令和4年8月10日岸田内閣総理大臣記者会見終了後の書面による質問に対する回答

【西日本新聞】
 衆院選挙区の「10増10減」について

(回答)
 これまでもお答えしているとおり、政府としては、衆議院議員選挙区画定審議会の勧告に基づいて、必要な法制上の措置を講じてまいります。
 自民党内においてもしかるべく意見の調整、集約が行われるものと考えています。

【中国新聞】
 核軍縮・廃絶への取り組みについて

(回答)
 近年、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増し、また、現下のウクライナ情勢もあり、「核兵器のない世界」への道のりはより厳しくなっていると強い危機感を持っています。
 核兵器禁止条約は、「核兵器のない世界」という大きな「理想」を目指す上で、その出口にある、重要な条約です。しかし、目の前には厳しい現実があり、その現実をどう出口につなげていくか具体的に考えていく必要があります。核兵器禁止条約には核兵器国が一か国も参加していませんが、現実を変えるためには、核兵器国の対応を変える必要があり、そのためには、唯一の同盟国である米国との信頼関係を基礎としつつ、現実的な取組を進めていかなければなりません。
 日本は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう、努力していくことが重要です。実際、5月の日米首脳共同声明には、日米両国が「核兵器のない世界」を目指す旨を盛り込み、また、米国に加え、英国やフランスも含まれている6月のG7首脳声明でも、初めて「核兵器のない世界」に言及しました。
 またNPT(核兵器不拡散条約)は、中国やロシアも含む核兵器国と非核兵器国の双方が参加する国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石です。これを維持・強化していくことが必要であり、私自身、現在開催されているNPT運用検討会議に出席し、一般討論演説を行いました。その中でも触れたとおり、厳しい安全保障環境という「現実」を「核兵器のない世界」という「理想」に結びつけるため、出口に至るための第一歩として、まずは「ヒロシマ・アクション・プラン」の5項目に沿って、現実的な取組を進めてまいります。

【テレビ東京】
 政教分離のあり方について

(回答)
 憲法の定める政教分離の原則は、信教の自由の保障を実質的なものにするため、国及びその機関が国権行使の場面において宗教に介入し、又は関与することを排除する趣旨であり、宗教法人の政治的活動を排除する趣旨ではないと認識しています。
 いずれにせよ、政府としては、国民から信頼される政治を行っていく観点から、社会的に問題が指摘されている団体との関係については、国民に疑念を持たれるようなことがないよう、十分に注意しなければならないと考えています。

【ドワンゴ】
 カルト組織の反社会的な行動から国民を守ることについて

(回答)
 今回の組閣にあたり、憲法上の信教の自由は尊重しなければならないが、宗教団体も社会の一員として関係法令を遵守しなければならないのは当然のことであり、仮に法令から逸脱する行為があれば、厳正に対処すること、法務大臣はじめ関係大臣においては、悪質商法などの不法行為の相談、被害者の救済に、連携して万全を尽くすことを指示したところです。
 近く、法務大臣を議長とする関係省庁連絡会議が開催される予定であり、まずは、同会議において、実態の把握も含め、不法行為の相談や被害者の救済に関し、現行法の下でどのような対応が必要か、しっかりと議論していく必要があると考えています。

【江川紹子氏(フリーランス)】
 カルト問題に関する見解と今後の取組について

(回答)
 今回の組閣にあたり、憲法上の信教の自由は尊重しなければならないが、宗教団体も社会の一員として関係法令を遵守しなければならないのは当然のことであり、仮に法令から逸脱する行為があれば、厳正に対処すること、法務大臣はじめ関係大臣においては、悪質商法などの不法行為の相談、被害者の救済に、連携して万全を尽くすことを指示したところです。
 安全で安心して暮らせる社会を実現することは、国の最も基本的な責務であると考えています。近く、法務大臣を議長とする関係省庁連絡会議が開催される予定であり、まずは、同会議において、実態の把握も含め、不法行為の相談や被害者の救済に関し、現行法の下でどのような対応が必要か、しっかりと議論していく必要があると考えています。

【犬飼淳氏(フリーランス)】
 加藤氏の厚労大臣任命について

(回答)
 今回の内閣改造では、骨格を維持しながら、有事に対応する「政策断行内閣」として、山積する課題に対し、経験と実力を兼ね備えた閣僚を起用することといたしました。
 コロナ対策における医療保健体制の確保、全世代型社会保障の構築といった重要課題にしっかりと取り組むため、厚生労働大臣に、官房長官や厚生労働大臣を歴任してきた加藤勝信氏に再登板をお願いすることといたしました。

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