよという法律だったわけです。私どもは、それを参考に総務省を含めた省庁と詰めて、その法律の枠組みというのを日本における最初のIP放送の枠組みに活用するということを模索して、行政あるいは関係各位の多大な御協力をいただいて実現しました。
したがって、今から4年ほど前の段階においては、日本のIPTVというのは、世界で初めて広域に事業を行うことができるという極めて先進的なものであったということを是非御理解いただきたいと思います。
ただ、その時点で既に問題として明らかになっておりますけれども、私の資料で言えば、一番最初の2ページ目をごらんいただきたいんですが、この電気通信役務利用放送に関して、著作権法上の位置づけということで、大きな議論が生じたということは皆様御存じのとおりでございます。
つまり、一国の中に、技術要件から定めている放送法という法律があって、そこで定める放送と、文化庁が管理監督されている著作権法上の放送、もしくは有線放送というものの理解が一致していないまま今日に至っているというのが問題の現状でございます。
BBTVの事例で言うと、したがって入口の段階で多くのチャンネルが出たいんだけれども、ちょっとその辺りの問題があってということで、スタート時点のチャンネル数は、衛星放送などで流れているチャンネルを中心に6チャンネルという非常に限られたチャンネルでのスタートでございました。
ただ、その後、現在においては40チャンネルを超える主要な衛星放送のチャンネルが既にIPTV上に出てきております。
それは、どういう形でやったかというと、放送という処理ではなくて、いわゆる通信という処理で権利者の皆様に許諾をいただいたという努力を行ったんです。つまり、事業者は事業者で大変な汗をかいて、今日のところまで来ています。
ただ一方で、なかなか難しかったのが、より制度のど真ん中にいらっしゃる地上波の皆様は、やはりこの問題の完全なる解決をもって、出すであろうという議論に現在のところはなっております。
したがって、一番最後のまとめで書きましたけれども、IPTVの完全なる制度化、著作権問題のクリアーというのが急務であろうと考えております。
あと、今、話をした中にも出てまいりましたけれども、ややもすると著作権者の皆さんが悪者になりがちの昨今の議論の方向になってしまうことを、努力をしてきた事業者側としては、大変危惧しております。この4年間の間に権利者の皆さんの理解の深まりというのは相当なものがあって、具体的にそれは許諾の方法についてきちんと議論しましょうということになっています。
したがって、国を挙げてこういうテーブルを設けていただいた以上は、許諾の基準、水準に関する、いわゆる一般的なルールみたいなものの策定ということに照準を当てて、その早期合意みたいなことをやっていただければ大変ありがたいと思います。
重要なことは、ルールだけつくって、それが実効性を伴わないということが決してないようにすることであろうと考えます。
あと、3点目のポイントとして、放送は文化であって、通信は技術であるとよく言いますが、放送は過去の経緯を見ると、技術を一旦止める。つまり、非常に均質なシステム、均質なサービスということによって、国民全般に情報が行き渡ることをもって放送とするというのが、放送の本来の趣旨だろうと思いますけれども、その結果として、一旦技術を止めるということをやるんです。
通信の場合は、それを基本的には全く考慮せずにどんどん進化が行われると。つまり、ある事業者にとってみては投資が行われた直後に、つまり償却等が全然終わっていないのに、新しい画期的な技術がこれまでのもの全部覆すようなことをすぐ行うんです。
したがって、技術の在り方について、実は通信と放送というのは、本来的に相入れないようなところがあるので、相入れないものをいたずらに融合するということではなくて、通信は通信としての強みを発揮させて、放送は放送としての本来の在り方を追及するという2正面でどこが悪いんだというのが私のポイントです。軽率に融合するよりは、強みをそれぞれ生かすということが、ある意味で言うと、先に述べた電気通信役務利用放送法の趣旨でもあります。
つまり、光ファイバーでなくても、ADSLでもハイビットレートのものが送れるんだったら、議論からADSLを排除するべきではないんです。そういうことを私はここのポイントとしております。
また、一旦決めたものを意固地に守りがちな放送のサイドに対しては、そうではなくて、通信が放送が心配するものを基本的に担保できるのであれば、それは積極的に採用するべきだと言ってきました。つまり国民の最大多数にいかにちゃんと届くかという意味で、一つの方法に拘らずに、複数の存在する伝送路を使うべきだと思います。最終的に、エンドユーザーが選択肢を持てるまで、徹底的に「放送電波」とこれまで言われたもので流れているコンテンツを享受できる体制をつくる、ということを検討していただきたいと思います。
最後のポイントですけれども、先ほど土屋参考人の話の中にもありましたけれども、私は本来、この国でつくられたコンテンツは映像コンテンツであれ、あるいはゲームのコンテンツであれ、体制さえちゃんと整えていれば、本質的には輸出力のある商品だろうと考えています。国内だけの市場を見ていると、それによった偏りというのも、例えばテレビ業界全体に対して言えると思いますが、生まれていたような気もいたします。
そういう部分は、海外のマーケットも目指すということにおいて、今後更にコンテンツの質というものが高まっていくと思っております。
貴重な数年間が制度によって失われたという認識を持って、この状況を早期に変革していただく努力を全員でしたいと思っています。
以上です。

○牛尾会長 お二人の参考人から大変に貴重な問題提起をしていただきましたので、20分ばかりございますので、3分ずつぐらいで皆さんの御意見をちょうだいしたいと思います。 どうぞ。

○國領委員 意見というか、質問させていただきたいんですけれども、両参考人に1問ずつあるんですけれども、まず、土屋参考人の資料の中に、ハード・ソフト一体の話が書いてありまして、これはただ制度的に一体じゃなければいけないとおっしゃっているんではなくて、経営の自由度として両方どちらでもできるという意味だと理解してよろしいですか。

○土屋参考人 結果として、収益性を重視する、現在のアメリカのプロダクションの番組のつくり方といいますか、ソフトのつくり方が、とにかく利益を上げるということを重視するが余り、表現といいますか、コンテンツの自由度が失われているという事実があると思います。
その自由度をとにかく広げていくことがコンテンツを強くすることであり、輸出力を高めることだと考えておりますので、ハード・ソフトが結果として、現在、そういう形になっていると。そこの部分を押さえた状態で、これからハード・ソフトの議論をしていかなければいけないんではないかという考え方でございます。

○國領委員 あくまでも欲しいのは自由度だということですね。

○土屋参考人 はい。その部分を抜きにハードソフト分離、一体の議論をする危険性を申し上げたいと思います。

○國領委員 ありがとうございます。
それから、橋本参考人にお尋ねしたいんですけれども、最後の「ポイント(要点)」のところに「あくまで著作権者の権利を擁護するが(『許諾』の尊重)」とおっしゃっているところから理解するところで、基本的な認識としては、著作権の権利の問題ではなくて、どちらかというと、ライセンシングの仕組みの整備がきちんと整っていないことであると。既存の、例えば二次使用のライセンシングの在り方辺りにむしろ課題があると。
つまり、契約上の問題だったり運用上の問題であって、著作権そのものの問題とはちょっと違うんではないかとおっしゃっていると理解してよろしいですか。

○橋本参考人 事業者にしてみたら、その辺りの差異というのは、どうでもいいというと怒られてしまいますけれども、きちんと事業を志してちゃんとやるという上において、きちんと商売はすぐにできるんだということを是非担保してほしいということなんです。
つまり、別に著作権法上の放送解釈と、放送法上の放送解釈は違っていても、事業としてきちんとできるんであれば、それは事業者にとってプラスもマイナスも関係なく、基本的には事業ができれば、それはそれでやりようがあるということだろうと思います。ですから、事業者側は、余りその辺りの差異に、そこまで気を配らなくてもきちんと事業ができるようにしていただきたいという意味で書きました。

○國領委員 では、逆に言うと、きちんと事業ができる上で必要な条件というのは、やはり機動的とか早期にライセンスが出るような仕組みづくりであると。

○橋本参考人 そうですね。現在の、いわゆる報酬請求権という形で行われているものの準用みたいなものが可能であれば、それは一番スムーズであろうと考えています。

○國領委員 ありがとうございます。

○牛尾会長 では、御質問の方はどうぞ。

○浜野委員 土屋参考人の御指摘の韓流ブームと、戦後のアメリカのテレビ番組の流行は、政府主導です。韓国政府は莫大な資金をかけ、アメリカ政府は日本占領中、アメリカに有利になるように日本のコンテンツ規制を撤廃させました。
日本の民間放送として、そういった政府主導のやり方でいいのでしょうか。政府主導の社会主義的なやり方は、アメリカのテレビ番組のように、成功するのは一時的で長続きせず、特殊な例だと思いますが。

○土屋参考人 今後、日本のコンテンツといいますか、そういったものを考えていくときに、やはり輸出商品であると考えて、当然単純な輸出だけではありませんし、共同制作等々技術を考えた場合に、やはり日本のレベル、それから韓国のレベル、中国、ほかのアジアというところでいうと、優位性はやはりあると考えていいと思います。
その場合に、それをどういう形で外交も含めてやっていくかということの部分を少し申し上げたということだと思います。
ですから、やはり戦後のアメリカの部分というのは、日本の国民の感情を随分変えましたし、それから韓国に関して言うと、確かにいろんな状況はあると思いますが、中国に関して、やはり国の政策としてかなり積極的にソフト自体を持っていった、意識的に、例えば中国にタレントを持っていったというような政策も、今まで日本というのは国内マーケットが非常に大きかったですから、それをやる必要がなかったというのが正直なところだと思います。そういう時代はもう過ぎてきているのではないかという認識をしているということでございます。

○牛尾会長 よろしいですか。

○浜野委員 もし政策につなげるとしたら、日本の政府はどういう役割をしたらよろしいんでしょうか。

○土屋参考人 海外にコンテンツを輸出するということに関しての積極的な姿勢といいますか、そういうものをいろんな形で示していただくということだと思います。
とにかく今までアジアに向かって、繰り返しになりますけれども、国内マーケットで十分ペイしていたということで積極的ではなかったですから、そのことに関しての積極的な姿勢をとにかくいろんな面で出していただくということのお願いでございます。

○牛尾会長 どうぞ、中山先生。

○中山本部員 土屋参考人にお伺いしたいんですけれども、1枚紙の方で、通信と放送の融合の議論の中で決定的に欠けているのは、クリエーターの視点だと書いておられますが、私もそのとおりだと思うんですけれども、ここでおっしゃりたいことは、何か法的に欠陥がある、何か直してほしいという問題なのか、あるいは事実上冷遇されていると、それを改善しなければいけないという問題なのか、具体的にはどういうことなんでしょうか。

○土屋参考人 これは非常に難しい、もう一つの紙にも書いてあるんですが、モチベーションであったりとか、クリエーティビティーとかというのが非常に数値化できないんです。 こういうところで議論される場合も、割とその後、横に置かれがちなことといいますか、そういう部分だと思います。なおかつクリエーターとかディレクターとかというのは、割とこういうところで口下手な部分もございますので、例えばスタジオ・ジブリの宮崎監督と鈴木敏夫プロデューサーの関係のようなクリエーティビティーの発揮の仕方というか、ああいったものが一つの理想かと思いますので、そういったところをやさしくクリエーターを包みながら毎日進んでいただくということの提言でございます。

○中山本部員 具体的に、例えば著作権法をこうしろとか、そういう御提言ではないわけですか。

○土屋参考人 そうですね。その辺のことというのも非常に微妙で、では例えば今までアニメーションに関して、例えば日本のアニメーションが非常に発展したのは、そういったものかというと、決してそういったことではないと思いますし、その辺のクリエーティビティーが最終的に発揮される環境というのは、もう少し保護すれば伸びるということでもないような気もしますので、いろんな要素が関わってくると思いますが、そのクリエーティビティーが実はコンテンツの核であるということを一つ提案させていただいたということでございます。

○牛尾会長 どうぞ、金丸委員。

○金丸委員 土屋参考人ばかりで恐縮なんですけれども、基本目標の1つにクリエーター大国を実現するということがあるものですから御了承下さい。先ほどの土屋参考人の御説明で、御自身もテレビ局の中におけるクリエーターということでお話になられたと思うんですけれども、テレビ局にいらっしゃるクリエーターの土屋参考人ではなくて、多分ここでクリエーター大国と言っているのはむしろ末端にいらっしゃるような人のことだと思うんです。先般のヒアリングでは、クリエーターの方々というのは年収はそれほどたくさんではなさそうなんです。でもそれも別に先ほどのお話で収益性を無視して考えると、それはそれで作品をつくっていらっしゃるという喜びがあれば、それでいいのかもしれません。しかし末端のクリエーターという方々がもっとクリエーター大国と言っている国にふさわしいクリエーターになるために、クリエーター自身が何か努力をしなければいけないことが、もしあれば、それは何でしょうか?
また業界全体がクリエーターを大切にしなければいけないということについて、テレビ局のお立場で何かこういうことを改善すれば、末端の人も含めてもっとレベルがワンステップでもツーステップでも上がるんじゃないかというような視点とか、御意見というのはありますか。

○土屋参考人 例えば、先ほどアメリカのプロダクションのつくり方も言ったんですが、当てようとする、ないしは外さないようにするというコンテンツのつくり方が、非常にコンテンツの発展を阻害するのではないかと思っております。
いろんな御批判はありますが、例えば『電波少年』という番組スタート時にアポなしという手法であるとか、それから数年後に、例えば売れない芸人をホンコンからスタートさせてロンドンまでゴールさせるというような連続したもの。当時のバラエティーというのは、人気のある人を連れてきて何かをするという形だったものに対する、ある意味でのアンチテーゼのようなものを"当てる"ということよりも、こういうものを表現するということでやってみたいと思ったわけです。
そのとき考えますと、周りの人間はほとんど、そんなことはあり得ないと反対をしたんだと思います。コンテンツないしはソフトないしは表現が発展していくということは、ある意味での1勝9敗を覚悟する。10個やったら1個だけがうまくいって、あと9個は失敗するものだと。これを5勝5敗ないしは6勝4敗にもっていこうという考え方が、多分ソフトというものを疲弊させていくことかと思います。
ですから、とにかく新しいものをどんどんチャレンジさせる、そういう土壌といいますか、そういったものの環境づくりというものがコンテンツを発展させる部分のことだと思っておりますし、それがたまたまハード・ソフト一体であった日本のテレビ局の方がそういう環境になりやすかったと、私は現在感じているということでございます。

○平澤委員 橋本参考人に、お持ちの資料の2ページについてお伺いさせていただきます。まさしく私もそのとおりかなと思う点があるのですが、具体的に高速通信に関する著作権法の認識の違いという点において、どうなればいいとお考えでしょうか。例えば、アメリカはどのようになっているのか、その辺りを教えていただければと思います。

○橋本参考人 どうなればいいかという部分については、著作権法それ自体の解釈でIP放送というのを有線放送としてみなすことができないかということを、これまで数年間努力してまいりました。
したがって、それが実現できないのであれば、著作権法それ自体の本文のどこかを的確に変えていただくことによって、いわゆる、今、IP放送と世界中で言われていることが、国内法においてきちんとできるんだということを何らかの形で担保していただければありがたいというのが事業者側からの切なる要望です。
重要なことは、日本以外の諸外国、例えばフランスもそうですし、イギリスもそうですし、主要な国において、既にIP放送は放送として認定されて、そのまま行われているんです。
4年前、我々が始めたときというのは、世界で一番最初に広域、全国をカバーするという目的でスタートしたわけですけれども、こういう問題があることによって、普及に大きなブレーキがかかっていると考えています。
後発のフランスは既に100 万世帯を突破しておりますし、我が国においては、残念ながら10万ないし20万という世帯数にとどまっているという状況にあります。
先般、中国においても、これも放送として、たしかハルビンの方だったと思いますけれども、IP放送がスタートしております。
全世界でIP放送が次世代の通信技術を使った放送ということで、既にスタートする、もしくはスタートしつつあるわけですけれども、それに日本というのが4年前、世界で最初にスタートを切ったにもかかわらず、既に抜かれているという状況を覆す努力を事業者は当然したいと思っていますし、法制度がそれをサポートするような体制をつくっていただきたいということです。

○牛尾会長 平澤委員、それでいいですか。

○平澤委員 はい。

○牛尾会長 ほかにございますか。
では、この辺りでヒアリングを終了したいと思います。参考人の方々は、大変に短い時間にもかかわらず、非常に充実した問題提起をしていただきまして、ありがとうございました。参考人の方は、ここで御退室を。
(土屋参考人、橋本参考人退室)

○牛尾会長 次に、前回の会合でお願いしましたとおり、浜野委員、國領委員に参考人意見聴取を行っていただきましたので、その結果について、両委員から報告をしていただきたいと思います。
資料の1を御参照願いたいと思います。

○浜野委員 資料1の5人の参考人にヒアリングをいたしました。事務局がまとめていただいた概要が資料にありますし、その後ろの方は参考人の配布資料がありますので、具体は、それに任せたいと思いますが、コンテクストを含めて印象に残った点を整理して説明いたしたいと思います。
新たにコンテンツ産業に参入し、制作に近い側にいる方々からは、アナログのルールをデジタルに使おうとしているとか、参入障壁があるとか、制作において、独立系のプロデューサーが活躍しにくいといった、既存の制度やルールが新たな試みを阻みかねないという疑義が提出されておりました。
一方、長らくコンテンツビジネスの中核を成しておりました放送局やJASRACからはネット配信や新たな流通の変化に対応すべく、いろんな試みをやり、放送局側からは、3年経った放送番組を二次利用する通称「蔵出しルール」という制度づくりに努力し、JASRACからは新たな権利所有のワンストップ形式の情報提供など、新たな環境に適
応した努力をしているという説明がありました。
制作、流通、消費に分けていいますと、制作におきましては『リング』など、ハリウッドでリメークなど成功されました一瀬参考人からは、コンテンツ制作において莫大な宣伝費がかかり、テレビ局が自社広告枠を使って、自社制作の映画を宣伝するため、現状では、成功する映画がほとんどテレビ局制作になってしまうという指摘がありました。
一方、テレビ局側からは、新たなブロードバンド時代に対応した、テレビ番組のつくり方に変えていくんだという指摘があって、これはテレビ番組をフロー型コンテンツからストック型コンテンツに移行させようという配慮かと解釈しました。
また、著作権管理会社である荒川参考人と、一瀬参考人からは、これまでは企業が報われるようなシステムであるが、コンテンツ・ビジネスでは、個人のクリエーターが報われる制度になってほしいということと、ファイナンスで言えば、日本では制作にかかるときにウィンドー管理ができていないために、公開後、次々開くウィンドーからどのような収入が入るかということは読み切れないので、制作費を大きく投下できないという問題があり、今後、先ほど土屋参考人からも御指摘があったように、ハリウッドは制作機能は停滞してもファイナンス機能は強固なため、このままでいくと、プロパティー・オーナーがハリウッドとか海外になる日本コンテンツが増える可能性があるという指摘がなされました。
 日本人がクリエーティブな管理をしていれば、ファイナンスは外国でもいいと一瀬参考人は個人的な意見としておっしゃっていて、今の状況を変えるのは外圧しかないかのではという指摘もありました。
流通に関して言いますと、制作サイドの方々からは、流通主導でコンテンツ産業は進んでいるという認識があるようでした。
荒川参考人からは、二次利用という言葉がよく出てくるけれども、現状でネット配信が先行する場合もあるので、二次利用という位置づけすら、今となっては矛盾があり、そういった点からも是正すべきであるということでした。放送局側から先ほど言いました、新たな3年経ったテレビ番組のルールづくりの中で、「脱・著作権原理主義」という言葉
を使って、著作権者が強い権限を持って許諾が取りづらい環境の是正をしてほしいということで、放送局側は、「脱・著作権原理主義」の共通認識を持っているという説明がありました。
 海外に日本の放送番組を売る場合にも、日本の番組は権利処理が難しいと最初から放棄されることが多く、海外のコンテンツアグリゲーターが敬遠する事例紹介がありました。
JASRACから映像などさまざまな権利処理が多数あるため、一括権利処理という自体はかなり難しい状況にはあるが、権利の委託者側からは現状では不満がないということでした。DRMについて、特定技術を国際標準にして、それですべてが片づくという議論もあるが、それではうまく行かないのではないか、複数の技術が併存して競合して競い合った方がいいというような意見がありました。
簡単ですが、以上です。

○國領委員 基本的に浜野委員のおっしゃったことをなぞるだけですけれども、大きな流れとして、今までの延長線上の仕組みで考えるのか、それとも新しい形態を考えるのかと、この2つだろうと思います。
CDなんかをベースに二次利用するというような考え方なのか、もっと初めからデジタル化された市場を前提として考えるかという辺りもそうですし、それから信託の制度なんかにつきましても、既存の金融の中で考えられてでき上がった制度の応用として考えるのか、それともやはり新しいものをきちんと、新規参入者を入れるということも含めて考えていくのか、この大きな選択で、やはり後者の新規のものをきちんと前向きに位置づけていくというところが軸で、どれぐらいできるかという辺りが一つのポイントになるのかなという印象でございました。
以上です。

○牛尾会長 では、事務局からお願いします。

○荒井局長 それでは、お手元の資料2に沿いまして、事務局から先に説明させていただきます。
資料2が「デジタルコンテンツの振興戦略(案)」でございまして、1ページから4ページまでが本体でございます。
5ページ以下に説明が付いておりますので、こちらを使って説明させていただきます。 6ページが「1.経緯」でございます。
7ページに「2.基本的方向」の「1.基本目標」として「〜日本を世界トップクラスのデジタルコンテンツ大国にする〜」ということで、その目標としては3つあります。
1は「ユーザー大国を実現する」、2は「クリエーター大国を実現する」、3は「ビジネス大国を実現する」ということです。
その場合、2.の視点として、視点の1は「ユーザーが主役である」。2が「クリエーターを大切にする」。3が「デジタルに国境はない」。
8ページが、視点の4として「ビジネスモデルは進化する」。5として「技術は日進月歩する」ということです。
3.としてこれらのユーザー、クリエーター、ビジネス大国の3つを同時に実現することが必要ではないかということでございます。
9ページからは、これの具体策の案でございますが「目標1:ユーザー大国の実現」のためには、提言1として「放送と通信の一体化の中で、デジタルコンテンツの供給を拡大する」。
その解決策としては「(1)IPマルチキャスト放送の積極的活用」「(2)コンテンツ流通経路の多様化促進」。
10ページが、提言の2で「バランスのとれたプロテクションシステムの採用を促進する」。
解決策としては「(1)透明な検討の場作りと継続的見直しプロセスの整備」「(2)過去の教訓を生かした民間の取組の奨励」です。
10ページの提言3は「ユーザーが豊かなコンテンツを楽しめるようにする」ということで、11ページから解決策で「(1)過去に作られたコンテンツを利用するための著作権契約上の課題の解決」「(2)音楽用CDにおける再販売価格維持制度の見直し」「(3)コンテンツをより楽しめるためのユビキタスネットワーク技術の実用化」であります。
11ページの提言4は「デジタルによりコンテンツのアーカイブを充実し、再利用を促進する」ということで、12ページの解決策で「(1)デジタルアーカイブ化とコンテンツ資産の情報発信の促進」「(2)基盤的アーカイブ技術の開発の促進」です。
13ページからは「目標2:クリエーター大国の実現」で、提言の5として「クリエーターの能力発揮を支援する」。
解決策は「(1)デジタル化を最大限に活かしたクリエーターの支援」「(2)再利用による創作活動促進のための制度の整備」であります。14ページに「(3)資金調達のための関係法制の整備」です。
提言の6は「クリエーターが適正なリターンを得られるようにする」。
解決策は「(1)デジタルコンテンツにおける公正かつ透明な契約慣行」「(2)契約における自主基準やひな型の策定・見直し」であります。15ページに「(3)成功報酬型契約の導入」です。
提言の7は「コンテンツ分野における人材育成を図る」。
解決策は「(1)大学等における教育の推進」です。16ページに「(2)人材育成に関する産学連携」「(3)育成されたコンテンツ人材の活用」「(4)エンターテインメント・ロイヤーの育成」。
提言の8は「デジタルコンテンツに関する研究開発を促進する」。
そのための解決策は「(1)コンテンツに関する技術開発の推進」です。17ページには、「(2)融合人材の育成」「(3)産学連携の促進と研究成果の周知徹底」です。
18ページが「目標3:ビジネス大国の実現」で、そのための提言9が「世界を相手にビジネスする」。
解決策は「(1)グローバルな視点によるビジネス展開」「(2)競争力のあるコンテンツづくりと販売力の強化」。19ページに「(3)海賊版対策の強化」「(4)外国人クリエーターの受け入れ」。
提言の10は「著作権に関する課題を解決する」。
解決策は「(1)映像コンテンツのブロードバンド配信に関する利用料率に係る取組の促進」です。20ページに「(2)コンテンツ関係情報提供のためのポータルサイトの開発・普及」「(3)著作権等管理事業者制度の活用」「(4)書面契約の促進「(5)著作権関連ビジネスの充実」「(6)私的使用目的の複製に係る制度の見直し」「(7)デジタル時代に対応した法制度の検討」。
21ページが提言の11で「国際標準をリードする」。
そのための解決策は「(1)国内標準の一本化」「(2)国際標準獲得に向けた取組の強化」であります。
なお、22ページに「デジタルコンテンツをめぐる業界の図」。制作、流通、利用、周辺機器、いろいろ幅広く関係していることを示してあります。
以下が参考資料でございますが、最後の29ページに、先ほども議論がありました、内外の主なIPマルチキャストの各国で進んでいる模様がここに示してあります。
以上が案の説明でございますが、資料5として、本日御欠席の久保利委員から「テレビ番組の流通促進策の検討について」という紙が提出されておりますので、お配りしてあります。
以上でございます。

○牛尾会長 大変よく整理された多くの問題点が、事務局の資料2で提出されていますが、ここで皆さんから御意見をお伺いして、第4回目の審議に反映したいと思います。
では、御発言の方は、御遠慮なくどうぞ。
國領委員、どうぞ。

○國領委員 ちょっと辛口になってしまうんですけれども、先般発表された規制改革・民間開放推進会議の報告書なんかにもかなり書き込まれている話が多くて、ちょっと全般的にもう少し迫力がある報告書がほしいなという感じが正直言っていたします。
余り細かい話は、ここでは置いておくんですけれども、1つだけ申し上げますと、例えば9ページの「(1)IPマルチキャスト放送の積極的活用」の辺りのことになるんですけれども、これも先ほどちらっと申し上げましたし、既にペーパーでもお出ししているんですけれども、必ずしも著作権法の問題だけではなくて、契約上の民民規制、要するに取引慣行的にでき上がった取引慣行が競争を阻害しているんではないかというような競争政策的な観点というのも入れていかないといけませんし、それから11ページの一番上の(1)、こちらの方は「著作権契約上」と書いてあるので、その視点が入っていると思うんですけれども、加えて9ページの(1)、それから11ページの(1)の両方について、やはり技術規格がどういうふうに決められていて、それが競争阻害的になっていないかというチェック辺りをしていくべきだと思うので、この辺は結論がこっちとか、あっちとかという気はここではないんですけれども、やはり視点として、きっちりその問題を掲げておくということが大事なんではないかと思います。

○牛尾会長 民民の間での自由な行動を抑制させる環境というのは、物事をオープンにすることによって解決する部分が大分あるんですね。どの辺をオープンにすればいいんですかね。全般的にオープンにすると、日本の場合は抑制が取れるんです。

○國領委員 先日の丸山参考人の、ほとんど叫びに近い例で、これは放送業界もインターネット業界も同じだといって切り捨てていらっしゃいましたけれども、やはり立場が弱いことで、契約上の不利を被ることが多いし、権利も二次使用なんてところに行く前に、最初の契約のところで根こそぎ持っていかれてしまうので、話が始まらないというような御指摘が前回あったと思うんです。
それに対して、まったく会長がおっしゃるとおりで、最良の解決方法というのは、やはりチャンネルの方がいろいろ競争して、いろんな出し方があるので、クリエーターの人たちがそれを選択的にどこで自分の表現を出していきたいのかということが選べるような状況をつくるのが最終的な課題だと思います。
ただ、最終的なところに到達するまでに、現在、その自由も奪われているような契約上の不利というようなものを何とかしてあげたいという話になる、そういう順番ではないでしょうか。

○牛尾会長 これについて事務局は。

○荒井局長 今、検討を始めているところでございまして、いろいろな方の御意見を聞いて、これから具体論をつくっていきたいと思います。

○牛尾会長 その分野全部が、オープンでなければ、なかなか解決しないんですね。1社でもオープンのところがあれば、すっと物事が展開するんだけれども、全部が談合的に閉鎖的である場合は非常に危険があって、その場合は、やはり行政権力を発動するしかしようがないですね。
どうぞ金丸委員。

○金丸委員 これは、一番最初の私のプレゼンで申し上げたんですけれども、これをどういう視点で見るかが重要だと思います。これは国益といいますか、国の富をより増そうという視点で議論をしているわけですから、既存のプレーヤーの人たちの利害を調整しながらやっていこうとすると、またいつか日本が来た道で、我々は例えば国際市場とか、米国から劣後していくと思うんです。
ですから、10年後とか20年後に、今日話し合ったこととか、何か決めたことが日の目を見ればいいわけです。多分現実はもっと泥臭く、数年は通信と放送の融合みたいな話し合いでせめぎ合いがあると思うんですけれども、長い視点で、それから国の富が増すという視点で、もう一回考えるべきだと思います。
そのときに、事務局におつくりいただいた資料の22ページに、利害関係者とか業界の登場人物が出ていますので、コンサルタントのやり方では、横軸にプロセスで分析します。コンテンツが発生してから一次利用が行われるまでを一連のプロセスで書いてみて、加えて、今、二次利用という話がありますから、そこから生産性が増すような二次利用、三次利用というプロセスを書いてみて、これをライバルの国が、アメリカならアメリカ、あるいはアジアかわかりませんけれども、そういう国の相手方のプロセスも書いてみて、それぞれのプレイヤーの人たちのどの部分に権利上の問題があって、技術上の問題があって、規制上の問題があって、あと國領先生がおっしゃられた取引慣行の問題があって、それから今日の土屋参考人の話じゃないけれども、価値観みたいな問題が、もしあるとすると、まず、そういう問題がどこにあるんだということの焦点をはっきりした方がいいと思います。
かつ、そのどの部分を、今、会長がおっしゃられたとおりオープンにしていくですとか、あるいは新規参入者をこの部分については多く参入するようにしようとか、全体を俯瞰してやらないと、法律の話といろんな話が出て、問題の所在すらグレーのままになってしまいます。でも提言としてはすごくいいことが単に書いてあるというのが残るだけだともったいないんではないかと思います。ですから、規制の問題も本当に規制があった方がいいという御意見もあるんでしょうから、事務局は大変かと思いますけれども、それも全部クリアーにできるように、分解したプロセスで書くと、その後にも感謝されるんじゃないかなと思います。
以上です。

○牛尾会長 これはデリケートな問題で、発言しにくい人が多いと思うんですが、このコンテンツの委員会を開いてから、かなりオープンに議論できるようになってきて、従来は陰のヒアリングでしゃべっても名前は明かしてくれるなとか、そういうことがいっぱいあったんですが、大分オープンになってきました。
ただ、オープンの中心になる機能を持ったそのものが、ここでは主役をしていますので、これは非常に難しいんです。違う業界をオープンにするというのはメディアが頑張ればいいんだけれども、ここはメディアの問題をやっているわけですから、そこに非常に難しさがあるんです。
そういう場合は国際体制です。国際的に評価されるものは、国際的なメディアが先に動き出しますから、そこで一気に道が開くんです。だからアニメなんかのいいものは、そうやって道が開かれると、逆輸入して日本で解決するとか、それに行く手前ぐらいのところで、泥の中をやっているところが解決しない。しかし、ここは普通の業界に比べると、かなり長いんです。
だから、その辺は一番難しい問題ではありますけれども、土屋参考人にも聞きたいと思います。やはりクリエーターそのものが海外と契約するということではなく、世界のマーケットを意識するというような仕事をし始めると動き出すんですが、生きていくためには、日本の利害関係と、日本の非常に狭い客だけで仕事をしようとすると、これはますます暗いものになっていくんです。だから、その辺は意識の問題として非常に重要な問題なので、だからこういうワーキングコミッティーをつくっているんですけれども、具体的な御提言があれば、是非ちょうだいした方が、事務局も作業しやすいということで、是非よろしくお願いいたします。

○平澤委員 私も初回に世界の中の日本をどのようにとらえるべきなのかという話をいたしましたが、例えば21ページなどは、まさしく国際標準をどういうふうにとらえるかというところを書かれていると思うのです。先ほど私が橋本参考人にお伺いした点もそこで、一体何が世界と比較して違うのかというところを国際対比の中で具体的に浮き彫りにしていかないと、やはり世界に向けて日本のコンテンツというのを発信していく場合に、そういった国益というところも考えるならば、まずそこは必須で見ていくべきなのかなと私は痛感いたします。
そうでないと、例えば9ページのユーザー大国というものが実現するということも、スローガンだけで終わってしまう可能性が非常にあると考えております。
いわゆる国際標準ということを考えると、放送と通信の融合という問題が自然に見えてくるのではないでしょうか。
具体的に申しますと、例えば放送で使われている音楽というものを考えたときに、日本はちょっと特殊なやり方をしています。要するにブランケット方式で、端的に言うと、好きな曲を使える、という状況なのです。
ところが、例えばアメリカでは、そのようなことはとんでもない話ですから、CMの曲であっても、番組中の曲であっても、やはりオリジナルの曲、もしくは使いたいならば著作権者と交渉していくという使われ方をしているわけなので、やはり根本の考え方というのを見ていかないといけないと思います。
そう考えていくと、先ほどの二次使用をどのように見るかという点において、今後ネットから先に来る場合がありますから、今までの制度の上で二次使用をとらえていいのかどうかということを見ていくと、大きく矛盾していくのではないかと考えます。
そうすると、例えば10年後にテレビをテレビと言っているかどうかわからないですけれども、何らかのコンテンツを受信もしくはダウンロード、いずれにしてもユーザーの視点から見ているということになります。
その中で、いわゆるコンテンツがどのように著作権者に配分されていくのが一番いい形なのかと、先程の金丸委員の話と重複いたしますが、もう少し先を見た理想論というか、こうあるべきだというのを具体的に見据えないと、具体的な良い方向には進みにくいのではないかと考えます。
最後に1点。22ページの業界図ですが、荒川委員もそうかと思いますが、我々はどこの業界なのかと考えたときに、実はどこでもないですよ。

○荒川委員 そうですね。これをつなぐ役割ですからね。

○平澤委員 そうなのです。我々はつなぐ役割なのです。

○荒川委員 この裏側にいるんです。二次元では示せないというか、二次元で示すのなら、この下側にいて、これを実現するための環境をつくっていると。

○平澤委員 だから、逆に、さっき牛尾会長がおっしゃったように、発言しにくいのか、発言できるのかよくわからない立場にいるのですが、いずれにしても、今の規制の上に物事を考えるのではなくて、新たに仕組みづくりを提言していくべきではないかなと考えております。
以上です。

○牛尾会長 この図では、こういう縦に分かれている間を、横に歩いて転職できるんですか。

○荒川委員 いや、そうではないです。

○牛尾会長 縦ですか。

○荒川委員 みんな縦です。

○牛尾会長 だから、横に並んで仕事になるわけだね。アメリカなんか平気で横に歩いているんですね。これは日本独特の縦型社会の特徴なんだけれども、なかなか横に歩けないですね。
結局は、縦の塀を越えない、それで特殊の人だけが越えられるんですね。越えただけで十分貴重がられて、その後伸びないとか、何かありますね。

○金丸委員 ですから、この絵の下に非常に世界に誇れる強いプラットフォームみたいなものが存在しているわけです。多分そこにいらっしゃるんではないかと思います。

○牛尾会長 しかも、左から右まで続いて。

○金丸委員 そうですね。大いに可能性もあります。

○牛尾会長 もうける職業なわけですね。

○荒川委員 この方々が皆さんもうかるような関係になると、我々ももうかるようになると、どちらかというと、そういう環境にあるんです。

○牛尾会長 現状に対しては、どうすればいいですか。

○荒川委員 はい。済みません、遅れて参加させていただきまして、申し訳ございません。 私が、思うことというのは、現行の著作権制度その他のさまざまな慣行というのは、非常に制約条件が大きかった、または資本の蓄積が小さかった世界の中で、どのようにこの分野を育てたらよいのかということを前提に、すごく検討された。そういう意味では非常によくできた制度だとも言えると思うんですが、現行はそういった制約条件が解消された、世の中も豊かになったし、技術も非常に進歩して制約条件が解消されたと。だけれども、枠組みがなかなか変わっていかないというところに大きな問題があるんじゃないかと。
非常に乱暴なお話をしますと、もっともっと恐らく市場は拡大できる可能性があると。それをちょっと枠組みを変えるだけで、促進できるかもしれないというところに私なんかはすごくチャンスがあると思っておりまして、日本は、通信にしろ、放送にしろ、インフラ整備は世界でも最も進んだ国の一つだと間違いなく思います。ブロードバンドも少し前は遅れていると言われておりましたが、今や、その環境、スピード、料金等含めて、間違いなく世界1位になっていると。
国民の皆さんが、だれでも使えるという環境という意味でも世界1位になっているだろうと。少なくとも先進的なポジションになっているだろうと。
それから、著作物を使うためには印刷もありますけれども、それ以外、例えば今回検討されているデジタルという世界では、機器というところが非常に重要になるわけですけれども、機器についても、中国だとか、韓国だとか、メーカーさんが強いと言われていても、新しいものはほとんど日本で生まれているわけです。新しいものの世界的な規格、または新製品というのは、ほとんど日本で生まれているということを考えると、そういうことも実現できると。
更に、コンテンツ自身もアジアを中心に、またはアニメーションなんかだと、世界的にも非常に支持されるということは、コンテンツの制作能力、その質の高さということも非常に評価されているということは、すべてがそろっていながら、そこをつなぐための制度が少し弱いということなので、今、その枠組みを変えれば、みんながもうかる仕組みというのができて、世界をリードできるんではないでしょうか。
下手をすると、今の状況というのは、では世界中の人がみんな使っているデジタル技術というのは何なの、ではパソコンですねみたいな話で、それを中心に標準化が行われて、そういうことすら起こるかもしれないと。
そうなってしまったら、日本の強みというのは決して活かせなくなってしまうんではないだろうかと。むしろ、もっと活かした形で変化させた方がよい時期に来ているのではないかというのが私が感じるところでございます。

○牛尾会長 どうぞ。

○國領委員 先ほどの会長の御質問に答えるような形で申し上げたいんですけれども、やはり基本的に遅れている。10年前の金融業界みたいな感じがありまして、いまだに護送船団方式になっているんだと思うんです。CDの再販の話にしましても、電波の話にしましても、やはりそこに規制があって、その枠組みの中で守られた業界というのがある。
そのまま行けるのであればいいのかもしれないんですが、客観的に見ると、あちこちにすごくほころびが出ていて、本当はこのまま行くと、たちゆかなくなる。10年前も金融業界はそのうち株が上がって何とかなるかと思ってしまったんですけれども、そうはならなかった。例えば広告業界のことだけ考えてみましても、これだけ流通経路が多様化していくと、昔の電波のところがボトルネックできゅっと締まっていて電波の希少性のまわりに、安定したビジネスモデルがつくれた時代では、本当はもうなくなっています。それは放送業界の方も恐らく気がつかれていらっしゃると思いますし、CDの再販のことは、ここの報告書の中にも随分書いていただいているので、これは多分もたないんです。
金融業界は思い切って、大手術をして、それで今、銀行の株もどんどん上がるという状況になって力強く復帰してきている。コンテンツの業界は、日本はインフラ的に言うと、世界に先駆けて次に行けるぐらいのものが用意できているので、10年前の金融業界よりは、本当は客観的な情勢ずっといいはずなんです。ですので、ここはやはり思い切ってみんなで仕組みを変えて、先に組んでないと、ずるずると10年間かかって大変な思いをしないと直らなかった金融、金融の方がいたら申し訳ないんですけれども、それと同じことになってしまうので、そこら辺りがやはり問題の本質だと思います。

○牛尾会長 この分野が金融と違う点は、携帯電話とか、ITとかという分野は、要するに規制なく、全く自由にできる。それで映像とか、音楽とか、出版とかは規制もあるし、既得権もあると。だから、こっちから入った人が、物すごい勢いで伸びてきて、それが今度は地上波が携帯に入ってくると、どっちが勝つのか、ちょっとわかりませんけれども、ただ収益的には新しい方が力を持っているから、だからソフトの業者でもこっち側から出ている人の方が元気がいいですね。そう理解していいですか。私は、ここは二重構造があると思うんです。

○荒川委員 こういったもののテクノロジーというのは、本来はコンテンツを見たり、聞いたりするためのテクノロジーであるはずなので、どちらの方が上位概念ですかといったらコンテンツの方が上位概念で、我々は黒子じゃなければいけないはずなんですけれども、コンテンツの方がどんどんと攻めるという方向になっていないがゆえに、どちらかというと、収益性等々の面で外から見て、割を食っているんではないかなと思えるんです。私は、それがとてももったいないし、逆にそちらがもうかるようになっていかないと、いずれ失速してしまうんではないかという非常に危機感を持っています。

○牛尾会長 わかりました。ほかに御意見はございますか。
中山先生どうぞ。

○中山本部員 これはデジタルコンテンツ特有の問題ではなくて、知的財産大国をつくるための基本的な問題であると思うんですけれども、知的財産法の整備、これは必要なんですけれども、それと両輪で競争法的な観点を入れる必要があるだろうと思います。
これは、私は知的財産戦略大綱のときから強く主張しているんですけれども、競争法的観点が欠けるとゆがんだ形になってしまう。アメリカを見れば、それは明らかなので、やはり両方必要だと思います。
先ほど、國領委員のおっしゃった民と民の問題がありますけれども、これなんかまさに競争法上の問題、独禁法上の問題として解決すべきだろうと思います。
先ほどから問題に出ているCDの再販の問題、これも実は公取でも議論してもなかなからちが明かない問題なんですけれども、本当言うと、もっと日本のマスメディア全体にメスを入れる極めて大きな問題となるので、逆に言うと扱いにくいんですけれども、しかし知的財産大国になる以上は、やはり競争法ということもどこかでメンションしていただきたいと思います。

○牛尾会長 大変重要な問題だと思います。かつ大きな問題ですね。ほかに、御意見はございますか。
どうぞ金丸委員。

○金丸委員 私は今、経済同友会で外交安全保障の委員会の委員長をやっておりまして、全然話は関係なさそうなんですけれども、先週、拓殖大学の森本教授をお招きして、こんな話を聞いて、なるほど大きな差をちょっと感じました。アメリカの軍事戦略というのは、例えば10年後、20年後に戦略目標があって、それに達成するために科学技術をペンタゴンで予算を使ってやるということは、実はもう何十年もなくて、最先端の科学技術をここに並べてみて、これを最も有効活用する戦略はどうかと、組み立ててきたということを聞いて、もしそんなメッセージが国全体で日本にもあると、多分科学技術をやっている人たちは、別に日本は戦争するわけではないので、もっとモチベーションが上がると感じて、これは国家戦略として私は正しいなと思ったんです。
そういう意味で、デジタルコンテンツの話も、今や、さっき平澤委員がおっしゃいましたけれども、一次利用というか、発生がデジタルのネットの社会からというのもありになります。今だってネットの社会で出てきた情報に基づいて、それが本になったりしています。だからリアルなアナログが二次利用になっていたりするわけです。そういう意味では、もっと10年後、20年後とか、将来を見据えて、もっと先端の技術をもっと生かす形で、しかもその分野というのは、先ほど来、荒川委員がおっしゃっているとおり、日本が非常に強い分野なので、だから、そういうふうに国家戦略をもう一回組み直すという大前提でこれを議論していくべきです。既得権益者の人たちを別にいじめようと、そんな気は毛頭ないんですけれども、でも調整型で行く限りは劣後してしまうのではないですか。だから劣後するということも覚悟してやるというのなら、それは国家戦略ではないと思います。
それから、先ほどの利害調整が難しい分野がゆえに、私は国というのが、今、もう一回力を発揮していただきたい立場になられているんではないかなと思います。是非長期的な視点と、国際的な視点と、技術的な優位性を戦略として取り込まれて、これができ上がればいいんじゃないかなと思います。
重複した意見で申し訳ないんですけれども、以上です。

○牛尾会長 非常に本質的な問題で、日本も総合科学技術会議というのがあって、GNPの成長率に比べて、この伸び率からいったら、このぐらいないとだめだという議論ばかりしているわけです。それでITやBTやNTと言いながらね。
アメリカは、そういうのも一応あるけれども、今おっしゃられたように、軍事戦略やら宇宙の戦略やら、3つ目の重点戦略の具体的な絵があって、それを実現するために3分の1ぐらいが科学技術と、それから人材の育成です。これは戻ってくるわけです。そこから議論が始まるわけです。
日本は、具体的な目的を出すと、何か思想的に軍事的なことだったら自分は協力しないとか、率直な話になって、具体的な政策から現実に戻ってくる政策形成に慣れていない、過去にひどい目に遭ったということで、計画をつくることに非常に罪の意識というか、恐怖を持っているために、こういう時代に来ると、そこの結果が見事に露出するんです。
だから、ある時期、日本はよく経産省を中心とした産業政策が良くないということを言われましたが、アメリカは昔から産業政策を産業政策と言わないで、軍事戦略やら宇宙戦略やらIT戦略でやっているわけです。予算も3倍、4倍使っているわけです。そういうところも気づいてやっていかなければならないと思うんだけれども、特にデジタルコンテンツの問題というのは、10年後、20年後の国際競争の基本的な部分を形成する、人口が減っていく日本にとっては生命線のように大事な部分ですから、10年後、20年後に、これに一番近い具体的なものを議論する仕組みを考えないといけないと思うんです。
だから、いつまでもアジアの隅っこにいて、西側のある分野を担っているだけではなくて、人口減少社会で、2050年にどうやって日本がサバイバルしていくかというときに、コンテンツの世界というのは、最も有効な軸になる得る世界だから、その辺は真剣に取り組む必要があるにもかかわらず、経済全体では、これは特殊な一部の分野と扱われている部分もありますから、今日の御指摘は大変に重要だと思います。
どうぞ。

○荒川委員 私が発言させていただいたDRMとかの標準化をした方がいい、またはそれで国際標準を取りに行ったらどうかというのは、一部でネガティブな反応があるようなんですけれども、私は、決してそれ一本で行くのがいいと言っているわけではなくて、少なくとも標準は一つ用意して、標準もオープンなところで議論して、本当にいいものをどんどん選んでいくという仕組みそのものをつくっていった方がよいのではないでしょうかと。 標準をつくったら、今度は当然国際標準を取りに行くというようなことも仕組みの中に入れてしまったらどうでしょうかと。技術は年々進歩しますから、それを毎年なのか、3年に一遍なのか、それは技術の進歩の度合いによって見直すと、これもオープンにやっていけばいいんではないでしょうかと。DRMにしろ、CAS等々の技術にしろ、そういうことをやっていくことによって、どんどんといろんな人たちが入ってきて、密室ではないところで決まっていくということが、この分野をより活性化していくためにはよいのではないかなと思っているということで、もしそこに対して、一つ決めたらずっとというようなイメージを持たれていらっしゃるとすれば、そこは誤解なので申し上げました。
よろしくお願いします。

○牛尾会長 予定の時間が参りましたので、今日はここで会合を終了しますが、今、荒川委員のおっしゃったことは非常に大事な問題で、オープンに、しかもスピーディーに対応するべきと思います。
コンテンツに関しては、オープンにすることが大事ですから、この審議会も始めから全部こうやってオープンに、だれでも入れるようにして進んでいるわけです。
ただ、もう一つ大事なことは、今、荒川委員もおっしゃった、この世界は違う世界よりも変化のスピードが速いので、決めたことを、またすぐ変えなければいかぬと。委員の人も1年前にこう言ったからには、その事実を曲げるわけにはいかないなと思っていたら、この世界から脱落するので、本当に企業でも、いい意味での朝令暮改が非常に大事なので、そこのところは相当頭を切り替えないと、やはり古い方の側にいるメディアの人は、やはり既得権とか、規制のものを変えたくないという発想があれば、その瞬間にやはりグローバルな競争から脱落することがやがて来るんだというぐらいの恐怖を持たないと、まさしくここはドックイヤーの本場みたいなところですから、そういう点はオープンにするということと、スピーディーに、フレキシブルに対応するということをきちんと中核の中に書く必要があるかもしれません。
それでは、本日の会合は、ここで閉会しまして、次回は2月2日木曜日10時半から同じ霞が関の東京會舘で開催しますので、よろしくお願いします。
次回は、そろそろ最終のまとめに入ってまいりますので、皆様の御協力をお願いしたいと思います。
今日は、ありがとうございました。