農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議

 令和7年1月10日、林内閣官房長官は、総理大臣官邸で第21回農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議を開催しました。

 会議では、輸出拡大等による「海外から稼ぐ力」の強化について議論が行われました。

 林官房長官は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「農林水産業は地方の成長の根幹でありまして、地方創生2.0を強力に進めるためには、農林水産業を儲(もう)かる産業にしていかなければなりません。
 このため、新たな食料・農業・農村基本計画におきまして、『海外から稼ぐ力』の強化を新たな柱として位置付ける必要があると考えております。
 そして、稼ぐ力を強めるためには、農林水産物・食品の輸出拡大を加速化することに加えて、食品産業の海外展開やインバウンドによる食関連消費の拡大の取組を強化し、双方の施策の相乗効果を高めることが重要です。
 まず、農林水産物・食品の輸出拡大を加速するため、4つの取組を強化していく必要があります。
 先般決定した経済対策では、前回の本閣僚会議での指示を踏まえ、輸出向けの供給力の向上、国内外の流通体制の構築、非日系など新市場の開拓のための施策が盛り込まれました。これらの施策を迅速・適切に執行し、幅広い品目で、国内から現地まで一貫してつなぐサプライチェーンを構築して下さい。
 次に、輸出の再開・拡大に向けた協議も前に進めていかなければなりません。昨年9月には、日中間で、ALPS(多核種除去設備)処理水の海洋放出と日本産水産物の輸入回復について認識が共有をされました。関係閣僚におかれましては、中国による水産物の輸入停止措置の解除始め、諸外国・地域による輸入規制の早期撤廃の実現に向けて、政府一丸となって取り組んで下さい。
 また、優良品種をしっかりと守っていかなければなりません。海外における無断栽培を抑止しつつ、海外からの稼ぎにつなげるため、海外でのライセンス生産を戦略的に推進するとともに、厳格な国内管理を進めるため、制度的枠組みの整備を検討するなど、対策を強化して下さい。
 最後に、ブランド化等による高付加価値化です。私が農林水産大臣の時に、地理的表示(GI)保護制度を作りました。今や登録数は148産品まで増えております。2029年の200産品目標の達成に向け、更なる活用を進めて下さい。加えて、外国人の関心が高い日本のアニメやキャラクターなどのコンテンツ、『伝統的な酒造り』のユネスコ無形文化遺産登録などを絡めたブランディングも促進をして下さい。
 また、食品産業の海外展開やインバウンドによる食関連消費は、それ自体、稼ぐ力の強化につながるものですが、同時に、日本食・食文化の浸透や日本食ファンの増加を通じて、農林水産物・食品の輸出拡大にもつながるものです。
 このため、海外展開や食関連消費を拡大するための効果的な施策について、施策の効果を検証するための目標のあり方とともに、具体的な中身の検討を開始して下さい。
 これらの施策の強化・検討に当たっては、民間の知見を活用するとともに、農林水産省のみならず、経済産業省、外務省、観光庁、国税庁始め、関係省庁の連携を強める必要があります。このため、関係閣僚の引き続きの御尽力をよろしくお願いをいたします。」

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