新型コロナウイルス感染症対策本部(第17回)
令和2年3月5日、安倍総理は、総理大臣官邸で第17回新型コロナウイルス感染症対策本部を開催しました。
会議では、新型コロナウイルス感染症への対応について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「諸外国での感染が拡大する中で、今が正念場であり、国内対策はもとより機動的な水際対策についても、引き続き躊躇(ちゅうちょ)なく断行していくことが不可欠です。今般、積極果断な措置を講じることといたしました。
まず、感染が拡大している韓国の慶尚北道の一部地域及びイランのコム州等における滞在歴がある外国人については、入管法に基づき、新たに入国拒否の対象といたします。他方、一部地域の入国拒否措置を講じてもなお、中国や韓国全土から本邦への人の流入は続いています。感染拡大を防止し、国民の皆様の不安感を解消するためには、両国からの入国者に対する検疫を強化し、検疫所長が指定する場所で2週間待機し、国内において公共交通機関を使用しないことを要請します。これら待機等の要請を徹底していくため、マンパワーの確保をしっかりと行ってください。
また、中国及び韓国からの入国者総数を抑制するため、両国に関して、航空機の到着空港を成田国際空港及び関西国際空港に限定するほか、船舶での旅客運送の停止、さらに、発行済みの一次及び数次査証の効力を停止いたします。
今後手続きを進め、入国拒否地域の追加については、3月7日午前0時から効力を発生させるものとします。中国及び韓国に対する措置については、周知期間をおき、週明け9日午前0時から運用を開始し、まずは3月末日までの間実施することといたします。
また、マスクについては、これまで、国内企業への設備投資支援を行い、今月は、例年の需要を大きく上回る、月6億枚以上の供給を確保しています。これに加え、現下の品薄状態を踏まえて、来週取りまとめる第2弾の緊急対応策に、需給両面から総合的なマスク対策を盛り込むことといたします。
需要面では、インターネットにおいてマスクが高額で取引されている事例が報告され、こうした転売を目的とした購入が、店頭におけるマスクの品薄状態に拍車をかけている、との指摘があります。このため今般、国民生活安定緊急措置法を適用し、マスクの転売行為を禁止いたします。速やかな施行に向け、政令の決定に向けた手続きを進めて下さい。
供給面では、医療現場を始め、特に感染拡大防止の観点から必要な場所へのマスク供給を抜本的に強化いたします。
まず、何度でも再利用可能な布製マスクを、2,000万枚、国が一括して購入します。高齢者の介護施設や障害者施設、保育所、今般の学校休業に伴う学童保育などの現場に、自治体の協力も得ながら、少なくとも1人1枚は行き渡るよう、十分な量を配布させていただきます。施設の皆様には、洗濯などの御負担をおかけすることとなりますが、この布製マスクを御活用いただくことで、現場におけるマスク不足を解消したいと考えています。
同時に、医療機関向けのマスクについて、国内メーカーに増産を要請するとともに、海外からの輸入を拡大することにより、1,500万枚、国として確保します。これを、自治体などを経由して、必要な医療機関を対象に優先配布を行うことで、マスク不足によって医療現場に支障が生じることがないよう、万全を期してまいります。
さらに、マスクメーカーに対する更なる増産支援も行い、国内市場へのマスク供給量の一層の積み増しを図ります。今後も、マスクの需給の状況を十分に注視しながら、国民不安の解消に向けて、法制度や予算を駆使して、必要な対策はどんどん講じてまいります。
各位にあっては、国民の命と健康を守るため、引き続き、政策を総動員して、対応に当たってください。」