令和2年7月豪雨による被害状況視察のための熊本県訪問
令和2年7月13日、安倍総理は、令和2年7月豪雨による被害状況視察のため、熊本県を訪問しました。
総理は、始めに球磨(くま)郡球磨村の特別養護老人ホーム千寿園の被災現場を視察した後、球磨村総合運動公園で球磨村の松谷浩一(こういち)村長との意見交換会を行いました。続いて、人吉市の避難所を視察し、最後に人吉市役所で熊本県の蒲島(かばしま)郁夫(いくお)知事及び人吉市の松岡隼人(はやと)市長との意見交換会を行いました。
視察後、総理は次のように述べました。
「まず、この度の豪雨により、お亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈り申し上げます。そして、全ての被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
本日は、被災現場にまいりました。凄まじい雨量による河川の氾濫、浸水などによる災害の爪痕を目の当たりにいたしました。そして、避難所においては、大変困難な時を過ごしておられる被災者の皆様から、辛いお気持ちやこの後いったいどうなっていくんだろう、この地域自体が存続していくことができるのかどうか、そういう不安なお気持ちを直接伺いました。
政府としては、引き続き、行方不明者の捜索、ライフラインの復旧に全力を挙げるとともに、現地のニーズを踏まえ、プッシュ型支援、そして、応急の住まいの確保など被災者の皆様の生活支援に政府一丸となって迅速に取り組んでまいります。当面の対策として、プッシュ型支援を強化するため、プッシュ型支援に対して、予備費の支出を決定いたします。
また、農林漁業者の皆さん、中小企業・小規模事業者の皆さん、現下のコロナウイルス感染症によって大きな影響を受けておられます。その中で、今回の災害。事業を継続していこう、そういう気持ちを気力を失ってしまうような、心が折れてしまうような厳しい状況におられるんだろうと思います。政府としても、地元自治体と協力して、しっかりと応援してまいります。我々といたしましては、そうした皆さんを支援していくため、災害復旧の予算と予備費を合わせ、4千億円を上回る予算を活用して、対策パッケージを早急に取りまとめます。
この後、東京において非常災害対策本部を開き、その場で私から指示いたします。政府として、できることは全て行う、現場主義を徹底して、被災者の皆さんの生活と生業(なりわい)、地域の再興、支援してまいります。」
「被災者の皆様には、とにかく早く支援の手を差し伸べてもらいたい。一日でも早く安心して暮らせる場所に移りたい。また、日々の生活においては、プッシュ型の支援、本当に必要であります。今まで我々、災害を何回か経験してまいりましたが、プッシュ型支援に対するニーズが非常に高かったわけであります。
今回、熊本県は、地震を経験しておられまして、こうしたプッシュ型の支援を国、県、市町村、そして現場と、こういうリレーがスムーズにいくようになったとこう思っております。これからも先手、先手に必要な物資を本当に少しでも早くお届けできるように、また、安心して暮らせる住まいに一日も早く移れるように全力を尽くしていきたいと思います。」
「先ほど視察いたしました。黙とうを捧(ささ)げたところでございますが、今回は、そうした過去の被災の例に学びながら、1年間に2回避難訓練も行っておられるということでございます。その中で、最初は土砂災害に対応をするために、1階の食堂の場所に集合していたところ、河川が氾濫して、しかもそれが想像を絶するスピードで起こったために、ああした本当に悲劇的な出来事となってしまったわけでありますが、これからそうした教訓をしっかりと活かしていかなければならないと、こう思っています。」
「大変残念なことでございました。今後、鹿児島県において、県民のための県政が進められるよう自民党としては、是々非々で、しかし、県民のために協力していきたいと思います。」