知的財産戦略本部会合
議事録

日時: 平成22年10月26日(火)7:35〜8:00
場所: 官邸大会議室


○海江田内閣府特命担当大臣
 定刻がまいりましたので、知的財産戦略本部会合をただいまから開催いたします。
 私、担当大臣の海江田万里でございます。本日はお忙しい中しかも早朝からお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の議題は4点ございます。1つ、国際標準化戦略の検討加速について、2つ、クールジャパンの推進、3つ、模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)の大筋合意について、4番目、お手元の参考資料にもございますが、「知的財産推進計画2010」関連予算の概算要求でございます。
 初めに、本日の進め方を簡単に申し上げます。
 知的財産戦略本部では、本年5月に「知的財産推進計画2010」を策定しています。本日の議題は、基本的に同計画にかかわる施策の進捗状況について報告を行い、ご論議いただくものです。あわせて、国際標準化戦略の検討加速について、ご意見をいただきたいと考えております。また、各府省における知的財産関係予算の概算要求について、取りまとめたものをご報告いたします。
 本日は、時間の関係で一括して資料を説明し、後ほどまとめて議論いただきます。
 さて、それでは最初の議題でございます「国際標準化戦略の検討加速について」でございます。
 国際標準化戦略は、「知財計画2010」で3つの重点施策の第1に挙げられ、特定戦略分野として選定された7分野については、本年度中に戦略策定を行うこととなっています。
 それでは、国際標準化戦略タスクフォースの座長であります妹尾堅一郎NPO法人産学連携推進機構理事長から、進捗状況についてご説明をお願い申し上げます。

○妹尾座長(国際標準化戦略タスクフォース)
 皆さんおはようございます。
 ただいまご紹介にあずかりましたタスクフォース座長の妹尾でございます。時間もないということなので、早速ご説明させていただきます。
 お手元の資料の1−1をごらんいただけますでしょうか。A3のこういう横長のものでございます。
 私どものタスクフォースは、本年の4月に本戦略本部傘下の企画委員会の決定で設置されました。そのうち戦略策定の対象とする特定戦略分野の選定、それから企画委員会から各府省に向けた戦略案の作成指示の基礎となる基本的考え方、それの取りまとめ等を行ってまいりました。先週の火曜には第9回の会合を開催し、事務局を通じて各府省の検討の進捗状況を確認いたしました。その経緯をここに書いております。
 各府省の検討状況を私どもは詳細にチェックさせていただき、確認をさせていただいたわけですが、各分野において「官民検討の場」というものがおおむね設置されて、戦略の検討に着手しつつあるという段階でございます。国際標準化は、まさに、戦略的に選択をしなくちゃいけないんですが、まだその辺の理解について、府省の間で多少の理解の度合いの違いというのがあるのが気になりました。
 次に諸外国の戦略との関係です。これらの分野では、戦略的な重要性を認識して、急速に取り組みが始まっています。私どもとしても、グローバルな動向に遅れをとらないためには、幾つかの点を注意すべきと考えています。
 第1が、我が国としても一刻も早い戦略策定を目指して、スピード感を持って検討を加速していかなきゃいけないという「加速」ということでございます。
 それから第2点は、形式的には進捗をしているということですが、実際の中身としてはどうなんだということがございます。本当に競争力強化につながる戦略なのかどうかということで、各府省の検討の点に視野を拡大していただく、すなわちきめ細かく全般に目を通していただくという「拡大」、それから内容そのものの「充実」、両方合わせて「拡充」というふうに申し上げています。加速のみならず中身の拡充をぜひお願いをしたいと思っております。
 今年度の後半は、私どものタスクフォースで、各府省の検討をフォローアップさせていただくつもりでございます。本戦略本部におかれましても、一層の後押しを賜れれば幸いです。特に閣僚の皆様におかれましては、各府省、部局における検討の加速・拡充、これについてリーダーシップをご発揮いただいて、取り組みを積極的にご先導・ご指導いただけるようにお願いをしたいと思います。
 我々タスクフォースのメンバーも、もう本当にすさまじい量に取り組み、事務局もものすごく頑張っております。とにかくより良い戦略を立てたいと頑張っておりますので、ひとつよろしくご支援お願いしたいと思います。
 ご説明は以上です。ありがとうございます。

○海江田内閣府特命担当大臣
 ありがとうございます。特に、妹尾先生には夏の暑い盛りにヒアリングを、本当にありがとうございました。承りました。
 引き続き「国際標準化戦略の検討加速について」、和田大臣政務官から説明をお願い申し上げます。

○和田内閣府大臣政務官
 皆様おはようございます。
 海江田大臣のもとで、この部分を担当することになりました政務官の和田でございます。よろしくお願いします。
 それでは、私のほうからも少しお話をさせていただきます。
 先ほど妹尾座長のほうのお話にもございましたとおり、先週22日に企画委員会がございまして、そこから私は参加させていただいたんですが、少し先ほどのお話と共通しますが、危機感を抱いております。
 妹尾座長のお話にありましたとおり、国際標準化戦略の策定というのは、今厳しい国際競争の中で一刻の遅れも許されないような状況にある、他方で、7つの重要分野の進捗状況を見るにつけ、戦略策定のプロセスをさらに加速すべきではないかと、拡充もというお話が先ほどありましたが、特に私のほうからは、各省庁の検討を加速すべきではないかという思いが強くなっております。
 この点について、先週その議論を踏まえまして、海江田大臣のほうからご指示をいただきましたので、資料1−2のほうをごらんになっていただけますでしょうか。
 「国際標準化戦略の検討加速について(案)」として、本部決定案をご用意させていただきました。私のほうからこれを簡潔にご説明させていただきますので、それをお諮りいたします。
 ごらんになっていただいて、まず先ほど申し上げたことと重なりますが、国際標準化戦略の策定を7分野15項目において、新成長戦略を支える重要施策として考えております。また、諸外国の急速な動きの中で、我が国としての対応に遅れが許されない状況にあるということ、この2点を踏まえまして国際標準化戦略の加速について、以下の1.、2.にございますが、このような内容を本部で決定いただくことをお諮りいたします。
 まず1.でございますが、関係府省が遅くとも11月中旬までに「官民検討の場」を設置すると、そして検討を始めていただくということで、企画委員会には必ず本年度末までに戦略の策定を行うということでございます。
 2.のほうでございますが、先ほども座長のほうからもお話がございました。これらの今後の検討について、妹尾座長のもとのタスクフォースと私ども政務三役レベルでの企画委員会が連携して厳しくフォローアップを行わせていただくということにしまして、本年末及び年度末の本部会合において、改めて進捗状況をご確認いただくというふうに進めてまいりたいということでございます。
 このような進め方について、ご決定いただきたいということをお諮り申し上げます。

○海江田内閣府特命担当大臣
 議論は後ほど行いますので、続きまして、知的財産戦略の今後の進め方について、これも和田政務官から説明をお願い申し上げます。

○和田内閣府大臣政務官
 それでは、資料の次を見ていただければと思うんですが、その下についております資料の1−3というのをごらんになっていただけますでしょうか。表題といたしましては、「知的財産戦略の今後の進め方(案)」というものでございます。
 そこにお示ししましたとおり、今日26日は本部会合を開いていただいているわけでございますが、今日の会合が「知的財産推進計画2011」の策定に向けたキックオフとなるものだと考えています。そのため、今後本部会合、企画委員会、専門調査会など各種会議を開催、議論しまして進めていきたいと考えております。
 特に国際標準化戦略につきましては、先ほどお諮りいたしましたけれども、11月中旬までには国際標準化戦略に関するすべての分野で、官民合同の検討の場を設けていただきたいと考えておりまして、本年12月末の本部会合におきまして、その進捗状況や平成23年度予算編成についてご議論いただきたいと考えております。
 その後、本部会合を来年2月、3月と書いてございますが―に開催いたしまして、国際標準化戦略の策定状況を確認いただくとともに、「知的財産計画2011」の骨子についてご審議いただこうと考えています。そして、最終的には来年5月、6月ごろをめどに「知的財産2011」を策定し、つくり上げたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○海江田内閣府特命担当大臣
 ありがとうございました。
 次の議題に入ります。
 次の議題は、「クールジャパンの推進」です。本件は2つの事項から成っています。
 まず最初に、大畠経済産業大臣から経済産業省のお取り組みについてご紹介願います。どうぞ。

○大畠経済産業大臣
 ただいまご紹介いただきました大畠章宏でございます。どうぞよろしくお願いします。
 クールジャパンということの推進でありますけれども、皆さんにはクールジャパンという言葉はあまりなじみがないかもしれません。私も初めて聞いたときは、これは何だろうなと思ったんですが、毎日聞いているうちにだんだんなれてまいりまして、ああこういう考えかということがわかってまいりました。
 日本のファッション、アニメ、デザイン、インテリア、食文化、観光などの文化産業でありますが、これを総称して「クールジャパン」と言っておりますが、日本人以上に海外からかなり人気がありまして、今後の日本の戦略産業分野の柱の一つになると考えておりますし、また、これも日本の経済の成長のかぎになるのではないかと考えております。
 クールジャパンを稼げる産業として中小企業の販路を拡大し、若者の活躍の場を創出するには、ビジネスにつながるための具体的な戦略づくりが必要不可欠であります。このためビジネスの第一線で活躍する有識者にお集まりいただき、「クールジャパン官民有識者会議」を設置することを22日に発表いたしました。
 この官民有識者会議では、特に海外売り込み戦略を集中的に議論する予定です。座長には、資生堂の福原義春名誉会長にお願いをしております。11月に第1回を開催するということで計画をしておりますが、関係省庁にもご参加いただく予定でございます。議論の成果は、知的財産推進戦略本部にもご報告をし、政府全体の戦略に反映させたいと思います。
 なお、関係資料は、資料の2−1、2−2というものがございますので見ていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○海江田内閣府特命担当大臣
 今お話もございました資料の2−2以下でございますが、関係府省連絡会議を設置したいと思いますので、これについては和田政務官から説明をお願いします。

○和田内閣府大臣政務官
 和田でございます。大畠大臣のほうからございましたとおり、この面につきましても検討をしっかりしていかなきゃいけないということで、先ほどのご説明は官民会議の創設でございますが、私のほうからは、それと連動しまして関係府省の連絡会議の設置について、ご報告させていただきます。
 先週22日の企画委員会のもとで、私を座長とさせていただきますクールジャパン推進に関する関係府省連絡会議を設置したところでございまして、これを今日の本部会合にご報告させていただく次第です。今後、この府省連絡会議のもとで連携を諮りまして、政府全体の推進策を取りまとめ本部会合にご報告させていただきたいと思います。
 以上でございます。

○海江田内閣府特命担当大臣
 ありがとうございました。
 第3の議題に入ります。
 第3の議題は、「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)の大筋合意」についてでございますが、伴野外務副大臣からご説明をお願い申し上げます。

○伴野外務副大臣
 おはようございます。外務副大臣を仰せつかっております伴野豊でございます。外務省のほうからご報告させていただきたいと思います。
 本条約交渉につきましては、去る9月23日から10月2日まで開催されました東京会合におきまして、ほとんどの問題を解決して大筋合意に至りました。ここに至るまでの関係各位の皆様方のご協力、ご支援に心から感謝申し上げたいと思います。
 ACTAにつきましては、我が国がその必要性を提唱いたしまして交渉を進めてきたものでございまして、東京において大筋合意に達しましたことは、大変意義深いことだと考えております。ACTAによる模倣品・海賊版の効果的な取り締まりのための枠組みが世界に定着いたしまして広まっていくことにより、知的財産立国を目指します我が国の経済産業の活性化に資することが期待されております。
 一部の交渉参加国は、幾つかの点につきまして立場を留保しているところ、今後は条約文の確定に必要な作業を関係国とともに迅速に進める一方で、国内におきましても締結に必要な作業を鋭意取り進めてまいりたいと存じます。関係省庁におかれましては、国内実施に必要な法律等の整備につき、引き続きご協力賜りますようよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○海江田内閣府特命担当大臣
 ACTA交渉、ご苦労さまでございました。大筋合意ということでございますので、以上の報告を受けました。
 続きまして、議題の4番目、「『知的財産推進計画2010』関連予算の概算要求」でございます。これにつきましては、和田政務官から説明をお願いいたします。

○和田内閣府大臣政務官
 続きまして、資料の4をごらんになっていただけますでしょうか。A4の横表になっているものでございます。「知的財産推進計画2010に関する平成23年度予算概算要求状況調べ」というのがございます。私のほうから簡単にご説明いたします。
 その上の4行にわたって書いてございますが、来年度の概算要求額総額は約910億円、うち要望枠として出されているものが約330億円でございます。今、各府省において特別枠の要求に対するヒアリング等も受けながら鋭意作業を進めておりますが、各省庁の必要な予算の確保に向けて、引き続き努力をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

○海江田内閣府特命担当大臣
 ありがとうございます。
 それでは総理もお見えになりましたが、ただいまから今まで説明いたしましたこの資料に基づく説明、これにつきまして皆様方からの質問、ご意見を伺いたいと思います。
 恐縮でございますが、1人1分以内でお願いを申し上げます。どうぞ。

○相澤本部員
 相澤でございます。2点申し上げたいと思います。
 国際標準化の戦略が着々と進んでいるということでございます。しかし、最も重要なことは研究開発と事業化との連動で国際標準化の戦略を進めなければなりません。
 総合科学技術会議が先週、平成23年度の概算要求における優先度判定を終了いたしました。そのプロセスの中で、国際標準化を正面切って打ち上げている施策については、非常に重視して判定を行いました。
 第2点は、今年度は特定分野として7分野を上げておりますが、それ以外にも非常に重要な分野が続々と出ております。このことが既に来年度概算についても要求が出てきておりますので、「知的財産推進計画2010」の改定に当たっては、その点についても十分な交流をしていただきたいというふうに思います。
 さらにもう1点、別な点でございますが、イノベーション創出関連でございますが、特に地域のイノベーション推進について、府省を超えて横断的にするようにということが掲げられております。この動きが既に概算要求の中に出てきておりますので、この点についても十分ご考慮いただきたいというふうに思います。
 以上でございます。

○海江田内閣府特命担当大臣
 ありがとうございました。どうぞ、角川さん。

○角川本部員
 角川です。クールジャパンについて、少し認識を深めていただきたいと思います。
 一番手身近なのは、ソニー・ピクチャーズが1月から「ソーシャル・ネットワーク」という、これは東京国際映画祭のオープニング映画ですけれども、これを公開します。これは有名なフェイスブックの創業者の物語ですけれども、ここの中で日本の文化がクールであるということが出てまいりますもので、ぜひごらんになっていただきたいと思います。
 それからまた、ACTAについては大変関係者の皆さんがご苦労されて、よくここまで持ってこられたなということで非常に感謝したいと思います。海外に進出する企業にとって、中国と言っていいんですか、アジアと言うべきか、非常に海賊版には悩まされております。それについて、アメリカと一緒になって大筋合意をしたということは大きく評価していいと思います。
 それにつきまして、海外に進出していくために海外マーケットを対象にしたコンテンツについてはファンドを設けるということで、私は100億円という話を実は去年聞いているんですけれども、その話が今あいまいになっていることをちょっと心配しております。お金がないのか、あるいはお金がなければ組織で応援するのか、組織がしっかりとした上でお金もつけるのか、そこら辺をぜひ、この知的財産戦略本部できちっと固めていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○海江田内閣府特命担当大臣
 ありがとうございました。
 ちょっと先に、では中山本部員、どうぞ。

○中山本部員
 推進計画には多くの府省にまたがる事項が記載されておりまして、これがすべて実行されればかなり状況は変わると思いますけれども、おのおのの事項が各府省の審議会に行くと骨抜きになるということが、ままあるわけでございます。
 今日はネットビジネスの話をしたいと思うんですけれども、このネットビジネスに関しましては、アメリカのグーグルを初めとした外国企業に対して日本企業はもう完敗の状態にあるわけでありますし、今後、クラウドコンピューティングの時代になってまいりますと、情報の首根っこを、もう完全に外国に押さえられてしまうという危険が極めて強いと思われます。
 現在、私が今危惧しておりますのは、著作権法におけるフェアユースという規定を設けるかどうかという問題であります。これは時間の都合で詳しいことは省略いたしますけれども、この規定は、日本のネット産業がアメリカと競争していく上では必須の事項だろうと考えております。このことは、既にもう過去の推進計画に書いてあるわけでございますので、戦略本部といたしましても、強力に後押しをしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○海江田内閣府特命担当大臣
 ありがとうございました。
 クラウドにつきましては、角川さんがご本をお書きになっていますので、みんなに配っておいていただけると、あれはすごく参考になります。
 すみません佐藤さん、お待たせしました。

○佐藤本部員
 佐藤でございます。
 リーマン・ショック以来、我が国の産業の開発力が非常に落ちていると感じています。それは具体的に言いますと、昨年、特許出願件数が4万件減っています。37万件のうち4万件減るというのは猛烈に大きな影響だと思っています。これをやはり支えるためには、この戦略の中の知的財産の産業横断的な強化策、これの施策をしっかりと進めていただくということが大事ではないかと思っています。特に、中小企業対策をしっかりやっていただかないと、中国、韓国、台湾に追いかけられている日本の中小企業は、生き残れないんじゃないかという危機感を持っておりますので、この辺、各計画を省庁でしっかりと推進いただくようにお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

○海江田内閣府特命担当大臣
 長谷川さん、どうぞ。

○長谷川本部員
 先ほどは、相澤本部員のおっしゃいました研究開発と事業化の連動が大切であるという点で、少し提案じみたことを申し上げさせていただきたいと思います私は製薬協の会長もしておりますけれども、製薬業界の有志企業と産業革新機構と、それからもう1つ、Intellectual Property Strategy Networkという、これは製薬会社のOBのインテレクチュアルプロパティーの専門家がつくった会社が共同出資をいたしまして、Life-Science Intellectual Property Platform Fundというのを最近つくりまして、アカデミアのいろいろな眠っている情報をそこの会社が、ファンドが全部サーチをしまして、それをバンドルして事業会社のほうに提供して事業化とブリッヂングをするという仕組みをつくっております。こういう形がライフサイエンス以外の分野、日本の重要なインテレクチュアルプロパティーの分野でもできるようなことをぜひ政府のほうでも後押ししていただければ、いろいろな分野でのオールジャパン体制ができて、それと国際標準化がうまく結びつけば一番いいかなと思っています。一言コメントだけ申し上げます。

○海江田内閣府特命担当大臣
 申しわけございません。今日はこの後、閣議もございます。せっかく本当に、先生方にお集まりをいただいたわけでございますが、総理からの発言の前に決め事がございます。
 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、資料1−2の国際標準化戦略の検討加速について、今本部員の先生方こもごもお話がございましたが、やはりこれを厳しい国際競争の中で一国の遅れも許されず、さらに検討を加速化する必要があるだろうということでございますので、この1−2の資料のとおり、さらなる検討加速を行うということで、本日の本部会合において決定させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。ご異議ございませんですか。 (「異議なし」の声あり)

○海江田内閣府特命担当大臣
 よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 それでは今後、これは妹尾先生に頑張っていただいて、企画委員会それから国際標準化戦略タスクフォース、ここで関係府省とも速やかに戦略の策定を進め、逐次本部会合にもご報告するようにいたしたいと思います。ありがとうございました。
 以上で、本当に駆け足でございましたけれども、本日の議題はすべて終了いたしました。
 最後に、知的財産戦略本部長の菅総理からごあいさつをお願いしたいと思いますが、その前にプレスが入りますので、お待ちください。
(プレス入室)


○海江田内閣府特命担当大臣
 では菅総理、よろしくお願いします。

○菅内閣総理大臣
 この内閣として、知的財産戦略本部初会合ということでご苦労さまです。
 いろいろなことを私も抱え込んでいますが、海江田大臣の前任者でもありまして、大変この知的財産戦略本部のことは気にかけながら、必ずしも十分なことはできていないことを申しわけなく思っております。
 今来る前に、事務局体制を少し調べてみました。私が本部長で、もちろん海江田さんが担当大臣なんですが、事務方の責任者としては、今日も来てもらっています内閣官房、これは長官も入るのかな、それで今、副長官の瀧野さんにも来てもらっていますけれども、少し事務方のほうで引っ張るようなことを考えてください。近藤事務局長もおられますが、言いわけになりますけれども、どうも政務三役、特に内閣府は非常に変則でして、めちゃくちゃに仕事の範囲が広過ぎて、皆さんも認められるように、海江田さんも和田さんもみんな大変優秀な人なんですけれども、これに専念していれば100の力が出ると思うんですが、多分なかなか、20も回るかどうかというところがありますが……

○海江田内閣府特命担当大臣
 30ぐらいやっていると思いますが。

○菅内閣総理大臣
 ありがとうございます。それをカバーする意味でと言ったら変ですが、事務方の体制を少し、きちっとしていただきたいと思います。
 今日は決めていただいた標準化の問題も、事務局長の近藤さんのところで中間的な取りまとめをしたものを、瀧野さんのほうでどうなっているかというタイミングだけは、私のほうでチェックしますから、そういう形でいろいろなことが進行しているのか、とまっているのかをよく見ておいてください。
 特に今日、各省庁の大臣も副本部長としてお出ましいただいていますが、大体各役所に戻るとほとんど動いていません、私が見るところ。内閣府というところはさっき言いましたように、ややわかりにくいところなものですから、結局行ったり来たりしている間に1年たつというのが、私のこの1年間の私自身の感想でありますので、そういう意味では各省庁も受けとめて帰られたところは自分のほうで期限を切って、例えば10月、11月末までには何らかの方向を出すとか、そういう形でそれぞれが少し進めてください。でないと多分ああいう、ああでもない、こうでもないと言っているうちに物事が終わってしまうと思うものですから、そのように申し上げます。
 そういうことで、ちょっといろいろと細々とした、何か事務局長的なことを申し上げましたが、知的財産標準化戦略の推進は、新成長戦略の重要な柱の一つとして、21の国家戦略プロジェクトの一つに位置づけられております。
 今回の本部会合でプロジェクトの進捗が確認されたと伺っておりますが、各府省に特に要請したいのは、国際標準化戦略の検討の加速、来年の1月とかと言わないで11月いっぱいぐらいまでには、中間的なことをぜひ出していただきたいと思っております。
 いろいろと調整の困難なこともあるかと思いますが、国際標準の設定は今お話がありましたように、我が国将来の産業競争力を左右する分野であり、特に7つの重要分野については、各府省において政務三役が事務方を督促して検討を加速し、年内、できれば11月中にも中間報告を海江田大臣、和田政務官に上げていただきたい。事務方は、瀧野さんのところまで上げていただいて、私が直接見ることにしたいと思っています。
 そういうことで、しっかりとこの問題に取り組まないと、今皆さんが言われたように、佐藤さんもおっしゃったように、日本がどんどん遅れてしまうという危機感を持って当たりたいと、こう思っております。
 どうぞよろしくお願いします。
(プレス退室)


○海江田内閣府特命担当大臣
 以上で、知的財産戦略本部会合を閉会いたします。
 本当に今日はお忙しいところ、短時間でありがとうございました。