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第一回知的財産戦略本部議事録平成15年3月19日(水)17:30 〜18:30
於:官邸大会議室 |
○内閣官房長官 それでは、ただいまから「知的財産戦略本部」の第1回会合を開催させていただきます。本日は、御多忙のところ大変ありがとうございます。私、内閣官房長官の福田でございます。議事進行を務めさせていただきます。
この本部は、去る3月1日に施行されました、知的財産基本法に基づいて、内閣に新たに設置されたものでございます。まず、議事に先立ちまして、知的財産戦略本部長の内閣総理大臣からごあいさつをいただきます。 ○内閣総理大臣 皆様お御苦労様です。知的財産問題につきましては、知的財産戦略大綱のとりまとめ、知的財産基本法の成立など、昨年1年間で画期的な成果を極めて短い期間内におさめることができました。
○内閣官房長官 ありがとうございました。
(報道関係者退室)
○内閣官房長官 今回は、初顔合わせの会合でございますので、議事に入る前に有識者の本部員の方々を御紹介させていただきます。
○荒井知的財産戦略推進事務局長 事務局長の荒井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○内閣官房長官 ただいまの運営については、御了承いただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○内閣官房長官 ありがとうございました。それでは、資料2のとおり決定いたしました。続きまして、7月3日に戦略会議が決定した知的財産戦略大綱の進捗状況、及びこの本部で作成する知的財産推進計画の作成スケジュール等について、事務局から御説明いたします。 ○荒井事務局長 お手元の資料の3に沿いまして、御説明させていただきます。
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○内閣官房長官 以上のような手続で、今後の検討を進めたいと考えておりますが、大変手回しがよろしいですけれども、御了承いただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○内閣官房長官 ありがとうございました。それでは、資料4のとおり決定をさせていただきます。
○角川会長 私が申し上げたいことは、資料5で事項を挙げさせていただきました。従来日本の知的所有権と申しますと、特許権と、それに類するものが非常に大きなテーマだったと思います。
○内閣官房長官 ありがとうございました。
○川合主任研究員 私は、基礎科学をする研究所に務めております。この知的財産の大綱を拝見いたしますと、中身が知の創造と、それからそのでき上がったもの保護という2に分かれているんじゃないかと思います。
○内閣官房長官 ありがとうございました。
○久保利弁護士 弁護士の久保利でございます。お手元に『著作権ビジネス最前線』という、はでな本を配布させていただきましてありがとうございます。詳しいことは、これにも書いてありますので、今日はポイントを2つに絞って申し上げたいと思います。
○内閣官房長官 ありがとうございました。
○野間口社長 三菱電機の野間口でございます。私どもは、電機・電子メーカーといたしまして、これまで半導体、カーエレクトロニクス、人工衛星、家庭電器品等々の分野で、さまざまな知的財産問題に遭遇してまいりました。その経験を踏まえまして、私は日本の産業競争力の強化には、知的財産戦略の確立が大変重要だと思っておりまして、今回のこの戦略本部の発足を大いに評価し、期待し、またその一員として貢献できればと思っているところでございます。
○内閣官房長官 ありがとうございました。
○森下取締役 大阪大学の森下です。私の方は、大学発ベンチャーをやっておりますので、そちらの方の立場から見たお話をさせていただきたいと思います。会社の資料はここに入っておりますので、また後ほどお時間があるときにでも見ていただければと思います。
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○内閣官房長官 どうもありがとうございました。
以上で予定の御発言は終わりましたので、あと自由の御発言ください。では、まず民間委員の方から、どうぞ御手洗社長。 ○御手洗社長 御手洗です。今の野間口委員の言ったことにも関連するんですが、今回この知的財産戦略大綱における期限を前倒ししまして、今通常国会で関税定率法の改定を審議されておりますし、また輸出貿易管理令の改定も予定しているというふうに聞いております。その重要性の認識と、スピードには、大変高く評価し、感謝するものであります。そういう雰囲気がちょうどありますので、やや具体的で大変申し訳ないんですが、今、模造品だとか、高度な技術侵害品を水際取締で止めていただくということが話題になっておりまして、止めていただくんですけれども、それだけでは十分ではなくて、我々被害者そのものが具体的に法的アクションを取って、自分の救済をする必要があるわけであります。
○内閣官房長官 ありがとうございました。
○中山教授 久保利さんと角川さんから、コンテンツが重要であるという意見が出まして、私もそれは極めて重要であると考えております。ただ、知的財産戦略大綱の起草委員長としては、大綱を書いた立場から申し上げますと、大綱の中には確かにコンテンツ、あるいはそれを保護する著作権の記述は、それほど多くはありません。特許は大半でして、著作権についての記述もありますけれども、比重は少ない。
○内閣官房長官 ありがとうございました。
○阿部議員 戦略大綱について、若干中山教授のお話に補足をさせていただきますと、これは総理のごあいさつにもありましたように、国家戦略としてのまさにスタートであったと思います。しかし、たった短い、また1年も経ってないわけですけれども、各国の知財戦略というのは日々進化しておりますので、大綱はあくまでも第一歩というふうに考えて、国益を追求していただくことを強くお願いしたいと思います。
○内閣官房長官 ありがとうございました。
○安西塾長 一言だけ、人材の育成の面について、法科大学院ができても、なかなか知財弁護士といいましょうか、そういう人たちが育つというのは、今のままでは時間がかかるというふうに思われます。やはり基本六法の方へかなり偏っていまして、国の知財戦略が法科大学院の方には反映されていないように思われます。
○内閣官房長官 ありがとうございました。
○下坂弁理士 今の安西委員の御発言に私賛成でございます。法科大学院ができたんでございますけれども、いろいろある選択科目から、知財というややこしい分野をはたして取ってくれるか、また法学部卒業生が大体7割というのが受けられるけれども、あとの3割が理工系を含めてしか受けられないということになりますと、例えば弁理士会の技術関係は、8割近くが技術屋でございます。その人たちが専門分野を持って入学していくことができる大学ということで、最初ロースクールに期待をしたんでございますけれども、今のままではちょっと人材育成には弱いのではないかということで、次回プレゼンさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○内閣官房長官 その節、よろしくお願いいたします。
○厚生労働副大臣 厚生労働省としても、省内に戦略会議を開きまして、既に医薬品の産業ビジョンとか、医療機器の産業ビジョン等を発表しているところなんでございますけれども、今日のお話の中で、川合先生や中山先生がお話になりました点で、私ども大変懸念しているところがございます。
○内閣官房長官 文部科学副大臣、お願いします。 ○文部科学副大臣 大変貴重な御意見をありがとうございました。コンテンツの問題というのは、我が省また文化庁等で大変大事な問題ということで、今、取り組んでおります。
○内閣官房長官 科学技術政策担当大臣。 ○科学技術政策担当大臣 私は、科学技術政策とITの担当大臣を両方かねております。前の科学技術政策につきましては、先ほど総合科学技術会議の阿部議員がいろいろおっしゃいましたように、それぞれ知的財産戦略と大学の関係とか、その他利活用等について検討しておりますので、適宜また御報告を申し上げて貢献させていただきたいと思います。IT担当として申しますと、先ほど来ございますが、コンテンツについてはやはり今後非常に大きな問題があります。特にビデオオンディマンドの時代になると。それから、特に若い人の理科離れが進んでいます。非常に一番わかりやすい例で言うと、理科の実験とか、自然の紹介、天文とか、いろんな分野があります。小学校から高校ぐらいまでの教材というのは、何千本もあるんです。今まで教育テレビや放送大学やいろんなところでやったものがですね。それが秘蔵されたままです。NHKにこれを今後オープンにして、学校で使えるように、非常に理想的ないい実験状況の下でいろんなことを教育していますからやろうじゃないかというと、結局先生方がどこに行ったかわからないと、もう3年経つといろいろ移動して、また著作権の問題があってつかまえて、了承を取らなければならない。
○内閣官房長官 ほかに、法務大臣。 ○法務大臣 先ほど来法科大学院の話が何回が出ましたが、あれはまだ始まったわけでございませんで、来年始まるわけで、今、一生懸命やっている最中でございます。ですから、御指摘のような問題点がございましたらば、その点を特に設立者に注文していただき、あるいは学生たちにもそのような認識をもってもらうように教育していかなければならないと思いますが、大学の内容については文部科学大臣がやってらっしゃることですけれども、私も本部の副本部長といたしまして、お話は非常に参考にはなりますが、そのようなところでまだこれからでございますので、どしどし注文していただきたいというふうに思います。 ○内閣官房長官 ほかにございますか。ないようですね。それでは、大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。本日の御意見、また次回、第2回の会合でいただいた御意見につきましては、今後作成していきます推進計画に生かされるように検討を進めてまいりたいと考えております。
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