在ウルグアイ日系人・在留邦人との懇談 安倍総理挨拶

平成30年12月2日
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 本日は、在ウルグアイ日本人会会長の千田栄子様を始めとする日系社会の皆様にお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。
 今回、私は日本国総理大臣として初めてウルグアイを公式訪問しました。その大きな目的はこうしてウルグアイの日系社会の皆様とお目にかかることです。
 今年はウルグアイへの移住110周年という慶賀の年であり、節目の年にこの地を訪問できたことを大変うれしく、感謝しております。
 今回、国会の関係で、こちらを訪問する日程が少し短くなって大変残念ではありますが、しかし、こうして皆様とお目にかかれて本当にうれしく思います。
 私の祖父、岸信介は、リオからブエノスアイレスに向かうフライトがモンテビデオを経由した際、空港内で、当時、日系人の皆様から歓迎されたそうです。本日いらしていただいている山田美枝さんは、正しく歓迎してくださった御本人ということでありました。当時の日系人の皆様との御縁を感じずにはいられません。
 2016年にブエノスアイレスで開催された日系人との交流事業において、ウルグアイの代表の方々、本日もいらっしゃっていただいている田中賢一さんとお目にかかりました。こうして再会できることを本当にうれしく思います。
 移住から110年、ウルグアイにおられる日系人の皆様には、多くの御苦労があったことと、想像いたします。そういう中で、日本人としての誇りを胸に歯を食いしばって困難を乗り越えた。そして現在は、花卉(かき)栽培を始めとする様々な事業において御活躍されておられます。
 皆様が正に体現しておられる、日本人としての美徳、そして経済社会発展への貢献が、ウルグアイの社会からの尊敬につながり、そして今、世代を継いで不動のものとなっています。これは本当に、心から敬意を表したいと思います。皆様は日本人の誇りであります。
 昨年、発足50周年が祝われた在ウルグアイ日本人会では、日本語講座、舞踏教室、和太鼓教室などを通じ、日本の文化の継承と普及に尽力されています。正に皆様は、日本とウルグアイの懸け橋となり、両国の友好を育んでいらっしゃいます。このことに深く感謝申し上げたいと思います。
 私は、そうした皆様の活動に役立つことがあれば何でもやるよう、日本大使館、JICA(独立行政法人国際協力機構)に指示しております。毎年、次世代の日系社会のリーダーを日本に招待しています。本日もそうして訪日をしたハルタ・ガブリエラさんもいらっしゃっています。若い世代の方々におかれましても、是非、両国の懸け橋となっていただくようお願いいたします。
 日本とウルグアイは地理的な距離は本当に遠く離れていますが、皆様が今ここにいることで心は近くに感じることができます。日本のことを大切に思う皆様にとって、日本のことをもっと誇りに思っていただけるよう私も力を尽くしてまいりたいと思っています。皆様のウルグアイでのますますの御活躍を祈念いたしまして、そして引き続き、皆様を応援していくということをお約束いたしまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。
 日本は常に皆様と共にあるということも、最後に申し上げたいと思います。ありがとうございました。

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