官民金融機関との会談
令和2年4月8日、安倍総理は、総理大臣官邸で官民金融機関との会談を行いました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「皆様、本日大変はお忙しい中、官邸までお越しいただきました。厚く御礼申し上げます。
昨日、7都府県を対象に、緊急事態宣言を発出いたしました。国民の皆様には、感染拡大回避のため、最低7割、極力8割の接触機会の削減など、大変な御協力をいただいております。こうした状況だからこそ、国民経済の安定に不可欠な金融機関の機能の維持は、極めて重要であります。
また、日本全国において、多くの事業者の方々が、極めて厳しい状況に置かれているのも、皆様よく御承知のとおりであります。政府としては、こうした窮状を徹底的に下支えして、事業を継続していただく、その地域の雇用、働く場所を何としても守り抜く。そういう決意で、あらゆる手立てを講じているところでございます。
中小企業・小規模事業者の方々の一番の悩みは、資金繰りでありまして、今回の緊急経済対策は、45兆円に及ぶ、これまでにない規模の強力な資金繰り支援を行うこととしております。
全国各地で、中小・小規模事業者の皆さんが、本当に苦しい中でも、歯を食いしばって何とか経営を継続しよう、雇用を守ろうと頑張っていただいております。
その努力を無にしてはならない。どうか、金融機関の皆様の御協力を心からお願い申し上げたいと思います。
今回の緊急経済対策においては、無利子・無担保、5年間、元本返済・据置きの融資を、地域の民間金融機関でも活用できるようにいたしました。
既往債務の返済猶予など、貸付条件の変更についても、引き続き、迅速かつ柔軟に対応していただくようにお願いしたいと思います。
さらに、政府系金融機関においては、既往債務について、無利子・無担保の融資に借換えができるようにしましたので、積極的に御活用いただき、全力で支援をお願いします。また、中堅・大企業についても、危機対応業務を通じた資金繰り支援をお願いしたいと思います。
事業者の方々にこの難局を乗り切っていただくために、融資の実行に最大限のスピードで取り組んでいただきますように、なお一層の御尽力をお願いしたいと思います。
政府としても、できることがあれば、すぐに実行に移していきたいと思いますので、本日、現場の取組をお聞かせいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。」
会談の最後に、総理は、次のように述べました。
「今日は大変お忙しい中、皆様方の現場のお話をお伺いさせていただいたこと、改めて御礼させていただきたいと思いますが、正に、我が国は戦後最大の危機を迎えていると言ってもいいんだろうと思います。
その中で、国民の皆様の御協力をいただいて、何とかこの危機を乗り越えていきたいと思っております。
この危機管理対応の中におきましても、社会基盤である、経済インフラである金融機関の皆様には、営業を続けていただくこともお願いさせていただくわけでございますが、その中で、現場で本当に汗を流していただいている金融関係の皆様に心から御礼を申し上げたいと思います。
そして、今、我々は、緊急事態宣言の中で、経済が厳しい中で、更に人の動きを止める、経済のスピードを落とすことを国としてお願いしなければならない状況まで追い込まれているわけでございますが、その中で、本当に今、頑張っている皆さんを支援していく、何としても雇用と生活は守り抜かなければならないと思っております。
そのための、政府の存在なんだろうと考えているところでございますが、その上におきまして、さらに、この感染症拡大が収束を迎える段階においては、V字回復をしていく上においても、事業を継続していただくことが不可欠でございます。
大変、今、厳しい状況の中におきましては、現在、政府系金融機関を中心に、無利子・無担保、そして5年間、元本返済猶予の融資等について、御協力いただいております。
窓口は大変なんだろうと思いますが、今後は、民間の皆様に、戦列に参加していただくことになるわけでございまして、全銀協の三毛会長からも大変心強いお話がございましたが、正に、地銀、そしてまた、信金、信組の皆さんのこれは出番となるわけでございまして、正に街の経済を、今、維持しなければならないわけでございまして、皆様方の力強い支援、柔軟な対応をお願いしたいと思います。
街の声を、とにかく早く審査していただきたい、そして早くキャッシュフローを得たい、そうしなければもう立っていられないという声が、我々のところに殺到しております。
もちろん、窓口の皆さんも大変だと思いますが、今後ともよろしくお願いしたい。この危機管理、この危機対応、この試練を乗り越えていく上においては、皆様方の御協力が何とぞ必要であるということを御理解いただきまして、御協力を賜りますようによろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。」