令和4年3月16日岸田内閣総理大臣記者会見終了後の書面による質問に対する回答
【東京新聞】
非核三原則そのものの法制化を含む岸田内閣としての対応、見解を伺う。
(回答)
これまで度々申し上げているとおり、政府としては、いわゆる「核共有」については、非核三原則を堅持していくとの考えに変わりはなく、原子力利用は平和目的に限ることを定めている原子力基本法を始めとする法体系との関係からも認められないと考えます。
その上で、非核三原則については、内外に十分周知されており、改めて法制化する必要はないと考えます。
いずれにせよ、政府としては、非核三原則を堅持していく立場に変わりはありません。
【京都新聞】
ウクライナの首都キエフの呼称、表記について
(回答)
ロシアによる侵略を受け、日本政府として、ウクライナ支援及びウクライナとの一層の連帯を示すための行動について幅広く検討を行い、適当な呼称についてウクライナ政府の意向について照会を行っていたところ、今般、ウクライナ側から回答が得られたことから、ウクライナの首都等の呼称をロシア語による読み方からウクライナ語による読み方に変更することとしました。
【CBCテレビ】
海外も含めたサイバー攻撃の現状分析と今後の対策について
(回答)
サイバー攻撃の手法は年々高度化しており、大企業にとどまらず、系列の子会社や委託先など、いわゆる中小規模の企業・団体等を含めて、サプライチェーンの中でセキュリティが脆弱(ぜいじゃく)な部分が狙われるようになっており、サイバー空間における脅威が高まっています。
こうしたサイバー攻撃は、攻撃を直接受ける企業にとどまらず、サプライチェーンを通じて広く影響を及ぼす可能性があることから、海外拠点や取引先の中小企業を含め、サプライチェーン全体でセキュリティのレベルを上げることが極めて重要になります。
2月23日と3月1日・24日には、昨今の情勢も踏まえ、政府から重要インフラ事業者、産業界等に対して、サイバーセキュリティ対策の強化に係る注意喚起を実施したところです。
政府としては、昨年9月に閣議決定したサイバーセキュリティ戦略に盛り込まれた施策を確実に実施し、我が国全体のサイバーセキュリティの確保に万全を期してまいります。
【北海道新聞】
北方領土交渉について
(回答)
日本政府として、領土問題を解決して平和条約を締結するとの対露外交の基本方針は不変です。また、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが我が国の一貫した立場です。
また、日本政府として、御高齢になられた元島民の方々の思いに何とか応えたいという考えに変わりはありません。
その上で、平和条約交渉等に係る今後の対応について、この時点で申し上げるべき状況にはありません。
【毎日放送】
ウクライナでの日本人義勇兵と私戦予備・陰謀罪の適用について
(回答)
日本政府はウクライナ全土に退避勧告を出しており、同国に滞在する邦人は直ちに退避していただきたい。
なお、犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断されるべき事柄であるため、一概にお答えすることは困難です。
【日刊ゲンダイ】
第6波における新型コロナウイルスの死者数について
(回答)
まず、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方に、心から哀悼の意を表したいと思います。
オミクロン株への対応に当たっては、命を守ることを第一に、昨年11月の「全体像」に基づき、昨夏の感染拡大のピーク時の1.3倍の受入病床を全国で確保し、稼働させてきました。その結果、今回のピーク時においても、重症病床には十分余力があったなど、必要な医療を提供することができたと考えています。
なお、御質問の今回の感染拡大において、重症者数はそれほど増加していない一方で、死者数が大きく増加している状況については、専門家の分析によれば、死者数のうち80歳以上の占める割合が高くなっており、高齢者の中には、基礎疾患の悪化などの影響で、新型コロナの重症の定義を満たさずに死亡されるなど、新型コロナが直接の死因でない事例も少なくないこと、あるいは、新型コロナ感染による肺炎が見られなくても、誤嚥(ごえん)性を含む肺炎を発症される方がおられるとの指摘がなされていると承知しています。
このような専門家の分析に基づき、重症化リスクの高い高齢者への対応強化が重要であるとの認識の下、入院医療の強化、高齢者施設等における感染防止対策の強化、高齢者施設や後方支援病院での医療体制の強化などに取り組んできたところであり、まん延防止等重点措置を解除した後も、オミクロン株に対応した医療体制の維持・強化に努めてまいります。