令和6年10月9日石破内閣総理大臣記者会見終了後の書面による質問に対する回答

【北海道新聞】
 ロシアとの北方領土交渉について

(回答)
 北方領土は我が国が主権を有する島々であり、我が国固有の領土です。平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが我が国の一貫した立場です。
 また、安倍政権においては、幅広い分野で日露関係全体を国益に資するよう発展させるべく、平和条約交渉を粘り強く進めたものと承知しています。
 その後、ロシアによるウクライナ侵略を受け、我が国は従来の対露外交を大きく転換しました。
 ロシアによるウクライナ侵略によって日露関係は厳しい状況にあり、残念ながら現在平和条約交渉について何か具体的に申し上げられる状況にはないですが、政府としては、四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していきます。

【信濃毎日新聞】
 第50回衆議院議員総選挙における小選挙区選挙及び比例代表選挙の重複立候補に関する自民党の方針について

(回答)
 今回の衆議院議員総選挙においては、「ルールを守る自民党」を確立し、政治資金をめぐる問題に対する国民の不信や怒りに対し、自民党としてきちんと対応していくため、
・ 自民党党則における「選挙における非公認」よりも重い処分を受けた者などは、一律に非公認とする
・ その他の不記載があった議員についても、比例名簿には一律に登載しないこととする
との厳しい決断を行ったものです。

【CBCテレビ】
 選択的夫婦別氏制度と自民党の政権公約について

(回答)
 選択的夫婦別氏制度の導入を求める声があることは承知をしていますが、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方については、国民の間に様々な意見があると承知しています。
 家族の在り方の根幹に関わる問題でもあり、最高裁決定においても、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄であるとの指摘がなされています。
 そのため、政府としては、選択的夫婦別氏制度については、国民各層の意見や国会における議論の動向等を踏まえ、必要な検討を行ってまいりたいと考えておりますが、女性の活躍・男女共同参画が重要なことは言うまでもありません。
 婚姻により改姓した人が不便さや不利益を感じることのないよう、旧姓の通称使用の拡大やその周知については、引き続き、取り組んでまいります。
 なお、第50回衆議院議員総選挙における自民党の政権公約においては、「夫婦の氏制度の在り方については、旧氏使用ができないことで不便を感じられている方に寄り添い、運用面で対応する形で一刻も早い不便の解消に取り組みます。また、今後の夫婦の氏制度の在り方については、氏制度の社会的意義や運用上の課題等を整理しつつ、どのような形が相応しいかを含め合意形成に努めます。」と記載されているところです。

【江川紹子氏(フリーランス)】
 袴田さんの無罪判決確定と再審制度について

(回答)
 御指摘の事件については、検察当局において、「袴田さんが結果として相当な長期間にわたり、その法的地位が不安定な状況に置かれてしまうこととなった点について、刑事司法の一翼を担う検察としても申し訳なく思っている」旨の検事総長談話を公表したものと承知しています。
 再審制度の在り方については、法務省において、現在開催中の「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」での外部有識者を交えた議論等も踏まえ、適切に対応するものと考えています。

【RADIO FRANCE(西村カリン氏)】
 再審制度及び死刑制度について

(回答)
 再審制度の在り方については、法務省において、現在開催中の「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」での外部有識者を交えた議論等も踏まえ、適切に対応するものと考えています。
 死刑制度の存廃は、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題であり、国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等、種々の観点から慎重に検討すべき事柄であると認識しています。
 この点、国民世論の多数が極めて悪質、凶悪な犯罪については、死刑はやむを得ないと考えており、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科すこともやむを得ないというのが、従来からの政府の見解です。

【大川豊氏(フリーランス)】
 障がい者の多様な社会参加について

(回答)
 社会保障制度は、様々な境遇にある国民の方々に安心を提供するセーフティーネットです。意欲のある高齢者、女性、障害者などの活躍を支援し、誰もが年齢にかかわらず能力や個性を最大限生かせる社会を目指してまいります。
 また、地方創生という観点でも、農業、伝統工芸、地域課題解決などの様々な分野で、地域産業と福祉が連携していくことは、地域の可能性を引き出すことにもつながるものと考えています。
 障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の構築に向けた取組を進めてまいります。