派遣情報収集活動水上部隊出国行事等
令和2年2月2日、安倍総理は、海上自衛隊横須賀地区で派遣情報収集活動水上部隊出国行事等に出席しました。
総理は、儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょうに続き、護衛艦「たかなみ」を艦内視察し、その後、出国行事で訓示を行いました。
総理は、訓示の中で次のように述べました。
「護衛艦『たかなみ』の出国に当たり、自衛隊の最高指揮官たる内閣総理大臣として一言申し上げます。
本日、稲葉司令、新原艦長を始めとする、諸官208名の、士気旺盛な姿に接し、大変頼もしく感じました。また、諸官を直接激励することができ、大変嬉(うれ)しく思います。
去る1月11日の夕方。私を乗せた政府専用機は、サウジアラビアに向かう途中、夕焼けに染まる北アラビア海、オマーン湾の、正に上空にありました。諸官がこれから赴く海域です。これらの海域は、年間数千隻の日本関係船舶が航行し、我が国で消費する原油の約9割が通過します。そこは日本国民の生活を支える大動脈・命綱と言える海域です。これら日本関係船舶の安全を確保することは、政府の重要な責務であり、そのために必要な情報収集を担う諸官の任務は、国民の生活に直結する、極めて大きな意義を有するものです。諸官の任務の遂行に当たっては、関係国の理解と、この地域の緊張緩和と情勢の安定化のための努力が必要なことは言うまでもありません。
我が国は、米国と同盟関係にあり、同時にイランを含む中東各国と長年良好な関係を築いてきています。私自身、先般中東各国を訪問し、自衛隊の派遣を完全に支持する、協力支援を惜しまない、との力強いサポートを得ました。また、イランのローハニ大統領に直接説明し、我が国の取組の意図について理解を得ました。今後も、こうした日本ならではの外交努力を尽くしてまいります。
『たかなみ』の乗員諸官。この重要な任務に、限られた時間でしっかりと準備を整え、士気高く臨んでくれている諸官一人一人に、敬意と感謝を表したいと思います。 船舶運航関係者、日本企業、そして国民が、諸官の活動と『たかなみ』のプレゼンスを大変心強く思っています。
また、御家族、関係者の皆様には、日頃『たかなみ』の乗員諸官を支えていただき、本当に有難うございます。心配や不安もある中、伴侶であり、お子さんであり、お父さんである、大切な方々を、このように任務に送り出していただき、心から感謝を申し上げたいと思います。自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣として、『たかなみ』の乗員諸官が安心して、その任務に専念し、その任務を無事完遂できるよう、また、御家族の皆様が安心して日々を過ごしていただけるよう、政府として万全の態勢をとることをお約束いたします。
『たかなみ』の乗員諸官。諸官が遠く中東の洋上にあっても、私と日本国民は、常に諸官と共にあります。諸官におかれては、その誇りと自信を胸に、任務に精励してください。」