GEA国際会議2020開会式
令和2年12月14日、天皇皇后両陛下御臨席の下、菅総理は、都内で開催されたGEA(地球環境行動会議)国際会議2020開会式に出席しました。
開会式では、GEA会長による主催者挨拶の後、天皇陛下がおことばを述べられ、続いて、総理が挨拶を行いました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、本日ここに12回目となる地球環境行動会議が開催されることに当たり、一言御挨拶申し上げます。
気候変動の影響が現実のものとなるなど、地球環境問題が国際社会にとって大きな脅威となっています。その対応には、全ての国による大胆な行動が不可欠です。
私は、10月の所信表明演説で2050年カーボン・ニュートラルを宣言しました。これは我が国が、世界の流れに追いつき、一歩先んじるためにどうしても実現しなければならない目標であります。環境対応は、もはや経済成長の制約ではなく、経済社会全体の変革を後押しし、大きな成長を生み出すものであります。
こうした環境と成長の好循環に向けて、発想の転換を行うべく、今回の経済対策では、過去に例のない2兆円の基金を創設し、野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間、継続して支援していきます。
例えば、非常に薄くて軽く効率的で、壁などにも設置できる次世代太陽光発電技術や、二酸化炭素を回収して建築材料や燃料として再利用する技術、また、水素を大規模で低コストで製造して流通させ、飛行機などのエネルギーとして利用する技術、低コストで超高効率の蓄電池技術といった先進的な技術の実用化をこの基金によって加速します。
同時に、自動車から排出される二酸化炭素をゼロにすることを目指し、電気自動車などを最大限導入していくための制度や規制を構築します。
また、今年1月にはゼロエミッション国際共同研究センターを設立し、本日御講演いただく吉野彰(あきら)先生を研究センター長にお迎えしました。実用化を見据えた研究開発により、世界のグリーン産業をけん引し、経済と環境の好循環を創出していきます。
加えて、昨年のG20大阪サミットで共有され、今や86か国が賛同する大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現も重要です。海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指し、途上国への技術支援などを行っていきます。
美しい地球を次の世代に引き渡していくのは、今を生きる私たちの責任です。今回の地球環境行動会議において、環境・経済・社会の問題の同時解決に向けた、実りある活発な議論が行われることを大いに期待しております。
最後となりましたが、本日御出席の皆様の御健康とますますの御活躍を祈念し、私の御挨拶とさせていただきます。」