令和4年4月8日岸田内閣総理大臣記者会見終了後の書面による質問に対する回答
【ニッポン放送】
制裁に対する罰則の強化や取締りについて
(回答)
ロシアによる残虐で、非人道的な行為が、ウクライナ各地で次々と明らかになっていますが、多数の無辜(むこ)の民間人の殺害は、重大な国際人道法違反であり、断じて許されない戦争犯罪です。ロシアは戦争犯罪の責任を厳しく問われなければなりません。
我が国は、G7を含む国際社会と連携し、ロシアに対し追加制裁を科し、ロシアに対する外交的・経済的圧力を強化しています。一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略を止めるよう、国際社会と結束して強固な制裁を講じていきます。
我が国としては、制裁の抜け道が生じないよう、必要に応じて企業等との意思疎通を図りつつ、関連する国内法の規定にのっとり、G7を始めとする国際社会と緊密に連携し、しかるべく対応してまいります。
【CBCテレビ】
新型コロナウイルスのワクチン接種による副反応や体調不良への対応について
(回答)
新型コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状に対応するよう、既に厚生労働省から都道府県に対し、ワクチンとの因果関係の有無にかかわらず、希望する方が必要な医療機関を受診できるような体制の確保等を依頼しているところです。さらに、専門的な医療機関の名称等の公表に向けた調整も都道府県に依頼しているところです。
また、新型コロナワクチンによる健康被害については、予防接種健康被害救済制度により、国の審査会が因果関係を認定した場合に、迅速に救済を行うこととしており、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も含め救済の対象としています。
さらに、国の審査会に新たに「新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会」を設置し、審査会の開催頻度を増やすなど、救済の迅速化を図っています。
引き続き、国民の皆様が安心してワクチン接種を受けられる環境の整備に努めてまいります。
【ジャパンタイムズ】
総理就任半年の振り返りについて
(回答)
振り返ってみると、あっという間の半年でした。一つひとつの判断が、国民の将来を大きく左右します。そうした重責を感じ、この半年間、一瞬たりとも、気を抜くことができませんでした。
総理就任直後には、衆議院を解散し、総選挙に臨み、その後直ちに、新型コロナ対応の「全体像」をお示ししました。さらには、過去、最大規模の経済対策の策定・実行にも取り組みました。
年明けからは、オミクロン株への対応に全力を尽くしています。ここにきて、ウクライナ情勢への対応、物価高への対応が懸案となっています。
これからも、多くの方々のお話を伺いながら、国民の皆さんのために全身全霊を捧(ささ)げ、内閣総理大臣としての職責を全うしていきます。
【河北新報】
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について
(回答)
先日の面談では、全漁連の皆様からは、風評の懸念から反対の立場は変えられないとの認識に併せて、国民及び漁業者への丁寧な説明や実効性のある対策を求めるとの御指摘も頂きました。
今後、漁業者を始め、その取引相手の卸・小売、飲食店、消費者等サプライチェーン全体に対して、繰り返し説明し、安全性の理解を深めていただくことで風評を抑制するとともに、そこで頂く声を受け止めつつ、実効性のある対策を検討していきたいと考えています。
こうした取り組みを通じ、引き続き、御理解を得られるよう、政府をあげて取り組んでまいります。
【ドワンゴ】
日本とNATO(北大西洋条約機構)との連携強化の必要性について
(回答)
ロシアによるウクライナ侵略も踏まえ、欧州とインド太平洋地域の安全保障を区分することはもはやできません。
現下の厳しい安全保障環境の中、普遍的価値に基づいた国際秩序の維持・発展が死活的に重要であり、日NATOで協力を強化する必要がこれまでになく高まっています。
日本として、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、NATOを含めビジョンを共有するパートナーとの連携を一層強めていきます。
【中国新聞】
NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議で果たす役割について
(回答)
ロシアによるウクライナ侵略の中で、核兵器が使用される可能性を深刻に懸念しています。核兵器の使用も威嚇も決してあってはなりません。
現下のウクライナ情勢は、「核兵器のない世界」への道のりの厳しさを示しています。NPTは、国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石です。核兵器使用の可能性が現実の問題として議論されるという厳しい状況だからこそ、NPTを維持・強化していくことが今まで以上に求められています。
唯一の戦争被爆国として、そして被爆地広島出身の内閣総理大臣として、次回NPT運用検討会議において、意義ある成果が収められるよう、引き続き全力を尽くしていきます。
【江川紹子氏(フリーランス)】
戦争や人権侵害から逃れて我が国に庇護(ひご)を求めて来ている人の難民としての受け入れについて
(回答)
難民認定については、難民条約の定義に従い、難民と認定すべき者を適切に認定しているところです。
また、難民と認められない方であっても、今回のウクライナ避難民のように、本国情勢等を踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる方については、我が国への在留を認めるなど、適切に対応してまいります。
なお、例えば内戦や戦争に巻き込まれて命を落とすおそれがある方など、難民条約上の5つの理由以外の理由により迫害を受けるおそれのある方を適切に保護するため、法務省において、難民に準じて保護する仕組みの検討を進めています。
【大川豊氏(フリーランス)】
ウクライナ東部の脆弱(ぜいじゃく)な方々の救出、難民支援について
(回答)
2014年のウクライナ危機発生以降、日本は、ウクライナ政府や国際機関と連携して、ご指摘のウクライナ東部の脆弱な方々への支援を含め、様々なウクライナ支援を行ってきました。
今般のロシアによるウクライナ侵略への対応においても、日本は、困難に直面するウクライナの人々と共にあり、紛争孤児、障がい者、高齢者、妊婦といった脆弱な方々を含むウクライナの人々に寄り添った人道支援、避難民支援を実施しています。今後も、ウクライナ政府や国際機関と緊密に連携して支援を実施してまいります。