グローバル・アピール2020

令和2年1月27日
挨拶する安倍総理 挨拶する安倍総理
挨拶する安倍総理

 令和2年1月27日、安倍総理は、都内で開催されたグローバル・アピール2020に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「今まで森元総理に時間を調整していただいて、大変恐縮でございますが、私の演説の先生でもございまして、途中腰を折るような雰囲気になったことをまずお詫(わ)び申し上げたいと思う訳でございますが。本日は、世界各国から御参加をいただいた皆様、そして、御来会の皆様、まず世界各国からお越しをいただいた皆様、ようこそ日本にお越しいただきました。心から歓迎を申し上げたいと思います。
 今回で15回目を迎えるこのグローバル・アピールを主導してこられた笹川(ささかわ)会長は、WHO(世界保健機関)ハンセン病制圧大使や日本政府ハンセン病人権啓発大使を務め、ハンセン病治療薬の無償配布など世界的なハンセン病の制圧活動に長年熱心に取り組んでこられました。その活動が評価され、2018年のガンジー平和賞を受賞されておられます。長年にわたる取組に対しまして、深く敬意を表する次第でございます。
 ハンセン病は、感染力が非常に弱く、治療薬も確立され、そして適切な治療により後遺症なく治る病気であります。しかし、我が国では、かつて国の不適切な施設入所政策により、ハンセン病患者・元患者の方々の人権に大きな制限、そして制約をもたらし、また、社会的偏見や差別を助長したという過去があります。我々は、その歴史を反省し、元患者の方々に国としてお詫びし、補償や名誉の回復、社会復帰支援の取組を行ってまいりました。さらに昨年には、元患者の御家族の方々につきましても、長年強いられてきた苦痛と苦難に対し、お詫びし、補償を行うことといたしました。今後も元患者の方々とその御家族の皆様のお声を聞きながら、差別や偏見の根絶に向けて、政府一丸となって全力を尽くしてまいります。
 本年のグローバル・アピールは、国際パラリンピック委員会の賛同を得て行われました。東京オリンピック・パラリンピックの開催を通じて、スポーツの力が人々の行動に変革をもたらし、全ての人に尊厳と基本的な自由が尊重される社会の実現に向けて大きく前進する年となるように取り組んでまいります。
 今日、この集いで発信されたインクルーシブな社会の実現に向けたメッセージが全世界に届くことを願っております。そして、これを機に全世界の人々がハンセン病について正しく理解し、考え、そして行動することで、ハンセン病に対する偏見や差別が大きく解消していくことをお祈りいたしまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。」

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