「海の日」を迎えるに当たっての内閣総理大臣メッセージ
皆さん、こんにちは。内閣総理大臣の菅義偉です。
令和3年の「海の日」を迎えるに当たり、心からお慶(よろこ)び申し上げます。
四方を海に囲まれ、世界有数の広大な管轄海域を有する我が国には、国土の保全と国民の安全を確保すべく海を守っていくこと、経済社会の存立・成長の基盤として海をいかしていくこと等が強く求められています。
我が国は海洋国家としてこの使命を果たすべく、海洋基本計画を定め、自由で、開かれた、安全な海を確保する「総合的な海洋の安全保障」に取り組んでいきます。
また、集中豪雨、森林火災、大雪など、近年、世界各地で発生する異常気象は、気候変動が大きな要因と言われ、脱炭素化は待ったなしの課題です。
同時に、気候変動への対応は、経済の制約ではなく、むしろ、日本を力強く成長させる原動力となります。
このような思いで、私は2050年カーボンニュートラルを宣言し、成長戦略の柱として、取組を進めてきました。
洋上風力発電などの海洋におけるイノベーションも活用して「経済と環境の好循環」を加速させ、パリ協定が目指す脱炭素社会の実現に向けた国際社会の取組を主導していきます。
さらに、美しい海を守っていくためには、国際社会と連携した海洋プラスチックごみへの対応も重要です。
我が国は、2019年のG20大阪サミットで、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を打ち出しました。2050年までに新たな汚染をゼロにする、このビジョンの実現に向けて、関係機関とも連携しながら、技術支援などを積極的に行っていきます。
最後に、海のもたらす恩恵に感謝するとともに、海洋国家・日本、そして世界の、益々の平和と繁栄を願い、本年の「海の日」のメッセージとしたいと思います。
ありがとうございました。
令和3年7月20日
内閣総理大臣・総合海洋政策本部長 菅義偉