SDGサミット 総理スピーチ
議長、御列席の皆様、SDGs(持続可能な開発目標)が目指す誰一人取り残さない社会を実現するため、人間の安全保障の理念に基づき、世界の国づくりと人づくりに貢献したい。この強い思いを胸に、本年日本で開催したG20大阪サミットやTICAD7(アフリカ開発会議)において、次に述べる環境、教育、保健、質の高いインフラ投資等の取組を議長として主導しました。
2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを目指す、大阪ブルー・オーシャン・ビジョン。持続可能な開発のための教育の推進と、途上国の女性のエンパワーメントとして、3年間で400万人へ質の高い教育の機会の提供。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現に向け、約100万人のエイズ、結核、マラリア患者の命を救い約130万人の子供たちに予防接種を届ける。包摂的かつ強靱(きょうじん)なインフラの構築を目指す質の高いインフラ投資に関するG20原則の取りまとめ、普及、実践。
過去4年間、全閣僚が参加するSDGs推進本部の本部長として、私自身が先頭に立ちオールジャパンでSDGsを推進してきました。民間企業、学校、NGOなど様々な団体の優良事例を表彰するジャパンSDGsアワードや先進的取組を行う地方自治体をSDGs未来都市に選定し、日本全国にSDGsを浸透させてきました。
この経験をいかし、次のSDGサミットまでに国内外における取組を更に加速させます。
第一の鍵は、民間企業です。日本ではますます多くの企業がSDGsを経営理念の中核に据えるようになってきています。ESG投資やイノベーションを促し、こうした民間の取組を後押しします。
第二の鍵は、 SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的な町づくり。強靱な循環共生型社会の構築に向けて、コミュニティを活力あふれるものとするべく取組み、環境と成長の好循環をつくっていきます。
こうした認識の下、私は12月までに、日本のSDGs推進の中長期戦略である実施指針を改定し、進化した日本のSDGsモデルを示します。SDGs達成との目標に向け、我々の行動のインパクトを最大化するためあらゆるステークホルダーの力を結集していこうではありませんか。ありがとうございました。