新型コロナウイルス感染症対策本部(第20回)
令和2年3月18日、安倍総理は、総理大臣官邸で第20回新型コロナウイルス感染症対策本部を開催しました。
会議では、新型コロナウイルス感染症への対応について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「先週、WHO(世界保健機関)が欧州がパンデミックの中心となった旨を発表するなど、欧州において新型コロナウイルス感染症の拡大が続いております。そこで、今般、感染者数が拡大し、感染症危険情報をレベル3の渡航中止勧告に引き上げた、イタリア、スペイン、スイスの一部地域及びアイスランドについては、入管法による入国拒否対象地域に追加することとし、明日19日午前0時から効力を発生させるものとします。
加えて、現在の感染拡大の状況等を踏まえ、シェンゲン協定全加盟国を含む欧州諸国はもとより、イラン及びエジプトの38か国について、更なる検疫の強化が必要と判断いたしました。これらの国々からの入国者に対しては、検疫所長の指定する場所での14日間の待機要請及び国内における公共交通機関の使用自粛要請を行うことといたします。併せて、措置の実効性を担保し、入国希望者の総数を抑制する観点から、これらの国において発給された一次及び数次査証の効力を停止するとともに、査証免除措置の適用を順次停止いたします。今後手続きを進め、21日午前0時から運用を開始し、まずは4月末日までの間実施することといたします。
なお、現下の世界での感染拡大状況に鑑み、本日、全世界を対象に、感染症危険情報レベル1を発出し、国民の皆様に、地域を問わず、全ての海外への渡航の是非又はその延期の必要性について注意喚起することといたします。
また、景気悪化への懸念が高まる中において、仕事がなくなるなどにより、公共料金の支払が難しいといった方々も出てくることが懸念されるところであり、生活に不安を感じておられる方々への追加的な措置が急務です。
まず、第2弾の緊急対応策で設けた、返済免除特約付き緊急小口資金について、学校休業の影響の有無に関わらず、個人事業主等の世帯についても、貸付限度額を10万円から20万円に引き上げ、生活への不安に対応します。併せて、当座の生活費に切迫している場合については、より迅速に貸付を行うなど、きめ細かな支援を実施します。
公共料金についても、新型コロナウイルス感染症の影響により、電気料金等の公共料金の支払が困難な事情がある方に対しては、それぞれの方の状況に配慮し、支払の猶予等、迅速かつ柔軟に対応するよう、各大臣から要請してください。
国税・社会保険料についても、猶予の申請や審査について極力簡素化の上、原則として1年間は納付を猶予するとともに、延滞税・延滞金についても免除・軽減措置を講じたところであり、積極的に周知広報してまいります。地方税についても、徴収の猶予等、迅速に対応するよう地方公共団体に要請します。
こうした取組により、年度末を控え、仕事がなくなるといった状況に直面している方々への当面のセーフティネットをしっかりと張ってまいります。
様々なイベントの中止、人の移動の制限等により、世界全体で経済活動が縮小しており、我が国経済にも甚大な影響を及ぼしています。この国際的な非常事態に対応するため、先日のG7首脳との電話会談では、各国があらゆる政策手段を用い、できる限りの政策対応を行うことで一致いたしました。我が国においても、このマグニチュードに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を講じていかなければなりません。
今は、感染拡大を抑えることが最優先ですが、その後は、日本経済を再び確かな成長軌道へと戻していくため、一気呵(か)成に、思い切った措置を講じていく考えです。その具体策を立案していくため、明日から短期間のうちに、今般の感染拡大によって影響を受けている分野を中心に、国民各層の幅広い有識者にお集まりいただき、地域の声、現場の声をお伺いするヒアリングを、集中的に実施いたします。こうした声に耳を傾け、地域経済の実情を十分に踏まえながら、この難局を乗り越えるために真に必要な政策を政府与党が一丸となって、磨き上げてまいります。
最後に、これまで開発を進めてきたPCR検査の簡易検査機器も、本日、2種類の機器について開発が完了し、今後、活用していくことを決定しました。そのうちの1つは、これまで6時間近くかかっていた検査を1時間程度に短縮するものであり、今後、医療機関等での簡便かつ迅速な検査が可能となります。引き続き、検査体制の充実に努め、感染拡大の防止にも全力を挙げてまいります。」