政府与党連絡会議
令和2年3月10日、安倍総理は、総理大臣官邸で政府与党連絡会議に出席しました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「新型コロナウイルス感染症については、世界全体に広がりつつあります。我が国においても、連日感染者が確認されており、専門家の見解によれば、急速な感染拡大に進むのか収束できるのかの瀬戸際にあって、現状においても依然として警戒を緩めることができない状態にあります。
今が正に国内の急速な感染拡大を回避するために極めて重要な時期です。こうした認識の下、国民の皆様にも御協力を求めながらあらゆる手立てを講じているところです。他方、感染の急速な拡大といった最悪の事態の可能性に備えるため、緊急事態宣言の発出などを可能とする新型インフルエンザ特措法の改正案を本日国会に提出します。
国民の命と健康を守るため、一日も早い成立に向けて皆様の御協力を何とぞ、よろしくお願いします。
また、感染拡大防止の徹底に加えて経済の面においては、雇用の維持と事業の継続を当面最優先に、全力を挙げて取り組みます。
先般取りまとめた第1弾の緊急対策に加えて、現在与党の御提言も踏まえ、第2弾の取りまとめに向けた最終調整を行っているところです。今回の臨時休業により、職場を休まざるを得なくなった保護者の皆さんへの新たな助成金の創設や医療提供体制の構築、中小・小規模事業者などに対する無利子・無担保の強力な資金繰り支援など、必要な対応策を盛り込み、本日決定いたします。
また、世界経済の先行きに対する不透明感がある中で、金融市場においても神経質な動きが見られます。政府としては、各国当局、日本銀行とも連携を密にしながら必要とあらばG7、G20(金融・世界経済に関する首脳会合)の合意に沿って適切に対応してまいります。
日々変わる情勢変化の先を見通しながら、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策を躊躇(ちゅうちょ)なく決断し、実行してまいります。引き続きの御協力をよろしくお願いします。
明日で東日本大震災から9年となります。政府主催の追悼式については、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から誠に残念なことではありますが、開催を断念することとなりました。しかし、3月11日は日本にとって忘れ得ぬ日であり、忘れてはならない日であります。明日、官邸において犠牲となられた方々の御霊(みたま)に対して黙とうを捧げ、御冥福をお祈りするとともに、私から追悼の言葉を申し述べさせていただく予定であります。
先週末には、福島の被災地を訪問しました。被災地の皆さんの懸命な努力によって確実に復興が前進している姿を見ることができました。他方、福島の復興には、中長期的な対応が必要です。復興創生期間は最終年を迎えますが、福島が復興を成し遂げるその日まで、国が前面に立ち全力を尽くしてまいります。
復興創生期間後も、政治の責任とリーダーシップの下、復興に万全を期していくため、復興庁の設置期間を10年間延長する法案を国会に提出したところです。被災地の方々が、安心して復興に取り組むことができるよう、早期の成立に向け与党の皆様の御協力を、よろしくお願い申し上げます。
昨日、またもや北朝鮮から弾道ミサイルと見られるものが発射されました。度重なるこのような挑発は、我が国及び国際社会に対する深刻な挑戦であり、決して許されるものではありません。北朝鮮情勢の分析を進めながら、米韓など国際社会と連携し断固たる対応を行ってまいります。
国会ではおかげさまで、衆議院において来年度予算が可決され、現在、参議院において御審議をいただいております。新型コロナウイルス感染症が景気全体に与える影響に対しては、26兆円の総合経済対策を着実に実行していくことが重要です。その実施のために不可欠な、来年度予算を一日も早く成立させ国民の皆様の不安に応えていけるよう、引き続き緊張感を持って丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。
与党の皆様の引き続きの御協力を、よろしくお願いいたします。」