茂木経済再生担当大臣記者会見要旨


令和元年5月15日(水)18:49~18:56
於:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.冒頭要旨

それでは報告させていただきます。
本日の未来投資会議では、まず、高齢者雇用促進及び経験者採用促進などについて、連合の神津会長にも御参加いただいて、議論を行いました。

主な論点、ポイントとしては、
人生100年時代を迎え、元気で意欲ある高齢者の方々に、その経験や知恵を社会で発揮していただけるよう、70歳までの就業機会の確保に向けた法改正を目指していく。その際、65歳までと異なり、それぞれの高齢者の特性に応じて、多様な選択肢を準備する必要がある。具体的には、定年延長や継続雇用制度の導入に加えて、他の企業への再就職や、自営、起業、社会貢献活動への支援など幅広い選択肢を用意する必要がある。
こういった議論がありました。

総理から、70歳までの雇用確保の努力を促す法案について、労働政策審議会における審議を経て、来年の通常国会に提出できるよう、準備を進めるよう指示がありました。

さらに、地方への人材供給の確保や中途採用・経験者採用の促進に向けて、しっかりと対策を講じていきたいと思います。

それから2つめ、本年夏の成長戦略のとりまとめに向けて、基本的な考え方の議論を行いました。
第4次産業革命を最大限に生かし、我が国の生産性向上、力強い経済成長につなげるためには、経済システム全体の再構築が求められます。とりわけ、これまでの、人材・技術の囲い込み型の自前主義から、開放型、連携型のオープンイノベーションへ、構造面での変革を進めていく必要があります。その際、労働市場の両極化が進行する中で、新たな雇用を創出するためには、創造性などの能力を備えた人材の育成、これが極めて重要であります。働き方についても、本日、中西議員から報告のありました、新卒一括採用の見直しと同時に、中途採用・経験者採用の拡大、兼業・副業の促進などを図っていく必要があります。

総理からは、私に対し、世耕大臣、根本大臣など関係閣僚の協力のもと、成長戦略のとりまとめに向けて、最終的な調整を進めるよう指示がありました。

私からは以上です。


2.質疑応答

(問)高齢者雇用の促進について、2つお伺いいたします。1点目は改めてとなりますが、人手不足が深刻化する中、高齢者の雇用機会を拡大することの意義をお願いいたします。そして、2点目ですが、今回定年延長などだけでなく起業支援ですとか、社会貢献活動参加なども進めるということで、高齢者の働き方の選択肢を広げたわけですが、そのメリット・ねらいについてお聞かせください。

(答)第1点目ですが、人材不足だから高齢者を雇用するというよりも平成の30年間、日本人の平均寿命は6歳延びてきている。今後人生100年時代を迎えるわけでありまして、これに対応し、これまでの雇用制度や社会保障制度全体を見直していく必要があります。おそらく55歳定年というのが1950年代くらいから始まって、だんだんそれが延びてくる中で、これだけ元気なお年寄り、高齢者が増えているという中で、誰もがいくつになっても、安心し、活躍できる全世代型社会保障へと改革していくというのが政権の基本的な方針であります。
その中で高齢者雇用は重要な柱になるわけで、元気で意欲ある高齢者の方々が大幅に増えている。その経験や知恵を社会で発揮していただくことで、日本の成長につなげていきたいと考えております。
同時に大都市、東京の大企業では、分野によりますが人材の余力・余剰が生まれてきています。一方で、地方の中小企業であったりとか様々な場面で本来そのポテンシャルを発揮するために必要な人材が不足している。こういったことのマッチングも今後進めていきたいと思っております。
こういったことも含めて70歳までの就業機会の確保に向けた法改正の準備を進めることとしたところであります。

その上で、高齢者の希望する就業形態を調べると、女性では7割、男性でも4割弱はパートタイムでの就労を希望しており、こういった形で高齢者ほど一律ではない、健康状態、家庭の事情も違ってくる中で働き方に多様なニーズが高齢者には存在するわけでありまして、そういったニーズに応えていくためには、単にそのまま定年延長すればいいとか、継続雇用年齢を延長すればいいという形ではなくて、そういったパートで働きたい人とか、こういう時間帯だったら働きたい人とか、様々な形で、組織で働くよりも個人でフリーランスで働いた方がいいとか、ビジネスというよりももう少し社会貢献がしたい、自分が培ってきたものを社会貢献の形で還元したい、こういった人も出てくるのではないかと考えております。そういった特性に応じて、多様な選択肢を準備していきたい。このため、定年延長や継続雇用年齢の導入に加え、資料にもあるような幅広い選択肢を用意する考えであります。


(以上)