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小泉内閣メールマガジン

[大臣のほんねとーく]


[2005/10/20]第207号

● 早急なアスベスト対策の実施に向けて
  (環境大臣 小池百合子)

 アスベストによる健康被害は政府にとってもっとも対応がいそがれる問題
です。皆さんの中にも、身の回りの建物や家庭用品にアスベストが使われて
いるのではないかと不安に感じられている方も多いのではないかと思います。

 アスベストは、細い天然の鉱物繊維であり、肺に吸い込まれると中皮腫
(肺を取り囲む胸膜等にできる悪性の腫瘍)などの病気を引き起こすおそれ
があります。中皮腫は潜伏期間が30年〜40年と長いことなどが特徴です。

 現在の課題は、第一に健康被害に遭った方の救済制度をどうするか。第二
に、建物に利用されている吹き付けアスベストへの対応と今後増えていくで
あろうアスベストを含んだ建材を使用した建物の解体における処理の問題で
す。

 まず、アスベストによる健康被害に遭われた方の救済についてですが、工
場で働いていた方の家族や工場の周辺に住んでいた方など労災の対象となら
ない方についても、漏れがないように救済することを目指し、次期通常国会
の早い時期に法案を提出すべくスピード感を持って準備を進めています。

 次に、現存するアスベストの処理についてですが、吹き付けアスベストの
解体工事を行うときは、周辺に飛び散ることのないよう対策をとることが法
律で義務づけられていますが、対象となる建物の範囲を広げるなど、この規
制の強化も検討します。

 また、解体後の廃棄物となったアスベストについては、二重に袋に包むな
ど、周りに漏れないよう厳重な管理のもとに処理することとしています。

 解体工事への財政的な支援の必要性も指摘されていますが、これについて
は政府系金融機関の融資制度の拡充などが必要だと考えています。

 最後に、アスベスト問題については、環境省を含めた関係府省が一丸とな
って取り組んでいく必要があります。縦割り行政では、対応策に隙間ができ
たり、スピード感が出ません。役所どうしが緊密に連携を取りながら、的確
な対応を進めてまいります。


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