「建国記念の日」を迎えるに当たっての内閣総理大臣メッセージ
「建国記念の日」は、「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨のもとに、国民一人一人が、今日の我が国に至るまでの古からの先人の努力に思いをはせ、さらなる国の発展を願う国民の祝日であります。
我が国は、四季折々の豊かな自然に恵まれ、長い歴史を経て、諸外国に誇れる日本固有の文化や伝統を育んできました。私たちは、五穀豊穣を祈り、田畑をともに耕し、水を分かち合い、乏しきは補い合い、共に手を携え助け合う、麗しい社会を築いてまいりました。知恵と創意工夫により、自然に向き合い、自然との調和を図りながら、科学技術の発展をはじめ、様々な分野において、人類の営みに大きく貢献してきました。
長い歴史の中で、我が国は、幾度となく、大きな困難や過酷な試練に直面してきましたが、その度に、先人たちは、勇気と希望をもって立ち上がり、一人一人のたゆまぬ努力により今日の平和で豊かな国を築き上げ、自由と民主主義を守り、人権を尊重し、法を貴ぶ国柄を育ててきました。そうした努力の礎の上に、今日の発展があります。
今を生きる私たちは、先人たちの足跡の重みをかみしめ、国際社会とも緊密に連携しながら、この尊い平和と繁栄を次の世代に引き継いでいくため、能う限りの力を尽してまいります。
伝統を守りながら、同時に、変化をおそれず、困難な課題に対しても果敢に挑み、乗り越えていく。平成の時代においても、私たちは、そうした努力を積み重ねてまいりましたが、平成の、その先の時代に向かって、私たちの子や孫の世代のために、今後も努力を重ね、より良い未来を切り拓いてまいります。平成最後の「建国記念の日」を迎えるに当たり、私はその決意を新たにしております。
「建国記念の日」が、我が国のこれまでの歩みを振り返りつつ先人の努力に感謝し、さらなる日本の繁栄を希求する機会となることを切に希望いたします。
平成31年2月11日
内閣総理大臣 安倍 晋三