○牛尾会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまからコンテンツ専門調査会の第9回会合を開催いたします。
委員各位におかれましては、大変にお忙しい中をお集まりいただいて、ありがとうございました。
初めに、議題1のコンテンツ関係の資料につき、まず、事務局から説明していただき、討議に移りたいと思います。では、お願いいたします。
○小川局長 知財事務局長の小川でございます。資料1と資料2をお開けください。資料1と資料2は、牛尾会長に座長を務めていただいております企画ワーキンググループにおきまして、昨年9月から今年1月まで4回にわたり御議論いただきまして、取りまとめいただきました報告書でございます。タイトルが「世界最先端のコンテンツ大国の実現を目指して」というものでございます。資料2が本文となってございますが、まず、資料1の概要で御説明申し上げたいと思います。
それでは、資料1の2ページを開けていただきたいと思います。まず、目指すべきコンテンツ大国のイメージといたしまして、(1)国民がコンテンツを楽しむ環境、(2)人材育成、(3)契約、(4)ビジネスチャンス、(5)海賊版の撲滅、(6)教育、それぞれにつきまして、具体的イメージを示しております。
5ページをお開けいただきたいと思います。その前提となります基本認識と成長を妨げる要因ということで2つ掲げさせていただいております。
次のページをめくっていただきます。以下、コンテンツ大国を実現するための方策を記載しております。まず、基本目標といたしまして、今回3つ掲げております。今回のキーワードはご覧になっておわかりいただけると思いますが、世界を意識するということでございまして、「目標1世界に通用する業界となる」、「目標2世界で勝負できるジャパンコンテンツを創る」、「目標3グローバルな交流を進める」ということであります。
9ページでございます。以下、具体策を記載してございます。こちらにつきましては、本文の資料2の方で御説明させていただきたいと思います。1〜5ページまでは今概要で御説明したとおりでございますので、6ページを開けていただきたいと思います。
具体策と書いてございますが、具体策の各論を以下述べてございます。5本の柱からなっております。まず、(1)海外展開を促進するということで、@日本のコンテンツの強みを世界に発揮する、A日本をクリエーションの拠点とするとともに、魅力を世界に伝える、B国際的な知的財産保護の動きに貢献すると、それぞれにつきまして、具体策を記載しております。
次に10ページでございます。2番目の柱でございます(2)法制度・契約の改革でございます。@ビジネススキームを支える著作権制度を作る、Aクリエーターに適正な報酬がもたらされる仕組みの下で、円滑な利用を進める、B一般ユーザーが著作物を楽しむ機会を充実すると、それぞれの分野で具体策を記載してございます。
14ページを開けていただきたいと思います。ここからが3番目の柱でございます人材育成でございます。具体策としまして、@国際的に通用する専門人材を育成する、Aコンテンツ分野を支える幅広い人材を育成する、それぞれにつきまして具体策を記載しております。
次に4番目の柱でございます。16ページを開けていただきたいと思いますが、技術開発の推進でございます。@世界をリードするコンテンツ関連技術の開発、普及を進める、Aハードとソフトを連携させたビジネスモデルを構築する、Bバランスのとれたプロテクションシステムを採用する、それぞれのための具体策を記載させていただいております。
最後、18ページをお開けいただきたいと思いますが、5番目の柱でございます。制作を資金面から支えるということで、資金調達、流通に係る制度改革について具体策を記載してございます。
企画ワーキンググループの報告書は以上でございます。
続きまして、時間の関係で申し訳ございません、資料3をお開けいただきたいと思います。「契約ルールに関する取組について」というタイトルになってございます。昨年5月の第8回の専門調査会におきまして、公正で透明なコンテンツ業界をつくり、国際的なビジネスの拡大などを通じてコンテンツ関係者全体が潤うコンテンツ大国を目指すため、契約ルールの策定を進めるとされました。これを受けまして、映像に関する実演家等に係る契約のルール策定のため、種々の取り組みが現在進められておりますが、今日はその進捗状況について報告をさせいただきたいと思います。
まず、(1)映像に関する実演家という項目がございます。ここでは、日本経団連に本専門調査会の久保利委員が座長をお務めになっておられます関係団体機関の首脳によります検討委員会が設置されております。本年2月に実演家の活動環境の改善やマルチユースに関するルールづくりを進めるための報告書が取りまとめられたところでございます。
なお、この報告書につきましては、資料3参考資料ということで別添配付をさせていただいております。
また、このほか(2)映画、(3)放送番組、(4)ライブエンターテインメントの各分野につきましては、経済産業省、総務省、日本経団連におきまして、それぞれ報告書の取りまとめ等の取り組みが現在進んでおります。
この議題につきましては、以上でございます。
あと1点だけ報告をさせていただきたいと思います。分厚い資料になりますけれども、資料4というものがお手元にあると思います。2004年4月に取りまとめいただきましたコンテンツビジネス振興政策におきまして、集中改革期間ということで今進めてきているわけでございますが、この3月でこの期間が終了いたしますので、これまでの民間及び政府のそれぞれの取り組みにつきまして調査をし、整理をいたしました。その資料をここで配付させていただいております。
私の資料の説明は以上でございます。ありがとうございました。
○牛尾会長 ありがとうございました。
ただいま説明のあった資料について、かなり内容が多いのでありますが、資料2の企画ワーキンググループの報告書については、今回の議論を経てコンテンツ専門調査会の報告書として取りまとめたいと思っております。
それから、資料3の参考資料の取りまとめをされました久保利委員から、初めに御発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○久保利委員 委員の久保利でございます。ただいま御紹介いただきました資料3の参考資料に基づいて、若干お話をさせていただきます。
「映像コンテンツ大国の実現に向けて」ということでありますけれども、日本経団連さんの肝いりで、このメンバーでもいらっしゃいます依田さん、村上さんにも御参加いただきまして、いわばオールジャパンという形で、日本経団連の場に映像コンテンツ大国を実現するための検討委員会というものをつくりました。不肖、私、座長などという柄ではないのでございますが、務めさせていただきまして、各業界の調整は非常に大事なことであり、かつ、非常に難しいことでもある。それぞれのお立場を考えると、そこまでは譲れない、そこは問題があるというテーマがたくさんございました。しかし、本当に日本という国を映像コンテンツ大国にするんだという思いから、皆さん実に誠実な議論を重ねていただきました。主査の松田弁護士、そして、伊藤弁護士、このお二方にも大変な努力をしていただきました。非常に前向きな検討ができて、この検討委員会の意見書ということでまとまったということであります。
特に、これだけのさまざまな業界の方々が一堂に会して議論ができたということが何よりもすばらしいことで、これをまた継続的に続けていくということも確認されました。そういう点では、一つ一つの細かい点はいろいろございますけれども、大所高所に立って、そういう方向性で動いていかなければ日本のコンテンツは絶対に世界で勝てないということが全員の認識になってきている。それを一日も早く結実させていくという流れになっているということで、大変意義のある企てであったと思います。関係者の皆さんに心から御礼申し上げたいと思います。
以上でございます。
○牛尾会長 ありがとうございました。
この委員会が発足して以来、やっと第一段階としてここまで来たというのは非常に大進歩だと思いますけれども、むしろこれからが一層大変でありますので、久保利委員を中心にますます積極的にお願いしたいと思います。
では、続きまして、既に資料をちょうだいしております資料7−1、熊谷さんから御発言をお願いしたいと思います。
○熊谷委員 ただいま御紹介に預かりました委員の熊谷です。
世界最先端のコンテンツ大国の実現を目指してということで、大変深い議論がなされ、すばらしい報告書がまとめられたと感嘆しておりました。ここで2〜3追加で、今後も御協議いただきたい内容について述べさせていただきます。
資料2「世界最先端のコンテンツ大国の実現に向けて」に関しまして、(2)法制度・契約を改革するとありますが、ビジネススキームを支える著作権制度をつくるという課題において、環境の変化に柔軟に対応する新しいビジネスを支えることができるよう、著作権制度とのその運用の見直しを進める必要があると述べられております。これは、そのとおりだと思われます。
ところで、ゲーム開発においてのことなんですけれども、楽曲等の著作物の二次的な利用に関しましては、相乗的な表見手段ということで採用されることがしばしばあるのですが、実際には利用に関する手続が明文化されていないことで、ゲーム開発の障壁となるケースがございます。著作権の二次的利用も含め、コンテンツ制作を促進することを考えれば、著作権制度に適正な運用がなされる環境について、更にゲームコンテンツでの二次的利用も含めて、更に深い議論をお願いしたいと存じます。
また、(3)人材育成を図る、また(4)技術開発を促進するというところで言及されております課題や対策につきましては、これまで専門調査会や分科会、さまざまな関連会合で議論されてきたことが、更に議論が深められる形で深度を増したと思われますが、例えば、現在サンフランシスコでゲーム・デベロッパーズ・カンファレンスというカンファレンスが開催されております。こういった世界的に注目を集めるイベントで、日本のゲームクリエーターの方々が公演やワークショップで活躍されることは大変意義があることですので、国内におけるゲームに関する技術の開発・普及に関しましても、一層のお力添えが必要なことと存じます。
ゲームのコンテンツとしましては、世界的な評価を受けているにもかかわらず、こと国内の状況を省みれば、情報発信や顕彰制度などクリエーターや事業者の尊敬は、世界の評価と若干乖離しているということが否めないと思います。
今後は業界の努力は勿論でございますが、是非とも産・官・学の連携をとりながら、ゲーム産業自体も発展させていくための具体的なアクションが提示されていけばよいなと考えました。
以上でございます。
○牛尾会長 ありがとうございました。
これから今日は後半の方に若干時間のウエートが掛かっておりますので、資料1〜4につきまして、御意見をちょうだいする時間が余りないんですが、約10〜15分ぐらい4〜5人の方に御発言をちょうだいしたいと思いますので、御希望の方はいつものように名札を立てていただいて、御意見をちょうだいしたいと思います。どなたか御意見ございますか。
大分皆さんのところに回って、事務局も皆さんの御意見を聞きながらつくりましたので、ほぼ尽くされているとは思いますが、最終段階でこれが報告になりますので、ここはという点があればおっしゃってもらえれば、まだ十分御意見をちょうだいして参入するチャンスはあると思います。
○岡村委員 1つだけよろしいですか。これから最終的な工程表づくりということに入っていかれると思いますけれども、まだ、この報告書の中では具体的に誰がいつまでにこれをやるのかという記述がございませんので、是非工程表をつくって最後の仕上げにしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
○小川局長 政府の毎年の推進計画では、可能な限り年限を入れて、誰がいつまで何をということで記載するように努めておりますので、同じようにやらせていただきたいと思います。
○牛尾会長 作成の段階では、特に関係の深い委員の方々に事前に御相談してください。
ほかにございますか。では、第1の議案である資料について、今申しましたように、この報告書をコンテンツ専門調査会への報告書として取りまとめていきたいと思いますので、具体的な要綱については、今、岡村委員からもお話がありました工程表をできるだけわかるような形で、別紙にするか事後にするかは事務局の裁量に任せますけれども、そういう具体性を前面に出していきたいと思います。
また、久保利委員のお話にありましたように、引き続き提案書の具体化を進めなければなりませんので、そういう点でも今後も引き続き皆々様の御意見をちょうだいしたいと思います。
では、ただいまの御発言を踏まえ、必要な追加をしまして、あとは座長である私の責任で本部の方に提出したいと思いますが、御異議ございませんか。
(「異議なし」と声あり)
○牛尾会長 ありがとうございました。
続きまして、日本ブランド関係についてお話をしたいと思います。議題2の日本ブランドに係る課題につきまして、まず、事務局から資料5、資料6について御説明をお願いいたします。
○小川局長 それでは、資料5と資料6を御準備いただきたいと思います。日本ブランドに係る課題についての資料でございます。
資料5の概要版で御説明させていただきたいと思います。2ページをお開けいただきたいと思います。これまでの経緯について整理させていただいております。3ページ以降は、日本ブランドの戦略にかかわります各分野の現状と課題について整理をさせていただいております。
まず、3ページでございますが、日本食につきまして、その取組の現状といたしまして、在外公館等におきます日本食の提供、日本の食材の輸出促進等の取組が各方面で進展いたしておりますこと、次の4ページでは、その分野の今後の課題といたしまして、@あらゆる機会をとらえた日本食の魅力の発信、A海外の料理人に対する料理技術教育の充実、B食育活動のさらなる推進というものを書かせていただいております。
次に、地域ブランドについてでございます。5ページを開けていただきたいと思いますが、現状といたしまして、地域団体商標制度が2006年4月から施行されております。各地でブランド化への取り組みが進展しておりますことについて述べてございます。
6ページを開けていただきますと、地域ブランドについての今後の課題といたしまして、@地域団体商標制度の活用、A地域が主体となった地域ブランドの育成・発信について書かせていただいております。
3番目の分野、ファッションでございます。7ページをめくっていただきたいと思いますが、ファッションに関する現状といたしまして、東京発日本ファッションウィークが近々始まりますが、これについて書かせていただいております。そういった発信力強化のための施策が進展していることを書かせていただきます。
次の8ページでございますが、ファッション分野の今後の課題といたしまして、@発信力の強化、Aファッションに係る海外の知的資産の活用、B海外市場の開拓というものを掲げております。
9ページでございますけれども、ここでは日本食、地域ブランド、それから、ファッションといったブランドの発信全般の問題ということで、ビジット・ジャパン・キャンペーンの実施などの取り組みが今拡大しておりますことを現状として整理し、10ページに今後の課題といたしまして、@分野横断的な取り組みが必要であるということと、A日本ブランドに係る実態把握と発信力の向上、更にはB日本文化発信の功労者への顕彰制度の充実ということを記載させていただいております。これらの課題の具体的内容につきましては、資料6、分厚い方の資料に載っておりますので、御参照いただければと思います。
なお、この分野につきまして、本日御欠席の辻委員から、資料7−4の御意見を提出いただいておりますことを申し添えたいと思います。
以上でございます。
○牛尾会長 それでは、各委員からの御発言に移りたいと思います。この日本ブランドの分野はワーキングコミッティを開催しておりませんので、委員の方々から具体的な御発言をちょうだいするのは事務局ベースでありましたので、約30分弱時間をとっておりますので、御発言をちょうだいしたいと思います。
初めに、資料を提出していらっしゃいます阿久津委員、お願いします。
○阿久津委員 阿久津でございます。では、初めに、日本ブランドの取り組みに関して発言させていただきます。
第7回、前々回の本調査会におきまして「日本ブランド構築に向けての問題意識と提案」と題しまして、3点提案させていただきました。第1点目が日本ブランドの認知度・イメージの定期的観測の実施、2点目が、日本ブランドを調査・分析する研究機関の設置、3点目が、国家広報組織をタスクフォースのような形で設置したらどうでしょうかというものでした。
これらの提案をベースに、今、ご説明のありました資料の最後のところ、「日本ブランド戦略の取り組み―ブランドの発信」というところにある「今後の課題」に対して、より具体的な提案、意見を述べさせていただきたいと思います。
私が提出させていただきました資料7−2ですが、その2枚目を見ていただければと思います。「日本ブランド・ポータルサイトの概念図」と題して、簡単な図を描いてみました。基本的には、日本ブランドのための専用ポータルサイトを立ち上げて、そこで本専門調査会で議論してきたことを土台に、日本ブランド構築に向けてのさまざまな取り組みの紹介等をしていけばいいのではないかという提案でございます。それによって、ここで課題として指摘されている分野横断的な取り組みの推進、そして、日本ブランドに関する実態把握ということに役立つのではないか。それに対して、それほどコストを掛けずに有効に対応できるのではないかと考えます。
そのポータルサイトの運営は、基本的に、前回提案させていただきました国家広報組織と事務局、私の勝手なイメージとしては、事務局の候補はこの専門調査会の事務局でもあります内閣官房等ですが、それらが責任を持って行う。それから、前回提案させていただきました日本ブランドを調査・分析する研究機関、これはやはり日本ブランドの実態を世界中できちんと調査していかなければならないわけですから、それなりの体制を整えた研究機関を別途つくるとして、それとしっかり連携しながら情報発信していく。基本的には、食文化、地域ブランド、ファッションの振興にかかわるさまざまな取組主体を初め、コンテンツ大国の実現を目指す取組主体、その他在外公館やJETROなど、海外ネットワークを持つ政府関係機関、民間企業等の民間組織、諸官庁、自治体、大学等の教育機関、広く日本国民、諸外国政府、世界中の人々、その他、とにかく思いつく限り書いたんですが、それでも足りない部分もあると思うので、その他という形で入れさせていただいた次第ですが、そういったところから情報を提供してもらって、サイト運営者の役割としては、それらの情報を整理・体系化するということであります。それに加えて、独自コンテンツの開発にも努め、体系化の過程でリンク等も充実させまして、きちんと更新させながら、使いやすい形で利用者に情報を提供していく。そんなイメージであります。
それによりまして、日本ブランドを世界に発信していきたいと考えているさまざまな主体、在外公館や海外進出企業をはじめ、いろいろな取組主体があると思いますけれども、それらに対して、一貫性のあるコンテンツや効果的なツール等を提供していけるものと考えます。しかも、非常に簡単な形で提供できます。透明性や開放性を維持しながら、コストを掛け過ぎずに効果的に日本ブランドをマネージしていけるのではないかということです。
最後に、独自コンテンツの開発にも係ることですが、日本ブランドに関する実態把握のために、日本ブランドの価値測定というものを研究機関がきちんと企画して、そういった調査を実施する場として、また、在外公館やJETRO等に調査実施の支援をお願いするツールとして、更に、その結果を公開するメディアとして、ポータルを活用できるのではないかと考えております。
以上でございます。
○牛尾会長 では、引き続きまして資料7−3、浜野委員、お願いします。
○浜野委員 先ほどのコンテンツの部分も含めてお話ししたいと思います。
コンテンツもジャパンブランドで議論している内容も、経済的財と文化的財としてのソフトパワー、両輪で考えていただきたい。今、和食のブームとかアニメーションとか漫画のブームと言われていますが、表層的な紹介のされ方をしています。かつて戦災復興院の総裁として小林一三は、(1)日本は哀れみを受ける国から、(2)可愛がられる国を経て、(3)尊敬される国になるという段階を踏むと話しました。今の海外での紹介のされ方は(2)の段階でとどまっていて、文化的な裏付けを持った議論になっておらず、経済と文化の両輪でシームレスにやっていただきたいと思うわけです。
19世紀のブランド戦略を考えると、フランスがハイカルチャーに自由平等という否定できないような卓越した理念を乗せて世界の富裕層に入っていって、フランスのブランディングをやったわけですが、20世紀は、アメリカが映画とかポップミュージックなどの大衆文化で民主主義という理念を乗せて大衆に入っていきました。しかし状況は変わりつつあります。例えば最近のアカデミー賞でも、去年はディカプリオが唯一プリウスで乗りつけていましたが、今年は6台のプリウスが貸し出されて、ハリウッドスターでも環境に配慮しているという姿を見せようとする時代になっています。環境とともに生きてきた和風の生き方は大変大事な理念になっています。そういった理念は日本のコンテンツとか食文化とかファッションなどの衣食住に自然に反映されていますから、日本の責務としてもそういった点からもとらえていただきたいと思います。
それと、コンテンツは著作権で守られておりますけれども、ファッションとか食というのは、著作権で守られていない大事な財、資源ですから、それをどう守るかということも重要です。私の大学のある留学生が三宅先生のプリーツ・プリーズらしきものを着ていますが、明らかに偽物で、本人は本物だと思っているようです。コンテンツは海賊版を意図的に買っているのですが、こういったものは本物と思って買うわけですから、よけい問題があると思います。
それと、有名な野球選手が次から次に海外に出ていくように、評価軸を持ったオリジナルなところで評価されたいというのは当然です。日本の評価軸を明示して提示するために、是非、時機を外さないで日本文化の啓蒙普及に尽くしている海外の方々への顕彰事業を実現していただきたい。
それと、海外で評価されている人の顕彰が日本国内で後手になっています。アメリカで1998年にゲームの殿堂の制度がつくられたときに、宮本茂さんが第1号に選ばれました。フランスでは大統領候補のロワイヤルさんをはじめとして日本のアニメーションを激しく批判するインテリが多いわけですが、「AKIRA」の大友克洋さんにフランス政府は最近勲章を与えています。そのように、ブランディングは時機を逃さない顕彰事業を不可分なのですが、日本では死ぬ直前になって勲章をあげるという、まずい状態になっています。早期の改善が必要です。
これまでコンテンツを海外に出すための努力は、日本政府が何度も試みてきました。かつては海外に出せる唯一のコンテンツであった映画については、大映社長の永田雅一さんが尽力されて、政府とともに繰り返しやりましたが、経済的な財に特化し過ぎて、短期的にうまくいかないとすぐに政策と中断し、失敗したと思います。同じことを繰り返さないように、継続的な努力が必要です。そのためには、長期的な文化戦略を考える機構が不可欠で、組織として存在している必要があります。フランスの文化戦略はコルベールの時代から300年間やって今至っています。文化に関する外交予算の国民一人当たり額を配布資料に載せてあります。勿論金額の多寡ではありませんが、これだけの血を流してフランスは文化とかブランドの大国足り得ているわけです。それなりの覚悟が必要で、単発的分散的でなくシステムとして動く必要があります。
それと、先ほど言いましたロワイヤルさんは、私の手元にあります『テレビをザッピングするような赤ちゃんにはもううんざり』という本を書いて有名になった政治家です。この本で日本のアニメーションを酷評していますが、フランスの政治家としてはフランスの国益のために、自国のハイカルチャーの方がいいという当然の発言をされているわけです。では、その逆はどうなのでしょうか。やはり文化戦略が必要ではないかと思います。
以上です。
○牛尾会長 ありがとうございました。
続きまして、議論に入りたいと思いますので、御発言の方は名札を立てていただいて議論をしてまいりたいと思います。御意見ございますか。
○三國委員 委員の三國でございます。
前回、アメリカのCIAのトップの方とミーティングしまして、アメリカのCIAとしては今年11月に、本来は日本の食と芸能をアメリカ全土に発表したいということだったんですが、アメリカのCIAが日本の政府のバックアップをまだ得られていないということで急遽変更しまして、アジアということで発表したいということで、我々民間でCIA日本実行委員会をつくりまして、何とかいろいろな企業の方に賛同を得て11月に発表したいと。そのときに、3年後の2010年には日本だけでジャパンというものをCIAとしてはアメリカ全土に発表したいということを約束していただきまして、是非全面なるバックアップをしていただきたいと思います。
それと、シンガポール政府が、アジアで初めてCIAの学校をバックアップして開講するということで決定いたしました。CIAとしては今後、アジアの料理をCIAの学校の中に取り入れて、広くアメリカの料理人たちにサティフカを与えて、アジアの料理をアメリカ国内に広めていくと。CIAとしてはあくまでも私に対して、ジャパンをアジアの代表として広めていきたいんだと。なので、是非、日本政府また日本の企業に協力願いたいんだということをおっしゃっておりましたので、この場を借りて御検証いただきたいと思います。
○牛尾会長 ありがとうございました。
では、依田委員、どうぞ。
○依田委員 依田です。
政府にご支援いただき産業界が中心となって取り組んできたコンテンツポータルサイトがほぼ完成をしまして、4月からスタートいたします。阿久津委員の資料7−2の2ページ目に日本ブランド・ポータルサイト概念図とありますが、これは非常に素晴らしいことではないかと思います。国家広報組織と事務局による運営という点につきましては、いろいろな見解があると思います。例えば今、海外での日本食の認定や、日本食の推奨マーク等について世界各国でいろいろな反応が示されていますが、日本の文化情報、食文化を含めたブランド情報がきちんと公平・正確に、世界中で同じレベルで流れることが大事だろうと思っています。その意味で、日本の文化情報がきちんと国ベースで伝えられていることが大事ではないかと思いまして、これは是非進めるべきではないかと思っております。
今、内閣府では、政府広報事業評価基準等検討会が行われているようでございますので、ポータルサイトの取組みを盛り込めば、早期にこの成果が上がるのではないかと思いましたので、一言申し上げさせていただきました。
○牛尾会長 ありがとうございました。
小山委員、お願いします。
○小山委員 委員の小山でございます。
少し御報告を兼ねてお話をさせていただきたいと思います。先月2月20日から国際交流基金の派遣で、フランス・パリとギリシャ・アテネと日本料理の講演会と講習会を行い、3月1日に帰ってまいりました。日本文化会館の地下の200名ほどの収容のホールで講演会をさせていただきました。それから、ギリシャでは、日本大使館の主催のもとで夕食懇談会のようなものをさせていただきました。
パリの講演会の冒頭で、先ほどお話のありました日本食の推奨制度というものがパリだけでスタートしておりまして、50軒を認定してパリ市内に発表したということで随分物議を醸しておりす。講演会の質問でも出たりいたしました。そのときに私は実は少しお話をしたんですけれども、私も料理を作っておりますので評価される側なんですね。古来すべてのものにはルールがあって、選手はルールに対して抗議はできません。もし評価というものを作ってしまえば、それは食べ手の側の論理になるわけですから、そのことに関してお店や料理人の方から意見はできないので、私はこの問題についてはお返事はできかねるというようなことを講演会の席上で申しました。ただ、過去の歴史を見ると、私も含め日本からフランスに料理を教えに行った人間もいるし、もちろん、日本にフランス料理をお教え下さった人も沢山います。そのようなことから言うと、料理人同士に垣根はないので、アジアなど他の国の人が日本料理をやることに関して、パリで是非お手伝いもしたい。こちらに垣根はないし、評価するということで言うと、それはあってしかるべきだけれども、この問題に対して意見はできないけれども、日本の国や我々料理人としてはあらゆる情報をお伝えして、日本料理のブームを支えていきたいということをお返事いたしました。パリという土地柄で、評価ということに関して非常にいろいろな考え方があるということが如実にわかりました。
続いて、ギリシャに参りましたけれども、ギリシャは日本大使館、大使は北村大使という方ですが、の主催でした。あちらのフォリフォリという若い女性の方たちに人気の貴金属ブランドのオーナーが、日本ギリシャ商工会議所の会頭をしていらっしゃいまして、ほか外務大臣、大蔵大臣、観光大臣に出席していただきました。60名出席の予定が93名の方に出席いただきまして、たくさんの方に来ていただいたんですけれども、ギリシャにおいては日本料理はまだまだこれからということ。ただ、アテネ内の日本料理店は毎日昼夜満席ということで、大変なブームが起こっているということであります。
この2つのことで少しお話をしたいのは、国によってアメリカとかフランスあるいはギリシャあるいはアジアなど、少しずつ状況は日本料理ブームと言っても違っていることが起こっているということです。そのことを国内でとらまえる、あるいは考える組織と、もう一つ浜野委員のお話にもありましたように、ブランドとして立ち上げるというのはどういうことかというと、3番目の尊敬される国になるべきである事情のところで、規制を掛けることによって、これからたくさんのアジアの青年やたくさんの人がやりたいと思っていることの不利益になるのではないかという懸念もあります。あるいはこちらから情報を出さないで格式や推奨だけを広げていくと、誤解を受ける可能性もあるということ。せっかくスタートしているところで早急にそういうことを取りまとめて、私は日本料理の内側におりますが、外からも踏まえて日本の国全体として海外に発信していくようなことができればと思います。勿論、私も参加させていただく食文化懇談会もございますけれども、この知的財産戦略本部の方でも是非御考慮を願えたらと、2週間ほど海外へ行ってきて強く感じたことでございますので、御報告をさせていただきます。
最後に、私どもも実はNPO法人を立ち上げまして、そういうことに対して戦略的に対応していきたいと思っております。
以上です。ありがとうございます。
○牛尾会長 この日本ブランド、食、地域ブランド、ファッションについては、食は大変大きくクローズアップされて、まだ問題整理の段階もありますけれども、非常に活気を呈しています。地域ブランドも160ぐらいは地域ブランドされて、観光拡大についても、お土産についても、非常に地域ブランドが役割を果たしている。どんどん次のアプリケーションが出てくると。
ファッションが、ちょっとだけこのままでいいのかなという感じがするので、ちょうど太田さんが手を挙げられたのでお願いします。
○太田委員 太田でございます。パリコレというのは世界で一番大きなファッションイベントなんですが、それが終わって帰ってきたばかりです。
先ほど浜野先生からデザインのコピーのお話が出ましたけれども、実は私はロンドンに寄ったときに、私どものロンドンのお店にイギリスのお客様から、今ロンドンで非常に人気のあるレストランで、従業員がイッセイミヤケのコピーをユニフォームにしているんだと。そういうことを許していいのかというクレームがお客様からございました。今、デザインのコピー問題というのは世界中で、ファッションにおいても重要な問題で、先ほどの話にもありましたように、著作権で守られていませんけれども、違う権利があるんじゃないかということで、実はフランスのオートクチュール協会、百何年もやっているデザイナーの協会ですけれども、パリコレの資産団体、ここが特にコピーに対してルーズなアメリカに対して政治的な働き掛けをしたいと。ついては、アメリカの下院に働き掛けをしていきたい、それには資金が要ると。ついては、イタリア、アメリカのデザイナー協会、フランス、それから、日本にも是非一緒にやろうじゃないかということが届いていますけれども、実は受けている日本のデザイナー協会は任意の団体で資金的な余裕もありません。この間パリコレの会場で、オートクチュール協会の会長にどうなっているんだと言われたんですけれども、やはりデザインの保護という問題で一緒に連携しようと呼び掛けられても、今は応えられないという現状があります。
長く我々の業界では、いわゆる繊維業界、ものをつくるということについては随分補助金が過去たくさん出ていっています。特に、日米繊維交渉後の20年ほど産地にかなりの補助金が出たと思います。ところが、デザインもしくはデザイナーということになると、びた一文出てこなかったというのが現状だと思うんです。
デザインの保護、各国が一緒になって連携しようというときに、どうしても日本だけ遅れてしまう、輪に入れないというのは、やはりもう少し行政の方々の御支援があれば、この連携の輪に入っていけるし、それから、日本が世界に誇れるデザインもあるわけですから、是非デザインというものにも補助が出るような何か仕組みをつくっていただきたいし、その国際的な協調に参加できるような手だてが欲しいなというのが1点ございます。
2番目に、コンテンツの方でもアーカイブというのがありましたけれども、実は我が社もそうですが、いろいろな各世界で評価されたデザイナーたちが、各国の美術館等でアーカイブに寄附をしてくれということで、随分世界に日本の作品が出ていって、保管されています。ところが、日本ではアーカイブをするところがございません。保管するところがないので、結局うちの場合は我が社が自分たちでずっと倉庫を借りて、湿度を保って維持しているんですが、非常に大変なことなんですね。各国の美術館からどんどんお話が来るんだけれども、日本からはファッションという領域は恐らく除外されていまして、声が掛からないというのが現状です。やはり日本の誇れるアーカイブを日本で守っていく、そのデザインを保護するという点でも、日本の財産を守っていくという点でも、アーカイブにもう少し目が向かないのかなと。イベントに)御支援くださるのもいいんですけれども、やはりそういう地道な研究とアーカイブ、ここにもう少し資金的なものがあればなというのは1点あります。
最後に、ジャパンファッションウィークが来週から始まります。私はその委員として今年1月台湾、2月に韓国で記者会見をしてまいりました。そのときに記者団からこういう質問をされました。日本が動き出したのは、一つは上海の追い上げがあるからかという質問がございました。もう一点は、北京オリンピックと関係があるのかと。要するに、北京オリンピックで中国が注目されると。それに対して日本は慌てているんじゃないかというような現地の記者団からの質問を受けました。私たちの答えは、決してそうではありません、我々日本は日本のことを考えているだけです。だから、別に中国を意識していませんとは言いましたけれども、恐らく世界は日本が中国に負けないように慌て出したと見られているんだと思います。
一方で、来週のジャパンファッションウィークは4回目ですけれども、韓国からデザイナーが手を挙げて、是非出たいんだということで、初めて韓国からテレビ局も連れて東京にやってきます。その人と一緒に記者会見をいたしました。だから、すごく記者会見はにぎわいました。これはJETROさんの協力がありました。やはり我々がファッションでジャパンブランドを推進していく上では、もう一つアジアの中でリーダーの役割を担っていこうと。だから、アジアの若いデザイナーたちから東京に行こうよというベクトルをどうやって生んでいくのか。これには、在外公館も含めていろいろな方々の御支援がないといけないし、今、安倍総理が盛んにおっしゃっている美しい国もしくはアジア・ゲートウェイということについても、やはりアジアから東京へというベクトルを生んでいくためのいろいろな施策が、もっともっと議論されなければいけないのかなと思います。今回、韓国のデザイナーが初めて参加するというのは非常に大きな意味があると思うんですけれども、これをもっともっと推進していきたいなと思っています。
以上です。
○牛尾会長 大変貴重な意見だと思いますので、ファッション関係の方から御発言がありましたら。原さんございませんか。
○原委員 今の太田さんのお話とちょっと関連があるんですけれども、私も何人かのデザイナーからアーカイヴを維持する困難さを聞いています。また、KCI(京都服飾文化研究財団)が世界で評価を得るようなジャポニズム展等を各国から招聘されて催しているんですけれども、日本では絶対に国立系の美術館でファッションは不可能と断られてしまうということです。というわけで、日本で計画されたファッションの歴史展覧会みたいなものが、結局、日本国内では京都だけで行われて、あと、世界を回っている。世界中の人はそういうものを見て三宅一生さんであれ、川久保玲さんなりの力を痛感して、ある意味でそこでは尊敬される国としての評価を得ることができていると思うんですが、それが日本国内では広く見る機会を与えられていない。今の若い方たちが先輩達の世界への偉大な影響力を知らないでいるのはもったいないことだなと思っています。
あと、私も昨日パリコレから帰ってきたんですけれども、今回感じたのは、フランスのプレタポルテではあるけれども、ルイ・ヴィトンを初めとする高級ブランドの力が強くなっていて、プレタというよりはオートクチュールに近い洋服が多くなっている。すべての人がルイ・ヴィトンやシャネルやニコラス・ゲスキエールによる今一番話題のバレンシアガの洋服を着て街の中を歩けるはずはないんですけれども、日本のデザイナーも含めた本来のプレタらしい洋服というものが、パリコレの中では一時期のような勢いを持っていない。フランスでは10年位前迄はパリのマリ・クレールや、エルといった雑誌の力が強くて、フランスのプレスが来なければショーが始まらないというような傾向がありました。それが、今はビッグブランドのショーに関して言うならば、映画にもなった「プラダを着た悪魔」の主役でもあるアメリカ『ヴォーグ』のアナ・ウィンターという人が来ないとショーが始まらないみたいな、多分アメリカのお金の力、また、ハリウッドの顧客がいるということで、そちらの方にすごくパリのプレタが向いている気がします。そういったところで日本人のデザイナーが勝負することもいいけれども、やはり先ほど太田さんからお話があったように、日本人はもうちょっと東洋の中で、今までパリコレで実力を認められてきたデザイナーがいる国としての力を発揮した方がいいなというのを痛感しました。
パリでは、韓国の方が一時5〜6人なさっていたこともあるんですけれども、今回は1人だけだったので、そういう意味でも、これからはきっとアジアの方でまとまってショーをして、それが別の意味でビッグブランドとは違う力というものを示していけたらいいなと思いました。
以上です。
○牛尾会長 パリコレには、日本デザイナーは出ていないんですか。
○原委員 いえ、たくさん出ていらっしゃいます。皆川さん、太田さんのところのイッセイミヤケ、川久保玲、山本耀司、鳥居ユキ、渡辺淳也、それに小野塚、津森、田山、中野ヒロミチさん等がいます。
○牛尾会長 それが強い流れにはならないんですか。
○原委員 それは強い流れというか、日本人というくくりでは皆さん見ないで、一人一人のクリエーターとして見るわけです。ただ、三宅さん、山本さん、川久保さんが出たころは、3人が一遍に強い力を持っていたからジャパンパワーみたいなことになっていました。ところが、今のファッション全体の流れとしては、クリエイションに対する意識もあの時代とは違ってきていますし。
○牛尾会長 皆川さん、何か御意見ありませんか。
○皆川委員 私も先週パリから戻ったんですけれども、そのパリのコレクションとパリでの展示会の合間に、次の春夏のオーダーのためにスイスとイタリアに行ってまいりまして、生地の発注をしつつ、あとはイタリアのファッションスクールで授業をしたりしてまいりましたが、日本とイタリアのファッションはとても似ているなと少し感じておりまして、それはうまく手工芸のものと、工業的なプロダクトというものが両立していけばとてもいいファッション産業が生まれるという土壌がとてもあるなと思いました。
実際、私たちも日本では大分手工芸のものづくりというのはできなくなってまいりましたので、シャツなどはナポリという都市に今でもハンドメイドのシャツを作ったり、そういうことが技術的に残っておりますし、そのエリアでは13〜15歳ぐらいから職人の道に入って、50歳でこれからみたいな土壌がまだまだ残っていて、そこに行くと本当に技術的にすばらしい、工業的なプロダクトとはまた一味違うファッションというものがきちんと残っていまして、そういうものがとても大事だなと改めて日本に戻って思いました。
一方、イタリアというのはフランスの生産背景とはまた違って、とても工業化がうまく進んでいるなと思います。ヨーロッパのメイド・イン・イタリーという製品がとても多いのは、そういう背景もあるのかなと思うんですが、そういうことを強く感じて、イタリアのファッション産業の仕組みというのは、今、日本のファッションでもとても参考になるのではないかと感じておりました。
もう一つ、インターナショナルであり、ナショナルであるということをイタリアで少し感じたのは、ブランドとしてとてもインターナショナルなブランドがありますけれども、一方で、それを支えるナショナルな、イタリアの中での生産ということがとてもうまくできているということの調和がとれているなと思いました。日本でも、これから日本のクリエーターが世界にどんどん出ていく中で、それを支える産地というものが、これからとても重要ではないかと感じております。
先ほど太田さんからもお話がありましたように、意匠や著作の問題ですけれども、その辺におきましては、クリエーションにおいて、ビジネス規模というものは比例していないもので、一つ一つのデザインというものがそれぞれに価値を持っておりますので、ファッションの場合、それぞれのブランドというものは、ほかのビジネスに比べて小規模なものがとても多いんですけれども、それでクリエーションとしては世界に発信していけるというよい面もございますので、クリエーションというものが守られる意味でも、意匠登録の問題ですとかそういうものが、日本や世界的に意匠を登録していく上で費用はとても高いものがありますので、そういうものを国としてサポートできるようであれば、若いクリエーターのいいクリエーションというものが、世界的にも意匠登録や著作権の問題でも守られるのではないかと思っております。
以上です。
○牛尾会長 ありがとうございました。
この問題は、繊維産業とデザイニングというものの組み合わせの中で、かつては相当力があったものが失速してきているんですね。いろいろな分野で民主導でこういうことが、つらいけれどもやり切れることでやっているところが多いんですが、今のお話を伺っていると、こと繊維のファッションに関しては非常に困難な状態があります。事務局でちょっと調べてみてください。できれば民主導で動くのが一番いいと思いますが、その活力がある程度まで来るまでは補助が必要であれば考えざるを得ないだろうと。
今、私は経済産業省で「サービス産業のイノベーションと生産性に関する研究会」の座長をやっておりますけれども、そこでも繊維のデザインというのは出てこないですね。日本の製造業というのは、70%ぐらいの分野で世界のフロンティアにいるわけですから、そのフロンティアのいる技術開発の50%はデザインであり、日本文化であり、ソフトの力だと書いているんですね。それが日本の繊維産業ではバラバラに分かれてしまって、貴重なデザインというものを製造込みになった業界としての力に消化していない部分があります。14〜15年前ではかなりいいときがあったんですよね。アジアの人が日本の時代のファッションショーなども非常によく知っていて、逆に教わるぐらいのことで皆ここに来たんですが、それが今は消えてしまったことは事実なので、政府がある程度緊急的に関与する部分があるかどうか一回検討してみたいと思います。それまでは民で頑張ってもらう必要があると思いますが、よく状況がわかりました。
○里中委員 今お話を伺っていてちょっと感じたことなんですけれども、いわゆる人に知られた日本のブランドというのは、デザイナーの名前も知られていますし、みんなわかっているとは思いたいんですけれども、一般の普通の方が日常着るものにつきまして、今かなりの部分が中国の工場で作られていますよね。そうしますと、タグにメイド・イン・チャイナと入るんです。法的に色々なことがあるのでしょうけれども、メイド・イン・チャイナでも構わないんですが、あれを見ると、中国の若い子たちは、これは我が国の商品だと思うんですね。ファッション的に日本に後れをとっていないと。だから、堂々と着るということもあるのかもしれませんけれども、私が大変残念なのは、デザインはどこであるか、作られたのはどこであるかという、その両面表記が必要なんじゃないかと思います。
革の小物とかそういうものに関しましては、デザインはイタリーであると、つくられたのは中国であるという表記がされている商品があるわけですね。だから、ファッションに関しましてもデザインは日本でして、型紙も起こして、縫製の仕方も指導して、時によっては機械までも入れておきながら、最終的にどこで生産されたかでメイド・イン・チャイナになってしまう。これがかなり誤解を与える部分もあると思うんです。だから、日本人のアイデアのデザインであるということを、もっと積極的に世界の一般の消費者たちに向けて発信した方がいいのではないかなと思います。日本人のデザイン感覚が優れているんだということで、日本の文化とか日本の国へのあこがれも高まると思いますので、細かいことですけれども、消費者に与えるこの積み重ねの影響というのは大変大きいと思いますので、是非御検討いただけたらと思います。
○牛尾会長 これは業界、分野的にはそういうことは可能なんでしょうか。
○太田委員 法律的には私はわかりませんけれども。
○牛尾会長 現実的に、メイド・イン・チャイナ、デザインド・バイ・ジャパンというのは。
○太田委員 それは可能かなと思います。一つそれに関して、たまたま1月の終わりにロンドンに行ったときに、ちょうどホテルの隣がバーバリーの本社だったんですね。その前でデモをやっていました。何のデモかというと、バーバリー社が、イギリスを代表するブランドですけれども、イギリスの工場を全部閉鎖して、これから全部中国で生産すると発表したので大論争になっているんですね。国民も非常に怒り心頭で、直近解雇されるであろう工場の人たちがデモをしていました。夕方のロンドンのトップニュースは、そのバーバリーのデモだったんですが、イタリアでは実は途中までは中国や東欧で製造されたものが、最後にメイド・イン・イタリーと表記された商品が結構許されています。ところが、日本はそれがなかなか法律的に許されないですね。やはり中国で製造したものはメイド・イン・チャイナになってしまう。だから、原産証明については、どうしてもメイド・イン・チャイナという表記は日本は守らなければいけない。結構イタリアの製品などで、途中までハンガリー、ブルガリア、ポーランドとかでつくっているのはあるんですよね。それが今イタリアの生産量を非常に大きくしているというのがあります。日本の場合、非常にハードルが高いというか厳しいというところがあると思います。
ただ、デザインとして意匠権としてメイド・イン・ジャパンであるということは、表記しても別に何も問題はないと思うんですけれども、そこまで気が回っていないのと、我々のような会社は、なるべくメイド・イン・ジャパンを守りたいというので、ほとんど中国では生産していません。メイド・イン・ジャパンにこだわっている。バーバリーの反対を行っているんですけれども、やはり日本で発案したものを日本で作っていくということは、今、皆川さんがおっしゃったイタリアの人たちが考えたものをイタリアで作るというのはすごく大事なことで、フランスはファッションの発表の場としてはいいですけれども、実は産業としてはフランスは今堕落しているんですよね。それはなぜかというと、ものを作らなくなった。ものを作らなくなると、だんだんデザイナーが育たなくなる。だから、今のフランスのデザイナーブランドのデザイナーに、フランス人はほとんどいないです。やはり我が国も、日本で作って日本の人たちが頑張る、もしくは海外から来てもいいんだけれども、日本で作るということもセットで考えていかなければいけない。そういう点では、今、里中さんがおっしゃったような、やはりメイド・イン・ジャパンとデザイン・イン・ジャパンなのか、バイ・ジャパンなのかわかりませんが、その表記というのは非常に意味があるような気がしますね。
○牛尾会長 わかりました。
土肥委員、どうぞ。
○土肥委員 先ほど来からテキスタイルデザインを中心としたデザイン、ここの話が出ておりますけれども、TRIPSという国際的な知財の取り決めがあるわけですけれども、その中に著作権とか特許権、地理的表示等の保護がさまざま取り決められているのですが、テキスタイルデザインだけは意匠とは格別に規定がされているんですね。つまり、テキスタイルデザインというのはさまざまな特性があるので、そこを取り出して考えているということだと思います。三宅一生のプリーツは日本の裁判例で既に出ておりまして、保護は一応されているんですけれども、あれは商品等表示、つまりデザインとして保護されているわけではないです。つまり、商品等表示として保護されていて、あたかも商標と同じような扱いを受けている、そういう形での保護であって、デザインではない。意匠法が今年改正されたわけですけれども、意匠法の改正でどう変わるかということに関しては、余りここで議論になっているようなことには影響がないのだろうと思います。意匠法というのは昔からあるわけですけれども、毎年出願が4万件ぐらいあって、そのうち大体8〜9割が登録される。つまり、特許は30〜40万、商標が15万これぐらいあるにもかかわらず、意匠というのは関係領域が非常に拡大しており、しかも、需要者、消費者は、商品の機能は大体日本製品の場合どれもすばらしいものですから、デザインの優劣というのが非常に重要なんですけれども、実際に特許庁においてみられる出願・登録数からの利用実態というのは全く変わらないということになっています。つまり、意匠法という法律がテキスタイルデザイン等については十分対応できていないということがはっきり言えるのだろうと思います。
つまり、先ほど来、会長から御指示がありましたけれども、その点は一度十分精査した上で、意匠法が今回の改正を踏まえた上でもなお対応できているのかどうか、できるのかどうか、そこを調べていただければと思っております。
○牛尾会長 大変貴重な御意見をありがとうございました。
日本ブランドに関してはかなり御意見をちょうだいしましたので、この意見は知的財産推進計画2007というのをこれからつくり上げるわけですが、その検討に反映してまいりたいと思っております。
安倍内閣総理大臣は、アニメや音楽などのコンテンツ、食文化や伝統文化などにつきまして、日本文化産業戦略の策定を表明されておりまして、コンテンツ専門調査会の検討結果は日本文化産業戦略にも反映されることになっております。
まだ少し時間がありますので、前半と後半の議論が終わりましたが、これからの知財推進計画2007の策定に向けて、全般に関しての御意見があれば3〜4人の方に御発言ちょうだいしたいと思います。ワーキングコミッティでは、前回、金丸委員やその他の方々から、こういう計画はやはり国民が見てワクワクするようなものばかりに満ちあふれていないと、ここも自由にされていない、ここもだめだという、だめなものを何とかしようという話ばかりではめいってしまうからという、やや明るいトーンに変わってきたわけですから、もっとこういうテーマを強調してほしいという点がございましたら、また、こういう点が抜けているというものがございましたら、これまでの延長線で4回目になりますけれども、知財推進計画2007というのがかなり変化に対する影響力がありますので、御発言をちょうだいしたいと思います。何でも結構ですから、是非どうぞ。
○久保委員 久保でございます。
先ほど岡村委員からロードマップの作成というお話をいただきましたが、いろいろな資料を見ても、2011年の地デジの本格放送については、さまざまな問題点やそれに対する解決策がいろいろ練られているように思います。では2011年以降日本はどうなるんだろうということについては、予測されている資料がなかなかございません。地デジ、それから、IPマルチキャストといったものが本格的に運用されていった後の日本人の生活はどう変わるのかということについて、さまざまな資料を検証していきたいし、予測していきたいと思っておりますが、現状その作業ができません。
○牛尾会長 これは大事な御指摘ですね。
○三國委員 先ほどCIAということを言いましたが、スタッフの方があのCIAと誤解なさっていたので、説明してくれということで、済みません。CIAというのは、The Culinary Institute of Americaといいまして、料理大学院なんですね。ただ、その中にFBIというのがあるんです。それはアメリカ人はさすがで、Food and Beverage Instituteという、そういうしゃれで、ここの料理学校は大学院でございまして、ここを卒業すると普通の大学の卒業証明書をいただけると。アメリカの中で今トップ10のシェフは全部ここの卒業生で、フランスの三ツ星のシェフの息子とか跡継ぎも全部ここに入れるということで、今世界一だろうということです。CIAという略字でございますので、済みません。
○國領委員 まず、コンテンツ関係のことでなんですけれども、以前メモでも意見表明したことがあるんですが、新しい動きとしてコンテンツを消費者側が発信してくるようなモデルというのが広がってきていて、今のいろいろなプランを見ていましても、つくる側と消費する側というモデルなんですが、多分それが広告業界なども含めた形で大きくモデルを変えつつあると思いますので、次に計画を立てるときは是非そういうものに対してどういう戦略を持つのかということについて盛り込んでいくとよろしいのではないかと思います。
それから、ブランドの話は非常に勉強になったんですけれども、議論をお伺いしていて、そもそもブランドって何なのかとか、メイド・イン・ジャパンの話をしているのと、デザイン・オブ・ジャパンの話をしているのと、それから、日本で教育された人が作ったものとか色々なものがあって、何をゴールとするのか、例えば、ブランド収入を最大化するという話と、日本での生産量を最大化するという話と、ちょっと違ったりするのだろうと思いますので、この辺コンセプトをちゃんと整理した上で、非常に有意義だと思うので位置付けていけたらいいんじゃないかと思いました。
○牛尾会長 大変重要な御指摘ですので、検討してください。
○小川委員 この資料の今後の提言の中に、日本のアニメとか映像を海外にも発信していくための様々なイベント、例えば、ショーなども御検討されているのだと思いますが、実際、日本の中で幾つかそういうアワードがもう既に展開されていまして、例えば、デジタルメディア協会というところがAMDアワードというものを、浜野委員が審査委員長になられて年1回総務大臣も参加される表彰などもやっているんですが、実はその賞も財源が足らなくなって開催が危ぶまれているという実情もございまして、その辺りの情報も集約していただいて、三々バラバラに色々なものをやっても仕方がないという議論もあると思いますし、一方、せっかく育ててきたそういう対象が、幾つかの議論の中でそういう資金の問題で開催できなくなるというところは非常に残念ですので、その辺りも一度調査していただければなと思います。
○牛尾会長 伝統的な業界というのは、こういうものはまとまってお金を相互に出すんだけれども、新しい業界というのはなかなか横がつながらない、それがいい意味での競走条件になるんでしょうが、少しは共通のものについては金を出し合うという精神を作っていかないと、全部の業界が協調する方に力が入り過ぎると、金は集まるけれども進歩がないというようなことになるんですが、そのところはうまくバランスをとって、新興業界はちょっと横が連携しないんですね。だから、橋渡しみたいな役割を政府がやってみるというのも一つの方法かと思うので、大変に貴重な御提言だと思います。
○金丸委員 この対策が皆様の努力によってまとりましたので、本当に目指すんだということを確認させていただきたい。それから、本当に目指しはしたんだけれども、結果は出せなかったということではまずいと思いますので、本当に目指して実行しますということが重要ではないかと思います。
それから、各委員のお話をお伺いしていて、非常に長期的な継続した努力が必要だと思いますので、今後こういう知財に関する委員会がどういう扱いになるかわかりませんけれども、2番目といたしましては継続していただきたいと思います。
3番目は、これは以前も國領委員も触れていらっしゃったような気がいたしますけれども、今、日本の中に知財に関するものが総量でどれくらいあるかわかりませんが、かなりの量が存在しているとすれば、多分眠っているものがまだ多いんじゃないかなと思います。そういう意味で、今回のこの会は、いわゆるいろいろな所属していらっしゃる組織の利益もあるでしょうけれども、それは一旦未来のために置いておいて、国益のためには眠れる知財をある一定期間何もお使いにならなかったのであれば、日本として、戦略的に開放するというものも必要ではないかと思います。ただし、それをご利用なさった人は作った人に利益を返すという、それが一番大きな約束事だと思うんですけれども、その約束が担保されれば、無料で全部一旦出してしまうというような大胆な発想も必要ではないかと思います。
1番目は本当に目指して実行していただきたい、2番目は継続していただきたい、3番目は一つのアイデアでございます。
以上でございます。
○牛尾会長 どうもありがとうございました。
○依田委員 冒頭、岡村委員からロードマップの話が出ましたが、私からもこの会議で何度か申し上げているとおり、やはり日本国として2015年までに5兆円のコンテンツ市場の新規創出という一つの命題がある中、この数字を一体どういう位置付けにすべきなのでしょうか。今、金丸委員がおっしゃるように、本当に実現するのかというときに、何か目標になるものがどうしても必要ではないかと思いまして、アクションプランにどのように盛り込むかは知りませんが、5兆円の新規市場創出という数字がにじみ出るような方向付けが必要ではないかと思いました。
それから、先ほど小川委員がおっしゃられた件に関して、今日御出席の重延委員が国際コンテンツ・カーニバルの副実行委員長で、エグゼクティブ・プロデューサーとしてのお考えをお持ちであると思いますので、お聞きになったらいかががと思い発言させていただきました。
○牛尾会長 では、どうぞ。
○重延委員 国際コンテンツカーニバルというのがコンテンツ政策の中に随分書かれているようでございまして、これは昨年、経済産業省さんの一つのプランとして発表されたもので、今年から実行していこうということで今推進されています。3月22日に記者発表ということになります。最初は映画、ゲーム、アニメーション、漫画、キャラクター、音楽、放送という業界のお話だったんですが、私がエグゼクティブプロデューサーということで指名されまして、こういう業界からいろいろな話でリンクしていく、連携していくということを大きなテーマにさせてくださいということで、その連携というのは一つは各業界が連携していく、一つは国際的に連携していく、一つは科学と文化、産業が連携していく、こういうリンクというテーマで考えさせてくださいということで今提案しているところでございまして、そういう意味では先ほど言った業界に、今日お集まりのファッションも食文化もすべて含め、そういうことに広がっていくようなことを毎年9月か10月にということです。今年は幕張ゲームショーから始まって、東京国際映画祭で終わる予定です。その中間が空いておりまして、この辺もし皆さんに御協力いただければ、あらゆる業界が入って日本ブランドの振興、国際交流ということに向けていくようにしたいと考えています。日にちが迫っておりまして、3月22日の記者発表から次第に具体的なものをお願いしにいくということになると思いますので、是非この場を借りて御協力いただければ大変嬉しく思います。
○牛尾会長 ありがとうございました。
大体時間もまいりましたので、今日の御意見を入れて次の2007年の計画を考えてまいりたいと思いますが、食に関して非常に活性化してきたのは、実はこの委員会のワーキングコミッティをこの委員会でやらないで、民間の人だけで集まってやってもらったわけです。茂木さんというキッコーマンの会長を座長にして、本当に幅広く、全部で14人ですが、民間だけで集まってもらって、場所だけは知財事務局が提供して、あとは一文もお金を払っていない。場所を提供するだけで皆さんがお集まりになって、そこで初めていろいろな異分野、食に関する人が会うことが、こういう推進に非常にプラスとなっているので、ファッションもそういうことを考えるのも手かもしれないですね。事務的には我々がお手伝いしますから。
では、今日は大変多岐に渡りながら要点を突いていただいて、4〜5人の方には御発言する機会がなくて申し訳なかったんですが、次回で是非発言をしていただきたいと思います。
では、これをもちまして会合を終わりますが、事務局から何かありますか。特にないですか。
では、次回の本会議並びにワーキングコミッティは、皆さんの御都合を聞きながら再度連絡したいと思います。
本日はこれをもって終了いたします。ありがとうございました。
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