○塩崎内閣官房長官 それでは、ただいまから、ただいまから知的財産戦略本部の第17回会合を開催いたしたいと思います。
本日はお忙しい中ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。
さて、本日はまず有識者本部員の方々の起草によります「知的財産推進計画2007(案)」をご説明いただきまして、これを本部決定したいと思っております。次に、特許審査迅速化平成19年度実施計画、これについて甘利経済産業大臣からご報告をいただきたいと思っております。続いて、専門調査会の設置及び廃止について決定していただきます。
それではまず、「知的財産推進計画2007」について、有識者本部員の方々による計画案の起草の取りまとめをお願いいたしました相澤本部員から、概要をご説明いただきたいと思います。
お願いします。
○相澤本部員 前回の知的財産本部の会合の後で、有識者本部員会合を2回開催いたしました。そこで集中的に検討してきた次第でございます。
制度や体制の整備に力を入れてきた第1期を受けまして、第2期では知財立国の実効を上げるとともに、新たな課題に対応すべく取り組んできているところでございます。
これまでの考え方に加え、現内閣の重要課題でありますイノベーションの創造、それから日本の魅力の世界への発信、こういったことを観点として織り込んでまいったところであります。
主な施策は8項目でございまして、従来にも増して国際的展開とコンテンツ振興に力点を置いております。それでは、順に説明させていただきます。
知財の創造では、科学技術基本計画で定めました重点推進分野等について、新たに分野別に知的財産戦略の策定、特許の質を重視して、国際的な特許出願を支援するなど、戦略的に知財活動に取り組む大学・TLOの連携強化・重点支援です。
世界特許の実現と特許審査の迅速化では、国際出願の審査結果を各国の特許庁間で相互利用する特許審査ハイウェイの推進、それから日米欧における特許制度の共通化、それから審査・審判の迅速化、さらにアジア等における制度整備を支援する、こういう体制でございます。
模倣品・海賊版対策では、模倣品・海賊版拡散防止条約の早期実現を目指しまして、関係国と協議・連携、それから先般成立いたしました映画の盗撮の防止に関する法律を受けて対策を強化、これらを進めてまいります。
国際標準化活動では、昨年本部決定いたしました国際標準総合戦略を具体化すべく、産業界におけるアクションプランの策定、それからリーダーの育成など、官民挙げて取り組むということでございます。
中小企業と地域への支援においては、「知財駆け込み寺」と称する相談機関の機能を強化すること、さらにこれらを連携・強化するところでございます。
文化創造国家づくりでは、デジタルコンテンツの流通を促進する法制度の整備、それからこれらを通して世界トップクラスのコンテンツ大国の実現を目指します。それから、食、地域ブランド、ファッションなど、日本ブランドの振興でございます。
日本の魅力の世界への発信では、本年秋初めて開催されるアニメ、マンガ、映画などの日本のコンテンツを総結集いたしまして、JAPAN国際コンテンツフェスティバルを開催いたします。
知財人材の育成では、昨年策定されました「知的財産人材育成総合戦略」を実行すべく、知財の専門人材の増加と質の向上、国民各層への知財教育などに取り組むことでございます。
以上でございます。
○塩崎内閣官房長官 ありがとうございました。
それでは、この「知的財産推進計画2007」、この計画案を知的財産戦略本部として決定したいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○塩崎内閣官房長官 ありがとうございました。
それでは、本計画案を「知的財産推進計画2007」として決定をさせていただきたいと思います。
続いて、特許審査迅速化平成19年度実施計画につきまして、甘利大臣の方からお願いいたしたいと思います。
○甘利経済産業大臣 恐縮ですが、資料3-1をご覧下さい。カラー刷りのものです。
先程決定されました「知的財産推進計画」に基づきまして、世界最高水準の質の高い効率的な審査を実現すべく、特許審査迅速化のための19年度実施計画を策定しまして、特許審査の件数を19年度には31万3,000件に引き上げます。このために、任期付審査官の確保や、先行技術調査の民間外注の拡大を行ってまいります。また、イノベーション促進の基盤であります特許制度を、中小企業を含めた利用者がより有効に活用できるように、特許関係料金の引き下げの検討を私から事務方に指示をいたしました。さらに、以上のような行政側の対応に加え、産業界においても知財戦略を深化、深くさせ、事業戦略や研究開発戦略と一体化した技術経営力の強化を図るよう促してまいります。
次に、資料の右の方に移りまして、「世界特許」の実現に向けて我が国が国際的な審査協力や制度調和の取り組みをリードしていきます。また、世界トップクラスのコンテンツ大国を目指し、「コンテンツグローバル戦略」を速やかに策定するとともに、本年秋に「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」を開催いたします。さらに、「模倣品・海賊版拡散防止条約」の早期実現のために、関係各国との協議において議論をリードしてまいります。
以上です。
○塩崎内閣官房長官 ありがとうございました。
次に、専門調査会の設置及び廃止についてでございます。専門調査会は重要な政策課題の専門的事項を調査するためのものでございまして、その設置及び廃止につきましては、知的財産戦略本部令の規定により、本部決定が必要でございます。
内容を小川事務局長からご説明を願いたいと思います。
○小川知的財産戦略推進事務局長 お手元の資料4等に基づきまして、ご説明いたします。
まず資料4でございます。本日決定いただきました「知的財産推進計画2007」を踏まえまして、専門家による具体的な検討を行うために、知財を活用して我が国の競争力強化に結びつけていくという観点から、知的財産による競争力強化専門調査会を、また世界最先端のコンテンツ大国実現及び日本ブランド振興に向けた取り組みを加速する観点から、コンテンツ・日本ブランド専門調査会をそれぞれ設置することを決定するものでございます。
次に、資料5でございますが、これまで置かれておりました知的創造サイクル専門調査会及びコンテンツ専門調査会の廃止を決定するものでございます。
以上でございます。
○塩崎内閣官房長官 ありがとうございました。
それでは、本案を知的財産戦略本部として決定いたしたいと思いますけれども、ご異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○塩崎内閣官房長官 ありがとうございました。
そのように決定をさせていただきます。
続いて、菅総務大臣から発言を求められておりますので、菅大臣、お願いいたしたいと思います。
○菅総務大臣 総務省では、ICTの国際競争力のための懇談会を設けております。その報告を受けまして、放送コンテンツの国際競争力の強化、それと同時にコンテンツ関連の人材育成、これについて私どもは全力で取り組んでいきたいと思っております。
特に、この国際市場の中で競争力を持つコンテンツの制作と流通、これを促進するために、スピード感を持って取り組んでいきたいと思っております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
○塩崎内閣官房長官 ありがとうございました。
それでは、最後に知的財産戦略本部長の安倍総理大臣よりご発言をいただきたいと思いますけれども、その前にまずプレスが入りますので、少々お待ちくださいませ。
(プレス入室)
○塩崎内閣官房長官 それでは、安倍総理、よろしくお願いいたしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 皆様、お疲れさまでございます。
本日、安倍内閣として初めての知的財産推進計画をお取りまとめいただきました。私はイノベーションと日本の魅力発信を重視してまいりました。知的財産はそれらの礎となるものでございます。お忙しい中、原案を作成していただきました有識者本部員の皆様方に厚く御礼を申し上げる次第でございます。
今回の計画は、国際展開とコンテンツの振興に力点が置かれています。今後この計画を着実に実行していくことになるわけでありますが、各国の特許制度の共通化、そしてコンテンツの流通促進のための法制度や契約ルールの整備、そして模倣品・海賊版拡散防止条約などの実現に向けて、幾多のご努力を要する課題も多いと、そのように思います。
先般、カンヌ国際映画祭におきましては、川瀬直美監督が最高賞のパルムドールに次ぐグランプリを受賞するという大変な栄誉に浴したわけでございますが、このことは日本のコンテンツがアニメやゲームのみならず、映画についても世界に通用するということを証明したのではないかと、このように思うことでございます。
このように豊かなコンテンツを日本の魅力として戦略的に世界に発信をしていくことが、日本の未来にとって私は極めて重要であると、このように認識をしております。世界最先端の知財立国、そして私の目指す「美しい国、日本」の実現に向けまして、本計画に基づき官民挙げて難題に挑戦をし、そして立派な成果を上げていきたいと、このように思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
○塩崎内閣官房長官 ありがとうございました。
(プレス退室)
○塩崎内閣官房長官 時間もまいりましたので、本日はこれで終了させていただきたいと思います。次回の会合につきましては、事務局から追ってご連絡をさせていただきたいと思いますので、引き続いて本部員の先生方にはご指導、ご鞭撻賜りますように、お願い申し上げたいと思います。
本日の会合の内容につきましては、事務局の方から後ほどブリーフを行うことになっております。
本日は誠にありがとうございました。
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