こども・子育て政策の目指す社会像と基本理念とは
~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~

更新日:令和5年4月11日
こども・子育て政策の目指す社会像と基本理念

3月31日、こども政策の強化に関する関係府省会議にて、「こども・子育て政策の強化について(試案)~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~」が取りまとめられ、公表されました。

こども・子育て政策の目指す社会像と基本理念、今後の具体策について、以下で詳しく解説します。

少子化の現状

昨年の出生数は80万人を割り込み、過去最少となる見込みで、政府の予測よりも8年早いペースで少子化が進んでいます。

2030年代に入ると、我が国の若年人口は現在の倍速で急減し、少子化は歯止めの利かない状況になることが予想されることから、2030年代に入るまでの6~7年で少子化傾向を反転できるかどうかが重要となっています。



2030年は少子化対策の分水嶺

こども・子育て政策の目指すべき社会像と基本理念

少子化対策の基本スタンスは、結婚やこどもを産み、育てることに対する多様な価値観・考え方を尊重しつつ、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もがこどもを産み、育てることができるようにすること、すなわち、個人の幸福追求を支援することで、結果として少子化のトレンドを反転させることです。

こうした基本スタンスのもと、「未来への投資」としてこども子育て政策を強化するとともに、社会全体でこども・子育てを支えていくという意識を醸成していく必要があります。

そのため、以下の3つをこども・子育て政策の基本理念とし、取り組みます。


3つの基本理念

基本理念1.若い世代の所得を増やす

  • 若い世代が現在の所得や将来の見通しを持てるようにすることが必要であるため、こども・子育て政策の範疇(はんちゅう)を超えた社会経済対策として「賃上げ」に取り組みます。
賃上げ
106万円の壁130万円の壁の見直し
子育て世代に対する経済的支援の強化

基本理念2.社会全体の構造・意識を変える

  • 少子化には、これまでの社会構造や人々の意識に根差した要因が関わっているため、家庭内において育児負担が女性に集中している「ワンオペ」の実態を変え、夫婦が相互に協力しながら子育てし、それを職場が応援し、地域社会全体で支援する社会を作らなければなりません。
  • このためには、これまで関与が薄いとされてきた企業や男性、さらには地域社会、高齢者や独身者を含めて、皆が参加して、社会全体の構造や意識を変えていく必要があります。
子どもファースト社会の実現
育児休業をあらゆる働き方に対応した自由度の高い制度へ
職場を変える

基本理念3.全ての子育て世帯を切れ目なく支援する

  • 親の就業形態に関わらず、どのような家庭状況にあっても分け隔てなく、ライフステージに沿って切れ目なく支援を行うことが必要です。
  • こうした観点から、子育て支援制度全体を見直し、「総合的な制度体系」を構築していきます。また、その際に、行政が切れ目なく伴走する、あるいは支援を要する方々に行政からアプローチする伴走型支援・プッシュ型支援への移行を進めます。
親が働いていても、家にいても全ての子育て家庭を支援

今後3年間で取り組む「こども・子育て支援加速化プラン」

  • 2030年代に入るまでの6~7年で少子化対策を加速化するため、今後3年間を集中取組期間として「こども・子育て支援加速化プラン」に取り組みます。
子どもファースト社会の実現
育児休業をあらゆる働き方に対応した自由度の高い制度へ
職場を変える
職場を変える

少子化問題に、先頭に立って、全力で取り組んでまいります

令和5年3月17日のこども・子育て政策に関する会見で、岸田総理は次のように述べています。


総理会見での発言


今後この試案をベースに 国民的議論を進めていくため 、4月以降、内閣総理大臣の下に設置されたこども未来戦略会議において、更に検討を深めるとともにこども家庭庁においてこども政策を体系的に取りまとめつつ、 6月の骨太の方針 2023までに、将来的なこども予算倍増に向けた大枠を提示します。

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