全国市長会議あいさつ第八十一回全国市長会議の開催に当たり、一言ごあいさつ申し上げます。 始めに、東日本大震災により亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、御遺族にお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。 被災地では、市長の皆様、そして職員の皆様が、自らも被災された中、地域社会の先頭に立って、被災者支援、災害復旧等に当たっておられます。その献身的な御労苦に対し、心から敬意を表します。 全国市長会では、「緊急災害支援掲示板」を開設するなど、市相互間の橋渡しに御尽力いただき、発災直後から、多くの市町村が、救急、救助等を行う消防職員や、行政機能を支援するための職員を被災地に派遣し、さらに、市営住宅等の施設を避難場所として提供するなどしてくださいました。思いやりと支え合いの心で多岐にわたる御支援をいただいたことに対し、私からも、心から感謝と御礼を申し上げます。 今、被災からの復旧を急がなければなりません。政府は、第一次補正予算の成立を受け、応急仮設住宅の建設、瓦礫等の処理などの活動を全速力で進めます。また、原発事故の収束と風評被害対策に全力を挙げて対処してまいります。 その上で、単に元に戻るのではなく、新たな社会を創造する復興を果たしていくことが必要です。東日本大震災復興構想会議、そして、森会長に御参加いただいている同会議の検討部会で、夢のある将来に向けてスタートを切るためのビジョンをまとめていただき、その実現を図ってまいります。 復旧・復興とともに、震災発生前から我が国が直面していた課題の解決も併せて行っていかなければなりません。その一つが地域主権改革の推進です。去る四月二十八日に、いわゆる地域主権改革関連三法が成立しました。これにより、「国と地方の協議の場」が法制化されるとともに、地方に対する義務付け・枠付けの見直しが図られることとなりました。また、今年度、都道府県を対象に実施されたひも付き補助金の一括交付金化も、来年度は市町村に拡大する方針です。 地域主権改革の実現のためには、住民に最も身近な存在である基礎自治体の役割がさらに重要度を増しております。市長の皆様におかれましては、地域の先頭に立って遺憾なく力を発揮されるよう、お願い申し上げます。 結びに、全国市長会の今後ますますの御発展と本日御列席の皆様の御健勝を祈念いたしまして、あいさつといたします。 平成二十三年六月八日
内閣総理大臣 菅 直人
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