ふるさとづくり実践活動チームin隠岐の島・海士

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ふるさとづくり実践活動チーム in 隠岐の島・海士 平成29年7月12日〜13日

 古くから人が居住する歴史ある地域である島根県の隠岐諸島において、4回目の「ふるさとづくり実践活動」を開催しました。離島というハンディキャップを乗り越え、全国でも有数の活気あるまちづくりを行っている隠岐の島町と海士町において、熱心なディスカッションが行われました。

住むように旅したい人に届く観光資源 河井 克行 内閣総理大臣補佐官

 今回の島根県の隠岐の島・海士では、いつも以上に若い参加者、そして女性に多くお越しいただきました。
 実際に現場で頑張っている地域の方、そして、全国的に活躍していらっしゃる専門家との話で、お互いに化学反応がバチバチと起きて、地元にいるだけではなかなか気づかないこと、都会にいる分からないものを、お互いに学び合える場にしていただきたいと思います。

河井克行内閣総理大臣補佐

くすぶるハウス代表 岩井 明人 様

くすぶるハウス代表 岩井 明人

 友達と、絵描きになりたい、ウェブデザインをしたい、農業をやりたいなどと思いながらくすぶっていたのですが、その中で最初に私が動き、ちょっとしたきっかけで隠岐の島に来ました。広いアパートを借りて農家について勉強しているうちに、友達や後輩などがどんどん隠岐に来て、くすぶっていた火種をもつ人たちが集まりました。
 現在は、ゲストハウスを運営するなど、やる気の炎を燃やし続けています。

NPO 法人隠岐しおさい理事長 岡田 智子 様

 Uターンし、観光交流施設、産直問屋を拠点に活動を始めて10年目です。
 商品を愛して注文してくれるお客様と、かつて一緒に汗を流し、応援してくださったしおさいのファンの皆さん、お店には買いに来れないけれども商品を愛してくださる方々、そういった人たちの思い、魂、火種をいかに消さずに、次の世代に橋渡しできるかが、私の活動のこれからの課題です。

NPO 法人隠岐しおさい理事長 岡田 智子

貝の王国隠岐の島協議会代表 坂田 勝巳 様

貝の王国隠岐の島協議会代表 坂田 勝巳

 隠岐は、豊富な生産資源がありますが、特に貝類が豊富で、種類も多く、食材としても大変良質です。これを1つのパッケージとして島内外に売り出すプロジェクトとして始まったのが「貝の王国」です。
 島内の飲食店の方々、貝の採集者など、全ての方が王国の国民というコンセプトです。貝を採り、食べ、生活している日常を後世に伝えることが、我々「中間世代」の役割だと考えています。

隠岐の島ゲストハウス佃屋 古川 咲季 様

 隠岐の島でしかできない体験を提供するには、島のライフスタイルを提供することと、島の人とつながってもらうことが大切です。
 わざわざアクセスの悪いこの島を選んでくださる方、リピーターの方は、単に観光地として来るのではなく、この人に会いたいから来る、この景色を見たいからと、第二のふるさととして来てくださるのだと感じています。

隠岐の島ゲストハウス佃屋 古川 咲季

地域の価値をみんなで見つける 吉田 聡子 委員

吉田 聡子 委員

 プロモーションとは、ただ伝えることではありません。地域資源を徹底的に細分化して、磨き上げ、ストーリーをまとめ、そして、共感を呼び起こすことです。
 自分が持っている資源について、なるべく具体的なお客様をイメージして、彼らが聞きたくなる、訪れたくなる、そして取材したくなる地域の価値をみんなで見つけることが、ふるさとづくりだと思います。

今若 明 委員

今若 明 委員

 明るい話題も多いけれども、人口減少を迎える隠岐の島において、誰がこの島を支えるのかは深刻な課題です。この点、これからは「関係人口」がキーワードです。1回だけ訪れたことがある方、訪れたことはないけれども隠岐の島のファンの方、出身者だけれどもこの島には住んでいない人たちです。
 彼らの「つながり」を通じて、ふるさとづくりを進めていけるとよいと思います。

株式会社海士 代表取締役 青山 敦士 様

 11年前に新卒でこの島に来て、同じIターンの女性と結婚しました。同時期に移住したメンバーと、一緒に成長して、一緒に悩めたため、移住して苦労した記憶はあまりありません。人と人とが近く、地元の人の温かみをいつも感じています。

株式会社海士 代表取締役 青山 敦士 様

コミュニティは豊かさの源泉 金野 幸雄 委員

金野 幸雄 委員

 古い建物、時間をたたえた空間は、クリエイティブな人々を引きつけます。くすぶっている都会のクリエイティブな人材が、島に引き寄せられて、新しい時代を築くのです。
 これからは、この島にシンパシーを感じてやってきて、地域の人と関係を結んで、帰っていくという、クオリティの高い観光に変わっていくと思います。全ての原点であるこの島の豊かな暮らしをどう翻訳し、表現するかが今後の課題だと思います。

株式会社巡の環 代表取締役 阿部 裕志 様

株式会社巡の環 代表取締役 阿部 裕志

 大量生産、大量消費、競争のグローバル化の中で、誰が幸せになれるのか、自分自身納得できませんでした。海士町は、人が優しい、食べ物がおいしい、きれいというだけではなく、人と人とが共存していく、持続可能な社会をつくるためのヒントの詰まった宝箱だと思います。
 条件不利なこの地域で、文化と経済をどのように両立させるかは、ふるさとづくりにおいて本当に大切なことだと感じています。

島のほけんしつ蔵 kura 代表 島根 輝美 様

 子どもの頃から、島の良さと、島で生きる窮屈さを感じることがありました。医療機関にかかる一歩手前の段階の方に対して、セラピストとしてお手伝いができるかもと思い移住を決心。
 海士には遠慮せず、自分からどんどん飛び込んでいけば受け入れてくれる度量があると思います。

島のほけんしつ蔵 kura 代表 島根 輝美

ふるさととは、そこに行くとほっとするところ 渋澤 健 委員

渋澤 健 委員

 ふるさとというのは、そこに行くとほっとするところなのだと思います。
 なぜほっとするのかというと、人と人がつながっているからで、我々みたいなよそ者が来ても、皆さん素敵な笑顔でこんにちはと言ってくださる。実はそれだけで、よそから来る人たちに、ここはいいところだとインプットされるのです。そうしてまた来たいと思えば、それが1つのふるさとなのです。

社会福祉法人だんだん「さくらの家」施設長 本多 美智子 様

社会福祉法人だんだん「さくらの家」施設長 本多 美智子

 障害のある方の通所施設で、ふくぎ茶を中心に作っています。島で昔から飲まれているお茶ですが、10年前にIターンで移住してきた方に、このお茶は島の宝、一緒につくりませんかとお声かけいただいたのがきっかけです。
 当初は、これが商品になるのかと不安だったのですが、そういった外からの方が引っ張ってくださったおかげで、地元の人が思いつかないことができました。

明日の海士をつくる会 万代 忍 様

 出身集落の保々見地区の空き家を活用したカフェをイベントにしました。カフェでは、地元の高齢者がつくる野菜や、輸送すると採算が合わず捨てられる魚などの未利用資源を活用しています。
 人が少ない時代だからこそ協力し受け入れ、あるものを生かしていきたいと思います。

明日の海士をつくる会 万代 忍

他人任せにしない人のネットワーク 前田 貴子 委員

前田 貴子 委員

 何度もいらっしゃる方は、人に会いに来ています。海士町の「人」がガイドブックになりましたが、すばらしいことだと思います。また、島前高校の存続の危機を、逆に発想の転換でチャンスに変えて魅力化をした取り組みは、大変勉強になりました。
 行政がやってくれる、誰かがやってくれると思わず自分で実行する人がたくさん集まって、つながっている強さを実感しました。