令和6年6月21日岸田内閣総理大臣記者会見終了後の書面による質問に対する回答

【CBCテレビ】
 地方の政治改革について

(回答)
 今般の政治資金規正法の改正内容のうち、政治資金パーティーの対価支払者の氏名等の公開基準の引下げや、政治資金パーティーの対価の支払方法を口座振込に原則として義務化することについては、地方議員に関するものを含む全ての政治団体に関係があるものであり、地方においても政治資金の透明化が進むことが期待されます。
 また、その他の法制上の措置についても、改正政治資金規正法の附則に基づき、国会において、改正法の施行状況等を踏まえつつ、必要な議論が行われるものと認識しています。

【TBSラジオ】
 選択的夫婦別氏について

(回答)
 選択的夫婦別氏制度の導入については、直近で内閣府において行った令和3年の世論調査を見ても、幅広い年代で国民の意見が分かれているという現実が存在しているところであり、このような状況に鑑みると、しっかりと議論し、より幅広い国民の理解を得る必要があると認識しています。
 最高裁決定においても、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄であると指摘されており、まずは、様々な御意見を真摯に受け止めながら、国会において建設的な議論を進めていくことが重要と認識しています。また、現に、各党においても、具体的な議論の動きがみられるものと認識しています。
 いずれにしても、女性の活躍・男女共同参画が重要なことは言うまでもありません。政府としては、引き続き、婚姻により改姓した人が不便さや不利益を感じることのないような環境整備に向けて、取り組んでまいります。

【信濃毎日新聞】
 改正地方自治法の施行について

(回答)
 新型コロナ対応では、従来の法制では想定されていなかった事態が相次ぎ、国・地方間の責任の所在が不明確となる状況が生じたことから、今般の改正は、国民の生命等を守るため、個別法において想定されていない事態が生じた場合に、国による「補充的な指示」を可能とするなど、国が果たすべき責任を明確化するものと認識しています。
 「補充的な指示」は、災害対策基本法等を参考に、各大臣が、実際に生じた事態の規模等を勘案して特に必要があると認めるときに、国民の生命等の保護を的確、迅速に実施するために講ずべき措置に関し、個別法に基づく指示ができない場合に限って目的達成のために必要最小限の範囲で行使されるものです。
 また、「補充的な指示」は、あくまで地方分権一括法で構築された国と地方の関係の基本原則に則った上で、限定的な要件、適正な手続のもと、的確・迅速な対応を可能とするものですが、国と地方との間でしっかりとコミュニケーションをとることなどの点に十分留意する必要があります。
 このため、「補充的な指示」を行う際には、あらかじめ、地方公共団体に対して資料・意見提出を求める等の措置を講ずるよう努めることとしており、こうした規定を設けたことについて、全国知事会からは「配慮がなされたことは評価したい」など、一定のご理解をいただいているものと承知しています。
 全国知事会からは、「補充的な指示」の行使について運用の明確化の要望もいただいているところであり、改正法の施行に当たっては、こうした点も含め、法律の運用の考え方について、政府内における周知徹底を図るとともに、地方公共団体にも引き続き丁寧に説明してまいります。

【静岡新聞】
 リニア中央新幹線の整備について

(回答)
 リニア中央新幹線については、3兆円の財政投融資による国の支援を踏まえ、全線開業に係る現行の開業想定時期の下、整備が適切に進むよう、環境・水資源の状況や建設主体であるJR東海の財務状況を厳格にモニタリングし、必要な指導と技術的支援を行っていくと、骨太方針にも明記しました。
 まずは、静岡工区の早期着工に向け、水資源、環境保全の問題について、国の「静岡工区モニタリング会議」を通じて、国の有識者会議が取りまとめた対策のJR東海による実施状況を、国としても継続的に確認していきます。さらに、静岡県とJR東海の協議に国土交通省も入ることで、一層の対話を重ねていくこととしています。
 また、工事を進めるに当たって、水枯れの問題を含め、地域の環境に配慮することは当然です。専門家の意見を踏まえて事案ごとに原因究明を行い、必要な措置を速やかに講じるとともに、地域住民や関係自治体へ丁寧に説明し理解いただくことが肝要であり、国としても様々な場を通じてJR東海を指導・助言していきます。

【新潟日報社】
 佐渡金山の世界遺産登録について

(回答)
 6月6日に、世界遺産委員会の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)の評価結果が示され、「佐渡島の金山」について世界遺産登録を考慮するに値する価値があることは認められました。
 その上で、「記載」に向けて、価値をより明確にすることや、保護措置をより強化するため、一部の地区の資産範囲からの除外や緩衝地帯の拡大などの指摘があり、「情報照会」という勧告でした。
 我が国としては、この勧告を踏まえ、本年7月の世界遺産委員会における「佐渡島の金山」の登録を実現するため、これらの指摘事項について、関係省庁・新潟県・佐渡市において対応を進めてまいります。
 日韓両国は、国際社会の諸課題の対処にパートナーとして協力していくべき重要な隣国同士です。
 そのような中、我が国は、「佐渡島の金山」の世界遺産登録実現に向け、韓国との間で誠実に議論を行ってきています。「佐渡島の金山」の文化遺産としての素晴(すば)らしい価値が評価されるよう、引き続き、誠実かつ不断に丁寧な議論を行っていく考えです。

【RADIO FRANCE】
 フランスの政治状況について

(回答)
 フランスでは、現地時間6月30日に国民議会選挙の第1回投票が実施され、また、7月7日に第二回投票が実施される予定と承知しています。我が国としても、その行方を注視しています。
 その上で、日仏は従来から、共通の価値及び原則を共有する「特別なパートナー」として、ウクライナや中東情勢、及びその他の国際的な諸課題について緊密に協力してきています。我が国としては、今般の選挙結果如何(いかん)に関わらず、フランスとの協力、連携を続けていく考えです。
 また、パリオリンピック・パラリンピック競技大会に関しては、バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長が、本件選挙が大会の実施に影響を与えることはない旨発言したと承知しています。我が国は、前回大会の主催国として、今回の大会が成功裡(せいこうり)に行われること、また、今回の大会及び来年の大阪・関西万博等を通じ、日仏間の交流がさらに活性化されることを期待しています。

【江川紹子氏】
 選択的夫婦別氏について

(回答)
 選択的夫婦別氏制度の導入については、直近で内閣府において行った令和3年の世論調査を見ても、幅広い年代で国民の意見が分かれているという現実が存在しているところであり、このような状況に鑑みると、しっかりと議論し、より幅広い国民の理解を得る必要があると認識しています。
 最高裁決定においても、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄であると指摘されており、まずは、様々な御意見を真摯に受け止めながら、国会において建設的な議論を進めていくことが重要と認識しています。また、現に、各党においても、具体的な議論の動きがみられるものと認識しています。
 いずれにしても、女性の活躍・男女共同参画が重要なことは言うまでもありません。政府としては、引き続き、婚姻により改姓した人が不便さや不利益を感じることのないような環境整備に向けて、取り組んでまいります。

【大川豊氏】
 能登における福祉仮設住宅と今後の災害福祉支援について

(回答)
 応急仮設住宅は、災害救助法に基づき、都道府県知事が供与するものです。国は、その費用の一部を負担し、被災された方々の応急的な住まいの確保を支援しています。
 能登地震では、予備費を活用し、応急仮設住宅の整備とあわせ、入居者等に対する見守り・相談支援や、食事・入浴等を提供するデイサービス機能を有するサポート拠点の整備の支援を行っているところです。
 引き続き、石川県とも連携し、ニーズを踏まえつつ、被災された方が速やかに応急的な住まいを確保していただけるよう、努めてまいります。
 また、能登半島地震への対応においては、災害救助法に基づき、災害福祉支援ネットワーク中央センターの調整の下、全ての都道府県から多くのDWAT(災害派遣福祉チーム)が被災地に派遣されました。能登6市町や1.5次避難所で、関係団体とも連携しながら、避難所における生活の困りごとに関する相談支援などの福祉的な支援を行い、被災者の生活を支えていただいたものと認識しています。
 その上で、今後の災害対策については、個々の災害の教訓を踏まえ、不断の見直しを図ることが重要であり、保健医療・福祉支援の充実強化を含め、災害応急対策や生活支援対策等の更なる強化についても、有識者を交えたワーキンググループでの議論を開始したところです。高齢者や障害者等の要配慮者に対し、災害時に福祉的な支援等を継続して行うことができるよう、必要な対応を検討してまいります。

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