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第65回国連総会内外記者会見 |
  政府インターネットテレビ |
【菅総理冒頭発言】 先ほど、国連総会で一般討論演説を終えました。今回の国連への参加は、民主党代表選が終わって1週間あまりという中でありましたが、その間に内閣改造を行い、また、党の体制も一新して、大変しっかりした体制ができた中でのこちらへの訪問でした。 このNY訪問では、我が国の基本的な姿勢、特に現在一番国連で課題となっておりますMDGsについて,我が国の姿勢を国連において明確にして、国際社会にそのことを訴えたいということが第一の目的でした。 そしてもう一つの目的は、オバマ大統領との会談です。直接お会いするのは2度目でしたけれど、この会談を行い、1度目の会談で信頼関係を一定程度築くことができたと思っていますが、今回の会談でより深まり、より幅広い意見交換をしていきたいということでやって参りました。 今回、私は、先ほど申し上げたMDGs首脳会議、安保理首脳会議、さらに小島嶼国開発ハイレベル会議に出席するとともに、先ほどの一般討論演説を行い、その中で私が国内でも申し上げている「最小不幸社会」の理念とこのMDGsを含めた国際的に我が国が取り組もうとしている理念とは共通のものであるという観点から、いろいろな課題について具体的な取り組みを申し上げました。 特に、本年は、2015年までに世界から極度の貧困や飢餓の撲滅などを目指すミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた節目の年に当たります。8つの開発目標のうち、保健と教育の遅れが深刻な状況にあります。私は、かつて厚生大臣を務めた経験からも、また、先ほど申し上げた「最小不幸社会」を作るという基本的な考え方からも、国際社会でのこういう状態を見過ごすわけにはいかない、そう考えましてこのミレニアム開発目標に関する首脳会合で、両分野における支援モデルを提示すると共に、母子保健や三大感染症対策など保健分野において、2011年から2015年の5年間で50億ドル、そして教育分野でも、質の高い教育環境の提供などのために、同じく5年間で35億ドルの支援を行うことを「菅コミットメント」という形で表明しました。これに対し、多くの国や関係者から、日本の支援に対して、歓迎する、あるいは感謝するという声がよせられて、日本への期待の高さを感じたところであります。保健や教育の充実は、人類の未来に向けた真に価値ある投資だと考えます。人間の安全保障を重視するわが国としては、こうした支援を積極的に進めて参りたいと思います。 また、島嶼国への支援については、ハイレベル会合において自然災害や気候変動の影響を受けやすいこれらの国々を力強く支援していくことを表明しました。 さらに、生物多様性の保全のための取り組みについて、私は一般討論演説の中で、生物多様性の急速な損失をくい止めるために、新たな行動の開始に合意する必要があることを訴えました。わが国は、来月名古屋で「自然との共生」をテーマに生物多様性条約締約国会議COP10を主催し、ここにもいらっしゃる松本環境大臣を中心として取り組んでまいります。新たな行動のためのリーダーシップを発揮していかなければならないと考えます。 また、安全保障、さらには国連改革についても、一般討論演説の中で、特に大きな考え方を申し上げました。まずは「核兵器のない世界」の実現に向けた努力の先頭に立つ決意を国連総会で表明しました。一昨日に、前原外務大臣がオーストラリアのラッド外相と共催した非核保有国の外相会合は、このような決意の表れであると思っています。 安保理首脳会合では、真の平和の達成という観点から、「最小不幸社会」の実現の考え方をこの場でも説明し、紛争地域における平和維持活動の初期の段階から並行して平和構築に取り組むことが重要であること、我が国がカンボジアなどの支援を通じて得た経験に基づいて申し上げたところであります。 安保理が世界の平和と安全の維持のために役割を果たすために、安保理自身が21世紀の国際社会の現状を反映し、十分な正統性を持つ場でなくてはなりません。私は、核兵器を持たず、国際社会の平和に貢献している日本こそが常任理事国として相応しい国ということを訴えるとともに、安保理改革の早期実現に向け、他の国々と協力して取り組んでいくことを主張しました。 今回、いくつかの国との二国間会談を行いましたが、特に、米国のオバマ大統領とは、6月以来の再会となりました。オバマ大統領より、日米関係は二国間のみならず、アジア太平洋の安定、世界の平和と繁栄にとって重要であり、21世紀にふさわしい日米同盟に向けて深化させていきたいという意見が述べられました。私からも、日米同盟はアジア太平洋のみならず、世界の平和と安定のためのインフラストラクチャーであるということを申し上げ、私の内閣では,日米同盟が外交の基軸であるということを改めて申し上げました。日米同盟について、私の方から3本の柱、一つは安全保障、一つは経済、一つは文化/人材交流、この3本の柱で深化・発展させていきたいということを申し上げ、オバマ大統領からもそれに対して自分も同じ考えであるという趣旨の話もいただきました。地域やグローバルな課題について緊密な連携の下で日米が一緒に役割を果たしていくことで一致しました。より信頼関係が深まったという感じを持つことができました。 また、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長及びダイス第65回国連総会議長、並びに、モンゴルおよびタジキスタンの首脳ともお会いし、有意義な意見交換を行うことができました。 帰国後、10月1日から臨時国会が予定されております。私は、野党の皆さんの理解を得ながら、新成長戦略を前倒す方向で景気対策、経済対策に本格的に取り組んでいきたいと考えております。そのことが私の政権に対する国民皆様の負託に応えると同時に、世界の繁栄にも貢献することにもなると。秋には、COP10、APEC、さらにはオバマ大統領の来日による再度の日米首脳会談等、外交日程が決まっており、今回のこのNYにおける国連を中心とした活動のよい流れをこの秋の一連の外交の活動につなげて、引き続き努力していきたいと考えております。 冒頭の私からの発言は以上です。
(東京中日新聞・高山記者)
(菅総理)
(トムソン・ロイター・エッカート記者)
(菅総理)
(時事通信・松井記者)
(菅総理)
(DPA通信・ニューエン記者)
(菅総理)
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