全国各地の「ふるさとづくり」を推進する「ふるさと活動実践チーム」は、3回目の今回、北海道の十勝地方を訪れました。「食」と「農業」を生かしたまちづくりに取り組む帯広市と、漁業・酪農に加え、宇宙産業の集積地を目指す大樹町で、2日にわたりパネルディスカッションが開催され、地域愛にあふれた熱い議論が交わされました。
帯広市・大樹町は、美しい景観、豊かな地域資源を生かし、独自のふるさとづくりに取り組んでいることを実感しました。十勝全域で取り組む「十勝型フードシステム」をはじめ農業を成長産業に位置づけて取り組んでおられることに大変感銘を受けました。また、大樹町の航空宇宙産業も、大きな可能性を秘めた地域資源であることを再確認しました。 |
17年前にUターンした際、十勝には、広告やマスメディアに掲載されない魅力が実にたくさんあることに気づきました。一方で、地元が発信する地元の情報がほとんどない
ことに危機感を抱きました。現在、十勝の価値を自ら発掘して丹念な取材を行い、年4回『スロウ』という雑誌を発行しています。 |
経営危機の時期、一対一で市民のみなさまと話をするため、時刻表と路線図の戸別配布を行いました。お客様の真のニーズを聞き取り、「移・食・住」を総合的に支えるというバス会社の使命を見出し、目的別時刻表を作るなど工夫を重ねた結果、利用者数を増やすことができました。 |
地域のまちづくりの担い手として、3つの人口が考えられます。1つはそこに住む「定住人口」、2つめは観光による「交流人口」、そしてもう1つが「関係人口」です。「関係人口」とは、その町の出身者、生産物の取引先会社、ふるさと納税者など、まちに縁のある人です。 |
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私は、「『つくる』を『食べる』のもっと近くに」をスローガンに、これまでの不特定多数間での商売をやめ、農業者と商品を一対一でつなぐこととしました。これにより、農業従事者が農業に誇りを取り戻し、さらに、十勝ブランドを生かすことにつながりました。十勝の住民は、市町村単位ではなく「十勝」という範囲でまちづくりを考えているという大きな特徴があると思います。 |
ふるさとづくりのキーワードは3つあります。第1は「危機から発想する視点」です。一度ふるさとを離れて戻ったときに初めて、地域や業界の危機に気付くことができる。第2は「火の玉人材」。ふるさとづくりとは、結局、ふるさとを支える「人づくり」です。第3は「持続性」。 |
ロケットベンチャー企業で小型人工衛星の格安打ち上げサービスをめざしています。今年打ち上げる観測ロケットの後も、次々にロケットを発射予定です。その経済波及効果は、北海道新幹線の道内効果を上回ると言われています。 |
地域づくりの基本はコミュニケーションです。日頃から自分が考えていること、希望、課題を周囲の方に伝えていくことが重要です。熱意と行動力を持った帯広の「火の玉人材」のみなさんが、自分の思いを人に伝え、人を巻き込むことで、人が育ち、地域が育っていくと思います。 |
食材には育った場所があり、栽培や加工を行った人の存在を忘れてはなりません。また、地域で収穫したものを好きになってもらうことは、ふるさとを愛することにつながります。未来を担う子どもたちに対して、帯広の素晴らしい食材を使った「食育」を進めていただきたいと思います。 |
JTBでは、地域の魅力を引き出し、魅力を磨き、発信する事業に取り組んでいます。ふるさとづくりに必要なのは、「地域資源の徹底的な掘り起こし」、「継続のためのしくみづくり」「いろんな人を巻き込む」ことだと考えています。 |
食による観光町づくりを掲げ、地元食材を使った「大樹チーズサーモン丼」を開発しました。昨年、大樹町に誘致した「新・ご当地グルメグランプリ北海道」では、300人のスタッフで1万3,000人の集客に成功し、大きな自信になりました。 |
大学時代に「和える」という会社を作り、伝統産業の職人さんと一緒にものづくりをしています。混ぜるのではなく和えることで、それぞれの個性を生かしたいのです。大樹町は大地だけでなく、
上(空)にも広いことを実感しました。 |
昔ながらの放牧酪農をしています。私たち酪農家は、食を通じて人の笑顔をつくっているエンターテイナーだと思っています。酪農のイメージは様々ですが、豊かな酪農の暮らしなど、見せ方も非常に重要だと思っています。 |
母校の廃校を聞き、自分にできることは?と考え、Uターンしました。フリーペーパー『ソラユメ』を発刊。夜中にスケートリンクを作ってくれる方、猟友会の方など、町を支える人、行動する人に目を向けて特集しています。 |
「自分のまちが好き」という人を増やすことが、まちづくりの基本です。大樹町出身者も実行委員になる音楽イベントや、空き店舗を活用した移住促進など、ソフト面重視の取組で若い人を巻き込んでいます。 |
最近、長野の限界集落に移住しました。限界を超えれば無限、むしろ持続可能な暮らしがそこにあると感じています。大樹には、少しの工夫で、住民や観光客がわくわくできることがたくさんあると思います。 |